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JP5456782B2 - 点状ではない分析に基づいたmri帯診断法 - Google Patents
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JP5456782B2 - 点状ではない分析に基づいたmri帯診断法 - Google Patents

点状ではない分析に基づいたmri帯診断法 Download PDF

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Description

本発明の1つ以上の実施態様に係る解決策は、医療機器の分野に関する。より具体的には、当該解決策は、化学交換飽和移動(CEST)型の核磁気共鳴映像法(MRI)の分野に関する。
MRIは、(医療用機器の分野において)確立された技術である。MRIは実質的に非侵襲性の方法で患者の身体部(body-part)の分析を可能にする。一般論として、MRIは、身体部への高強度磁場の印加(application)に基づく。身体部(body-part)がその特徴に応じて異なった方法で磁場と反応するので、身体部(body-part)の磁気応答を測定することにより、磁気応答に関する形態的及び/又は生理学の情報(例えば、対応する画像の表示に対して)を導き出すことが可能である。
この目的のために、標準的なMRI技術において、身体部の磁化を変更するように、磁気パルスが身体部に印加される。その後、身体部の磁化は、対応する特徴に応じて、異なった緩和時間でその平衡状態に戻る。したがって、身体部の磁化が平衡状態に戻る間における身体部の磁化の測定は、その特徴を表わすために用いることができる。好ましくは、特定の標的部位の緩和時間を変える造影剤(ガドリニウム錯体のようなもの)も、それを強調するように患者に投与される。
その代りに、MRI-CEST技術は、化学交換によりその飽和した磁化を水に移動させることのできるCEST造影剤(例えば常磁性のランタニド錯体)を利用する。この場合、この飽和移動の測定は、CEST造影剤で標的部位を表わすために用いられる。この目的のために、CEST造影剤の共鳴周波数での飽和パルスが、その磁化を取り消すことによりCEST造影剤を飽和するように身体部に印加される。その後、飽和移動は、水の磁化の対応する低下をもたらす。したがって、飽和移動は、CEST造影剤の共鳴周波数での身体部の磁化と、身体部だけ(つまりCEST造影剤なし)の磁化を表わす基準値(reference value)と、を比較することにより測定することができる。身体部だけの磁気応答が水の共鳴周波数を中心にして(around)実質的に対称であるので、当該基準値は、水の共鳴周波数に関してCEST造影剤の共鳴周波数と反対の(opposite)周波数での身体部の磁化によって規定される。例えば、MRI-CEST技術は、「Ward KM, Aletras AH, Balaban RS、プロトン化学交換依存飽和移動(CEST)に基づくMRI用造影剤の新しいクラス、J Magn Reson、2000年、143(1)巻、79-87頁」において述べられている。その全ての開示は、参照によって本願明細書に組込まれる。
MRI-CEST技術は、(対応する共鳴周波数でのCEST造影剤の飽和パルスによって)CEST造影剤を選択的に可能にすることを可能にする。したがって、同じ身体部においてより多くのCEST造影剤を表わす画像を得ることも可能である。さらに、(標準的な)MRI技術におけるようないかなる造影剤無しで得られた画像と背景画像とを比較することを必要としないで、所望の情報が、身体部の磁気応答から直接的に得られる。
MRI-CEST技術の可能な応用(application)に関するいくつかの研究が、報告されている。例えば、MRI-CEST技術は、pH計測、セルラベル付け、グルコース、乳酸塩及び亜鉛のような診断マーカーの画像、酵素活性の視覚化、及び、遺伝子発現のモニタのために提案されている。
しかしながら、MRI-CEST技術は、実際的な利用挑戦をするいくつかの欠点に依然として悩まされている。特に、CEST造影剤の共鳴周波数が水の共鳴周波数に非常に接近している場合、波及効果(spillover effect)(望まない磁化拡散(magnetization diffusion)をもたらすこと)のために、飽和移動の計測において、エラーが発生するかもしれない。エラーのもう一つのソースは、身体部の磁気応答でのいずれかの非対称性である(身体部での自然な磁化移動によってもたらされる)。さらに、更なるエラーは、その理論値に関して水の共鳴周波数と、CEST造影剤の共鳴周波数の実際のオフセットとの差から生じる(身体部の不均一性によってもたらされる)。更なるエラーは、最適化されていない粗調整(shimming)及びチューニング、シグナル減衰、磁場の不均一さ、身体部の無意識の運動によるシフト及び変形によるかもしれない。
したがって、当該技術において既知のMRI-CEST技術は、標的部位の検出に対する相対的に悪いコントラスト・ノイズ比(CNR)を与える。上記のすべては、MRI-CEST技術の精度(標的部位の可能性のある誤検出で)及びその感度(標的部位の検出を見逃すことに帰着する)を制限する。
特許文献1は、MRI-CESTイメージを提案し、低周波数側からZスペクトルの高周波数側を差し引くことによって得られた非対称曲線の下で、各ボクセルに対して積分が計算されることを開示する。特許文献2は、水の信号を介して外因性アミドプロトンを検出するためのMRI/NMR手法を開示する。非特許文献1は、分子間二重量子コヒーレンス(iDQC)の使用によって達成される、化学交換飽和移動(CEST)及びNOEに基づくコントラスト強調を開示する。非特許文献2は、ノイズを抑制するためのスムージング期間を持ったスムージングスプラインに基づいてZスペクトルを適合化及び修正するための方法を開示する。
国際公開2007/014004 国際公開03/049604
Ling W; Eliav U; Navon G; Jerschow A, Journal of Magnetic Resonance, volume 194, issue 1, September 2008, pages 29-32 Stancanello J; et al, Contrast Media & Molecular Imagging, volume 3, issue 4, July 2008, pages 136-149
一般論として、本発明の1つ以上の実施態様による解決策は、点状ではない(すなわち、ある範囲に基づいた)(non-punctual)分析を適用するという考えに基づいている。
特に、本発明の態様は、身体部を分析するためのMRI-CEST診断システムを提案する。MRI-CEST診断システムは、身体部のバルク基質(bulk substrate)に磁化移動(例えば飽和移動)を提供するCEST造影剤を含む。MRI-CEST診断システムは、身体部の対応する場所でのそれぞれに複数の入力要素を含む入力地図を提供するための入力手段を含む。各入力要素は、場所での磁気応答のスペクトル(spectrum)を示す。そのスペクトル(spectrum)は、造影剤の薬剤共鳴周波数での磁気応答(薬剤周波数は、バルク基質(bulk substance)のバルク共鳴周波数からオフセットされた薬剤オフセット周波数である)と、バルク周波数から反対側に薬剤オフセット周波数でオフセットされた基準周波数での磁気応答と、を含む。更に、MRI-CEST診断システムは、1セットの選択された場所の各々に対して薬剤値(agent value)(例えば、CEST造影剤の飽和時にバルク磁化を示す)と、基準値(reference value)(例えば、CEST造影剤を飽和することなくバルク磁化を示す)と、を計算するための計算手段を含む。前記薬剤値は、薬剤周波数を含む点状ではない(すなわち、ある範囲に基づいた)(non-punctual)薬剤周波数範囲における選択された場所の磁気応答により計算される。また、基準値は、基準周波数を含む点状ではない(すなわち、ある範囲に基づいた)(non-punctual)基準周波数範囲(バルク周波数に関して薬剤周波数範囲と対称である基準周波数範囲)において選択された場所の磁気応答により計算される。比較手段は、各選択された場所に対するパラメータ値を計算するために提供される。パラメータ値は、選択された場所での薬剤値と基準値との間での比較により計算される。
本発明の実施態様において、薬剤周波数範囲は、薬剤周波数とは異なっている第一の薬剤限界から第二の薬剤限界までバルク周波数を中心にして延在し、基準周波数範囲は、基準周波数とは異なっている第一の基準限界から第二の基準限界までバルク周波数を中心にして延在する。
本発明の実施態様において、第一の薬剤限界及び第一の基準限界は、バルク周波数からなる。
本発明の実施態様において、薬剤周波数範囲は薬剤周波数を中心としている。また、基準周波数範囲は基準周波数を中心としている。
本発明の実施態様において、計算手段は、薬剤周波数範囲における選択された場所の磁気応答の積分(integral)により薬剤値を計算するとともに、基準周波数範囲における選択された場所の磁気応答の積分(integral)により基準値を計算するための手段を含む。
本発明の実施態様において、計算手段は、薬剤周波数範囲における選択された場所の磁気応答の積分(integral)の補数(integral complement)により薬剤値を計算するとともに、基準周波数範囲における選択された場所の磁気応答の積分(integral)の補数(integral complement)により基準値を計算するための手段を含む。
本発明の実施態様において、組み合わせ手段は、中間値(intermediate value)によりパラメータ値を計算するための手段を含む。当該中間値は、基準値と薬剤値との間の第一比に基づく。
本発明の実施態様において、組み合わせ手段は、中間値を差し引いたパラメータ値を設定するための手段を含む。
本発明の実施態様において、組み合わせ手段は、第一比に中間値を設定するための手段を含む。
本発明の実施態様において、組み合わせ手段は、基準周波数での選択された場所の磁気応答と、薬剤周波数での選択された場所の磁気応答との間での第二比を第一比と組み合わせることにより中間値を計算するための手段を含む。
本発明の実施態様において、組み合わせ手段は、第一比と第二比との間の積に中間値を設定するための手段を含む。
本発明の実施態様において、入力手段は、各選択された場所に対する中央周波数を推定(estimating)するための推定手段(中央周波数は、選択された場所の磁気応答の最小を提供する)と、選択された場所の中央周波数に各選択された場所のバルク周波数を設定するための修正(correction)手段を含む。
本発明の実施態様において、入力要素のそれぞれは、バルク周波数、薬剤周波数及び基準周波数を含む周波数の動作範囲(working range)における対応する場所の複数の磁気応答のサンプルアレイを含む。そして、推定手段は、各選択された場所のサンプルアレイにモデル関数を関連付けるための手段と、対応するモデル関数の最小に各選択された場所に対する中央周波数を設定するための手段と、を含む。
本発明の実施態様において、MRI-CEST診断システムは、各選択された場所に対応するパラメータ値を決めることによりパラメータ画像を作成するための手段と、パラメータ画像の表示するための手段と、を含む。
本発明の実施態様に係る解決策の別の態様は、対応する診断方法を提案する。特に、身体部を分析するための診断方法が提案されている。当該診断方法は、磁化移動に身体部のバルク基質(bulk substrate)を提供するCEST造影剤を含む。当該診断方法は、身体部の対応する場所のそれぞれに対して、複数の入力要素を含む入力地図を提供する工程で始まる。入力要素のそれぞれは、場所の磁気応答のスペクトルを示す。そのスペクトルは、造影剤の薬剤共鳴周波数での磁気応答(薬剤周波数は、バルク基質(bulk substance)のバルク共鳴周波数からオフセットされた薬剤オフセット周波数である)と、バルク周波数から反対側に薬剤オフセット周波数で反対側にオフセットされた基準周波数での磁気応答と、を含む。当該診断方法は、1セットの選択された場所のそれぞれに対して、薬剤値及び基準値を計算することにより継続する。当該薬剤値は、薬剤周波数を含む点状ではない薬剤周波数範囲における選択された場所の磁気応答によって計算される。また、基準値は、基準周波数を含む点状ではない基準周波数範囲における選択された場所の磁気応答によって計算される(基準周波数範囲は、バルク周波数に関して薬剤周波数範囲と対称である)。パラメータ値は、選択された場所のそれぞれに対して計算される。当該パラメータ値は、選択された場所での薬剤値と基準値との間での比較によって計算される。
本発明の実施態様において、入力地図を提供する工程は、身体部にCEST造影剤を投与する工程と、身体部から入力地図を得る工程と、を含む。
本発明の実施態様において、当該診断方法は、対応するパラメータ値により各選択された場所の特徴を推論する工程を含む。
システムに関する上述された同じ追加の特徴は、後処理方法及び診断方法(単独であるいはお互いの組み合わせで)について準用する(apply mutatis mutandi to)。
本発明の更に別の態様は、対応するコンピュータプログラムを提案する。特に、コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムがシステム上で実施されるとき、データ処理システムに後処理方法の工程を行なわせるためのコード手段を含む。
本発明の更に別の態様は、対応するコンピュータプログラム製品を提案する。特に、当該製品は、コンピュータプログラムを具体化するコンピュータ使用可能なメディアを含む。コンピュータプログラムは、それがデータ処理システム上で実施される場合、システムに同じ後処理方法を行なわせる。
本発明の1つ以上の実施態様に係る更なる特徴及びその利点と同様に、本発明の1つ以上の実施態様に係る解決策は、添付図面と共に、単なる非限定的な表示として与えられている、以下の詳細な説明を参照しながら最も良く理解されるだろう。対応する要素は同じか同様の参照符号で示されている。そしてそれらの説明は、簡潔さのために繰り返されない。そして、各シグナルあるいはパラメータの名称は、簡単さのために、その両方のタイプ及びその値を表示するために一般に用いられている。
