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JP5445286B2 - 炭化珪素単結晶基板の製造方法 - Google Patents
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JP5445286B2 - 炭化珪素単結晶基板の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶基板の製造方法 Download PDF

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本発明は、張設したワイヤを走行させた状態で、炭化珪素(以下、SiCという)単結晶インゴットにワイヤを押し付けることによりSiC単結晶インゴットを切断する工程を含むSiC単結晶基板の製造方法に関するものである。
従来より、SiC単結晶インゴットを切断してSiC単結晶基板を製造する製造方法として、例えば、特許文献1に以下の製造方法が開示されている。具体的には、複数のローラに対してワイヤを複数回巻き付けることでワイヤが複数列に張設されたワイヤ列を有するワイヤーソー装置を用い、ワイヤにダイヤモンドスラリを供給しながら、または、ワイヤにダイヤモンドを電着させ、ローラの回転によってワイヤ列を一方向走行または往復走行させた状態で、SiC単結晶インゴットをワイヤ列に押し付けてSiC単結晶インゴットを切断することによりSiC単結晶基板を製造する製造方法が開示されている。
特開2009−61529号公報
しかしながら、上記SiC単結晶基板の製造方法では、ワイヤーソー装置でSiC単結晶インゴットを切断し始めるとき、ワイヤ列を構成する各ワイヤはそれぞれ一点でSiC単結晶インゴットと接触することになり、SiC単結晶インゴットは接触点において各ワイヤから多大な応力が印加されることになる。また、一般的に、SiC単結晶インゴットの側面には微小な凹凸が存在しているため、SiC単結晶インゴットに印加された応力は、SiC単結晶インゴット内を均一に拡散せず、凹凸部分に集中することになる。このため、ワイヤーソー装置でSiC単結晶インゴットを切断する際、SiC単結晶インゴットは凹凸部分を起点として割れが生じることがあるという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、SiC単結晶インゴットを切断するときに、SiC単結晶インゴットが割れることを抑制することができるSiC単結晶基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、側面を有するSiC単結晶インゴット(1)を用意する工程と、SiC単結晶インゴット(1)の少なくとも側面を樹脂(3)で覆う工程と、張設したワイヤを用い、ワイヤにダイヤモンドスラリを供給しながら、または、ワイヤにダイヤモンドを電着させ、ワイヤを走行させた状態で、樹脂(3)をワイヤに押し付けることにより樹脂(3)を切断しつつ、SiC単結晶インゴット(1)の側面をワイヤに押し付けることにより、SiC単結晶インゴット(1)を切断して複数のSiC単結晶基板(4)を形成する工程と、を含み、SiC単結晶基板(4)を形成する工程では、SiC単結晶インゴット(1)を切断した後であって、樹脂(3)を全て切断する前に終了することにより、樹脂(3)のうち、切断方向下流側に位置する部分であって、かつワイヤにより切断されていない保持部(3a)にて、複数のSiC単結晶基板(4)を保持する工程と、保持部(3a)を除去することにより複数のSiC単結晶基板(4)をそれぞれ分離する工程と、を含むことを特徴としている。
このようなSiC単結晶基板の製造方法では、SiC単結晶インゴット(1)を切断し始めるとき、ワイヤは、樹脂(3)に接触しつつ、SiC単結晶インゴット(1)と接触することになる。このため、SiC単結晶インゴット(1)を切断し始めるときには、ワイヤから樹脂(3)およびSiC単結晶インゴット(1)に応力が印加されることになり、従来の製造方法と比較して、ワイヤからSiC単結晶インゴット(1)に印加される応力を抑制することができる。また、SiC単結晶インゴット(1)の側面に存在する凹凸部分の段差は通常0.1μm〜5mm程度であり、その部分の段差が樹脂(3)により埋め込まれるため、SiC単結晶インゴット(1)の凹凸部分に応力が集中することを抑制することができる。以上より、凹凸部分に集中する応力を抑制することができ、SiC単結晶インゴット(1)が凹凸部分を起点として割れることを抑制することができる。
