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JP5465019B2 - カーテンエアバッグ装置 - Google Patents
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JP5465019B2 - カーテンエアバッグ装置 - Google Patents

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本発明は、インフレータからのガスをエアバッグへ導くガス供給機構を備えたカーテンエアバッグ装置に関する。
一般に、車両の乗員を拘束するエアバッグ装置は、ガスを発生させるインフレータと、このインフレータから供給されるガスにより膨張して展開するエアバッグと、を備えている。車両に搭載されるエアバッグ装置の1つに、車両の側面において下方へ膨張して展開し、乗員の側方を拘束するカーテンエアバッグ装置がある。通常、カーテンエアバッグ装置のインフレータのガス噴出口には金属製の供給パイプが設けられ、この供給パイプがエアバッグの内部に挿入されることで、インフレータからのガスがエアバッグの内部に供給される。
近年、カーテンエアバッグ装置において、装置全体の軽量化、低コスト化、折り畳み時の省容量化等を図るために、上記供給パイプをエアバッグと同じ基布で形成する構成が、既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−214616号公報
一般に、カーテンエアバッグ装置は、1つの大きなカーテンエアバッグが下方に膨張して展開することで、車両の前後方向に並んだ複数の座席それぞれに着座した複数の乗員の側面を拘束する。したがって、カーテンエアエアバッグは、運転席(又は助手席)の乗員を拘束する前側チャンバと、後部座席の乗員を拘束する後側チャンバとに、区画される。
近年、上記のような複数のチャンバを有するカーテンエアバッグにおいて、各チャンバへのガスの供給タイミングやガスの供給量を適切に設定し、各チャンバに機能的にガスを分配する性能が求められている。
そこで、本発明の目的は、カーテンエアバッグの複数のチャンバに対するガスの分配機能を向上させることができる、カーテンエアバッグ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、複数のチャンバを備えたエアバッグと、ガスを発生するガス発生器と、前記エアバッグに用いられる基布を略筒形状として構成されたインナーパイプ、及び、前記基布を略筒形状として構成され、前記インナーパイプの外周側を覆うアウターパイプ、を備えたガス供給機構と、を有するカーテンエアバッグ装置において、前記インナーパイプは、前記略筒形状の前記基布の軸方向一方側に配置され、前記ガス発生器を接続する開口部と、前記略筒形状の前記基布の軸方向他方側に配置され、前記開口部を介し前記ガス発生器から導入されたガスを、前記エアバッグへ供給する第1供給口と、前記略筒形状の基布の側面に位置し、筒の内部と外部とを通じる第2供給口と、を備えており、前記アウターパイプは、前記略筒形状の基布の側面において前記インナーパイプの前記第2供給口と重ならない位置に配置され、筒の内部と外部とを通じる第3供給口を備えることを特徴とする。
本願第1発明に備えられるガス供給機構には、ガス発生器のガス噴出口からインナーパイプの内部空間を介して第1供給口へ直接的に通じる直接経路と、インナーパイプの内部空間から第2供給口、さらにインナーパイプとアウターパイプとの間の中間気室を介し、第3供給口へ間接的に通じる間接経路との、2種類の経路が設けられることになる。
上記の直接経路においては、ガス発生器からのガスが直接的に供給されるので、最優先でガスが供給される。これに対して、上記の間接経路においては、第2供給口と第3供給口とが、互いに重ならないように配置されている。この結果、第2供給口から中間気室を介し第3供給口までに到達する流通経路の構造が複雑となり、上記直接経路と比較してガスを供給させるタイミングが遅れる。また、各供給口の配置関係やそれぞれの開口の大きさ、中間気室の構成を適宜調整することで、各流通経路間におけるガスの供給タイミングや供給量を任意に設定可能である。
