JP5445867B2 - 車両用駆動装置の制御装置 - Google Patents
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Description
また、本願において「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が一又は二以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いている。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材が含まれ、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。また、このような伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合要素、例えば摩擦クラッチや噛み合い式クラッチ等が含まれていてもよい。
従って、上記の特徴構成によれば、蓄電装置が満充電状態になった場合においても、内燃機関を回転させない範囲内で摩擦係合装置を係合させて、車両の制動を精度良く行うことができる。
本発明に係る制御装置30の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る車両用駆動装置1(以下、駆動装置1と称す)及び制御装置30の概略構成を示す模式図である。この図に示すように、本実施形態に係る駆動装置1は、概略的には、エンジンE及び回転電機MGを駆動力源として備え、これらの駆動力源の駆動力を、動力伝達機構を介して車輪Wへ伝達する構成となっている。この図において、実線は駆動力の伝達経路を示し、破線は作動油の供給経路を示し、一点鎖線は信号の伝達経路を示している。駆動装置1は、エンジン分離クラッチCL1を介してエンジンEに駆動連結される入力軸Iと、車輪Wに駆動連結される出力軸Oと、入力軸Iの回転を変速して出力軸Oに伝達すると共にその変速比が変更可能に構成された変速機構TMと、入力軸Iと出力軸Oとを結ぶ動力伝達経路上に設けられた回転電機MGと、を備えている。また、ハイブリッド車両は、車両用駆動装置1を制御するための制御装置30を備えている。
まず、本実施形態に係るハイブリッド車両の駆動伝達系の構成について説明する。図1に示すように、ハイブリッド車両は、車両の駆動力源としてエンジンE及び回転電機MGを備え、これらのエンジンEと回転電機MGとが直列に駆動連結されるパラレル方式のハイブリッド車両となっている。ハイブリッド車両は、変速機構TMを備えており、当該変速機構TMにより、入力軸Iに伝達されたエンジンE及び回転電機MGの回転速度を変速すると共にトルクを変換して出力軸Oに伝達する。
変速機構TMから出力軸Oへ伝達されたトルクは、出力用差動歯車装置DFを介して左右二つの車輪Wに分配されて伝達される。
車両用駆動装置1の油圧制御系は、機械式や電動式の油圧ポンプから供給される作動油の油圧を所定圧に調整するための油圧制御装置PCを備えている。ここでは詳しい説明を省略するが、油圧制御装置PCは、油圧調整用のリニアソレノイド弁からの信号圧に基づき一又は二以上の調整弁の開度を調整することにより、当該調整弁からドレインする作動油の量を調整して作動油の油圧を一又は二以上の所定圧に調整する。所定圧に調整された作動油は、それぞれ必要とされるレベルの油圧で、エンジン分離クラッチCL1や変速機構TM等に供給される。
次に、車両用駆動装置1の制御を行う制御装置30の構成について説明する。本実施形態では、図1及び図2に示すように、制御装置30は、回転電機MGの制御を行う回転電機制御ユニット32と、変速機構TM及びエンジン分離クラッチCL1の制御を行う動力伝達制御ユニット33と、これらの制御装置を統合して駆動装置1の制御を行う車両制御ユニット34と、を有している。また、制御装置30は、エンジンEの制御を行うエンジン制御ユニット31と、通信可能に接続されている。
エンジン制御ユニット31は、エンジン制御部41を備えている。エンジン制御部41は、エンジンEの動作制御を行う機能部である。本実施形態では、エンジン制御部41は、車両制御ユニット34からエンジン要求トルクが指令されている場合は、車両制御ユニット34から指令されたエンジン要求トルクを出力トルク指令値に設定し、エンジンEが出力トルク指令値のトルクを出力するように制御するトルク制御を行う。また、エンジン制御部41は、車両制御ユニット34からエンジンEへの燃料供給停止が指令されている場合は、エンジンEへの燃料供給を停止して、エンジンEを燃料供給停止状態に制御する。
