次に、施肥装置100を具備する四条用の乗用田植機1(以下、単に「田植機1」と記す)について説明する。なお、以下では説明上、図中の矢印Aの方向を「前方」と定義し、この前方に向かって左右及び後方を決定する。
図1に示すように、田植機1は、主に走行装置10、昇降装置30、植付装置40、施肥装置100等を備えている。
田植機1の走行装置10は、主に車体フレーム11、前輪12・12、後輪13・13、エンジン14、ボンネット15、車体カバー16、ダッシュボード17、操向ハンドル18、運転席19、支柱フレーム20等を備えている。
田植機1の骨格を成す車体フレーム11は、車体フレーム11両側の前部を前輪12・12、後部を後輪13・13によって支持されている。車体フレーム11の前部には、エンジン14が搭載されており、エンジン14を覆うようにボンネット15が配設されている。
ボンネット15の両側及びその後方には、車体フレーム11の上面を覆うように車体カバー16が配置されている。車体カバー16は、前低後高の略階段状に形成され、車体カバー16の前部を、作業者が田植機1に乗り込む際のステップとしている。
ボンネット15の後部には、田植機1を操作するレバーやスイッチ等の操作装置を備えるダッシュボード17が配置されている。また、田植機1を操向するための操向ハンドル18は、ボンネット15の上方に突出するよう配設されている。操向ハンドル18の後方、車体フレーム11の前後略中央上部には、作業者が着座するための運転席19が配置されている。
車体フレーム11の後部両側には左右一対の支柱フレーム20が立設され、該支柱フレーム20の上部に図示しない横梁フレームが横設されている。該支柱フレーム20と横梁フレーム上に後述する施肥フレーム110が固設されている。
そして、走行装置10の後方には、昇降装置30が配置されており、田植機1は昇降装置30によって、後述する植付装置40を昇降自在に連結している。
植付装置40は、圃場に苗を植え付けるものであり、主に苗載台41、植付部42(ロータリケース44、植付爪45)、フロート43等を備えている。
苗載台41は、車体フレーム11の後方に、前高後低に傾斜するように配設され、その苗載台41後方下部に植付部42が配置されている。植付部42は、エンジン14からの駆動力で回転するロータリケース44、ロータリケース44に取付けられ苗を圃場に植付ける植付爪45等を備えている。
フロート43は、植付装置40を支えて圃場を整地するものであって、苗載台41の下方に配置されている。
このようにして、田植機1は、前進走行とともに苗載台41を横送り機構により左右に往復運動(摺動)させ、この往復運動に同期させてロータリケース44と植付爪45を駆動して、各条に一株分の苗を掻き取りながら、連続的に植付け作業を行う。
以下では、施肥装置100について説明する。なお、本実施形態において、施肥装置100は、田植機1に対応した四条用であるものとして説明するが、当該条数を限定するものではない。
施肥装置100は、植付装置40による苗の植え付けに合わせて、圃場に肥料を供給するものである。施肥装置100は、運転席19の後方かつ植付装置40の前方に配置される。施肥装置100は、主として施肥フレーム110、第一動力伝達機構120、第一上部施肥機130、第二上部施肥機140、下部施肥機150、第一回動機構160、第二回動機構170、連結機構180、解除機構190等を具備する。
図2から図4までに示すように、施肥フレーム110は、施肥装置100の主たる構造体となるものである。施肥フレーム110は、主として支持板111・111、上フレーム112・112、下フレーム113・113、連結フレーム114・114、補助支持板115・115・・・等を具備する。
支持板111・111は、左右一対に立設される板状の部材である。支持板111は、互いに所定の間隔をおいて配置される。
上フレーム112・112は、矩形断面を有する中空棒状の部材である(図4参照)。上フレーム112・112は、その長手方向が左右方向に略一致するように配置される。上フレーム112・112は、支持板111・111の上側前後部にそれぞれ固設され、支持板111・111を互いに連結する。
下フレーム113・113は、円形断面を有する中空棒状の部材である(図4参照)。下フレーム113・113は、その長手方向が左右方向に略一致するように配置される。下フレーム113・113は、支持板111・111の下側前後部にそれぞれ固設され、支持板111・111を互いに連結する。
