以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明のアセナフトキノキサリン誘導体について説明する。
本発明に係るアセナフトキノキサリン誘導体は、一般式(G1)で表されるアセナフトキノキサリン誘導体である。
(式中、R1は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基を表し、R2は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。)
なお、本明細書中で示すアリール基の炭素数は、主骨格の環を形成する炭素数を示しており、それに結合する置換基の炭素数を含むものではない。アリール基に結合する置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜13のアリール基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ナフチル基またはフルオレニル基等が挙げられる。また、アリール基が有する置換基は1つであっても複数であってもよく、アリール基が2つの置換基を有する場合、置換基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。例えば、アリール基がフルオレニル基である場合、9位の炭素が2つのフェニル基を有し、その2つのフェニル基が互いに結合して、スピロ環構造を形成していてもよい。
一般式(G1)で表されるアセナフトキノキサリン誘導体において、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基としては、例えば、構造式(11−1)〜構造式(11−16)で表されるアリール基が挙げられる。
一般式(G1)で表されるアセナフトキノキサリン誘導体は、電子を受け取りやすい性質を有しており、還元されやすい。よって、発光素子や有機トランジスタなどのエレクトロニクスデバイスに好適に用いることができる。
一般式(G1)で表されるアセナフトキノキサリン誘導体としては、例えば、構造式(101)〜構造式(116)で表されるアセナフトキノキサリン誘導体が挙げられる。ただし、本発明はこれらに限定されない。
一般式(G1)で表されるアセナフトキノキサリン誘導体において、R1とR2は同じ置換基であることが好ましい。同じ置換基であることにより、合成ステップ数が少なくなり、合成に要する時間やコストを低減することができる。
また、一般式(G1)で表されるアセナフトキノキサリン誘導体において、合成の容易さの点から、R1は、置換または無置換のフェニル基であることが好ましい。また、R2は、置換または無置換のフェニル基であることが好ましい。
特に、一般式(G1)において、R1およびR2がフェニル基であるアセナフトキノキサリン誘導体、つまり、構造式(101)で表されるアセナフトキノキサリン誘導体は、合成が容易であるため好ましい。
本実施の形態で示すアセナフトキノキサリン誘導体の合成方法としては、種々の反応の適用が可能である。例えば、以下に示す合成反応を行うことによって、本実施の形態で示すアセナフトキノキサリン誘導体を合成することができる。なお、本実施の形態で示すアセナフトキノキサリン誘導体の合成方法は、以下の合成方法に限定されない。
<一般式(G1)で表されるアセナフトキノキサリン誘導体の合成方法>
合成スキーム(A−1)に示すように、3,6−ジアリール1,2−フェニレンジアミン誘導体と、アセナフテン−1,2−ジオンとを溶媒中で加熱することでアセナフト[1,2‐b]キノキサリン誘導体が得られる。合成スキーム中R1およびR2は環を構成する炭素数が6〜13のアリール基を表し、R1とR2は同一でも異なっていても良い。この反応において用いることができる溶媒は、エタノール、メタノール、ブタノール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2,−テトラクロロメタン等のハロゲン化アルキル類等が挙げられる。ただし、用いることができる溶媒はこれに限られるものではない。また、アルコール類は目的のアセナフト[1,2‐b]キノキサリン誘導体の溶解度が悪く反応後に目的物のみ析出する場合が多い。その場合の精製過程は、析出物の回収と回収された固体の再結晶のみで良いため非常に簡便となる。従ってアルコール類を用いることが好ましい。
一般式(G1)で表されるアセナフトキノキサリン誘導体は、電子を受け取りやすい性質を有しており、還元されやすい。また、一般式(G1)で表されるアセナフトキノキサリン誘導体は電子輸送性を有している。よって、発光素子や有機トランジスタなどのエレクトロニクスデバイスに用いることにより、良好な電気特性を得ることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を用いた発光素子の一態様について、図1および図2を用いて説明する。
本実施の形態で示す発光素子は、一対の電極間に複数の層を有する。当該複数の層は、電極から離れたところに発光領域が形成されるように、つまり電極から離れた部位でキャリアの再結合が行われるように、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる層を組み合わせて積層されたものである。
本形態において、発光素子は、第1の電極102と、第2の電極104と、第1の電極102と第2の電極104との間に設けられたEL層103とから構成されている。なお、本形態では第1の電極102は陽極として機能し、第2の電極104は陰極として機能するものとして、以下、説明をする。つまり、第1の電極102の方が第2の電極104よりも電位が高くなるように、第1の電極102と第2の電極104に電圧を印加したときに、発光が得られるものとして、以下説明をする。
基板101は発光素子の支持体として用いられる。基板101としては、例えばガラス、またはプラスチック、金属などを用いることができる。なお、発光素子の支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。なお、発光素子からの発光を、基板を通して外部へ取り出す場合には、基板101は透光性を有する基板であることが好ましい。
第1の電極102としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上であることが好ましい)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタにより成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して、インクジェット法、スピンコート法などにより作製しても構わない。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
また、第1の電極102と接する層として、後述する複合材料を含む層を用いた場合には、第1の電極102として、仕事関数の大小に関わらず、様々な金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、アルミニウムを含む合金(AlSi)等を用いることができる。また、仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金の膜は、真空蒸着法を用いて形成することができる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む合金の膜はスパッタリング法により形成することも可能である。また、銀ペーストなどをインクジェット法などにより成膜することも可能である。
本実施の形態で示すEL層103は、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115を有している。なお、EL層103は、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を有していればよく、その他の層の積層構造については特に限定されない。つまり、EL層103は、層の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質または正孔輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質、発光性の高い物質等を含む層と、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体とを適宜組み合わせて構成すればよい。例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等を適宜組み合わせて構成することができる。各層を構成する材料について以下に具体的に示す。
正孔注入層111は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、酸化モリブデンや酸化バナジウム、酸化ルテニウム、酸化タングステン、酸化マンガン等を用いることができる。この他、低分子の有機化合物としては、フタロシアニン(略称:H2Pc)、銅(II)フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジル(IV)フタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン系の化合物、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等が挙げられる。
また、正孔注入層111として、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させた複合材料を用いることができる。なお、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させたものを用いることにより、電極の仕事関数に依らず電極を形成する材料を選ぶことができる。つまり、第1の電極102として仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数の小さい材料を用いることができる。これらの複合材料は、正孔輸送性の高い物質とアクセプター物質とを共蒸着することにより形成することができる。
なお、本明細書中において、複合とは、単に2つの材料が混合している状態だけでなく、複数の材料を混合することによって材料間での電荷の授受が行われ得る状態になることを言う。
複合材料に用いる有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる有機化合物としては、正孔輸送性の高い有機化合物であることが好ましい。具体的には、10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。以下では、複合材料に用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