本発明の実施態様に係る解決策が適用可能なスキャナの図解表示である。 スキャナによって提供されるZスペクトルの具体例である。 スキャナによって提供されるZスペクトルの具体例である。 本発明の異なる実施形態に係る解決策の典型的な適用を示す。 本発明の異なる実施形態に係る解決策の典型的な適用を示す。 本発明の異なる実施形態に係る解決策の典型的な適用を示す。 本発明の異なる実施形態に係る解決策の典型的な適用を示す。 本発明に係る実施態様による解決策と当該技術分野で知られた標準的技術との間での具体的な(illustrative)比較である。 本発明の実施態様に係る解決策を実行するために用いられる主たるソフトウェア構成要素の役割を表わすダイアグラムを示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様のコンピュータ内での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様のコンピュータ内での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様のコンピュータ内での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様のコンピュータ内での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様のコンピュータ内での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様のコンピュータ内での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様のインビトロ(in vitro)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様のインビトロ(in vitro)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様のインビトロ(in vitro)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様のインビトロ(in vitro)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様のインビトロ(in vitro)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様のインビトロ(in vitro)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様のインビトロ(in vitro)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様の体外(ex vivo)及び体内(in vivo)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様の体外(ex vivo)及び体内(in vivo)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様の体外(ex vivo)及び体内(in vivo)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様の体外(ex vivo)及び体内(in vivo)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様の体外(ex vivo)及び体内(in vivo)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様の体外(ex vivo)及び体内(in vivo)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様の体外(ex vivo)及び体内(in vivo)での典型的な適用を示す。 その対応する比較を持った本発明の異なった実施態様の体外(ex vivo)及び体内(in vivo)での典型的な適用を示す。
特に、図1を参照する。図1には本発明の実施態様に係る解決策が適用可能であるMRIスキャナ100が図示されている。スキャナ100は、分析中の患者110が横たわるためテーブル105を含んでいる。テーブル105は、トンネル115の内部で滑動することができる。トンネル115は、非常に高い静磁場Bo(例えば、1乃至9T(テスラ)のオーダーである)を生成する永久磁石120を収容する。複数セットの傾斜磁場コイル125(典型的には、異なった方向のそれぞれに対して、3セットの傾斜磁場コイル125)が、静磁場Boを調節するためにマグネット120と結び付けられる。トンネル115は、更に、ラジオ波(RF)コイル130を収容する。ラジオ波(RF)コイル130は、分析される患者110の特定の身体部(body-part)に磁気パルスB1を印加して、同じ身体部によって戻されるRF磁気応答シグナルを受け取る。RFコイル130は、スキャナ110が設計される身体部の種類(例えば肩、膝、背骨、頭部など)に応じて異なった構造(例えば、表面コイル、サドルコイル、ヘルムホルツ(Helmholts)コイルなど)を有していてもよい。トンネル115は、磁気遮蔽体135を備えている。磁気遮蔽体135は、マグネット120、傾斜磁場コイル125及びRFコイル130を囲繞する。磁気遮蔽体135は、トンネル115の内側に生成された磁場がスキャナ100の外側で放射することを防止する。そして、同時に、磁気遮蔽体135は、外部の磁気妨害からトンネル115の内部を保護する。
制御装置140は、傾斜磁場コイル125と、RFコイル130とを駆動するために必要とされる構成要素のすべて(例えば、RFトランスミッター、出力増幅器など)を含む。制御装置140は、身体部からの応答シグナルを得るために必要とされる構成要素のすべて(例えば、入力アンプ、アナログ・ディジタル変換器(すなわちADC)など)を含む。さらに、制御装置140は、トンネル115間でテーブル105を移動させるために用いられるモーター(図示されていない)を駆動する。
スキャナ100は、コンピュータ145(例えば、パソコン(すなわち、PC))によって管理される。コンピュータ145は、制御装置140と結び付けられる。コンピュータ145は、その主たる構成要素(例えば、マイクロプロセッサー、作業メモリ、ハードディスク、リムーバブル・ディスク用のドライブなど)をすべて収容する中央ユニット150を有する。主たる構成要素は、スキャナ100を制御したり、得られた応答シグナルを後処理したりするために用いられる。モニタ155は、分析中の身体部に関する画像を表示する。スキャナ100の操作はキーボード160によって制御される。好ましくは、キーボード160は、モニタ155のスクリーン上でポインター(図示されていない)の位置を操作するために用いられるトラックボールを備える。
手術において、患者110は、(トンネル115から引き出される)テーブル105の上に横たわっている。その後、分析される患者105の身体部がテーブル105の内の適切な位置に到着するまで、テーブル105はトンネル115の内にスライド移動する。(マグネット120及び傾斜磁場コイル125によって生成された)静磁場Boが、身体部のバルク基質(bulk substance)(つまり水)を磁化する。より具体的には、各水分子の2つのプロトンは、静磁場Boと一列に並ぶネットの(net)磁気スピンを有する。当該スピンは、静磁場Boの方向と同じ方向か、あるいはその反対方向に指向する。平衡状態で、静磁場Boと同じ方向に(低エネルギー状態に)あるスピンの数は、それと反対方向に(高エネルギー状態に)あるスピンの数をわずかに上回っている。巨視的なレベルで、これは、静磁場Boと同じ方向(長手方向のZ軸)にある身体部の各場所の磁化を生成する。その磁化は、その異なった特徴(例えば、組織のタイプ、その健康上又は病理学上の状態など)に起因したその物理的性質及び/又は化学的性質に依存する。その差異が非常に小さいので、実際上、それらを表わすためにそれらを用いることができない。
標準のMRI技術において、スキャナ100は、身体部を画像化するために用いられる。この目的のために、RFコイル130は、水の共鳴周波数(すなわち、ラーモア周波数)で身体部に磁気パルスを印加する。水の(共鳴)周波数は、静磁場Boに依存する。その結果、(傾斜磁場コイル125によって)静磁場Boを制御して、選択されたスライスにおいてだけ所望値で水の共鳴周波数を提供することにより、画像化される身体部の特定の撮像視野(FOV)(例えばそのスライス)を選択することが可能である。このように、スピンは、低エネルギー状態から高エネルギー状態にスピンを移動させるエネルギーを吸収する。そして、スピンは、それらの平衡状態に戻る。このフェーズにおいて、各場所(Z軸に垂直なxy平面において)の磁化の横成分(transverse component)は、0に戻るまで徐々に変化する。しかしながら、平衡状態に戻るために各場所によって必要とされる時間(緩和時間として知られている)は、強くその特徴に依存する。したがって、(いかなる可能な緩和時間より小さな遅延で)磁気パルス印加の直後に各場所の磁化の横成分(transverse component)を測定することにより、その場所を表示するために用いられる値が得られるであろう。
MRI-CEST技術において、同じスキャナ100が、身体部を特徴づけるために用いられる。この場合、(対応する標的部位用の)CEST造影剤が、患者に投与される。CEST造影剤は、化学交換に周囲水のプロトンを提供することができるモバイルのプロトンのプール(あるいはより多く)を含む。CEST造影剤は、内因性分子又は外因性分子からできていてもよい。内因性のCEST造影剤の例は、代謝物、アミド・プロトンなどである。外因性のCEST造影剤の例は、反磁性の(DIAmagnetic)CEST(DIACEST)薬剤(ポリ(U)及びデンドリマー・ポリ(rU)のようなもの)、常磁性の(PARAmagnetic)CEST(PARACEST)薬剤(ランタニド錯体のようなもの)、及びリポソームベース(LIPOsome-based)のCEST(LIPOCEST)薬剤(常磁性のランタニド錯体が含まれているリポソームのようなもの)である。
したがって、(低エネルギー状態から高エネルギー状態にいくつかのスピンを移動させることによって)CEST造影剤の平衡状態が変更されるとき、この化学交換はCEST造影剤から水への磁化移動をもたらす。特に、CEST造影剤が完全にその磁化を取り消すことにより飽和されているときに、飽和移動をもたらす。確かに、化学交換は、高エネルギー状態にある水のスピンを犠牲にして、低エネルギー状態にあるCEST造影剤のスピンの数を増加させる。同時に、化学交換は、低エネルギー状態にあるCEST造影剤のスピンを犠牲にして、高エネルギー状態にある水のスピンの数を増加させる。全体として、これは、高エネルギー状態での水のスピンの対応する増大で、低エネルギー状態での水のスピンの減少をもたらす。したがって、(低エネルギー状態から高エネルギー状態に水のスピンを移動させようとする)飽和移動の速度が、(対応する平衡状態にそれらのスピンを戻そうとする)CEST造影剤及び水の両方の緩和時間より速い場合、(CEST造影剤の飽和直後に)水の磁化の低減を観察することが可能である。したがって、各場所の飽和移動を測定することにより、その場所に対するCEST造影剤の影響を示すとともに、その特徴を示すパラメータが得られるであろう。
この目的のために、前飽和(pre-saturation)磁気パルスが、(CEST造影剤を飽和するのに十分な長さを持った)CEST造影剤の共鳴周波数で、(RFコイル130によって)身体部に印加される。そして、CEST(共鳴)周波数を含む水(共鳴)周波数を中心にして対称な動作周波数範囲において一連の磁気パルスを印加して、(上述されるように)対応する磁化を測定することにより、身体部の各場所での磁化のZスペクトルが得られる。
いかなるCEST影響も無しで、一般的な場所でのZスペクトルの説明に役立つ実例が、グラフ付きの図2Aに示される。図2Aは、横軸上での磁気パルスの周波数に対する、縦軸上での場所の磁化をプロットしている。対応点は、Zスペクトルを表わす曲線Zwを規定する。磁化は、その最大値(通常は、動作周波数範囲の終端で)に関して正規(規格)化された(normalized)強度値(0乃至1)で表現されている。周波数は、水周波数fwの100万分の1(ppm)で水周波数fw(0に等しい原点(origin)としてみなされる)からのオフセットとして表現される。問題となっている実例において、動作周波数範囲は、水周波数fw(静磁場Boに応じて、例えば約100乃至400MHzのオーダーであり、7T(テスラ)でfw=300MHzである)を中心にして、-50ppmのオフセット周波数から+50ppmのオフセット周波数までの範囲(つまり、300MHz-15KHzから300MHz+15KHzまでの範囲)に及んでいる。理論的に、ZスペクトルZwは、水周波数fwに関して対称である。特に、磁化は、値1(−50ppmのオフセット周波数で)から、水周波数fwでの(ゼロの)バルクピークまで減少し、鏡面反射のように、値1(+50ppmのオフセット周波数で)に向けて再び増大する。
図2Bに移る。その代りに、CEST影響を受ける同じ場所でのZスペクトルの例示的実施例は、対応する曲線Zcによって表わされる。この場合、CEST造影剤が飽和されるとき、CEST造影剤から水への飽和移動は、場所の磁化を低減する。したがって、ZスペクトルZcは、CEST周波数fc(水周波数fwからオフセットされた対応するCEST)で、バルクピークより深くないCESTピークを特色とする。飽和移動は、CEST周波数fcでのCEST造影剤を恐らく含む場所でのCESTの磁化(IONで表示される)と、いずれのCEST造影剤も無しで場所の磁化を表わす基準磁化(IOFFで表示される)と、を比較することにより測定することができる。CESTの影響の無いZスペクトルが水周波数fwを中心にして対称である(図2Aに示される)ので、基準磁化IOFFは、対照側方の(controlateral)基準周波数-fc(CEST周波数fcに関して水周波数fwから反対にオフセット)での磁化から与えられる。
当該技術において既知の標準的MRI-CEST技術において、飽和移動は、次式によって計算される。飽和移動(ST)と呼ばれるパラメータにより古典的に測定される。
Figure 0005456782

