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JP5542036B2 - Iii族窒化物単結晶の製造方法 - Google Patents
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JP5542036B2 - Iii族窒化物単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、III族窒化物単結晶の育成方法に関するものである。
窒化ガリウム(GaN)薄膜結晶は、優れた青色発光素子として注目を集めており、発光ダイオードにおいて実用化され、光ピックアップ用の青紫色半導体レーザー素子としても期待されている。近年においては、携帯電話などに用いられる高速ICチップなどの電子デバイスを構成する半導体膜としても注目されている。
GaN
やAlN の種結晶膜をサファイアなどの単結晶基板上に堆積させてテンプレート基板を得、テンプレート基板上にGaN 単結晶を育成する方法が報告されている。
しかし、基板上にMOCVD法で窒化ガリウム(GaN)種結晶膜を気相成長させ、その上に窒化ガリウム単結晶をフラックス法で成長させた場合、熱膨張差が原因で、育成した単結晶厚膜にクラックが発生する。このため、クラック防止策として、育成した単結晶を基板から自然剥離させることによって、単結晶に加わる応力を低減し、クラックを防止する技術が注目されている。
この剥離技法としては、下地層や中間層をエッチングして除去し、単結晶を剥離させる方法がある(特許文献1;特許4201541)(特許文献2;特開2001-192300)(特許文献3;特開平7-202265)。
また、種結晶膜をエッチングでパターニングして空隙を形成し、単結晶と基板との接触面積を減らした上で、単結晶育成後の冷却時の応力をトリガーにして単結晶を剥離させる方法がある(特許文献4;PCT/JP2010/060257:本出願時未公開)(特許文献5;PCT/JP2010/061740:本出願時未公開)(特許文献6:特開2009−18975)(特許文献7:WO2009/011407 A1)(特許文献8:特開2004-247711)(特許文献9:特開2009-120465)(特許文献10:特許-4396816)。
更に、種結晶基板の構造中に弱い部分を作ることで、単結晶育成後の冷却時の応力をトリガーにして単結晶を剥離させることが知られている(特許文献11:特開2009−184847)(特許文献12:特開2000-101139)。
特許4201541 特開2001-192300 特開平7-202265 PCT/JP2010/060257 PCT/JP2010/061740 特開2009−18975 WO2009/011407 特開2004-247711 特開2009-120465 特許-4396816 特開2009−184847 特開2000-101139
上述したように、これまで様々な方法が提案されているが、フラックス法によって育成される単結晶の品質を良好としつつ、かつ単結晶の自然剥離を促進することでクラックの発生を更に低減することが求められている。
本発明の課題は、結晶品質の良いIII族窒化物単結晶を得ると共に、その基板からの自然剥離を促進することで、クラックを更に低減することである。
本発明は、基板と、この基板上に形成されたIII族窒化物からなるバッファ層およびこのバッファ層上に形成されたIII族窒化物単結晶からなる種結晶膜を備える複数の育成部とを備えており、隣り合う複数の育成部の間に基板の表面が露出している育成用部材を使用し、III族窒化物単結晶をフラックス法によって育成する方法であって、
育成用部材をウエットエッチングに供することによってバッファ層を育成部の端面からエッチングするエッチング工程、および
III族窒化物単結晶を種結晶膜上にフラックス法によって育成する単結晶育成工程を備えていることを特徴とする。
本発明で使用できる種結晶基板は、基板と、この基板上に形成されたIII族窒化物からなるバッファ層およびこのバッファ層上に形成されたIII族窒化物単結晶からなる種結晶膜を備える複数の育成部とを備えており、隣り合う複数の育成部の間に基板の表面が露出しており、バッファ層が育成部の端面からエッチングによって後退している。