連結フレーム114・114は、板状の部材を背面視略U字状に折曲成形された部材である。連結フレーム114・114は、左右一対に配置され、前後の下フレーム113・113を互いに連結する。これによって、施肥フレーム110の剛性を高めている。
補助支持板115・115・・・は、板状の部材である。補助支持板115・115・・・は、支持板111・111の間に、互いに所定間隔をおいて支持板111・111と平行に配置される。
図4及び図5に示すように、第一動力伝達機構120は、エンジン14から伝達された動力を、変速して伝達するものである。第一動力伝達機構120は、ブラケット121を介して施肥フレーム110の前部に設けられる。第一動力伝達機構120は、主として第一伝動軸122、変速装置123、第二伝動軸124、クラッチ125等を具備する。
第一伝動軸122は、その一端を図示せぬトランスミッションに連動連結されるものである。
変速装置123は、伝達される動力を変速するものである。変速装置123は、動力を変速するための歯車や軸等の部材から構成される。変速装置123には、その下方から第一伝動軸122の他端が連動連結される。
第二伝動軸124は、変速装置123において変速された動力を伝達するものである。第二伝動軸124の一端(前端)は、変速装置123に連動連結される。第二伝動軸124の他端(後端)は、変速装置123の後方に向かって突出される。
クラッチ125は、第二伝動軸124による動力の伝達を断接するものである。クラッチ125は、第二伝動軸124の中途部に設けられ、第二伝動軸124を前後に分離することにより、第二伝動軸124による動力の伝達を遮断することができる。
このように構成された第一動力伝達機構120において、エンジン14から第一伝動軸122へと伝達された動力は、変速装置123によって変速され、第二伝動軸124へと伝達される。
図2から図5までに示すように、第一上部施肥機130は、主として第二動力伝達機構131、第一入力軸132、第一ホッパ133・133、蓋134、第一把持部135、第一繰り出し部136・136等を具備する。
図5に示すように、第二動力伝達機構131は、第一動力伝達機構120から伝達された動力を、変速して伝達するものである。第二動力伝達機構131は、動力を変速するための歯車や軸等の部材から構成される。第二動力伝達機構131は、第一動力伝達機構120の後方に配置される。第二動力伝達機構131には、第二伝動軸124の他端(後端)が連動連結される。
図2、図4及び図5に示すように、第一入力軸132は、第二動力伝達機構131と連動連結され、第二動力伝達機構131において変速された動力を伝達するものである。第一入力軸132は、第二動力伝達機構131に挿通され、第二動力伝達機構131から左右に延設される。
第一ホッパ133・133は、第二動力伝達機構131の左右にそれぞれ並設され、肥料を収容する容器である。第一ホッパ133・133の上部及び下部は開口される。第一ホッパ133・133の下部は、漏斗状に形成される。第一ホッパ133・133は、互いに固設される。第一ホッパ133・133が互いに対向する側の側面には、それぞれ切り欠き部133a・133aが形成され、当該切り欠き部133a・133aにより、互いの内部空間が連通される。本実施例では第一ホッパ133・133は一体的に形成されている。第一ホッパ133・133のうち右方の第一ホッパ133の右側面には、その内部と外部とを連通する連通孔133bが形成される(図3参照)。通常、連通孔133bは、当該連通孔133bを閉塞することが可能な栓体等により閉塞される。
蓋134は、第一ホッパ133・133の上部を覆い、開口された第一ホッパ133・133の上部を閉塞するものである。
図5に示すように、第一把持部135は、棒状の部材を平面視略U字状に折曲成形された部材である。第一把持部135は、第二動力伝達機構131の左方に配設される第一ホッパ133に固設される。より詳細には、第一把持部135の一端は、第一ホッパ133の下部前側面に固設される。第一把持部135の他端は、ブラケット135aを介して第一ホッパ133の下部左側面に固設される。
図2及び図4に示すように、第一繰り出し部136・136は、第一ホッパ133・133の下部にそれぞれ配設され、第一ホッパ133・133に収容された肥料を所定量ずつ繰り出すものである。第一繰り出し部136は、主として上収容部136a、繰り出し機構136b、下収容部136c等を具備する。
