以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明のベンゾオキサゾール誘導体について説明する。本発明のベンゾオキサゾール誘導体は、アントラセン骨格とベンゾオキサゾール骨格を分子内に有する。
より具体的には、本発明に係るベンゾオキサゾール誘導体の一は、一般式(G1)で表されるベンゾオキサゾール誘導体である。
(式中、Ar1は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表し、Ar2は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、もしくは、置換または無置換の六員環で構成される炭素数4〜9のヘテロアリール基を表し、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、ハロゲンのいずれかを表し、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。)
なお、本明細書中で示すアリール基、ヘテロアリール基またはアリーレン基の炭素数は、主骨格の環を形成する炭素数を示しており、それに結合する置換基の炭素数を含むものではない。アリール基、ヘテロアリール基またはアリーレン基に結合する置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜13のアリール基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ナフチル基またはフルオレニル基等が挙げられる。また、アリール基、ヘテロアリール基またはアリーレン基が有する置換基は1つであっても複数であってもよく、アリール基、ヘテロアリール基またはアリーレン基が2つの置換基を有する場合、置換基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。例えば、アリール基がフルオレニル基である場合、9位の炭素が2つのフェニル基を有していてもよく、さらにその2つのフェニル基が互いに結合して、スピロ環構造を形成していてもよい。
一般式(G1)において、Ar2で表される置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、もしくは、置換または無置換の六員環で構成される炭素数4〜9のヘテロアリール基としては、例えば、構造式(11−1)〜構造式(11−19)で表されるアリール基や、構造式(12−1)〜構造式(12−38)で表されるヘテロアリール基などが挙げられる。構造式(11−2)〜構造式(11−8)や、構造式(11−11)〜構造式(11−19)、構造式(12−34)〜構造式(12−38)に示すように、Ar2で表される置換基はさらに置換基を有していても良い。また、構造式(11−17)〜構造式(11−19)で示すように、1つの炭素が2つの置換基を有していてもよく、構造式(11−18)のように、2つの置換基が互いに結合してスピロ環構造を形成していても良い。
また、一般式(G1)において、R11〜R14で表される水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、ハロゲンとしては、例えば、構造式(13−1)〜構造式(13−21)で表される置換基などが挙げられる。
また、一般式(G1)において、R21〜R28で表される水素、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、構造式(14−1)〜構造式(14−9)で表される置換基などが挙げられる。
また、一般式(G1)において、Ar1で表される置換または無置換の炭素数6〜13のアリーレン基としては、例えば、構造式(15−1)〜構造式(15−21)で表されるアリーレン基が挙げられる。構造式(15−7)〜構造式(15−17)や構造式(15−19)〜構造式(15−21)に示すように、Ar1で表されるアリーレン基は置換基を有していても良い。
特に、一般式(G1)で表されるベンゾオキサゾール誘導体において、Ar1は置換または無置換のフェニレン基であることが好ましい。具体的には、置換または無置換の1,2−フェニレン基、置換または無置換の1,3−フェニレン基、置換または無置換の1,4−フェニレン基のいずれかであることが好ましい。Ar1が置換または無置換のフェニレン基であることにより、合成または精製(高純度化)が容易となる。
すなわち、本発明に係るベンゾオキサゾール誘導体の一は、一般式(G2)で表されるベンゾオキサゾール誘導体である。
(式中、Phは、置換または無置換のフェニレン基を表し、Ar2は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、もしくは、置換または無置換の六員環で構成される炭素数4〜9のヘテロアリール基を表し、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、ハロゲンのいずれかを表し、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。)
また、一般式(G1)で表されるベンゾオキサゾール誘導体および一般式(G2)で表されるベンゾオキサゾール誘導体において、合成または精製(高純度化)の容易さの点から、Ar1は置換または無置換の1,4−フェニレン基であることが好ましい。
すなわち、本発明に係るベンゾオキサゾール誘導体の一は、一般式(G3)で表されるベンゾオキサゾール誘導体である。
(式中、Ar2は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、もしくは、置換または無置換の六員環で構成される炭素数4〜9のヘテロアリール基を表し、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、ハロゲンのいずれかを表し、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表し、R31〜R34は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基のいずれかを表す。)
一般式(G3)において、R31〜R34で表される水素、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、構造式(16−1)〜構造式(16−9)で表される置換基などが挙げられる。
また、一般式(G1)〜一般式(G3)で表されるベンゾオキサゾール誘導体において、合成または精製(高純度化)の容易さの点から、Ar1は無置換の1,4−フェニレン基であることが好ましい。また、合成または精製(高純度化)の容易さの点から、R11〜R14、R21〜R28、およびR31〜R34は水素であることが好ましい。
よって、本発明に係るベンゾオキサゾール誘導体の一は、一般式(G4)で表されるベンゾオキサゾール誘導体である。
(式中、Ar2は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、もしくは、置換または無置換の六員環で構成される炭素数4〜9のヘテロアリール基を表す。)
一般式(G1)〜一般式(G4)で表されるベンゾオキサゾール誘導体において、Ar2としては、置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のピリジル基、置換または無置換のキノリル基、置換または無置換のピリミジニル基、置換または無置換のピラジニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のイソキノリル基、置換または無置換のキノキサリル基、置換または無置換のフルオレニル基などが挙げられる。これらの中でも、合成または精製(高純度化)の容易さ、原料のコストの点から、置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のピリジル基、置換または無置換のキノリル基、置換または無置換のピリミジニル基、置換または無置換のピラジニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のイソキノリル基のいずれかであることが好ましい。
一般式(G1)で表されるベンゾオキサゾール誘導体としては、例えば、構造式(101)〜構造式(233)で表されるベンゾオキサゾール誘導体が挙げられる。ただし、本発明はこれらに限定されない。
本発明のベンゾオキサゾール誘導体の合成方法としては、種々の反応の適用が可能である。例えば、以下に示す合成反応を行うことによって、本発明のベンゾオキサゾール誘導体を合成することができる。なお、本発明のベンゾオキサゾール誘導体の合成方法は、以下の合成方法に限定されない。
<一般式(G1)で表される化合物の合成方法>
まず、ベンゾオキサゾール誘導体(化合物4)は、合成スキーム(A−1)に従って合成できる。このスキーム中において、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、ハロゲンのいずれかを表し、Ar1は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。また、X1はハロゲン、又は、トリフラート基を表す。X1がハロゲンである場合は臭素、ヨウ素が好ましい。また、X2は、ハロゲンを表し、特に塩素であることが好ましい。
まず、オルト−アミノフェノール誘導体(化合物1)をハロゲン化アシル(化合物2)でアシル化することにより、N−(2−ヒドロキシフェニル)−アリーレンアミド誘導体(化合物3)を得ることができる。この時用いられる溶媒は、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒や、クロロホルムやジクロロメタンや四塩化炭素などのハロゲン系溶媒が挙げられるが、用いられる溶媒はこれに限ったものではない。
次に、N−(2−ヒドロキシフェニル)−アリーレンアミド誘導体(化合物3)を脱水環化させる事で、ベンゾオキサゾール環を形成する。このとき用いる脱水剤は、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸や、パラートルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸が挙げられるが、これに限るものではない。また、この時用いられる溶媒はクロロホルムやジクロロメタンや四塩化炭素などのハロゲン系溶媒や、ベンゼンやトルエンやキシレン等の炭化水素が挙げられる。ただし、用いることが出来る溶媒はこれらに限られるものではない。このようにして、ベンゾオキサゾール誘導体(化合物4)を得ることができる。
次に、合成スキーム(A−2)に従って、化合物5を合成することができる。ベンゾオキサゾール誘導体(化合物4)を、アルキルリチウム試薬とホウ素試薬を用いてボロン酸化、又は、有機ホウ素化することにより、ベンゾオキサゾール誘導体のボロン酸、又は、ベンゾオキサゾール誘導体の有機ホウ素化合物(化合物5)を得ることができる。合成スキーム(A−2)において、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、ハロゲンのいずれかを表し、Ar1は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。また、X1はハロゲンを表し、特に臭素、ヨウ素が好ましい。また、R50は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R51は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R40およびR41は水素、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。合成スキーム(A−2)においてR40とR41は互いに結合して環を形成していても良い。
合成スキーム(A−2)において、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒を用いることができる。ただし、用いることができる溶媒はこれらに限られるものでは無い。また、アルキルリチウム試薬は、R50がn−ブチル基であるn−ブチルリチウムや、R50がtert−ブチル基であるtert−ブチルリチウムや、R50がメチル基であるメチルリチウム等が挙げられる。ただし、用いることができるアルキルリチウム試薬はこれに限られるものではない。また、ホウ素試薬としては、R51がメチル基であるホウ酸トリメチルや、R51がイソプロピル基であるホウ酸トリイソプロピルなどが挙げられるが、用いることができるホウ素試薬はこれに限られるものではない。
次に、合成スキーム(A−3)に従って、アントラセン誘導体のハロゲン化物(化合物6)を、アルキルリチウム試薬とホウ素試薬を用いてボロン酸化、又は、有機ホウ素化することにより、アントラセン誘導体のボロン酸、又は、アントラセン誘導体の有機ホウ素化合物(化合物7)を得ることができる。合成スキーム(A−3)において、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。また、X3はハロゲンを表し、特に塩素、臭素、ヨウ素が好ましい。また、R52は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R53は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R42およびR43は水素、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。合成スキーム(A−3)においてR42とR43は互いに結合して環を形成していても良い。
合成スキーム(A−3)において、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒を用いることができる。ただし、用いることができる溶媒はこれらに限られるものでは無い。また、アルキルリチウム試薬は、R52がn−ブチル基であるn−ブチルリチウムや、R52がtert−ブチル基であるtert−ブチルリチウムや、R52がメチル基であるメチルリチウム等が挙げられる。ただし、用いることができるアルキルリチウム試薬はこれに限られるものではない。また、ホウ素試薬としては、R53がメチル基であるホウ酸トリメチルや、R53がイソプロピル基であるホウ酸トリイソプロピルなどが挙げられるが、用いることができるホウ素試薬はこれに限られるものではない。
次に、合成スキーム(A−4)に示すように、アントラセン誘導体の有機ホウ素化合物、又はボロン酸(化合物7)と、アリール誘導体(化合物8)を、鈴木・宮浦反応によりカップリングすることにより、アリールアントラセン誘導体(化合物9)を得ることができる。合成スキーム(A−4)において、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。R42およびR43は、水素、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。合成スキーム(A−4)においてR42とR43は互いに結合して環を形成していても良い。また、Ar2は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、もしくは、置換または無置換の六員環で構成される炭素数4〜9のヘテロアリール基を表す。また、X4はハロゲン、又は、トリフラート基を表す。また、X4がハロゲンである場合は塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、特に臭素又はヨウ素がより好ましい。
合成スキーム(A−4)において、用いることができるパラジウム触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド等が挙げられるが、用いることができるパラジウム触媒はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(A−4)において、用いることができるパラジウム触媒の配位子としては、トリ(オルト−トリル)ホスフィンや、トリフェニルホスフィンや、トリシクロヘキシルホスフィン等が挙げられる。用いることができるパラジウム触媒の配位子はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(A−4)において、用いることができる塩基としては、ナトリウム tert−ブトキシド等の有機塩基や、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基等が挙げられるが、用いることができる塩基はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(A−4)において、用いることができる溶媒としては、トルエンと水の混合溶媒、トルエンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、キシレンと水の混合溶媒、キシレンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、ベンゼンと水の混合溶媒、ベンゼンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒などが挙げられる。ただし、用いることができる溶媒はこれらに限られるものでは無い。また、トルエンと水、又はトルエンとエタノールと水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒がより好ましい。
合成スキーム(A−4)に示す鈴木・宮浦カップリング反応において、化合物7で示される有機ホウ素化合物、又はボロン酸以外にも、有機アルミニウムや、有機ジルコニウム、有機亜鉛、有機スズ化合物等を用いるクロスカップリング反応を用いても良い。しかし、これらに限定されるものではない。
また、このカップリング反応においてアリール誘導体の有機ホウ素化合物、又はボロン酸と、アントラセン誘導体のハロゲン化物、又はトリフラート基置換体の組み合わせを、鈴木・宮浦反応によりカップリングしてもよい。しかし、特にAr2がヘテロアリールの場合は、収率の面から、化合物7と化合物8をカップリングする方が好ましい。
次に、合成スキーム(A−5)に示すように、アリールアントラセン誘導体(化合物9)をハロゲン化し、アリールアントラセン誘導体のハロゲン化物(化合物10)を得ることができる。
合成スキーム(A−5)において、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。また、Ar2は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、もしくは、置換または無置換の六員環で構成される炭素数4〜9のヘテロアリール基を表し、X5はハロゲンを表す。
合成スキーム(A−5)において、用いることができるハロゲン化試薬としては、N−ヨードこはく酸イミド(NIS)、臭素(Br2)、N−ブロモこはく酸イミド(NBS)が挙げられるが、用いることができるハロゲン化試薬は、これに限定されるものではない。用いることができる溶媒としては、水や、酢酸(氷酢酸)、プロピオン酸等のカルボン酸類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル類などを、単一又は混合して使用することができる。水を用いる場合は、有機溶媒と混合して用いることが好ましい。また、NISを用いる場合、化合物9に対してNISを1.5〜2当量用いることが好ましく、さらに、酢酸、硫酸、トリフルオロ酢酸等の酸を用いることが好ましい。
合成スキーム(A−5)において、ハロゲン化試薬として、NBSを用いる場合の溶媒は、酢酸エチル、DMF、酢酸(氷酢酸)等の極性溶媒が好ましいが、これらに限定されるものではない。
合成スキーム(A−6)に示すように、ベンゾオキサゾール誘導体の有機ホウ素化合物、又はボロン酸(化合物5)と、アリールアントラセン誘導体のハロゲン化物(化合物10)を、鈴木・宮浦反応によりカップリングさせることで、目的物である化合物11を得ることができる。合成スキーム(A−6)において、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、ハロゲンのいずれかを表し、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。R40およびR41は水素、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。合成スキーム(A−6)においてR40とR41は互いに結合して環を形成していても良い。また、Ar2は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、もしくは、置換または無置換の六員環で構成される炭素数4〜9のヘテロアリール基を表す。また、X5はハロゲンを表し、ハロゲンとしては臭素、ヨウ素が好ましい。
合成スキーム(A−6)において、用いることができるパラジウム触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド等が挙げられるが、用いることができるパラジウム触媒はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(A−6)において、用いることができるパラジウム触媒の配位子としては、トリ(オルト−トリル)ホスフィンや、トリフェニルホスフィンや、トリシクロヘキシルホスフィン等が挙げられる。用いることができるパラジウム触媒の配位子はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(A−6)において、用いることができる塩基としては、ナトリウム tert−ブトキシド等の有機塩基や、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基等が挙げられるが、用いることができる塩基はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(A−6)において、用いることができる溶媒としては、トルエンと水の混合溶媒、トルエンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、キシレンと水の混合溶媒、キシレンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、ベンゼンと水の混合溶媒、ベンゼンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒などが挙げられる。ただし、用いることができる溶媒はこれらに限られるものでは無い。また、トルエンと水、又はトルエンとエタノールと水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒がより好ましい。
合成スキーム(A−6)に示す鈴木・宮浦カップリング反応において、化合物10で示される有機ホウ素化合物、又はボロン酸以外にも、有機アルミニウムや、有機ジルコニウム、有機亜鉛、有機スズ化合物等を用いるクロスカップリング反応を用いてもよい。しかし、これらに限定されるものではない。また、このカップリングにおいて、ハロゲン以外にもトリフラート基等を用いても良いが、これらに限定されるものではない。
また、合成スキーム(A−6)に示す鈴木・宮浦カップリング反応において、アリールアントラセン誘導体の有機ホウ素化合物、又はボロン酸と、ベンゾオキサゾール誘導体のハロゲン化物、又はトリフラート置換体を、鈴木・宮浦反応によりカップリングしてもよい。
