JP5533718B2 - Euvリソグラフィ用反射型マスクブランク、該マスクブランク用の機能膜付基板 - Google Patents
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Description
吸収層には、EUV光に対する吸収係数の高い材料、具体的にはたとえば、クロム(Cr)やタンタル(Ta)を主成分とする材料が用いられる。
このような問題を解消するため、特許文献1には、基板の静電チャッキングを促進する層として、通常のCr以外の材料、例えばSi,Mo,オキシ窒化クロム(CrON)、又はTaSiのような、ガラス基板よりも高い誘電率および高い導電率の物質の裏面コーティング(裏面導電膜)を有するマスク基板が記載されている。
また、本発明は、該導電膜付基板を用いたEUVマスクブランクの多層反射膜付基板、およびEUVマスクブランクを提供することを目的とする。
ることにより、裏面導電膜側からの真空紫外領域(190〜400nm)の反射を抑制し、真空紫外領域(190〜400nm)の反射率を10%以下にすることができることを見出した。
このため、本発明の導電膜付基板を用いて作成したEUVマスクにおいて、露光領域の外周部の吸収層および反射層をエッチングして、ガラス基板を露出した場合に、露光領域の外周部からの真空紫外領域の反射光によって、Siウエハ上の不必要なレジストが感光することが抑制され、パターン精度が向上する。
本発明の導電膜付基板では、ガラス基板1と導電膜2との間に、以下に述べる光学特性を満たす中間膜3が形成されることで、導電膜2からの真空紫外領域(190〜400nm)の反射光を抑制し、真空紫外領域(190〜400nm)の反射率を10%以下とする。なお、ここで言う導電膜2からの反射光とは、図中下方から導電膜2表面に入射した光が該導電膜2表面で反射されることによって生じるものではなく、図中上方から基板1を透過してきた光が、基板1と導電膜2との界面で反射されることによって生じるものを言う。
(式1) R3=(N1−N3)/(N1+N3)
(式2) R2=(N3−N2)/(N3+N2)
ここで、R3とR2が等しいとき、真空紫外領域(190〜400nm)の光に対して低反射特性が得られることとなる。このときの最適な中間膜3の屈折率N3は以下の(式3)で表される。
(式3) N3=(N1N2)1/2
一方、EUVマスクブランクの裏面導電膜には、ガラス基板よりも高い誘電率および導電率を有することが求められることから、Cr、Ta、Si、Tiおよびこれらの窒素化物などの金属性膜(例えば、CrN膜)が使用される。これらの金属性膜の真空紫外領域(190〜400nm)の光に対する屈折率(N2)は、1.5〜5.5の範囲に含まれる。
上記のN1およびN2の範囲と、(式3)と、から、中間膜3の屈折率(N3)は、1.47〜3.00が好ましいことになる。
(式4) 2N3d3=λ/2
ここで、d3は中間膜3の膜厚を表わす。
中間膜3での光の吸収が無いと仮定した場合、中間膜3の膜厚d3は15nm〜70nmの範囲で選択することができることになる。
しかしながら、現実には、中間膜3での光の吸収は不可避であるため、中間膜3の消衰係数(k3)も考慮する必要がある。
ここで、中間膜3の消衰係数(k3)が大きい場合、真空紫外領域(190〜400nm)の光に対して十分な低反射特性が得られないため、中間膜3の消衰係数(k3)は0以上、1.0以下の範囲が望ましい。その理由を以下に示す。
図2は中間膜3の屈折率(N3)を上記した好適範囲(1.47〜3.00)の下限(1.47)とした場合の反射率、図3は中間膜3の屈折率(N3)を上記した好適範囲(1.47〜3.00)の上限(3.00)とした場合の反射率である。図から明らかなように、中間膜3の屈折率(N3)が大きい場合(図3)、k3=1.1であっても反射率が10%以下となる中間膜3の膜厚は存在するが、中間膜3の屈折率(N3)が小さい場合(図2)、k3=1.1だと反射率10%以下となる中間膜3の膜厚は存在しない。一方、k3≦1.0であれば、中間膜3の屈折率(N3)が小さい場合(図2)、反射率が10%以下となる中間膜3の膜厚は存在する。すなわち、k3≦1.0であれば、中間膜3の屈折率(N3)が上記した好適範囲(1.47〜3.00)で、反射率を10%以下にする中間膜3の膜厚が存在する。別の言い方をすると、k3≦1.0であれば、中間膜3の屈折率(N3)が上記した好適範囲(1.47〜3.00)である場合、中間膜3の膜厚を調節することで反射率を10%以下とすることができる。なお、消衰係数の下限は0であるので、上記の「k3≦1.0」は、0≦k3≦1.0を意味する。
