JP5550493B2 - 蓄熱材及びそれを利用した熱利用システム - Google Patents
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Description
(1) 分子をつなぐ配位結合としての役割
金属イオンとOやNなどのヘテロ原子は配位結合という一種の共有結合を形成する。複数の金属イオンに配位するように有機分子(配位子)を設計すれば、配位結合によって有機分子が重合したメタロポリマーをつくることができる。
(2) 機能を担う金属錯体しての役割
メタロポリマーは金属原子と有機分子が共有結合(配位結合を含む)することによって連結されており、その結合部位は金属錯体としての性質を有する。金属錯体の中には電子的、光学的、光化学的な機能を有するものが多く、金属の種類と有機分子の組み合わせによって、メタロポリマーの性質や機能を調整することができる。
(3) 高次構造を制御する配位結合としての役割
配位結合の特徴は金属イオンの種類に特有の方向性を有する点にある。この特徴により、金属イオンに配位する有機分子中のヘテロ原子が規則的に並び,有機分子のコンホメーションが制御される。例えば柔軟な構造をもつ有機分子でも、金属との配位によって平面に固定することができる。
例えば、冬場に自動車に乗車する場合、走行時に発生する熱などの排熱を、次回乗車する時(例えば、翌朝など)にエンジン暖気などに使うことができれば、多くの利益をもたらす。例えば、初期の暖気時間が短くなることにより、エンジンの始動時の燃料消費が少なくなる、すなわち燃費がよくなるというものがある。また、乗車とほぼ同時に暖房が使えるという点も、乗員にとっての快適性も向上するというメリットがある。
また住宅を例にとると、日中の太陽光の熱エネルギーを、日没後の任意の時間(例えば、当日の夜、翌日の夜等)に使うことができれば、光熱費を削減することができる。
上記の問題を解決してこれら利益を享受するための1つの方法としては、温度の上昇とともに三態が変化する物質を用いた蓄熱材によりエネルギーを貯蔵する方法がある。
〔式中、各Rは、互いに独立して、炭素数1〜18の直鎖又は分岐のあるアルキル基であり、ここで、該アルキル基は、非置換であるか又は−OH、−C(=O)OH、−O−C(=O)H、−NH2、=NH、−NHC(=O)H、−C(=O)NH2、若しくは芳香環で置換されており、ならびに/あるいは該アルキル基は、アルキル鎖の中間に−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−NH−、=N−、−N=、−NHC(=O)−、若しくは−C(=O)NH−を含んでもよく;Mは二価の遷移金属イオンである〕で示されるメタロポリマーを含むことを特徴とする蓄熱材及び該蓄熱材を備えた熱利用システムを提供する。
本発明のメタロポリマーはサーモクロミズムを示す。このことは、本発明のメタロポリマーが、熱を吸収してその電子状態を変え、エネルギーを蓄えたことを意味する。
また、本発明のメタロポリマーの吸収スペクトルの温度依存性が上記式(I)中のR基の種類に依存しているから、ポリマー鎖間の相互作用によってサーモクロミズムの機構を調整することができる。これは、R基がポリマー鎖間の相互作用に影響を及ぼすことによって、錯結合部分によるサーモクロミズムの機構を調整するためと考えられる。これによって、熱により不可逆的な変化をするメタロポリマーを得ることができる。このようなメタロポリマーは、エネルギーを吸収・貯蔵した状態で温度などの外環境の影響を受けない、あるいは受けにくい特性、を持つ蓄熱材を提供できる点で好ましい。また、このようなメタロポリマーは、外部からトリガーを与えることで、貯蔵したエネルギーを放出できる。ここで外環境(特に温度)の影響を受けない、あるいは受けにくい蓄熱材とは、加熱・冷却速度等を変えることで、準安定なエネルギー状態である過冷却状態を保持する特性を持つことを指している。
本発明の各Rにおける炭素数1〜18の直鎖又は分岐のあるアルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、又はイソプロピル、あるいは直鎖状又は分岐鎖状のブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、又はオクタデシルなどを意味する。
上記芳香族炭素環は、環員が、例えば5〜16員、好ましくは6〜10員であってもよく、環の数が、例えば1〜4個、好ましくは1個であってもよい。このような芳香族炭素環として、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環などが挙げられ、配位子の溶解度の点からベンゼン環、ナフタレン環などが好ましい。
上記芳香族複素環は、例えば、窒素、酸素、及び硫黄から選択されるヘテロ原子を少なくとも1個含み、環員が、例えば5〜16員、好ましくは6〜10員であってもよく、環の数が、例えば、1〜2個、好ましくは1個であってもよい。このような芳香族複素環として、例えば、6員の単環、例えば、ピリジン環、又はキノリン環などが挙げられ、配位子の溶解度の点からピリジン環などが好ましい。
また、本発明の芳香環は、非置換であるか、又は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のアシル基、炭素数1〜8のアミド基、若しくはカルバモイル基で置換されている。
また、本発明の各Rにおけるアルキル基でアルキル鎖の末端は、極性溶媒への親和性の点から−OH基で置換されているのが好ましい。
工程2では、工程1で合成した2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジイミン化合物(II)を、例えばテトラヒドロフラン、クロロホルム、又はジメチルホルムアミドなどの有機溶媒、好ましくはクロロホルムに溶かし、そこに遷移金属化合物(MX2)、例えば遷移金属塩をメタノールなどのアルコールに溶解させた溶液を加え、好ましくは加熱下、より好ましくは還流下におくと、2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジイミン化合物(II)の水素イオンと遷移金属イオンが交換されて高分子状の錯体が形成されて沈殿が生じる。ろ過により回収して本発明のメタロポリマー(I)を得る。