複合材料に用いることのできる有機化合物としては、例えば、MTDATA、TDATA、DPAB、DNTPD、DPA3B、PCzPCA1、PCzPCA2、PCzPCN1、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)等の芳香族アミン化合物や、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等のカルバゾール誘導体や、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]−2−tert−ブチル−アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン、ペンタセン、コロネン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等の芳香族炭化水素化合物を挙げることができる。
また、アクセプター性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等の有機化合物や、遷移金属酸化物を挙げることができる。また、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
また、正孔注入層111としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることができる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることができる。
また、上述したPVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPD等の高分子化合物と、上述したアクセプター性物質を用いて複合材料を形成し、正孔注入層111として用いてもよい。
正孔輸送層112は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送性の高い物質としては、低分子の有機化合物としては、NPB(またはα−NPD)、TPD、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、上述した正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させた複合材料を正孔輸送層112として用いても良い。
また、正孔輸送層112として、PVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPDなどの高分子化合物を用いることもできる。
発光層113は、発光性の高い物質を含む層であり、種々の材料を用いることができる。例えば、発光性の高い物質としては、蛍光を発光する蛍光性化合物や燐光を発光する燐光性化合物を用いることができる。
発光層に用いることのできる燐光性化合物としては、例えば、青色系の発光材料として、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス[2−(3’,5’ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIracac)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(1,2−ジフェニル−1H−ベンゾイミダゾラト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pbi)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac))などが挙げられる。また、黄色系の発光材料として、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)2(acac))、ビス[2−(4’−パーフルオロフェニルフェニル)ピリジナト]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)2(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)2(acac))などが挙げられる。また、橙色系の発光材料として、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq)3)、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)2(acac))などが挙げられる。また、赤色系の発光材料として、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)2(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)等の有機金属錯体が挙げられる。また、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))等の希土類金属錯体は、希土類金属イオンからの発光(異なる多重度間の電子遷移)であるため、燐光性化合物として用いることができる。
発光層に用いることのできる蛍光性化合物としては、例えば、青色系の発光材料として、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)などが挙げられる。また、黄色系の発光材料として、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)などが挙げられる。また、赤色系の発光材料として、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,13−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)などが挙げられる。
なお、発光層としては、上述した発光性の高い物質(ゲスト材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させた構成としてもよい。発光性の物質を分散させるための物質としては、各種のものを用いることができ、発光性の物質よりも最低空軌道準位(LUMO準位)が高く、最高被占有軌道準位(HOMO準位)が低い物質を用いることが好ましい。
発光性の物質を分散させるための物質としては、具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物や、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3’,3’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセンなどの縮合芳香族化合物、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、NPB(またはα−NPD)、TPD、DFLDPBi、BSPBなどの芳香族アミン化合物などを用いることができる。
また、発光性の物質を分散させるための物質は複数種用いることができる。例えば、結晶化を抑制するためにルブレン等の結晶化を抑制する物質をさらに添加してもよい。また、発光性の物質へのエネルギー移動をより効率良く行うためにNPB、あるいはAlq等をさらに添加してもよい。
発光性の高い物質を他の物質に分散させた構成とすることにより、発光層113の結晶化を抑制することができる。また、発光性の高い物質の濃度が高いことによる濃度消光を抑制することができる。
また、発光層113として高分子化合物を用いることができる。具体的には、青色系の発光材料として、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)(略称:POF)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)](略称:PF−DMOP)、ポリ{(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−[N,N’−ジ−(p−ブチルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]}(略称:TAB−PFH)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)(略称:PPV)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−co−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,7−ジイル)](略称:PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−co−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレン)]などが挙げられる。また、橙色〜赤色系の発光材料として、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(3−ブチルチオフェン−2,5−ジイル)(略称:R4−PAT)、ポリ{[9,9−ジヘキシル−2,7−ビス(1−シアノビニレン)フルオレニレン]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}、ポリ{[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−ビス(1−シアノビニレンフェニレン)]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}(略称:CN−PPV−DPD)などが挙げられる。
なお、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体は、発光性を示すため、発光性の高い物質として発光層に用いることが可能である。実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を発光性の高い物質として用いることにより、青色〜緑色の発光素子を得ることができる。
また、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を発光性の高い物質を分散させるための物質(ホスト材料)として用いることもできる。実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体をホスト材料として用いた場合、ゲスト材料としては、ルブレン、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)などが挙げられる。
電子輸送層114は、電子輸送性の高い物質を含む層である。実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体は、電子輸送性を有しているため、電子輸送層114として好適に用いることができる。なお、電子輸送層は、単層ものだけでなく、二層以上積層したものとしてもよい。
