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JP5481832B2 - スパッタ装置及びスパッタ方法 - Google Patents
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JP5481832B2 - スパッタ装置及びスパッタ方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板の表面と裏面を貫通する貫通電極を備えた貫通電極基板を製造するためのスパッタ装置及びスパッタ方法に関する。
近年、電子機器の高密度化、小型化が進み、LSIチップが半導体パッケージと同程度まで縮小化しており、パッケージ内におけるチップの2次元配置による高密度化は限界に達しつつある。そこで、パッケージ内におけるチップの実装密度を上げるため、LSIチップを分けて3次元に積層する必要がある。また、LSIチップを積層した半導体パッケージ全体を高速動作させるために積層回路間の距離を近づける必要がある。
そこで、上記のような要求に応えるため、LSIチップ間のインターポーザとして基板の表面と裏面を導通する導通部を備えた貫通電極基板が提案されている。このような貫通電極基板では、貫通孔内部に電解メッキによって導電材(Cu等)を充填することで貫通電極が形成されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
上記特許文献1、2によれば、貫通孔を備えた基板の一方の面にシード層を形成し、このシード層に給電して貫通孔内部に導電材を充填する方法が提案されている。シード層は、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等の成膜法を用いて形成される。
上記のような貫通電極基板を形成する際に用いられるスパッタ装置が提案されている。このようなスパッタ装置では、基板を載置するステージの近傍からターゲットの近傍までの間にチャンバの内壁を保護する防着板を備え、防着板に印加する電位を制御することにより、防着板からの剥離ダストを抑制しながら、基板に対して成膜を行うようにしている(例えば、特許文献3)。
特開2006−147971号公報 特開2007−95743号公報 特開2003−73801号公報
しかし、上記特許文献1、2に提案されている成膜法によりシード層を形成する際には、貫通孔内部に金属粒子が堆積してしまう。このため、従来の成膜法を用いて形成された金属シード層を給電層として、電解メッキによって導電材を充填すると、導電材中にボイドが生じる。このボイドは、貫通孔内部への導電材の充填不足を招き、貫通電極の導電性能を低下させる原因となる。
本発明は上記に鑑み、シード層を形成する際に貫通孔内部に金属粒子が堆積することを防止し、導電材を充填する際にボイドが生じることを防止するスパッタ装置及びスパッタ方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係るスパッタ装置は、反応室と、前記反応室の内部に配置され、ターゲットホルダに保持された所定の金属材料からなるターゲットと、前記反応室の内部に前記ターゲットと離間して配置され、貫通孔が形成された基板を保持する基板保持部材と、前記基板の成膜面の背面側に位置する前記反応室の壁面に設けられ、前記反応室の内部に希ガスを供給する気体供給口と、を備え、前記基板保持部材は、前記気体供給口の周囲に配置され、前記気体供給口から前記基板の背面側に連通する連通孔を有し、前記気体供給口から前記基板の貫通孔を通して前記反応室の内部に前記希ガスを供給しながら、前記ターゲットホルダに電圧を印加し、前記基板の成膜面に前記ターゲットの金属材料からなる膜を形成することを特徴とする。