特に、工程2では、2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジイミン化合物(II)を、クロロホルムに溶かし、そこに遷移金属化合物(MX2)をメタノールに溶解させた溶液を加え、加熱、とりわけ還流させると、より高い分子量で熱的安定性にも優れたメタロポリマー(I)が得られる点で、好ましい。
(性状)
本発明のメタロポリマーは、Rの種類、Mの種類に応じて、赤色〜黄褐色、ゲル状又は粉末状など様々な性状を示す。本発明のメタロポリマーは乾燥により固体粉末となり、薬匙の裏面等の固いものでガラス板上にこすりつけると、薄膜を形成することができる。
(光学的性質)
本発明のメタロポリマーは、乾燥した粉末状態では暗赤褐色〜黄褐色の固体であるが、厚さ数ミクロン程度の薄膜にすると光を透過する。透過光は赤褐色〜黄褐色で、Rの種類、Mの種類により異なる。
(熱応答性)
本発明のメタロポリマーは−180℃〜210℃の温度範囲において分解することなく、安定である。ガラス基板上に形成した本発明のメタロポリマーは、加熱又は冷却によって、色調が変化する。色調は、温度変化に応じて可逆又は不可逆に変化し、色調と温度の関係及び可逆性はRの種類によって異なる。
本発明の蓄熱材は、本発明のメタロポリマーそのものであってよいし、あるいは本発明の効果を損なわない限り、他の添加剤、例えば薄膜形成時の膜強度を高めるためのバインダーや、薄膜の熱伝導率を高めるために金属やカーボンナノチューブ(CNT)などを、前記メタロポリマーと共に含んでいてもよい。本発明の蓄熱材の製法は特に制限されないが、例えば、上記メタロポリマー、及び必要に応じて添加される上記添加物を攪拌混合して均一に分散させて製造することができる。この蓄熱材を適当な容器、例えばカプセル状蓄熱材容器(蓄熱カプセル)に充填して使用しても良い。このような蓄熱カプセルの容器の材質としては、ポリプロピレン等のプラスチック、あるいはアルミニウム、ステンレス等の金属を用いることができる。
その前に先ず、図1を用いてエンジンに取り込んだ空気の流れを説明する。吸気口から取り込んだ空気は、フィルターで除塵後、吸気マニホールドからエンジン内に供給される。供給された空気は、エンジン内で燃料とともに燃焼し、燃焼熱とともに排気ガスが、排気マニホールドから排気される。この排気は、触媒で排ガスの浄化を行った後、エキゾーストパイプ内を通り、マフラーから排出される。
次に、図2を用いてエアコンでの空気の流れを説明する。空気の流れは、内外気切替ドアから取り込んだ空気を、ブロアファンで送り出し、エバポレータ(冷却)、ヒータコア(加熱)を通った後、吹き出し口から車室内に供給される。吹き出す空気の温度は、エバポレータとヒータコアの間にあるエアミックスドアにより、制御される。また内外気切り替えドアの位置により、取り込む空気を車室内あるいは車室外から選択することができる。一般的には、車室内から取り込むと[内気モード]、外気から取り込むと[外気モード]と呼ばれる。
次に、図3を用いてエンジンとエアコン(特にヒータ)での空気と水の流れを説明する。熱利用システムは、熱、特に排熱を回収し、それを熱として再利用するものである。「空気流れ」と「水の流れ」をヒータという観点から平易に説明する。
(空気の流れ)
エンジンに取り込まれた空気は、エンジン内の燃焼により、燃焼熱を伴って排気ガスとして排出される。排気管の温度は、排気マニホールド近傍が最も高温であり、マフラーに向かっていくに従って温度が低下する。排気管の温度は、定常状態の運転(例えば、40km/hでの一定走行時)であれば、排気マニホールドで500〜600℃程度、触媒〜マフラー間で200〜300℃である。
(水の流れ)
エンジンから出る熱を冷却水で取り除き、冷却水が所望の温度以上(サーモスタットで測定)になると、ラジエータから排熱し、冷却水を一定に保つ制御をしている。エアコンでの暖房は、この冷却水の一部をヒータコアに循環し、熱交換することで暖気をおこなっている。
図4を用いて、エンジンの排熱を排気マニホールドから回収する実施形態1を説明する。回収した熱をエンジン始動時など冷却水温度が低いときの熱源として利用する。
[操作]走行中、排気マニホールドで発生する排熱を本発明の蓄熱材を備える熱回収・放出部(図中の斜線部)で熱回収する。上記蓄熱材は、エンジンが停止した後も排熱のエネルギーを錯体構造の変化(結合形態の変化など)として物質内に保持し得る。エンジンが再び始動される時(例えば、翌日の朝など)に、上記蓄熱材が蓄えるエネルギーを放出させ、冷却水(実施形態3では、空気)を加熱することができる。
[効果]蓄熱材に蓄えた熱で冷却水を加熱し、その熱を供給する場所により、2つの効果を発揮できる。一つ目は、主にヒータコアを加熱する場合である。上記熱回収・放出部からヒータコアの冷却水ループを用いて、ヒータコアを加熱する。それによりエンジン始動直後からの暖房が可能となる。二つ目は、加熱した冷却水によりエンジンを加熱する場合である。エンジンに加熱された冷却水を供給すると、エンジン始動時の暖機運転時間が短くなるだけでなく、「空気の流れ」の下流にある触媒層の大きさ(容積)を小さくできるという利益をもたらす。
図5を用いて、エンジンの排熱を排気管から回収する実施形態2を説明する。本発明の蓄熱材を備える熱回収・放出部の設置場所は、排熱温度の高い触媒前(図中の斜線部)の方が好ましいが、特に限定されるものではなく、排気マニホールドなどいずれに設置することができる。[操作]及び[効果]については、実施形態1と同じである。
図6を用いて、エンジンの排熱を排気管から回収し、直接空気を暖気する実施形態3を説明する。暖気する空気は、エアコンの「空気の流れ」からエアーポンプ等により吸引し、加熱後、再びエアコンに戻す。戻す場所は、エバポレータとヒータコアの間が好ましい。本発明の蓄熱材を備える熱回収・放出部の設置場所は、排熱温度の高いところ、例えば触媒前(図中の斜線部)が好ましいが、特に限定されるものではなく、排気マニホールドなどいずれに設置することもできる。[操作]は実施形態1と同じである。[効果]は、エンジン始動直後からの暖房が可能という点である。