したがって、飽和移動STは、CESTの影響が登録されていない(IOFF=IONであるので)ときの0から、水を完全に飽和するようにCESTの影響が最大である(ION=0であるので)ときの1までの範囲にある。
本発明の実施態様に係る解決策において、以下に詳細に記載されているように、水周波数fwに関してお互いに反対である対応する周波数範囲(CEST周波数fc及び基準周波数-fcをそれぞれ含む)における磁化の多値(multiple value)に基づいた2つの複合値(composite value)の間での、飽和移動を測定するための比較が、その代りに行われている。
このように、飽和移動の測定は、(当該技術で既知の解決策の単なる点状である(punctual)値の代わりに)、Zスペクトルの点状ではない(すなわち、ある範囲に基づいた)(non-punctual)部分に基づく。これは、(非最適な揺らめき及びチューニング、シグナル減衰、磁場B0及びB1の不均一さ、身体部の無意識の動きによる移動及び変形に加えて)、(CEST周波数fcが水周波数fwに接近するときの)波及効果(spillover effect)と、水周波数fwに関するZスペクトルの非対称性と、その理論値に関する実際のCESTのオフセットの差異とに起因して、飽和移動の測定時に起こるかもしれない(少なくとも一部分の)補償の(compensating)エラーを可能にする。したがって、Zスペクトルが比較的広いCESTピークを示すとき、これらの利点が特に明白である。
これは、得られた結果のコントラスト対ノイズの比(CNR)を狭義単調(strongly)増加させる(CEST造影剤が存在するところの標的部位の検出及び位置確認を容易にする)。上記のすべては、MRI-CEST技術の精度(標的部位のあらゆる誤りの検出も強く減少させる)及びその感度(標的部位のあらゆる誤検出も強く減少させる)を増大させる。
特に、提案された解決策は、(たとえ、狭義の(stricto senso)治療の目的の診断が医者自身によって常になされても、)身体部の診断を行なう際に医者を助けるかもしれない中間結果の提供により、医者の作業を容易にする。
本発明の異なった実施態様に係る解決策の典型的な応用は、図3A乃至3Dに示される。
図3A(上記のような同じZスペクトルZcを示す)から出発する。飽和移動の測定に対する複合値(composite value)を規定するために用いられる周波数範囲は、水周波数fwから始まる。特に、CEST周波数fcを含むCEST周波数範囲R(b)は、水周波数fwから限界(limit)周波数fcb(CEST周波数fcより低い)まで左側に延在する。同様に、基準周波数-fcを含む基準周波数範囲-R(b)は、水周波数fwから(反対の)限界(limit)周波数-fcb(基準周波数-fcより高い)まで右側に延在する。例えば、CEST周波数fcと限界(limit)周波数fcbとの間、及び基準周波数-fcと限界周波数fcbとの間の差は、2乃至20ppmであり、好ましくは(10ppmのような)5乃至15ppmである。
この場合(本発明の実施のいわゆる積分(integral)バルクモード)において、CEST値A(int_b)ONは、CEST周波数範囲R(b)におけるZスペクトルZcの積分として計算される。また、基準値A(int_b)OFFは、基準周波数範囲-R(b)におけるZスペクトルZcの積分として計算される。そして、飽和移動は、積分バルク飽和移動ST(int_b)と呼ばれるパラメータで測定される。積分バルク飽和移動ST(int_b)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782

この場合、(積分バルク)飽和移動ST(int_b)は、(A(int_b)OFF=A(int_b)ONであるので)CEST影響が登録されていないときの0から、(A(int_b)ON=0であるので)CEST影響が最大であるときの1までの範囲にある。
CESTピークが明らかに明瞭でない場合(例えば、CEST周波数fcが水周波数fwに接近しているとき)、本発明のこの実施態様は特に有利である。確かに、CEST周波数範囲R(b)及び基準周波数範囲-R(b)が非常に広い。その結果、対応する積分は、CEST周波数fcを含むZスペクトルの部分(つまり水周波数fwより下)と、基準周波数-fcを含むZスペクトルの部分(つまり水周波数fwより上)との間のあらゆる非対称性を考慮に入れる。
図3B(上記のように同じZスペクトルZcを示す)に移る。その代りに、飽和移動を測定するための複合値を規定するために用いられる周波数範囲は、それぞれ、CEST周波数fcと、基準周波数-fcとを中心としている。特に、CEST周波数fcを含むCEST周波数範囲R(p)は、fc1-fc=fc-fc2で、限界周波数fcl(CEST周波数fcより高い)から限界周波数fc2(CEST周波数fcより低い)まで左側に延在する。同様に、基準周波数-fcを含む基準周波数範囲-R(p)は、-fc-(-fc1)=-fc2-(-fc)で、限界周波数-fcl(基準周波数-fcより低い)から限界周波数-fc2(基準周波数-fcより高い)まで右側に延在する。例えば、CEST周波数fcと対応する各限界周波数fc1,fc2との間の差や、基準周波数-fcと対応する各限界周波数-fc1,-fc2との間の差は、2乃至20ppmであり、好ましくは(10ppmのような)5乃至15ppmである。
この場合(本発明の実施のいわゆる積分ピークモードにおいて)、CEST値A(int_p)ONは、CEST周波数範囲R(p)におけるZスペクトルZcの積分として計算される。また、基準値A(int_p)OFFは、基準周波数範囲-R(p)におけるZスペクトルZcの積分として計算される。そして、飽和移動は積分ピーク飽和移動ST(int_p)と呼ばるパラメータで測定される。積分ピーク飽和移動ST(int_p)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782
上記のように、(積分バルク)飽和移動ST(int_p)は、(A(int_p)OFF=A(int_p)ONであるので)CEST影響が登録されていないときの0から、(A(int_p)ON=0であるので)CEST影響が最大であるときの1までの範囲となる。Zスペクトルが水周波数fwに関して追加の非対称性をもたらす不自然な結果(artifact)を含む場合、本発明のこの実施態様は特に有利である。確かに、この場合、CEST周波数範囲R(p)、及び基準周波数範囲-R(p)の延伸(extension)は、CEST周波数fc及び基準周波数-fcの付近にそれぞれ制限されるので、その結果、対応する積分は、CEST周波数fc及び基準周波数-fcからはるか遠くにある不自然な結果(artifact)を考慮に入れない。
上で規定した同じ(CEST及び基準の)周波数範囲(つまり、図3AにおけるR(b)/-R(b)、及び図3BにおけるR(p)/-R(p))は、対応する積分の補数に基づく代替の複合値を規定するために用いることができる。
図3C(同じZスペクトルZcを示す)を特に参照する。本発明の実施のいわゆる相補的バルクモードにおいて、CEST値A(com_b)ONは、CEST周波数範囲R(b)におけるZスペクトルZcの積分の補数として計算される。また、基準値A(com_b)OFFは、基準周波数範囲-R(b)におけるZスペクトルZcの積分の補数として計算される。最大の磁化と等しい高さ(問題の実施例では1)を持った周波数範囲R(b)にわたって延在する長方形の面積と等しい最大値A(int_b)から、対応するCEST値A(int_b)ONを差し引くことにより、CEST値A(com_b)ONは得られる。つまり、A(com_b)ON=A(int_b)-A(int_b)ONである。同様に、基準値A(com_b)OFFは、最大の磁化と等しい高さを持った周波数範囲-R(b)にわたって延在する長方形の面積と等しい同じ最大値A(int_b)から、対応する基準値A(int_b)OFFを差し引くことにより得られる。つまり、A(com_b)OFF=A(int_b)-A(int_b)OFFである。そして、飽和移動は、相補的バルク飽和移動ST(com_b)と呼ばれるパラメータで測定される。相補的バルク飽和移動ST(com_b)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782