本願第1発明では、複数のチャンバを有するカーテンエアバッグに上記構成のガス供給機構を設置し、優先的に膨張し展開させる必要のあるチャンバに対して上記直接経路の第1供給口を向け、続いて膨張し展開させるチャンバに対して上記間接経路の第3供給口を向ける。これにより、複数のチャンバのそれぞれに対して供給タイミング及び供給量を任意に設定し、ガスを分配できる。この結果、カーテンエアバッグの複数のチャンバに対するガスの分配機能を向上できる。
また、上記第1発明は、前記ガス供給機構の前記アウターパイプの前記第3供給口は、前記エアバッグの展開初期において前記インナーパイプの外周面で閉塞可能な位置に、配置されていることを特徴とする。
これにより、エアバッグが折り畳まれた状態から膨張し展開し始める際に、アウターパイプの第3供給口がインナーパイプの外周面で閉塞されるので、ガスのほとんどをインナーパイプの第1供給口から供給することができる。
発明は、上記第発明において、前記ガス供給機構の前記インナーパイプの前記第2供給口は、当該インナーパイプが膨張したときに前記アウターパイプの内周面で閉塞可能な位置に、配置されていることを特徴とする。
これにより、ガス発生器からのガスの噴出量が比較的多いガス噴出初期において、ガスを流通するインナーパイプが最大に膨張した際に、第2供給口がアウターパイプの内周面で閉塞される。この結果、ガスのほとんどを第1供給口から供給することができる。
発明は、前記第又は第の発明において、前記ガス供給機構の前記インナーパイプの前記第2供給口は、前記略筒形状となった前記基布の、互いに近接して向かい合う2つの縁部の間に形成されることを特徴とする。
これにより、第2供給口の形成が容易となるとともに、インナーパイプの側面に縫製などによる縁部の結合部分がなく、ガスの噴出圧に対するインナーパイプの強度が向上する。
発明は、前記第の発明において、前記ガス供給機構の前記アウターパイプは、前記略筒形状とした前記基布の、互いに向かい合う2つの縁部が縫製により結合されており、前記ガス供給機構の前記インナーパイプの前記第2供給口は、前記アウターパイプの前記2つの縁部の結合部分と重ならない位置に配置されることを特徴とする。
これにより、インナーパイプの第2供給口から供給されるガスが、縫製により結合されたアウターパイプの2つの縁部に対し、直接当たるのを抑制することができる。この結果、アウターパイプへの負荷を軽減し、耐久性を向上できる。
発明は、上記第発明において、前記ガス供給機構の前記インナーパイプは、前記アウターパイプの前記2つの縁部の結合部分から離間して配置されることを特徴とする。
これにより、膨張したインナーパイプが、縫製により結合されたアウターパイプの2つの縁部を押圧するのを抑制することができる。この結果、アウターパイプへの負荷を軽減し、耐久性を向上できる。
発明は、上記第1乃至第発明のいずれかにおいて、前記エアバッグの前記複数のチャンバは、車両の前方側に位置する前チャンバと、車両の後方側に位置する後チャンバとを含み、前記ガス供給機構は、前記エアバッグの車両後方側で、前記第1供給口を前記前チャンバに向け、前記第3供給口を前記後チャンバに向けて配置されていることを特徴とする。
これにより、カーテンエアバッグ装置の後方側の位置にガス供給機構及びインフレータを設ける一般的な車両構造のレイアウトにおいても、インフレータから最も離間する位置の前チャンバに対して優先的にガスを供給し、その次に後チャンバに対してガスを供給させることができる。このようにして特にカーテンエアバッグ装置の構成に好適なガスの分配が可能となる。
本発明によれば、カーテンエアバッグの複数のチャンバに対するガスの分配機能を向上できる。
本発明の一実施形態によるカーテンエアバッグ装置を自動車に取り付けて膨張し展開させた状態を示す説明図である。 図1に対応して展開した状態のカーテンエアバッグ装置の内部構造を透視して示す図である。 ガス供給機構の全体側面図である。 ガス供給機構を構成するアウターパイプとインナーパイプのそれぞれの基布の平面図である。 ガス供給機構をアウターパイプとインナーパイプのそれぞれの基布に分解した状態の斜視図である。 図3中の矢視VI−VI断面で見たガス供給機構の横断面図であって膨張各段階における状態を示す図である。 カーテンエアバッグ装置における前チャンバの内圧の時間推移を示した図である。 カーテンエアバッグ装置における後チャンバの内圧の時間推移を示した図である。 エアバッグの中央位置にガス供給機構及びインフレータを接続した変形例におけるカーテンエアバッグ装置の内部構造を透視して示す図である。