本発明の一実施形態に係るスパッタ装置は、反応室と、基板の成膜面の背面側に位置する前記反応室の壁面に設けられ、前記反応室の内部に希ガスを供給する第1気体供給口と、前記第1気体供給口と異なる位置の前記反応室の壁面に設けられ、前記反応室の内部に希ガスを供給する第2気体供給口と、前記第1気体供給口に供給する前記希ガスの流量を調整する第1流量調整装置と、前記第2気体供給口に供給する前記希ガスの流量を調整する第2流量調整装置と、前記反応室の内部に配置され、ターゲットホルダに保持された所定の金属材料からなるターゲットと、前記反応室の内部に前記ターゲットと離間して配置され、貫通孔が形成された基板を保持する基板保持部材と、を備え、前記基板保持部材は、前記第1気体供給口の周囲に配置され、前記第1気体供給口から前記基板の背面側に連通する連通孔を有し、前記第1気体供給口から前記基板の貫通孔を通して前記反応室の内部に前記希ガスを供給するとともに、前記第2気体供給口から前記反応室の内部に前記希ガスを供給しながら、前記ターゲットホルダに電圧を印加し、前記基板の成膜面に前記ターゲットの金属材料からなる膜を形成することを特徴とする。
本発明の一実施形態に係るスパッタ方法は、スパッタ装置を用いて貫通孔が形成された基板に対して成膜処理を行う際に、前記基板の成膜面の背面側に位置する反応室の壁面に設けられた気体供給口の周囲に配置され、前記気体供給口から前記基板の背面側に連通する連通孔から前記基板の貫通孔を通して前記スパッタ装置の反応室の内部に希ガスを供給しながら、ターゲットを保持するターゲットホルダに電圧を印加し、前記基板の成膜面に前記ターゲットの金属材料からなる膜を形成することを特徴とする。
本発明の一実施形態に係るスパッタ方法は、スパッタ装置を用いて貫通孔が形成された基板に対して成膜処理を行う際に、前記基板の成膜面の背面側に位置する反応室の壁面に設けられた第1気体供給口の周囲に配置され、前記第1気体供給口から前記基板の背面側に連通する連通孔から前記基板の貫通孔を通して前記スパッタ装置の反応室の内部に希ガスを供給するとともに、前記第1気体供給口と異なる位置の前記反応室の壁面に設けられた第2気体供給口から前記反応室の内部に前記希ガスを供給しながら、ターゲットを保持するターゲットホルダに電圧を印加し、前記基板の成膜面に前記ターゲットの金属材料からなる膜を形成し、前記基板の貫通孔を通して前記反応室の内部に供給される前記希ガスの流量を、前記第2気体供給口から前記反応室の内部に供給される前記希ガスの流量より多くしたことを特徴とする。
本発明によれば、シード層を形成する際に貫通孔内部に金属粒子が堆積することを防止し、導電材を充填する際にボイドが生じることを防止するスパッタ装置を提供することができる。
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。
<スパッタ装置の構成>
図1は、スパッタ装置100の要部構成を示す図である。図1において、スパッタ装置100は、反応室を形成するチャンバ101と、チャンバ101内部の上部に配設されターゲットホルダ102と、チャンバ101内部の下部に配設された基板ホルダ105と、チャンバ101外部の下部に配設された気体吸気口106と、チャンバ101外部の下方左側部に配設された気体排出口110と、を備える。
ターゲットホルダ102は、平板状のターゲット103を保持する。ターゲットホルダ102には、外部の電源(直流電源又はRF電源)112から所定の直流電圧又は所定の交流電圧が印加される。ターゲット103としては、薄膜を形成する材料となるアルミニウムAl、チタンTi、クロムCr等の金属板が用いられる。
基板ホルダ105は、平板状の基板104を保持する。基板ホルダ105は、基板104の外周部を保持する環状支持部材106により構成される。環状支持部材106は、電気的に接地されている。環状支持部材106には、気体供給口107と連通する連通孔106Aが形成されている。環状支持部材106の内部には、基板104の背面側となる位置に平板状の噴き上げ板108が配設されている。噴き上げ板108には、複数の噴き上げ孔108Aが形成されている。なお、基板104としては、例えば、シリコン基板等が用いられる。この基板104には、後述する貫通電極が形成される。このため、基板ホルダ105により保持される基板104には、予め複数の貫通孔が形成されているが、図1では貫通孔の図示は省略している。