回転電機制御ユニット32は、回転電機制御部42を備えている。回転電機制御部42は、回転電機MGの動作制御を行う機能部である。本実施形態では、回転電機制御部42は、車両制御ユニット34から指令された回転電機要求トルクTrqmが指令されている場合は、回転電機要求トルクTrqmをトルク指令値に設定し、回転電機MGがトルク指令値のトルクを出力するようにトルク制御を行う。具体的には、回転電機制御部42は、インバータINが備える複数のスイッチング素子をオンオフ制御することにより、回転電機MGの出力トルクを制御する。
動力伝達制御ユニット33は、変速機構TM及びエンジン分離クラッチCL1の制御を行う制御装置である。動力伝達制御ユニット33には、入力軸回転速度センサSe2、出力軸回転速度センサSe3等のセンサの検出情報が入力されている。動力伝達制御ユニット33は、変速機構制御部43、及びエンジン分離クラッチ制御部44を備えている。
変速機構制御部43は、変速機構TMを制御する機能部である。車両制御ユニット34から要求変速比Rrqが指令されている場合は、車両制御ユニット34から指令された要求変速比Rrqを目標変速比に設定し、変速機構TMに目標とされた変速比が形成されるように制御する。本実施形態では、変速機構制御部43は、油圧制御装置PCを介して変速機構TMに備えられた各油圧サーボ機構に供給される油圧を制御することにより、入力側プーリの直径及び出力側プーリの直径を変更して、目標とされた変速比を変速機構TMに形成させる。具体的には、変速機構制御部43は、油圧制御装置PCに各油圧サーボ機構の目標油圧(指令圧)を指令し、油圧制御装置PCは、指令された目標油圧(指令圧)の油圧を各油圧サーボ機構に供給する。
エンジン分離クラッチ制御部44は、エンジン分離クラッチCL1を制御する機能部である。ここで、エンジン分離クラッチ制御部44は、車両制御ユニット34から指令された要求伝達トルク容量Trqcに基づき、油圧制御装置PCを介してエンジン分離クラッチCL1に供給される油圧を制御することにより、エンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量を制御する。具体的には、エンジン分離クラッチ制御部44は、要求伝達トルク容量Trqcに基づき設定した目標油圧(指令圧)を油圧制御装置PCに指令し、油圧制御装置PCは、指令された目標油圧(指令圧)の油圧をエンジン分離クラッチCL1に供給する。
車両制御ユニット34は、エンジンE、回転電機MG、変速機構TM、及びエンジン分離クラッチCL1等に対して行われる各種トルク制御、係合制御、及び変速制御等を車両全体として統合する制御を行う制御装置である。
本実施形態では、この回生トルクにより車両を十分制動できない場合にも対応できるように、車両制御ユニット34に制動制御部45が備えられている。制動制御部45は、バッテリBTの充電量SOCが充電制限判定値Xsoc1以上であると判定した場合には、エンジン分離クラッチCL1の要求伝達トルク容量Trqcを制御して、エンジン分離クラッチCL1の係合摩擦力(滑り摩擦トルク)を利用して、車両を制動するように構成されている。
制動トルク制御実行判定部46は、上記したように、エンジンEの回転が停止し、エンジン分離クラッチCL1が解放された状態で、車両の制動要求があった場合に、制動トルク制御を実行すると判定する。制動トルク設定部47は、出力軸Oに伝達すべき制動トルクである要求制動トルクTrqbkを設定する。充電状態判定部48は、回転電機MGが発電した電力により充電されるバッテリBTの充電量SOCが所定の充電制限判定値Xsoc1以上であるか否かを判定する。そして、制動トルク制御部49は、制動トルク制御を実行すると判定されていると共に充電量SOCが充電制限判定値Xsoc1以上であると判定された場合に、入力軸I側から出力軸Oに伝達されるトルクが要求制動トルクTrqbkとなるように、エンジンEを回転させない範囲内でエンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量を制御すると共に変速機構TMの変速比を制御する摩擦制動制御を実行する。