(ここで、−の印は、正値を得るために付け加えられる。)
(同じZスペクトルZcを示す)図3Dを参照する。本発明の実施のいわゆる相補的ピークモードにおいて、CEST値A(com_p)ONは、CEST周波数範囲R(p)におけるZスペクトルZcの積分の補数として計算される。また、基準値A(com_p)OFFは、基準周波数範囲-R(p)におけるZスペクトルZcの積分の補数として計算される。CEST値A(com_p)ONは、最大の磁化と等しい高さを持った周波数範囲R(b)にわたって延在する長方形の面積と等しい最大値A(int_p)から、対応するCEST値A(int_p)ONを差し引くことにより得られる。つまり、A(com_p)ON=A(int_p)-A(int_p)ONである。同様に、基準値A(com_p)OFFは、最大の磁化と等しい高さを持った周波数範囲-R(b)にわたって延在する長方形の面積と等しい同じ最大値A(int_p)から、対応する基準値A(int_p)OFFを差し引くことにより得られる。つまり、A(com_p)OFF=A(int_p)-A(int_p)OFFである。そして、飽和移動は、相補的ピーク飽和移動ST(com_p)と呼ばれるパラメータで測定される。相補的ピーク飽和移動ST(com_p)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782
同じ技術が、磁化の点状である(punctual)値の補数に従って飽和移動を測定するためにも用いられる。より具体的には、本発明の実施のいわゆる相補的標準的なモードにおいて、CEST磁化I(com)ONは、CEST磁化IONの補数として計算され、基準磁化I(com)OFFは基準磁化IOFFの補数として計算される。CEST磁化I(com)ON及び基準磁化I(com)OFFは、最大の磁化からCEST磁化ION及び基準磁化I OFFをそれぞれ差し引くことにより得られる。つまり、I(com)ON=1-ION及びI(com)OFF=1-IOFFである。そして、飽和移動は、相補的標準飽和移動ST(com)と呼ばれるパラメータで測定される。相補的標準飽和移動ST(com)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782
(相補的バルク)飽和移動ST(com_b)、(相補的ピーク)飽和移動ST(com_p)、及び(相補的標準)飽和移動ST(com)は、(A(com_b)OFF=(com_b)ON、(com_p)OFF=(com_p)ON、及びI=OFF=IONであるので)CEST影響が登録されていないときの0から、(A(com_b)OFF 、A(com_p)OFF及びI(com)OFFが0に等しいときの)∞の値までの範囲にある。
ZスペクトルZcがCEST周波数fc及び基準周波数-fcで高い磁化(例えば0.5より高い)を示す場合、本発明のこれらの実施態様(つまりすべての相補的モード)は、特に有利である。確かに、この場合、(CEST周波数fcを含むZスペクトルZcの部分と、基準周波数-fcを含むZスペクトルZcの部分との間での)非対称性の重み(weight)は、磁化の対応する(オリジナルな)値よりも低い磁化の対応する(相補的な)値に関して、相対的な用語(terms)においてより高い。単純化のために相補的標準モードを参照する(with reference to)。確かに、磁化ION及びIOFFが低いときは、飽和移動ST及びST(com)は同等である。例えば、ION=0.4及びIOFF=0.475に対しては、次のように得られる。
Figure 0005456782

Figure 0005456782

反対に、磁化ION及びIOFFが高いとき、飽和移動ST(com)は飽和移動STよりもはるかに高くなる。例えば、ION=0.8及びIOFF=0.95に対しては、次のように得られる。
Figure 0005456782

Figure 0005456782
上で規定した同じ複合値(つまり図3AにおけるA(int_b)ON/A(int_b)OFF、図3BにおけるA(int_p)ON/A(int_p)OFF、図3CにおけるA(com_b)ON/A(com_b)OFF及び図3DにおけるA(com_p)ON/A(com_p)OFF)は、飽和移動を測定する代替のパラメータを規定するために用いられる。
例えば、本発明の実施のいわゆるエンハンストモードにおいて、飽和移動を測定するパラメータは、(基準周波数-fcに関係する複合値の代わりに)、CEST周波数fcに関係する複合値を参照して(with reference to)、計算される。特に、実施のエンハンストされた積分バルクモードにおいて、飽和移動はエンハンストされた積分バルク飽和移動ST(en_int_b)と呼ばれるパラメータで測定される。エンハンストされた積分バルク飽和移動ST(en_int_b)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782

そして、実施のエンハンストされた積分ピークモードにおいて、飽和移動はエンハンストされた積分ピーク飽和移動ST(en_int_p)と呼ばれるパラメータで測定される。エンハンストされた積分ピーク飽和移動ST(en_int_p)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782

同様に、実施のエンハンストされた相補的バルクモードにおいて、飽和移動はエンハンストされた相補的バルク飽和移動ST(en_com_b)と呼ばれるパラメータで測定される。エンハンストされた相補的バルク飽和移動ST(en_com_b)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782

そして、実施のエンハンストされた相補的ピークモードにおいて、飽和移動はエンハンストされた相補的ピーク飽和移動ST(en_com_p)と呼ばれるパラメータで測定される。エンハンストされた相補的ピーク飽和移動ST(en_com_p)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782
同じ技術が、(基準磁化IOFFの代わりに)CEST磁化IONを参照して(with reference to)それを計算することにより、磁化の点状である(punctual)値にしたがって飽和移動を測定するために用いられる。特に、実施のエンハンストされた標準モードにおいて、飽和移動はエンハンストされた標準飽和移動ST(en)と呼ばれるパラメータで測定される。飽和移動はエンハンストされた標準飽和移動ST(en)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782

同様に、実施のエンハンストされた相補的標準モードにおいて、飽和移動はエンハンストされた相補的標準飽和移動ST(en_com)と呼ばれるパラメータで測定される。エンハンストされた相補的標準飽和移動ST(en_com)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782
この場合、(エンハンストされた積分バルク)飽和移動ST(en_int_b)、(エンハンストされた積分ピーク)飽和移動ST(en_int_p)、(エンハンストされた相補的バルク)飽和移動ST(en_com_b)、(エンハンストされた相補的ピーク)飽和移動ST(en_com_p)、(エンハンストされた標準)飽和移動ST(en)、及び(エンハンストされた相補的標準)飽和移動ST(en_com)は、(A(int_b)OFF=A(int_b)ON、A(int_p)OFF=A(int_p)ON、A(com_b)OFF=A(com_b)ON、A(com_p)OFF=A(com_p)ON、IOFF=ION、及びI(com)OFF=I(com)ONであるので)CEST影響が登録されていないときの0から、(A(int_b)ON、A(int_p)ON、A(com_b)ON、A(com_p)ON、ION、及びI(com)ONが0に等しいときの)∞への値までの範囲である。
CEST影響が高い場合、本発明のこれらの実施態様(つまりすべてのエンハンストされたモード)は、特に有利である。確かに、この場合、飽和移動ST(en_int_b)、ST(en_int_p)、ST(en_com_b)、ST(en_com_p)、ST(en)及びST(en_com)は、狭義単調増加する(strongly increase)。その結果、その大きな差異は、CEST周波数fc(つまり、A(int_b)ON、A(int_p)ON、A(com_b)ON、A(com_p)ON、ION、及びI(com)ON)に関係する磁化の小さな低減に提供される。
例えば、(標準モード用の)飽和移動STと(エンハンストされた標準モード用の)飽和移動ST(en)との間での例示的比較が、グラフととともに図4に表わされる。図4は、横軸(0〜1)上における磁化の同じ値ION及びIOFFに対応する飽和移動STに対する、縦座標軸(0〜100)上における飽和移動ST(en)をプロットする。見て分かるように、飽和移動ST(en)及びSTは、ST<0.5に対して同じオーダーである。(グラフの対応する部分の拡大図から明瞭に明らかである)。反対に、ST>0.5に対して、飽和移動STの間のいかなる差異も、対応する飽和移動ST(en)において強く増幅される。
その代わりに、本発明の実施のいわゆる結合モードにおいて、飽和移動を測定するパラメータは、磁化の対応する点状である(punctual)値と複合値とを組み合わせることにより計算される。特に、実施の結合した積分バルクモードにおいて、飽和移動は、結合した積分バルク飽和移動ST(cb_int_b)と呼ばれるパラメータで測定される。結合した積分バルク飽和移動ST(cb_int_b)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782

そして、実施の結合した積分ピークモードにおいて、飽和移動は、結合した積分ピーク飽和移動ST(cb_int_p)と呼ばれるパラメータで測定される。結合した積分ピーク飽和移動ST(cb_int_p)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782

さらに、実施の結合した相補的バルクモードにおいて、飽和移動は、結合した相補的バルク飽和移動ST(cb_com_b)と呼ばれるパラメータで測定される。結合した相補的バルク飽和移動ST(cb_com_b)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782

そして、実施の結合した相補的ピークモードにおいて、飽和移動は、結合した相補的ピーク飽和移動ST(cb_com_p)と呼ばれるパラメータで測定される。結合した相補的ピーク飽和移動ST(cb_com_p)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782

同様に、実施の結合したエンハンストされた積分バルクモードにおいて、飽和移動は、結合したエンハンストされた積分バルク飽和移動ST(cb_en_int_b)と呼ばれるパラメータで測定される。結合したエンハンストされた積分バルク飽和移動ST(cb_en_int_b)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782

そして、実施の結合したエンハンストされた積分ピークモードにおいて、飽和移動は、結合したエンハンストされた積分ピーク飽和移動ST(cb_en_int_p)と呼ばれるパラメータで測定される。結合したエンハンストされた積分ピーク飽和移動ST(cb_en_int_p)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782

さらに、実施の結合したエンハンストされた相補的バルクモードにおいて、飽和移動は、結合したエンハンストされた相補的バルク飽和移動ST(cb_en_com_b)と呼ばれるパラメータで測定される。結合したエンハンストされた相補的バルク飽和移動ST(cb_en_com_b)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782