図7を用いて、住宅での太陽光の熱エネルギーを回収する実施形態4を説明する。熱エネルギーとして利用する光の波長は、780nmよりも長波長である(図8)。したがって熱エネルギーを受ける形態は、輻射となる。本発明の蓄熱材を備える熱回収・放出部が太陽光を受けて、太陽からの熱エネルギーを回収する。その後、任意時に上記蓄熱材が蓄えるエネルギーを放出させ、冷却水を加熱したり、その熱をお風呂や床暖房に利用したりする。[効果]は、光熱費の削減である。
図9を用いて、本発明の蓄熱材を備える熱回収・放出部に関する実施形態5を説明する。熱源は、温度が高いほど好ましいが、排気マニホールドなどいずれの場所に設置してもよい。熱源からの熱エネルギーを上記蓄熱材に伝えるエネルギー形態は、伝導、対流、及び輻射のいずれの形態でも可能である。
対流を使う場合は、熱源と上記蓄熱材層との間の空気層を十分に攪拌するためのファンなどを備える方が好ましい。輻射では、熱源の輻射面に対して、平行になる様に上記蓄熱材層を設置することが望ましい。熱源と蓄熱材層との間の空間には、空気の層が設けられている。この距離は、特に限定されないが、蓄熱材に最適な温度になるようにその距離を決めればよい。上記蓄熱材に貯蔵したエネルギーを放出して、冷却水又は空気に伝熱する際には、伝熱効率を高めるために、放出側(伝導図中のA面)には表面積を高めるためのフィン材を設置することが好ましい。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にオクチルアミン(258 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジオクチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジオクチルイミン(44 mg)を10 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Oc)Chlを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にドデシルアミン(370 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジドデシルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジドデシルイミン(275 mg)を12.5 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液1 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Dod)Chlを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にトリデシルアミン(399 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジトリデシルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジトリデシルイミン(58 mg)を10 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Trd)chlを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にオクタデシルアミン(539 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジオクタデシルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジオクタデシルイミン(72 mg)を10 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Ocd)Chlを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(430 mg)を100 mLのエタノールに懸濁させて、その懸濁液にω-アミノドデカン酸(860 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過してエタノールとテトラヒドロフランでそれぞれ十分に洗浄し、2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジウンデシルイミン-12,12’-ジカルボン酸(以下「H2L(UndCO2H)」ともいう)を回収した(黄色固体1.13g, 93%)。H2L(UndCO2H)(2.44 g)とトリエチルアミン(0.81 g)を90 mLのジメチルホルムアミドに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液10 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた黄褐色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下25℃で24時間乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(UndCO2H)DMFを得た(2.19 g, 82%)。
実施例2で製造した2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジドデシルイミン(2.18 g)と、H2L(UndCO2H)(0.024 g)とを、クロロホルム90 mlに懸濁させ、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液10 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた赤褐色の沈殿をろ過し、メタノールおよびクロロホルムでそれぞれ十分に洗浄した。減圧下25℃で24時間乾燥して、メタロポリマーpoly-NiL(Dod)-co-1%-NiL(UndCO2H)Chl(2.15 g, 88%)を得た。