従って、上記の構成によれば、バッテリBTが満充電状態になった場合においても、エンジンEを回転させない範囲内でエンジン分離クラッチCL1を係合させて、車両の制動を精度良く行うことができる。
以下で、本実施形態に係わる制動制御部45によって実行される処理について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
制動トルク制御実行判定部46は、エンジンEの回転が停止し、エンジン分離クラッチCL1が解放された状態で、車両の制動要求があったか否か判定する(ステップ♯01)。制動トルク制御実行判定部46がこれらの条件を満たすと判定した場合(ステップ♯01:Yes)には、制動トルク制御を実行すると判定し、本実施形態に係わる一連の制動トルク制御を開始する。すなわち、ステップ♯01の処理は、制動トルク制御の実行開始判定となっている。本実施形態では、制動トルク制御の開始時の要求変速比Rrqが、基本要求変速比Rrq_bsに設定される。
制動トルク設定部47は、制動トルク制御実行判定部46が制動トルク制御を実行すると判定している場合(ステップ♯01:Yes、ステップ♯02:Yes)に、出力軸Oに伝達すべき制動トルクである要求制動トルクTrqbkを設定する(ステップ♯03)。
充電状態判定部48は、バッテリBTの充電量SOCが所定の充電制限判定値Xsoc1以上であるか否かを判定する(ステップ♯04)。本実施形態では、充電状態判定部48は、バッテリ充電状態推定部50から伝達されたバッテリBTの充電量SOCなどを用いる。なお、充電状態判定部48が、バッテリ充電状態検出センサSe5の入力信号に基づいて、バッテリBTの充電量SOCなどを推定するように構成されてもよい。
あるいは、充電制限判定値Xsoc1は、バッテリBTの満充電量に設定されてもよい。この場合でも、高性能なバッテリBTを用いるなどにより、回生トルクの大きさが制限されることを抑制したり、劣化の進行を抑制したり、回生発電による燃費の向上を最大限まで高めたり、することができる。
制動トルク制御実行判定部46が制動トルク制御を実行すると判定し(ステップ♯01:Yes、ステップ♯02:Yes)、充電状態判定部48がバッテリBTの充電量SOCが所定の充電制限判定値Xsoc1以上であると判定した(ステップ♯04:Yes)場合に、制動トルク制御部49は、入力軸I側から出力軸Oに伝達されるトルク(以下、出力軸伝達トルクと称す)が要求制動トルクTrqbkとなるように、エンジンEを回転させない範囲内でエンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量を制御すると共に変速機構TMの変速比を制御する摩擦制動制御を実行する(ステップ♯05〜ステップ♯10)。
Trqm=0 ・・・(1)
これにより、回転電機MGの出力トルクがゼロになり、回転電機MGは回生発電を行わない状態になる。このため、エンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量により生じる滑り摩擦トルクのみが、変速機構TMの変速比で出力軸Oに伝達される状態になる。そして、制動トルク制御部49は、当該エンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量による出力軸伝達トルクが要求制動トルクTrqbkになるように、エンジンEを回転させない範囲内でエンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量及び変速機構TMの変速比を制御する。
制動トルク制御部49は、次式のように、要求制動トルクTrqbkの大きさ(絶対値)を、車両制御ユニット34がアクセル開度、車速、及びシフト位置などに応じて設定した基本要求変速比Rrq_bsで除算した値を、仮要求伝達トルク容量Trqc_tmpに設定する(ステップ♯06)。
Trqc_tmp=|Trqbk|/Rrq_bs ・・・(2)
この仮要求伝達トルク容量Trqc_tmpは、変速機構TMの変速比が基本要求変速比Rrq_bsに制御されると仮定した場合において、エンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量により生じる出力軸伝達トルクが要求制動トルクTrqbkになるようなエンジン分離クラッチCL1の要求伝達トルク容量Trqcである。
Trqc=Trqc_tmp
Rrq=Rrq_bs ・・・(3)