また、請求項2および3に記載の発明では、SiC単結晶インゴット(1)を用意する工程の後、一面および一面と反対側の裏面と、一面と裏面との間の側面を有し、側面に第1基準面(2a)を有する基台(2)に対して、SiC単結晶インゴット(1)を搭載する工程と、SiC結晶基板(5)の結晶軸がSiC単結晶インゴット(1)のインゴット軸の周りにθずれているとしたとき、第1基準面(2a)の一部を切断することにより、切断した第1基準面(2a)との為す角がθとなる第2基準面(2b)を形成する工程と、を行い、樹脂(3)で覆う工程では、第2基準面(2b)を露出させてSiC単結晶インゴット(1)の少なくとも側面を樹脂(3)で覆い、SiC単結晶基板(4)を形成する工程では、SiC単結晶インゴット(1)の切断方向と第2基準面(2b)とを直交させた状態で、SiC単結晶インゴット(1)を切断することを特徴としている
そして、請求項4に記載の発明のように、樹脂(3)をエポキシ樹脂とすることができる。このような製造方法では、樹脂(3)として安価なエポキシ樹脂を用いているため、コストが増加することを抑制しつつ、SiC単結晶インゴット(1)の側面を樹脂(3)で覆うことができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態におけるSiC単結晶基板の製造工程を示す図である。 図1に続くSiC単結晶基板の製造工程を示す図である。 インゴット軸と結晶軸との関係について示した図である。 (a)は、SiC単結晶インゴットをインゴット軸を中心として最大傾き方向のθを回転させたときの状態を示す図、(b)は、SiC単結晶インゴットを最大傾き角度のλずらしたときの状態を示す図である。 本発明の第2実施形態におけるSiC単結晶基板の製造工程を示す図である。 本発明の第3実施形態におけるSiC単結晶基板の製造工程を示す図である。 本発明の他の実施形態におけるSiC単結晶インゴットの側面を樹脂で覆った状態の断面構成を示す図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明にかかるSiC単結晶基板の製造工程を示す図、図2は図1に続く製造工程を示す図であり、これらの図に基づいて説明する。なお、図1中紙面左側の図は断面図であり、紙面右側の図は紙面左側の図のA矢視図である。また、図2中紙面左側の図は断面図であり、紙面右側の図は紙面左側の図のB矢視図である。
まず図1(a)に示されるように、SiC単結晶インゴット1を用意し、SiC単結晶インゴット1を基台2に搭載する。このSiC単結晶インゴット1は、例えば、種結晶上に昇華再結晶法で成長させられた側面に微小な凹凸を有したものを用いることができ、本実施形態では円柱状とされている。また、基台2は、例えば、パテ状のエポキシ等の樹脂により構成されており、一面および一面と反対側の裏面と、一面と裏面との間の側面を有し、側面に第1基準面2aを有する板状とされている。本実施形態では、基台2は正方形状とされており、SiC単結晶インゴット1は基台2の一面に搭載されている。
その後、図1(b)に示されるように、基台2のうち第1基準面2aの一部を切断することにより、切断した第1基準面2aとの為す角がθとなる第2基準面2bを形成する。この第2基準面2bは、SiC単結晶インゴット1のインゴット軸(以下、単にインゴット軸という)と所望の結晶面に対する結晶軸(以下、単に結晶軸という)とが一致していない場合、SiC単結晶インゴット1を切断する際に、所望の結晶面を得るための角度を補正するためのものである。また、θは、後述するが、結晶軸がインゴット軸の周りに最大傾き方向のθずれているとしたときのものである。このように基台2を用いて、第2基準面2bを形成することで、後述する所望の結晶面を得るための角度を補正してSiC単結晶インゴット1をワイヤーソー装置で切断するとき、直接SiC単結晶インゴット1に目印をつけるために切り込みを入れる必要がないので、SiC単結晶インゴット1が割れることを抑制することができる。
ここで、インゴット軸と結晶軸との関係について簡単に説明する。具体的には後述するが、SiC単結晶インゴット1を一般的なワイヤーソー装置を用いて切断することにより所望の結晶面を有するSiC基板を製造するには、結晶軸が切断平面と垂直となる状態でSiC単結晶インゴット1をワイヤーソー装置に配置することが必要となる。すなわち、図2に示されるように、切断平面と垂直となる軸をz軸とし、z軸と垂直であり、かつ切断方向と平行となる軸をy軸とし、z軸およびy軸とそれぞれ垂直となる軸をx軸としたとき、結晶軸をz軸と一致させた状態でSiC単結晶インゴット1をワイヤーソー装置に配置することが必要となる。以下に、インゴット軸を基準として、結晶軸をz軸に一致させる方法について説明する。なお、x−z平面は、後述する台座の一面と平行となる面であって、SiC単結晶インゴット1の切断方向と垂直となる面であり、x−y平面はSiC単結晶インゴット1の切断方向と平行となる面である。
