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JP5530779B2 - 有限運動案内装置及び、この有限運動案内装置を用いたシートレール - Google Patents
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有限運動案内装置及び、この有限運動案内装置を用いたシートレール Download PDF

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Description

本発明は、任意の位置でスライダを固定することができる位置保持機構を備えた有限運動案内装置及び、この有限運動案内装置を用いたシートレールに関する。
従来、運動案内装置として、転動体転走面が形成されたベースと、前記ベースに移動自在に組み付けられ、前記転動体転走面と対向する負荷転動体転走面を備えるスライダと、前記転動体転走面と前記負荷転動体転走面との間に介在される複数の転動体とを備える運動案内装置が知られている。
また、下記特許文献1に記載されているように、こうした運動案内装置において、スライダをベースに対して制動・制振するブレーキ装置を備えた運動案内装置も知られている。
さらに、従来より、下記特許文献2に記載されているように、車両用のシートレールとして、車両のフロアの上面に固定されるロアレールと、車両のシートの下面に固定され前記ロアレールに前後方向へ移動可能に組み付けられるアッパレールと、前記ロアレールと前記アッパレールの組み立て完了状態において、前記アッパレールの前後方向への所定以上の移動を規制する規制手段を備えた車両用シートレールが知られている。
実開平7−12641号公報 特開2007−118660号公報
しかしながら、従来の運動案内装置に用いられるブレーキ装置は、ベースを両端から把持するブレーキ装置を取り付ける構造であるため、ベースとスライダとの長手方向の長さが略同一であることによりベースがスライダのストロークにより隠れてしまう有限運動案内装置には使用できないといった問題があった。また、有限運動案内装置に上述したブレーキ装置を適用しようとすると、ベースを常に露出させるためにベースを無用に長く設計する必要があり、有限運動案内装置の特徴である長手方向の寸法のコンパクトさを活かすことができないといった問題もあった。
また、従来の車両用のシートレールは、ロアレールやアッパレール等といった構成部材の多くを鉄製の平板を板金加工することによって製造されているので、構成部材を自由な形状に形成することができなかった。また、構成部材の強度を確保するために構成部材を一定の大きさに形成する必要があり、構成部材の小型化や車両用シートの取付位置を低くすることができないといった問題があった。
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであって、有限運動案内装置であっても、長手方向の寸法の大型化をすることなくスライダをベースに対して相対的に制動可能な位置保持機構を備えた有限運動案内装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、このような有限運動案内装置を用いて、構成部材の小型化や車両用シートの取付位置を自由に設定することができる車両用シートレールを提供することを目的とする。
本発明に係る有限運動案内装置は、転動体転走面を備えるベースと、前記ベースに移動自在に組み付けられ、前記転動体転走面と対向する負荷転動体転走面を備えるスライダと、前記転動体転走面と前記負荷転動体転走面との間に介在される複数の転動体とを備える有限運動案内装置において、前記ベース又は前記スライダのいずれか一方の長手方向の略中央部には、前記スライダを前記ベースに対して相対的に制動可能な位置保持機構を備え、前記位置保持機構は、前記ベース又は前記スライダのいずれか一方に取り付けられる固定部材と、前記固定部材に枢軸を介して取り付けられる可動部材とを備え、前記枢軸は、前記スライダの移動方向と平行に取り付けられると共に、前記枢軸の回転軸線が前記スライダの移動方向と平行であり、前記可動部材は、前記ベース又は前記スライダのいずれか他方の前記長手方向に沿った側面に対向する係合部を備え、前記係合部は、前記長手方向に沿って所定長さに形成されるとともに、前記ベース又は前記スライダのいずれか他方の前記長手方向に沿った側面に形成された被係合部と係合し、前記長手方向と直交する断面における、前記枢軸の中心点は、前記係合部と前記被係合部とが係合することによる重畳する範囲を前記スライダの幅方向と平行に延ばして得られる仮想帯上に位置することを特徴とする。