噴き上げ板108の詳細な構成について図2を参照して説明する。図2(A)は噴き上げ板108の断面図、図2(B)は噴き上げ板108の下方から見た平面図である。図2(B)に示すように、噴き上げ板108には、所定の間隔を空けて複数の噴き上げ孔108A(この場合は5個)が形成されている。なお、噴き上げ孔108Aの形成位置及び数は限定するものではない。噴き上げ板108は、周辺部が非接触部108Bを介して環状支持部材106に固定されている。この固定位置により、図2(A)に示すように、基板104の背面側と噴き上げ板108の上面側との間には空洞114が形成される。
気体供給口107は、一方の端部がチャンバ101内部の壁面に固定され、他方の端部にマスフローコントローラ109が接続されている。マスフローコントローラ109は、外部に接地されたガスボンベ(図示せず)から供給されるアルゴンAr等の希ガスの流量を制御する。マスフローコントローラ109における流量制御は、外部の制御装置(図示せず)から入力される流量制御信号等に応じて行われる。気体供給口107には、マスフローコントローラ109により流量が調整されたアルゴンAr等の希ガスが供給される。気体吸気口107から供給される希ガスは、連通孔106Aを通り、噴き上げ板108の噴き上げ孔108Aにより基板104の背面側に噴き上げられる。したがって、供給された希ガスは、基板104に形成された複数の貫通孔を通ってチャンバ101内部に供給される。チャンバ101内部に供給される希ガスの流量は、貫通電極基板104の表面に薄膜を形成するための成膜処理条件に応じて、マスフローコントローラ109により一定に制御される。
気体排気口110は、一方の端部がチャンバ101内部の壁面に固定され、他方の端部が真空ポンプ111に接続されている。真空ポンプ111は、チャンバ101内部を所望の高真空(例えば、Pa)に排気する。
<スパッタ装置の成膜処理>
図1において、チャンバ101の内部は、真空ポンプ111により所望の高真空(例えば、10−5〜10−7Pa)まで排気される。高真空状態になったチャンバ101の内部には、マスフローコントローラ109により流量調整された希ガスが、気体供給口107、連通孔106A、噴き上げ板108、基板104の貫通孔を通って供給される。ターゲットホルダ102に電源112から電圧が印加されると、ターゲット103と基板104との間に電位差が発生する。この電位差により、チャンバ101内部に供給された希ガスは電離してプラズマ113となる。例えば、ターゲット103に負電圧を印加すると、アルゴンガスから電離したArイオンがターゲット102に衝突し、ターゲット102から金属原子を飛び出させる。この金属原子が基板104表面に堆積し、基板104表面に薄膜が形成される。
<貫通電極の形成方法>
次に、基板104に貫通電極を形成する工程について、図3を参照して説明する。図3(A)〜(E)は、基板104に貫通電極を形成する工程を順に示す図である。この場合、図3(C)に示す工程において、上記スパッタ装置100が用いられる。なお、図3(A)〜(E)では、説明を簡略化するため、基板104に形成される一つの貫通電極のみを示している。実際の基板104には、仕様等に応じて所望の孔径(例えば、10μm〜100μm)の複数の貫通電極が所望の間隔で複数形成される。
(1)貫通孔の形成
まず、図3(A)において、基板104をエッチングして、基板104の上面から下面に貫通した貫通孔104Aを穿設する。
(2)絶縁膜の形成
次に、図3(B)において、基板104の上面と下面、及び貫通孔104Aの内壁に絶縁膜120を形成する。絶縁層120は、シリコン酸化物、シリコン窒化物等の無機絶縁層からなる。この絶縁層120は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いて形成される。
(3)シード層の形成
次に、図3(C)において、絶縁層120を形成した基板104に対して、上記スパッタ装置100を用いて下面側にシード層121を形成する。図1に示したスパッタ装置100では、基板ホルダ105はチャンバ101内部の下側に配設されている。このため、基板104は、シード層121の形成面がターゲット103に向くように基板ホルダ105に保持される。