そして、実施の結合したエンハンストされた相補的ピークモードにおいて、飽和移動は、結合したエンハンストされた相補的ピーク飽和移動ST(cb_en_com_p)と呼ばれるパラメータで測定される。結合したエンハンストされた相補的ピーク飽和移動ST(cb_en_com_p)は、次式によって計算される。
Figure 0005456782
この場合、(結合した積分バルク)飽和移動ST(cb_int_b)、(結合した積分ピーク)飽和移動ST(cb_int_p)、(結合した相補的バルク)飽和移動ST(cb_com_b)、及び(結合した相補的ピーク)飽和移動ST(cb_com_p)は、(A(int_b)OFF=A(int_b)ON)、A(int_p)OFF=A(int_p)ON、A(com_b)OFF=A(com_b)ON、A(com_p)OFF=A(com_p)ON、及びIOFF=IONであるので)CEST影響が登録されていないときの0から、(ION=0であるので)CEST影響が最大であるときの1までの範囲である。その代りに、(結合したエンハンストされた積分バルク)飽和移動ST(cb_en_int_b)、(結合したエンハンストされた積分ピーク)飽和移動ST(cb_en_int_p)、(結合したエンハンストされた相補的バルク)飽和移動ST(cb_en_com_b)、及び(結合したエンハンストされた相補的ピーク)飽和移動ST(cb_en_com_p)は、(A(int_b)OFF=A(int_b)ON)、A(int_p)OFF=A(int_p)ON、A(com_b)OFF=A(com_b)ON、A(com_p)OFF=A(com_p)ON、及びI=OFF=IONであるので)CEST影響が登録されていないときの0から、(ION=0ときの)∞への値までの範囲である。
(既に上で指摘した具体的な利点に加えて)、(点状である(punctual))磁化ION及びIOFFの間に大きな差異が存在するとき、本発明のこれらの実施態様(つまりすべての結合モード)は、飽和移動ST(cb_int_b)、ST(cb_int_p)、ST(cb_com_b)、ST(cb_com_p)、ST(cb_en_int_b)、ST(cb_en_int_p)、ST(cb_en_com_b)及びST(cb_en_com_p)をさらに増大させる。
一般に、最良の動作モードは、状況(例えば、飽和パルスの強度、CEST影響なしでのZスペクトルの形状、CESTオフセットなど)に応じて、スキャナのオペレータによって選択される。
本発明の実施態様に係る解決策を実行するために用いられるメインのソフトウェア構成要素を表わす連携ダイアグラムが、図5に図示される。これらの構成要素は、全体として参照符号500で表示される。特に、(図示されていない)オペレーティング・システム及び他の応用プログラムと一緒に、プログラムが走るとき、情報(プログラム及びデータ)は、ハードディスク上に典型的に蓄えられ、データ処理システム(例えばスキャナあるいは個別のパソコン)の作業メモリに(少なくとも部分的に)ロードされる。当初、プログラムは、例えばDVD-ROMから、ハードディスク上にインストールされる。より具体的には、図5は、(対応する構成要素による)システムの静的構成、及びその動的挙動(シンボル「A」が前に付く一連番号で表示された、各々が対応する動作を表わす一連の交換されたメッセージにより)について記述する。
特に、入力モジュール505は、スキャナの動作を制御するドライバを含む。特に、患者の一般的な(generic)身体部を分析しなければならないとき、(対応する標的部位用の)特定のCEST造影剤が、(例えば手の静脈内に注射器により(intravenously by hand with))患者に投与される。一旦、患者がスキャナのトンネル内に入ったならば、最初に、入力モジュールが(標準)MRIモードで作動する。(傾斜磁場コイルにより連続的に選択された)身体部の特定のスライスの各場所に対して、RFコイルが水周波数fwで磁気パルスを印加し、得られた(アナログの)RF磁気応答シグナル(これは対応する磁化の横成分を測定している)を記録する。身体部のすべての場所での応答シグナルが増幅され、ビデオフォーマットにおけるディジタル値に変換される。このプロセスは、身体部の(ビデオの)MRI画像を生成する。当該MRI画像510は、対応するファイルへ蓄えられる(動作「A1の記録」)。その後、異なったメモリ構造及びそれらのコンテンツは単純のために同じ参照符号で表示される。MRI画像510は、身体部の場所に対応する各可視化要素(つまりボクセル)のセルを持ったマトリックス(例えば256行×256列)によって規定される。各セルは、ボクセルの明るさを規定するボクセル値(例えば、8ビットでコード化されている)を含む。例えば、グレースケールのMIR画像510において、ボクセル値は、対応する磁化(身体部の対応する場所を表わす)の強度に応じて0(黒)から255(白)まで増加する。このように、MRI画像510は、身体部の形態の表示を提供する。
そして、入力モジュール505がMRI-CESTモードで作動する。同じ身体部の場所での各群(例えば各群が4×4の場所から成る)に対して、初めに、RFコイルがCEST周波数で飽和パルスを印加する。そして、RFコイルは、動作周波数範囲において一連の磁気パルスを印加し、得られた(アナログの)RF磁気応答シグナルを記録する。応答シグナルが急勾配の変動(つまり水周波数fwとCEST周波数fcとの近くにある)を示す短いサンプリング工程(それらの周波数差によって規定される)で、シャノン定理による対応する応答シグナルの情報のあらゆるロスも制限するために磁気パルスが選択される。その一方で、応答シグナルが滑らかな変動を示すより広いサンプリング工程で、磁気パルスが選択される。例えば、1ppmのサンプリング工程が、水周波数fwを中心にして、及びCEST周波数fcを中心にして、±1ppmの範囲で用いられる。その一方で、(1セットの約30乃至50の応答シグナルを記録するために)±5ppmのサンプリング工程が他のところで用いられる。身体部のすべての場所での応答シグナルのセットが増幅されて、ディジタル値に変換される。この操作は、サンプル地図を生成する。サンプル地図520は、対応するファイルへ蓄えられる(動作「A2の取得」)。サンプル地図520は、場所の各群に対してセルを持ったマトリックスによって規定される。サンプル地図520の各セルは、サンプルアレイを含む。サンプルアレイは、動作周波数範囲の全体にわたる場所での対応する群の磁化のサンプル値によって形成される。したがって、サンプル地図520の低解像度が、適切な値でサンプル地図520を得るための時間(例えば15乃至30分)を維持するために必要とされるので、サンプル地図520は、MIR画像510より低い解像度(例えば64行×64列)を有するだろう。
モデラー(modeler)525は、サンプル地図520にアクセスする。サンプル地図520の各セルに対して、モデラー525は、対応するZスペクトル(1セットのモデルパラメータ値によって規定される)を表わすモデル関数の例(instance)を、対応するサンプルアレイに関連付ける。その後に、モデル関数及びその例は、単純化のために同じ参照符号で表示される。モデル関数は、サンプルアレイのベストフィットを提供するモデルパラメータ値を選択する最適化プロセスによって決定される。例えば、モデル関数は、3次スプラインである。3次スプラインは、平滑化スプライン型の最適化プロセスによって決定される。そして、モデラー525は、そのように得られたモデル関数の最大値を計算し、この値にそれを正規(規格)化する(normalize)。全体の操作はモデル地図を生成する。モデル地図530は、対応するファイルへ蓄えられる(動作「A3のモデル」)。場所の各群に対しては、モデル地図530には対応点(正規化された(normalized))モデル関数を規定するサンプルパラメータを含むセルを有する。
検出器535は、順次、モデル地図530にアクセスする。モデル地図530の各セルに対しては、検出器535は、(対応するZスペクトルにおける水周波数fwであると仮定して)、モデル関数の最小を提供する中央周波数を計算する。操作はゼロ地図を生成する。ゼロ地図540は、対応するファイルへ蓄えられる(動作「A4の検出」)。場所の各群に対しては、ゼロ地図540は、対応する中央周波数を含むセルを有する。
シフター(shufter)545は、モデル地図530及びゼロ地図540の両方にアクセスする。モデル地図530の各セルに対しては、(ゼロ地図540に規定されるように)、その中央周波数が始点(origin)(0)に相当するように、シフター545は対応するモデル関数をシフトさせる。操作はシフトした地図を生成する。シフトした地図550は、対応するファイルへ蓄えられる(動作「A5のシフト」)。場所の各群に対しては、シフトした地図550は、対応する(シフトとした)モデル関数を規定するサンプルパラメータを含むセルを有する。この特徴は、局所的に各セルのZスペクトルにおけるエラーを補償する。エラーは、身体部の場所での対応する群における不均一性によって、あるいは、(例えば、身体部内での場所の位置に依存する)その理論値に関して実際の水周波数fwの変動によって、もたらされる。
積分器(intergrator)555は、シフトした地図550及び加工テーブル557にアクセスする。積分器555は、CEST周波数範囲及び基準周波数範囲の規定を蓄える。CEST周波数範囲及び基準周波数範囲557は、(つまり、バルクに基づくか又はピークに基づく)スキャナの動作モードに応じて、及び患者に投与される(分析プロセスの初めに操作者によって入力されるように)特定のCEST造影剤のCEST周波数fcに応じて、規定される。シフトした地図560の各セルに対しては、積分器555は、CEST周波数範囲及び基準周波数範囲のそれぞれにおけるそのモデル関数の積分を計算する。操作は積分地図を生成する。積分地図560は、対応するファイルへ蓄えられる(動作「A6の積分」)。場所の各群に対しては、積分地図560は、対応する積分を含むセルを有する。
補数器(complementer)563は、積分地図560及び加工テーブル557にアクセスする。オプションとして(操作者が分析プロセスの初めに相補的モードを選択したとき)、補数器563は、積分地図560の各セルの積分の補数(対応する最大値に関する)を計算する。そして、補数器563は、積分地図560の各セルの積分を、そのように得られたそれらの補数に置き換える(動作「A7の補数」)。
比較器(comparator)565は、積分地図560及びシフトした地図550にアクセスする。積分地図560の各セルに対しては、分析プロセスの初めに操作者によって選択されたとき、補数器563は、上記モード(つまり、積分モード、相補的モード、エンハンストされたモード、又は結合したモード)のうちの1つにしたがって、対応する飽和移動を計算する。この目的のために、比較器565は、積分地図560における対応する積分(あるいはそれらの補数)を利用する。さらに、結合モードにおいて、比較器565は、CEST磁化及び基準磁化を利用する。CEST磁化及び基準磁化は、シフトした地図550における対応するモデル関数から計算される。操作は、パラメータ地図を生成する。パラメータ地図575は、対応するファイルへ蓄えられる(動作「A8の結合」)。場所の各群に対しては、パラメータ地図575は、対応する飽和移動を含むセルを有する。
変換器(converter)575は、パラメータ地図570にアクセスする。パラメータ地図570の各セルに対しては、変換器575は、表示目的のために対応する飽和移動を変換する。例えば、各飽和移動は、恐らくゲインファクタを適用することにより、パラメータ地図570におけるすべての飽和移動の最低値と最高値との間で一様に分配される128のレベルから成る離散値に変換される。その後、色ルックアップ(lookup)テーブル(不図示)は、可能な全てのレベルを、対応する色(それはレベルが増大するにつれてより明るいことが好適である)の表示に関連付けるために用いられる。例えば、各色は、その実際の仕様を含むパレット内にある場所にアクセスするためのインデックスによって規定される。変換器575は、MRI画像510のサイズ(問題の実施例においては、256行×256列)までパラメータ地図570を拡張する。この目的のために、(パラメータ地図570における)各セルの飽和移動は、ボクセルの対応する群のために複製され(replicated)、そして、(例えば、ローパス空間フィルタを用いて)空間フィルタされる。操作はパラメータ画像を生成する。パラメータ画像580は、対応するファイルへ蓄えられる(動作「A9の変換」)。各ボクセルに対しては、パラメータ画像580は、対応する(色分けされた)飽和移動を含む。
重ね合わせ器(overlayer)585は、透明な状態で(in transparency)MRI画像510の上にパラメータ画像580を重ね合わせる。この目的のために、その飽和移動が所定のしきい値あるいはそうでなければロジック値0より厳密に高い場合(例えば、しきい値がパラメータ画像580における最も高い飽和移動の0乃至5%の範囲にある)、ロジック値1を(各ボクセルに)指定することにより、オーバーレイ・マスクがパラメータ画像580から生成される。反転したオーバーレイ・マスクは、(ロジック値0及び1の交換により)オーバーレイ・マスクから生成される。現時点では、(他のボクセル値が0にリセットされる間に、閾値よりも高いボクセル値を維持するために)、それぞれのボクセル(voxel-by-voxel)において、パラメータ画像580にオーバーレイ・マスクを乗ずることにより、重ね合わせ器585は、マスクされたパラメータ画像を生成する。同時に、(他のボクセル値が0にリセットされる間に、マスクされたパラメータ画像に含まれていないMRI画像510のボクセル値を維持するために)、それぞれのボクセル(voxel-by-voxel)において、MRI画像510に反転したオーバーレイ・マスクを乗ずることにより、重ね合わせ器585は、マスクされたMRI入力画像を生成する。そして、重ね合わせ器585は、対応するファイル590へ蓄えられる重ね合わせ画像を得るために、それぞれのボクセル(voxel-by-voxel)において、マスクされたパラメータ画像及びマスクされたMRI画像を加える(動作「A10の重ね合わせ」)。各ボクセルに対しては、パラメータ画像580の対応するボクセル値が閾値あるいはMRI画像510の対応するボクセル値よりも大きいならば、重ね合わせ画像590は、パラメータ画像580の対応するボクセル値を含む。このように、ボクセル値が重要な値(つまり、閾値よりも大きな値)を有する場合のみ、パラメータ画像580のボクセル値(それらの飽和移動を表わす)は、MRI画像510のボクセル値(それらの磁化を表わす)を無効にする(override)。そして、重ね合わせ画像490は、操作者に重ね合わせ画像490を与える出力モジュール595に供給される。例えば、スキャナのモニタに重ね合わせ画像490を表示させることである(動作「A11の表示」)。
実験結果