合成スキーム(A−7)に示すように、ベンゾオキサゾール誘導体の有機ホウ素化合物、又はボロン酸(化合物5)と、アントラセン誘導体(化合物12)を、鈴木・宮浦反応によりカップリングさせることで、化合物13を得ることができる。合成スキーム(A−7)において、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、ハロゲンのいずれかを表し、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。R40およびR41は水素、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。合成スキーム(A−7)においてR40とR41は互いに結合して環を形成していても良い。また、Ar1は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。また、X6はハロゲン、又は、トリフラート基を表す。また、X6がハロゲンである場合は塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、特に臭素又はヨウ素がより好ましい。
合成スキーム(A−7)において、用いることができるパラジウム触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド等が挙げられるが、用いることができるパラジウム触媒はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(A−7)において、用いることができるパラジウム触媒の配位子としては、トリ(オルト−トリル)ホスフィンや、トリフェニルホスフィンや、トリシクロヘキシルホスフィン等が挙げられる。用いることができるパラジウム触媒の配位子はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(A−7)において、用いることができる塩基としては、ナトリウム tert−ブトキシド等の有機塩基や、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基等が挙げられるが、用いることができる塩基はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(A−7)において、用いることができる溶媒としては、トルエンと水の混合溶媒、トルエンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、キシレンと水の混合溶媒、キシレンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、ベンゼンと水の混合溶媒、ベンゼンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒などが挙げられる。ただし、用いることができる溶媒はこれらに限られるものでは無い。また、トルエンと水、又はトルエンとエタノールと水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒がより好ましい。
合成スキーム(A−7)に示す鈴木・宮浦カップリング反応において、有機ホウ素化合物、又はボロン酸以外にも、有機アルミニウムや、有機ジルコニウム、有機亜鉛、有機スズ化合物等を用いるクロスカップリングを行っても良い。しかし、これらに限定されるものではない。
また、合成スキーム(A−7)に示す鈴木・宮浦カップリング反応においてアントラセン誘導体の有機ホウ素化合物、又はボロン酸と、ベンゾオキサゾール誘導体のハロゲン化物、又はトリフラート基置換体を、鈴木・宮浦反応によりカップリングしてもよい。
次に、合成スキーム(A−8)に示すように、アントラセン誘導体(化合物13)をハロゲン化し、ハロゲン化アントラセン誘導体(化合物14)を得ることができる。
合成スキーム(A−8)において、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、ハロゲンのいずれかを表し、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。また、Ar1は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。また、X7はハロゲンを表す。
合成スキーム(A−8)において、用いることができるハロゲン化試薬としては、N−ヨードこはく酸イミド(NIS)、臭素(Br2)、N−ブロモこはく酸イミド(NBS)が挙げられるが、用いることができるハロゲン化試薬は、これに限定されるものではない。用いることができる溶媒としては、水や、酢酸(氷酢酸)、プロピオン酸等のカルボン酸類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル類などを、単一又は混合して使用することができる。水を用いる場合は、有機溶媒と混合して用いることが好ましい。また、NISを用いる場合、化合物13に対してNISを1.5〜2当量用いることが好ましく、さらに、酢酸、硫酸、トリフルオロ酢酸等の酸を用いることが好ましい。
合成スキーム(A−8)において、ハロゲン化試薬として、NBSを用いる場合の溶媒は、酢酸エチル、DMF、酢酸(氷酢酸)等の極性溶媒が好ましいが、これに限定されるものではない。
合成スキーム(A−9)に示すように、ハロゲン化アントラセン誘導体(化合物14)と、アリールボロン酸、又は、アリールホウ素化合物(化合物15)を、鈴木・宮浦反応によりカップリングすることで、目的物である化合物11を得ることができる。合成スキーム(A−9)において、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、ハロゲンのいずれかを表し、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。R44およびR45は水素、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。合成スキーム(A−9)においてR44とR45は互いに結合して環を形成していても良い。また、Ar1は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。また、Ar2は、置換または無置換の炭素数6〜13のアリール基、もしくは、置換または無置換の六員環で構成される炭素数4〜9のヘテロアリール基を表し、また、X7はハロゲンを表し、ハロゲンとしては、臭素、ヨウ素が好ましい。
合成スキーム(A−9)において、用いることができるパラジウム触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド等が挙げられるが、用いることができるパラジウム触媒はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(A−9)において、用いることができるパラジウム触媒の配位子としては、トリ(オルト−トリル)ホスフィンや、トリフェニルホスフィンや、トリシクロヘキシルホスフィン等が挙げられる。用いることができるパラジウム触媒の配位子はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(A−9)において、用いることができる塩基としては、ナトリウム tert−ブトキシド等の有機塩基や、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基等が挙げられるが、用いることができる塩基はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(A−9)において、用いることができる溶媒としては、トルエンと水の混合溶媒、トルエンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、キシレンと水の混合溶媒、キシレンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、ベンゼンと水の混合溶媒、ベンゼンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒などが挙げられる。ただし、用いることができる溶媒はこれらに限られるものでは無い。また、トルエンと水、又はトルエンとエタノールと水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒がより好ましい。
合成スキーム(A−9)に示す鈴木・宮浦カップリング反応において、化合物15で表される有機ホウ素化合物、又はボロン酸以外にも、有機アルミニウムや、有機ジルコニウム、有機亜鉛、有機スズ化合物等を用いるクロスカップリングでも良い。しかし、これらに限定されるものではない。また、このカップリングにおいて、ハロゲン以外にも、トリフラート等を用いてもよいが、これらに限定されるものではない。
また、合成スキーム(A−9)に示す鈴木・宮浦カップリング反応においてベンゾオキサゾール誘導体の有機ホウ素化合物、又はボロン酸と、アリール誘導体のハロゲン化物、又はトリフラート置換体を、鈴木・宮浦反応によりカップリングしてもよい。
本発明に係るベンゾオキサゾール誘導体は、ベンゾオキサゾール骨格を有している。ベンゾオキサゾール骨格は電子の受け取りやすさに寄与している。また、本発明に係るベンゾオキサゾール誘導体は、ジアリール(ヘテロアリール)アントラセン骨格を有する。ジアリールアントラセン骨格はキャリアのホッピングに寄与している。よって、本発明に係るベンゾオキサゾール誘導体は、電子輸送性に優れている。
また、ホッピングを妨げるような分子量の大きい置換基はないほうが好ましい。特に、Ar2に分子量の大きい置換基を設けた場合、ホッピングの妨げとなり、電子輸送性が低下する可能性がある。
また、本発明に係るベンゾオキサゾール誘導体は電子輸送性に優れている。よって、本発明に係るベンゾオキサゾール誘導体を、発光素子や有機トランジスタなどのエレクトロニクスデバイスに用いることにより、良好な電気特性を得ることができる。
また、本発明に係るベンゾオキサゾール誘導体は、熱安定性に優れている。よって、本発明に係るベンゾオキサゾール誘導体を用いることにより、高温状態においても劣化しにくい信頼性に優れたエレクトロニクスデバイスを得ることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体を用いた発光素子の一態様について、図1および図2を用いて説明する。
本発明の発光素子は、一対の電極間に複数の層を有する。当該複数の層は、電極から離れたところに発光領域が形成されるように、つまり電極から離れた部位でキャリアの再結合が行われるように、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる層を組み合わせて積層されたものである。
本形態において、発光素子は、第1の電極102と、第2の電極104と、第1の電極102と第2の電極104との間に設けられたEL層とから構成されている。なお、本形態では第1の電極102は陽極として機能し、第2の電極104は陰極として機能するものとして、以下、説明をする。つまり、第1の電極102の方が第2の電極104よりも電位が高くなるように、第1の電極102と第2の電極104に電圧を印加したときに、発光が得られるものとして、以下説明をする。
基板101は発光素子の支持体として用いられる。基板101としては、例えばガラス、またはプラスチック、金属などを用いることができる。なお、発光素子の支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。なお、発光素子からの発光を基板を通して外部へ取り出す場合には、基板101は透光性を有する基板であることが好ましい。
第1の電極102としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上であることが好ましい)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタにより成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して、インクジェット法、スピンコート法などにより作製しても構わない。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
また、第1の電極102と接する層として、後述する複合材料を含む層を用いた場合には、第1の電極102として、仕事関数の大小に関わらず、様々な金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、アルミニウムを含む合金(AlSi)等を用いることができる。また、仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金の膜は、真空蒸着法を用いて形成することができる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む合金はスパッタリング法により形成することも可能である。また、銀ペーストなどをインクジェット法などにより成膜することも可能である。
本実施の形態で示すEL層103は、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115を有している。なお、EL層103は、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体を有していればよく、その他の層の積層構造については特に限定されない。つまり、EL層103は、層の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質または正孔輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質、発光性の高い物質等を含む層と、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体とを適宜組み合わせて構成すればよい。例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等を適宜組み合わせて構成することができる。各層を構成する材料について以下に具体的に示す。
正孔注入層111は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、酸化モリブデンや酸化バナジウム、酸化ルテニウム、酸化タングステン、酸化マンガン等を用いることができる。この他、低分子の有機化合物としては、フタロシアニン(略称:H2Pc)、銅(II)フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン系の化合物、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等が挙げられる。
また、正孔注入層111として、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させた複合材料を用いることができる。なお、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させたものを用いることにより、電極の仕事関数に依らず電極を形成する材料を選ぶことができる。つまり、第1の電極102として仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数の小さい材料を用いることができる。これらの複合材料は、正孔輸送性の高い物質とアクセプター物質とを共蒸着することにより形成することができる。
なお、本明細書中において、複合とは、単に2つの材料を混合させるだけでなく、複数の材料を混合することによって材料間での電荷の授受が行われ得る状態になることを言う。
複合材料に用いる有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる有機化合物としては、正孔輸送性の高い有機化合物であることが好ましい。具体的には、10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。以下では、複合材料に用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
複合材料に用いることのできる有機化合物としては、例えば、MTDATA、TDATA、DPAB、DNTPD、DPA3B、PCzPCA1、PCzPCA2、PCzPCN1、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)等の芳香族アミン化合物や、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等のカルバゾール誘導体や、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]−2−tert−ブチル−アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン、ペンタセン、コロネン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等の芳香族炭化水素化合物を挙げることができる。
また、アクセプター性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等の有機化合物や、遷移金属酸化物を挙げることができる。また、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
また、正孔注入層111としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることができる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることができる。
また、上述したPVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPD等の高分子化合物と、上述したアクセプター性物質を用いて複合材料を形成し、正孔注入層111として用いてもよい。
正孔輸送層112は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送性の高い物質としては、低分子の有機化合物としては、NPB(またはα−NPD)、TPD、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、上述した正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させた複合材料を正孔輸送層112として用いても良い。
また、正孔輸送層112として、PVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPDなどの高分子化合物を用いることもできる。
発光層113は、発光性の高い物質を含む層であり、種々の材料を用いることができる。例えば、発光性の高い物質としては、蛍光を発光する蛍光性化合物や燐光を発光する燐光性化合物を用いることができる。
発光層に用いることのできる燐光性化合物としては、例えば、青色系の発光材料として、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス[2−(3’,5’ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIracac)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(1,2−ジフェニル−1H−ベンゾイミダゾラト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pbi)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac))などが挙げられる。また、黄色系の発光材料として、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)2(acac))、ビス[2−(4’−パーフルオロフェニルフェニル)ピリジナト]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)2(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)2(acac))などが挙げられる。また、橙色系の発光材料として、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq)3)、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)2(acac))などが挙げられる。また、赤色系の発光材料として、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)2(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)等の有機金属錯体が挙げられる。また、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))等の希土類金属錯体は、希土類金属イオンからの発光(異なる多重度間の電子遷移)であるため、燐光性化合物として用いることができる。
発光層に用いることのできる蛍光性化合物としては、例えば、青色系の発光材料として、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−tert−ブチルペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)]−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)などが挙げられる。また、黄色系の発光材料として、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)などが挙げられる。また、赤色系の発光材料として、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,13−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)などが挙げられる。
なお、発光層としては、上述した発光性の高い物質(ゲスト材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させた構成としてもよい。発光性の物質を分散させるための物質としては、各種のものを用いることができ、発光性の物質よりも最低空軌道準位(LUMO準位)が高く、最高被占有軌道準位(HOMO準位)が低い物質を用いることが好ましい。
発光性の物質を分散させるための物質としては、具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物や、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3’,3’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセンなどの縮合芳香族化合物、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、NPB(またはα−NPD)、TPD、DFLDPBi、BSPBなどの芳香族アミン化合物などを用いることができる。
また、発光性の物質を分散させるための物質は複数種用いることができる。例えば、結晶化を抑制するためにルブレン等の結晶化を抑制する物質をさらに添加してもよい。また、発光性の物質へのエネルギー移動をより効率良く行うためにNPB、あるいはAlq等をさらに添加してもよい。