そして、設定された要求変速比Rrq及び要求伝達トルク容量Trqcは動力伝達制御ユニット33に伝達され、動力伝達制御ユニット33により変速機構TMの変速比が要求変速比Rrqに制御され、エンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量が要求伝達トルク容量Trqcになるように制御される。
Trqc=Xtcmax ・・・(4)
すなわち、制動トルク制御部49は、仮要求伝達トルク容量Trqc_tmpを上限トルク容量Xtcmaxで上限制限する。そして、制動トルク制御部49は、次式のように、要求制動トルクTrqbkの大きさを、要求伝達トルク容量Trqc(上限トルク容量Xtcmax)で乗算した値を、要求変速比Rrqに設定する(ステップ♯10)。
Rrq=|Trqbk|/Trqc ・・・(5)
そして、設定された要求変速比Rrq及び要求伝達トルク容量Trqcは動力伝達制御ユニット33に伝達され、動力伝達制御ユニット33により変速機構TMの変速比が要求変速比Rrqに制御され、エンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量が要求伝達トルク容量Trqcに制御される。
一方、制動トルク制御実行判定部46が制動トルク制御を実行すると判定し(ステップ♯01:Yes、ステップ♯02:Yes)、充電状態判定部48がバッテリBTの充電量SOCが所定の充電制限判定値Xsoc1未満であると判定した(ステップ♯04:No)場合に、制動トルク制御部49は、回転電機MGから出力軸Oに伝達されるトルクが要求制動トルクTrqbk以下となる範囲内で、回転電機MGに発電を行わせる発電制動制御を実行する(ステップ♯11)。
Trqm=Trqbk/Rrq_bs
Rrq=Rrq_bs ・・・(6)
次に、制動制御部45によって実行される処理について、図4に示すタイムチャートの例を参照して説明する。
制動トルク制御実行判定部46は、エンジンEの回転が停止し、エンジン分離クラッチCL1が解放された状態で、アクセル開度の減少などにより、車両の制動要求があったと判定した場合(時刻t11)に、制動トルク制御を実行すると判定し、本実施形態に係わる一連の制動トルク制御を開始する。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。上記の第一の実施形態では、充電状態判定部48は、バッテリBTの充電量SOCが充電制限判定値Xsoc1以上であるか否かを判定するように構成されている場合を例として説明した。
また、上記の第一の実施形態では、制動トルク制御部49は、制動トルク制御を実行すると判定されていると共に充電量SOCが充電制限判定値Xsoc1以上であると判定された場合に、回転電機MGに発電を行わせず、入力軸I側から出力軸Oに伝達されるトルクが要求制動トルクTrqbkとなるように、エンジンEを回転させない範囲内でエンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量を制御すると共に変速機構TMの変速比を制御する摩擦制動制御を実行するように構成されている場合を例として説明した。一方、制動トルク制御部49は、制動トルク制御を実行すると判定されていると共に充電量SOCが充電制限判定値Xsoc1未満であると判定された場合には、エンジン分離クラッチCL1の制御を行わず、回転電機MGから出力軸Oに伝達されるトルクが要求制動トルクTrqbk以下となる範囲内で、回転電機MGに発電を行わせる発電制動制御を実行する場合を例として説明した。
そして、制動トルク制御部49は、バッテリBTの充電量SOCが充電制限判定値Xsoc1未満であって、第二充電制限判定値Xsoc2以上であると判定した場合に、充電量SOCに応じて定まる充電許容電力に応じたトルクを回転電機MGに出力させて発電を行わせ、回転電機MGから出力軸Oに伝達されるトルクとエンジン分離クラッチCL1を介して出力軸Oに伝達されるトルクとの合計が要求制動トルクTrqbkとなるように、エンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量及び変速機構TMの変速比を制御するように構成されている。
上記の第一の実施形態では、制動制御部45は、バッテリBTの充電量SOCが満充電状態に近く、回転電機MGに十分な大きさの回生トルクを出力させることができない場合に、回転電機MGに回生トルクを出力させず、エンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量を生じさせることにより、車両を制動するように構成されていた。
