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JP5477834B2 - セッコウ系固化材 - Google Patents
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この発明は、場所打ち杭工事やシールド工事等から発生する建設廃泥や、掘削残土等の建設発生残土、或は河川や湖沼、海域での底泥浚渫土を中性域で固化して搬出可能とし、地盤材料として再利用するためのセッコウ系固化材に関する。
周知のように、建設汚泥や浚渫土は含水比が高く、このままでは地盤材料として利用できない。また一般の掘削残土も撹乱により軟弱土化し、このままでは再利用出来ない場合が多い。
これら軟弱な材料を地盤材料として用いる場合、従来は締め固めや排水等が行われていたが、工法によっては騒音が発生し、また、工期が長い等、充分な効果を発揮できない場合があることから、セメント、石灰等の地盤改良材を添加混合し、固化する工法が広く採用されている。
汚泥や建設残土を改良する場合、生石灰やセメント系固化材、中性である事が求められる場合は高分子吸水剤や半水セッコウを単独、或は組み合わせて用いられる(特許文献1参照)。
特開2003−155482号公報
しかしながら、土質固化に広く用いられているセメントやセメント系固化材、或は生石灰は、安価に、しかも短工期で高強度に固化、改良が出来るため、近年、広く用いられているが、セメントやセメント系固化材はその60%程度を占めるCaOの一部が消石灰として析出し、pH12以上のアルカリ性を示す。生石灰も同様の問題点がある。土壌に混合した固化処理土でもpHは10〜11程度となる。
このため、セメント石灰による改良土には、直接植栽できないという問題点がある。厚生労働省「改良土の水素イオン濃度に関する法令(排出基準)」では、改良土のpHを海域以外で5.8〜8.6に、海域で5.0〜9.0と定められている。
また、建設残土を中性域で改良する方法として高分子吸水剤が開発され、使用されている。しかし、これは多量の土壌水分を吸収することにより見かけの含水比を低下することによるハンドリングの向上を目的としたもので、それ自身硬化しないため、搬出先で再泥化することが問題点である。
また、グアガム等天然物では長期間の保存で腐敗し、臭気の問題があるものも見られる。
そこでセッコウプラスターの水和反応を利用した固化材が公知である。これは半水セッコウに加水することにより二水セッコウとして硬化する反応を利用したものである。セッコウは中性の化合物であり、処理土が中性となることが知られている。
しかし建設発生土のように多量の水分を含む場合には強度が発現し難く、従って、多量のセッコウを使用しなければならず、結果として残土排出量を増加させてしまい、またコストが高くなってしまうといった問題点が指摘されている。
また、上記セッコウと高分子吸水剤を併用することも実施されているが、搬出先での再泥化については解決されていない上、コスト的にも問題がある。
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、固化処理土が中性域にある固化材であって、少ない添加量で所定の強度を発現できる固化材を提供しようとするものである。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の固化材にあっては、半水セッコウにアルミニウム化合物、カルシウム化合物を加えた固化材であってエトリンガイト生成量より過剰に半水セッコウを加えることを特徴とする。言い換えれば、これらの化合物であるエトリンガイト前駆物質にエトリンガイト生成量より過剰に半水セッコウを加えることを特徴とする。
請求項2に記載の固化材は、請求項1に記載の固化材を技術的前提とし、前記アルミニウム化合物として水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カルシウム化合物として酸化カルシウム、水酸化カルシウムを用いることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の固化材を技術的前提とし、前記エトリンガイト前駆物質としてカルシウムアルミネート、カルシウムサルホアルミネート、カルシウムフルオロアルミネート、カルシウムクロルアルミネート、アリナイト、Na2O・8CaO・3Al2O3、明礬類を単独或はこれらを組み合わせて用い、エトリンガイト生成量より過剰に半水セッコウを加えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の固化材を技術的前提とし、前記半水セッコウを53.7〜99重量%、水酸化アルミニウム粉末0.4〜20.6重量%、生石灰又は消石灰0.3〜22.1重量%としたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2又は請求項4のいずれかに記載の固化材を技術的前提とし、前記水酸化アルミニウムは、アルミスラッジ乾燥品で生成し、該アルミスラッジ乾燥品は、金属アルミニウムを苛性ソーダ、水、硫酸で洗浄し、酸化皮膜を形成するアルマイト処理において発生する洗浄廃液を中和、洗浄、脱水、乾燥した粉末であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の固化材を技術的前提とし、半水セッコウに加えるカルシウム化合物とアルミニウム化合物のカルシウム原子とアルミニウム原子のモル比を、セッコウに含まれるカルシウム原子を除いて、Ca/Alで1.5以下とすることにより、水和生成物として、二水セッコウと少量のエトリンガイトが生成し、一部のアルミニウム化合物が未反応の状態で残るようにしたことを特徴とする。
即ち、前記アルミニウム化合物とカルシウム化合物のCaO/Al2O3モル比を3より小さくし、或はCaO/AL(OH)3モル比を1.5より小さくし、これを半水セッコウに加えても同様の機能を奏することができる。
請求項7に記載のセッコウへの添加物は、請求項1乃至請求項6に記載の固化材中から半水セッコウを除いた成分で形成したことを特徴とする。
この発明に係る固化材及びセッコウへの添加物は、以上のように構成されているので、固化処理土が中性域にある固化材であって、少ない添加量で所定の強度を発現できる。
この発明にかかる固化材は、半水セッコウをベースに、これにpHが中性域に収まる範囲内でエトリンガイト前駆物質を加える。
次に、半水セッコウにエトリンガイト前駆物質としてアルミスラッジ、生石灰ないし消石灰を加える。
そして、エトリンガイト生成量より過剰の半水セッコウを用い、中性水和物である二水セッコウをできるだけ多く生成させ、一部がエトリンガイト生成に用いられるようにし、エトリンガイトによる高pHを低減させる。
pH上昇は石灰によるものなので、Ca/Alモル比を1より小さくし、エトリンガイト生成に対してカルシウムイオンを過少(アルミスラッジを石灰に対して過剰とする)ことによりpHを低下させ、かつ強度を維持することを検討した。
その結果、アルミスラッジ乾燥品が石灰に対して過剰になることによるpHの低下が認められ、強度も半水セッコウ単独よりはるかに高い結果が得られた。pHは練り込み直後は石灰の溶出により10前後の値を示し、時間経過とともに石灰分が消費されてエトリンガイトを生成するため、pHが低下し、中性域の値を得ることができた。また、アルミスラッジに含まれる少量の硫酸根による中和作用も考えられる。
〔実施例1〕
(1)使用材料
半水セッコウ 吉野石膏 サクラ印 教材用焼石膏
生石灰 秩父石灰 粉末生石灰 QA POW
消石灰 菱光石灰製
アルミスラッジ乾燥品 不二サッシ製
普通セメント 太平洋セメント製
※アルミスラッジ乾燥品
無定形アルミナゲルを乾燥した粉末状の物質で、非晶質水酸化アルミニウムを主成分としている。
{成分分析}
項目 分析値(%)
Al2O3 47.5%
SO3 13.0%
SiO2 0.3%
CaO 0.3%
(2)固化対象土
丸中白土株式会社製シルト♯250(表1)に加水し、含水比100%、湿潤密度1.385t/m3とした模擬汚泥を使用した。固化試験結果を表2に示す。
Figure 0005477834
Figure 0005477834
表2からも明らかなように、No.1は半水セッコウ単味、中性であるが強度が低い。
No.2はエトリンガイト組成に近いもの、強度は高いが、pHが9以上である。
No.3は水和物として二水セッコウと少量のエトリンガイトを生成するもの、強度は高いが、pHは9以上であった。
No.4〜6は請求項4,6を満足する配合、ほとんど半水セッコウでエトリンガイト生成の目的でアルミスラッジ乾燥粉と石灰をCa/Alモル比を1.5より小さくして加えた。練り込み直後のpHは9以上だが、時間経過とともにpHが低下し、pH8.6以下を達成した。強度についても半水石膏単味の5〜10倍程度の強度となった。