スパッタ装置100では、上述のように、高真空状態になったチャンバ101の内部には、マスフローコントローラ109により流量調整された希ガスが、気体供給口107、連通孔106A、噴き上げ板108、基板104の貫通孔を通って供給される。この場合、図4に示すように、基板104の背面側から供給される希ガス(例えば、アルゴンガス)は、基板104に形成された微細な貫通孔104Aを通ってチャンバ101内部に供給される。この場合、希ガスは、微細な貫通孔104Aからチャンバ101内部に噴き上げられる。この希ガス噴き上げ時の圧力により、ターゲット103から飛び出した金属原子が貫通孔104Aの内部に堆積することを防止することが可能になる。したがって、ターゲット103から飛び出した金属原子は、ターゲット103に向かって保持された基板104の表面に主に堆積し、シード層121となる薄膜を形成する。なお、シード層121は、材料としてチタンTi等を用いて一層に形成してもよいし、チタンTiと銅Cuを用いて2層に形成してもよい。シード層121を2層に形成する場合は、銅Cuの層を後述する導通部122と接触する層として形成することが好ましい。
(4)導通部の形成
次に、図3(D)において、電解メッキによって基板104のシード層121を給電層として貫通孔104A内部に導電材(Cu等)を充填して、導通部122を形成する。この場合、図3(D)に示すように、導通部122は、シード層121を形成した面にも形成される。
(5)貫通電極の形成
次に、図3(E)において、基板104のシード層121及び導通部122が形成された面をエッチングして、導通部122とシード層121を除去して、貫通電極130の形成は完了する。
以上のように、第1の実施の形態に示したスパッタ装置100では、成膜処理が行われる基板104の背面側からプラズマを発生させる希ガスをチャンバ101内部に供給するようにした。このため、希ガスは、基板104に予め形成された微細な貫通孔104Aを通ってチャンバ101内部に噴き上げられて、ターゲット103から飛び出した金属原子が貫通孔104Aの内部に堆積することを防止することが可能になった。その結果、電解メッキによって導電材を貫通孔104Aの内部に充填する際に、図5に示すように導電材中にボイド123が生じることを防止し、貫通電極130の導電性能が低下することを防止することが可能になった。なお、スパッタ処理における成膜処理条件と、基板104に形成する貫通孔104の孔径との具体的な対応関係等は、以下に開示する第2の実施の形態において説明する。
(第2の実施の形態)
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施の形態を詳細に説明する。
<スパッタ装置の構成>
図6は、スパッタ装置200の要部構成を示す図である。図6において、図1に示したスパッタ装置100と同一の構成部分には、同一符号を付して、その構成説明を省略する。
図6において、スパッタ装置200は、チャンバ101外部の下方右側部に第2気体供給口201を配設している。第2気体供給口201は、一方の端部がチャンバ101内部の壁面に固定され、他方の端部に第2マスフローコントローラMFC2(第2流量調整装置)が接続されている。これらの構成により、上記気体供給口107は、第1気体供給口107とし、上記マスフローコントローラ109は、第1マスフローコントローラMFC1(第1流量調整装置)とする。
第2マスフローコントローラMFC2は、外部に接地されたガスボンベ(図示せず)から供給されるアルゴンAr等の希ガスの流量を制御する。第2マスフローコントローラMFC2における流量制御は、外部の制御装置(図示せず)から入力される流量制御信号等に応じて行われる。第2気体供給口201には、第2マスフローコントローラMFC2により流量が調整されたアルゴンAr等の希ガスが供給される。第2気体吸気口201から供給される希ガスの流量は、第1気体供給口107から供給される希ガスの流量より少なく設定される。したがって、第1気体供給口107及び第2気体吸気口201から供給される希ガスの流量は、貫通電極基板104の表面に薄膜を形成するための成膜処理条件に応じて、第1、第2マスフローコントローラMFC1,MFC2により一定に制御される。