本発明によれば、有限運動案内装置であっても、長手方向の寸法の大型化をすることなくスライダをベースに対して相対的に制動可能な位置保持機構を備えた有限運動案内装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る有限運動案内装置の一例を示す一部断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る有限運動案内装置の動作を説明するための斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る有限運動案内装置の動作を説明するための斜視図である。 図1におけるA−A断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る有限運動案内装置の一例を示す斜視図である。 図5におけるB−B断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る有限運動案内装置の動作を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態の改良例に係る有限運動案内装置の一例を示す斜視図である。 第2の実施形態の改良例に係る有限運動案内装置の断面図である。 本発明に係る有限運動案内装置を用いたシートレールの一例を示す図である。
以下、本発明に係る位置保持機構を備えた有限運動案内装置及び、この有限運動案内装置を用いたシートレールについて図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る有限運動案内装置の一例を示す一部断面図であり、図2は、第1の実施形態に係る有限運動案内装置の動作を説明するための斜視図であり、図3は、第1の実施形態に係る有限運動案内装置の動作を説明するための斜視図であり、図4は、図1におけるA−A断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る有限運動案内装置1は、ベース10と、該ベース10に対して複数の転動体30a,30bを介して移動自在に組み付けられたスライダ20とを備え、スライダ20は、スライダ20をベース10に対して相対的に制動可能な位置保持機構40を備えている。
ベース10は、長手方向に延びる複数の転動体転走面11がその外表面に形成されており、この転動体転走面11は、複数の転動体30a,30bが円滑に転動することができるようにサーキュラアーク形状やゴシックアーチ形状などに形成されている。
また、ベース10は、長手方向に直交する断面が長手方向のどの場所であっても略矩形状の同じ形状を有するように形成されており、該形状により、スライダ20によるベース10の長手方向に沿った往復運動が安定して行えるようになっている。
さらに、図3に示すように、ベース10は、スライダ20と対向する面の中央部から鉛直方向に開口する複数の取付孔が形成されている。本実施形態に係る有限運動案内装置1は、ベース10をこれら複数の取付孔に締結ボルトを導通させ、基台等の取付ベースに締結ボルトを螺入することで固定することができるようになっている。
スライダ20は、ベース10の長手方向に沿って配列された一対の分割体20a,20bとを備え、該分割体20a,20bは夫々、ベース10が組み付けられるように長手方向に延びる凹所が形成され、長手方向に直交する断面が略コ字状の鞍形状に形成されている。また、スライダ20の分割体20a,20bの夫々には、ベース10に形成された転動体転走面11と対向するように負荷転動体転走面21が形成されている。なお、負荷転動体転走面21は、上述した転動体転走面11と同様にサーキュラアーク形状やゴシックアーチ形状などに形成されている。さらに、ベース10とスライダ20の長手方向の長さ寸法は略同一に形成されている。
図2に示すように、一対の分割体20a,20bは、長手方向の略中央部において、位置保持機構40を介して互いに連結されている。このように、スライダ20を一対の分割体20a,20bによって構成し、位置保持機構40によって互いに連結すれば、位置保持機構40をスライダ20の略中央部に設置することができ、有限運動案内装置1の全長を短く形成することができる。また、一対の分割体20a,20bには、上述したように負荷転動体転走面21が形成されており、夫々の負荷転動体転走面21には、複数の転動体30a,30bからなる転動体列が配列されている。さらに、一対の分割体20a,20bに形成された夫々の負荷転動体転走溝21の端部には、図示しない転動体ストッパが形成されており、一対の分割体20a,20bを転動する複数の転動体30a,30bからなる転動体列が相互に分断され、負荷転動体転走溝21から脱落しないように形成されている。なお、本実施形態において転動体30a,30bは球状のボールが用いられている。
このように、一対の分割体20a,20bの夫々に転動体列が形成され、相互に分断されていると、スライダ20がベース10に対してスライドした際に、転動体列がスライダ20の一方端に偏ってしまうことがなく、常に長手方向の略中央より両側に均等に転動体列を配列することができ、スライダ20が受ける荷重のバランスを良好に保つことができる。