図3はインゴット軸と結晶軸との関係について示す図である。なお、図3中のx軸、y軸、z軸は図2中のx軸、y軸、z軸に対応するものであり、初期状態としてインゴット軸とz軸とが一致しているものとする。
図3に示されるように、本実施形態では、結晶軸がインゴット軸(z軸)に対して最大傾き角度のλ、最大傾き方向のθずれている。この場合、所望の結晶面を有するSiC単結晶基板を製造するには、以下のようにして、結晶軸とz軸とを一致させた状態でワイヤーソー装置にSiC単結晶インゴット1を配置すればよい。図4(a)はSiC単結晶インゴット1をインゴット軸を中心として最大傾き方向のθを回転させたときの状態を示す図、図4(b)はSiC単結晶インゴット1を最大傾き角度のλだけずらしたときの状態を示す図である。
すなわち、まず、図4(a)に示されるように、SiC単結晶インゴット1をインゴット軸を中心に最大傾き方向のθを回転させることにより結晶軸をx−z平面に一致させる。本実施形態では、基台2のうち第1基準面2aの一部を切断することにより、切断した第1基準面2aとの為す角がθとなる第2基準面2bを形成している。このため、後述する図2の工程において、SiC単結晶インゴット1の切断方向と第2基準面2bとが垂直になるようにSiC単結晶インゴット1をワイヤーソー装置に配置することにより、最大傾き方向のθを補正することができる。
そして、図4(b)に示されるように、SiC単結晶インゴット1をx−z平面上で最大傾き角度のλだけずらすことにより、結晶軸とz軸とを一致させる。本実施形態では、後述する図2の工程において、基台2の一面とワイヤとの為す角がλとなる状態で、SiC単結晶インゴット1をワイヤーソー装置に配置することにより、最大傾き角度のλを補正することができる。なお、この図4(b)の状態のSiC単結晶インゴット1が図2のSiC単結晶インゴット1に相当するものである。
また、この最大傾き角度のλおよび最大傾き方向のθは、図3に示されるように、結晶軸のインゴット軸に対するx軸方向の傾き角度αと、y軸方向の傾き角度βを測定することにより得られる。ここで、図3中、x軸、y軸、z軸が交差する点を原点O、SiC単結晶インゴット1のうち基台2側と反対側の一面において当該一面と結晶軸とが交差する点をA、点Aからy軸と平行な方向に直線を引いたとき当該直線がx−z平面と交差する点をB、線分OAの長さをa、線分OBの長さをb、線分ABの長さをcとする。
図3に示されるように、最大傾き角度のλは(α+β1/2で表され、最大傾き方向のθは、図3中、原点O、点A、点Bで形成される三角形を考えると、tan−1(c/b)で表されるためである。なお、図3中、インゴット軸と結晶軸との交点から原点Oまでの長さをrとすると、b=r×tan(2π・α/360)であり、c=r×tan(2π・β/360)である。したがって、傾き角度αおよびβを計測すれば、結晶軸のインゴット軸に対するずれを求めることができる。この傾き角度αおよびβは、周知のX線方位測定器を用いることにより求められる。例えば、X線発生器とX線検出器とを有するX線方位測定器を用意し、SiC単結晶インゴット1を回転させながら、X線をSiC単結晶インゴット1に照射し、SiC単結晶インゴット1で反射されたX線を検出する。X線検出器では、ブラッグの回折条件を満たすときの反射量が最も大きくなるため、そのときのSiC単結晶インゴット1の回転角度に基づいて傾き角度αおよびβが計測される(例えば、特開平11−37958等参照)。
なお、インゴット軸と結晶軸とが一致している場合は、そのままインゴット軸に垂直に切断すればよいため、図1(b)の基台2のうち第1基準面2aの一部を切断する工程を行わなくてもよい。
続いて、図1(c)に示されるように、SiC単結晶インゴット1を、例えば、パテ状のエポキシ等の樹脂3により覆う。具体的には、SiC単結晶インゴット1を基台2に搭載したまま型に配置し、基台2に形成された第2基準面2bが露出するように、SiC単結晶インゴット1を樹脂3により覆う。このとき、SiC単結晶インゴット1の側面には微小な凹凸が存在しているため、SiC単結晶インゴット1と樹脂3とはアンカー効果により高い接着力で接着される。なお、樹脂3としてパテ状のエポキシ樹脂を用いる場合には、流動性が低いため、型の下面にパテ状のエポキシ樹脂を配置した後、SiC単結晶インゴット1を型に配置し、続いて、さらにパテ状のエポキシ樹脂を型に押し込むようにして配置することにより、SiC単結晶インゴット1の周囲に樹脂3を配置する。