電子輸送層を二層以上積層したものとする場合、他の電子輸送性の高い物質としては、例えば、低分子の有機化合物として、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体が挙げられる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ01)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物も用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
電子輸送層を二層以上積層したものとする場合、他の電子輸送性の高い物質として、高分子化合物を用いることができる。例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)などを用いることができる。
電子注入層115は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入性の高い物質としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を用いることができる。また、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含有させたもの、例えばAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いることができる。なお、電子注入層として、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有させたものを用いることにより、第2の電極104からの電子注入が効率良く行われるためより好ましい。
なお、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体は、電子を受け取りやすく電子輸送性を有しているため、電子注入層に用いることが可能である。実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を電子注入層に用いる場合には、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体と、アルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物とを含有する構成とすることが好ましい。
第2の電極104を形成する物質としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下であることが好ましい)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金の膜は、真空蒸着法を用いて形成することができる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む合金の膜はスパッタリング法により形成することも可能である。また、銀ペーストなどをインクジェット法などにより成膜することも可能である。
また、第2の電極104と電子輸送層114との間に、電子注入を促す機能を有する層である電子注入層115を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を第2の電極104として用いることができる。これら導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することが可能である。
また、EL層の形成方法としては、乾式法、湿式法を問わず、種々の方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、インクジェット法またはスピンコート法など用いても構わない。また各電極または各層ごとに異なる成膜方法を用いて形成しても構わない。
例えば、上述した材料のうち、高分子化合物を用いて湿式法でEL層を形成してもよい。または、低分子の有機化合物を用いて湿式法で形成することもできる。また、低分子の有機化合物を用いて真空蒸着法などの乾式法を用いてEL層を形成してもよい。
また、電極についても、ゾル−ゲル法を用いて湿式法で形成しても良いし、金属材料のペーストを用いて湿式法で形成してもよい。また、スパッタリング法や真空蒸着法などの乾式法を用いて形成しても良い。
例えば、本実施の形態で示す発光素子を表示装置に適用し、大型基板を用いて作製する場合には、発光層は湿式法により形成することが好ましい。発光層を、インクジェット法を用いて形成することにより、大型基板を用いても発光層の塗り分けが容易となる。
以上のような構成を有する発光素子は、第1の電極102と第2の電極104との間に電圧を印加することにより電流が流れ、EL層103において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。
発光は、第1の電極102または第2の電極104のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極102または第2の電極104のいずれか一方または両方は、透光性を有する電極である。例えば、第1の電極102のみが透光性を有する電極である場合、発光は第1の電極102を通って基板側から取り出される。また、第2の電極104のみが透光性を有する電極である場合、発光は第2の電極104を通って基板と逆側から取り出される。第1の電極102および第2の電極104がいずれも透光性を有する電極である場合、発光は第1の電極102および第2の電極104を通って、基板側および基板と逆側の両方から取り出される。
なお、第1の電極102と第2の電極104との間に設けられる層の構成は、上記のものには限定されない。発光領域と金属とが近接することによって生じる消光を防ぐように、第1の電極102および第2の電極104から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領域を設けた構成であり、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を有する構成であれば、上記以外のものでもよい。
つまり、層の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質または正孔輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等から成る層と、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を適宜組み合わせて構成すればよい。
また、図2に示すように、基板101上に、陰極として機能する第2の電極104、EL層103、陽極として機能する第1の電極102とが順に積層された構成としてもよい。図2では、第2の電極104上に、電子注入層115、電子輸送層114、発光層113、正孔輸送層112、正孔注入層111が順に積層された構成となっている。
なお、本実施の形態においては、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に発光素子を作製している。一基板上にこのような発光素子を複数作製することで、パッシブマトリクス型の発光装置を作製することができる。また、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、TFTと電気的に接続された電極上に発光素子を作製してもよい。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定されない。スタガ型のTFTでもよいし、逆スタガ型のTFTでもよい。また、TFT基板に形成される駆動用回路についても、N型およびP型のTFTからなるものでもよいし、若しくはN型のTFTまたはP型のTFTのいずれか一方からのみなるものであってもよい。また、TFTに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定されない。非晶質半導体膜を用いてもよいし、結晶性半導体膜を用いてもよい。また、単結晶半導体膜を用いてもよい。単結晶半導体膜は、スマートカット法などを用いて作製することができる。
実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体は、電子を受け取りやすく電子輸送性を有しているため、発光素子に好適に用いることができる。実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を用いることにより、駆動電圧の低い発光素子を得ることができる。また、消費電力の低い発光素子を得ることができる。
具体的には、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体は、発光素子の電子輸送層として好適に用いることができる。実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を用いることにより、駆動電圧の低い発光素子を得ることができる。また、消費電力の低い発光素子を得ることができる。
また、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体は、電子を受け取りやすく電子輸送性を有しているため、電子注入層に用いることが可能である。実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を電子注入層として用いることにより、駆動電圧の低い発光素子を得ることができる。また、消費電力の低い発光素子を得ることができる。
また、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体は、発光性を示すため、発光性の高い物質として発光層に用いることができる。実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を発光性の高い物質として用いることにより、青色〜緑色の発光素子を得ることができる。
また、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を発光性の高い物質を分散させるための物質(ホスト材料)として用いることもできる。実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体をホスト材料として用いることにより、発光層の電子輸送性を向上させることができ、発光層のキャリアバランスを制御することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明に係る発光素子の一態様として、実施の形態2に示した構成とは異なる構成について、図3を用いて説明する。
図3に示す発光素子は、第1の電極102と、第2の電極104との間に設けられたEL層103を有し、EL層103は、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子の移動を制御する層116、電子輸送層114、電子注入層115を有している。
第1の電極102、第2の電極104、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115は、実施の形態2で示した構成と同様な構成を用いることができる。