本発明によれば、バッファ層上に種結晶膜を形成し、かつ、このバッファ層および種結晶膜が、複数の島状パターンを基板上で形成するようにする。この状態で、育成用基板をウェットエッチングに供することにより、バッファ層が育成部のエッジから選択的にエッチングされ、エッジから後退する。この後にフラックス法によって種結晶膜上に単結晶を形成し、冷却すると、単結晶および種結晶膜が基板から歩留まりよく自然剥離することを見いだした。これは、バッファ層のウエットエッチングによって基板と種結晶膜および単結晶との密着性が低下し、冷却時の熱膨張差による応力によって単結晶の基板からの自然剥離が促進されたものと考えられる。更に、剥離に必要な歪が少なくすむため、比較的高温で剥離することができることから、得られた自立結晶に内在する歪が少なく、クラックが発生しにくい。
この結果、結晶品質の良い単結晶をフラックス法によって得られるのと共に、単結晶のクラックを防止できることを見いだし、本発明に到達した。
(a)は、育成用部材7を模式的に示す断面図であり、(b)は、種結晶基板8を模式的に示す断面図である。 (a)は、種結晶膜3上にフラックス法によって単結晶6を形成した状態を模式的に示す断面図であり、(b)は、育成された単結晶6が基板1から剥離した状態を模式的に示す断面図である。 試験用基板1から剥離した種結晶膜3を、種結晶膜3側から見た写真である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
図1(a)に示すように、基板1の表面に、III族窒化物からなるバッファ層2を形成する。次いで、このバッファ層2上に、III族窒化物単結晶からなる種結晶膜3を形成する。ここで、バッファ層2と種結晶膜3とはパターニングされており、育成部9を形成している。隣接する育成部9の間には隙間10が形成されている。
次いで、育成用部材7をウエットエッチングに供する。ここで、種結晶膜3は結晶性が高く、ウエットエッチングによっては侵され難い。しかし、バッファ層2は種結晶膜3に比べて結晶性が低く、エッチングによって侵されやすい為、バッファ層露出部のエッジからエッチングを受ける。5は、エッチングによってバッファ層の横に形成された空隙である。この結果、図1(b)に示すように、バッファ層4がエッチングされ、育成部9のエッジ9aから後退する。こうして得られた種結晶基板8においては、種結晶膜3の基板1に対する密着性が低下している。
次いで、図2(a)に示すように、種結晶膜3上に、フラックス法によってIII族窒化物の単結晶6をエピタキシャル成長させる。この際、単結晶膜6は、種結晶膜の隙間を横断して互いにつながるように成長し、一体の種結晶6を形成する。この後、冷却時に、図2(b)に示すように、単結晶がバッファ層4に沿って基板1から容易に剥離するので、単結晶の自立基板を得ることができる。
本発明において、基板1は、III族窒化物の成長が可能であるかぎり、特に限定されない。サファイア、シリコン単結晶、SiC単結晶、MgO単結晶、ZnO単結晶、スピネル(MgAl)、LiAlO、LiGaO、LaAlO,LaGaO,NdGaO等のペロブスカイト型複合酸化物を例示できる。また組成式〔A1−y(Sr1−xBa〕〔(Al1−zGa1−u・D〕O(Aは、希土類元素である;Dは、ニオブおよびタンタルからなる群より選ばれた一種以上の元素である;y=0.3〜0.98;x=0〜1;z=0〜1;u=0.15〜0.49;x+z=0.1〜2)の立方晶系のペロブスカイト構造複合酸化物も使用できる。また、SCAM(ScAlMgO)も使用できる。
本発明では、バッファ層2、種結晶膜3をIII族窒化物によって形成し、またIII族窒化物からなる単結晶6をフラックス法で成長させる。これら三種類のIII族窒化物は、互いに同じであることが好ましいが、エピタキシャル成長が可能であれば、互いに異なっていても良い。
各III族窒化物のウルツ鉱構造は、c面、a面、およびm面を有する。これらの各結晶面は結晶学的に定義されるものである。バッファ層、種結晶膜、およびフラックス法によって育成されるIII族窒化物単結晶の育成方向は、c面の法線方向であってよく、またa 面、m面などの無極性面やR面などの半極性面のそれぞれの法線方向であってもよい。