なお、裏面導電膜として十分な導電性を得るためには、導電膜2は40nm以上の膜厚が必要であること、および、裏面導電膜として用いられる上記した金属性膜の波長190〜400nmに対する消衰係数は十分大きいことから、導電膜2の裏面(図中、下側の面)からの反射は十分小さくなる。
そのため、真空紫外領域(190〜400nm)の光に対して十分な低反射特性を得るために、導電膜2の消衰係数を考慮する必要はない。
中間膜(Cr,Ta:O)において、クロム(Cr)およびタンタル(Ta)の合計含有率が10〜90at%であり、酸素(O)の含有率が10〜90at%である。
中間膜(Cr,Ta:O)におけるCrおよびTaの合計含有率が10at%未満だと、スパッタ成膜時に放電が不安定となり、異常放電が起こるため、安定した成膜が困難となるなどの問題がある。
中間膜(Cr,Ta:O)におけるCrおよびTaの合計含有率が90at%超だと、上記の光学条件(屈折率(N3)、消衰係数(k3))を満たすことができない、特に吸収係数(k3)が1.0より大きくなるなどの問題がある。
中間膜(Cr,Ta:O)におけるOの含有率が10at%未満だと、上記の光学条件(屈折率(N3)、消衰係数(k3))を満たすことができない、特に吸収係数(k3)が1.0より大きくなるなどの問題がある。
中間膜(Cr,Ta:O)におけるOの含有率が90at%超だと、スパッタ成膜時に放電が不安定となり、異常放電が起こるため、安定した成膜が困難となるなどの問題がある。
中間膜(Cr,Ta:O)は、CrおよびTaの合計含有率が10〜85at%であることが好ましく、15〜85at%であることがより好ましく、15〜80at%であることがさらに好ましい。
中間膜(Cr,Ta:O)は、Oの含有率が15〜90at%であることが好ましく、15〜85at%であることがより好ましく、20〜85at%であることがさらに好ましい。
中間膜(Cr,Ta:O)に含めることができる元素の一例として、窒素(N)が挙げられる。上記の中間膜がNを含有することにより、中間膜表面の平滑性が向上すると考えられる。中間膜表面の平滑性が向上すると、該中間膜上に形成される導電膜についても表面の平滑性が向上することが期待される。
このような中間膜(Cr,Ta:ON)の具体例としては、CrON膜、TaON膜、および、CrTaON膜が挙げられる。
中間膜(Cr,Ta:ON)におけるCrおよびTaの合計含有率が20at%未満であると、スパッタ成膜時に放電が不安定となり、異常放電が起こるため、安定した成膜が困難となるなどの問題がある。
中間膜(Cr,Ta:ON)におけるCrおよびTaの合計含有率が80at%超だと、上記の光学条件(屈折率(N3)、消衰係数(k3))を満たすことができない、特に吸収係数(k3)が1.0より大きくなるなどの問題がある。
中間膜(Cr,Ta:ON)におけるOおよびNの含有率が20at%未満だと、上記の光学条件(屈折率(N3)、消衰係数(k3))を満たすことができない、特に吸収係数(k3)が1.0より大きくなるなどの問題がある。
中間膜(Cr,Ta:ON)におけるOおよびNの含有率が80at%超だと、スパッタ成膜時に放電が不安定となり、異常放電が起こるため、安定した成膜が困難となるなどの問題がある。
中間膜(Cr,Ta:ON)のOが上記組成比より低い場合、上記の光学条件(屈折率(N3)、消衰係数(k3))を満たすことができない、特に吸収係数(k3)が1.0より大きくなるなどの問題がある。
中間膜(Cr,Ta:ON)のOが上記組成比より高い場合、N添加による中間膜表面の平滑性が向上する効果が十分に得られないなどの問題がある。
中間膜(Cr,Ta:ON)は、OおよびNの合計含有率が22〜80at%であることが好ましく、CrおよびTaの合計含有率が22〜78at%であることがより好ましく、25〜78at%であることがさらに好ましい。
中間膜(Cr,Ta:ON)は、OとNの組成比が8.8:1.2〜5.2:4.8であることが好ましく、8.5:1.5〜5.5:4.5であることがより好ましく、8:2〜6:4であることがさらに好ましい。
詳しくは後述するが、導電膜表面の平滑性に優れることが、導電膜付基板を静電チャックで吸着保持した際に、静電チャックと導電膜との擦れによるパーティクルの発生を防止するうえで好ましい。中間膜表面の平滑性が向上すると、該中間膜上に形成される導電膜についても表面の平滑性が向上することが期待される。