実施例2で製造した2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジドデシルイミン(2.09 g)と、H2L(UndCO2H)(0.12 g)とを、クロロホルム90 mlに懸濁させ、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液10 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた赤褐色の沈殿をろ過し、メタノールおよびクロロホルムでそれぞれ十分に洗浄した。減圧下25℃で24時間乾燥して、メタロポリマーpoly-NiL(Dod)-co-5%-NiL(UndCO2H)Chl(2.29 g, 94%)を得た。
メタロポリマーpoly-NiL(Oc)Chlを薬匙に適量とり、スライドガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Oc)Chlをガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が暗赤色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。スペクトルを図10に示した。
メタロポリマーpoly-NiL(Trd)Chlを薬匙に適量とり、スライドガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Trd)Chlをガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が暗赤色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。スペクトルを図11に示した。
メタロポリマーpoly-NiL(Ocd)Chlを薬匙に適量とり、スライドガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Ocd)Chlをガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が暗赤色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。スペクトルを図12に示した。
メタロポリマーpoly-NiL(Oc)Chlを薬匙に適量とり、15mmφのカバーガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Oc)Chlをガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。カバーガラスを温度可変ステージにセットして、30℃において薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が赤橙色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。ステージを30℃にし、+300℃に加熱した後、再度30℃にした。各温度におけるスペクトルを図13に示した。300℃に加熱した際にはピークが鈍化するとともに吸収端が長波長側に移動し、目視でも色調の変化が確認された。再度30℃まで冷却した際には、波長はシフトしたままで、ピークは初期状態よりも尖鋭化した。
メタロポリマーpoly-NiL(Trd)Chlを薬匙に適量とり、15mmφのカバーガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Trd)Chlをガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。カバーガラスを温度可変ステージにセットして、30℃において薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が赤橙色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。ステージを30℃にし、+300℃に加熱した後、再度30℃にした。各温度におけるスペクトルを図14に示した。300℃に加熱した際にはピークが鈍化するとともに吸収端が長波長側に移動し、目視でも色調の変化が確認された。再度30℃まで冷却した際には、波長はシフトしたままで、ピークは初期状態よりも尖鋭化した。
メタロポリマーpoly-NiL(Ocd)Chlを薬匙に適量とり、15mmφのカバーガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Ocd)Chlをガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。カバーガラスを温度可変ステージにセットして、25℃において薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が赤橙色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。ステージを30℃にし、+300℃に加熱した後、再度30℃にした。各温度におけるスペクトルを図15に示した。300℃に加熱した際にはピークが鈍化するとともに吸収端が長波長側に移動し、目視でも色調の変化が確認された。再度30℃まで冷却した際には、波長はほぼ不変のまま、ピークは初期状態よりも尖鋭化した。
示差走査熱量計(DSC)の測定
(測定方法)
メタロポリマーの示差走査熱量計の測定は、以下の装置、条件で行った。
装置:ブルカー・エイエックスエス株式会社 DSC3100SA
サンプル容器:アルミ開放セル
温度範囲:0〜200℃
加熱冷却速度:2〜40℃/min
パージガス:N2
冷却方式:液体N2
メタロポリマーpoly-NiL(Oc)Chl、poly-NiL(Dod)Chl、poly-NiL(Trd)Chl、poly-NiL(Ocd)Chl、及びpoly-NiL(Dod)-co-5%-NiL(UndCO2H)Chlについて、その吸発熱挙動を下記のとおり測定して、その結果を図16〜20(2サイクル)に示した。