発光性の高い物質を他の物質に分散させた構成とすることにより、発光層113の結晶化を抑制することができる。また、発光性の高い物質の濃度が高いことによる濃度消光を抑制することができる。
また、発光層113として高分子化合物を用いることができる。具体的には、青色系の発光材料として、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)(略称:PFO)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)](略称:PF−DMOP)、ポリ{(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−[N,N’−ジ−(p−ブチルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]}(略称:TAB−PFH)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)(略称:PPV)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−co−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,7−ジイル)](略称:PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−co−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレン)]などが挙げられる。また、橙色〜赤色系の発光材料として、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(3−ブチルチオフェン−2,5−ジイル)(略称:R4−PAT)、ポリ{[9,9−ジヘキシル−2,7−ビス(1−シアノビニレン)フルオレニレン]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}、ポリ{[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−ビス(1−シアノビニレンフェニレン)]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}(略称:CN−PPV−DPD)などが挙げられる。
電子輸送層114は、電子輸送性の高い物質を含む層である。実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体は、電子輸送性に優れているため、電子輸送層114として好適に用いることができる。なお、電子輸送層は、単層ものだけでなく、二層以上積層したものとしてもよい。
電子輸送層を二層以上積層したものとする場合、他の電子輸送性の高い物質としては、例えば、低分子の有機化合物として、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体が挙げられる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ01)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物も用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
電子輸送層を二層以上積層したものとする場合、他の電子輸送性の高い物質として、高分子化合物を用いることができる。例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)などを用いることができる。
電子注入層115は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入性の高い物質としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を用いることができる。例えば、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含有させたもの、例えばAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いることができる。なお、電子注入層として、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有させたものを用いることにより、第2の電極104からの電子注入が効率良く行われるためより好ましい。
第2の電極104を形成する物質としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下であることが好ましい)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金の膜は、真空蒸着法を用いて形成することができる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む合金はスパッタリング法により形成することも可能である。また、銀ペーストなどをインクジェット法などにより成膜することも可能である。
また、第2の電極104と電子輸送層114との間に、電子注入を促す機能を有する層である電子注入層115を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を第2の電極104として用いることができる。これら導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することが可能である。
また、EL層の形成方法としては、乾式法、湿式法を問わず、種々の方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、インクジェット法またはスピンコート法など用いても構わない。また各電極または各層ごとに異なる成膜方法を用いて形成しても構わない。
例えば、上述した材料のうち、高分子化合物を用いて湿式法でEL層を形成してもよい。または、低分子の有機化合物を用いて湿式法で形成することもできる。また、低分子の有機化合物を用いて真空蒸着法などの乾式法を用いてEL層を形成してもよい。
また、電極についても、ゾル−ゲル法を用いて湿式法で形成しても良いし、金属材料のペーストを用いて湿式法で形成してもよい。また、スパッタリング法や真空蒸着法などの乾式法を用いて形成しても良い。
例えば、本発明の発光素子を表示装置に適用し、大型基板を用いて作製する場合には、発光層は湿式法により形成することが好ましい。発光層を、インクジェット法を用いて形成することにより、大型基板を用いても発光層の塗り分けが容易となる。
以上のような構成を有する本発明の発光素子は、第1の電極102と第2の電極104との間に生じた電位差により電流が流れ、EL層103において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。
発光は、第1の電極102または第2の電極104のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極102または第2の電極104のいずれか一方または両方は、透光性を有する電極である。例えば、第1の電極102のみが透光性を有する電極である場合、発光は第1の電極102を通って基板側から取り出される。また、第2の電極104のみが透光性を有する電極である場合、発光は第2の電極104を通って基板と逆側から取り出される。第1の電極102および第2の電極104がいずれも透光性を有する電極である場合、発光は第1の電極102および第2の電極104を通って、基板側および基板と逆側の両方から取り出される。
なお、第1の電極102と第2の電極104との間に設けられる層の構成は、上記のものには限定されない。発光領域と金属とが近接することによって生じる消光を防ぐように、第1の電極102および第2の電極104から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領域を設けた構成であり、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体を有する構成であれば、上記以外のものでもよい。
つまり、層の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質または正孔輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等から成る層と、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体を適宜組み合わせて構成すればよい。
また、図2に示すように、基板101上に、陰極として機能する第2の電極104、EL層103、陽極として機能する第1の電極102とが順に積層された構成としてもよい。図2では、第2の電極104上に、電子注入層115、電子輸送層114、発光層113、正孔輸送層112、正孔注入層111が順に積層された構成となっている。
なお、本実施の形態においては、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に発光素子を作製している。一基板上にこのような発光素子を複数作製することで、パッシブマトリクス型の発光装置を作製することができる。また、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、TFTと電気的に接続された電極上に発光素子を作製してもよい。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定されない。スタガ型のTFTでもよいし、逆スタガ型のTFTでもよい。また、TFT基板に形成される駆動用回路についても、N型およびP型のTFTからなるものでもよいし、若しくはN型のTFTまたはP型のTFTのいずれか一方からのみなるものであってもよい。また、TFTに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定されない。非晶質半導体膜を用いてもよいし、結晶性半導体膜を用いてもよい。また、単結晶半導体膜を用いてもよい。単結晶半導体膜は、スマートカット法などを用いて作製することができる。
実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体は、電子輸送性に優れているため、発光素子の電子輸送層として好適に用いることができる。実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体を用いることにより、駆動電圧の低い発光素子を得ることができる。また、消費電力の低い発光素子を得ることができる。
また、有機化合物を用いた発光素子は、駆動した状態では正孔過多であるものが多い。したがって、発光効率を向上させるためには、電子輸送性に優れた材料を用い、電子をより多く供給することが重要である。実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体は電子輸送性に優れているため、発光素子に用いることで、キャリアバランスを向上させることができ、発光効率を向上させることができる。
また、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体は、熱安定性に優れている。よって、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体を用いることにより、高温状態においても劣化しにくい信頼性に優れた発光素子を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明に係る発光素子の一態様として、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体を発光層に用いた構成について説明する。
実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体は電子輸送性に優れているため、発光性の高い物質(ゲスト材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させた構成の発光層において、ホスト材料として用いることができる。
実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体をホスト材料として用いた場合、ゲスト材料が蛍光を発光する場合には、ゲスト材料として、実施の形態1に示したベンゾオキサゾール誘導体よりも最低空軌道準位(LUMO準位)が低く、最高被占有軌道準位(HOMO準位)が高い物質を用いることが好ましい。例えば、青色系の発光材料として、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)]−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)などが挙げられる。また、黄色系の発光材料として、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)などが挙げられる。また、赤色系の発光材料として、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,13−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)などが挙げられる。
また、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体をホスト材料として用いた場合、ゲスト材料が燐光を発光する場合には、ゲスト材料として、実施の形態1に示したベンゾオキサゾール誘導体よりも三重項励起エネルギーが小さい物質を用いることが好ましい。
実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体は、電子輸送性に優れているため、発光層に用いることにより、電子輸送性の高い発光層とすることができる。このような構成の発光層は、電子トラップ性の高いゲスト材料を用いた場合、高効率の発光を得ることできる。
また、発光性の物質(ゲスト材料)を分散させるための物質(ホスト材料)は複数種用いることができる。よって、発光層は、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体以外に、第2のホスト材料を含んでいても良い。実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体は電子輸送性に優れているため、第2のホスト材料としては正孔輸送性に優れている材料を用いることが好ましい。このような構成にすることにより、発光層が正孔輸送性および電子輸送性を有することになり、発光層における正孔と電子の再結合確率が高くなり、高効率の発光を得ることができる。また、低電圧駆動の発光素子を得ることができる。
また、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体は、熱安定性に優れている。よって、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体を用いることにより、高温状態においても劣化しにくい信頼性に優れた発光素子を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明に係る発光素子の一態様として、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体を電子注入層に用いた構成について説明する。
実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体は電子注入性にも優れているため、発光素子の電子注入層として用いることができる。実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体を電子注入層として用いる場合には、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体以外に、リチウム、マグネシウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含有させることが好ましい。このような構成とすることにより、陰極として機能する電極からの電子注入性が高くなり、低電圧駆動の発光素子を得ることができる。
また、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体は、熱安定性に優れている。よって、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体を用いることにより、高温状態においても劣化しにくい信頼性に優れた発光素子を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明に係る複数の発光ユニットを積層した構成の発光素子(以下、積層型素子という)の一態様について、図3を参照して説明する。この発光素子は、第1の電極と第2の電極との間に、複数の発光ユニットを有する積層型発光素子である。各発光ユニットの構成としては、実施の形態2〜実施の形態4で示した構成と同様な構成を用いることができる。つまり、実施の形態2で示した発光素子は、1つの発光ユニットを有する発光素子である。本実施の形態では、複数の発光ユニットを有する発光素子について説明する。
図3において、第1の電極501と第2の電極502との間には、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512が積層されている。第1の電極501と第2の電極502は実施の形態1と同様なものを適用することができる。また、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512は同じ構成であっても異なる構成であってもよく、その構成は実施の形態2〜実施の形態4で示した構成と同様なものを適用することができる。
電荷発生層513は、第1の電極501と第2の電極502に電圧を印加したときに、一方の側の発光ユニットに電子を注入し、他方の側の発光ユニットに正孔を注入する層であり、単層でも複数の層を積層した構成であってもよい。複数の層を積層した構成としては、正孔を注入する層と電子を注入する層とを積層する構成であることが好ましい。
正孔を注入する層としては、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化レニウム、酸化ルテニウム等の半導体や絶縁体を用いることができる。あるいは、正孔輸送性の高い物質に、アクセプター物質が添加された構成であってもよい。正孔輸送性の高い物質とアクセプター性物質を含む層は、実施の形態2で示した複合材料であり、アクセプター物質として、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)や、酸化バナジウムや酸化モリブデンや酸化タングステン等の金属酸化物を含む。正孔輸送性の高い物質としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物、オリゴマー、デンドリマー、ポリマーなど、種々の化合物を用いることができる。なお、正孔輸送性の高い物質としては、正孔移動度が10−6cm2/Vs以上であるものを適用することが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。正孔輸送性の高い物質とアクセプター性物質を含む複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。
電子を注入する層としては、酸化リチウム、フッ化リチウム、炭酸セシウム等の絶縁体や半導体を用いることができる。あるいは、電子輸送性の高い物質に、ドナー性物質が添加された構成であってもよい。ドナー性物質としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属または元素周期表における第13族に属する金属およびその酸化物、炭酸塩を用いることができる。具体的には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、イッテルビウム(Yb)、インジウム(In)、酸化リチウム、炭酸セシウムなどを用いることが好ましい。また、テトラチアナフタセンのような有機化合物をドナー性物質として用いてもよい。電子輸送性の高い物質としては、実施の形態2で示した材料を用いることができる。なお、電子輸送性の高い物質としては、電子移動度が10−6cm2/Vs以上であるものを適用することが好ましい。但し、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。電子輸送性の高い物質とドナー性物質とを有する複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。
また、電荷発生層513として、実施の形態2で示した電極材料を用いることもできる。例えば、正孔輸送性の高い物質と金属酸化物を含む層と透明導電膜とを組み合わせて形成しても良い。なお、光取り出し効率の点から、電荷発生層は透光性の高い層とすることが好ましい。
いずれにしても、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512に挟まれる電荷発生層513は、第1の電極501と第2の電極502に電圧を印加したときに、一方の側の発光ユニットに電子を注入し、他方の側の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、第1の電極の電位の方が第2の電極の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層513は、第1の発光ユニット511に電子を注入し、第2の発光ユニット512に正孔を注入するものであればいかなる構成でもよい。
本実施の形態では、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、同様に、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での発光が可能であるため、長寿命素子を実現できる。また、照明を応用例とした場合は、電極材料の抵抗による電圧降下を小さくできるので、大面積での均一発光が可能となる。また、低電圧駆動が可能で消費電力が低い発光装置を実現することができる。
また、それぞれの発光ユニットの発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、2つの発光ユニットを有する発光素子において、第1の発光ユニットの発光色と第2の発光ユニットの発光色を補色の関係になるようにすることで、発光素子全体として白色発光する発光素子を得ることも可能である。なお、補色とは、混合すると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり、補色の関係にある色を発光する物質から得られた光を混合すると、白色発光を得ることができる。また、3つの発光ユニットを有する発光素子の場合でも同様であり、例えば、第1の発光ユニットの発光色が赤色であり、第2の発光ユニットの発光色が緑色であり、第3の発光ユニットの発光色が青色である場合、発光素子全体としては、白色発光を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の発光素子を有する発光装置の一態様について説明する。