本実施形態に係る有限運動案内装置1は、転動体転走面11と負荷転動体転走面21とによって形成された転動体転走路内を複数の転動体30a,30bが転動することで、ベース10に対してスライダ20が円滑に移動自在に組み付けられている。なお、転動体転走路は、両端を有する有限循環型に形成されている。このような有限運動案内装置1は、複雑な循環経路を形成する必要がないので、全体を小型化することができる。
なお、ベース10,スライダ20及び転動体30a,30bは、スチール,アルミニウム合金又はステンレスなどにより製造することができ、ベース10やスライダ20は、鍛造や鋳造といった加工方法によって上述したような断面略矩形状及び断面鞍形状といった自由な形状に形成することができる。
次に、本実施形態に係る有限運動案内装置1の位置保持機構40について説明する。図2及び図3に示すように、本実施形態に係る有限運動案内装置1の位置保持機構40は、操作レバー43を操作することによりスライダ20の位置の固定及び解除を操作することができるようになっており、操作レバー43を図2に示すように解除の方向に操作すると、スライダ20がベース10に対して移動することができるようになっている。また、スライダ20を所望の位置に移動した後、図3に示すように操作レバー43を固定の方向に操作することで、スライダ20をベース10に対して相対的に固定して制動することができるようになっている。
図4に示すように、本実施形態に係る有限運動案内装置1の位置保持機構40は、スライダ20に取り付けられ、ベース10を両側面から把持することができる把持部材40aとして構成されている。
把持部材40aは、スライダ20の略中央部にスライダ20の一対の分割体20a,20bを互いに連結するように取り付けられた第1の可動部材41と、この第1の可動部材41に対して近接及び離間する方向に相対的に移動可能な第2の可動部材42と、第1の可動部材41及び第2の可動部材42を連結するレバー軸44と、レバー軸44の一端にキャップ48を介してボルト44aによって取り付けられた操作レバー43とを備えている。このキャップ48により、操作レバー43がレバー軸44から抜けることを防止している。さらに、レバー軸44には、操作レバー43が空転することを防止するように口取りとしての段差47が形成されている。さらに、レバー軸44には、円滑な操作レバー43の操作を行うために、第1の可動部材41と操作レバー43との間に樹脂製のワッシャ46が介在している。
第1の可動部材41及び第2の可動部材42は、ベース10の幅方向の両端に夫々配置されており、レバー軸44は、第1の可動部材41に導通され且つ、第2の可動部材42に螺入されている。このように形成された把持部材40aは、操作レバー43を操作して、レバー軸44を第2の可動部材42とレバー軸44との螺合が締まる方向に回動させることにより、第2の可動部材42と第1の可動部材41とが相対的に近接する方向に移動させることができ、その結果、第1の可動部材41及び第2の可動部材42に形成されたベース10と当接する当接面41a,42aによってベース10を両側面から把持することにより、スライダ20の位置をベース10に対して任意の位置に固定することができるようになっている。また、上述したように、スライダ20の略中央部において、第1の可動部材41及び第2の可動部材42に形成された当接面41a,42aによってベース10を両側面から把持しているので、有限運動案内装置であっても無用な大型化を伴うことなく位置保持機構を構成することができる。
また、操作レバー43を操作して、レバー軸44を第2の可動部材42とレバー軸44との螺合が緩む方向に回動させると、第2の可動部材42と第1の可動部材41とが相対的に離間する方向に移動し、上述したスライダ20の固定を解除することができる。なお、第1の可動部材41と第2の可動部材42との間には、弾性力を持ったOリング45が介在しており、該Oリング45の弾性力により、第2の可動部材42と第1の可動部材41とが相対的に離間する方向に付勢されている。
当接面41a,42aは、ベース10を確実に把持することができれば、どのような形状でも構わないが、ベース10と当接面41a,42aとの摩擦力を増加させるために歯型形状など種々の形状に形成したり、表面処理を施すこともできる。
[第2の実施形態]
以上説明した第1の実施形態に係る有限運動案内装置1では、位置保持機構40として把持部材40aを備えた有限運動案内装置1について説明した。次に説明する第2の実施形態に係る有限運動案内装置100は、第1の実施形態とは異なる形態を有する位置保持機構140の実施例について説明を行うものである。なお、上述した第1の実施形態の場合と同一又は類似する部材については、同一符号を付して説明を省略する。