これらの各III族窒化物は、Ga、Al、Inから選ばれた一種以上の金属の窒化物であることが好ましく、GaN、AlN、AlGaNなどが特に好ましい。さらに、これらの窒化物には意図しない不純物元素を含んでいても良い。また導電性を制御するために、意図的に添加したSi,Ge,Be,Mg,Zn,Cdなどのドーパントを含んでいても良い。
バッファ層2、種結晶膜3の形成方法は気相成長法が好ましいが、有機金属化学気相成長(MOCVD: Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、ハイドライド気相成長(HVPE)法、パルス励起堆積(PXD)法、MBE法、昇華法を例示できる。有機金属化学気相成長法が特に好ましい。
バッファ層2の厚さは特に限定されないが、10nm以上が好ましく、また、500nm以下が好ましく、250nm以下が更に好ましい。種結晶膜3の厚さは特に限定されないが、種結晶膜のメルトバックを抑制するという観点からは、0.5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがさらに好ましい。また、種結晶膜3を厚くすると、種結晶膜3の形成に時間がかかるので、この観点からは、種結晶膜3の厚さを50μm以下とすることが好ましい。
単結晶の基板からの剥離を促進するという観点からは、バッファ層2の育成温度よりも、種結晶膜3の育成温度の方が高い方が好ましい。この温度差は、100℃以上であることが好ましく、200℃以上であることが更に好ましい。
バッファ層の育成温度は、400℃以上とすることが好ましく、450℃以上とすることが更に好ましく、また、750℃以下とすることが好ましく、700℃以下とすることが更に好ましい。単結晶膜の育成温度は、950℃以上とすることが好ましく、1050℃以上とすることが更に好ましく、また、1200℃以下とすることが好ましく、1150℃以下とすることが更に好ましい。
バッファ層および種結晶膜を有機金属気相成長法によって製造する場合、原料は、トリメチルガリウム(TMG)及びアンモニアとすることが好ましい。
バッファ層2をエッチングするために用いるエッチャントは、リン酸+硫酸、ピロリン酸などの強酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの強アルカリを組み合わせたりして用いることができる。特に水酸化ナトリウムが好ましい。強酸のpHは1〜3であることが好ましく、強アルカリのpHは12〜14であることが好ましい。また、エッチングを効率よく行うために、紫外線を照射するなどをしてもかまわない。
ウエットエッチング時の温度は、バッファ層を効率的にエッチングするという観点からは、25℃以上が好ましく、また、種結晶層のエッチングによる種結晶部消失を防止するという観点からは、300℃以下が好ましい。
本発明の種結晶基板8においては、バッファ層およびこのバッファ層上に形成された種結晶膜によって、基板上に複数の育成部を形成する。ここで、図1(b)に示すように、隣りあう複数の育成部9Aの間に基板1の表面1bが露出しており、バッファ層4が育成部9Aの端面からエッチングによって後退している。
ここで、育成部は、互いに離間されていればよく、具体的形状は限定されない。例えば、円形、楕円形などの円状の他、三角形、長方形、六角形等の多角形やストライプ構造などがある。
各育成部9Aの最小幅Aは、単結晶6の品質向上という観点からは、600μm以下が好ましく、400μm以下が更に好ましい。また、単結晶育成時に単結晶6を安定して保持するという観点からは、10μm以上が好ましく、25μm以上が更に好ましい。ここで、育成部9Aの最小幅とは、育成部の輪郭の任意の二点を結ぶ直線の中で、最短の直線の長さを言う。したがって、育成部が帯状ないしストライプ状の場合にはその短辺の長さであり、育成部が円形の場合には直径であり、育成部が正多角形の場合には一対の対向片の間隔である。
育成部間の隙間10の間隔Bは、単結晶6の品質向上という観点からは、250μm以上が好ましく、500μm以上が好ましい。また間隔Bは、隣り合う種結晶膜から成長した各単結晶が互いに接続して一体化するのを促進するという観点からは、4000μm以下が好ましく3000μm以下が更に好ましい。