電子の移動を制御する層116は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含んでおり、第1の有機化合物は、第2の有機化合物よりも多く含まれている。つまり、第2の有機化合物は、第1の有機化合物中に分散されている。また、電子の移動を制御する層は、発光層113よりも陰極として機能する第2の電極104側に設けることが好ましい。つまり、発光層113と第2の電極104との間に設けることが好ましい。
電子の移動を制御する層を、発光層と陰極として機能する第2の電極104との間に設ける場合、第1の有機化合物は、電子輸送性を有する有機化合物であることが好ましい。つまり、第1の有機化合物は、正孔輸送性よりも電子輸送性の方が高い物質であることが好ましい。
それに対して、第2の有機化合物は、電子をトラップする機能を有する有機化合物であることが好ましい。つまり、第2の有機化合物は、第1の有機化合物の最低空軌道準位(LUMO準位)より0.3eV以上低い最低空軌道準位(LUMO準位)を有する有機化合物であることが好ましい。
第2の有機化合物が含まれることにより、層全体としては、第1の有機化合物のみからなる層よりも電子の移動速度が小さくなる。つまり、第2の有機化合物を添加することにより、キャリアの移動を制御することが可能となる。また、第2の有機化合物の濃度を制御することにより、キャリアの移動速度を制御することが可能となる。具体的には、第2の有機化合物の濃度は、0.1重量%〜5重量%、または、0.1mol%〜5mol%であることが好ましい。
実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体は電子を受け取りやすい性質を有しており、最低空軌道準位(LUMO準位)が低いため、電子トラップ性材料として用いることができる。
図4は、本実施の形態で示す発光素子のバンド図の一例である。図4において、第1の電極102から注入された正孔は、正孔注入層111、正孔輸送層112を通り、発光層113に注入される。一方、第2の電極104から注入された電子は、電子注入層115、電子輸送層114を通り、電子の移動を制御する層116に注入される。電子の移動を制御する層に注入された電子は、電子トラップ性を有する第2の有機化合物により、電子の移動が遅くなる。遅くなった電子は、発光層113に注入され、正孔と再結合し、発光する。
電子の移動を制御する層を設けない従来の素子構成の場合、第2の電極から注入された電子は、電子注入層および電子輸送層を通り、発光層へ注入される。発光層へ注入された電子は、発光層が電子輸送性の場合、つまり、発光層に含まれる最も多い材料が電子輸送性の場合には、発光層中を移動して、正孔輸送層まで達してしまう可能性がある。電子が正孔輸送層まで達してしまうと、正孔輸送層に含まれる材料を劣化させてしまい、発光素子の劣化に繋がる。
しかし、本実施の形態で示した電子の移動を制御する層を設けることにより、電子が発光層中を突き抜けて正孔輸送層まで達することを抑制することができる。よって、電子が正孔輸送層まで達して正孔輸送層を劣化させることを抑制することができる。従って、発光素子の劣化を抑制し、長寿命化することができる。
本実施の形態の発光素子において、発光層に含まれる発光性の高い物質の発光色と、第2の有機化合物の発光色とが同系色であることが好ましい。これによって、第2の有機化合物が意に反して発光した場合にも発光素子の色純度を保つことができる。ただし、必ずしも第2の有機化合物が発光する必要はない。例えば、発光性の高い物質の方が発光効率が高い場合は、実質的に発光性の高い物質の発光のみが得られるように、電子の移動を制御する層116における第2の有機化合物の濃度を調節する(第2の有機化合物の発光が抑制されるように、その濃度を若干低くする)ことが好ましい。この場合、発光性の高い物質の発光色と第2の有機化合物の発光色は同系統の発光色である(すなわち、同程度のエネルギーギャップを持つ)ため、発光性の高い物質から第2の有機化合物へのエネルギー移動は生じにくく、高い発光効率が得られる。
もしくは、発光層に含まれる発光性の高い物質の発光よりも第2の有機化合物の発光の方が短波長であることが好ましい。つまり、発光層に含まれる発光性の高い物質の発光ピーク波長よりも第2の有機化合物の発光ピーク波長の方は短波長であることが好ましい。すなわち、発光性の高い物質のエネルギーギャップよりも第2の有機化合物のエネルギーギャップの方が大きいため、発光性の高い物質から第2の有機化合物へのエネルギー移動は生じにくく、第2の有機化合物が意に反して発光することを抑制することができる。
実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体は、青色〜緑色の発光を示すため、本実施の形態における発光層に含まれる発光性の高い物質の発光色は、それよりも長波長の発光色であることが好ましい。例えば、緑色系の発光色を示す2PCAPA、2PCABPhA、2DPAPA、2DPABPhA、2YGABPhA、DPhAPhA、黄色系の発光を示すルブレン、BPT、赤色系の発光を示すp−mPhTD、p−mPhAFDなどを発光性の高い物質として用いることが好ましい。
また、電子の移動を制御する層116に含まれる第1の有機化合物は、電子輸送性を有する有機化合物である。つまり、正孔輸送性よりも電子輸送性の方が高い物質である。具体的には、Alq、Almq3、BeBq2、BAlq、Znq、BAlq、ZnPBO、ZnBTZなどの金属錯体、PBD、OXD−7、TAZ、TPBI、BPhen、BCPなどの複素環化合物、CzPA、DPCzPA、DPPA、DNA、t−BuDNA、BANT、DPNS、DPNS2、TPB3などの縮合芳香族化合物を用いることができる。中でも電子に対して安定な金属錯体であることが好ましい。
また、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)などの高分子化合物を用いることができる。
また、先に述べたように、第2の有機化合物のLUMO準位は、第1の有機化合物のLUMO準位より0.3eV以上低いことが好ましい。したがって、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体のLUMO準位に応じて、このような条件を満たすように第1の有機化合物を適宜選択すればよい。例えば、第1の有機化合物としてAlqを用いることで、上述の条件を満たすようになる。
また、電子の移動を制御する層116の膜厚は、5nm以上20nm以下であることが好ましい。厚すぎる膜厚だと、キャリアの移動速度を低下させすぎてしまい、駆動電圧が高くなってしまう。また、薄すぎる膜厚だと、キャリアの移動を制御する機能を実現しなくなってしまう。よって、5nm以上20nm以下の膜厚であることが好ましい。
また、電子の移動を制御する層は、電子の移動を制御するものであるため、発光層と陰極として機能する電極との間に設けることが好ましい。特に、電子の移動を制御する層は発光層と接するように設けることがより好ましい。電子の移動を制御する層を発光層と接するように設けることにより、発光層への電子注入を直接制御できるため、発光層内におけるキャリアバランスの経時変化をより抑制することができ、素子寿命向上に関してより大きな効果が得られる。また、プロセス的にも簡便となる。
また、電子の移動を制御する層は発光層と接するように設けるのが好ましく、その場合には、電子の移動を制御する層に含まれる第1の有機化合物と、発光層に多く含まれている有機化合物とは、異なる種類の有機化合物であることが好ましい。特に、発光層の構成が、発光性の高い物質を分散させる物質(ホスト材料)と、発光性の高い物質(ゲスト材料)とを含む場合、ホスト材料と、第1の有機化合物とは、異なる種類の有機化合物であることが好ましい。このような構成により、電子の移動を制御する層から発光層への電子の移動が、第1の有機化合物とホスト材料との間においても抑制され、電子の移動を制御する層を設ける効果がより高くなる。
ただし、発光層113と電子の移動を制御する層116との間に層が形成されていてもよい。
例えば、電子の移動を制御する層116を設けない従来の発光素子であれば、第1の電極102から注入された正孔は、正孔注入層111、正孔輸送層112を通り、移動が遅くならないまま発光層113に注入されるため、その一部は電子輸送層114の界面付近まで達する。そして、正孔が電子輸送層114にまで達してしまうと、電子輸送層114を劣化させる恐れがある。またその劣化によって、経時的に電子輸送層114にまで達してしまう正孔の量が増えていくと、経時的に発光層113における再結合確率が低下していくことになるため、素子寿命の低下(輝度の経時劣化)に繋がってしまう。
一方、本実施の形態で示す発光素子においては、電子の移動を制御する層116をも設けている。これにより、第2の電極104から注入された電子は、電子注入層115、電子輸送層114を通り、電子の移動を制御する層116に注入される。ここで、電子の移動を制御する層116は、電子輸送性を有する第1の有機化合物に、電子トラップ性を有する第2の有機化合物が添加した構成となっている。したがって、電子の移動を制御する層116に注入された電子は、その移動が遅くなり、発光層113への電子注入が制御される。その結果、電子が正孔輸送層112にまで達してしまい、正孔輸送層112を劣化させる可能性が低くなる。また正孔に関しても、電子の移動を制御する層116が電子輸送性を有する第1の有機化合物を有しているため、正孔が電子輸送層114にまで達して電子輸送層114を劣化させる可能性はさらに低い。なお、本発明においては、電子の移動を制御する層116において、単に電子移動度の遅い物質を適用するのではなく、電子輸送性を有する有機化合物に電子輸送性を下げる有機化合物を添加している点が重要である。このような構成とすることで、単に発光層113への電子注入を制御するだけではなく、その制御された電子注入量が経時的に変化するのを抑制することができる。
以上のように、電子の発光層への注入量を制御することにより、経時的にキャリアバランスが悪化して再結合確率が低下していく現象を防ぐことができるため、素子寿命の向上(輝度の経時劣化の抑制)に繋がる。
また、本実施の形態で示すキャリアの移動を制御する層は、2種類以上の物質を含むため、物質の組み合わせや混合比、膜厚などを制御することにより、キャリアバランスを精密に制御することが可能である。
また、物質の組み合わせや混合比、膜厚などの制御でキャリアバランスを制御することが可能であるので、従来よりも容易にキャリアバランスの制御が可能となる。つまり、用いる物質そのものの物性を変化させなくても、混合比や膜厚等により、キャリアの移動を制御することができる。