本発明の異なった実施態様に係る上記モード(つまり、積分バルクモード、積分ピークモード、相補的バルクモード、相補的ピークモード、相補的標準モード、エンハンストされた積分バルクモード、エンハンストされた積分ピークモード、エンハンストされた相補的バルクモード、エンハンストされた相補的ピークモード、エンハンストされた標準モード、エンハンストされた相補的標準モード、結合した積分バルクモード、結合した積分ピークモード、結合した相補的バルクモード、結合した相補的ピークモード、結合したエンハンストされた積分バルクモード、結合したエンハンストされた積分ピークモード、結合したエンハンストされた相補的バルクモード及び結合したエンハンストされた相補的ピークモード)は、テストされ、コンピュータにより(in silico)標準モードと比較された。
この目的のために、図6Aに示されるように、シミュレートされたZスペクトルは、「Woessner DE, Zhang S, Merritt ME, Sherry AD. Numerical solution of the Bloch equations provides insights into the optimum design of PARACEST agents for MRI. Magn Reson Med. 2005年, 53巻:790-799頁」において述べられた数値モデルを用いることにより得られた。その全開示は参照によって本願明細書に組み込まれる。特に、6つの異なったZスペクトル(参照符号A1、A2、B1、B2、C1及びC2で表示される)が、バルクピーク、CESTピーク、CESTオフセット及びCEST造影剤の濃度の異なった拡張(extension)で生成された。さらに、実際の実験をよりよく似せるために、10%のガウスのエラーが、シミュレートされたZスペクトル上に適用された。
各操作モードの性能は、それらのCNRの点から、標準モードのコントラスト・ノイズ比(CNR)に正規(規格)化されて(normalized)表現された。各操作モードのCNRは、CEST影響を持った飽和移動と、CEST影響のない複数のZスペクトル(問題の実施例では5つ)における飽和移動の標準偏差との間の比として計算された。
例えば、図6Bは、標準モード(ST)、相補的標準モード(ST(com))及びエンハンストされた標準モード(ST(en))での(正規化された(normalized))CNRを示す。理解されるように、エンハンストされた標準モードのCNRは、標準モードのCNRより常に高い。特に、CEST影響が高い場合(ZスペクトルがA2、B2及びC1の場合)、エンハンストされた標準モードがより有利である。その代りに、相補的標準モードのCNRは、エンハンストされたモードがより標準なモードよりよく作動しなかったZスペクトルにおいて最良の性能で、ほとんどのZスペクトルにおいて標準モードのCNRより高い。
図6Cは、標準モード(ST)、積分バルクモード(ST(int_b))及び積分ピークモード(ST(int_p))でのCNRを示す。一般的に、積分(バルク及びピーク)モードのCNRは、特に積分ピークモードに対して、標準モードのCNRよりも高い。特に、CESTピークが広い場合(ZスペクトルがB1及びB2の場合)、両積分モードはより有利である。しかしながら、狭いピークのCESTに対して、積分ピークモードは、積分バルクモードよりよい性能を提供する。
図6Dは、標準モード(ST)、積分ピークモード(ST(int_p))、エンハンストされた積分ピークモード(ST(en_int_p))、結合した積分ピークモード(ST(cb_int_p))及び結合したエンハンストされた積分ピークモード(ST(cb_en_int_p))のCNRを示す。理解されるように、積分ピークモードのCNRは、標準モードのCNRより高い。そして、この差異は、エンハンストされた積分ピークモードにおいてさらに強調される。その代りに、結合した積分ピークモードは、結合したエンハンストされた積分ピークモードで改善するその性能で、特に有利ではない。
図6Eは、標準モード(ST)、相補的標準モード(ST(com))、エンハンストされた相補的標準モード(ST(en_com))、積分バルクモード(ST(int_b))及びエンハンストされた積分バルクモード(ST(en_int_b))のCNRを示す。上記のように、相補的標準モードのCNRは、標準モードのCNRよりほとんど高い。その一方で、その性能はエンハンストされた相補的標準モードでずっとより悪い。同様に、積分バルクモードのCNRは、エンハンストされた積分バルクモードでさらに強調されるこの差異で、標準モードのCNRよりも一般的に高い。
図6Fは、標準モード(ST)、エンハンストされた標準モード(ST(en))、エンハンストされた相補的標準モード(ST(en_com))、エンハンストされた積分バルクモード(ST(en_int_b))、エンハンストされた相補的バルクモード(ST(cb_en_int_b))、エンハンストされた積分ピークモード(ST(en_int_p))及びエンハンストされた相補的ピークモード(ST(cb_en_int_p))のCNRを示す。理解されるように、エンハンストされたモードが所望の性能向上を提供しない場合、相補的モードは特に有利である(ZスペクトルのB1及びC2のように、及び標準モードを除いて)。
異なった操作のモードが、浸透収縮した(osmotically shrunken)LIPOCEST造影剤(Dy(III)ベースのシフト試薬でいっぱい)の異なった濃度で満たされた6つの毛細管からなるファントム(phantom)で、生体外で(in vitro)テストされる。そのCESTのオフセットは-45ppmである。特に、飽和パルスの異なった強度(つまり3μT、6μT及び12μT)での3つのZスペクトルが、CEST造影剤の異なった濃度に対して得られた。図7Aは、CEST造影剤の最も高い濃度に対する飽和パルスの異なった強度でのZスペクトルを示す。図7Bは、CEST造影剤の最も高い濃度(白色)に対する12μTでのZスペクトルと、CEST造影剤の最も低い濃度(黒色)に対する12μTでのZスペクトルとを示している。
上記のように、各操作モードの性能は、それらのCNR(標準モードのCNRに正規(規格)化される(normalized))の点から表現された。この場合、各操作モードのCNRは、毛細管の飽和移動と、毛細管のない領域での飽和移動の標準偏差との間の比として計算された。
特に、図7Cは、標準モード(ST)、相補的標準モード(ST(com))、エンハンストされた標準モード(ST(en))、エンハンストされた相補的標準モード(ST(en_com))、積分バルクモード(ST(int_b))、相補的バルクモード(ST(com_b))、エンハンストされた積分バルクモード(ST(en_int_b))、エンハンストされた相補的バルクモード(ST(en_com_b))、積分ピークモード(ST(int_p))、相補的ピークモード(ST(com_p))、エンハンストされた積分ピークモード(ST(en_int_p))、エンハンストされた相補的ピークモード(ST(en_com_p))、結合した積分バルクモード(ST(cb_int_b))、結合した相補的バルクモード(ST(cb_com_b))、結合した積分ピークモード(ST(cb_int_p))、及び、結合した相補的ピークモード(ST(cb_com_p))の、CEST造影剤の最も低い濃度に対する、CNRを示す。理解されるように、ほとんどの提案されたモードのCNRは、(CESTピークの広がりのために)標準モードのCNRよりも高い。特に、最良の性能は、(CEST周波数での高い磁化のために)いくつかの相補的モードによって提供される。
図7Dは、CEST造影剤の最も高い濃度(白色)及びCEST造影剤の最も低い濃度(黒色)に対して上記のような同じモードのCNRを示す。理解されるように、相補的モードの性能は、(CEST周波数での磁化が減少するので)CEST造影剤の最も高い濃度で悪化する。
図7Eは、標準モード(ST)、相補的バルクモード(ST(com_b))、相補的ピークモード(ST(com_p))、及び、エンハンストされた相補的ピークモード(ST(en_com_p))の、3μT、6μT及び12μTでのCEST造影剤の最も低い濃度に対する、CNRを示す。理解されるように、相補的モードは、(CEST周波数での磁化が増大するので)飽和パルスの低い強度で特に利点を有する。
図7Fは、CEST造影剤の最も高い濃度(白色)及びCEST造影剤の最も低い濃度(黒色)に対する上記と同じモードの、6μT(テスラ)でのCNRを示す。再び、相補的モードは、(CEST周波数での磁化が同様に増大するので)CEST造影剤の低濃度で特に利点を有する。
このことは、図7Gにおいてより明瞭である。図7Gは、標準モード(ST)、及びエンハンストされた相補的ピークモード(ST(en_com_p))において、1で示した毛細管から6で示した毛細管まで減少するCEST造影剤の異なった濃度に対して6μTで、得られたファントム(phantom)のパラメータ画像を示す。理解されるように、エンハンストされた相補的ピークモードにおける毛細管は、標準モードにおける毛細管より明瞭である。つまり、飽和移動ST(en_com_p)が、飽和移動STよりも高い。さらに、CEST造影剤の濃度が減少する(1〜6)とき、対応する飽和移動ST(en_com_p)の増大の結果として、エンハンストされた相補的ピークモードにおける毛細管の明るさが増加する。
同じ操作モードも、(生体外及び生体内で)、広がったZスペクトルを特徴とする生物システム上でテストされた。
特に、18ppmのCEST周波数を持った浸透収縮した(osmotically shrunken)LIPOCEST造影剤(Tmベースのシフト試薬に基づいた)は、(生体外で)牛の筋肉に注入された。標準モード(ST)、エンハンストされた相補的標準モード(ST(en_com))、エンハンストされた標準モード(ST(en))、相補的標準モード(ST(com))、積分バルクモード(ST(int_b))、相補的バルクモード(ST(com_b))、エンハンストされた積分バルクモード(ST(en_int_b))、エンハンストされた相補的バルクモード(ST(en_com_b))、積分ピークモード(ST(int_p))、相補的ピークモード(ST(com_p))、エンハンストされた積分ピークモード(ST(en_int_p))、エンハンストされた相補的ピークモード(ST(en_com_p))、結合した積分バルクモード(ST(cb_int_b))、結合した相補的バルクモード(ST(cb_com_b))、結合した積分ピークモード(ST(cb_int_p))、及び、結合した相補的ピークモード(ST(cb_com_p))に対する対応するパラメータ画像(6μTで)は、図8Aに示される。理解されるように、注射部位は、ほとんどの操作モード(標準モードを含む)において、明らかに検出可能である。しかしながら、最良の性能は、エンハンストされた標準モード、結合した積分バルクモード、及び、結合した積分ピークモードにより提供される。
同じ結果が図8Bに要約される。図8Bは、対応するCNR(再び、標準モードのCNRに正規(規格)化される(normalized))を示す。この場合、各操作モードのCNRは、注射部位の飽和移動と、CEST造影剤を含まない領域における飽和移動の標準偏差との間の比として計算された。
そして、7ppmのCEST周波数を持ったTmベースのLIPOCEST造影剤は、(生体内で)マウス・フランクに皮下注射された。上記と同じ操作モードに対する、6μTでの対応するパラメータ画像が、図8Cに示される。この場合、最良の性能は、相補的標準モード及びエンハンストされた相補的ピークモードにより提供される。
このことは、図8Dに示される対応するCNRにより確認される。
さらに、-17ppmのCEST周波数を持ったDyベースのLIPOCEST造影剤は、(生体内で)マウス・フランクに再び皮下注射された。上記と同じ操作モードに対する、6μTでの対応するパラメータ画像が、図8Eに示される。この場合、同じように、最良の性能は、相補的標準モード及びエンハンストされた相補的ピークモードにより提供される。
このことは、図8Fに示される対応するCNRにより確認される。
同様に、5ppmのCEST周波数を持ったTmベースのLIPOCEST造影剤は、(生体内で)異種移植の(xenografted)B16黒色腫を持った(bearing)マウスに腫瘍内に注入された。非常に類似した結果が、図8Gに示される対応するパラメータ画像(6μT(テスラ)での)、及び図8Hに示される対応するCNRにより提供される。
それぞれの実験のプロトコルは、下記に詳細に説明される。
CEST造影剤、浸透収縮した(osmotically shrunken)LIPOCEST造影剤の調製から始まり、親水性のランタニド元素をベースにしたシフト試薬(Ln-HPDO3Aであって、Lnはランタニド元素イオンとしてとどまり、HPDO3Aは、有名な市販のキレート剤である)をカプセル化して、両親媒性のランタニド元素をベースにしたシフト試薬(Ln-1として以下に示される)を組込むことが準備された。(例えば、「Terreno E, Cabella C, Carrera C, Delli Castelli D, Mazzon R, Rollet S, Stancanello J, Visigalli M, Aime S. From Spherical to Osmotically Shrunken Paramagnetic Liposomes: An Improved Generation of LIPOCEST MRI Agents with Highly Shifted Water Protons. Angew Chemie Int Ed, 2007年, 46巻: 966-968頁」に記載されており、その全ての開示が参照によって本願明細書に組み込まれる。)
生体外の実験に用いられたLIPOCEST造影剤の構成(formulation)は、DPPC/DSPE-PEG2000/Dy-1(分子比で75/5/20、脂質の合計量が20mg)であり、DPPCは、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(1,2-dipalmitoyl-sn-glycero-3-phosphocholine)、及びDSPE-PEG2000は、1,2-distearoyl-sn-グリセロ-3-フォスフォエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000](1,2-distearoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine-N-[methoxy(polyethylene glycol)-2000])である。脂質のフィルムを水和するために用いられた水溶液(体積が1mL)におけるDy-HPDO3A錯体の濃度は、10mMであった。押出し(extrusion)の後、リポソームは、カプセル化されていない化合物を取り除くとともに、リポソーム形状を変更するのに必要な高浸透圧の圧力を生じさせるために、等張の生理学的緩衝液(pH7.4で、NaClが0.15M+HEPESが2.8mM)に対して透析された。リポソームのサイズは、動的光散乱(Malvern NanoS Zetasizer)によって決定され、158nm(多分散性インデックスすなわちPDI<0.1)という結果になった。14T(テスラ)及び312Kで実行された高解像度NMRスペクトル(Bruker Avance 600)によって評価されたとき、CESTオフセットが-45ppmであった。