上収容部136aは、第一ホッパ133から落下した肥料を受け入れる容器である。上収容部136aの上部及び下部は開口される。開口された上収容部136aの上部は、開口された第一ホッパ133の下部と接続される。
繰り出し機構136bは、上収容部136aに収容された肥料を所定量ずつ繰り出すものである。繰り出し機構136bは、第一入力軸132に固設される駆動ベベルギヤ136d、駆動ベベルギヤと噛合する従動ベベルギヤ136e、及び従動ベベルギヤに固設される繰り出し軸136fを介して伝達される動力により駆動される。
下収容部136cは、繰り出し機構136bを介して供給される肥料を受け入れる容器である。下収容部136cは、繰り出し機構136bの下方に配置される。下収容部136cの上部及び下部は開口される。下収容部136cは、漏斗状に形成される。
このように構成された第一上部施肥機130において、第一動力伝達機構120から第二動力伝達機構131へと伝達された動力は、第二動力伝達機構131において変速され、第一入力軸132へと伝達される。第一入力軸132へと伝達された動力は、駆動ベベルギヤ136d及び従動ベベルギヤ136eを介して繰り出し軸136fへと伝達される。繰り出し軸136fに伝達された動力により、繰り出し機構136bが駆動され、第一ホッパ133内に収容された肥料は、上収容部136a及び繰り出し機構136bを介して下収容部136cへと供給される。
図2から図5までに示すように、第二上部施肥機140は、主として第二入力軸142、第二ホッパ143、蓋144、第二把持部145、第二繰り出し部146等を具備する。第二上部施肥機140は、第一上部施肥機130の左方に並設される。
図2及び図5に示すように、第二入力軸142は、第二動力伝達機構131において変速された動力を伝達するものである。第二入力軸142は、第一入力軸132と同一軸線上に配置される。第二入力軸142は、後述する連結機構180を介して、第一入力軸132と連動連結される。また、連結機構180による第一入力軸132と第二入力軸142との連結は、後述する解除機構190により解除することができる。
第二ホッパ143・143は、第一ホッパ133・133の左方に並設され、肥料を収容する容器である。第二ホッパ143・143の構成は、前述した第一ホッパ133・133の構成と略同一であるため、その説明については省略する。第二ホッパ143・143のうち左方の第二ホッパ143の左側面には、その内部と外部とを連通する連通孔143bが形成される(図3参照)。通常、連通孔143bは、当該連通孔143bを閉塞することが可能な栓体等により閉塞される。
蓋144は、第二ホッパ143・143の上部を覆い、開口された第二ホッパ143・143の上部を閉塞するものである。
図5に示すように、第二把持部145は、棒状の部材を平面視略U字状に折曲成形された部材である。第二把持部145は、2つの第二ホッパ143・143のうち右方の第二ホッパに固設される。より詳細には、第二把持部145の一端は、第二ホッパ143の下部前側面に固設される。第二把持部145の他端は、ブラケット145aを介して第二ホッパ143の下部右側面に固設される。
図2に示すように、第二繰り出し部146・146は、第二ホッパ143・143の下部にそれぞれ配設され、第二ホッパ143・143に収容された肥料を所定量ずつ繰り出すものである。第二繰り出し部146・146は、第二入力軸142により伝達される動力により駆動される。第二繰り出し部146は、主として上収容部146a、繰り出し機構、下収容部等を具備する。第二繰り出し部146の構成は、前述した第一繰り出し部136の構成と略同一であるため、その説明については省略する。
図1から図4までに示すように、下部施肥機150は、主として施肥搬送部151・151・・・、施肥部152・152・・・、送風部153等を具備する。
図4に示すように、施肥搬送部151・151・・・は、第一繰り出し部136及び第二繰り出し部146より繰り出される肥料を案内するものである。施肥搬送部151は、主として接続管151a、搬送ホース151b等を具備する。
接続管151aは、長手方向が前後方向となるように配置された略筒状の部材である。接続管151aの中途部には、第一繰り出し部136(又は第二繰り出し部146)の下部が接続される。