その後、図2に示されるように、張設したワイヤを用い、ワイヤにダイヤモンドスラリを供給しながら、または、ワイヤにダイヤモンドを電着させ、当該ワイヤを走行させた状態で、樹脂3をワイヤに押し付けることにより樹脂3を切断しつつ、SiC単結晶インゴット1の側面をワイヤに押し付けることにより、SiC単結晶インゴット1を切断して複数のSiC単結晶基板4を形成する工程を行う。言い換えると、SiC単結晶インゴット1を切断するとき、ワイヤを樹脂3に接触させつつ、SiC単結晶インゴット1に接触させることにより、SiC単結晶インゴット1を切断する工程を行う。
この工程は、例えば、三角形状に配置した3つの溝付ローラ(以下、単にローラという)に、一本の磁性金属材料線等のワイヤが螺旋状に巻き付けられ、3つのローラのうちの2つのローラの間に、複数列に並べられたワイヤ列を形成した一般的なワイヤーソー装置を用いて行うことができる。そして、このようなワイヤーソー装置では、3つのローラのうちの残りの1つのローラがモータによって回転させられるようになっており、このローラが回転させられることにより、ワイヤが高速で往復走行させられるようになっている。
また、ワイヤ列の下方には、切断方向と垂直となる一面を備えた台座が備えられており、この台座の一面に対して接着部材を介して樹脂3に覆われたSiC単結晶インゴット1が固定され、台座を移動させることにより、SiC単結晶インゴット1の切断が行われる。本実施形態では、第2基準面2bがSiC単結晶インゴット1の切断方向と直交する、言い換えると第2基準面2bと台座の一面とが平行になると共に、基台2の一面とワイヤとの為す角がλとなるように、台座に樹脂3で覆われたSiC単結晶インゴット1を配置する。図3に示されるように、SiC単結晶インゴット1を、第2基準面2bがSiC単結晶インゴット1の切断方向と直交するように配置することにより、最大傾き方向のθを補正することができ、基台2の一面とワイヤとの為す角がλとなるように配置することにより、最大傾き角度のλを補正することができ、SiC単結晶インゴット1を切断した際に所望の結晶面を有するSiC単結晶基板4を得ることができるためである。
その後、図示しないが、アルコール系およびグリコール系の有機溶剤等の薬品によりSiC単結晶基板4の側面に配置されている樹脂3を軟化させて除去する。
このようなSiC単結晶基板の製造方法では、SiC単結晶インゴット1の側面を樹脂3にて覆っており、樹脂3をワイヤに押し付けることにより樹脂3を切断しつつ、SiC単結晶インゴット1の側面をワイヤに押し付けることにより、SiC単結晶インゴット1を切断して複数のSiC単結晶基板4を形成している。つまり、SiC単結晶インゴット1を切断し始めるとき、ワイヤは、樹脂3に接触しつつ、SiC単結晶インゴット1と接触することになる。このため、SiC単結晶インゴット1を切断し始めるときには、ワイヤから樹脂3およびSiC単結晶インゴット1に応力が印加されることになり、従来の製造方法と比較して、ワイヤからSiC単結晶インゴット1に印加される応力を抑制することができる。したがって、凹凸部分に集中する応力を抑制することができ、SiC単結晶インゴット1が凹凸部分を起点として割れることを抑制することができる。
さらに、SiC単結晶インゴット1と樹脂3とはアンカー効果により高い接着力で接着されているため、例えば、SiC単結晶インゴット1をせっこう等により覆う場合と比較して、SiC単結晶インゴット1を切断している途中でSiC単結晶インゴット1から樹脂3が分離することを抑制することができる。また、SiC単結晶インゴット1を切断した後もSiC単結晶基板4の側面には樹脂3が配置されているため、ワイヤーソー装置から取り外すとき、SiC単結晶基板4の側面を保護することができる。
また、SiC単結晶インゴット1の凹凸部分に応力が集中したとしても、SiC単結晶インゴット1は樹脂3にて覆われており、凹凸部分の応力は樹脂3にも拡散することになるため、SiC単結晶インゴット1をワイヤによって切断する際に割れが生じることを抑制することができる。