中間膜(Cr,Ta:ON)表面の表面粗さ(rms)が0.5nm以下であれば、中間膜(Cr,Ta:ON)表面が十分平滑であるため、該該中間膜上に形成される導電膜表面の表面粗さ(rms)も0.5nm以下になることが期待される。
中間膜(Cr,Ta:ON)表面の表面粗さ(rms)は0.4nm以下であることがより好ましく、0.3nm以下であることがさらに好ましい。
なお、中間膜(Cr,Ta:ON)の結晶状態がアモルファスであること、すなわち、アモルファス構造であること、または微結晶構造であることは、X線回折(XRD)法によって確認することができる。中間膜(Cr,Ta:ON)の結晶状態がアモルファス構造であるか、または微結晶構造であれば、XRD測定により得られる回折ピークにシャープなピークが見られない。
導電膜2と中間膜3との合計膜厚が200nm超である場合、膜厚の増加は導電膜2および中間膜3の機能の向上にはもはや寄与せず、導電膜2および中間膜3の形成に要する時間が増加し、導電膜2および中間膜3の形成に要するコストが増加する。また、導電膜2および中間膜3の合計膜厚が必要以上に大きくなるため、膜剥れが発生するおそれが増加する。
導電膜2と中間膜3との合計膜厚は50〜195nmであることが好ましく、50〜190nmであることがより好ましく、50〜100nmであることがさらに好ましく、50〜95nmであることがさらに好ましく、50〜90nmであることが特に好ましい。
中間膜3の膜厚は10〜50nmであることが好ましく、10〜45nmであることがより好ましく、10〜40nmであることがさらに好ましい。
中間膜3が、CrO膜の場合、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)のうち少なくともひとつを含む不活性ガスで希釈した酸素(O2)雰囲気中でCrターゲットを放電させることによって形成する。
中間膜3が、TaO膜の場合、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)のうち少なくともひとつを含む不活性ガスで希釈した酸素(O2)雰囲気中でTaターゲットを放電させることによって形成する。
中間膜3が、TaON膜の場合、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)のうち少なくともひとつを含む不活性ガスで希釈した酸素(O2)および窒素(N2)雰囲気中で、Taターゲットを用いたスパッタリング法、例えば、マグネトロンスパッタリング法またはイオンビームスパッタリング法を実施することにより形成できる。または、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)のうち少なくともひとつを含む不活性ガスで希釈した窒素(N2)雰囲気中でTaターゲットを放電させてTaN膜を形成した後、例えば酸素プラズマ中にさらしたり、酸素を用いたイオンビームを照射することによって、形成された膜を酸化することにより、TaON膜としてもよい。
CrO膜、TaO膜を形成する場合
スパッタガス:ArとO2の混合ガス(O2ガス濃度3〜80vol%、好ましくは5〜60vol%、より好ましくは10〜40vol%。ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa。)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:0.01〜60nm/min、好ましくは0.05〜45nm/min、より好ましくは0.1〜30nm/min
CrON膜、TaON膜を形成する場合
スパッタガス:ArとO2とN2の混合ガス(O2ガス濃度5〜80vol%、N2ガス濃度5〜75vol%、好ましくはO2ガス濃度6〜70vol%、N2ガス濃度6〜35vol%、より好ましくはO2ガス濃度10〜30vol%、N2ガス濃度10〜30vol%。Arガス濃度5〜90vol%、好ましくは10〜88vol%、より好ましくは20〜80vol%、ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa。)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:0.01〜60nm/min、好ましくは0.05〜45nm/min、より好ましくは0.1〜30nm/min
なお、アルゴン以外の不活性ガスを使用する場合、その不活性ガスの濃度が上記したArガス濃度と同じ濃度範囲にする。また、複数種類の不活性ガスを使用する場合、不活性ガスの合計濃度を上記したArガス濃度と同じ濃度範囲にする。