搬送ホース151bは、軟質合成樹脂等により形成された屈曲可能な部材である。搬送ホース151bの一端は、接続管151aの後端に接続される。搬送ホース151bの他端は、植付部42近傍まで延設される(図1参照)。
図1に示すように、施肥部152・152・・・は、圃場面に作溝して、その部分に肥料を落下させるものである。施肥部152は、植付部近傍において、搬送ホース151bの他端に接続される。
図2から図4までに示すように、送風部153は、施肥搬送部151内に風を供給し、肥料の搬送を補助するものである。送風部153は、主として送風機153a、送風管153b等を具備する。
送風機153aは、空気に圧力を加えて吐出するものであり、施肥フレーム110の左端部に配設される。送風機153aは、ファンやブロワ等により構成される。
送風管153bは、長手方向が左右方向となるように配置された略筒状の部材である。送風管153bの一端は、送風機153aの吐出口に接続される。送風管153bの他端は、閉塞される。送風管153bは、その中途部において、接続管151aの前端とそれぞれ接続される。
このように構成された下部施肥機150において、第一上部施肥機130及び第二上部施肥機140から接続管151aへと供給された肥料は、送風部153から供給される風により、搬送ホース151bを介して施肥部152へと搬送される。施肥部152は、圃場に溝を作りながら、肥料を圃場に放出する。
図2及び図3に示すように、第一回動機構160は、第一上部施肥機130を施肥フレーム110に対して上方回動可能に支持するものである。第一回動機構160は、主として第一枢支ブラケット161・161、第一回動支持軸162等を具備する。
第一枢支ブラケット161は、第一上部施肥機130の右側面に固設される、板状の部材である。第一枢支ブラケット161の下端は、施肥フレーム110の右側方まで下方に延設される。
第一回動支持軸162は、軸線方向を前後方向として、施肥フレーム110の右側面(支持板111)に支持される。第一回動支持軸162は、第一枢支ブラケット161の下端部を回動可能に支持する。
第二回動機構170は、第二上部施肥機140を施肥フレーム110に対して上方回動可能に支持するものである。第二回動機構170は、主として第二枢支ブラケット171・171、第二回動支持軸172等を具備する。
第二枢支ブラケット171は、第二上部施肥機140の左側面に固設される、板状の部材である。第二枢支ブラケット171の下端は、施肥フレーム110の左側方まで下方に延設される。
第二回動支持軸172は、軸線方向を前後方向として、施肥フレーム110の左側面(支持板111)に支持される。第二回動支持軸172は、第二枢支ブラケット171の下端部を回動可能に支持する。
このように構成された第一回動機構160により、第一上部施肥機130は、第一回動支持軸162を中心として上方に回動可能に構成される。また、第二回動機構170により、第二上部施肥機140は、第二回動支持軸172を中心として上方に回動可能に構成される。
以下では、図3及び図6から図8までを用いて、連結機構180及び解除機構190について説明する。
図6及び図7に示すように、連結機構180は、第一入力軸132と第二入力軸142とを相対回転不能となるように連結するものである。連結機構180は、主として第一咬合部材181、第二咬合部材182、付勢部材183等を具備する。なお、説明の便宜上、図7においては、第二上部施肥機140の第二ホッパ143、第一上部施肥機130の第一ホッパ133、第一把持部135等の図示を省略する。
第一咬合部材181は、第一入力軸132の左端部に、第一入力軸132と相対回転不能に設けられる。具体的には、第一咬合部材181は、スプリングピン181aによって第一入力軸132に固設される。第一咬合部材181の左端部には、後述する第二咬合部材182と咬合可能な爪が形成される。
第二咬合部材182は、第二入力軸142の右端部に、第二入力軸142の軸線方向に沿って摺動可能に設けられる。第二咬合部材182の右端部には、第一咬合部材181と咬合可能な爪が形成される。第二咬合部材182が右方へと摺動された際に、第二咬合部材182の爪と第一咬合部材181の爪とが咬合される。
また、第二咬合部材182と第一咬合部材181とが咬合した際に、第二咬合部材182は、第二入力軸142と相対回転不能となる。具体的には、第二入力軸142に挿通されたスプリングピン182aが、第二咬合部材182に形成された溝部182bと係合することにより、第二咬合部材182は、第二入力軸142と相対回転不能となる。