図5は、第2の実施形態に係る有限運動案内装置の一例を示す斜視図であり、図6は、図5におけるB−B断面図であり、図7は、第2の実施形態に係る有限運動案内装置の動作を説明するための図である。なお、本実施形態に係る有限運動案内装置100の位置保持機構140の構成が明確になるように、図5から図7においては、上述した第1の実施形態に係る有限運動案内装置1において下方に位置したベース10の底面が上面に記載されるように天地を逆転して記載した。
図5に示すように、本実施形態に係る有限運動案内装置100は、ベース10に取り付けられた位置保持機構140を備えている。
図6に示すように、位置保持機構140は、ベース10に取り付けられた固定部材141と、該固定部材141に枢軸144を介して回動自在に取り付けられた可動部材142とを備えている。また、可動部材142のスライダ20と対向する面は、歯型形状の係合部142aが形成されている。
また、スライダ20の側面の可動部材142と対向する面は、歯型形状の被係合部121が形成されており、係合部142a及び被係合部121とが互いに係合面として噛合することでスライダ20をベース10に対して相対的に任意の位置に固定することができるようになっている。
なお、可動部材142は、板バネ143によって係合部142a及び被係合部121とが互いに係合する位置に保持されるように付勢されており、この板バネ143の弾性力によって係合部142aと被係合部121との係合が不用意に解除されないようになっている。さらに、図5に示すように、枢軸144は、スライダ20の移動方向Fと並行に取り付けられると共に、枢軸144の回転軸線がスライダ20の移動方向Fと並行に取り付けられている。このように形成すると、可動部材142の回転方向Rとスライダ20の移動方向Fとが略直交して配置され、係合部142aと被係合部121とが係合するので、位置保持機構140がスライダ20の移動方向Fに荷重を受けた場合、当該荷重が可動部材142の回動方向Rに働かないので、荷重によって係合部142aと被係合部121との係合が解除されることがなく、スライダ20の移動方向に対して強い制動力を持たせることができる。
図7に示すように、板バネ143の弾性力に反して、可動部材142を枢軸144を介して回動させると、係合部142a及び被係合部121との係合を解除することができ、スライダ20をベース10に対して相対的に移動することができる。
このように、本実施形態に係る有限運動案内装置100は、可動部材142を回動操作することにより、可動部材142に形成された係合部142aと、スライダ20の側面に形成された被係合部121との係合及び解除を行うことができ、所望の位置まで移動したスライダ20の位置を固定することができるようになっている。
次に、図8及び9を参照して、第2の実施形態に係る有限運動案内装置100の改良例について説明する。なお、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態の場合と同一又は類似する部材については、同一符号を付して説明を省略する。
図8は、第2の実施形態の改良例に係る有限運動案内装置の一例を示す斜視図であり、図9は、第2の実施形態の改良例に係る有限運動案内装置の断面図である。なお、本改良例に係る有限運動案内装置100´の位置保持機構140´の構成が明確になるように、図8及び図9においては、上述した第1の実施形態に係る有限運動案内装置1において下方に位置したベース10の底面が上面に記載されるように天地を逆転して記載した。さらに、図8及び図9の説明において、図8及び図9に示される上下方向の向きを上下方向と定義して説明を行う。
図8に示すように、本実施形態の改良例に係る有限運動案内装置100´は、ベース10に取り付けられた位置保持機構140´を備えている。
位置保持機構140´は、ベース10の底面に取り付けられた固定部材141´と、この固定部材141´に枢軸144´を介して回動可能に取り付けられた可動部材142´とを備えている。可動部材142´は、ベース10の長手方向に沿って延びる中央部151と、この中央部151の長手方向における両端から長手方向と垂直な方向に延びる一対の側板部152a,152bとを備えており、略コ字状に形成されている。このように、可動部材142´は、略コ字状に形成されていることにより、中央部151と側板部152a,152bとによって形成される凹部を備えている。また、可動部材142´はスライダ20の側面に形成された歯型形状の被係合部121と噛合する係合部142bを備えている。