本実施の形態では、画素部に本発明の発光素子を有する発光装置について図4を用いて説明する。なお、図4(A)は、発光装置を示す上面図、図4(B)は図4(A)をA−A’およびB−B’で切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート側駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図4(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と、画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はNチャネル型TFT623とPチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は、種々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態では、画素部が形成された基板と同一基板上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を、画素部が形成された基板と同一基板上ではなく、外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と、電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆って絶縁物614が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、光の照射によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光の照射によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、第1の電極613に用いる材料としては、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。第1の電極を陽極として用いる場合には、その中でも、仕事関数の大きい(好ましくは仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。例えば、珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ膜、酸化インジウム−酸化亜鉛膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等の積層膜を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。EL層616は、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体を有している。また、EL層616を構成する材料としては、低分子化合物、または高分子化合物、オリゴマー、デンドリマーのいずれを用いてもよい。また、EL層に用いる材料としては、有機化合物だけでなく、無機化合物を用いてもよい。
また、第2の電極617に用いる材料としては、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。第2の電極を陰極として用いる場合には、その中でも、仕事関数の小さい(好ましくは仕事関数3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。例えば、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)等が挙げられる。なお、EL層616で生じた光を第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(酸化インジウム−酸化スズ(ITO)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等)との積層膜を用いることも可能である。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605が充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、本発明の発光素子を有する発光装置を得ることができる。
本発明の発光装置は、実施の形態2〜実施の形態5で示した発光素子を有する。実施の形態2〜実施の形態5で示した発光素子は駆動電圧が低いため、消費電力の低い発光装置を得ることができる。
また、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体は、熱安定性に優れているため、実施の形態1で示したベンゾオキサゾール誘導体を用いることにより、高温状態においても劣化しにくい信頼性に優れた発光装置を得ることができる。
以上のように、本実施の形態では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置について説明したが、パッシブマトリクス型の発光装置であってもよい。図5には本発明を適用して作製したパッシブマトリクス型の発光装置を示す。なお、図5(A)は、発光装置を示す斜視図、図5(B)は図5(A)をX−Yで切断した断面図である。図5において、基板951上には、電極952と電極956との間にはEL層955が設けられている。電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、陰極をパターニングすることができる。また、パッシブマトリクス型の発光装置においても、駆動電圧の低い本発明に係る発光素子を含むことによって、消費電力の低い発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、実施の形態6に示す発光装置をその一部に含む本発明の電子機器の一態様について説明する。本発明の電子機器は、実施の形態2〜実施の形態5で示した発光素子を有し、低消費電力の表示部を有する。
本発明の発光装置を用いて作製された電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を図6に示す。
図6(A)は本実施の形態に係るテレビ装置であり、筐体9101、支持台9102、表示部9103、スピーカー部9104、ビデオ入力端子9105等を含む。このテレビ装置において、表示部9103は、実施の形態2〜実施の形態5で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、駆動電圧が低く、消費電力が低いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9103も同様の特徴を有するため、このテレビ装置は低消費電力化が図られている。このような特徴により、テレビ装置において、電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、筐体9101や支持台9102の小型軽量化を図ることが可能である。本実施の形態に係るテレビ装置は、低消費電力及び小型軽量化が図られているので、それにより住環境に適合した製品を提供することができる。
図6(B)は本実施の形態に係るコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングデバイス9206等を含む。このコンピュータにおいて、表示部9203は、実施の形態2〜実施の形態5で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、駆動電圧が低く、消費電力が低いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9203も同様の特徴を有するため、このコンピュータは低消費電力化が図られている。このような特徴により、コンピュータにおいて、電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、本体9201や筐体9202の小型軽量化を図ることが可能である。本実施の形態に係るコンピュータは、低消費電力及び小型軽量化が図られているので、環境に適合した製品を提供することができる。
図6(C)はカメラであり、本体9301、表示部9302、筐体9303、外部接続ポート9304、リモコン受信部9305、受像部9306、バッテリー9307、音声入力部9308、操作キー9309、接眼部9310等を含む。このカメラにおいて、表示部9302は、実施の形態2〜実施の形態5で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、駆動電圧が低く、消費電力が低いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9302も同様の特徴を有するため、このカメラは低消費電力化が図られている。このような特徴により、カメラにおいて、電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、本体9301の小型軽量化を図ることが可能である。本実施の形態に係るカメラは、低消費電力及び小型軽量化が図られているので、携帯に適した製品を提供することができる。
図6(D)は本実施の形態に係る携帯電話であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、音声入力部9404、音声出力部9405、操作キー9406、外部接続ポート9407、アンテナ9408等を含む。この携帯電話において、表示部9403は、実施の形態2〜実施の形態5で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、駆動電圧が低く、消費電力が低いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9403も同様の特徴を有するため、この携帯電話は低消費電力化が図られている。このような特徴により、携帯電話において、電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、本体9401や筐体9402の小型軽量化を図ることが可能である。本実施の形態に係る携帯電話は、低消費電力及び小型軽量化が図られているので、携帯に適した製品を提供することができる。
図12には、図6(D)とは異なる構成の携帯電話の一例を示す。図12(A)が正面図、図12(B)が背面図、図12(C)が展開図である。図12に示す携帯電話は、電話と携帯情報端末の双方の機能を備えており、コンピュータを内蔵し、音声通話以外にも様々なデータ処理が可能な所謂スマートフォンである。
図12に示す携帯電話は、筐体1001及び1002二つの筐体で構成されている。筐体1001には、表示部1101、スピーカー1102、マイクロフォン1103、操作キー1104、ポインティングデバイス1105、カメラ用レンズ1106、外部接続端子1107、イヤホン端子1108等を備え、筐体1002には、キーボード1201、外部メモリスロット1202、カメラ用レンズ1203、ライト1204等を備えている。また、アンテナは筐体1001内部に内蔵されている。
また、上記構成に加えて、非接触ICチップ、小型記録装置等を内蔵していてもよい。
表示部1101には、実施の形態6で示した発光装置を組み込むことが可能であり、使用形態に応じて表示の方向が適宜変化する。表示部1101と同一面上にカメラ用レンズ1106を備えているため、テレビ電話が可能である。また、表示部1101をファインダーとしカメラ用レンズ1203及びライト1204で静止画及び動画の撮影が可能である。スピーカー1102及びマイクロフォン1103は音声通話に限らず、テレビ電話、録音、再生等が可能である。操作キー1104では、電話の発着信、電子メール等の簡単な情報入力、画面のスクロール、カーソル移動等が可能である。更に、重なり合った筐体1001と筐体1002(図12(A))は、スライドし図12(C)のように展開し、携帯情報端末として使用できる。この場合、キーボード1201、ポインティングデバイス1105を用い円滑な操作が可能である。外部接続端子1107はACアダプタ及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能であり、充電及びコンピュータ等とのデータ通信が可能である。また、外部メモリスロット1202に記録媒体を挿入しより大量のデータ保存及び移動に対応できる。
また、上記機能に加えて、赤外線通信機能、テレビ受信機能等を備えたものであってもよい。
図7は音響再生装置、具体例としてカーオーディオであり、本体701、表示部702、操作スイッチ703、704を含む。表示部702は実施の形態6の発光装置(パッシブマトリクス型またはアクティブマトリクス型)で実現することができる。また、この表示部702はセグメント方式の発光装置で形成しても良い。いずれにしても、本発明に係る発光素子を用いることにより、車両用電源(12〜42V)を使って、低消費電力化を図りつつ、明るい表示部を構成することができる。また、本実施の形態では車載用オーディオを示すが、携帯型や家庭用のオーディオ装置に用いても良い。
図8は、音響再生装置の一例としてデジタルプレーヤーを示している。図8に示すデジタルプレーヤーは、本体710、表示部711、メモリ部712、操作部713、イヤホン714等を含んでいる。なお、イヤホン714の代わりにヘッドホンや無線式イヤホンを用いることができる。表示部711として、実施の形態6の発光装置(パッシブマトリクス型またはアクティブマトリクス型)で実現することができる。また、この表示部711はセグメント方式の発光装置で形成しても良い。いずれにしても、本発明に係る発光素子を用いることにより、二次電池(ニッケル−水素電池など)を使っても表示が可能であり、低消費電力化を図りつつ、明るい表示部を構成することができる。メモリ部712は、ハードディスクや不揮発性メモリを用いている。例えば、記録容量が20〜200ギガバイト(GB)のNAND型不揮発性メモリを用い、操作部713を操作することにより、映像や音声(音楽)を記録、再生することができる。なお、表示部702及び表示部711は黒色の背景に白色の文字を表示することで消費電力を抑えられる。これは携帯型のオーディオ装置において特に有効である。
以上の様に、本発明を適用して作製した発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。本発明を適用することにより、低消費電力の表示部を有する電子機器を作製することが可能となる。
また、本発明を適用した発光装置は、発光効率の高い発光素子を有しており、照明装置として用いることもできる。本発明を適用した発光素子を照明装置として用いる一態様を、図9を用いて説明する。
図9には、本発明の係る発光装置を照明装置として用いた電子機器の一例として、本発明を適用した発光装置をバックライトとして用いた液晶表示装置を示す。図9に示した液晶表示装置は、筐体901、液晶層902、バックライト903、筐体904を有し、液晶層902は、ドライバIC905と接続されている。また、バックライト903は、本発明を適用した発光装置が用いられおり、端子906により、電流が供給されている。
本発明に係る発光装置は薄型で低消費電力であるため、本発明に係る発光装置を液晶表示装置のバックライトとして用いることにより、表示装置の薄型化、低消費電力化も可能となる。また、本発明に係る発光装置は、面発光の照明装置であり大面積化も可能であるため、バックライトの大面積化が可能であり、液晶表示装置の大面積化も可能になる。
図10は、本発明に係る発光装置を、照明装置である電気スタンドとして用いた例である。図10に示す電気スタンドは、筐体2001と、光源2002を有し、光源2002として、本発明に係る発光装置が用いられている。本発明の発光装置は低消費電力化されているため、電気スタンドも消費電力が低い。
図11は、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた例である。本発明に係る発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。また、本発明に係る発光装置は、低消費電力であるため、低消費電力の照明装置として用いることが可能となる。このように、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた部屋に、図6(A)で説明したような、本発明に係るテレビ装置3002を設置して公共放送や映画を鑑賞することができる。このような場合、両装置は低消費電力であるので、環境への負荷を低減することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
本実施例では、構造式(101)で表される2−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]ベンゾオキサゾール(略称:PABOx)の合成方法について説明する。
[ステップ1:4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニルボロン酸の合成]
(i)4−ブロモ−N−(2−ヒドロキシフェニル)ベンズアミド
4−ブロモ−N−(2−ヒドロキシフェニル)ベンズアミドの合成スキームを(B−1)に示す。
200mL三口フラスコに2−アミノフェノール2.2g(20mmol)、トリエチルアミン3.0mL(22mmol)、テトラヒドロフラン(THF)50mLを加えて、0℃に冷却した。冷却後、窒素気流下で、4−ブロモ安息香酸クロライド4.5g(20mmol)のTHF50mL溶液を滴下した。この溶液を、窒素気流下、0℃で4時間攪拌した。所定時間経過後、水にこの溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせ、0.2Mの塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、この有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。この混合物を、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)を通して吸引濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、目的物の白色粉末を収量5.3g、収率88%で得た。
(ii)2−(4−ブロモフェニル)ベンゾオキサゾールの合成
2−(4−ブロモフェニル)ベンゾオキサゾールの合成スキームを(B−2)に示す。
300mL三口フラスコに4−ブロモ−N−(2−ヒドロキシフェニル)ベンズアミド5.3g(18mmol)、パラ−トルエンスルホン酸1水和物8.0g(46mmol)、トルエン200mLを加えた。この混合物を、窒素気流下で4時間還流した。所定時間経過後、得られた混合物に水を加え、水層を酢酸エチルにより抽出した。この抽出溶液と有機層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄して、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。得られた混合物を、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)を通して吸引濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンにより再結晶し、目的物の白色粉末を収量3.1g、収率61%で得た。
(iii)4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニルボロン酸の合成
4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニルボロン酸の合成スキームを(B−3)に示す。
300mL3口フラスコに2−(4−ブロモフェニル)ベンゾオキサゾール5.5g(20mmol)を加え、フラスコ内を窒素置換した。これにTHF120mLを加え、窒素気流下で−78℃に冷却した。冷却後、この溶液に1.6Mのn−ブチルリチウム13mL(22mmol)を滴下し、同温度で2時間攪拌した。所定時間経過後、この溶液に、ホウ酸トリメチル4.4mL(40mmol)を加え、室温まで昇温し16時間攪拌した。所定時間経過後、1Mの塩酸100mLを溶液に注ぎ、1時間攪拌した。得られた混合物の水層を酢酸エチルで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンにより再結晶して、目的物の白色粉末を収量3.3g、収率69%で得た。
[ステップ2:9−ブロモ−10−フェニルアントラセンの合成]
(i)9−フェニルアントラセンの合成
9−フェニルアントラセンの合成スキームを(B−4)に示す。
200mL3口フラスコに、9−ブロモアントラセン6.4g(25mmol)、フェニルボロン酸3.0g(25mmol)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン0.76g(2.5mmol)、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)60mL、2.0M炭酸カリウム水溶液25mLを加えた。この混合物を減圧下で攪拌することで脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、酢酸パラジウム(II)0.11g(0.50mmol)を加え、窒素気流下、80℃で3時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物に水を加え、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、フロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)、アルミナを通して吸引濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をトルエン/メタノールで再結晶した所、目的物の白色粉末を収量5.8g、収率92%で得た。
(ii)9−ブロモ−10−フェニルアントラセンの合成
9−ブロモ−10−フェニルアントラセンの合成スキームを(B−5)に示す。
300mL3口フラスコに、9−フェニルアントラセン5.8g(23mmol)、四塩化炭素100mLを加えた。この混合物に、窒素気流下で、臭素4.0g(25mmol)の四塩化炭素30mL溶液を滴下した。滴下後、室温で12時間攪拌した。所定時間経過後、1.0Mチオ硫酸ナトリウム水溶液100mLを加えて1時間攪拌し、この混合物の水層をクロロホルムで抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、0.10Mチオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体のトルエン溶液をセライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、フロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)、アルミナを通して吸引濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。この固体にメタノールを加えた懸濁液に、超音波を照射し、固体を吸引濾過により回収したところ、目的物の淡黄色粉末を収量6.4g、収率84%で得た。
[ステップ3:2−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]ベンゾオキサゾールの合成]
2−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]ベンゾオキサゾールの合成スキームを(B−6)に示す。