導電膜(Cr,Ta:N)であれば、シート抵抗値が低く、27Ω/□以下となる。このため、後述する導電膜2および中間膜3のシート抵抗値を100Ω/□以下にすることができる。また、その結晶状態がアモルファスとなるため、その表面が平滑性に優れている。具体的には、導電膜表面の表面粗さ(rms)が0.5nm以下となる。
このような導電膜(Cr,Ta:N)の具体例としては、CrN膜、TaN膜、および、CrTaN膜が挙げられる。
一方、導電膜(Cr,Ta:N)におけるNの含有率が40at%以上の場合も、結晶状態が、結晶性、すなわち、結晶構造を有する膜となるため、導電膜(Cr,Ta:N)表面の表面粗さが大きくなる。また、導電膜(Cr,Ta:N)におけるNの平均濃度が40at%以上の場合、導電膜(Cr,Ta:N)のシート抵抗が増加して、静電チャックによるチャック力が低下するので、静電チャックとの密着性が低下し、静電チャックと導電膜(Cr,Ta:N)との擦れによりパーティクルが発生しやすくなる。
導電膜(Cr,Ta:N)におけるNの含有率は10at%以上40at%未満であることが好ましく、15〜36at%であることがより好ましい。
導電膜(Cr,Ta:N)におけるCrおよびTaの合計含有率は60〜90at%であることが好ましく、64〜85at%であることがより好ましい。
導電膜(Cr,Ta:N)の表面粗さはrmsで0.4nm以下であることがより好ましく、0.3nm以下であることがさらに好ましい。
なお、導電膜(Cr,Ta:N)の結晶状態がアモルファスであること、すなわち、アモルファス構造であること、または微結晶構造であることは、X線回折(XRD)法によって確認することができる。導電膜(Cr,Ta:N)の結晶状態がアモルファス構造であるか、または微結晶構造であれば、XRD測定により得られる回折ピークにシャープなピークが見られない。
導電膜(Cr,Ta:N)の表面硬度は、15GPa以上であることがより好ましい。
また、上述したように、本発明の導電膜付基板における導電膜2と中間膜3との合計膜厚が50〜200nmである。
導電膜2の膜厚は、40〜190nmであることが好ましく、40〜185nmであることがより好ましく、40〜180nmであることがさらに好ましく、40〜90nmであることがさらに好ましく、40〜85nmであることがさらに好ましく、40〜80nmであることが特に好ましい。
導電膜2がCrN膜の場合、ターゲットをCrターゲットとし、スパッタガスをArとN2の混合ガスとして、マグネトロンスパッタリング法を用いて導電膜を成膜すればよい。
導電膜2がTaN膜の場合、ターゲットをTaターゲットとし、スパッタガスをArとN2の混合ガスとして、マグネトロンスパッタリング法を用いて導電膜を成膜すればよい。
CrN膜を形成する場合
ターゲット:Crターゲット
スパッタガス:ArとN2の混合ガス(N2ガス濃度3〜45vol%、好ましくは5〜40vol%、より好ましくは10〜35vol%。ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa。)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/min、好ましくは3.5〜45nm/min、より好ましくは5〜30nm/min
TaN膜を形成する場合
ターゲット:Taターゲット
スパッタガス:ArとN2の混合ガス(N2ガス濃度3〜45vol%、好ましくは5〜40vol%、より好ましくは10〜35vol%。ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa。)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/min、好ましくは3.5〜45nm/min、より好ましくは5〜30nm/min
そのため、ガラス基板1は、低熱膨張係数(0±1.0×10-7/℃であることが好ましく、より好ましくは0±0.3×10-7/℃、さらに好ましくは0±0.2×10-7/℃、さらに好ましくは0±0.1×10-7/℃、特に好ましくは0±0.05×10-7/℃)を有し、平滑性、平坦度、およびマスクブランクまたはパターン形成後のフォトマスクの洗浄等に用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましい。ガラス基板1としては、具体的には低熱膨張係数を有するガラス、例えばSiO2−TiO2系ガラス等を用いることができる。