<スパッタ装置の成膜処理>
図6において、チャンバ101の内部は、真空ポンプ111により所望の高真空(例えば、10−5〜10−7Pa)まで排気される。高真空状態になったチャンバ101の内部には、第1マスフローコントローラMFC1により流量調整された希ガスが、第1気体供給口107、連通孔106A、噴き上げ板108、基板104の貫通孔を通って供給されるとともに、第2マスフローコントローラMFC2により流量調整された希ガスが第2気体吸気口201から供給される。この時、第1マスフローコントローラMFC1の気体流量は、第2マスフローコントローラMFC2の気体流量より多く設定される。ターゲットホルダ102に電源112から電圧が印加されると、ターゲット103と基板104との間に電位差が発生する。この電位差により、チャンバ101内部に供給された希ガスは電離してプラズマ113となる。例えば、ターゲット103に負電圧を印加すると、アルゴンガスから電離したArイオンがターゲット102に衝突し、ターゲット102から金属原子を飛び出させる。この金属原子が基板104表面に堆積し、基板104表面に薄膜が形成される。
図6に示したスパッタ装置200では、貫通孔が形成された基板104に対して成膜処理を行う際に、第1マスフローコントローラMFC1から供給する希ガスの流量を、第2マスフローコントローラMFC2から供給する希ガスの流量より多く設定したことに特徴がある。これら第1マスフローコントローラMFC1と第2マスフローコントローラMFC2における各気体流量の具体例については、以下に示す成膜処理条件の具体例において説明する。
次に、図6に示したスパッタ装置200と同様に構成したスパッタ装置300を用いて、貫通孔が形成された基板に対して成膜処理を行う場合の具体例について、図7及び図8を参照して説明する。
<スパッタ装置300の構成>
図7は、スパッタ装置300の要部構成を簡略化して示した図である。図7において、スパッタ装置300は、反応室を形成するチャンバ301と、チャンバ301内部の下部に配設されターゲット302と、チャンバ301内部の上部に配設された基板303と、基板303の背面側からチャンバ301内部にアルゴンガスを供給する2台の第1マスフローコントローラMFC1と、チャンバ301の左右側部からチャンバ301内部にアルゴンガスを供給する2台の第2マスフローコントローラMFC2と、ターゲット302と基板303の間に直流電圧を印加する直流電源310と、を備える。また、図7において、304はプラズマを示し、320は真空ポンプを示す。なお、図7に示すスパッタ装置300のターゲット302と基板303の各配設位置は、図6に示したスパッタ装置200のターゲット103と基板104の各配設位置と異なっているが、成膜処理プロセスが異なることはない。すなわち、ターゲットと基板の配置関係は、スパッタ装置内部の構成上の違いだけであり、成膜処理プロセスに影響を与える要素ではない。
<スパッタ装置の成膜処理>
図7において、チャンバ301の内部は、真空ポンプ320により所望の高真空(例えば、10−5〜10−7Pa)まで排気される。高真空状態になったチャンバ301の内部には、チャンバ301の上部から2台の第1マスフローコントローラMFC1により流量調整されたアルゴンガスが基板303の貫通孔を通って供給されるとともに、チャンバ301の左右側部から2台の第2マスフローコントローラMFC2により流量調整されたアルゴンガスが供給される。この時、第1マスフローコントローラMFC1から供給する希ガスの流量は、第2マスフローコントローラMFC2から供給する希ガスの流量より多く設定される。例えば、第1マスフローコントローラMFC1から供給する希ガスの流量を100(sccm)、第2マスフローコントローラMFC2から供給する希ガスの流量を30(sccm)に設定される。他の具体例については、以下に示す図8において説明する。
次に、ターゲット302と基板303の間に直流電源310から直流電圧が印加されると、ターゲット302と基板303との間に電位差が発生する。この電位差により、チャンバ301内部に供給されたアルゴンガスは電離してプラズマ304となる。この場合、基板303に正電圧(+)を印加し、ターゲット303に負電圧(−)を印加している。アルゴンガスから電離したArイオンがターゲット302に衝突し、ターゲット302から金属原子(ターゲット原子)を飛び出させる。この金属原子が基板303表面に堆積し、基板303表面に薄膜が形成される。
上記成膜処理における具体的な成膜処理条件を図8に示す。図8は、成膜処理条件として、第1マスフローコントローラMFC1により調整される気体流量「MFC1流量(sccm)」と、第2マスフローコントローラMFC2により調整される気体流量「MFC2流量(sccm)」と、基板303に形成された貫通孔の貫通孔径「φ30(μm),φ50(μm),φ70(μm)」とを対応付けた場合を示している。図8において、「従来の成膜処理条件」は、第2マスフローコントローラMFC2のみからアルゴンガスをチャンバ301内部に供給する場合を示す。また、「本案の成膜処理条件」は、第1マスフローコントローラMFC1と第2マスフローコントローラMFC2の双方からアルゴンガスをチャンバ301内部に供給する場合を示す。
まず、「従来の成膜処理条件」では、第2マスフローコントローラMFC2からチャンバ301内部に供給するアルゴンガスの流量を30(sccm)に調整し、基板303の貫通孔径をφ30(μm),φ50(μm),φ70(μm)に変更して、成膜処理を行っている。この成膜処理の後、上述の電解メッキによって導電材を基板303の貫通孔の内部に充填した。そして、貫通孔径φ30(μm),φ50(μm),φ70(μm)毎に導通部の良(図中の○)、不良(図中の×)を判定した。この場合、いずれの貫通孔径でも導通部は不良(×)であった。
上記「従来の成膜処理条件」により貫通電極が形成された基板の断面をSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)で撮影した結果を図9に示す。図9に示すように、貫通電極内にボイドが生じていることが判る。したがって、第2マスフローコントローラMFC2のみからチャンバ301内部にアルゴンガスを供給する成膜処理条件では、図9に示すようなアスペクト比が大きい貫通電極を形成することが困難であることが判った。図9に示した貫通電極の成膜処理条件は、図8に示したMFC2流量:30(sccm),MFC1流量:0(sccm),貫通孔径:φ50(μm)に設定した場合である。また、貫通孔の深さは、400μmである。
次に、「本案の成膜処理条件」として、第1マスフローコントローラMFC1と第2マスフローコントローラMFC2からチャンバ301内部に各々供給するアルゴンガスの流量を30(sccm)に調整し、基板303の貫通孔径をφ30(μm),φ50(μm),φ70(μm)に変更して、成膜処理を行っている。この成膜処理の後、上述の電解メッキによって導電材を基板303の貫通孔の内部に充填した。この場合、基板303の貫通孔径をφ30(μm),φ50(μm),φ70(μm)に変更したが、何れの場合も形成された貫通電極は不良(×)となった。
「本案の成膜処理条件」として、第1マスフローコントローラMFC1からチャンバ301内部に供給するアルゴンガスの流量を50(sccm)に調整し、第2マスフローコントローラMFC2からの供給流量を0(sccm)に調整し、基板303の貫通孔径をφ30(μm),φ50(μm),φ70(μm)に変更して、成膜処理を行っている。この成膜処理の後、上述の電解メッキによって導電材を基板303の貫通孔の内部に充填した。この場合、基板303の貫通孔径をφ30(μm)に設定して形成された貫通電極は良(○)となり、貫通孔径をφ50(μm),φ70(μm)に設定して形成された貫通電極は不良(×)となった。