しかし、本実施形態では、制動制御部45は、回転電機MGに十分な大きさの回生トルクを出力させることができない場合でも、回転電機MGに出力可能な範囲内で回生トルクを出力させ、回転電機MGの回生トルクだけでは不足する分を、エンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量を生じさせることにより補って、車両を制動するように構成されている。
また、本実施形態に係わる制動トルク制御部49は、バッテリBTの充電量SOCが充電制限判定値Xsoc1未満であって、第二充電制限判定値Xsoc2以上であると判定した場合に、充電量SOCに応じて定まる充電許容電力に応じたトルクを回転電機MGに出力させて発電を行わせる発電制動制御を実行し、回転電機MGから出力軸Oに伝達されるトルクとエンジン分離クラッチCL1を介して出力軸Oに伝達されるトルクとの合計が要求制動トルクTrqbkとなるように、エンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量及び変速機構TMの変速比を制御する摩擦制動制御を実行するように構成されている。
以下で、本実施形態に係わる制動制御部45によって実行される処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
制動トルク制御実行判定部46は、第一の実施形態と同様に、エンジンEの回転が停止し、エンジン分離クラッチCL1が解放された状態で、車両の制動要求があったか否か判定する(ステップ♯21)。制動トルク制御実行判定部46が車両の制動要求があったと判定した場合(ステップ♯21:Yes)には、制動トルク制御を実行すると判定し、本実施形態に係わる一連の制動トルク制御を開始する。
制動トルク設定部47は、第一の実施形態と同様に、制動トルク制御実行判定部46が制動トルク制御を実行すると判定している場合(ステップ♯21:Yes、ステップ♯22:Yes)に、出力軸Oに伝達すべき制動トルクである要求制動トルクTrqbkを設定する(ステップ♯23)。
充電状態判定部48は、第一の実施形態と同様に、バッテリBTの充電量SOCが所定の充電制限判定値Xsoc1以上であるか否かを判定する(ステップ♯24)。本実施形態では、充電状態判定部48は、バッテリBTの充電量SOCが充電制限判定値Xsoc1未満であると判定した場合(ステップ♯24:No)に、更に、充電量SOCが充電制限判定値Xsoc1より小さい値に設定された第二充電制限判定値Xsoc2以上であるか否かを判定するように構成されている(ステップ♯32)。
制動トルク制御実行判定部46が制動トルク制御を実行すると判定し(ステップ♯21:Yes、ステップ♯22:Yes)、充電状態判定部48がバッテリBTの充電量SOCが所定の充電制限判定値Xsoc1以上であると判定した(ステップ♯24:Yes)場合に、制動トルク制御部49は、上記の第一の実施形態と同様に、入力軸I側から出力軸Oに伝達される出力軸伝達トルクが要求制動トルクTrqbkとなるように、エンジンEを回転させない範囲内でエンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量を制御すると共に変速機構TMの変速比を制御する摩擦制動制御を実行する(ステップ♯25〜ステップ♯30)。
ステップ♯25〜ステップ♯30の処理は、上記の第一の実施形態におけるステップ♯05〜ステップ♯10の処理と同様であり、説明は省略する。
一方、制動トルク制御実行判定部46が制動トルク制御を実行すると判定し(ステップ♯21:Yes、ステップ♯22:Yes)、充電状態判定部48がバッテリBTの充電量SOCが所定の充電制限判定値Xsoc1未満であると判定した(ステップ♯24:No)場合に、制動トルク制御部49は、回転電機MGから出力軸Oに伝達されるトルクが要求制動トルクTrqbk以下となる範囲内で、回転電機MGに発電を行わせる発電制動制御を実行する(ステップ♯31〜ステップ♯38)。
Trqm=max(Trqbk/Rrq_bs、Xtrg) ・・・(7)
そして、設定された回転電機要求トルクTrqmは回転電機制御ユニット32に伝達され、回転電機制御ユニット32により回転電機MGの出力トルクが回転電機要求トルクTrqmに制御される。