ガラス基板1は、0.15nm rms以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度を有していることがパターン形成後のフォトマスクにおいて高反射率および転写精度が得られるために好ましい。
ガラス基板1の大きさや厚みなどはマスクの設計値等により適宜決定されるものである。後で示す実施例では外形6インチ(152.4mm)角で、厚さ0.25インチ(6.3mm)のSiO2−TiO2系ガラスを用いた。
ガラス基板1の成膜面に成膜される多層反射膜4は、EUVマスクブランクの多層反射膜として所望の特性を有するものである限り特に限定されない。ここで、多層反射膜4に特に要求される特性は、高EUV光線反射率の膜であることである。具体的には、EUV光の波長領域の光線を多層反射膜表面に照射した際に、波長13.5nm付近の光線反射率の最大値が60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましい。
上記の特性を満たす多層反射膜4としては、Si膜とMo膜とを交互に積層させたSi/Mo多層反射膜、BeとMo膜とを交互に積層させたBe/Mo多層反射膜、Si化合物とMo化合物層とを交互に積層させたSi化合物/Mo化合物多層反射膜、Si膜、Mo膜およびRu膜をこの順番に積層させたSi/Mo/Ru多層反射膜、Si膜、Ru膜、Mo膜およびRu膜をこの順番に積層させたSi/Ru/Mo/Ru多層反射膜が挙げられる。
スパッタリング法を用いて、吸収層5を成膜する際、均一な成膜を得るために、回転体を用いてガラス基板1を回転させながら成膜を行うことが好ましい。
バッファ層を構成する材料としては、たとえば、Cr、Al、Ru、Taおよびこれらの窒化物、ならびにSiO2、Si3N4、Al2O3などが挙げられる。バッファ層は厚さ10〜60nmであることが好ましい。
さらに、上記EUVマスクブランクをパターニングすることで、表面欠陥の少ないEUVマスクを形成することが可能である。欠陥を減少させることで、欠点の少ない露光を行うことができ、生産性にも優れる。
電子ビーム描画技術を用いたパターン形成をするためには、まず始めに、EUVマスクブランクの吸収層表面に電子ビーム描画用のレジストを塗布し、ベーキング処理、たとえば200℃でベーキング処理を行う。次に、レジスト表面上に電子ビーム描画装置を用いて電子ビームを照射し、その後現像することでレジストパターンを形成する。上記手順でパターン形成されたマスクは、EUV光を用いた露光プロセスに供される。これらの手順は、EUVマスクブランク(またはパターン形成されたマスク)を静電チャックに固定した状態で実施される。
上記のパターン形成やEUV光による露光の際、ガラス基板の温度が上昇する。ガラス基板の温度上昇はパターン精度に悪影響を及ぼすおそれがあることから好ましくない。このため、パターン形成の際にガラス基板を冷却することが検討されている。ガラス基板の冷却方法としては、様々な方法が考えられるが、例えば、静電チャック内部に液体や気体を流通させて基板を冷却する方法、ピンチャックと基板との空隙部分に気体を流通させて基板を冷却する方法がある。これらの方法において、ガラス基板の冷却効率という点から、導電膜2と静電チャックとの密着性が高く、両者の接触部での熱伝導性が高いことが好ましい。本発明のEUVマスクブランクは、導電膜2と静電チャックとの密着性が高いため、この点において好適である。
(実施例1)
本実施例では、図1に示す導電膜付基板、すなわち、ガラス基板1の一方の面に中間膜3および導電膜2がこの順に形成された導電膜付基板を作製した。
成膜用のガラス基板1として、SiO2−TiO2系のガラス基板(外形6インチ(152.4mm)角、厚さが6.3mm)を使用した。
中間膜3の形成
ガラス基板1の表面上に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、中間膜3としてCrON膜を成膜した。具体的には、成膜チャンバー内を1×10-4Pa以下の真空にした後、Crターゲットを用いて、ArとO2とN2の混合ガス雰囲気中でマグネトロンスパッタリングを行い、厚さ30nmの中間膜3(CrON膜)を形成した。中間膜3(CrON膜)の成膜条件は以下の通りである。
ターゲット:Crターゲット
スパッタガス:ArとO2とN2の混合ガス(Ar:36vol%、O2:50vol%、N2:14vol%、ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:0.11nm/sec