本発明の一実施形態によるカーテンエアバッグ装置を図1乃至図8に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るカーテンエアバッグ装置が膨張し展開する状態を示す説明図である。図1中の左側が車両101の前方側を表し、図1中の右側が車両101の後方側を表している。以下、各図も同様の位置関係である。
この図1において、カーテンエアバッグ装置1は、長手方向に略弓状に湾曲した形状を備えている。そして、車両101の室内の天井部と側面部とが交差した隅部(図中の一点鎖線で示す位置)、すなわち、Aピラー102(フロントピラー)から弓形形状のルーフサイドレール103に沿って、固定されている。
このカーテンエアバッグ装置1は、上記交差隅部で折り畳まれている状態から図示するように下方に向けて膨張し展開可能なエアバッグ2と、このエアバッグ2の後端部側よりその内部へガスを供給するインフレータ3(ガス発生器)と、エアバッグ2とインフレータ3とを接続するガス供給機構4(後に詳述する)と、衝突を検知してインフレータ3に点火信号を送るインフレータ制御回路(図示せず)とを備えている。インフレータ3は、車両101の後部のCピラー105(リヤーピラー)でブラケット106を介してボルト107により取り付けられている。
そして、車両101の側面衝突時や横転時等には、上記インフレータ制御回路が備えるセンサがこれを検知し、インフレータ3のイニシエータ(図示せず)へ起動信号を出力する。これによりインフレータ3が起動してエアバッグ膨張用のガスを噴出し、ガス供給機構4を介してエアバッグ2の内部に流入させ、エアバッグ2は図1に示すように下方向に膨張し展開する。このように車両101の室内の側面で膨張し展開したエアバッグ2は、車両101の横方向の衝突の動きや横転に対し、乗員の頭部を側方から当接させて荷重を吸収し拘束する。
図2は、上記図1に対応して展開した状態のカーテンエアバッグ装置1の内部構造を透視して示す図である。
この図2において、エアバッグ2は、上記図1に示した車両101の中央部のBピラー104(センターピラー)に対応する中央位置を挟んで、前部座席の乗員を拘束するための前チャンバ2aと、後部座席の乗員を拘束するための後チャンバ2bとに大きく区画されている。それら2つのチャンバ2a,2bは、上方に位置する通路2cを介して一体に通じている。エアバッグ2の後端部側に配置されたインフレータ3は、その前方端部をガス供給機構4の内部に挿入し、当該ガス供給機構4を介してインフレータ3がエアバッグ2に接続されている。そして、これらインフレータ3、ガス供給機構4、及びエアバッグ2が相互に密着して接続されていることにより、エアバッグ2の内部の気室全体がほぼ密閉された状態である。
図3はガス供給機構4の全体側面図であり、図4はガス供給機構4を構成するアウターパイプとインナーパイプのそれぞれの基布の平面図であり、図5はガス供給機構4をアウターパイプとインナーパイプのそれぞれの基布に分解した状態の斜視図であり、図6は図3中の矢視VI−VI断面で見たガス供給機構4の横断面図であって膨張の各段階における状態を示す図である。
ガス供給機構4は、図3及び図6(a)に示すように、全体が車両前後方向に沿った中心軸を中心とした略筒形状に形成されている。そして、略筒形状に形成されたインナーパイプ5を内側に配置して、その外周を囲んで内包するようにアウターパイプ6が略円筒形状に形成された2重構造である。このとき、図4(b)に示すインナーパイプの基布5Aを、図5に示すように全体的に略筒形状に形成する際、上方で近接する縁部と縁部(図5中のA部)を結合せずに開口させている。この結果、図6(a)に示すように、インナーパイプ5の断面は略U字状である。この縁部と縁部との間の隙間で形成される開口部分が第2供給口22を構成している。また、本実施形態の例では、図4(a)に示す基布6Aを2枚重ねてアウターパイプ6を形成しており(なお、1枚の基布6Aのみとしてもよい)、ガス供給機構4全体は径方向で基布5A,6A,6Aの3重構造である。なお、各図中では2重構造のままで示している。