また、「本案の成膜処理条件」として、第1マスフローコントローラMFC1からチャンバ301内部に供給するアルゴンガスの流量を100(sccm)に調整し、第2マスフローコントローラMFC2からの供給流量を0(sccm)又は30(sccm)に調整し、基板303の貫通孔径をφ30(μm),φ50(μm),φ70(μm)に変更して、成膜処理を行っている。この成膜処理の後、上述の電解メッキによって導電材を基板303の貫通孔の内部に充填した。この場合、基板303の貫通孔径をφ30(μm),φ50(μm)に設定して形成された貫通電極は共に良(○)となり、貫通孔径をφ70(μm)に設定して形成された貫通電極は不良(×)となった。
以上の「本案の成膜処理条件」の結果から、少なくとも第2マスフローコントローラMFC2のみからアルゴンガスを供給する場合よりも、第1マスフローコントローラMFC1からチャンバ301内部にアルゴンガスを供給する方が、良好な貫通電極を形成できることが判った。
上記「本案の成膜処理条件」により貫通電極が形成された基板の断面をSEMで撮影した結果を図10に示す。図10に示すように、貫通電極内にボイドが生じていないことが判る。したがって、第1マスフローコントローラMFC1からチャンバ301内部に供給するアルゴンガスの流量を、第2マスフローコントローラMFC2から供給するアルゴンガスの流量より多くすることにより、アスペクト比が大きい貫通電極を形成する際に用いる成膜処理としては良好な結果が得られることが判った。図10に示した貫通電極の成膜処理条件は、図8に示したMFC2流量:0(sccm),MFC1流量:100(sccm),貫通孔径:φ50(μm)に設定した場合である。また、貫通孔の深さは、400μmである。
なお、図8に示した各成膜処理条件は、あくまで一例であり、基板に形成する貫通電極の貫通孔径に応じて、その成膜処理条件を変更可能であることは勿論である。
また、第2の実施の形態において、上記成膜処理以外に貫通電極を形成する他の工程は、第1の実施の形態において図3で説明した各工程と同様であるため説明は省略する。
本発明の第1の実施の形態に係るスパッタ装置の要部構成を示す図である。 ターゲットホルダの構成を示す図であり、(A)はターゲットホルダの断面図、(B)はターゲットホルダの平面図である。 貫通電極基板に貫通電極を形成する工程を示す図であり、(A)は貫通孔の形成工程を示す図、(B)は絶縁膜の形成工程を示す図、(C)はシード層の形成工程を示す図、(D)は導通部の形成工程を示す図、(E)は完成した貫通電極の断面図である。 スパッタ装置による成膜処理において基板の貫通孔から希ガスが噴き上げられる状態を示す図である。 導通部内部にボイドが生じた状態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るスパッタ装置の要部構成を示す図である。 スパッタ装置の要部構成を簡略化して示す図である。 成膜処理条件の具体例を示す図である。 従来の成膜処理条件により形成した貫通電極のSEM写真を示す図である。 本発明に係る成膜処理条件により形成した貫通電極のSEM写真を示す図である。
符号の説明
100,200,300…スパッタ装置、101,301…チャンバ、102…ターゲットホルダ、103,302…ターゲット、104,303…基板、104A…貫通孔、105…基板ホルダ、107…気体供給口(第1気体供給口)、108…噴き上げ板、109…マスフローコントローラ、121…シード層、122…導通部、130…貫通電極、201…第2気体供給口、MFC1…第1マスフローコントローラ、MFC2…第2マスフローコントローラ。

Claims (8)

  1. 反応室と、
    前記反応室の内部に配置され、ターゲットホルダに保持された所定の金属材料からなるターゲットと、
    前記反応室の内部に前記ターゲットと離間して配置され、貫通孔が形成された基板を保持する基板保持部材と、
    前記基板の成膜面の背面側に位置する前記反応室の壁面に設けられ、前記反応室の内部に希ガスを供給する気体供給口と、を備え、