なお、樹脂3の表面にも、もちろん凹凸が存在し、ワイヤにより樹脂3を切断し始める際には、樹脂3の表面に多大な応力が印加され、その応力は樹脂3の凹凸部分に集中することになるが、樹脂3はSiC単結晶インゴット1より硬度が低くて割れにくく、また、仮に樹脂3が割れたとしてもSiC単結晶インゴット1には特に問題はない。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態のSiC単結晶基板の製造方法は第1実施形態に対して図2に示す製造工程を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。図5は、本実施形態にかかるSiC単結晶基板4の製造工程を示す断面図である。
図5(a)に示されるように、本実施形態では、SiC単結晶インゴット1をワイヤにより切断するとき、SiC単結晶インゴット1を切断した後であって、樹脂3を全て切断する前に終了する。つまり、樹脂3のうち、切断方向下流側に位置する部分であって、かつワイヤにより切断されていない保持部3aにて複数のSiC単結晶基板4を保持した状態で、ワイヤの切断工程を終了する。
その後、図5(b)に示されるように、保持部3aで複数のSiC単結晶基板4を保持している状態のものをワイヤーソー装置から取り外し、樹脂3に覆われたSiC単結晶インゴット1を図示しない治具により保持した状態で、保持部3aを除去することにより、複数のSiC単結晶基板4をそれぞれ分離する。例えば、樹脂3のうち切断方向下流側において、ワイヤによりSiC単結晶インゴット1を切断したときの切断方向と垂直方向に樹脂3を切断して保持部3aを除去することができる。
このような製造方法では、保持部3aにてSiC単結晶基板4を保持し、樹脂3に覆われたSiC単結晶インゴット1を保持した状態で保持部3aを除去することにより、複数のSiC単結晶基板4をそれぞれ分離している。このため、上記第1実施形態ではワイヤにより樹脂3を全て切断するために切断後にSiC単結晶基板4が倒れることで表面に傷が付いたり、割れが生じたりする可能性があるが、本実施形態の製造方法では、SiC単結晶基板4が倒れることで表面に傷が付いたり、割れが生じたりすることを抑制しつつ、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態のSiC単結晶基板の製造方法は第1実施形態に対して、図1(b)の工程と、図1(c)の工程との間に、基台2の形状を整える工程を行ったものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。図6は本実施形態にかかるSiC単結晶の製造工程を示す図であり、図1(c)の工程を行った後の状態を示す図である。
図6に示されるように、本実施形態では、図1(b)の工程を行った後、基台2を第2基準面2bを一辺とする正方形状に切断し、図1(c)の工程と同様に、基台2に形成された第2基準面2bが露出するように、SiC単結晶インゴット1を樹脂3により覆う。つまり、上記第1実施形態と比較して、SiC単結晶インゴット1の周囲に配置する樹脂3の量を少なくする。
このような製造方法では、ワイヤが樹脂3を切断する箇所が少なくなるため、樹脂3を切断する際に発生する切断屑を減少させることができ、切断屑によってワイヤーソー装置の切断効率が低下することを抑制しつつ、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、SiC単結晶インゴット1を樹脂3で覆う例について説明したが、もちろんこのような構成に限定されるものではなく、SiC単結晶インゴット1の少なくとも側面が樹脂3で覆われていれば本発明の効果を得ることができる。また、SiC単結晶インゴット1は円柱状に限定されるものではなく、SiC単結晶インゴット1は、側面がテーパ状とされていてもよいし、基台2に搭載される側と反対側が凸形状とされていてもよい。図7に、SiC単結晶インゴット1の側面を樹脂3で覆った状態の断面構成を示す。
例えば、図7(a)に示されるように、円柱状のSiC単結晶インゴット1の少なくとも側面に樹脂3が配置されていればよいし、図7(b)に示されるように、側面がテーパ形状とされているSiC単結晶インゴット1を用い、このSiC単結晶インゴット1の少なくとも側面に樹脂3が配置されていればよい。また、図7(c)に示されるように、円柱状とされていると共に、基台2に搭載される側と反対側が凸形状とされているSiC単結晶インゴット1を用い、このSiC単結晶インゴット1の少なくとも側面に樹脂3が配置されていればよいし、図7(d)に示されるように、側面がテーパ形状とされていると共に、基台2に搭載される側と反対側が凸形状とされているSiC単結晶インゴット1を用い、このSiC単結晶インゴット1の少なくとも側面に樹脂3が配置されていればよい。
1 SiC単結晶インゴット
2 基台
2a 第1基準面
2b 第2基準面
3 樹脂
4 SiC単結晶基板