図4(a)に示すアウターパイプの基布6Aと、図4(b)に示すインナーパイプの基布5Aとは、それぞれ、前方側の端部に同じ形状の2つの結合部11が形成されている。また、後方側の端部には同じ形状の2つの結合部12が形成され、さらにそれら結合部12の後方側の端部に、それぞれ同じ形状の突部13が形成されている。アウターパイプの基布6Aとインナーパイプの基布5Aは、それぞれ長手方向(車両前後方向)に対して同じ長さであって、上記結合部11、結合部12、及び突部13の対応する部分が互いにそれぞれ長手方向の同じ位置に形成されている。
ガス供給機構4を作成する際には、アウターパイプの基布6Aの結合部11とインナーパイプの基布5Aの結合部11とが互いに重なり合わされた後、周方向に沿った結合線14で縫い合わされる。また、アウターパイプの基布6Aの結合部12とインナーパイプの基布5Aの結合部12とが互いに重なり合わされた後、長手方向に沿った結合線15で縫い合わされる。これら結合線14と結合線15とによって、インナーパイプ5のアウターパイプ6に対する前後方向及び上下方向の相対的な配置が固定される。
また特に図示しないが、インフレータ3は、ガス噴出口を有する前方側の端部がインナーパイプ5の後方側の開口端部に挿入された後、例えばその胴部に上記突部13を円形クランプなどで結束することでガス供給機構4の全体と接続される。そして、インナーパイプ5の前方側端部の開口部(本実施形態の例では、アウターパイプ6も含めたガス供給機構4全体の前方側の開口部)が、第1供給口21を構成している。
またアウターパイプ6は、図4(a)に示す基布6Aが2枚重ねて(特に図示せず)前方側と後方側でそれぞれ周方向に沿った周方向結合線16で縫い合わされた後、さらに図5に示すように、略筒形状の近接する縁部と縁部(図5中のB部)が、長手方向に沿った結合線17で縫い合わされている。また、アウターパイプ6の略筒形状の両側の側面の2箇所には、それぞれ円形の第3供給口23が形成されている。
以上のように構成されたガス供給機構4においては、図6(a)に示すように、アウターパイプ6の内周面とインナーパイプ5の外周面との間に、中間気室7が形成される。この中間気室7は、アウターパイプ6とインナーパイプ5とが上記結合線14と上記結合線15とで結合され、かつ、アウターパイプ6の下方の縁部と縁部とが上記結合線17で結合されていることにより、一定の密閉性を有している。また、この中間気室7は、インナーパイプ5の上方で近接する縁部と縁部との間の開口部、つまり上記第2供給口22を介し、インナーパイプ5の内部空間と通じている。さらに中間気室7は、アウターパイプ6の両側面に形成した上記第3供給口23を介し、ガス供給機構4の周囲の空間、つまりエアバッグ2の内部空間と通じている。
また前述したように、インナーパイプ5とアウターパイプ6とは、上記結合線14と上記結合線15によって互いに相対的な配置が固定されている。本実施形態では、図6(a)に示すように、インナーパイプ5は、アウターパイプ6の内部空間のうち最も上方に配置されるよう固定されている。この結果、前述したように、インナーパイプ5の上方側面に開口している上記第2供給口22は、アウターパイプ6の上方側面の内周面に近接して配置されている。また、インナーパイプ5の径は、アウターパイプ6の径より小さく設定され、この結果、インナーパイプ5の下方側面の外周面は、アウターパイプ6の下方側面に位置する上記結合線17から離間して配置されている。
そして、アウターパイプ6の両側面に形成された2つの上記第3供給口23は、それぞれインナーパイプ5の上方側面に開口した第2供給口22から離間して配置されている。第2供給口22と第3供給口23とは、互いに重ならない位置に配置されている。また2つの第3供給口23は、それぞれインナーパイプ5の両側面の外周面に近接して配置されている。
また、図2に示すように、ガス供給機構4は、前方側端部の第1供給口21を、エアバッグ2の通路2c及び前チャンバ2aに向けるとともに、側面の第3供給口23を後チャンバ2bに向けるように配置されている。
次に、図6(a)に示すガス無噴出状態から、インフレータ3がガスの噴出を開始した場合の行程を順に説明する。なお、図6(a),図6(b),図6(c)はいずれも、図示の煩雑を回避するために、エアバッグ2を省略し、ガス供給機構4も最初から折り畳まれていない状態で示している。
まず、ガスが噴出された初期段階、つまりエアバッグ2の展開初期においては、インフレータ3からのガスの噴出量と噴出圧とがともに比較的高い。この結果、ガスが流通するインナーパイプ5は、図6(b)に示すように径が大きく膨張する。