また、キャリアの移動を制御する層に含まれる2種類以上の物質のうち、少なく含まれている有機化合物を用いてキャリアの移動を制御している。つまり、キャリアの移動を制御する層に含まれている成分のうち少ない成分でキャリアの移動を制御することが可能であるので、経時変化に強く、発光素子の長寿命化を実現することができる。つまり、単一物質によりキャリアバランスを制御する場合に比べ、キャリアバランスの変化が起きにくい。例えば、単一物質により形成された層でキャリアの移動を制御する場合には、部分的にモルフォロジーが変化することや、部分的に結晶化が起こることなどが生じると、層全体のバランスが変化してしまう。そのため、経時変化に弱い。しかし、本実施の形態で示すように、キャリアの移動を制御する層に含まれている成分のうち少ない成分でキャリアの移動を制御することにより、モルフォロジーの変化や結晶化、凝集等の影響が小さくなり、経時変化が起きにくい。よって、経時的なキャリアバランスの低下、ひいては経時的な発光効率の低下が起こりにくい長寿命の発光素子を得ることができる。
実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体は電子を受け取りやすい性質を有しており、最低空軌道準位(LUMO準位)が低いため、電子トラップ性材料として用いることができる。実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を、本実施の形態で示す電子の移動を制御する層に適用することにより、経時的な発光効率の低下が起こりにくい長寿命の発光素子を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態は、本発明に係る複数の発光ユニットを積層した構成の発光素子(以下、積層型素子という)の態様について、図5を参照して説明する。この発光素子は、第1の電極と第2の電極との間に、複数の発光ユニットを有する積層型発光素子である。各発光ユニットの構成としては、実施の形態2〜実施の形態3で示した構成と同様な構成を用いることができる。つまり、実施の形態2〜実施の形態3で示した発光素子は、1つの発光ユニットを有する発光素子である。本実施の形態では、複数の発光ユニットを有する発光素子について説明する。
図5において、第1の電極501と第2の電極502との間には、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512が積層されており、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512との間には電荷発生層513が設けられている。第1の電極501と第2の電極502は実施の形態2と同様なものを適用することができる。また、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512は同じ構成であっても異なる構成であってもよく、その構成は実施の形態2と同様なものを適用することができる。
電荷発生層513は、第1の電極501と第2の電極502に電圧を印加したときに、一方の側の発光ユニットに電子を注入し、他方の側の発光ユニットに正孔を注入する層であり、単層でも複数の層を積層した構成であってもよい。複数の層を積層した構成としては、正孔を注入する層と電子を注入する層とを積層する構成であることが好ましい。
正孔を注入する層としては、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化レニウム、酸化ルテニウム等の半導体や絶縁体を用いることができる。あるいは、正孔輸送性の高い物質に、アクセプター物質が添加された構成であってもよい。正孔輸送性の高い物質とアクセプター性物質を含む層は、実施の形態2で示した複合材料であり、アクセプター物質として、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)や、酸化バナジウムや酸化モリブデンや酸化タングステン等の金属酸化物を含む。正孔輸送性の高い物質としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、正孔輸送性の高い物質としては、正孔移動度が10−6cm2/Vs以上であるものを適用することが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。正孔輸送性の高い物質とアクセプター性物質を含む複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。
電子を注入する層としては、酸化リチウム、フッ化リチウム、炭酸セシウム等の絶縁体や半導体を用いることができる。あるいは、電子輸送性の高い物質に、ドナー性物質が添加された構成であってもよい。ドナー性物質としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属または元素周期表における第13族に属する金属およびその酸化物、炭酸塩を用いることができる。具体的には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、イッテルビウム(Yb)、インジウム(In)、酸化リチウム、炭酸セシウムなどを用いることが好ましい。また、テトラチアナフタセンのような有機化合物をドナー性物質として用いてもよい。電子輸送性の高い物質としては、実施の形態1で示した材料を用いることができる。なお、電子輸送性の高い物質としては、電子移動度が10−6cm2/Vs以上であるものを適用することが好ましい。但し、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。電子輸送性の高い物質とドナー性物質とを有する複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。
また、電荷発生層513として、実施の形態2で示した電極材料を用いることもできる。例えば、正孔輸送性の高い物質と金属酸化物を含む層と透明導電膜とを組み合わせて形成しても良い。なお、光取り出し効率の点から、電荷発生層は透光性の高い層とすることが好ましい。
いずれにしても、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512に挟まれる電荷発生層513は、第1の電極501と第2の電極502に電圧を印加したときに、一方の側の発光ユニットに電子を注入し、他方の側の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、第1の電極の電位の方が第2の電極の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層513は、第1の発光ユニット511に電子を注入し、第2の発光ユニット512に正孔を注入するものであればいかなる構成でもよい。
本実施の形態では、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、同様に、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での発光が可能であり、そのため長寿命素子を実現できる。また、照明を応用例とした場合は、電極材料の抵抗による電圧降下を小さくできるので、大面積での均一発光が可能となる。また、低電圧駆動が可能で消費電力が低い発光装置を実現することができる。
また、それぞれの発光ユニットの発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、2つの発光ユニットを有する発光素子において、第1の発光ユニットの発光色と第2の発光ユニットの発光色を補色の関係になるようにすることで、発光素子全体として白色発光する発光素子を得ることも可能である。なお、補色とは、混合すると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり、補色の関係にある色を発光する物質から得られた光を混合すると、白色発光を得ることができる。また、3つの発光ユニットを有する発光素子の場合でも同様であり、例えば、第1の発光ユニットの発光色が赤色であり、第2の発光ユニットの発光色が緑色であり、第3の発光ユニットの発光色が青色である場合、発光素子全体としては、白色発光を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の発光素子を有する発光装置について説明する。
本実施の形態では、画素部に実施の形態2〜実施の形態4で示した発光素子を有する発光装置について図6を用いて説明する。なお、図6(A)は、発光装置を示す上面図、図6(B)は図6(A)をA−A’およびB−B’で切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート側駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図6(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と、画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はNチャネル型TFT623とPチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は、種々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態では、画素部が形成された基板と同一基板上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を、画素部が形成された基板と同一基板上ではなく、外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と、電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆って絶縁物614が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、光の照射によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光の照射によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、第1の電極613に用いる材料としては、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。第1の電極を陽極として用いる場合には、その中でも、仕事関数の大きい(好ましくは仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。例えば、珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ膜、酸化インジウム−酸化亜鉛膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等の積層膜を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。EL層616は、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を有している。また、EL層616を構成する他の材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)のいずれを用いてもよい。また、EL層に用いる材料としては、有機化合物だけでなく、無機化合物を用いてもよい。