Claims (4)

  1. 炭化珪素単結晶インゴット(1)を切断することにより炭化珪素単結晶基板(4)を製造する炭化珪素単結晶基板の製造方法であって、
    側面を有する前記炭化珪素単結晶インゴット(1)を用意する工程と、
    前記炭化珪素単結晶インゴット(1)の少なくとも側面を樹脂(3)で覆う工程と、
    張設したワイヤを用い、前記ワイヤにダイヤモンドスラリを供給しながら、または、前記ワイヤにダイヤモンドを電着させ、前記ワイヤを走行させた状態で、前記樹脂(3)を前記ワイヤに押し付けることにより前記樹脂(3)を切断しつつ、前記炭化珪素単結晶インゴット(1)の前記側面を前記ワイヤに押し付けることにより、前記炭化珪素単結晶インゴット(1)を切断して複数の前記炭化珪素単結晶基板(4)を形成する工程と、を含み、
    前記炭化珪素単結晶基板(4)を形成する工程では、前記炭化珪素単結晶インゴット(1)を切断した後であって、前記樹脂(3)を全て切断する前に終了することにより、前記樹脂(3)のうち、切断方向下流側に位置する部分であって、かつ前記ワイヤにより切断されていない保持部(3a)にて、前記複数の炭化珪素単結晶基板(4)を保持する工程と、前記保持部(3a)を除去することにより前記複数の炭化珪素単結晶基板(4)をそれぞれ分離する工程と、含むことを特徴とする炭化珪素単結晶基板の製造方法。
  2. 前記炭化珪素単結晶インゴット(1)を用意する工程の後、一面および前記一面と反対側の裏面と、前記一面と前記裏面との間の側面を有し、前記側面に第1基準面(2a)を有する基台(2)に対して、前記炭化珪素単結晶インゴット(1)を搭載する工程と、前記炭化珪素結晶基板(5)の結晶軸が前記炭化珪素単結晶インゴット(1)のインゴット軸の周りにθずれているとしたとき、前記第1基準面(2a)の一部を切断することにより、切断した前記第1基準面(2a)との為す角がθとなる第2基準面(2b)を形成する工程と、を行い、
    前記樹脂(3)で覆う工程では、前記第2基準面(2b)を露出させて前記炭化珪素単結晶インゴット(1)の少なくとも側面を前記樹脂(3)で覆い、
    前記炭化珪素単結晶基板(4)を形成する工程では、前記炭化珪素単結晶インゴット(1)の切断方向と前記第2基準面(2b)とを直交させた状態で、前記炭化珪素単結晶インゴット(1)を切断することを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶基板の製造方法。
  3. 炭化珪素単結晶インゴット(1)を切断することにより炭化珪素単結晶基板(4)を製造する炭化珪素単結晶基板の製造方法であって、
    側面を有する前記炭化珪素単結晶インゴット(1)を用意する工程と、
    前記炭化珪素単結晶インゴット(1)の少なくとも側面を樹脂(3)で覆う工程と、
    張設したワイヤを用い、前記ワイヤにダイヤモンドスラリを供給しながら、または、前記ワイヤにダイヤモンドを電着させ、前記ワイヤを走行させた状態で、前記樹脂(3)を前記ワイヤに押し付けることにより前記樹脂(3)を切断しつつ、前記炭化珪素単結晶インゴット(1)の前記側面を前記ワイヤに押し付けることにより、前記炭化珪素単結晶インゴット(1)を切断して複数の前記炭化珪素単結晶基板(4)を形成する工程と、を含み、
    前記炭化珪素単結晶インゴット(1)を用意する工程の後、一面および前記一面と反対側の裏面と、前記一面と前記裏面との間の側面を有し、前記側面に第1基準面(2a)を有する基台(2)に対して、前記炭化珪素単結晶インゴット(1)を搭載する工程と、前記炭化珪素結晶基板(5)の結晶軸が前記炭化珪素単結晶インゴット(1)のインゴット軸の周りにθずれているとしたとき、前記第1基準面(2a)の一部を切断することにより、切断した前記第1基準面(2a)との為す角がθとなる第2基準面(2b)を形成する工程と、を行い、
    前記樹脂(3)で覆う工程では、前記第2基準面(2b)を露出させて前記炭化珪素単結晶インゴット(1)の少なくとも側面を前記樹脂(3)で覆い、
    前記炭化珪素単結晶基板(4)を形成する工程では、前記炭化珪素単結晶インゴット(1)の切断方向と前記第2基準面(2b)とを直交させた状態で、前記炭化珪素単結晶インゴット(1)を切断することを特徴とする炭化珪素単結晶基板の製造方法。
  4. 前記樹脂(3)がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶基板の製造方法。
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