このとき、前述したように、インナーパイプ5の上方に開口している第2供給口22は、アウターパイプ6の上方の内周面に非常に近接して配置されているので、当該第2供給口22はアウターパイプ6の内周面によって閉塞される。また、前述したように、アウターパイプ6の2つ第3供給口23は、それぞれインナーパイプ5の両側面の外周面に近接して配置されているので、当該2つの第3供給口23はインナーパイプ5の外周面によって閉塞される。これにより、インナーパイプ5の内部空間はその径方向において高い密閉性を有する。したがって、特に図示しないが、インフレータ3のガス噴出口から噴出したガスのほとんどは、上記第1供給口21に直接的に通じる流通経路31(図中では紙面に直交する矢先の断面として図示)を介してエアバッグ2の通路2c及び前チャンバ2aに向けて供給される。
そして、インフレータ3からのガスの噴出量と噴出圧とが次第に低下し、エアバッグ2が膨張して展開する途中の展開中期においては、インナーパイプ5が周方向に対する張力を徐々に失い、図6(c)に示すようにアウターパイプ6の内周面から離間する。
このとき、インナーパイプ5の第2供給口22が中間気室7に対して開口するので、インナーパイプ5の内部空間を流通していたガスの一部が第2供給口22を介して中間気室7に流入する。さらにこのとき、アウターパイプ6の第3供給口23の上記閉塞が解消されるので、上記中間気室7に流入したガスの一部が第3供給口23を介してガス供給機構4の周囲、つまりエアバッグ2の内部空間に供給される。言い換えると、インナーパイプ5の内部空間から第2供給口22及び中間気室7を介して第3供給口23へ間接的に通じる流通経路32が形成され、エアバッグ2の後チャンバ2bに向けたガスの供給が開始される。
図7は、本実施形態のカーテンエアバッグ装置1における前チャンバ2aの内圧の時間推移を示した図である。この図7において、インフレータ3からのガス噴出の過渡期を除いたおよそ10〜30msec間の展開初期においては、インナーパイプ5を備えた本実施形態のカーテンエアバッグ装置1のガス供給機構4が用いられた場合、実線で示すように比較的早くチャンバ内圧を上昇させることができる。具体的には、破線で示すようなインナーパイプ5を備えていないガス供給機構4が用いられた場合と比較して、展開初期に約8msecも早く内圧を上昇させることが可能となる。これは、本実施形態のカーテンエアバッグ装置1の、インナーパイプ5を備えたガス供給機構4が、前チャンバ2aに対して優先的にガスを分配していることを示している。すなわち、図1、図2に示すようにエアバッグ2の後端部側にインフレータ3を接続する車両構造のレイアウトにおいて、前方に大きく離間した前チャンバ2aに対し、好適なガスの分配を実現していることを示している。
また図8は、本実施形態のカーテンエアバッグ装置1における後チャンバ2bの内圧の時間推移を示した図である。この図8において、インナーパイプ5を備えた本実施形態のカーテンエアバッグ装置1のガス供給機構4が用いられた場合、実線で示すように、インフレータ3からのガス噴出の過渡期を除いたおよそ10〜30msec間の展開初期においては後チャンバ2bの内圧の過剰な上昇が抑えられ、その後の30msec以降の展開中期において内圧を安定させることができる。すなわち、破線で示すようなインナーパイプ5を備えていないガス供給機構4が用いられた場合と比較して、展開初期にC部のような内圧の過剰な上昇を抑制することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態のカーテンエアバッグ装置1によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、本実施形態のカーテンエアバッグ装置1が備えるガス供給機構4には、インフレータ3のガス噴出口からインナーパイプ5の内部空間を介して第1供給口21へ直接的に通じる経路31と、インナーパイプ5の内部空間から第2供給口22及び中間気室7を介して第3供給口23へ間接的に通じる経路32の2種類の経路31,32が設けられる。