50mL3口フラスコに、9−ブロモ−10−フェニルアントラセン1.0g(3.0mmol)、4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニルボロン酸0.72g(3.0mmol)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン0.10g(0.32mmol)、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)20mL、2.0Mの炭酸カリウム水溶液3.0mL(6.0mmol)を加えた。この混合物を、減圧下で攪拌する事で脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、酢酸パラジウム(II)14mg(0.062mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、80℃で6時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物に水を加え、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過し、得られた濾液を濃縮して油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘキサン=2:1)で精製し、さらにトルエン/メタノールで再結晶して、目的物の淡黄色粉末を収量1.1g、収率81%で得た。
得られた目的物1.1gを230℃、アルゴン気流下(流速3.0mL/min)、圧力10Paの条件下で、17時間昇華精製を行ったところ、目的物を収量0.96g、回収率87%で得た。この化合物を核磁気共鳴測定(NMR)によって測定し、得られた化合物が2−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]ベンゾオキサゾール(略称:PABOx)であることを確認した。
以下に1H NMRデータ及び13C NMRデータを示す。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ(ppm)=7.32−7.43(m、6H)、7.47−7.50(m、2H)、7.58−7.73(m、10H)、7.83−7.87(m、1H)、8.51(d、J=8.1Hz、2H)。13C NMR(75MHz、CDCl3):δ(ppm)=110.67、120.12、124.67、125.10、125.22、125.38、126.43、126.52、127.11、127.55、127.72、128.43、129.61、129.84、131.25、132.06、135.76、137.70、138.87、142.23、142.82、150.88、163.01。
また、1H NMRチャートを図13に示す。なお、図13(B)は、図13(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。また、13C NMRチャートを図14に示す。なお、図14(B)は、図14(A)における100.0ppm〜175.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
得られたPABOxの熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA:Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis)を行った。測定には高真空差動型示差熱天秤(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、TG−DTA2410SA)を用いた。常圧、昇温速度10℃/min、窒素気流下(流速:200mL/min)条件で測定したところ、重量と温度の関係(熱重量測定)から、5%重量減少温度は369℃、融点は256℃であり、PABOxは熱安定性に優れていることがわかった。
また、PABOxのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図15に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図15において横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では301nm付近、358nm付近、376nm付近、397nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長はトルエン溶液の場合では431nm(励起波長396nm)であった。
また、PABOxの薄膜の吸収スペクトルを図16に、PABOxの薄膜の発光スペクトルを図17に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。石英基板に蒸着して薄膜サンプルを作製し、石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図16において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。また、図17において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。薄膜の場合では269nm付近、302nm付近、363nm付近、382nm付近、396nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長は薄膜の場合では451nm(励起波長371nm)であった。
また、PABOxの薄膜状態におけるイオン化ポテンシャルを大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、5.64eVであった。その結果、HOMO準位が−5.64eVであることがわかった。さらに、PABOxの薄膜の吸収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エネルギーギャップとして見積もったところ、そのエネルギーギャップは2.93eVであった。得られたエネルギーギャップの値とHOMO準位からLUMO準位を求めたところ、−2.71eVであった。
また、PABOxの酸化還元反応特性を測定した。酸化還元反応特性は、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600A)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NClO4)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させた。さらに測定対象であるPABOxを2mmol/Lの濃度となるように溶解させた。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag+電極(ビー・エー・エス(株)製、RE7非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温で行った。
PABOxの酸化反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を−0.33Vから1.20Vまで変化させた後、1.20Vから−0.33Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。また、PABOxの還元反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を−1.13Vから−2.65Vまで変化させた後、−2.65Vから−1.13Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.1V/sに設定した。
図18にPABOxの酸化側のCV測定結果を、図19にPABOxの還元側のCV測定結果をそれぞれ示す。図18および図19において、横軸は参照電極に対する作用電極の電位(V)を表し、縦軸は作用電極と補助電極との間に流れた電流値(A)を表す。図18から、0.98V付近(vs.Ag/Ag+電極)に酸化を示す電流が観測された。また、図19から、−2.24V付近(vs.Ag/Ag+電極)に還元を示す電流が観測された。
100サイクルもの走査を繰り返しているにもかかわらず、酸化反応および還元反応において、CV曲線のピーク位置やピーク強度にあまり変化が見られなかった。このことから、本発明のベンゾオキサゾール誘導体は酸化還元反応の繰り返しに対して極めて安定であることが分かった。
本実施例では、構造式(141)で表される2−{4−〔10−(3−ピリジル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:PyABOx)の合成方法について説明する。
[ステップ1:3−(10−ブロモ−9−アントリル)ピリジンの合成]
(i)9−アントリルボロン酸
9−アントリルボロン酸の合成スキームを(C−1)に示す。
500mL3口フラスコに9−ブロモアントラセン7.7g(30mmol)を加え、フラスコ内を窒素置換した。フラスコにTHF200mLを加え、窒素気流下で−80度に冷却した。冷却後、この溶液に1.6Mのn−ブチルリチウム18mL(30mmol)を滴下し、同温度で2時間攪拌した。所定時間経過後、この溶液に、ホウ酸トリメチル6.8mL(60mmol)を加え、室温まで昇温し17時間攪拌した。所定時間経過後、1.0Mの塩酸100mLを溶液に加え、1時間攪拌した。得られた混合物の水層を酢酸エチルで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をトルエンにより再結晶して、目的物の白色粉末を収量5.2g、収率80%で得た。
(ii)3−(9−アントリル)ピリジンの合成
3−(9−アントリル)ピリジンの合成スキームを(C−2)に示す。
200mL3口フラスコに9−アントリルボロン酸5.2g(23mmol)、3−ブロモピリジン4.0g(25mmol)、炭酸ナトリウム5.2g(50mmol)、トルエン50mL、エタノール25mL、水25mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌することで脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.28g(0.25mmol)を加え、混合物を窒素気流下、80℃で7時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物に水を加え、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせて、飽和食塩水により洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥した。この混合物を自然濾過し、得られた濾液を濃縮して油状物を得た。得られた油状物をトルエン/ヘキサンにより再結晶したところ、目的物の黄色粉末を収量2.8g、収率46%で得た。
(iii)3−(10−ブロモ−9−アントリル)ピリジンの合成
3−(10−ブロモ−9−アントリル)ピリジンの合成スキームを(C−3)に示す。
200mL3口フラスコに3−(9−アントリル)ピリジン1.0g(4.0mmol)、四塩化炭素25mLを加えた。この溶液に窒素気流下で、臭素0.83g(5.1mmol)の四塩化炭素10mL溶液を滴下し、室温で26時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物に1.0Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液100mLを加えた。得られた混合物の水層をクロロホルムで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して、固体を得た。得られた固体のクロロホルム溶液をセライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、フロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)、アルミナを通して吸引濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。この固体を酢酸エチル/ヘキサンにより再結晶したところ、目的物の淡黄色粉末を収量0.74g、収率53%で得た。
[ステップ2:2−{4−〔10−(3−ピリジル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾールの合成]
2−{4−〔10−(3−ピリジル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾールの合成スキームを(C−4)に示す。
50mL3口フラスコに、3−(10−ブロモ−9−アントリル)ピリジン0.70g(2.1mmol)、4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニルボロン酸0.52g(2.1mmol)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン65mg(0.21mmol)、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)20mL、2.0Mの炭酸カリウム水溶液2.5mL(5.0mmol)を加えた。この混合物を、減圧下で攪拌する事で脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、酢酸パラジウム(II)10mg(0.047mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、120℃で10時間還流した。所定時間経過後、この混合物に水を加え、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過し、得られた濾液を濃縮して油状物質を得た。この油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=4:1)で精製し、さらにトルエン/ヘキサンで再結晶して、目的物の淡黄色粉末を収量0.58g、収率61%で得た。
得られた目的物0.52gを230℃、アルゴン気流下(流速3.0mL/min)、圧力10Paの条件下で、17時間昇華精製を行ったところ、目的物を収量0.41g、回収率78%で得た。この化合物を核磁気共鳴法(NMR)によって測定し、得られた化合物が2−{4−〔10−(3−ピリジル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:PyABOx)であることを確認した。
以下に1H NMRデータを示す。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ(ppm)=7.38−7.45(m、6H)、7.57−7.76(m、8H)、7.83−7.87(m、2H)、8.52(dd、J=7.5Hz、1.5Hz、2H)、8.76(d、J=1.8Hz、1H)、8.85(dd、J=4.8Hz、1.5Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図20に示す。なお、図20(B)は、図20(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
得られたPyABOxの熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA:Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis)を行った。測定には高真空差動型示差熱天秤(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、TG−DTA2410SA)を用いた。常圧、昇温速度10℃/min、窒素気流下(流速:200mL/min)条件で測定したところ、重量と温度の関係(熱重量測定)から、5%重量減少温度は380℃、融点は242℃であり、熱安定性に優れていることがわかった。
また、PyABOxのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図21に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図21において横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では300nm付近、358nm付近、377nm付近、397nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長はトルエン溶液の場合では431nm(励起波長394nm)であった。
また、PyABOxの薄膜の吸収スペクトルを図22に、PyABOxの薄膜の発光スペクトルを図23に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。石英基板に蒸着して薄膜サンプルを作製し、石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図22において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。また、図23において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。薄膜の場合では267nm付近、301nm付近、363nm付近、383nm付近、404nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長は薄膜の場合では446nm(励起波長403nm)であった。
また、PyABOxの薄膜状態におけるイオン化ポテンシャルを大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、5.81eVであった。その結果、HOMO準位が−5.81eVであることがわかった。さらに、PyABOxの薄膜の吸収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エネルギーギャップとして見積もったところ、そのエネルギーギャップは2.90eVであった。得られたエネルギーギャップの値とHOMO準位からLUMO準位を求めたところ、−2.91eVであった。
また、PyABOxの酸化還元反応特性を測定した。酸化還元反応特性は、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600A)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NClO4)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させた。さらに測定対象であるPyABOxを2mmol/Lの濃度となるように溶解させた。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag+電極(ビー・エー・エス(株)製、RE7非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温で行った。
PyABOxの酸化反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を−0.29Vから1.20Vまで変化させた後、1.20Vから−0.29Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。また、PyABOxの還元反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を−0.94Vから−2.60Vまで変化させた後、−2.60Vから−0.94Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.1V/sに設定した。
図24にPyABOxの酸化側のCV測定結果を、図25にPyABOxの還元側のCV測定結果をそれぞれ示す。図24および図25において、横軸は参照電極に対する作用電極の電位(V)を表し、縦軸は作用電極と補助電極との間に流れた電流値(A)を表す。図24から、0.98V付近(vs.Ag/Ag+電極)に酸化を示す電流が観測された。また、図25から、−2.20V付近(vs.Ag/Ag+電極)に還元を示す電流が観測された。
100サイクルもの走査を繰り返しているにもかかわらず、酸化反応および還元反応において、CV曲線のピーク位置やピーク強度にあまり変化が見られない。このことから、本発明のベンゾオキサゾール誘導体は酸化還元反応の繰り返しに対して極めて安定であることが分かった。
本実施例では、本発明の発光素子について、図26を用いて説明する。本実施例で用いた材料の構造式を以下に示す。なお、すでに構造式を示した材料については省略する。
以下に、本実施例の発光素子の作製方法を示す。
(発光素子1)
まず、ガラス基板2101上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2102を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極2102が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定した。成膜室を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2102上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む層2111を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)との比率は、重量比で4:1(=NPB:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、複合材料を含む層2111上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2112を形成した。
さらに、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)と4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)とを共蒸着することにより、正孔輸送層2112上に30nmの膜厚の発光層2113を形成した。ここで、CzPAとPCBAPAとの重量比は、1:0.1(=CzPA:PCBAPA)となるように調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2113上に、構造式(101)で表される2−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]ベンゾオキサゾール(略称:PABOx)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2114を形成した。
さらに、電子輸送層2114上に、フッ化リチウムを1nmの膜厚となるように成膜し、電子注入層2115を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層2115上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2104を形成することで、発光素子1を作製した。
(発光素子2)