付勢部材183は、第二咬合部材182を右方に向かって付勢するものである。付勢部材183は、第二咬合部材182と、第二入力軸142の中途部(第二咬合部材182の左方)に形成されるバネ受け部142aと、の間に配置される。付勢部材183は、第二咬合部材182を右方、すなわち第一咬合部材181と咬合する方向に向かって付勢する。本実施形態に係る付勢部材183はコイルバネであるが、本発明はこれに限るものではなく、第二咬合部材182を右方に付勢することができるものであればよい。
解除機構190は、連結機構180による第一入力軸132と第二入力軸142との連結を解除するものである。解除機構190は、主として係合部材191、操作部材192等を具備する。
係合部材191は、板状の部材が側面視略U字状に折曲成形された部材である。係合部材191は、その両端部によって第二咬合部材182を上下から挟むことにより、第二咬合部材182と係合する。
操作部材192は、板状の部材が折曲成形された部材である。操作部材192は、所定の長手方向長さを有し、その長手方向が前後方向と略一致するように配置される。操作部材192の後端には、係合部材191が固設される。操作部材192の中途部は、軸線方向を垂直方向とする回動軸192aにより、第二把持部145に回動可能に支持される。ここで、前記所定の長手方向長さとは、操作部材192の前端部が、オペレータにより容易に把持されることができる程度の長さである。
上述の如く構成された連結機構180及び解除機構190の動作態様について説明する。
まず、図6及び図7を用いて、施肥装置100が、圃場に肥料を供給する通常の作業状態である場合について説明する。この場合、上フレーム112にブラケット112aを介して固設される留め具112bにより、第二把持部145のブラケット145aが固定される。これによって、第二上部施肥機140の上方回動が規制される。また、第二咬合部材182は、付勢部材183により右方へと付勢される。これによって、第二咬合部材182は、第二入力軸142に沿って右方へ摺動し、第一咬合部材181と咬合する。この状態においては、第一入力軸132と第二入力軸142とは相対回転不能となるため、エンジン14から第一入力軸132へと伝達された動力は、連結機構180を介して第二入力軸142へと伝達される。
次に、図8を用いて、第一上部施肥機130又は第二上部施肥機140を上方回動させる場合について説明する。この場合、まず、オペレータは、留め具112b(図7参照)によるブラケット145aの固定を解除する。その後、オペレータは、操作部材192の前端部を把持し、当該操作部材192を、回動軸192aを中心として平面視時計回りに回動させる。これに伴い、操作部材192の後端に固設された係合部材191が平面視時計回りに回動される。また、係合部材191と係合する第二咬合部材182は、付勢部材183による付勢力に抗して左方へと摺動する。これによって、連結機構180による第一入力軸132と第二入力軸142との連結が解除される。
第一入力軸132と第二入力軸142との連結が解除された状態で、第一ホッパ133及び第二ホッパ143に具備される第一把持部135又は第二把持部145を把持し、上方に持ち上げることによって、第一上部施肥機130又は第二上部施肥機140を上方に回動させることができる(図3参照)。
上述の如く、第一上部施肥機130を上方に回動させることにより、第一上部施肥機130内に収容された肥料を、第一ホッパ133の連通孔133bから容易に排出することができる。また、第二上部施肥機140を上方に回動させることにより、第二上部施肥機140内に収容された肥料を、第二ホッパ143の連通孔143bから容易に排出することができる。これによって、第一上部施肥機130及び第二上部施肥機140内の清掃等のメンテナンスを容易に行うことができる。