上記の直接経路31においては、インフレータ3からのガスが何ら障害もなく直接的に供給されるので、最優先でガスを供給できる。これに対して、上記の間接経路32においては、第2供給口22と第3供給口23とが互いに重ならない配置であるので、第2供給口22から中間気室7を介して第3供給口23までに到達する流通経路32の構造が複雑となり、上記直接経路31と比較してガスを供給させるタイミングを遅れさせることができる。また、各供給口21,22,23の配置関係やそれぞれの開口の大きさ、又は中間気室7の構成を適宜調整することで、各流通経路31,32間におけるガスの供給タイミングや供給量を任意に設定可能である。
すなわち、優先的に膨張し展開させる必要のあるチャンバ(上記の例では前チャンバ2a)に対して上記直接経路31の第1供給口21を向け、続いて膨張し展開させるチャンバ(上記の例では後チャンバ2b)に対して上記間接経路32の第3供給口23を向けることで、複数のチャンバのそれぞれに対して供給タイミング及び供給量を任意に設定するよう、ガスを分配できる。この結果、エアバッグ2の複数のチャンバに対するガスの分配機能を向上できる。
また、本実施形態のカーテンエアバッグ装置1のガス供給機構4は、全体が最大で6枚の基布を重ねた厚みでしかないため折り畳みが容易であり、また折り畳んだ際の省容量化及び軽量化が向上する。
また、本実施形態においては、インフレータ3からのガスの噴出量が比較的多いガス噴出初期においては、ガスを直接的に流通するインナーパイプ5が最大に膨張し、この際に第2供給口22がアウターパイプ6の内周面で閉塞されるためガスのほとんどを第1供給口21から供給できる。
また、本実施形態においては、インフレータ3からのガスの噴出量が比較的多いガス噴出初期においては、ガスが直接的に流通するインナーパイプ5が大きく膨張し、この際にアウターパイプ6の第3供給口23がインナーパイプ5の外周面で閉塞されるので、ガスのほとんどをインナーパイプ5の第1供給口21から供給できる。
また、本実施形態においては、第2供給口22が、インナーパイプ5を基布5Aで略筒形状に形成する際の縁部と縁部との間の隙間で形成されていることにより、第2供給口22の形成が容易となる。また、インナーパイプ5の側面に縫製などによる縁部の結合部分がなくなるので、ガスの噴出圧に対する強度が向上する。
また、本実施形態においては、アウターパイプ6は、基布6Aの近接する縁部と縁部とが互いに結合線17で縫い合わされ、インナーパイプ5の第2供給口22が、アウターパイプ6の結合線17と重ならないように配置されている。これにより、縫い合わされたアウターパイプ6の側面の結合線17に対して、インナーパイプ5の第2供給口22から供給されるガスが直接当たることがなくなるので、アウターパイプ6への負荷を軽減し、耐久性を向上できる。
また、本実施形態においては、インナーパイプ5は、アウターパイプ6の結合線17から離間するように固定されている。これにより、縫い合わされたアウターパイプ6の側面の結合線17に対して、膨張したインナーパイプ5の側面を押圧させることがなくなるので、アウターパイプ6への負荷を軽減指、耐久性を向上できる。
また、本実施形態においては、エアバッグ2が折り畳まれた状態から膨張し展開し始める際に、アウターパイプ6の第3供給口23がエアバッグ2の内周面で閉塞されるので、ガスのほとんどをインナーパイプ5の第1供給口21から供給できる。
また、本実施形態においては、ガス供給機構4が、第1供給口21を前チャンバ2aに向け、第3供給口23を後チャンバ2bに向ける配置である。これにより、カーテンエアバッグ装置1の後方側の位置にガス供給機構4及びインフレータ3を設ける一般的な車両構造のレイアウトにおいても、インフレータ3から最も離間する位置の前チャンバ2aに対して優先的にガスを供給し、その次に後チャンバ2bに対してガスを供給させることができる。このようにして特にカーテンエアバッグ装置1の構成に好適なガスの分配が可能となる。
なお、上記実施形態では、前チャンバ2aと後チャンバ2bの2つのチャンバを備えたエアバッグ2の後方側端部にガス供給機構4及びインフレータ3を接続した構成について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、図9に示すように、車両前後方向に対して前チャンバ42a、中央チャンバ42b、及び後チャンバ42cの3つが並設されたエアバッグ42に対し、その中央の上方位置にガス供給機構44とインフレータ3を接続するカーテンエアバッグ装置41の構成も可能である。この場合には、ガスを最も優先的に分配する必要のあるチャンバ(図示する例では前チャンバ42a)にガス供給機構44の第1供給口51を向け、中央チャンバ42b及び後チャンバのそれぞれに向けた2種類の第3供給口52,53をアウターパイプ46の側面に形成すればよい。そして、各供給口51,52,53の開口の大きさを適宜異ならせることで、各チャンバ42a,42b,42cに対するガスの供給量を調整可能である。