膜厚:30nm
中間膜3(CrON膜)の組成分析
中間膜3(CrON膜)の組成を、X線光電子分光装置(X−ray Photoelectron Spectrometer)(PERKIN ELEMER−PHI社製)、ラザフォード後方散乱分光装置(Rutherford Back Scattering Spectroscopy)(神戸製鋼社製)を用いて測定する。中間膜3(CrON膜)の組成比(at%)は、Cr:O:N=25:65:10である。
中間膜3(CrON膜)の光学定数
中間膜3(CrON膜)の波長190〜400nmに対する、屈折率(n)及び消衰係数(k)を、分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製)を用いて測定したところ、n=1.70〜2.11およびk=0.10〜0.83であった。
次に、中間膜3上に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、導電膜2としてCrN膜を成膜した。具体的には、成膜チャンバー内を1×10-4Pa以下の真空にした後、Crターゲットを用いて、ArとN2の混合ガス雰囲気中でマグネトロンスパッタリングを行い、厚さ40nmの導電膜2(CrN膜)を形成した。導電膜2(CrN膜)の成膜条件は以下の通りである。
ターゲット:Crターゲット
スパッタガス:ArとN2の混合ガス(Ar:70vol%、N2:30vol%、ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:0.11nm/sec
膜厚:40nm
導電膜2(CrN膜)の組成分析
導電膜2(CrN膜)の組成を、X線光電子分光装置(X-ray Photoelectron Spectrometer)を用いて測定した。導電膜2(CrN膜)の組成比(at%)は、Cr:N=63.1:36.9である。
上記の手順で得られた導電膜付基板について、ガラス基板1の導電膜2および中間膜3が形成されていない側の面(図1におけるガラス基板1の上方の面)から光線を入射した際の、導電膜2側からの真空紫外領域(190〜400nm)の反射率を測定した。反射率測定は、分光光度計(U−4100、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて実施した。真空紫外領域(190〜400nm)の反射率は、いずれも10%以下であり、中間膜3を設けることにより、190〜400nmのすべての波長に対して、反射率を10%以下とすることが可能であった。
本実施例では、中間膜3としてCrO膜を以下の手順で形成した以外は、実施例1と同様である。
中間膜3(CrO膜)の形成
ガラス基板1の表面上に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、中間膜3としてCrO膜を成膜した。具体的には、成膜チャンバー内を1×10-4Pa以下の真空にした後、Crターゲットを用いて、ArとO2の混合ガス雰囲気中でマグネトロンスパッタリングを行い、厚さ30nmの中間膜3(CrO膜)を形成した。中間膜3(CrO膜)の成膜条件は以下の通りである。
ターゲット:Crターゲット
スパッタガス:ArとO2の混合ガス(Ar:36vol%、O2:64vol%、ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:0.15nm/sec
膜厚:30nm
中間膜3(CrO膜)の組成分析
中間膜3(CrO膜)の組成を、X線光電子分光装置(X−ray Photoelectron Spectrometer)(PERKIN ELEMER−PHI社製)、ラザフォード後方散乱分光装置(Rutherford Back Scattering Spectroscopy)(神戸製鋼社製)を用いて測定する。中間膜3(CrO膜)の組成比(at%)は、Cr:O=25:75である。
中間膜3(CrO膜)の光学定数
中間膜3(CrO膜)の波長190〜400nmに対する、屈折率(n)及び消衰係数(k)を実施例1と同様に測定したところ、n=1.68〜2.20およびk=0.10〜0.93であった。
上記の手順で得られた導電膜付基板について、導電膜側からの真空紫外領域(190〜400nm)の反射率を実施例1と同様の手順で測定した。真空紫外領域(190〜400nm)の反射率は、いずれも10%以下であり、中間膜3を設けることにより、190〜400nmのすべての波長に対して、反射率を10%以下とすることが可能であった。