以上の如く、施肥装置100は、肥料を収容する第一ホッパ133、第一ホッパ133の下部に配設され肥料を所定量ずつ繰り出す第一繰り出し部136、及び第一繰り出し部136に横架され第一繰り出し部136にエンジン14からの動力を伝達する第一入力軸132を有する第一上部施肥機130と、肥料を収容する第二ホッパ143、第二ホッパ143の下部に配設され肥料を所定量ずつ繰り出す第二繰り出し部146、及び第二繰り出し部146に第一入力軸132と同一軸線上となるように横架され第二繰り出し部146にエンジン14からの動力を伝達する第二入力軸142を有する第二上部施肥機140と、第一繰り出し部136及び第二繰り出し部146より繰り出される肥料を施肥部152近傍まで案内する施肥搬送部151を有する下部施肥機150と、第一上部施肥機130、第二上部施肥機140、及び下部施肥機150を支持する施肥フレーム110と、施肥フレーム110の左右一側において、第一上部施肥機130を施肥フレーム110に対して上方回動可能に支持する第一回動機構160と、施肥フレーム110の左右他側において、第二上部施肥機140を施肥フレーム110に対して上方回動可能に支持する第二回動機構170と、第一入力軸132と第二入力軸142とを相対回転不能となるように連結する連結機構180と、連結機構180による第一入力軸132と第二入力軸142との連結を解除する解除機構190と、を具備するものである。このように構成することにより、解除機構190により第一入力軸132と第二入力軸142との連結を容易に解除することができる。これによって、第一上部施肥機130及び第二上部施肥機140を容易に上方回動させることができ、第一上部施肥機130及び第二上部施肥機140内の肥料を容易に排出することができる。
また、連結機構180は、第一入力軸132に相対回転不能に設けられる第一咬合部材181と、第二入力軸142に軸線方向に摺動可能に設けられ、第一咬合部材181と相対回転不能に咬合可能であり、第一咬合部材181と咬合した場合、第二入力軸142と相対回転不能とされる第二咬合部材182と、第二咬合部材182を、第一咬合部材181と咬合させる向きに付勢する付勢部材183と、を具備し、解除機構190は、第二咬合部材182と係合する係合部材191と、所定の長手方向長さを有し、係合部材191を第一入力軸132及び第二入力軸142の軸線方向に可動とする操作部材192と、を具備するものである。このように構成することにより、操作部材192を操作した場合にのみ、第一入力軸132と第二入力軸142との連結を解除することができる。また、操作部材192を操作しない場合には、連結機構180により第一入力軸132と第二入力軸142とを連結させることができる。さらに、操作部材192を長手方向に所定の長さとなるように構成することにより、連結機構180が手作業では操作し難い位置に配置されていても、連結機構180を容易に操作することができる。
なお、本実施形態においては、第一咬合部材181を第一入力軸132に、第二咬合部材182を第二入力軸142に、それぞれ設ける構成としたが、第一咬合部材181を第二入力軸142に、第二咬合部材182を第一入力軸132に、それぞれ設ける構成とすることも可能である。
また、施肥装置100は、第二上部施肥機140に設けられ、把持可能な第二把持部145を具備し、第二把持部145に、解除機構190の操作部材192が取り付けられるものである。このように構成することにより、操作部材192と第二把持部145とを同時に把持することで、第一入力軸132と第二入力軸142との連結を解除することができる。また、そのまま操作部材192と第二把持部145とを持って第二上部施肥機140を回動させることができるため、肥料を排出する等のメンテナンス時の操作性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、解除機構190の操作部材192は第二把持部145に設けられるものとしたが、操作部材192を第一把持部135に設ける構成とすることも可能である。
以下では、図9から図12を用いて、施肥装置200について説明する。なお、前述の施肥装置100と略同一の構成の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。また、説明の便宜上、図10から図12までにおいては、留め具112b等の図示を省略する。施肥装置200が施肥装置100と異なる点は、解除機構190に代えて解除機構290を具備する点である。
図9及び図10に示すように、解除機構290は、連結機構180による第一入力軸132と第二入力軸142との連結を解除するものである。解除機構290は、主として係合部材191、操作部材192、保持部材293等を具備する。
保持部材293は、連結機構180による第一入力軸132と第二入力軸142との連結を解除した状態で保持するものである。保持部材293は、主として棒状部材293a、ブラケット293b、付勢部材293c、係止部材293d等を具備する。