係合部142bは、可動部材142´の図8における下面(ベース10と対向する面上)にボルト締結によって取り付けられた係合部材142a´のベース10と対向する面に係合部材142a´の長手方向に沿って形成されるとともに、長さLの範囲にわたって形成されている。この長さLは、ベース10の長手方向と直交する向きに沿って形成されており、図9における被係合部121の上端面から係合部材142a´の下端面までの距離を示している。さらに、側板部152a,152bの先端には、枢軸144´を回動自在に保持するヒンジ部が形成されている。図8に示すように、上述した第2の実施例に係る有限運動案内装置の枢軸144と同様に、枢軸144´は、スライダ20の移動方向Fと並行に取り付けられると共に、枢軸144の回転軸線がスライダ20の移動方向Fと並行に取り付けられている。このように形成すると、可動部材142´の回転方向Rとスライダ20の移動方向Fとが略直交して配置され、係合部142a´と被係合部121とが係合するので、位置保持機構140´がスライダ20の移動方向Fに荷重を受けた場合、当該荷重が可動部材142´の回動方向Rに働かないので、荷重によって係合部142a´と被係合部121との係合が解除されることがなく、スライダ20の移動方向に対して強い制動力を持たせることができる。
係合部材142a´の取り付け位置について図9を参照して更に説明を行う。係合部材142a´は、上述したように、可動部材142´の図8における下面に取り付けられ、係合部142bがスライダ20の側面に形成された被係合部121と噛合している。この係合部142bは被係合部121と長さLにわたって噛合しており、係合部142bと被係合部121とが噛合により係合することにより長さLの範囲に亘って重畳している。さらに、枢軸の中心点Pは、この長さLの範囲に亘って重畳した範囲を係合部142bと直交する方向に延ばして得られる仮想帯X上に位置している。さらに、図9に示すように、固定部材141´は、ベース10に取り付けられる水平部と、該水平部の一方端から下方に垂下する鉛直部とからなり、長手方向と直交する断面において、断面略L字状に形成されている。枢軸144´は、該鉛直部を長手方向に貫通するように配置されており、この固定部材141´を断面略L字状に構成することにより、枢軸144´,被係合部121及び係合部142bは、夫々固定部材141´の水平部の上面よりも下方に配置されている。
このように、枢軸144´の中心点Pが、係合部142bと被係合部121とが噛合することにより重畳する長さLの範囲を係合部142bと直交する方向に延ばして得られる仮想帯X上に位置するように配置し、枢軸144´,被係合部121及び係合部142bを夫々固定部材141´の水平部の上面よりも下方に配置すると、スライダ20がベース10に対して移動する際に衝突荷重を受けた場合、位置保持機構140´に伝達された衝突荷重を仮想帯Xの延在方向に沿った方向に向けることができ、可動部材142´の枢軸144´を中心とするモーメント力を理論的にゼロとすることができる。従って、衝突荷重によって可動部材142´が枢軸144´を中心に回転することを防止することができ、衝突荷重によって係合部材142a´と被係合部121との噛合が解除されることを防止することができる。
次に、再度図8を参照して、固定部材141´と可動部材142´の配置関係について説明する。図8に示すように、固定部材141´は、可動部材142´に形成された凹部内に配置され、固定部材141´の長手方向の両端面153a,153bは、それぞれ可動部材142´の側板部152a,152bと対向している。このように、可動部材142´の凹部に固定部材141´を配置すると、衝突荷重をレール10の長手方向から(図8におけるB方向)受けた場合、固定部材141´の受けた衝突荷重を端面153bを介して側板部152bに伝達させることができ、構造上剛性を高くすることが難しい枢軸144´やヒンジ部に衝突荷重が伝達されることによる応力集中を防止することができる。従って、衝突荷重を受けた場合でも枢軸144´やヒンジ部の破損を防止することができる信頼性の高い有限運動案内装置を提供することができる。
また、位置保持機構140´を構成する枢軸144´には、付勢手段としてのコイルばね143´が取り付けられており、コイルばね143´の弾性力により、可動部材142´が係合部材142a´と被係合部121との噛合を保持する方向に付勢されている。このように、付勢手段にコイルばね143´を適用すると、強い戻り力の時であっても旋回角を大きくとることが可能となる。