Xtrg=max(Xtrg、出力限界値) ・・・(8)
Trqc_tmp=|Trqbk|/Rrq_bs−|Trqm| ・・・(9)
|Trqbk|=(Trqc_tmp+|Trqm|)×Rrq_bs
・・・(10)
式(10)からわかるように、式(9)で設定される仮要求伝達トルク容量Trqc_tmpは、変速機構TMの変速比が基本要求変速比Rrq_bsに制御されると仮定した場合において、回転電機MGの回生トルク及びエンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量により入力軸I側から出力軸Oに伝達される出力軸伝達トルクが要求制動トルクTrqbkになるような要求伝達トルク容量Trqcである。すなわち、仮要求伝達トルク容量Trqc_tmpがそのまま設定可能であれば、回転電機要求トルクTrqmに基づき回転電機MGから出力軸Oに伝達されるトルクと、仮要求伝達トルク容量Trqc_tmpに基づきエンジン分離クラッチCL1を介して出力軸Oに伝達されるトルクとの合計は、要求制動トルクTrqbkとなる。
そして、設定された要求変速比Rrq及び要求伝達トルク容量Trqcは動力伝達制御ユニット33に伝達され、動力伝達制御ユニット33により変速機構TMの変速比が要求変速比Rrqに制御され、エンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量が要求伝達トルク容量Trqcに制御される。
Rrq=|Trqbk|/(Trqc+|Trqm|) ・・・(11)
そして、設定された要求変速比Rrq及び要求伝達トルク容量Trqcは動力伝達制御ユニット33に伝達され、動力伝達制御ユニット33により変速機構TMの変速比が要求変速比Rrqに制御され、エンジン分離クラッチCL1の伝達トルク容量が要求伝達トルク容量Trqcに制御される。
次に、本実施形態における制動制御部45によって実行される処理について、図6に示すタイムチャートの例を参照して説明する。
制動トルク制御実行判定部46は、エンジンEの回転が停止し、エンジン分離クラッチCL1が解放された状態で、アクセル開度の減少などにより、車両の制動要求があったと判定した場合(時刻t21)に、制動トルク制御を実行すると判定し、本実施形態に係わる一連の制動トルク制御を開始する。
図6に示す例では、制動トルク制御の実行を開始する時点(時刻t21)では、バッテリBTの充電量SOCは、第二充電制限判定値Xsoc2未満である。そして、図6に示す例では、制動トルク制御の実行中に回生発電が行われて(時刻t21から時刻t24)、バッテリBTの充電量SOCが次第に増加していき、時刻t22で第二充電制限判定値Xsoc2に到達し、時刻t24で充電制限判定値Xsoc1に到達している。
また、この時刻t22から時刻t24までの期間では、回転電機要求トルクTrqmが負トルクに設定され、回生発電が行われているため、バッテリBTの充電量SOCが徐々に増加しており、充電許容電力が減少していく。そして、この充電量SOCの増加に応じて、回生トルク制限値Xtrgはゼロ付近まで徐々に増加されている。これにより、バッテリBTの充電量SOCが、第二充電制限判定値Xsoc2以上になった場合に、充電量SOCに応じて定まる充電許容電力に応じたトルクを回転電機MGに出力させ発電を行わせて、バッテリBTの充電量SOCを次第に増加させることによって充電制限判定値Xsoc1を超えることを防止しつつ、充電制限判定値Xsoc1まで増加させることができている。
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
Trqm=Trqbk ・・・(12)
また、ステップ♯33で設定される回転電機要求トルクTrqmは、式(7)に代えて次式で設定される。
Trqm=max(Trqbk、Xtrg) ・・・(13)
また、ステップ♯34で設定される仮要求伝達トルク容量Trqc_tmpは、式(9)に代えて次式で設定される。
Trqc_tmp=(|Trqbk|−|Trqm|)/Rrq_bs
・・・(14)
また、ステップ♯38で設定される要求変速比Rrqは、式(11)に代えて次式で設定される。
Rrq=(|Trqbk|−|Trqm|)/Trqc ・・・(15)
Trqm=Trqbk/Rrq ・・・(16)
30 :制御装置
31 :エンジン制御ユニット
32 :回転電機制御ユニット
33 :動力伝達制御ユニット