発光素子1と同一基板を用い、PABOxの代わりに、構造式(141)で表される2−{4−〔10−(3−ピリジル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:PyABOx)を用いて、発光素子1と同様に発光素子2を作製した。つまり、構造式(141)で表される2−{4−〔10−(3−ピリジル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:PyABOx)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2114を形成した。電子輸送層2114以外は発光素子1と同様に作製した。
(比較発光素子3)
発光素子1と同一基板を用い、PABOxの代わりに、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を用いて、発光素子1と同様に比較発光素子3を作製した。つまり、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2114を形成した。電子輸送層2114以外は発光素子1と同様に作製した。
以上により得られた発光素子1および発光素子2、比較発光素子3を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子1および発光素子2、比較発光素子3の電流密度−輝度特性を図27に示す。また、電圧−輝度特性を図28に示す。また、輝度−電流効率特性を図29に示す。また、電圧−電流特性を図30に示す。
また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図31に示す。図31から、発光素子1および発光素子2、比較発光素子3の発光は、PCBAPAに由来した発光であることがわかった。
比較発光素子3において、輝度1100cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.21)であり、青色の発光を示した。また、輝度1100cd/m2のときの電流効率は4.7cd/Aであり、外部量子効率は3.0%であった。また、輝度1100cd/m2のときの電圧は6.0V、電流密度は23.6mA/cm2、パワー効率は2.4lm/Wであった。
一方、発光素子1において、輝度800cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.20)であり、青色の発光を示した。また、輝度800cd/m2のときの電流効率は6.8cd/Aであり、外部量子効率は4.5%であり、比較発光素子3よりも高い発光効率を示した。また、輝度800cd/m2のときの電圧は3.0Vであり、比較発光素子3に比べて大幅に駆動電圧が低減されていることがわかる。また、電流密度は11.8mA/cm2、パワー効率は7.1lm/Wであり、高いパワー効率を示した。
また、発光素子2において、輝度1210cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.19)であり、青色の発光を示した。また、輝度1210cd/m2のときの電流効率は6.3cd/Aであり、外部量子効率は4.3%であり、比較発光素子3よりも高い発光効率を示した。また、輝度1210cd/m2のときの電圧は3.4Vであり、比較発光素子3に比べて大幅に駆動電圧が低減されていることがわかる。また、電流密度は19.3mA/cm2、パワー効率は5.8lm/Wであり、高いパワー効率を示した。
また、図30からわかるように、発光素子1および発光素子2は比較発光素子3に比べて、同じ電流を流すために必要な電圧が低い。そして、図29からわかるように、発光素子1および発光素子2は比較発光素子3に比べて、電流効率も高い。よって、図28に示すように、同じ輝度を得るために必要な電圧が低く、消費電力を低減することができたことがわかる。
よって、本発明のベンゾオキサゾール誘導体は電子輸送性に優れている。また、本発明のベンゾオキサゾール誘導体を発光素子に用いることにより、低電圧駆動の発光素子を得ることができる。また、低消費電力の発光素子を得ることができる。
本実施例では、本発明の発光素子について、図32を用いて説明する。以下に、本実施例の発光素子の作製方法を示す。
(発光素子4)
まず、ガラス基板2201上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2202を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極2202が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定した。成膜室を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2202上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む層2211を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)との比率は、重量比で4:1(=NPB:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、複合材料を含む層2211上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2212を形成した。
さらに、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)と4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)とを共蒸着することにより、正孔輸送層2212上に30nmの膜厚の発光層2213を形成した。ここで、CzPAとPCBAPAとの重量比は、1:0.1(=CzPA:PCBAPA)となるように調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2213上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を10nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層(A)2214を形成した。さらに、電子輸送層(A)2214上に、構造式(101)で表される2−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]ベンゾオキサゾール(略称:PABOx)を20nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層(B)2215を形成した。よって、本実施例の発光素子は、電子輸送層を二層積層した構成となっている。
さらに、電子輸送層(B)2215上に、フッ化リチウムを1nmの膜厚となるように成膜し、電子注入層2216を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層2216上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2204を形成することで、発光素子4を作製した。
(発光素子5)
発光素子4と同一基板を用い、PABOxの代わりに、構造式(141)で表される2−{4−〔10−(3−ピリジル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:PyABOx)を用いて、発光素子4と同様に発光素子5を作製した。つまり、構造式(141)で表される2−{4−〔10−(3−ピリジル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:PyABOx)を20nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層(B)2215を形成した。電子輸送層(B)2215以外は発光素子4と同様に作製した。
以上により得られた発光素子4および発光素子5を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子4および発光素子5の電流密度−輝度特性を図33に示す。また、電圧−輝度特性を図34に示す。また、輝度−電流効率特性を図35に示す。また、電圧−電流特性を図36に示す。
また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図37に示す。図37から、発光素子4および発光素子5の発光は、PCBAPAに由来した発光であることがわかる。
発光素子4において、輝度1080cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.21)であり、青色の発光を示した。また、輝度1080cd/m2のときの電流効率は5.3cd/Aであり、外部量子効率は3.5%であり、高い発光効率を示した。また、輝度1080cd/m2のときの電圧は4.4Vであり、低電圧駆動であることがわかる。また、電流密度は20.4mA/cm2、パワー効率は3.8lm/Wであり、高いパワー効率を示した。
また、発光素子5において、輝度1000cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.20)であり、青色の発光を示した。また、輝度1000cd/m2のときの電流効率は5.2cd/Aであり、外部量子効率は3.5%であった。また、輝度1000cd/m2のときの電圧は4.2Vであり、低電圧駆動であることがわかる。また、電流密度は19.3mA/cm2、パワー効率は3.9lm/Wであり、高いパワー効率を示した。
また、発光素子4および発光素子5に関し、初期輝度を1000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を図38に示す(縦軸は、1000cd/m2を100%とした時の相対輝度である)。図38からわかるように、発光素子4および発光素子5は、600時間後でも初期輝度の80%程度の輝度を保っていることがわかる。
発光素子4および発光素子5は、電子輸送層(A)としてAlqを用いているが、第2の電子輸送層(電子輸送層(B))として本発明のベンゾオキサゾール誘導体を用いることにより、実施例3で示した比較発光素子3のようにAlqからなる層のみで電子輸送層を構成した場合に比べても、大幅に駆動電圧を低減することができることがわかる。また、高い発光効率の発光素子を得ることができる。そのため、消費電力を低減することができる。
よって、本発明のベンゾオキサゾール誘導体は電子輸送性に優れている。また、本発明のベンゾオキサゾール誘導体を発光素子に用いることにより、低電圧駆動の発光素子を得ることができる。また、低消費電力の発光素子を得ることができる。
本実施例では、構造式(129)で表される2−{4−〔10−(1−ナフチル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:NABOx)の合成方法について説明する。
[ステップ1:2−[4−(10−ブロモ−9−アントリル)フェニル]ベンゾオキサゾールの合成]
(i)2−[4−(9−アントリル)フェニル]ベンゾオキサゾール
2−[4−(9−アントリル)フェニル]ベンゾオキサゾールの合成スキームを(D−1)に示す。
200mL3口フラスコに、4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニルボロン酸3.7g(15mmol)、9−ブロモアントラセン3.9g(15mmol)、炭酸ナトリウム3.3g(31mmol)、トルエン60mL、エタノール15mL、水15mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌する事で脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.16g(0.14mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、110℃で6時間攪拌した。所定時間経過後、得られた混合物に水を加え、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和食塩水で洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体のトルエン溶液をセライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)で吸引濾過し、濾液を濃縮した。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、目的物の黄色粉末を収量3.3g、収率57%で得た。
(ii)2−[4−(10−ブロモ−9−アントリル)フェニル]ベンゾオキサゾール
2−[4−(10−ブロモ−9−アントリル)フェニル]ベンゾオキサゾールの合成スキームを(D−2)に示す。
1Lマイヤーフラスコに2−[4−(9−アントリル)フェニル]ベンゾオキサゾール3.3g(8.8mmol)、トルエン50mL、酢酸エチル200mLを加えた。この溶液に、N−ブロモコハク酸イミド1.6g(8.8mmol)を少量ずつ加えた。この溶液を大気下で25時間攪拌した。所定時間経過後、この溶液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘキサン=5:1)により精製して固体を得た。得られた固体をトルエン/メタノールで再結晶したところ、目的物の黄色粉末を収量3.3g、収率82%で得た。
[ステップ2:2−{4−〔10−(1−ナフチル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾールの合成]
2−{4−〔10−(1−ナフチル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾールの合成スキームを(D−3)に示す。
50mL3口フラスコに、2−〔4−(10−ブロモ−9−アントリル)フェニル〕ベンゾオキサゾール0.90g(2.0mmol)、1−ナフタレンボロン酸0.37g(2.2mmol)、炭酸ナトリウム0.50g(4.7mmol)、トルエン10mL、エタノール3mL、水3mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌する事で脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)32mg(0.027mmol)を加え、窒素気流下、80℃で7時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物に水を加え、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘキサン=2:1)で精製し、さらにトルエン/ヘキサンで再結晶して、目的物の淡黄色粉末を収量0.78g、収率78%で得た。
得られた目的物0.79gを240℃、アルゴン気流下(流速3.0mL/min)、圧力10Paの条件下で、15時間昇華精製を行ったところ、目的物を収量0.67g、回収率84%で得た。この化合物を核磁気共鳴測定(NMR)によって測定し、得られた化合物が2−{4−〔10−(1−ナフチル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:NABOx)であることを確認した。
以下に1H NMRデータを示す。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ(ppm)=7.15−7.27(m、4H)、7.33−7.52(m、7H)、7.58(d、J=6.3Hz、1H)、7.64−7.78(m、6H)、7.84−7.88(m、1H)、8.03(d、J=8.1Hz、1H)、8.08(d、J=8.1Hz、1H)、8.52−8.56(m、2H)。
また、1H NMRチャートを図39に示す。なお、図39(B)は、図39(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである
また、NABOxのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図40に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図40において横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では341nm付近、358nm付近、377nm付近、397nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長はトルエン溶液の場合では429nm(励起波長398nm)であった。
また、NABOxの薄膜の吸収スペクトルを図41に、NABOxの薄膜の発光スペクトルを図42に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。石英基板に蒸着して薄膜サンプルを作製し、石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図41において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。また、図42において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。薄膜の場合では226nm付近、269nm付近、296nm付近、363nm付近、382nm付近、403nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長は薄膜の場合では441nm(励起波長403nm)であった。
また、NABOxの薄膜状態におけるイオン化ポテンシャルを大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、5.85eVであった。その結果、HOMO準位が−5.85eVであることがわかった。さらに、NABOxの薄膜の吸収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エネルギーギャップとして見積もったところ、そのエネルギーギャップは2.94eVであった。得られたエネルギーギャップの値とHOMO準位からLUMO準位を求めたところ、−2.91eVであった。
また、NABOxの酸化還元反応特性を測定した。酸化還元反応特性は、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600A)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NClO4)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させた。さらに測定対象であるNABOxを2mmol/Lの濃度となるように溶解させた。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag+電極(ビー・エー・エス(株)製、RE7非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温で行った。
NABOxの酸化反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を0.22Vから1.10Vまで変化させた後、1.10Vから0.22Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。また、NABOxの還元反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を−1.30Vから−2.45Vまで変化させた後、−2.45Vから−1.30Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.1V/sに設定した。
図43にNABOxの酸化側のCV測定結果を、図44にNABOxの還元側のCV測定結果をそれぞれ示す。図43および図44において、横軸は参照電極に対する作用電極の電位(V)を表し、縦軸は作用電極と補助電極との間に流れた電流値(A)を表す。図43から、1.02V付近(vs.Ag/Ag+電極)に酸化を示す電流が観測された。また、図44から、−2.23V付近(vs.Ag/Ag+電極)に還元を示す電流が観測された。
100サイクルもの走査を繰り返しているにもかかわらず、酸化反応および還元反応において、CV曲線のピーク位置やピーク強度にあまり変化が見られなかった。このことから、本発明のベンゾオキサゾール誘導体は酸化還元反応の繰り返しに対して極めて安定であることが分かった。
本実施例では、構造式(126)で表される2−{4−〔10−(ビフェニル−4−イル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:BPhABOx)の合成方法について説明する。
[ステップ1:2−{4−〔10−(ビフェニル−4−イル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾールの合成]
2−{4−〔10−(ビフェニル−4−イル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾールの合成スキームを(E−1)に示す。
100mL3口フラスコに、2−〔4−(10−ブロモ−9−アントリル)フェニル〕ベンゾオキサゾール0.91g(2.0mmol)、4−ビフェニルボロン酸0.44g(2.2mmol)、炭酸ナトリウム0.47g(4.4mmol)、トルエン10mL、エタノール3mL、水3mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌する事で脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)29mg(0.025mmol)を加え、窒素気流下、80℃で13時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物を室温まで冷却し、析出した固体を吸引濾過により回収し、水で洗浄した。得られた固体のトルエン溶液をセライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、アルミナを通して吸引濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をトルエン/ヘキサンにより再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量0.52gで得た。さらに、攪拌終了後の吸引濾過による濾液の水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。この固体のトルエン溶液をセライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、アルミナを通して吸引濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をトルエン/ヘキサンにより再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量0.47gで得られた。これらの操作により、目的物の白色固体を全量で収量0.99g、収率93%で得た。
得られた目的物0.97gを290℃、アルゴン気流下(流速3.0mL/min)、圧力10Paの条件下で、15時間昇華精製を行ったところ、目的物を収量0.88g、回収率90%で得た。この化合物を核磁気共鳴測定(NMR)によって測定し、得られた化合物が2−{4−〔10−(ビフェニル−4−イル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:BPhABOx)であることを確認した。