以上説明した第2の実施形態に係る有限運動案内装置100´では、可動部材142´を略コ字状に形成し、中央部151と側板部152a,152bとによって形成される凹部内に固定部材141´を配置することで、衝突荷重をレール10の長手方向から(図8におけるB方向)受けた場合、固定部材141´の受けた衝突荷重を端面153bを介して側板部152bに伝達させることができ、構造上剛性を高くすることが難しい枢軸144´やヒンジ部に衝突荷重が伝達されることによる応力集中を防止することができるものであった。このように固定部材141´の端面153a,153bと側板部152a,152bとが直接当接するように形成するといった複雑な構造をより簡略化する手段として、固定部材141´の中央部151と対向する面にスライダ20に形成される被係合部121と同様の歯形形状を第2の被係合部を形成し、可動部材142´に取り付けられた係合部材142a´がスライダ20に形成された被係合部121と係合するとともに、固定部材141´に形成された第2の被係合部と係合するように形成しても構わない。このように、係合部材142a´がスライダ20及び固定部材141´の両方に係合するように形成すると、衝突荷重をレール10の長手方向から受けた場合、固定部材141´の受けた衝突荷重を第2の被係合部を介して係合部材142a´に伝達することができ、固定部材141´と側板部152a,152bとが直接当接するように形成しなくとも、より簡単な構成で枢軸144´やヒンジ部に衝突荷重が伝達されることによる応力集中を防止することができる構造とすることができる。
[第3の実施形態]
次に、図10を参照して、上述した第1及び第2の実施形態に係る有限運動案内装置1,100,100´を車両用のシートレールとして適用した場合の実施例について説明する。
図10に示すように、本実施形態に係る車両用シートレールは、ベース10を車室内のフロア61にボルト等で締結固定し、スライダ20をシート60底面にボルト等で締結固定して取り付けられている。
このように本実施形態に係る有限運動案内装置1,100,100´を車両用のシートレールとして適用すると、ベース10やスライダ20といった構成部品を切削加工,鍛造,鋳造などの加工方法によって製造することができるので、従来、鉄製の平板を板金加工によって製造されていたシートレールと比べて、強度を確保しながら構成部品を小型化することができると共に、自由な形状に形成することが可能となり、車室内のより低い位置にシート座面を設定することができる。
また、本実施形態に係る有限運動案内装置1,100,100´は、鉛直方向以外の荷重も負荷することができるので、車両用のシートレールの取付方向はシート60の底面に限られず、シート側面に取り付けて、車室内のシート座面の位置をより低い位置に設定することも可能である。
また、第3の実施形態においては、本実施形態に係る有限運動案内装置1,100,100´を車両用のシートレールとして適用した場合について説明したが、本実施形態に係る有限運動案内装置1,100,100´はこれに限定されず、引出しや各種レールなどの部材の移動を案内する用途に適用することができる。
さらに、上述した本実施形態に係る有限運動案内装置1,100,100´においては、複数の転動体30a,30bが転動体転走面11及び負荷転動体転走面21を自由に転動することができる場合について説明したが、複数の転動体30a,30bを保持器によって保持し、一体として転動するように形成しても構わない。
またさらに、上述した本実施形態に係る有限運動案内装置1,100,100´は、スチールやステンレスなど、金属を用いて製造した場合について説明したが、求められる強度や耐用年数等によっては、ベース,スライダ,転動体といった構成部品を合成樹脂により形成しても構わない。
また、上述した第2の実施形態に係る有限運動案内装置100,100´においては、被係合部121及び係合部142a,142bを移動部材20の一方の側面に形成した場合について説明したが、これらの部材の位置は左右対称に形成して、移動部材20の他方の側面に形成しても構わない。さらに、上述した第2の実施形態に係る有限運動案内装置100´においては、枢軸144´をベース10の一方側に配置し、可動部材142´がベース10の上面を横断してスライダ20の他方側に形成された被係合部121と係合部142bとが噛合する形態について説明したが、枢軸144´を被係合部121及び係合部142bと同一側に配置し、可動部材142´が枢軸144´を中心に回動することにより、可動部材142´がベース10の上面を横断することなく被係合部121と係合部142bとを噛合するように配置しても構わない。
さらに、上述した第2の実施形態に係る有限運動案内装置100,100´においては、被係合部121及び係合部142a,142bとを、ベース10の長手方向と直交する方向に形成した場合について説明したが、これらの部材が噛合する向きをベース10の長手方向と直交する向きに対して傾斜するように配置しても構わない。このように被係合部121及び係合部142a,142bとが長手方向と直交する向きに対して傾いて形成されると、枢軸144,144´を中心とする回転運動によって、可動部材142を回転させ、被係合部121と係合部142a,142bとの噛合を解除する際に、被係合部121と係合部142a,142bの端部が干渉して噛合の解除を阻害することが生じることがなく、円滑な噛合及び噛合の解除を実現することができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明の位置保持機構を備えた有限運動案内装置は、有限運動案内装置を大型化することなく位置保持機構を備えることができ、さらに、切削加工、鍛造、鋳造などの加工方法によって構成部品を製造することができるので、断面矩形状や断面鞍形状といった自由な形状に形成することができ、例えば車両用のシートレールに適用すれば、強度を保持したまま小型化又はシート取付位置を自由に設定することができる。