また、第2の電極617に用いる材料としては、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。第2の電極を陰極として用いる場合には、その中でも、仕事関数の小さい(好ましくは仕事関数3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。例えば、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)等が挙げられる。なお、EL層616で生じた光を第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(酸化インジウム−酸化スズ(ITO)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等)との積層膜を用いることも可能である。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605が充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、本発明に係る発光素子を有する発光装置を得ることができる。
本実施の形態で示す発光装置は、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を有する。実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体は電子を受け取りやすく、電子輸送性を有する。よって、実施の形態1で示したアセナフトキノキサリン誘導体を用いることにより、消費電力の低減された発光装置を得ることができる。また、長寿命な発光装置を得ることができる。
以上のように、本実施の形態では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置について説明したが、パッシブマトリクス型の発光装置であってもよい。図7には本発明を適用して作製したパッシブマトリクス型の発光装置を示す。なお、図7(A)は、発光装置を示す斜視図、図7(B)は図7(A)をX−Yで切断した断面図である。図7において、基板951上には、電極952と電極956との間にはEL層955が設けられている。電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、EL層955及び電極956をそれぞれパターニングすることができる。また、パッシブマトリクス型の発光装置においても、駆動電圧の低い本発明に係る発光素子を含むことによって、消費電力の低い発光装置を得ることができる。また、長寿命な発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態5に示す発光装置をその一部に含む本発明の電子機器について説明する。本発明の電子機器は、実施の形態2〜実施の形態4で示した発光素子を有し、低消費電力の表示部を有する。また、長寿命である表示部を有する。
本発明の発光装置を用いて作製された電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を図8に示す。
図8(A)は本実施の形態に係るテレビ装置であり、筐体9101、支持台9102、表示部9103、スピーカー部9104、ビデオ入力端子9105等を含む。このテレビ装置において、表示部9103は、実施の形態2〜実施の形態4で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、駆動電圧が低く、消費電力が低いという特徴を有している。また、長寿命であるという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9103も同様の特徴を有するため、このテレビ装置は低消費電力化が図られている。このような特徴により、テレビ装置において、電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、筐体9101や支持台9102の小型軽量化を図ることが可能である。本実施の形態に係るテレビ装置は、低消費電力及び小型軽量化が図られているので、それにより住環境に適合した製品を提供することができる。また、このテレビ装置は寿命が長いという特徴を有しており、長時間の使用に耐えうるテレビ装置を提供することができる。
図8(B)は本実施の形態に係るコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングデバイス9206等を含む。このコンピュータにおいて、表示部9203は、実施の形態2〜実施の形態4で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、駆動電圧が低く、消費電力が低いという特徴を有している。また、長寿命であるという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9203も同様の特徴を有するため、このコンピュータは低消費電力化が図られている。このような特徴により、コンピュータにおいて、電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、本体9201や筐体9202の小型軽量化を図ることが可能である。本実施の形態に係るコンピュータは、低消費電力及び小型軽量化が図られているので、環境に適合した製品を提供することができる。また、このコンピュータは寿命が長いという特徴を有しており、長時間の使用に耐えうるコンピュータを提供することができる。
図8(C)は本実施の形態に係るカメラであり、本体9301、表示部9302、筐体9303、外部接続ポート9304、リモコン受信部9305、受像部9306、バッテリー9307、音声入力部9308、操作キー9309、接眼部9310等を含む。このカメラにおいて、表示部9302は、実施の形態2〜実施の形態4で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、駆動電圧が低く、消費電力が低いという特徴を有している。また、長寿命であるという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9302も同様の特徴を有するため、このカメラは低消費電力化が図られている。このような特徴により、カメラにおいて、電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、本体9301の小型軽量化を図ることが可能である。本実施の形態に係るカメラは、低消費電力及び小型軽量化が図られているので、携帯に適した製品を提供することができる。また、このカメラは寿命が長いという特徴を有しており、長時間の使用に耐えうるカメラを提供することができる。
図8(D)は本実施の形態に係る携帯電話であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、音声入力部9404、音声出力部9405、操作キー9406、外部接続ポート9407、アンテナ9408等を含む。この携帯電話において、表示部9403は、実施の形態2〜実施の形態4で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、駆動電圧が低く、消費電力が低いという特徴を有している。また、長寿命であるという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9403も同様の特徴を有するため、この携帯電話は低消費電力化が図られている。このような特徴により、携帯電話において、電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、本体9401や筐体9402の小型軽量化を図ることが可能である。本実施の形態に係る携帯電話は、低消費電力及び小型軽量化が図られているので、携帯に適した製品を提供することができる。また、この携帯電話は寿命が長いという特徴を有しており、長時間の使用に耐えうる携帯電話を提供することができる。
図14には、図8(D)とは異なる構成の携帯電話の一例を示す。図14(A)が正面図、図14(B)が背面図、図14(C)が展開図である。図14に示す携帯電話は、電話と携帯情報端末の双方の機能を備えており、コンピュータを内蔵し、音声通話以外にも様々なデータ処理が可能な所謂スマートフォンである。
図14に示す携帯電話は、筐体1001及び1002二つの筐体で構成されている。筐体1001には、表示部1101、スピーカー1102、マイクロフォン1103、操作キー1104、ポインティングデバイス1105、カメラ用レンズ1106、外部接続端子1107等を備え、筐体1002には、イヤホン端子1108、キーボード1201、外部メモリスロット1202、カメラ用レンズ1203、ライト1204等を備えている。また、アンテナは筐体1001内部に内蔵されている。
また、上記構成に加えて、非接触ICチップ、小型記録装置等を内蔵していてもよい。
表示部1101には、実施の形態5で示した発光装置を組み込むことが可能であり、使用形態に応じて表示の方向が適宜変化する。表示部1101と同一面上にカメラ用レンズ1106を備えているため、テレビ電話が可能である。また、表示部1101をファインダーとしカメラ用レンズ1203及びライト1204で静止画及び動画の撮影が可能である。スピーカー1102及びマイクロフォン1103は音声通話に限らず、テレビ電話、録音、再生等が可能である。操作キー1104では、電話の発着信、電子メール等の簡単な情報入力、画面のスクロール、カーソル移動等が可能である。更に、重なり合った筐体1001と筐体1002(図14(A))は、スライドし、図14(C)のように展開し、携帯情報端末として使用できる。この場合、キーボード1201、ポインティングデバイス1105を用い円滑な操作が可能である。外部接続端子1107はACアダプタ及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能であり、充電及びコンピュータ等とのデータ通信が可能である。また、外部メモリスロット1202に記録媒体を挿入しより大量のデータ保存及び移動に対応できる。
また、上記機能に加えて、赤外線通信機能、テレビ受信機能等を備えたものであってもよい。
図9は音響再生装置、具体例としてカーオーディオであり、本体701、表示部702、操作スイッチ703、704を含む。表示部702は実施の形態5の発光装置(パッシブマトリクス型またはアクティブマトリクス型)で実現することができる。また、この表示部702はセグメント方式の発光装置で形成しても良い。いずれにしても、本発明に係る発光素子を用いることにより、車両用電源(12〜42V)を使って、低消費電力化を図りつつ、明るい表示部を構成することができる。また、本実施の形態では車載用オーディオを示すが、携帯型や家庭用のオーディオ装置に用いても良い。