各バッファ層4の最小幅Wは、単結晶6の基板1からの剥離を促進するという観点に立った場合には、200μm以下が好ましく、100μm以下が更に好ましい。また、単結晶育成時に種結晶膜3を安定して保持するという観点からは、5μm以上が好ましく、10μm以上が更に好ましい。ここで、バッファ層4の最小幅Wとは、バッファ層の輪郭の任意の二点を結ぶ直線の中で、最短の直線の長さを言う。したがって、バッファ層が帯状ないしストライプ状の場合にはその短辺の長さであり、バッファ層が円形の場合には直径であり、バッファ層が正多角形の場合には一対の対向片の間隔である。
育成部9Aのエッジからのバッファ層4の後退間隔tは、AおよびWから決定されるものである。ただし、単結晶6の基板1からの剥離を促進するという観点からは、tはAの7%以上が好ましい。また、バッファ層4の幅を育成部9Aと比べて、ある程度広くすることで、育成部9Aを保持しやすくなるので、この観点からは、tはAの35%以下が望ましい。
バッファ層4の最小幅Wおよび後退間隔tは、以下のようにして決定する。すなわち、まず育成部9を形成した時点で、パターニング用マスクの寸法からバッファ層2の幅が決まる。次いで、ウエットエッチングを所定時間実施する。そして、このウエットエッチングのエッチレートにエッチング時間を乗算し、バッファ層4の後退間隔tを算出する。
ただし、このウエットエンチングのエッチレートは、以下のようにして算出しておく。すなわち、上記のウエットエッチングと同一のエッチャントを用い、同一条件下で、上記と同じ基板およびその上の育成部に対してウエットエッチングを行う。バッファ層が除去されて種結晶膜が基板から自然剥離するまでの時間tを測定する。バッファ層の初期の最小幅をAとしたとき、エッチレートは、A/(2・t)によって与えられる。
本発明においては、基板の表面にマスクを形成してパターニングした後、基板の表面およびマスク上にバッファ層および種結晶膜を順次形成し、次いでマスク上のバッファ層および種結晶膜をリフトオフすることによって育成部を形成する。すなわち、膜形成前にパターニングする方法である。
あるいは、基板表面に全面にわたってバッファ層および種結晶膜を形成し、次いで追加加工によって育成部を成形すると共に育成部の間から基板の表面を露出させることができる。すなわち、膜形成後に加工によってパターニングする方法である。加工方法は限定されない。例えば、RIEのようなドライエッチングによる加工やサンドブラストのような切削による加工が上げられる。
本発明においては、III族窒化物単結晶6を種結晶膜3上にフラックス法によって育成する。この際、フラックスの種類は、III族窒化物単結晶を生成可能である限り、特に限定されない。好適な実施形態においては、アルカリ金属とアルカリ土類金属の少なくとも一方を含むフラックスを使用し、ナトリウム金属を含むフラックスが特に好ましい。
フラックスには、目的とするIII族窒化物単結晶の原料を混合し、使用する。フラックスを構成する原料は、目的とするIII族窒化物単結晶に合わせて選択する。
例えば、ガリウム原料物質としては、ガリウム単体金属、ガリウム合金、ガリウム化合物を適用できるが、ガリウム単体金属が取扱いの上からも好適である。アルミニウム原料物質としては、アルミニウム単体金属、アルミニウム合金、アルミニウム化合物を適用できるが、アルミニウム単体金属が取扱いの上からも好適である。インジウム原料物質としては、インジウム単体金属、インジウム合金、インジウム化合物を適用できるが、インジウム単体金属が取扱いの上からも好適である。
フラックス法におけるIII族窒化物単結晶の育成温度や育成時の保持時間は特に限定されず、目的とする単結晶の種類やフラックスの組成に応じて適宜変更する。一例では、ナトリウムまたはリチウム含有フラックスを用いてGaN単結晶を育成する場合には、育成温度を800〜1000℃とすることができる。