1,100,100´ 有限運動案内装置, 10 ベース, 11 転動体転走面, 12 取付孔, 20 スライダ, 20a,20b 分割体, 21 負荷転動体転走面, 30a,30b 転動体, 40,140,140´ 位置保持機構, 41 第1の可動部材, 42 第2の可動部材, 43 操作レバー, 44 レバー軸, 45 Oリング, 143 板バネ, 121 被係合部, 141,141´ 固定部材, 142,142´ 可動部材, 142a,142a´,142b 係合部, 144,144´ 枢軸, 60 シート, 61 フロア。


Claims (6)

  1. 転動体転走面を備えるベースと、
    前記ベースに移動自在に組み付けられ、前記転動体転走面と対向する負荷転動体転走面を備えるスライダと、
    前記転動体転走面と前記負荷転動体転走面との間に介在される複数の転動体とを備える有限運動案内装置において、
    前記ベース又は前記スライダのいずれか一方の長手方向の略中央部には、前記スライダを前記ベースに対して相対的に制動可能な位置保持機構を備え
    前記位置保持機構は、前記ベース又は前記スライダのいずれか一方に取り付けられる固定部材と、前記固定部材に枢軸を介して取り付けられる可動部材とを備え、
    前記枢軸は、前記スライダの移動方向と平行に取り付けられると共に、前記枢軸の回転軸線が前記スライダの移動方向と平行であり、
    前記可動部材は、前記ベース又は前記スライダのいずれか他方の前記長手方向に沿った側面に対向する係合部を備え、
    前記係合部は、前記長手方向に沿って所定長さに形成されるとともに、前記ベース又は前記スライダのいずれか他方の前記長手方向に沿った側面に形成された被係合部と係合し、
    前記長手方向と直交する断面における、前記枢軸の中心点は、前記係合部と前記被係合部とが係合することによる重畳する範囲を前記スライダの幅方向と平行に延ばして得られる仮想帯上に位置することを特徴とする有限運動案内装置。
  2. 請求項に記載の有限運動案内装置において、
    前記可動部材は、前記長手方向に沿って延びる中央部と、前記中央部の前記長手方向の両端から前記長手方向と垂直な方向に延びる側板部によって凹部が形成され、
    前記固定部材は、前記凹部に配置され、前記固定部材の前記長手方向の両端部は前記側板部とそれぞれ対向することを特徴とする有限運動案内装置。
  3. 請求項1又は2に記載の有限運動案内装置において、
    前記位置保持機構には、前記可動部材を前記枢軸の回転方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする有限運動案内装置。
  4. 転動体転走面を備えるベースと、
    前記ベースに移動自在に組み付けられ、前記転動体転走面と対向する負荷転動体転走面を備えるスライダと、
    前記転動体転走面と前記負荷転動体転走面との間に介在される複数の転動体とを備える有限運動案内装置において、
    前記ベース又は前記スライダのいずれか一方の長手方向の略中央部には、前記スライダを前記ベースに対して相対的に制動可能な位置保持機構を備え、
    前記位置保持機構は、前記ベース及び前記スライダのいずれか一方に取り付けられると共に、前記ベース及び前記スライダのいずれか他方を把持可能な把持部材を備え
    前記スライダは、前記ベースの長手方向に沿って配列された一対の分割体を備え、
    前記一対の分割体は、前記ベースの長手方向の略中央部において、前記位置保持機構を介して互いに連結されていることを特徴とする有限運動案内装置。
  5. 請求項に記載の有限運動案内装置において、
    前記把持部材は、前記ベース及び前記スライダのいずれか一方に取り付けられた第1の可動部材と、前記第1の可動部材に取り付けられた操作レバーと連動して前記第1の可動部材に対して相対的に移動可能な第2の可動部材とを備え、
    前記第2の可動部材と前記第1の可動部材とにより前記ベース及び前記スライダのいずれか他方を把持することを特徴とする有限運動案内装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の有限運動案内装置を備えることを特徴とするシートレール。
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