以下に1H NMRデータを示す。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ(ppm)=7.36−7.45(m、7H)、7.51−7.59(m、4H)、7.65−7.87(m、12H)、8.52(d、J=8.1Hz、2H)。
また、1H NMRチャートを図45に示す。なお、図45(B)は、図45(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである
また、BPhABOxのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図46に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図46において横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では340nm付近、358nm付近、376nm付近、397nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長はトルエン溶液の場合では438nm(励起波長398nm)であった。
また、BPhABOxの薄膜の吸収スペクトルを図47に、BPhABOxの薄膜の発光スペクトルを図48に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。石英基板に蒸着して薄膜サンプルを作製し、石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図47において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。また、図48において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。薄膜の場合では204nm付近、268nm付近、301nm付近、364nm付近、383nm付近、404nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長は薄膜の場合では454nm(励起波長401nm)であった。
また、BPhABOxの薄膜状態におけるイオン化ポテンシャルを大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、5.71eVであった。その結果、HOMO準位が−5.71eVであることがわかった。さらに、BPhABOxの薄膜の吸収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エネルギーギャップとして見積もったところ、そのエネルギーギャップは2.90eVであった。得られたエネルギーギャップの値とHOMO準位からLUMO準位を求めたところ、−2.81eVであった。
また、BPhABOxの酸化還元反応特性を測定した。酸化還元反応特性は、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600A)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NClO4)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させた。さらに測定対象であるBPhABOxを2mmol/Lの濃度となるように溶解させた。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag+電極(ビー・エー・エス(株)製、RE7非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温で行った。
BPhABOxの酸化反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を0.00Vから1.05Vまで変化させた後、1.05Vから0.00Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。また、BPhABOxの還元反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を−1.20Vから−2.30Vまで変化させた後、−2.30Vから−1.20Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.1V/sに設定した。
図49にBPhABOxの酸化側のCV測定結果を、図50にBPhABOxの還元側のCV測定結果をそれぞれ示す。図49および図50において、横軸は参照電極に対する作用電極の電位(V)を表し、縦軸は作用電極と補助電極との間に流れた電流値(A)を表す。図49から、0.97V付近(vs.Ag/Ag+電極)に酸化を示す電流が観測された。また、図50から、−2.21V付近(vs.Ag/Ag+電極)に還元を示す電流が観測された。
100サイクルもの走査を繰り返しているにもかかわらず、酸化反応および還元反応において、CV曲線のピーク位置やピーク強度にあまり変化が見られなかった。このことから、本発明のベンゾオキサゾール誘導体は酸化還元反応の繰り返しに対して極めて安定であることが分かった。
本実施例では、構造式(131)で表される2−(4−{10−〔4−(1−ナフチル)フェニル〕−9−アントリル}フェニル)ベンゾオキサゾール(略称:NPhABOx)の合成方法について説明する。
[ステップ1:2−(4−{10−〔4−(1−ナフチル)フェニル〕−9−アントリル}フェニル)ベンゾオキサゾールの合成]
2−(4−{10−〔4−(1−ナフチル)フェニル〕−9−アントリル}フェニル)ベンゾオキサゾールの合成スキームを(F−1)に示す。
50mL3口フラスコに、2−〔4−(10−ブロモ−9−アントリル)フェニル〕ベンゾオキサゾール0.97g(2.2mmol)、4−(1−ナフチル)フェニルボロン酸0.57g(2.3mmol)、炭酸ナトリウム0.46g(4.3mmol)、トルエン15mL、エタノール3mL、水3mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌する事で脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)35mg(0.030mmol)を加え、窒素気流下、100℃で18時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物に水を加え、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘキサン=2:1)で精製し、さらにトルエン/ヘキサンで再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量1.2g、収率94%で得た。
得られた目的物1.2gを385℃、アルゴン気流下(流速3.0mL/min)、圧力10Paの条件下で、15時間昇華精製を行ったところ、目的物を収量1.1g、回収率91%で得た。この化合物を核磁気共鳴測定(NMR)によって測定し、得られた化合物が2−(4−{10−〔4−(1−ナフチル)フェニル〕−9−アントリル}フェニル)ベンゾオキサゾール(略称:NPhABOx)であることを確認した。
以下に1H NMRデータを示す。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ(ppm)=7.38−7.47(m、6H)、7.55−7.78(m、13H)、7.84−7.99(m、5H)、8.17−8.20(m、1H)、8.53(d、J=8.1Hz、2H)。
また、1H NMRチャートを図51に示す。なお、図51(B)は、図51(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである
また、NPhABOxのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図52に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図52において横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では341nm付近、359nm付近、377nm付近、398nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長はトルエン溶液の場合では438nm(励起波長397nm)であった。
また、NPhABOxの薄膜の吸収スペクトルを図53に、NPhABOxの薄膜の発光スペクトルを図54に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。石英基板に蒸着して薄膜サンプルを作製し、石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図53において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。また、図54において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。薄膜の場合では225nm付近、269nm付近、299nm付近、364nm付近、383nm付近、403nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長は薄膜の場合では452nm(励起波長404nm)であった。
また、NPhABOxの薄膜状態におけるイオン化ポテンシャルを大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、5.69eVであった。その結果、HOMO準位が−5.69eVであることがわかった。さらに、NPhABOxの薄膜の吸収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エネルギーギャップとして見積もったところ、そのエネルギーギャップは2.92eVであった。得られたエネルギーギャップの値とHOMO準位からLUMO準位を求めたところ、−2.77eVであった。
また、NPhABOxの酸化還元反応特性を測定した。酸化還元反応特性は、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600A)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NClO4)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させた。さらに測定対象であるNPhABOxを2mmol/Lの濃度となるように溶解させた。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag+電極(ビー・エー・エス(株)製、RE7非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温で行った。
BPhABOxの酸化反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を−0.08Vから1.07Vまで変化させた後、1.07Vから−0.08Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。また、BPhABOxの還元反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を−1.37Vから−2.30Vまで変化させた後、−2.30Vから−1.37Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.1V/sに設定した。
図55にNPhABOxの酸化側のCV測定結果を、図56にNPhABOxの還元側のCV測定結果をそれぞれ示す。図55および図56において、横軸は参照電極に対する作用電極の電位(V)を表し、縦軸は作用電極と補助電極との間に流れた電流値(A)を表す。図55から、0.99V付近(vs.Ag/Ag+電極)に酸化を示す電流が観測された。また、図56から、−2.22V付近(vs.Ag/Ag+電極)に還元を示す電流が観測された。
100サイクルもの走査を繰り返しているにもかかわらず、酸化反応および還元反応において、CV曲線のピーク位置やピーク強度にあまり変化が見られなかった。このことから、本発明のベンゾオキサゾール誘導体は酸化還元反応の繰り返しに対して極めて安定であることが分かった。
本実施例では、構造式(130)で表される2−{4−〔10−(2−ナフチル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:2NABOx)の合成方法について説明する。
[ステップ1:2−{4−〔10−(2−ナフチル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾールの合成]
2−{4−〔10−(2−ナフチル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾールの合成スキームを(G−1)に示す。
50mL3口フラスコに、2−〔4−(10−ブロモ−9−アントリル)フェニル〕ベンゾオキサゾール0.90g(2.0mmol)、2−ナフタレンボロン酸0.37g(2.2mmol)、炭酸ナトリウム0.45g(4.2mmol)、トルエン10mL、エタノール3mL、水2mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌する事で脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)31mg(0.027mmol)を加え、窒素気流下、80℃で7時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物に水を加え、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過により濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘキサン=2:1)で精製し、さらにトルエン/ヘキサンで再結晶したところ、目的物の黄色粉末を収量0.92g、収率92%で得た。
得られた目的物0.91gを255℃、アルゴン気流下(流速3.0mL/min)、圧力10Paの条件下で、18時間昇華精製を行ったところ、目的物を収量0.81g、回収率89%で得た。この化合物を核磁気共鳴測定(NMR)によって測定し、得られた化合物が2−{4−〔10−(2−ナフチル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:2NABOx)であることを確認した。
以下に1H NMRデータを示す。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ(ppm)=7.30−7.44(m、6H)、7.57−7.78(m、10H)、7.84−8.04(m、4H)、8.08(d、J=8.4Hz、1H)、8.52(d、J=8.4Hz、2H)。
また、1H NMRチャートを図57に示す。なお、図57(B)は、図57(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである
また、2NABOxのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図58に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図58において横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では340nm付近、359nm付近、378nm付近、398nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長はトルエン溶液の場合では437nm(励起波長398nm)であった。
また、2NABOxの薄膜の吸収スペクトルを図59に、2NABOxの薄膜の発光スペクトルを図60に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。石英基板に蒸着して薄膜サンプルを作製し、石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図59において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。また、図60において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。薄膜の場合では228nm付近、266nm付近、300nm付近、365nm付近、383nm付近、404nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長は薄膜の場合では453nm(励起波長405nm)であった。
また、2NABOxの薄膜状態におけるイオン化ポテンシャルを大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、5.82eVであった。その結果、HOMO準位が−5.82eVであることがわかった。さらに、2NABOxの薄膜の吸収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エネルギーギャップとして見積もったところ、そのエネルギーギャップは2.91eVであった。得られたエネルギーギャップの値とHOMO準位からLUMO準位を求めたところ、−2.91eVであった。
また、2NABOxの酸化還元反応特性を測定した。酸化還元反応特性は、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600A)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NClO4)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させた。さらに測定対象である2NABOxを2mmol/Lの濃度となるように溶解させた。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag+電極(ビー・エー・エス(株)製、RE7非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温で行った。
2NABOxの酸化反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を0.23Vから1.05Vまで変化させた後、1.05Vから0.23Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。また、2NABOxの還元反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を−1.12Vから−2.45Vまで変化させた後、−2.45Vから−1.12Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.1V/sに設定した。
図61に2NABOxの酸化側のCV測定結果を、図62に2NABOxの還元側のCV測定結果をそれぞれ示す。図61および図62において、横軸は参照電極に対する作用電極の電位(V)を表し、縦軸は作用電極と補助電極との間に流れた電流値(A)を表す。図61から、0.98V付近(vs.Ag/Ag+電極)に酸化を示す電流が観測された。また、図62から、−2.21V付近(vs.Ag/Ag+電極)に還元を示す電流が観測された。
100サイクルもの走査を繰り返しているにもかかわらず、酸化反応および還元反応において、CV曲線のピーク位置やピーク強度にあまり変化が見られなかった。このことから、本発明のベンゾオキサゾール誘導体は酸化還元反応の繰り返しに対して極めて安定であることが分かった。
本実施例では、構造式(158)で表される3−{10−[4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]−9−アントリル}キノリン(略称:3QABOx)の合成方法について説明する。
[ステップ1:10−[4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]−9−アントラセンボロン酸の合成]
10−[4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]−9−アントラセンボロン酸の合成スキームを(H−1)に示す。
300mL3口フラスコに2−[4−(10−ブロモ−9−アントリル)フェニル]ベンゾオキサゾール5.2g(11mmol)を加え、フラスコ内を窒素置換した。これにテトラヒドロフラン130mLを加え、窒素気流下で−78℃に冷却した。冷却後、この溶液に1.7Mのn−ブチルリチウム7.8mL(13mmol)を滴下し、同温度で2時間攪拌した。所定時間経過後、この溶液に、ホウ酸トリメチル1.7mL(15mmol)を加え、室温まで昇温し20時間攪拌した。所定時間経過後、この溶液に1.0Mの塩酸100mLを加えて1時間攪拌し、この混合物の水層を酢酸エチルで抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和食塩水で洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をトルエンで再結晶し、目的物の淡黄色粉末を収量2.0g、収率41%で得た。
[ステップ2:3−{10−[4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]−9−アントリル}キノリンの合成]
3−{10−[4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]−9−アントリル}キノリンの合成スキームを(H−2)に示す。
100mL3口フラスコに10−[4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]−9−アントラセンボロン酸1.0g(2.4mmol)、3−ブロモキノリン0.61g(2.9mmol)、炭酸ナトリウム0.70g(6.6mmol)、トルエン20mL、エタノール5mL、水3mLを加えた。この混合物を減圧下で攪拌する事で脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)59mg(0.051mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、100℃で5時間還流した。所定時間経過後、この混合物に水を加え、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、さらにトルエン/ヘキサンで再結晶し、目的物の淡黄色粉末を収量0.75g、収率63%で得た。
得られた目的物0.75gを240℃、アルゴン気流下(流速3.0mL/min)、圧力10Paの条件下で、15時間昇華精製を行ったところ、目的物を収量0.56g、回収率74%で得た。この化合物を核磁気共鳴測定(NMR)によって測定し、得られた化合物が3−{10−[4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]−9−アントリル}キノリン(略称:3QABOx)であることを確認した。
以下に1H NMRデータを示す。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ(ppm)=7.35−7.43(m、6H)、7.64−7.90(m、10H)、7.96(dd、J=7.8Hz、1.5Hz、1H)、8.31−8.35(m、2H)、8.54(d、J=8.7Hz、2H)、9.05(d、J=1.8Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図63に示す。なお、図63(B)は、図63(A)における7.0ppm〜9.5ppmの範囲を拡大して表したチャートである