フラックス法では、窒素原子を含む分子を含むガス雰囲気下で単結晶を育成する。このガスは窒素ガスが好ましいが、アンモニアでもよい。雰囲気の全圧は特に限定されないが、フラックスの蒸発を防止する観点からは、1MPa以上が好ましく、3MPa以上が更に好ましい。ただし、圧力が高いと装置が大がかりとなるので、雰囲気の全圧は、200MPa以下が好ましく、50MPa以下が更に好ましい。雰囲気中の窒素以外のガスは限定されないが、不活性ガスが好ましく、アルゴン、ヘリウム、ネオンが特に好ましい。
(実施例1)
(種結晶基板8の作製)
直径2インチ、厚さ1mmのc面サファイア基板1の表面に、SiO2にてパターンマスクを形成した後、GaN低温バッファ層2を500℃で50nmの厚さに成膜し、更にGaN薄膜3をMOCVD法により1100℃で3ミクロンの厚さに成膜した。成膜後、リフトオフ法により、マスク上のGaN膜を取り除き、基板上に多数の育成部9を形成した。各育成部9は正六角形とし、その最小幅Aは150ミクロンとし、隣り合う育成部9の間隔Bを1.5mmとした。また、エッチレートを算出するための剥離状態を確認しやすくするため、各育成部9の形状を直線状にしただけの試験用基板7を形成した。試験用基板7の条件は、形状以外は育成用基板7と同様である(直線状の育成部の幅は150ミクロンである)。
次いで、試験用基板7を110℃に熱した水酸化ナトリウム水溶液に浸し、バッファ層2のエッチングを行った。剥離に必要なエッチング時間は23分であった。図3は、基板1から剥離した種結晶膜3を、種結晶膜3側から見た写真である。従って、育成用基板7のエッチング時間は15分とした。試験用基板7と同様にエッチングを行い、エッチング後に断面観察を行ったところ、種結晶膜3の最小幅は150ミクロンで変化がなかったが、バッファ層4の最小幅Wは50ミクロンに減少していた。育成部9Aのエッジからのバッファ層の後退間隔tは50ミクロンであった。エッチング終了後、フッ酸及び純水にて基板全体を洗浄した。
(フラックス法による単結晶6の育成)
次いで、フラックス法によって、種結晶基板8上に窒化ガリウム単結晶6を育成した。具体的には、まず、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で、内径φ70mmのアルミナ坩堝の底面中央に種結晶基板8を配置した。さらに金属ナトリウム、金属ガリウム、炭素を原料としてGa/Na比27mol%となる比率で育成容器内に充填した。この坩堝にアルミナ製のふたをのせ、ステンレス製の2重容器に入れて密閉した後、攪拌が可能な結晶育成炉内の試料台上に設置した。
真空置換後、純度99.99%の窒素ガスを用いて炉内を昇圧して、4.1MPaとした。その後、870℃になるまで昇温し、圧力調整弁にて熱膨張にて設定圧力以上となった余分なガスを放出して設定圧力を保持しつつ、溶液を静置もしくは、強制撹拌を行いながら100時間保持することにより結晶成長させた。その後30時間かけて室温まで徐冷した。冷却後、結晶育成炉から育成容器を取り出し、エタノールを用いて、フラックスを除去し、成長した窒化ガリウム結晶板6を回収した。この窒化ガリウム結晶板は、大きさはφ2インチであり、厚さは約1.0mmであり、無色透明であった。結晶はサファイア基板から剥離しており、φ2インチ内にクラックは見られなかった。
この結晶板6を研磨することで、厚さ0.5mmの無色透明なウエハを作成することが出来た。基板中央のXRC半値幅は(0002)反射が82秒、(10-12)反射が90秒であり、CL測定によるダークスポット密度は5×104/cm2であった。
(比較例1)
実施例1と同様にして種結晶基板を作製した。ただし、バッファ層および種結晶膜を成膜する前にSiO2パターンマスクを形成しなかった。また、実施例1と同様にしてウエットエッチングを行った。したがって、種結晶膜はパターン化されずに基板1の表面1bの全面を被覆している。また、種結晶膜のエッチング前後の直径はいずれも50mmであった。バッファ層のエッチング前の直径は50mmであり、エッチング後の直径は49.9mmであった。
得られた窒化ガリウム結晶板6を回収したところ、窒化ガリウム結晶板は、大きさはφ2インチであり、厚さは約1.0mmであり、無色透明であった。結晶はサファイア基板から剥離しておらず、φ2インチ内のクラックは約30本であった。