棒状部材293aは、丸棒の部材を折曲成形して構成された部材である。棒状部材293aは、フック状に形成された上端部(以下、単に「フック部293e」と記す)を有する。棒状部材293aの一端(下端)から他端(フック部293e側の端部)までの長さ(高さ)は、上フレーム112の上面から操作部材192の上面までの長さ(高さ)よりも大きくなるように構成される。
ブラケット293bは、棒状部材293aを上下摺動自在に支持するパイプ状の部材である。ブラケット293bは、第二把持部145の右側面に固設される。
付勢部材293cは、棒状部材293aを下方に付勢する部材であり、バネ等で構成される。付勢部材293cは、ブラケット293bの下方において棒状部材293aに固設されるバネ受け部293fと、ブラケット293bと、の間に配置される。
係止部材293dは、板状の部材に切り欠き部293gを形成して構成された部材である。係止部材293dは、操作部材192の右側面に固設される。係止部材293dは、操作部材192が平面視時計回りに回動され、連結機構180による第一入力軸132と第二入力軸142との連結が解除された際に、平面視において棒状部材293aのフック部293e側の端部と切り欠き部293gとが略一致する位置に配置される。
このような構成において、図10から図12までを用いて、第一上部施肥機130又は第二上部施肥機140を上方回動させる場合の動作態様について説明する。
図11に示すように、操作部材192を平面視時計回りに回動させると、連結機構180による第一入力軸132と第二入力軸142との連結が解除される。
図12に示すように、この状態で、第二把持部145を持って、上方へと持ち上げると、棒状部材293aの下端が上フレーム112の上面から離間し、付勢部材293cによって棒状部材293aが下方へ摺動される。棒状部材293aが下方へ摺動されると、棒状部材293aのフック部293eが係止部材293dの切り欠き部293gと係合する。これによって、操作部材192から手を離しても操作部材192を当該位置で保持することができ、ひいては第一入力軸132と第二入力軸142との連結を解除した状態で保持することができる。
第一上部施肥機130又は第二上部施肥機140を上方回動させ、肥料の排出等のメンテナンスを行った後に、第二上部施肥機140を元の位置に戻すように下方へ回動すると、棒状部材293aの下端が上フレーム112の上面に当接し、棒状部材293aが上方へ摺動される。棒状部材293aが上方へ摺動されると、フック部293eと切り欠き部293gとの係合が解除される(図11参照)。これによって、操作部材192が回動可能となり、連結機構180により第一入力軸132と第二入力軸142とが連結される(図10参照)。
このようにして、第一上部施肥機130を下方回動させた後に第二上部施肥機140を下方回動させる際には、操作部材192が平面視時計回りに回動された状態に保持されているため、第二咬合部材182が第一咬合部材181に干渉することがなく、損傷や破損等を防止することができる。また、保持部材293により、第二上部施肥機140を上方回動させるだけで、操作部材192を平面視時計回りに回動された状態に保持することができる。さらに、第二上部施肥機140を下方回動させるだけで、操作部材192の保持を解除することができる。これによって、連結機構180の連結操作及び連結解除動作の忘れを防止することができる。
なお、保持部材293の構成は前記構成に限定するものではなく、第一上部施肥機130と第二上部施肥機140を上方へ回動するときに、操作部材192を係止レバーやピン等で係止又は固定し、第一上部施肥機130と第二上部施肥機140を下方へ回動した後に手動で係止又は固定を解除する構成とすることも可能である。
以上の如く、解除機構290は、連結機構180による第一入力軸132と第二入力軸142との連結を解除した状態で保持する保持部材293を具備するものである。このように構成することにより、連結機構180による第一入力軸132と第二入力軸142との連結を解除した状態に保持することができる。これによって、第一上部施肥機130又は第二上部施肥機140を回動させる際の、第一咬合部材181と第二咬合部材182との干渉を防止することができ、ひいては連結機構180の破損を防止することができる。