図10は、音響再生装置の一例としてデジタルプレーヤーを示している。図10に示すデジタルプレーヤーは、本体710、表示部711、メモリ部712、操作部713、イヤホン714等を含んでいる。なお、イヤホン714の代わりにヘッドホンや無線式イヤホンを用いることができる。表示部711として、実施の形態5の発光装置(パッシブマトリクス型またはアクティブマトリクス型)で実現することができる。また、この表示部711はセグメント方式の発光装置で形成しても良い。いずれにしても、本発明に係る発光素子を用いることにより、二次電池(ニッケル−水素電池など)を使っても表示が可能であり、低消費電力化を図りつつ、明るい表示部を構成することができる。メモリ部712は、ハードディスクや不揮発性メモリを用いている。例えば、記録容量が20〜200ギガバイト(GB)のNAND型不揮発性メモリを用い、操作部713を操作することにより、映像や音声(音楽)を記録、再生することができる。なお、表示部702及び表示部711は黒色の背景に白色の文字を表示することで消費電力を抑えられる。これは携帯型のオーディオ装置において特に有効である。
以上の様に、本発明を適用して作製した発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。本発明を適用することにより、低消費電力の表示部を有する電子機器を作製することが可能となる。また、長時間の使用に耐えうる、寿命の長い表示部を有する電子機器を提供することが可能となる。
また、本発明を適用した発光装置は、発光効率の高い発光素子を有しており、照明装置として用いることもできる。本発明を適用した発光素子を照明装置として用いる一態様を、図11を用いて説明する。
図11には、本発明に係る発光装置を用いた照明装置として用いた電子機器の一例として、本発明を適用した発光装置をバックライトとして用いた液晶表示装置を示す。図11に示した液晶表示装置は、筐体901、液晶層902、バックライト903、筐体904を有し、液晶層902は、ドライバIC905と接続されている。また、バックライト903は、本発明を適用した発光装置が用いられおり、端子906により、電流が供給されている。
本発明に係る発光装置は薄型で低消費電力であるため、本発明に係る発光装置を液晶表示装置のバックライトとして用いることにより、表示装置の薄型化、低消費電力化も可能となる。また、本発明に係る発光装置は、面発光の照明装置であり大面積化も可能であるため、バックライトの大面積化が可能であり、液晶表示装置の大面積化も可能になる。また、本発明の発光装置は長寿命であるため、寿命の長い液晶表示装置を得ることができる。
図12は、本発明に係る発光装置を、照明装置である電気スタンドとして用いた例である。図12に示す電気スタンドは、筐体2001と、光源2002を有し、光源2002として、本発明に係る発光装置が用いられている。本発明の発光装置は低消費電力化されているため、電気スタンドも消費電力が低い。また、本発明の発光装置は長寿命であるため、電気スタンドも長寿命である。
図13は、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた例である。本発明に係る発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。また、本発明に係る発光装置は、低消費電力であるため、低消費電力の照明装置として用いることが可能となる。このように、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた部屋に、図8(A)で説明したような、本発明に係るテレビ装置3002を設置して公共放送や映画を鑑賞することができる。このような場合、両装置は低消費電力であるので、環境への負荷を低減することができる。また、本発明の発光装置は、長寿命であるため、長寿命の照明装置として用いることが可能となる。よって、照明装置やテレビ装置の買い換え回数を減らすことができ、環境への負荷を低減することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
本実施例では、構造式(101)で表される8,11−ジフェニルアセナフト[1,2‐b]キノキサリン(略称:APzP2)の合成方法について説明する。
<ステップ1:4,7−ジブロモベンゾ[2,1,3]チアジアゾールの合成>
4,7−ジブロモベンゾ[2,1,3]チアジアゾールの合成スキームを(B−1)に示す。
まず、ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール20.0g(146mmol)及び臭化水素酸(48%水溶液)160mLを500mL三口フラスコに入れた。この反応溶液を110℃で還流しながら臭素23mL(446mmol)を滴下した。滴下終了後、さらに110℃で1時間還流した。還流後、この混合物を水で洗浄し、析出物を吸引ろ過により回収した。得られた固体をメタノールにより再結晶したところ、4,7−ジブロモベンゾ[2,1,3]チアジアゾールの淡褐色粉末状固体31.0gを得た(収率72%)。
<ステップ2:4,7−ジフェニルベンゾ[2,1,3]チアジアゾールの合成>
4,7−ジフェニルベンゾ[2,1,3]チアジアゾールの合成スキームを(B−2)に示す。
次に、上記で得られた4,7−ジブロモベンゾ[2,1,3]チアジアゾール8.8g(30mmol)、フェニルボロン酸8.3g(69mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.69g(6.0mmol)を500mL三口フラスコへ入れ、フラスコ内を窒素置換した。この混合物へトルエン100mL、エタノール40mL及び炭酸ナトリウム水溶液(2.0mol/L)45mL(90mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、90℃で6時間撹拌した。撹拌後、この混合物の有機層を水で洗浄し、水層を酢酸エチルで抽出した。この抽出溶液と有機層とを合わせて、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、吸引ろ過を行い、ろ液を濃縮した。得られた残渣をトルエンに溶かし、この溶液をフロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、アルミナを通して吸引ろ過した。ろ液を濃縮して得られた固体をクロロホルム/ヘキサンにより再結晶したところ、4,7−ジフェニルベンゾ[2,1,3]チアジアゾールの白色粉末状固体8.4gを得た(収率97%)。
<ステップ3:3,6−ジフェニル−1,2−フェニレンジアミンの合成>
3,6−ジフェニル−1,2−フェニレンジアミンの合成スキーム(B−3)を示す。
上記で得られた4,7−ジフェニルベンゾ[2,1,3]チアジアゾール8.65g(30.0mmol)、亜鉛19.6g(300mmol)、氷酢酸105mL及び水45mLを500mL三口フラスコへ入れた。この混合物を80℃で7時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を約150mLの水酸化ナトリウム水溶液(約2.0mol/L)中に注ぎ、室温で2時間撹拌した。混合物中の析出物を吸引ろ過により回収し、回収した固体を水で洗浄した。洗浄後の固体を酢酸エチルに溶かし、不溶物を吸引ろ過により回収して、亜鉛を除去した。得られたろ液を濃縮し、3,6−ジフェニル−1,2−フェニレンジアミンの白色粉末状固体7.6gを得た(収率96%)。
<ステップ4:8,11−ジフェニルアセナフト[1,2‐b]キノキサリンの合成>
8,11−ジフェニルアセナフト[1,2‐b]キノキサリンの合成スキーム(B−4)を示す。
上記で得られた2.7g(8.7mmol)の3,6−ジフェニル−1,2−フェニレンジアミンと、1.7g(9.5mmol)のアセナフテン−1,2−ジオンと、60mLのエタノールを、300Lの三口フラスコへ入れた。この溶液を2.5時間還流した。還流後、混合物を室温まで冷ましてから、ろ過により乳白色の固体を回収した。得られた固体をクロロホルム/エタノールにより再結晶したところ、目的物を1.9g、収率52%で得た。得られた固体を核磁気共鳴測定(NMR)によって測定し、得られた化合物が8,11−ジフェニルアセナフト[1,2‐b]キノキサリン(略称:APzP2)であることを確認した。
以下に1H NMRデータを示す。1H NMR(CDCl3,300MHz):δ=7.47−7.53(m、2H)、7.56−7.61(m、4H)、7.77−7.82(m、2H)、7.88(s、2H)、7.91(dd、J1=1.5Hz、J2=8.4Hz、4H)、8.08(d、J=7.8Hz、2H)、8.32(d、J=6.6Hz、2H)。また、1H NMRチャートを図15(A)、図15(B)に示す。なお、図15(B)は、図15(A)における7.0ppm〜8.5ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、APzP2の薄膜の吸収スペクトルを図16に、APzP2の薄膜の発光スペクトルを図17に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。石英基板に蒸着法によりサンプルを作製し、石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図16において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。また、図17において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。薄膜の場合では322nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長は薄膜の場合では475nm(励起波長322nm)であり、青緑色の発光が得られた。
また、APzP2の薄膜状態におけるイオン化ポテンシャルを大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、5.82eVであった。その結果、HOMO準位が−5.82eVであることがわかった。さらに、APzP2の薄膜の吸収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エネルギーギャップとして見積もったところ、そのエネルギーギャップは2.84eVであった。得られたエネルギーギャップの値とHOMO準位からLUMO準位を求めたところ、−2.98eVであった。
また、APzP2の酸化還元反応特性を測定した。酸化還元反応特性は、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600A)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NClO4)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させた。さらに測定対象であるAPzP2を10mmol/Lの濃度となるように溶解させた。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag+電極(ビー・エー・エス(株)製、RE5非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温で行った。