No.7.8は半水セッコウに5%のセメントを加えたもの、No.7は強度は高いがpHは10前後と高く、中性域には程遠い。No.8は固化材添加量を他に比べて1/3としたもの、やはりpHは高く、9.6以上で固化しなかった。
〔実施例2〕
使用材料:実施例1と同じ。
対象土:粘性土
含水比 46.3%
湿潤密度 1.66t/m3
固化試験結果を表3に示す。
Figure 0005477834
表3からも明らかなように、No.1は半水セッコウ単味、中性であるが固化強度は低い。
No.2.3は水和物として二水セッコウとエトリンガイトができる組成、練り込み直後のpHは8.6を越えるものの、時間経過とともに低下し、pH8.6以下を達成した。強度は高く、半水セッコウ単味での70Kg/m3に相当する強度を30Kg/m3で確保できた。
No.4はほとんど半水セッコウで、エトリンガイト生成の目的でアルミスラッジ乾燥粉と生石灰をCa/Alモル比を1.5より小さくして加えた。練り込み直後からpHは8.6を下回り、強度もNo.2.3と比べても遜色なかった。
No.5は水和生成物としてほぼエトリンガイトを生成する配合、強度は高いが、pHは下がらず、時間経過28日でも9.5以上であった。
尚、表3中、強度試験とpH試験は下記の手順で行った。
強度試験は、5cmφ×10cmhモールドにて密封養生し、一軸圧縮試験を実施した。
また、pH試験は、混練直後、或いは固化後、砕いた資料に加水、懸濁し、上澄のpHを測定した。

Claims (6)

  1. 土壌に対するセッコウ系の固化材であって、
    ベースとする半水セッコウに、エトリンガイトを生成し得る前駆物質として、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムおよび硫酸アルミニウムからなる群から選択されるいずれかのアルミニウム化合物と、酸化カルシウム(生石灰)又は水酸化カルシウム(消石灰)のいずれかのカルシウム化合物とを加えてなり(但し、高炉スラグ又はアルミナセメントを含む場合を除く)、
    半水セッコウの量を53.7〜99重量%、アルミニウム化合物の量を0.4〜20.6重量%、カルシウム化合物の量を0.3〜22.1重量%とし、かつ、
    半水セッコウに加えるカルシウム化合物とアルミニウム化合物のカルシウム原子とアルミニウム原子のモル比を、セッコウに含まれるカルシウム原子を除いて、Ca/Al=1.以下としたことを特徴とする固化材。
  2. 土壌に対するセッコウ系の固化材であって、
    ベースとする半水セッコウに、エトリンガイトを生成し得る前駆物質として、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムおよび硫酸アルミニウムからなる群から選択されるいずれかのアルミニウム化合物と、酸化カルシウム(生石灰)又は水酸化カルシウム(消石灰)のいずれかのカルシウム化合物とを加えてなり(但し、高炉スラグ又はアルミナセメントを含む場合を除く)、
    前記半水セッコウの量を90.0〜96.0重量%、前記アルミニウム化合物の量を2.4〜9.0重量%、生石灰又は消石灰の量を1.0〜5.2重量%として、土壌に混合させて放置した固化処理土が中性域になるようにし、かつ、
    半水セッコウに加えるカルシウム化合物とアルミニウム化合物のカルシウム原子とアルミニウム原子のモル比を、セッコウに含まれるカルシウム原子を除いて、Ca/Al=1.5以下としたことを特徴とする固化材。
  3. 前記アルミニウム化合物が、水酸化アルミニウムである請求項1又は請求項2に記載の固化材。
  4. 前記水酸化アルミニウムが、非晶質水酸化アルミニウムである請求項3に記載の固化材。
  5. 前記アルミニウム化合物は、アルミスラッジ乾燥品で生成し、該アルミスラッジ乾燥品は、金属アルミニウムを苛性ソーダ、水、硫酸で洗浄し、酸化皮膜を形成するアルマイト処理において発生する洗浄廃液を中和、洗浄、脱水、乾燥した粉末である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の固化材。
  6. 前記ベースとする半水セッコウと、該半水セッコウを除いた成分で形成した添加物とからなる請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の固化材。
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