乾燥後の上記メタロポリマー5〜8mg程度をアルミ開放セルに秤量し、10℃/minの加熱冷却速度で0〜200℃の範囲で昇降温測定を行った。吸発熱の挙動は、DSCカーブのベースラインに対するDSCピークで判断した。
メタロポリマーpoly-NiL(Oc)Chl、poly-NiL(Dod)Chl、poly-NiL(Trd)Chl、poly-NiL(Ocd)Chl、及びpoly-NiL(Dod)-co-5%-NiL(UndCO2H)Chlについて、その吸発熱挙動を下記のとおり測定して、その結果を図21〜25に示した。
加熱冷却速度と吸発熱量との関係は、加熱冷却速度を2℃/min〜40℃/minの間で変えてDSC分析を行った。その結果から、DSCカーブのベースラインに対するDSCピーク面積を熱量とした。なお複数のピークがある場合は、全てのピーク面積和を熱量とした。
また、加熱冷却速度の変化に対する熱量変化量(△Q)は、2℃/min時の吸・発熱量を基準(1とする)として、他の加熱冷却速度での吸・発熱量を評価後、それらの近似直線の傾きから、△Qを算出した。
(1) 使用したメタロポリマーのいずれにも吸・発熱を確認できた。特に、酸素を含む官能基をもつメタロポリマーpoly-NiL(Dod)-co-5%-NiL(UndCO2H)Chlにおいても、poly-NiL(Ocd)Chlに見られたような吸・発熱を確認できた。
(2) 加熱冷却速度を変えたテストでは、使用したメタロポリマーのいずれにおいても、加熱冷却速度に対する変化熱量(△Q:近似直線の傾き)が、△Q(発熱)>△Q(吸熱)の関係が認められた。すなわち、過冷却効果が確認され、その△Q差分の蓄熱効果を確認できた。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にオクチルアミン(258 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジオクチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジオクチルイミン(44 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Oc)THFを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にメチルアミン(62 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジメチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジメチルイミン(24 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色粉末状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Me)THFを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にイソプロピルアミン(118 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジイソプロピルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジイソプロピルイミン(30 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色粉末状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(i-Pr)THFを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にtert-ブチルアミン(146 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジtert-ブチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジtert-ブチルイミン(33 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色粉末状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(tert-Bu)THFを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にペンチルアミン(176 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジペンチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジペンチルイミン(35 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Pen)THFを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にヘキシルアミン(202 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジヘキシルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジヘキシルイミン(38 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Hex)THFを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にセチルアミン(483 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジセチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジセチルイミン(66 mg)を10 