この結晶板を研磨して、厚さ0.3mmの結晶板を作成することが出来た。基板中央のXRC半値幅は(0002)反射が180秒、(10-12)反射が220秒であり、CL測定によるダークスポット密度は5×106/cm2であった。すなわち、実施例1の単結晶の方が結晶品質が優れていた。
(比較例2)
実施例1と同様にして、図1(a)に示すような、多数の育成部9がパターニングされた育成用基板7を作製した。次いで、実施例1と同様にして単結晶6を育成したが、ただし、実施例1とは異なり、ウエットエッチングを行わなかった。育成用基板7の断面観察を行ったところ、種結晶膜の最小幅は150ミクロンであり、バッファ層の最小幅は150ミクロンであった。
得られた窒化ガリウム結晶板6を回収したところ、窒化ガリウム結晶板は、大きさはφ2インチであり、厚さは約1.0mmであり、無色透明であった。結晶はサファイア基板から剥離していたものの、φ2インチ内のクラックが5本あった。
この結晶板を研磨して、厚さ0.3mmの結晶板を作成することが出来た。基板中央のXRC半値幅は(0002)反射が74秒、(10-12)反射が94秒であり、CL測定によるダークスポット密度は4×104/cm2であった。すなわち、結晶品質は実施例1と同等であった。
(比較例3)
通常のGaNテンプレートを用いて育成を行った以外は、実施例1と同様に結晶育成を行った。基板の断面観察を行ったところ、種結晶膜の最小幅は50mmであり、バッファ層の最小幅は50mmであった。むろんウエットエッチングも行われていない。
得られた窒化ガリウム結晶板6を回収したところ、窒化ガリウム結晶板は、大きさはφ2インチであり、厚さは約1.0mmであり、無色透明であった。結晶はサファイア基板から剥離しておらず、φ2インチ内のクラックは約37本であった。
この結晶板を研磨して、厚さ0.3mmの結晶板を作成することが出来た。基板中央のXRC半値幅は(0002)反射が220秒、(10-12)反射が270秒であり、CL測定によるダークスポット密度は8×106/cm2であった。すなわち、実施例1の方が結晶品質は優れていた。

Claims (6)

  1. 基板と、この基板上に形成されたIII族窒化物からなるバッファ層およびこのバッファ層上に形成されたIII族窒化物単結晶からなる種結晶膜を備える複数の育成部とを備えており、隣り合う複数の前記育成部の間に前記基板の表面が露出している育成用部材を使用し、III族窒化物単結晶をフラックス法によって育成する方法であって、
    前記育成用部材をウエットエッチングに供することによって前記バッファ層を前記育成部の端面からエッチングするエッチング工程、および
    III族窒化物単結晶を前記種結晶膜上にフラックス法によって育成する単結晶育成工程を備えていることを特徴とする、III族窒化物単結晶の製造方法。
  2. フラックス法によって育成される前記III族窒化物単結晶が、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群より選ばれた一種以上の金属の窒化物からなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記バッファ層および前記種結晶膜がそれぞれ気相成長法によって形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記バッファ層の育成温度が前記種結晶膜の育成温度よりも低いことを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 前記基板の表面にマスクを形成し、次いで前記基板の表面および前記マスク上に前記バッファ層および前記種結晶膜を順次形成し、次いで前記マスク上の前記バッファ層および前記種結晶膜をリフトオフすることによって前記育成部を成形することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  6. 前記基板上に前記バッファ層および前記種結晶膜を形成し、次いで加工によって前記育成部を成形すると共に前記育成部の間から前記基板の表面を露出させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の方法。
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