また、3QABOxのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図64に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図64において横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では342nm付近、360nm付近、379nm付近、398nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長はトルエン溶液の場合では439nm(励起波399nm)であった。
また、3QABOxの薄膜の吸収スペクトルを図65に、3QABOxの薄膜の発光スペクトルを図66に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。石英基板に蒸着して薄膜サンプルを作製し、石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。図65において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。また、図66において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。薄膜の場合では205nm付近、231nm付近、266nm付近、302nm付近、385nm付近、405nm付近に吸収が見られた。また、最大発光波長は薄膜の場合では455nm(励起波長408nm)であった。
また、3QABOxの薄膜状態におけるイオン化ポテンシャルを大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、5.84eVであった。その結果、HOMO準位が−5.84eVであることがわかった。さらに、3QABOxの薄膜の吸収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エネルギーギャップとして見積もったところ、そのエネルギーギャップは2.99eVであった。得られたエネルギーギャップの値とHOMO準位からLUMO準位を求めたところ、−2.85eVであった。
また、3QABOxの酸化還元反応特性を測定した。酸化還元反応特性は、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600A)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NClO4)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させた。さらに測定対象である3QABOxを2mmol/Lの濃度となるように溶解させた。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag+電極(ビー・エー・エス(株)製、RE7非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温で行った。
3QABOxの酸化反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を−0.03Vから1.10Vまで変化させた後、1.10Vから−0.03Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。また、3QABOxの還元反応特性については次のようにして調べた。参照電極に対する作用電極の電位を−1.48Vから−2.35Vまで変化させた後、−2.35Vから−1.48Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.1V/sに設定した。
図67に3QABOxの酸化側のCV測定結果を、図68に3QABOxの還元側のCV測定結果をそれぞれ示す。図67および図68において、横軸は参照電極に対する作用電極の電位(V)を表し、縦軸は作用電極と補助電極との間に流れた電流値(A)を表す。図67から、1.04V付近(vs.Ag/Ag+電極)に酸化を示す電流が観測された。また、図68から、−2.18V付近(vs.Ag/Ag+電極)に還元を示す電流が観測された。
100サイクルもの走査を繰り返しているにもかかわらず、酸化反応および還元反応において、CV曲線のピーク位置やピーク強度にあまり変化が見られなかった。このことから、本発明のベンゾオキサゾール誘導体は酸化還元反応の繰り返しに対して極めて安定であることが分かった。
本実施例では、本発明の発光素子について、図26を用いて説明する。以下に、本実施例の発光素子の作製方法を示す。
(発光素子6)
まず、ガラス基板2101上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2102を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極2102が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定した。成膜室を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2102上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む層2111を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)との比率は、重量比で4:1(=NPB:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、複合材料を含む層2111上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2112を形成した。
さらに、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)と4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)とを共蒸着することにより、正孔輸送層2112上に30nmの膜厚の発光層2113を形成した。ここで、CzPAとPCBAPAとの重量比は、1:0.1(=CzPA:PCBAPA)となるように調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2113上に、構造式(131)で表される2−(4−{10−〔4−(1−ナフチル)フェニル〕−9−アントリル}フェニル)ベンゾオキサゾール(略称:NPhABOx)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2114を形成した。
さらに、電子輸送層2114上に、フッ化リチウムを1nmの膜厚となるように成膜し、電子注入層2115を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層2115上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2104を形成することで、発光素子6を作製した。
(発光素子7)
発光素子6と同一基板を用い、NPhABOxの代わりに、構造式(126)で表される2−{4−〔10−(ビフェニル−4−イル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:BPhABOx)を用いて、発光素子6と同様に発光素子7を作製した。つまり、構造式(126)で表される2−{4−〔10−(ビフェニル−4−イル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:BPhABOx)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2114を形成した。電子輸送層2114以外は発光素子6と同様に作製した。
(比較発光素子8)
発光素子6と同一基板を用い、NPhABOxの代わりに、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を用いて、発光素子6と同様に比較発光素子8を作製した。つまり、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2114を形成した。電子輸送層2114以外は発光素子6と同様に作製した。
以上により得られた発光素子6および発光素子7、比較発光素子8を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子6および発光素子7、比較発光素子8の電流密度−輝度特性を図69に示す。また、電圧−輝度特性を図70に示す。また、輝度−電流効率特性を図71に示す。また、電圧−電流特性を図72に示す。
また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図73に示す。図73から、発光素子6および発光素子7、比較発光素子8の発光は、PCBAPAに由来した発光であることがわかった。
比較発光素子8において、輝度920cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.15、y=0.17)であり、青色の発光を示した。また、輝度920cd/m2のときの電流効率は3.9cd/Aであった。また、輝度920cd/m2のときの電圧は6.2V、電流密度は23.7mA/cm2、パワー効率は2.0lm/Wであった。
一方、発光素子6において、輝度1040cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.15、y=0.17)であり、青色の発光を示した。また、輝度1040cd/m2のときの電流効率は5.8cd/Aであり、比較発光素子8よりも高い発光効率を示した。また、輝度1040cd/m2のときの電圧は3.9Vであり、比較発光素子8に比べて大幅に駆動電圧が低減されていることがわかる。また、電流密度は18.1mA/cm2、パワー効率は4.6lm/Wであり、高いパワー効率を示した。
また、発光素子7において、輝度1100cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.15、y=0.17)であり、青色の発光を示した。また、輝度1100cd/m2のときの電流効率は6.0cd/Aであり、比較発光素子8よりも高い発光効率を示した。また、輝度1100cd/m2のときの電圧は3.4Vであり、比較発光素子8に比べて大幅に駆動電圧が低減されていることがわかる。また、電流密度は18.3mA/cm2、パワー効率は5.5lm/Wであり、高いパワー効率を示した。
また、図72からわかるように、発光素子6および発光素子7は比較発光素子8に比べて、同じ電流を流すために必要な電圧が低い。そして、図71からわかるように、発光素子6および発光素子7は比較発光素子8に比べて、電流効率も高い。よって、図70に示すように、同じ輝度を得るために必要な電圧が低く、消費電力を低減することができたことがわかる。
よって、本発明のベンゾオキサゾール誘導体は電子輸送性に優れている。また、本発明のベンゾオキサゾール誘導体を発光素子に用いることにより、低電圧駆動の発光素子を得ることができる。また、低消費電力の発光素子を得ることができる。
本実施例では、本発明の発光素子について、図26を用いて説明する。以下に、本実施例の発光素子の作製方法を示す。
(発光素子9)
まず、ガラス基板2101上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2102を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極2102が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定した。成膜室を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2102上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む層2111を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)との比率は、重量比で4:1(=NPB:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、複合材料を含む層2111上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2112を形成した。
さらに、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)と4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)とを共蒸着することにより、正孔輸送層2112上に30nmの膜厚の発光層2113を形成した。ここで、CzPAとPCBAPAとの重量比は、1:0.1(=CzPA:PCBAPA)となるように調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2113上に、構造式(129)で表される2−{4−〔10−(1−ナフチル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:NABOx)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2114を形成した。
さらに、電子輸送層2114上に、フッ化リチウムを1nmの膜厚となるように成膜し、電子注入層2115を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層2115上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2104を形成することで、発光素子9を作製した。
(発光素子10)
発光素子9と同一基板を用い、NABOxの代わりに、構造式(130)で表される2−{4−〔10−(2−ナフチル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:2NABOx)を用いて、発光素子9と同様に発光素子10を作製した。つまり、構造式(130)で表される2−{4−〔10−(2−ナフチル)−9−アントリル〕フェニル}ベンゾオキサゾール(略称:2NABOx)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2114を形成した。電子輸送層2114以外は発光素子9と同様に作製した。
(比較発光素子11)
発光素子9と同一基板を用い、NABOxの代わりに、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を用いて、発光素子9と同様に比較発光素子11を作製した。つまり、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2114を形成した。電子輸送層2114以外は発光素子9と同様に作製した。
以上により得られた発光素子9および発光素子10、比較発光素子11を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子9および発光素子10、比較発光素子11の電流密度−輝度特性を図74に示す。また、電圧−輝度特性を図75に示す。また、輝度−電流効率特性を図76に示す。また、電圧−電流特性を図77に示す。
また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図78に示す。図78から、発光素子9および発光素子10、比較発光素子11の発光は、PCBAPAに由来した発光であることがわかった。
比較発光素子11において、輝度910cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.17)であり、青色の発光を示した。また、輝度910cd/m2のときの電流効率は3.9cd/Aであった。また、輝度910cd/m2のときの電圧は6.0V、電流密度は23.5mA/cm2、パワー効率は2.0lm/Wであった。
一方、発光素子9において、輝度1020cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.15、y=0.17)であり、青色の発光を示した。また、輝度1020cd/m2のときの電流効率は5.6cd/Aであり、比較発光素子11よりも高い発光効率を示した。また、輝度1020cd/m2のときの電圧は4.2Vであり、比較発光素子11よりも大幅に駆動電圧が低減されていることがわかる。また、電流密度は18.2mA/cm2、パワー効率は4.2lm/Wであり、高いパワー効率を示した。
また、発光素子10において、輝度1000cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.15、y=0.17)であり、青色の発光を示した。また、輝度1000cd/m2のときの電流効率は5.8cd/Aであり、比較発光素子11よりも高い発光効率を示した。また、輝度1000cd/m2のときの電圧は3.9Vであり、比較発光素子11よりも大幅に駆動電圧が低減されていることがわかる。また、電流密度は17.2mA/cm2、パワー効率は4.7lm/Wであり、高いパワー効率を示した。
また、図77からわかるように、発光素子9および発光素子10は比較発光素子11に比べて、同じ電流を流すために必要な電圧が低い。そして、図76からわかるように、発光素子9および発光素子10は比較発光素子11に比べて、電流効率も高い。よって、図75に示すように、同じ輝度を得るために必要な電圧が低く、消費電力を低減することができたことがわかる。
よって、本発明のベンゾオキサゾール誘導体は電子輸送性に優れている。また、本発明のベンゾオキサゾール誘導体を発光素子に用いることにより、低電圧駆動の発光素子を得ることができる。また、低消費電力の発光素子を得ることができる。
本実施例では、本発明の発光素子について、図26を用いて説明する。以下に、本実施例の発光素子の作製方法を示す。
(発光素子12)
まず、ガラス基板2101上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2102を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極2102が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定した。成膜室を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2102上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む層2111を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)との比率は、重量比で4:1(=NPB:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、複合材料を含む層2111上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2112を形成した。
さらに、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)と4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)とを共蒸着することにより、正孔輸送層2112上に30nmの膜厚の発光層2113を形成した。ここで、CzPAとPCBAPAとの重量比は、1:0.1(=CzPA:PCBAPA)となるように調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2113上に、構造式(158)で表される3−{10−[4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]−9−アントリル}キノリン(略称:3QABOx)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2114を形成した。
さらに、電子輸送層2114上に、フッ化リチウムを1nmの膜厚となるように成膜し、電子注入層2115を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層2115上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2104を形成することで、発光素子12を作製した。
(比較発光素子13)
発光素子12と同一基板を用い、3QABOxの代わりに、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を用いて、発光素子12と同様に比較発光素子13を作製した。つまり、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2114を形成した。電子輸送層2114以外は発光素子12と同様に作製した。
以上により得られた発光素子12および比較発光素子13を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子12および比較発光素子13の電流密度−輝度特性を図79に示す。また、電圧−輝度特性を図80に示す。また、輝度−電流効率特性を図81に示す。また、電圧−電流特性を図82に示す。
また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図83に示す。図83から、発光素子12および比較発光素子13の発光は、PCBAPAに由来した発光であることがわかった。
比較発光素子13において、輝度880cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.19)であり、青色の発光を示した。また、輝度880cd/m2のときの電流効率は3.9cd/Aであった。また、輝度880cd/m2のときの電圧は5.2V、電流密度は22.3mA/cm2、パワー効率は2.4lm/Wであった。
一方、発光素子12において、輝度960cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.15、y=0.19)であり、青色の発光を示した。また、輝度960cd/m2のときの電流効率は5.0cd/Aであり、比較発光素子13よりも高い発光効率を示した。また、輝度960cd/m2のときの電圧は3.6Vであり、比較発光素子13よりも大幅に駆動電圧が低減されていることがわかる。また、電流密度は19.4mA/cm2、パワー効率は4.3lm/Wであり、高いパワー効率を示した。
また、図82からわかるように、発光素子12は比較発光素子13に比べて、同じ電流を流すために必要な電圧が低い。そして、図81からわかるように、発光素子12は比較発光素子13に比べて、電流効率も高い。よって、図80に示すように、同じ輝度を得るために必要な電圧が低く、消費電力を低減することができたことがわかる。
よって、本発明のベンゾオキサゾール誘導体は電子輸送性に優れている。また、本発明のベンゾオキサゾール誘導体を発光素子に用いることにより、低電圧駆動の発光素子を得ることができる。また、低消費電力の発光素子を得ることができる。