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Cet)Chlを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にベンジルアミン(214 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジベンジルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジベンジルイミン(39 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Bn)THFを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にR-1-フェネチルアミン(242 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジR-1-フェネチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジR-1-フェネチルイミン(42 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(R-PhE)THFを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にS-1-フェネチルアミン(42 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジS-1-フェネチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジS-1-フェネチルイミン(42 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(S-PhE)THFを得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にピコリルアミン(216 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジピコリルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジピコリルイミン(40 mg)を10 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Pic)Chlを得た。
メタロポリマーpoly-NiL(Oc)THFを薬匙に適量とり、スライドガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Oc)THFをガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が暗赤色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。スペクトルを図26に示した。
メタロポリマーpoly-NiL(Me)THFを薬匙に適量とり、スライドガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Me)THFをガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が黄褐色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。スペクトルを図27に示した。
メタロポリマーpoly-NiL(tert-Bu)THFを薬匙に適量とり、スライドガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(tert-Bu)THFをガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が黄褐色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。スペクトルを図28に示した。
メタロポリマーpoly-NiL(Bn)THFを薬匙に適量とり、スライドガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Bn)THFをガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が黄褐色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。スペクトルを図29に示した。
メタロポリマーpoly-NiL(Oc)THFを薬匙に適量とり、15mmφのカバーガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Oc)THFをガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。カバーガラスを温度可変ステージにセットして、25℃において薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が暗赤色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。ステージを-180℃に冷却し、次いで+180℃に加熱した。各温度におけるスペクトルを図30に示した。-180℃のスペクトルにおいては、波長530 nmのピークが25℃のスペクトルに比べて著しく尖鋭化した一方、180℃に加熱してもこのピーク形状はほとんど変化しなかった。
メタロポリマーpoly-NiL(Me)THFを薬匙に適量とり、15mmφのカバーガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Me)THFをガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。カバーガラスを温度可変ステージにセットして、25℃において薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が暗赤色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。ステージを-180℃に冷却し、次いで+180℃に加熱した。各温度におけるスペクトルを図31に示した。-180℃のスペクトルは25℃のものと比べて大きな差異はみられなかった。180℃に加熱したところ、波長480nmと500nmのピーク強度が小さくなった。再度25℃に降温したところ、スペクトルの形状は温度変化前の25℃のものに復元した。