    前記基板保持部材は、前記気体供給口の周囲に配置され、前記気体供給口から前記基板の背面側に連通する連通孔を有し、
    前記気体供給口から前記基板の貫通孔を通して前記反応室の内部に前記希ガスを供給しながら、前記ターゲットホルダに電圧を印加し、前記基板の成膜面に前記ターゲットの金属材料からなる膜を形成することを特徴とするスパッタ装置。
  2. 前記ターゲットから飛び出した金属原子が前記貫通孔の内部に堆積しない流量で前記気体供給口から前記希ガスのみを供給することを特徴とする請求項1記載のスパッタ装置。
  3. 反応室と、
    基板の成膜面の背面側に位置する前記反応室の壁面に設けられ、前記反応室の内部に希ガスを供給する第1気体供給口と、
    前記第1気体供給口と異なる位置の前記反応室の壁面に設けられ、前記反応室の内部に希ガスを供給する第2気体供給口と、
    前記第1気体供給口に供給する前記希ガスの流量を調整する第1流量調整装置と、
    前記第2気体供給口に供給する前記希ガスの流量を調整する第2流量調整装置と、
    前記反応室の内部に配置され、ターゲットホルダに保持された所定の金属材料からなるターゲットと、
    前記反応室の内部に前記ターゲットと離間して配置され、貫通孔が形成された基板を保持する基板保持部材と、を備え、
    前記基板保持部材は、前記第1気体供給口の周囲に配置され、前記第1気体供給口から前記基板の背面側に連通する連通孔を有し、
    前記第1気体供給口から前記基板の貫通孔を通して前記反応室の内部に前記希ガスを供給するとともに、前記第2気体供給口から前記反応室の内部に前記希ガスを供給しながら、前記ターゲットホルダに電圧を印加し、前記基板の成膜面に前記ターゲットの金属材料からなる膜を形成することを特徴とするスパッタ装置。
  4. 前記第1流量調整装置は、前記第1気体供給口に供給する前記希ガスの流量を、前記第2流量調整装置により前記第2気体供給口に供給される前記希ガスの流量より多く設定し、
    前記基板の貫通孔を通して前記反応室の内部に供給される前記希ガスの流量を、前記第2気体供給口から前記反応室の内部に供給される前記希ガスの流量より多くしたことを特徴とする請求項3記載のスパッタ装置。
  5. 前記第1流量調整装置と前記第2流量調整装置とは、前記ターゲットから飛び出した金属原子が前記貫通孔の内部に堆積しない流量で前記第1気体供給口と前記第2気体供給口とから前記希ガスのみを供給することを特徴とする請求項3又は4に記載のスパッタ装置。
  6. スパッタ装置を用いて貫通孔が形成された基板に対して成膜処理を行う際に、前記基板の成膜面の背面側に位置する反応室の壁面に設けられた気体供給口の周囲に配置され、前記気体供給口から前記基板の背面側に連通する連通孔から前記基板の貫通孔を通して前記スパッタ装置の反応室の内部に希ガスを供給しながら、ターゲットを保持するターゲットホルダに電圧を印加し、前記基板の成膜面に前記ターゲットの金属材料からなる膜を形成することを特徴とするスパッタ方法。
  7. スパッタ装置を用いて貫通孔が形成された基板に対して成膜処理を行う際に、前記基板の成膜面の背面側に位置する反応室の壁面に設けられた第1気体供給口の周囲に配置され、前記第1気体供給口から前記基板の背面側に連通する連通孔から前記基板の貫通孔を通して前記スパッタ装置の反応室の内部に希ガスを供給するとともに、前記第1気体供給口と異なる位置の前記反応室の壁面に設けられた第2気体供給口から前記反応室の内部に前記希ガスを供給しながら、ターゲットを保持するターゲットホルダに電圧を印加し、前記基板の成膜面に前記ターゲットの金属材料からなる膜を形成し、
    前記基板の貫通孔を通して前記反応室の内部に供給される前記希ガスの流量を、前記第2気体供給口から前記反応室の内部に供給される前記希ガスの流量より多くしたことを特徴とするスパッタ方法。
  8. 前記基板の貫通孔を通して前記スパッタ装置の反応室の内部に前記希ガスのみを供給することを特徴とする請求項6又は7記載のスパッタ方法。
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