34 :車両制御ユニット
41 :エンジン制御部
42 :回転電機制御部
43 :変速機構制御部
44 :エンジン分離クラッチ制御部
45 :制動制御部
46 :制動トルク制御実行判定部
47 :制動トルク設定部
48 :充電状態判定部
49 :制動トルク制御部
50 :バッテリ充電状態推定部
AP :アクセルペダル
BT :バッテリ
CL1 :エンジン分離クラッチ(摩擦係合装置)
E :エンジン(内燃機関)
MG :回転電機
TM :変速機構
I :入力軸(入力部材)
O :出力軸(出力部材)
IN :インバータ
PC :油圧制御装置
Rrq :要求変速比
Rrq_bs:基本要求変速比
SOC :充電量
Se1 :エンジン回転速度センサ
Se2 :入力軸回転速度センサ
Se3 :出力軸回転速度センサ
Se4 :アクセル開度検出センサ
Se5 :バッテリ充電状態検出センサ
Se6 :シフト位置センサ
Trqbk:要求制動トルク
Trqc :要求伝達トルク容量
Trqc_tmp:仮要求伝達トルク容量
Trqm :回転電機要求トルク
W :車輪
Xsoc1:充電制限判定値
Xsoc2:第二充電制限判定値
Xtcmax:上限トルク容量
Xtrg :回生トルク制限値
Claims (5)
- 摩擦係合装置を介して内燃機関に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、前記入力部材の回転を変速して前記出力部材に伝達すると共にその変速比が変更可能に構成された変速機構と、前記入力部材と前記出力部材とを結ぶ動力伝達経路上に設けられた回転電機と、を備えた車両用駆動装置を制御するための制御装置であって、
前記内燃機関の回転が停止し、前記摩擦係合装置が解放された状態で、車両の制動要求があった場合に、制動トルク制御を実行すると判定する制動トルク制御実行判定部と、
前記出力部材に伝達すべき制動トルクである要求制動トルクを設定する制動トルク設定部と、
前記回転電機が発電した電力により充電される蓄電装置の充電量が所定の充電制限判定値以上であるか否かを判定する充電状態判定部と、
前記制動トルク制御を実行すると判定されていると共に前記充電量が前記充電制限判定値以上であると判定された場合に、前記入力部材側から前記出力部材に伝達されるトルクが前記要求制動トルクとなるように、前記内燃機関を回転させない範囲内で前記摩擦係合装置の伝達トルク容量を制御すると共に前記変速機構の変速比を制御するトルク制御部と、
を備える制御装置。 - 前記変速機構の変速比は、前記入力部材の回転速度を前記出力部材の回転速度で除算した値であり、
前記トルク制御部は、前記摩擦係合装置の伝達トルク容量に前記変速機構の変速比を乗算して得られるトルクが前記要求制動トルクとなると共に、前記摩擦係合装置の伝達トルク容量が前記内燃機関を回転させない範囲内に設定された上限トルク容量以下となる範囲内になるように、前記摩擦係合装置の伝達トルク容量及び前記変速機構の変速比を制御する請求項1に記載の制御装置。 - 前記トルク制御部は、前記制動トルク制御を実行すると判定されていると共に前記充電量が前記充電制限判定値未満であると判定された場合に、前記回転電機から前記出力部材に伝達されるトルクが前記要求制動トルク以下となる範囲内で、前記回転電機に発電を行わせる請求項1又は2に記載の制御装置。
- 前記充電状態判定部は、前記充電量が前記充電制限判定値未満であると判定した場合に、更に、前記充電量が前記充電制限判定値より小さい値に設定された第二充電制限判定値以上であるか否かを判定し、
前記トルク制御部は、前記充電量が前記第二充電制限判定値以上であると判定した場合に、前記充電量に応じて定まる充電許容電力に応じたトルクを前記回転電機に出力させて発電を行わせ、前記回転電機から前記出力部材に伝達されるトルクと前記摩擦係合装置を介して前記出力部材に伝達されるトルクとの合計が前記要求制動トルクとなるように、前記摩擦係合装置の伝達トルク容量及び前記変速機構の変速比を制御する請求項3に記載の制御装置。 - 前記制動トルク制御実行判定部は、前記車両のアクセルペダルの操作量を表すアクセル開度が所定の制動判定値未満である場合に、車両の制動要求があると判定する請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
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