生体外の実験は、等張緩衝液(希釈係数が、0、1x、2x、4x、8x、16x)で懸濁液を希釈することにより作製された異なったリポソーム濃度での溶液で満たされた6本の毛細管からなるファントムに対して実行された。懸濁液におけるリポソームの濃度は、「Terreno E, Delli Castelli D, Milone L, Rollet S, Stancanello J, Violante E, Aime S. First ex-vivo MRI co-localization of two LIPOCEST agents, Contr. Media Mol. Imaging, 2008年, accepted for publication」に記載された方法を用いることにより大まかに見積もられた。当該文献の全ての開示が、引用によって本願明細書に組込まれる。そして、懸濁液におけるリポソームの濃度は、44nMという結果になった。
生体内の実験に対しては、他の3つのLIPOCEST造影剤が作製された。それらのうちの2つは浸透収縮した(osmotically shrunken)LIPOCEST造影剤(Tmベースの及びDyベースの)であって。また、1つ(Tmベースの)は球状(spherical)であった。浸透収縮した(osmotically shrunken)ビヒクルのメンブレン構成(formulation)は、POPC/コレステロール/DSPE-PEG2000/Ln-1(分子比が50/15/5/30、脂質の合計量が20mg)であった。ここで、POPCは、1-パルミトイル基-2-オレイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである。脂質のフィルムを水和するために用いられた水溶液(体積が1mL)におけるLn-HPDO3A錯体の濃度は、40mMであった。TmベースのLIPOCEST及びDyベースのLIPOCESTのそれぞれに対するリポソーム・サイズは、240nm及び260nmであった(PDI<0.1)。TmベースのLIPOCEST造影剤及びDyベースのLIPOCEST造影剤のそれぞれに対するCESTのオフセットは、7ppm及び15ppmであった。実験は、マウスのフランクに2つのLIPOCESTプローブ(およそ(ca)100μL)の皮下注射することによって行なわれた。球状のLIPOCESTの構成(formulation)は、DPPC/DSPE-PEG2000(分子比が95/5、脂質の合計量が60mg)であった。脂質のフィルムを水和するために用いられた水溶液(体積が1mL)におけるTm-DOTMA錯体の濃度は、200mMであった。リポソーム・サイズは、91nm(PDI<0.1)であった。CESTオフセットは、5ppmであった。
さて、Zスペクトルの取得に移る。スキャナは、7T(テスラ)で作動してマイクロのイメージング・プローブを装備したブルカー・アバンス300のスペクトロメーターからなっていた。2つの異なった共鳴器(生体外因性の実験及び体内の実験のために用いられた直径がそれぞれ10mm及び30mm)が用いられた。Zスペクトルは、2つの強度(6μT(テスラ)と12μT(テスラ))で、飽和パルス(単ブロック・パルスで、期間が2秒)から始まるスピンエコーRAREシーケンス(典型的な設定として、TR/TE/NEX/RAREファクタが6000ミリ秒/15ミリ秒/1/8)を用いながら、±150ppmの動作範囲で得られた。64×64のサンプル地図は、共鳴器に依存して、2mmのスライス厚さ及び10×10又は30×30mm2のFOV値で用いられた。MRI-CEST画像は、標準スピンエコー・パルスシーケンス(TR/TE/NEXが6000ミリ秒/3ミリ秒/1)を用いて得られた。生体内の取得のすべては、標準の脂肪抑制(fat-suppression)モジュールを用いて行なわれた。
画像とデータ解析に関して。Zスペクトル生データは、スキャナのコンピュータから輸出され、MATLAB(マスワークス社(Natick)、マサチューセッツ州、米国)において走る自作(home-written)のソフトウェアによって自動的に作られた。その分析は、画像細分化、全体的なROI分析及びボクセルごとの局所的な分析を含むいくつかの工程からなっていた。特に、MRI画像の自動的な画像細分化の後、関心領域(ROI)は手動で選択された。この識別(identification)選択された領域(例えば、調査は、腫瘍コントラスト・アプテーク、血管あるいは浮腫に焦点を合わせることができる)の内部での水周波数及び飽和移動のようないくつかの全体的な特徴に特定な注意を払うことを目的とする。Zスペクトルを構築するために、水周波数の近くでのオフセット周波数に対しては1ppmのサンプリングステップを用いることにより、磁気応答がサンプリングされた。より大きなオフセット周波数で飽和移動を調査するとき、磁気応答は、低いサンプリングステップの使用を支持しながら、滑らかな変形(ノイズを除く)を示した。Zスペクトルは、平滑化スプラインを用いることにより補間された(interpolate)。選択された関心領域の全体的な分析に基づいて、分割された画像は、あらゆる所望のオフセット周波数で飽和移動を計算することにより局所的に調査された。全体的な分析がボクセルごとの挙動の平均を表わすので、大きな関心領域にわたって平均されたとき、局所的効果がマスクされるかもしれない。これは、全体的な分析が低くて局所的なCEST影響の存在をマスクできることを示唆する。この理由で、各単一のボクセルにおける異なった特徴を説明する局所的分析が行なわれた。ボクセルごとの分析は、局所的なZスペクトルを得るために分割された画像の各ボクセルから来る応答シグナルのサンプルを補間することからなっていた。局所的分析のための方法は、全体的な分析と同じであり、つまり、ボクセルの低いCNRを考慮に入れる平滑化スプラインに基づいた。これは、局所的分析において、より重い平滑化ファクタ(0.5に等しい)の使用を意味する。補間されたZスペクトルの局所的分析は、ゼロ地図(つまり分割された画像における水周波数のボクセルごとの配置(distribution))を提供する。局所的に修正された分析は、バルクの水共鳴を0のオフセット周波数に固定するために各ボクセルの補間されたZスペクトルをシフトさせることにより行なわれた。そして、正確なボクセル内(intra-voxel)の飽和移動は、(シフトされるとともに補間された)Zスペクトルに基づいて計算された。残余のノイズを抑制するために、3×3のカーネルメディアン(kernel median)フィルタは、単一のノイズの多いスパイクを除去するために適用された。
変更
当然に、局所的で具体的な要求を満たすために、当業者は、上述した多くの論理的及び/又は物理的な変更及び修正を解決策に適用してもよい。より詳細には、この解決策は、その1つ以上の好ましい実施態様に関するある程度の特殊性を持って記述されているが、他の実施態様と同様に形態及び細部における、様々な省略、置換及び変更が可能であることが理解されるに違いない。特に、同じ解決策は、そのより完全な理解を提供するために前の説明において示された(数値例のような)具体的な細部無しに、さらに実行されてもよい。反対に、よく知られた特徴は、不必要な詳細を持った説明を不明瞭にしないように、省略又は単純化されてもよい。さらに、開示された解決策のいずれかの実施態様に関して記述された具体的な要素(element)及び/又は方法の工程が、一般的な設計的選択の問題として他の実施態様に組み入れられてもよいことは明らかに意図されている。
特に、スキャナが異なった構造を有するか、他のユニット(例えば別の強度で磁場、代替の勾配を提供するマグネット及び/又はRFコイルなど)を含む場合、同様の考察が適用する。提案された解決策は、あらゆる他の特徴の検出(例えば病理学的状態の進化あるいは処理に対する応答)のための異なった身体部(例えば身体部、領域あるいは組織)の分析や、動物あるいは他の対象物の分析に適用されるのに適している。
さらに、上述したCEST造影剤は、単なる例示であり、どのようなタイプの1つ以上の内因性又は外因性のCEST造影剤に(単独あるいは組み合わせで)適用されてもよい同じ技術で、制限的に解釈されない。さらに、(外因性の)CEST造影剤は、あらゆる他の方法で(あらゆる注射なしで)患者に投与されてもよい。
あるいは、提案された解決策は、スキャナ及び別個のコンピュータから成る診断システム(あるいはあらゆる均等なデータ処理システム)に適用される。この場合、記録情報は、(例えばディジタル、アナログあるいはネットワーク接続を通じて)その処理のためにスキャナからコンピュータに移動される。
入力地図に異なった解像度がある場合、あるいは飽和値が場所の異なった群に対して、単一の場所に対して、又は全体の関心領域に対して計算される場合、同様の考察は適用する。さらに、全ての身体部のレベル、あるいはその選択された領域だけのレベルで、二次元の場所(対応するピクセルに対して)に提案された解決策を適用することは妨げられない。さらに、Zスペクトルは別の方法で表わされてもよい。例えば、動作周波数範囲は、異なってもよい。動作周波数範囲の全体にわたってさらに異なるように(例えば一様に)分配されても、各セルのサンプルアレイは、他の(より小さいかより大きい)数値の磁化を含んでもよい。磁化は別の方法で測定されてもよい。あるいは、それらが絶対的に(あらゆる正規化無しで)表現されてもよい。
(飽和移動を計算するために用いられる)複合値の上記実施例は、網羅的ではない。同様の考察は、対応するパラメータ値に適用する。例えば、磁化の点状である(punctual)値の補数と複合値とを組み合わせることも可能である。
CEST周波数範囲及び基準周波数範囲(CEST周波数及び基準周波数をそれぞれ中心とする)の上記拡張(extension)は、単なる例示である。あらゆる場合において、CEST周波数及び基準周波数から(左方向にあるいは右方向に)正確にCEST周波数範囲及び基準周波数範囲を始める可能性は、それぞれ、除外されない。
(水周波数に関してZスペクトルの他側に達しても)CEST周波数範囲及び基準周波数範囲が、より広がってもよい。
あるいは、CEST周波数範囲及び基準周波数範囲は、CEST周波数及び基準周波数を中心にそれぞれ対称でなくてもよい。
たとえ、前の説明において複合値を計算するための積分が述べられていても、このことは制限的に解釈されるべきではない。例えば、本発明の代替の実施態様において、各複合値は、CEST周波数範囲又は基準周波数範囲のそれぞれにおける磁化の複数の値の和に基づくか、それらの平均に基づくか、あるいはより一般にはその他の関数に基づく。
さらに、積分の補数は、異なった基準値(例えば、磁化の平均と等しい高さを持った対応するCEST周波数範囲又は基準周波数範囲にわたって延在する長方形の面積からなる)に従って、計算されてもよい。この場合、同じように、各複合値も、磁化の複数の補完された値(それらの最大値に関する)の和に基づくか、それらの平均に基づくか、あるいはより一般にはその他の関数に基づいてもよい。
あらゆる場合においても、関連のある複合値の間の他の比較(例えばそれらの単純な比又は差)に従って、飽和移動を計算することも可能である。
当然に、飽和移動は、同様の方法で(例えばパーセンテージ値として)表現されてもよい。
飽和移動は、(上述された水値あるいはCEST値に加えて)、他の複合値に関して計算されてもよい。例えば、代替の飽和値は、CEST値と基準値との間の差として規定されてもよいし、水周波数(例えば+2/10ppmから-2/10ppmまでのZスペクトルの積分あるいは積分の補数)を中心とする異なった周波数範囲に基づいている複合値で除算されてもよい。
(例えばそれらを除算するか、加算するか、あるいは引算することにより)、あらゆる他の関数と複合値及び点状である(punctual)値とを組み合わせる可能性は、除外されない。
さらに、(例えば、まず、対応する点状である(punctual)値と個々の複合値とを組み合わせて、次に、そのようにして得られた値を組み合わせることにより)、複合値と点状である(punctual)値との間の組み合わせは、異なった方法で行なわれてもよい。
例えば、理論的な水周波数の付近を考慮するさらに精緻な計算に基づいている代替のアルゴリズムで各Zスペクトルの中央周波数を推定することを妨げない。(この特徴が厳密に必要でなくて、全ての身体部のレベルで全体的に実行されてもよく、本発明の単純化された実施において、とにかく省略されてもよい。)
あるいは、各サンプルアレイに関連したモデル関数は、その性質(nature)に関するいかなる仮定もすることなしで、(例えば、多項式補間、ニューラル・ネットワークなどにより)、同等な技術で決定されてもよい。
パラメータ画像は、いかなる方法で出力されてもよい(例えば、単に印刷される)。さらに、パラメータ画像は、背景にあらゆる(標準の)MRI画像なしで表示されてもよい。あらゆる場合においても、(例えば、全体として選択されたROIの飽和移動を単に計算するために)、他のあらゆる適用のために得られた結果の使用が、検討される。
提案された解決策は、同様の工程を用いること、非本質的な幾つかの工程を除去すること、あるいはさらにオプションの工程を加えることによる、同等な方法で実現することに適する。さらに、工程は、(少なくとも一部分が)異なった手順で、同時に、あるいは交互的に行なわれてもよい。
この解決策は、スキャナの既に存在する制御プログラムのためのプラグ・インとして、同じ制御プログラムにおいて直接に、あるいは、(別個のコンピュータ上で走るか、ネットワーク・サービスとして提供される)スタンド・アロンの適用として、実施されてもよい。プログラム(本発明の各実施態様を実施するために用いられる)が、異なった方法で構成されているならば、あるいは、追加のモジュールあるいは関数(function)が提供されるならば、同様の考察は適用する。同様に、メモリ構造は、他のタイプのものであってもよく、(必ずしも物理的な記憶媒体から構成されていない)均等物(equivalent entities)と置換されてもよい。あらゆる場合において、プログラムは、あらゆるデータ処理システムにより、(例えば、仮想計算機内で)あらゆるデータ処理システムと接続されて用いられるのに適したあらゆる形態を取ることができる。特に、プログラムは、外部又は常駐のソフトウェア、ファームウェアあるいはマイクロコードの形で、(例えばコンパイルされるか解釈されるオブジェクト・コードあるいはソース・コードのいずれかで)あってもよい。さらに、あらゆるコンピュータで使用可能な媒体でプログラムを提供することは可能である。当該媒体は、プログラムを含む、蓄える、伝える、広める、又は、移動するのに適したあらゆる要素である。例えば、媒体は、電気的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外線、あるいは半導体のタイプのものであってもよい。かかる媒体の実施例は、固定ディスク(プログラムが、あらかじめロードされる)、リムーバブル・ディスク、テープ、カード、ワイヤー、ファイバー、無線接続、ネットワーク、電磁波などである。あらゆる場合において、本発明の実施態様に係る解決策は、(例えば、半導体チップに統合された)ハードウェア構造で、あるいはソフトウェアとハードウェアの組み合わせで、実施されるのに適している。