APzP2の酸化反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を−0.25Vから1.50Vまで変化させた後、1.50Vから−0.25Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。また、APzP2の還元反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を−0.28Vから−2.30Vまで変化させた後、−2.30Vから−0.28Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.1V/sに設定した。
図18にAPzP2の酸化側のCV測定結果を、図19にAPzP2の還元側のCV測定結果をそれぞれ示す。図18および図19において、横軸は参照電極に対する作用電極の電位(V)を表し、縦軸は作用電極と補助電極との間に流れた電流値(μA)を表す。図18から、酸化を示す電流は1.50V(vs.Ag/Ag+電極)までスキャンしても観測されなかった。また、図19から、−1.84V付近(vs.Ag/Ag+電極)に還元を示す電流が観測された。また、100サイクルもの走査を繰り返しているにもかかわらず、CV曲線のピーク位置やピーク強度にあまり変化が見られない。このことから、本発明のアセナフトキノキサリン誘導体は還元反応の繰り返しに対して極めて安定であることが分かった。よって、発光素子や有機トランジスタなどのエレクトロニクスデバイスに好適に用いることができる。
本実施例では、本発明の発光素子の一例について、図20を用いて説明する。本実施例で用いた材料の構造式を以下に示す。
以下に、本実施例の発光素子の作製方法を示す。
(発光素子1)
まず、ガラス基板2101上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2102を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極2102が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定した。成膜室を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2102上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む層2111を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)との比率は、重量比で4:1(=NPB:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、複合材料を含む層2111上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2112を形成した。
さらに、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)とクマリン6とを共蒸着することにより、正孔輸送層2112上に40nmの膜厚の発光層2113を形成した。ここで、Alqとクマリン6との重量比は、1:0.01(=Alq:クマリン6)となるように調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2113上に、構造式(101)で表される8,11−ジフェニルアセナフト[1,2‐b]キノキサリン(略称:APzP2)を10nmの膜厚となるように成膜し、第1の電子輸送層2114Aを形成した。さらに、第1の電子輸送層2114A上に、バソフェナントロリン(略称:BPhen)を20nmの膜厚となるように成膜し、第2の電子輸送層2114Bを形成した。
さらに、第2の電子輸送層2114B上に、フッ化リチウムを1nmの膜厚となるように成膜し、電子注入層2115を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層2115上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2104を形成することで、発光素子1を作製した。
以上により得られた発光素子1を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、この発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子1の電流密度−輝度特性を図21に示す。また、電圧−輝度特性を図22に示す。また、輝度−電流効率特性を図23に示す。また、電圧−電流特性を図24に示す。
また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図25に示す。図25から、発光素子1の発光は、クマリン6に由来した発光スペクトルが得られた。
発光素子1において、輝度1000cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.30、y=0.62)であり、緑色の発光を示した。また、輝度1000cd/m2のときの電流効率は6.6cd/Aであった。また、輝度1000cd/m2のときの電圧は5.8V、電流密度は15.0mA/cm2、パワー効率は3.6lm/Wであった。
このように発光素子1は、駆動電圧が低く消費電力が小さい。よって、本発明のアセナフトキノキサリン誘導体を用いることにより、発光素子の駆動電圧を低減し、消費電力を低減することができる。
本実施例では、本発明の発光素子の一例について、図26を用いて説明する。本実施例で用いた材料の構造式を以下に示す。なお、すでに構造式を示した材料については省略する。
以下に、本実施例の発光素子の作製方法を示す。
(発光素子2)
まず、ガラス基板2101上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2102を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極2102が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定した。成膜室を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2102上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む層2111を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)との比率は、重量比で4:1(=NPB:酸化モリブデン)となるように調節した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、複合材料を含む層2111上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2112を形成した。
さらに、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)とを共蒸着することにより、正孔輸送層2112上に30nmの膜厚の発光層2113を形成した。ここで、CzPAと2PCAPAとの重量比は、1:0.05(=CzPA:2PCAPA)となるように調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2113上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)と構造式(101)で表される8,11−ジフェニルアセナフト[1,2‐b]キノキサリン(略称:APzP2)とを共蒸着することにより、電子の移動を制御する層2116を10nmの膜厚で形成した。ここで、AlqとAPzP2との重量比は、1:0.05(=Alq:APzP2)となるように調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、電子の移動を制御する層2116上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2114を形成した。
さらに、電子輸送層2114上に、フッ化リチウムを1nmの膜厚となるように成膜し、電子注入層2115を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層2115上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2104を形成することで、発光素子2を作製した。
(発光素子3)
発光素子2と同一基板を用い、電子の移動を制御する層2116におけるAlqとAPzP2との重量比は、1:0.10(=Alq:APzP2)となるように調節し、発光素子3を作製した。電子の移動を制御する層2116以外は発光素子2と同様に作製した。
以上により得られた発光素子2および発光素子3を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子2および発光素子3の電流密度−輝度特性を図27に示す。また、電圧−輝度特性を図28に示す。また、輝度−電流効率特性を図29に示す。また、電圧−電流特性を図30に示す。
また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図31に示す。図31から、発光素子2および発光素子3の発光スペクトルはほぼ重なっており、2PCAPAに由来した発光であることがわかる。
発光素子2において、輝度2920cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.29、y=0.62)であり、緑色の発光を示した。また、輝度2920cd/m2のときの電流効率は13.1cd/Aであった。また、輝度2920cd/m2のときの電圧は5.6V、電流密度22.3mA/cm2、パワー効率は7.3lm/Wであった。
発光素子3において、輝度3290cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.29、y=0.62)であり、緑色の発光を示した。また、輝度3290cd/m2のときの電流効率は13.1cd/Aであった。また、輝度3290cd/m2のときの電圧は5.6V、電流密度は25.1mA/cm2、パワー効率は7.4lm/Wであった。
また、発光素子2および発光素子3に関し、初期輝度を5000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を図32に示す(縦軸は、5000cd/m2を100%とした時の相対輝度である)。図32からわかるように、発光素子2および発光素子3は、1000時間後でも初期輝度の80%の輝度を保っており、長寿命な発光素子であることがわかった。
よって、本発明のアセナフトキノキサリン誘導体は電子を受け取りやすい性質を有するため、電子の移動を制御する層に用いることにより、長寿命な発光素子を得ることができる。