本実施例では、中間膜3として、以下の手順でTaON膜を形成した以外は、実施例1と同様である。
ガラス基板1の表面上に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、中間膜3としてTaON膜を成膜した。具体的には、成膜チャンバー内を1×10-4Pa以下の真空にした後、Taターゲットを用いて、ArとO2とN2の混合ガス雰囲気中でマグネトロンスパッタリングを行い、厚さ10nmの中間膜3(TaON膜)を形成した。
中間膜3(TaON膜)の成膜条件
ターゲット:Taターゲット
スパッタガス:ArとO2とN2の混合ガス(Ar:36vol%、O2:50vol%、N2:14vol%、ガス圧:0.3Pa)
投入電力:450W
成膜速度:1.1nm/min
膜厚:10nm
中間膜3(TaON膜)の組成分析
中間膜3(TaON膜)の組成を、X線光電子分光装置(X−ray Photoelectron Spectrometer)(PERKIN ELEMER−PHI社製)、ラザフォード後方散乱分光装置(Rutherford Back Scattering Spectroscopy)(神戸製鋼社製)を用いて測定する。中間膜3(TaON膜)の組成比(at%)は、Ta:O:N=24:70:6である。
中間膜3の光学定数
中間膜3(TaON膜)の波長190〜400nmに対する、屈折率(n)及び消衰係数(k)を実施例1と同様に測定したところ、n=1.90〜2.99およびk=0.0〜0.98であった。
上記の手順で得られた導電膜付基板について、導電膜側からの真空紫外領域(190〜400nm)の反射率を実施例1と同様の手順で測定した。真空紫外領域(190〜400nm)の反射率は、いずれも10%以下であり、中間膜3を設けることにより、190〜400nmのすべての波長に対して、反射率を10%以下とすることが可能であった。
本実施例では、中間膜3として、以下の手順でTaO膜を形成した以外は、実施例1と同様である。
中間膜3(TaO膜)の形成
ガラス基板1の表面上に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、中間膜3としてTaO膜を成膜した。具体的には、成膜チャンバー内を1×10-4Pa以下の真空にした後、Crターゲットを用いて、ArとO2の混合ガス雰囲気中でマグネトロンスパッタリングを行い、厚さ30nmの中間膜3(TaO膜)を形成した。中間膜3(TaO膜)の成膜条件は以下の通りである。
中間膜3(TaO膜)の成膜条件
ターゲット:Taターゲット
スパッタガス:ArとO2の混合ガス(Ar:36vol%、O2:64vol%、ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:0.21nm/sec
膜厚:30nm
中間膜3(TaO膜)の組成分析
中間膜3(TaO膜)の組成を、X線光電子分光装置(X−ray Photoelectron Spectrometer)(PERKIN ELEMER−PHI社製)、ラザフォード後方散乱分光装置(Rutherford Back Scattering Spectroscopy)(神戸製鋼社製)を用いて測定する。中間膜3(TaO膜)の組成比(at%)は、Ta:O=24:76である。
中間膜3(TaO膜)の光学定数
中間膜3(TaO膜)の波長190〜400nmに対する、屈折率(n)及び消衰係数(k)を実施例1と同様に測定したところ、n=1.95〜2.89およびk=0.0〜0.95であった。
上記の手順で得られた導電膜付基板について、導電膜側からの真空紫外領域(190〜400nm)の反射率を実施例1と同様の手順で測定した。真空紫外領域(190〜400nm)の反射率は、いずれも10%以下であり、中間膜3を設けることにより、190〜400nmのすべての波長に対して、反射率を10%以下とすることが可能であった。
本比較例では、中間膜3を設けないこと以外は、実施例1と同様である。すなわち、ガラス基板1の上に導電膜2として、厚さ40nmのCrN膜を実施例1に記載の条件で形成した。
上記の手順で得られた導電膜付基板について、導電膜側からの真空紫外領域(190〜400nm)の反射率を実施例1と同様の手順で測定した。真空紫外領域(190〜400nm)のうち、波長190〜290nmに対する反射率は10%以下であったが、波長290〜400nmに対する反射率は10%以上であり、真空紫外領域(190〜400nm)のすべての波長範囲で反射率を10%以下とすることができなかった。