Claims (13)

  1. 身体部の水を磁化移動に提供するCEST造影剤を含む、患者の身体部の分析のために用いられる情報を処理するための後処理方法(A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10,A11)であって、当該後処理方法は、
    身体部の対応する場所のそれぞれに対して複数の入力要素を含む入力地図を提供する提供工程(A2,A3,A4,A5)であって、各入力要素が、CEST共鳴周波数を含む動作周波数範囲における場所のZスペクトルを示し、基準周波数が水共鳴周波数からオフセットした反対側の周波数にある提供工程(A2,A3,A4,A5)と、
    1セットの選択された場所のそれぞれに対してCEST値及び基準値を計算する計算工程(A6,A7)と、
    各選択された場所に対して飽和移動を計算する計算工程(A8)であって、選択された場所での前記CEST値と前記基準値との間での比較によって前記飽和移動が計算される計算工程(A8)と、を含み、
    CEST値及び基準値を計算する工程は、非ゼロの範囲でCEST共鳴周波数を中心にしたCEST周波数範囲において前記選択された場所のZスペクトルの多値から前記CEST値と、非ゼロの範囲で基準周波数を中心にした基準周波数範囲において前記選択された場所のZスペクトルの多値から前記基準値と、を計算する計算工程であって、前記基準周波数範囲が水共鳴周波数に関して前記CEST周波数範囲と対称である計算工程(A6,A7)を含むことを特徴とする後処理方法(A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10,A11)。
  2. 前記CEST値及び基準値を計算する計算工程(A6,A7)は、前記CEST周波数範囲において前記選択された場所のZスペクトルの積分によってCEST値を計算するとともに、前記基準周波数範囲において前記選択された場所のZスペクトルの積分によって基準値を計算する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記CEST値及び基準値を計算する計算工程(A6,A7)は、所定の高さで前記CEST周波数範囲に及ぶ矩形の領域に関して前記CEST周波数範囲において前記選択された場所のZスペクトルの積分の補数によって前記CEST値を計算する工程と、さらなる所定の高さで前記基準周波数範囲に及ぶさらなる矩形の領域に関して前記基準周波数範囲において前記選択された場所のZスペクトルの積分の補数によって前記基準値を計算する工程と、を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記飽和移動を計算する計算工程(A8)は、前記基準値と前記CEST値との間での第一の比に基づいている中間値により前記飽和移動を計算する工程を含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 前記飽和移動を計算する計算工程(A8)は、1マイナス前記中間値に前記飽和移動を設定する工程を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記飽和移動を計算する計算工程(A8)は、前記中間値を前記第一の比に設定する工程を含むことを特徴とする、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記飽和移動を計算する計算工程(A8)は、前記基準周波数での選択された場所のZスペクトルの値と前記CEST共鳴周波数での選択された場所のZスペクトルの値との間での第二の比を前記第一の比と組み合わることによって前記中間値を計算する工程を含むことを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記飽和移動を計算する計算工程(A8)は、前記第一の比と前記第二の比との積に前記中間値を設定する工程を含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 前記入力地図を提供する提供工程(A2,A3,A4,A5)は、
    各選択された場所に対する、選択された場所のZスペクトルの最小値を提供する中央周波数を推定する工程(A3,A4)と、
    各選択された場所の前水共鳴周波数を選択された場所の前記中央周波数に設定する工程(A5)と、を含むことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 各入力要素が、周波数の動作範囲における対応する場所のZスペクトルの複数のサンプル値のサンプルアレイを含み、
    前記中央周波数を推定する工程(A3,A4)が、各選択された場所の前記サンプルアレイにモデル関数を関連付ける工程(A3)と、各選択された場所に対する前記中央周波数を対応するモデル関数の最小に設定する工程(A4)と、を含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 各選択された場所に対して対応する飽和移動を指定することにより、パラメータ画像を作成する工程と、
    前記パラメータ画像を表示する工程と、をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1つに記載の方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1つに記載された方法の工程(A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10,A11)を実行するための手段(500)を含む、患者の身体部を分析するためのMRI-CEST診断システム(100)。
  13. コンピュータプログラムがデータ処理システム(100)上で実施されるときに、請求項1乃至11のいずれか1つに記載された方法の工程(A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10,A11)をデータ処理システム(100)に実行させるためのコード手段を含むコンピュータプログラム(500)。
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