1,41 カーテンエアバッグ装置
2,42 エアバッグ
2a 前チャンバ
2b 後チャンバ
3 インフレータ(ガス発生器)
4,44 ガス供給機構
5 インナーパイプ
5A インナーパイプの基布
6 アウターパイプ
6A アウターパイプの基布
7 中間気室
17 結合線
21 第1供給口
22 第2供給口
23 第3供給口
31 直接経路
32 間接経路

Claims (6)

  1. 複数のチャンバを備えたエアバッグと、
    ガスを発生するガス発生器と、
    前記エアバッグに用いられる基布を略筒形状として構成されたインナーパイプ、及び、前記基布を略筒形状として構成され、前記インナーパイプの外周側を覆うアウターパイプ、を備えたガス供給機構と、
    を有するカーテンエアバッグ装置において、
    前記インナーパイプは、
    前記略筒形状の前記基布の軸方向一方側に配置され、前記ガス発生器を接続する開口部と、
    前記略筒形状の前記基布の軸方向他方側に配置され、前記開口部を介し前記ガス発生器から導入されたガスを、前記エアバッグへ供給する第1供給口と、
    前記略筒形状の基布の側面に位置し、筒の内部と外部とを通じる第2供給口と、
    を備えており、
    前記アウターパイプは、
    前記略筒形状の基布の側面において前記インナーパイプの前記第2供給口と重ならない位置に配置され、筒の内部と外部とを通じる第3供給口を備え
    前記ガス供給機構の前記アウターパイプの前記第3供給口は、
    前記エアバッグの展開初期において前記インナーパイプの外周面で閉塞可能な位置に、配置されている
    ことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  2. 請求項記載のカーテンエアバッグ装置において、
    前記ガス供給機構の前記インナーパイプの前記第2供給口は、
    当該インナーパイプが膨張したときに前記アウターパイプの内周面で閉塞可能な位置に、配置されている
    ことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  3. 請求項又は請求項記載のカーテンエアバッグ装置において、
    前記ガス供給機構の前記インナーパイプの前記第2供給口は、
    前記略筒形状となった前記基布の、互いに近接して向かい合う2つの縁部の間に形成される
    ことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  4. 請求項記載のカーテンエアバッグ装置において、
    前記ガス供給機構の前記アウターパイプは、
    前記略筒形状とした前記基布の、互いに向かい合う2つの縁部が縫製により結合されており、
    前記ガス供給機構の前記インナーパイプの前記第2供給口は、
    前記アウターパイプの前記2つの縁部の結合部分と重ならない位置に配置される
    ことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  5. 請求項記載のカーテンエアバッグ装置において、
    前記ガス供給機構の前記インナーパイプは、
    前記アウターパイプの前記2つの縁部の結合部分から離間して配置される
    ことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか1項記載のカーテンエアバッグ装置において、
    前記エアバッグの前記複数のチャンバは、
    車両の前方側に位置する前チャンバと、車両の後方側に位置する後チャンバとを含み、
    前記ガス供給機構は、
    前記エアバッグの車両後方側で、前記第1供給口を前記前チャンバに向け、前記第3供給口を前記後チャンバに向けて配置されている
    ことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
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