本比較例では、中間膜3の組成が異なることによって、該中間膜3の消衰係数kは1.0超である以外は、実施例1と同様である。
ガラス基板1上に、中間膜3(CrON膜)の成膜条件を調整することにより、組成比(at%)がCr:O:N=25:5:75となる中間膜3(CrON膜、膜厚30nm)を形成した。中間膜3(CrON膜)の光学定数を、実施例1と同様に測定した結果、n=1.50〜2.21、k=1.40〜2.10であり、消衰係数kは1.0超であった。
次に、実施例1と同様の手順で厚さ40nmの導電膜2(CrN)を形成して、導電膜側からの真空紫外領域(190〜400nm)の反射率測定を行ったが、真空紫外領域(190〜400nm)のすべての波長範囲で反射率が10%以下にならなかった。
2:導電膜
3:中間膜
4:多層反射膜
5:吸収層
Claims (9)
- ガラス基板上に導電膜が形成された、EUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造に使用される導電膜付基板であって、前記ガラス基板と前記導電膜との間に中間膜を有し、前記中間膜は、波長190nm〜400nmに対して、屈折率(n)が1.47から3.00の範囲で、消衰係数(k)が0から1.0の範囲であり、
前記中間膜は、クロム(Cr)およびタンタル(Ta)からなる群から選ばれる少なくとも1つと、酸素(O)と、を含有し、クロム(Cr)およびタンタル(Ta)の合計含有率が10〜90at%であり、酸素(O)の含有率が10〜90at%であり、
前記中間膜および前記導電膜の合計膜厚が50〜200nmであることを特徴とする導電膜付基板。 - ガラス基板上に導電膜が形成された、EUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造に使用される導電膜付基板であって、前記ガラス基板と前記導電膜との間に中間膜を有し、前記中間膜は、波長190nm〜400nmに対して、屈折率(n)が1.47から3.00の範囲で、消衰係数(k)が0から1.0の範囲であり、
前記中間膜は、クロム(Cr)およびタンタル(Ta)からなる群から選ばれる少なくとも1つと、酸素(O)および窒素(N)を含有し、クロム(Cr)およびタンタル(Ta)の合計含有率が10〜80at%であり、酸素(O)および窒素(N)の合計含有率が20〜90at%であり、OとNの組成比が、O:N=9:1〜5:5であり、
前記中間膜および前記導電膜の合計膜厚が50〜200nmであることを特徴とする導電膜付基板。 - 前記導電膜は、クロム(Cr)およびタンタル(Ta)からなる群から選ばれる少なくとも1つと、窒素(N)と、を含み、前記導電膜は、クロム(Cr)およびタンタル(Ta)の合計含有率が60at%以上99.9at%未満であり、窒素(N)の含有率が0.1at%以上40at%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電膜付基板。
- 前記中間膜および導電膜のシート抵抗値が0.1〜100Ω/□であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電膜付基板。
- 前記中間膜は、表面粗さ(rms)が0.5nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電膜付基板。
- 前記中間膜は、結晶状態がアモルファスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電膜付基板。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の導電膜付基板の前記導電膜が設けられた面に対して、反対側に多層反射膜を形成してなるEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの多層反射膜付基板。
- 請求項7に記載の多層反射膜付基板の多層反射膜上に吸収層を形成してなるEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 請求項8に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクをパターニングしたEUVリソグラフィ用反射型マスク。
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