メタロポリマーpoly-NiL(Bn)THFを薬匙に適量とり、15mmφのカバーガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Bn)THFをガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。カバーガラスを温度可変ステージにセットして、25℃において薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が黄褐色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。ステージを-180℃に冷却し、次いで+180℃に加熱した。各温度におけるスペクトルを図32に示した。-180℃のスペクトルは25℃のものと比べて大きな差異はみられなかった。180℃に加熱したところ、波長480nmのピーク強度が小さくなり、500nmのピークが消失した一方、530nmに鋭いピークが現れた。再度25℃に降温したところ、スペクトルの形状は温度変化前の25℃のものには復元せず、480nmと530nmにピークをもつスペクトルとなった。
メタロポリマーのマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF MS)は、以下の装置、条件で行った。
(想定の原理)
MALDI(Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization)はイオン化法の一種であり、サンプルとマトリックスを混合した状態でレーザー光を照射すると、マトリックスが光を吸収し、励起される。その際にマトリックスより得られるエネルギーによってサンプルは気化し、同時にマトリックスやあらかじめ添加されている塩との反応によりイオン化される。生成したイオンはフライトチューブ内を飛行し、検出器に到達する。その際、質量電荷比(m/z)に応じて検出器に到達するまでの時間(飛行時間:Time of Flight)が異なる(m/zが小さいイオンほど早く検出器に到達する)ことを利用してイオンを質量分離し、検出する。MALDIはソフトなイオン化法であることから、分子量に関連する質量情報が得られやすく、また、主に1価のイオンが生成するため、多価イオンが生成しやすいESI(Electrosplay Ionization)と比べると解析も容易である。さらに、イオン化しやすく、比較的試料を選ばないことから、多くの化合物が測定対象となり得る。
メタロポリマーpoly-NiL(Oc)THFを乳鉢で粉末状に粉砕し、少量を測定プレートに載せ、その上からマトリックス試薬溶液を塗布し乾燥後、MALDI-TOF MS 測定し、その結果を図33に示した。
(分析装置)
BRUKER DALTONICS,autoflex
(測定条件)
レーザー光源:N2 レーザー(波長:337 nm)
測定モード:リフレクターモード,ポジティブイオンモード
測定質量範囲(m/z):20〜3000
積算回数:1500 回
マトリックス:trans,trans-1,4-Diphenyl-1,3-butadiene(THF 溶液)
図33より、m/z 438.3、932.5、1426.8、1921.1、2415.4 に試料由来のモノアイソトープピークが検出され、これらのイオンが494 u 間隔で検出されていることが分かった。
また、イオンの同位体パターンよりm/z 438.3、932.5、1426.8、1921.1、2415.4 は、それぞれNi原子を0、1、2、3、4個含んでいると考えられ、494 u にはNi原子を1つ含んでいると考えられた。
これらのことより、Ni の配位子R の分子量は437 であり、m/z 438.3はRH+・、932.5は[R-Ni-R]+・、1426.8は[R-Ni-R-Ni-R]+・、1921.1は[R-Ni-R-Ni-R-Ni-R]+・、2415.4は[R-Ni-R-Ni-R-Ni-R-Ni-R]+・と推定された。
また、メタロポリマーpoly-NiL(Oc)THFのnは4であることが認められた。
Claims (7)
- 式(I):
〔式中、各Rは、互いに独立して、炭素数1〜18の直鎖又は分岐のあるアルキル基であり、ここで、該アルキル基は、非置換であるか又は−OH、−C(=O)OH、−O−C(=O)H、−NH2、=NH、−NHC(=O)H、−C(=O)NH2、若しくは芳香環で置換されており、ならびに/あるいは該アルキル基は、アルキル鎖の中間に−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−NH−、=N−、−N=、−NHC(=O)−、若しくは−C(=O)NH−を含んでもよく;Mは二価の遷移金属イオンであり;nは1〜30の整数である〕で示されるメタロポリマーを含むことを特徴とする蓄熱材。 - Rが、オクチル、トリデシル、又はオクタデシルである、請求項1記載の蓄熱材。
- 二価の遷移金属イオンが、周期表第4周期の遷移金属から選択されるものである、請求項1又は2記載の蓄熱材。
- 二価の遷移金属イオンが、亜鉛(II)、銅(II)、ニッケル(II)、コバルト(II)、マンガン(II)、又は鉄(II)である、請求項3記載の蓄熱材。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の蓄熱材を備えた排熱利用システム。
- 車両用排熱利用システムである、請求項5記載の排熱利用システム。
- 住宅用排熱利用システムである、請求項5項記載の排熱利用システム。
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