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JP5551848B2 - 痒み防止皮膚外用剤 - Google Patents
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本発明は、乾皮症などの皮膚の乾燥による炎症、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのアレルギー性疾患、物理的刺激や化学物質の侵入による皮膚の過敏反応、虫刺され、菌感染などによって引き起こされる皮膚の痒みを、軽減あるいは予防、解消する効果の高い皮膚外用剤に関する。
従来の技術及び発明が解決しようとする課題
痒みは皮膚や皮膚に近接した粘膜と角膜に固有の掻爬欲求を伴う不快な感覚で、痛覚などと同様な体性感覚の一種と定義されている。その原因としては機械的刺激や温熱刺激などの物理的刺激、有害化学物質、菌や小動物の毒素などの侵入による化学的な刺激、アレルギー性皮膚炎、蕁麻疹、接触皮膚炎などのアレルギー反応、さらにストレスや妊娠、腎透析に伴う痒みなど様々である。それらによる起痒のメカニズムとして痒神経への直接刺激や皮膚の肥満細胞から放出されるヒスタミンなどを介する神経刺激などが考えられているが、まだ不明な点が多く、今後の研究が待たれるところである。近年、住居、食事など生活様式の変化や環境の悪化、有害化学物質の増加、高齢化などに伴い、こうした痒みを日常的に訴える人も増加してきており、痒みの防止、軽減は大きなニーズとなっている。
これに対し、ステロイド剤や抗ヒスタミン剤などを有効成分とする外皮用薬が広く提供されている。しかしこれらは副作用の懸念があり、日常的に使用しつづけるものとしては、満足のできるものではなかった。また、長期使用に対しても安全性が高く、皮膚に緩和なものとして、植物エキスを用いて、炎症や痒みを抑えることも研究されており、中薬大辞典(小学館)、和漢薬図鑑(保育社)、バーブ大全(小学館)等の一般的書籍にも経験的な利用法が期されている他、芍薬や牡丹皮、黄ごんを含有する化粧料(特開昭58−23612、特開昭59−73509)、ヨモギを含有する外用剤(特開平06−211679、特開平10−298092)、ニンニクを利用したボディリンス剤(特開平08−165233)、ユーカリを配合したヘアケア剤(特開平09−104610)、肥満細胞や好塩基球からのヒスタミン、セロトニン等の遊離を抑制する作用のある植物として、阿仙薬、山椒、丁子、キイチゴ、羅漢果、ハトムギ、ドクダミ、菩提樹などを利用した医薬品、医薬部外品、化粧料や食品(特開平10−36276、特開平10−53532、特開平10−120583、特開平10−139679)など多く提案されているが、実効の明確なものは見当たらない。
課題を解決するための手段及び発明の実施の形態
本発明者らは、古来より経験的に使用されてきた和漢薬やハーブ類に着目し、痒み防止を目的に鋭意研究を進めた結果、板藍根、乳香等の和漢薬およびマウンテングレープ、ギレアドバルサムノキ等のハーブが有用な痒み防止効果を有することを見出した。さらに、それらを含む特定の和漢薬、ハーブ類と抗炎症剤として汎用されるグリチルリチン酸誘導体と併用することにより、格段に痒み防止効果が向上することを見出した。これにより、副作用がほとんどない優れた痒み防止剤が得られることを確認し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、板藍根、乳香、没薬、柿葉、杉皮、マウンテングレープ、ギレアドバルサムノキ、フキタンポポ、アカハルニレ、コレウス、ジャマイカドッグウッド、セイヨウタンポポのうちの乳香、没薬、杉皮、マウンテングレープ、ギレアドバルサムノキ、フキタンポポ、ジャマイカドッグウッドからなる群より選ばれた一種又は二種以上の和漢薬、ハーブを含有する痒み防止皮膚外用剤、さらに、(A)グリチルリチン酸および/またはその誘導と(B)荊芥、防風、牛蒡子、知母、金銀花、連翹、板藍根、白鮮皮、射干、地膚子、扁蓄、秦ぎょう、厚朴、陳皮、地楡、乳香、没薬、路路通、何首烏、沙参、百部、桑寄生、五味子、しつり子、蛇床子、柿葉、杉皮、イザヨイバラ、セイヨウキズタ、マウンテングレープ、セイヨウネズ、ゼニアオイ、トールメンティル、サボンソウ、ナツシロギク、ギレアドバルサムノキ、クリーバーズ、フキタンポポ、ホップ、アカハルニレ、ラベンダー、マロニエ、セイヨウオトギリソウ、コレウス、ムラサキツメクサ、セイヨウニワトコ、セイヨウノコギリソウ、サルサパリラ、ジャマイカドッグウッド、スギナ、タイム、ユーカリ、ワイルドパンジー、エキナセア、ゲンチアナ、セイヨウイラクサ、セイヨウタンポポ、メリッサのうちの乳香、没薬、杉皮、マウンテングレープ、ギレアドバルサムノキ、フキタンポポ、ジャマイカドッグウッドからなる群より選ばれた一種又は二種以上の和漢薬、ハーブ類を併用する痒み防止皮膚外用剤を提供するものであり、この皮膚外用剤は、皮膚に発現する痒みに対して優れた防止作用を示し、かつ安全性が高く、医薬品、化粧品などに好適に用いることができるものである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に用いられる和漢薬、ハーブはその用部に特に限定はないが、和漢薬の荊芥、防風、牛蒡子、知母、金銀花、連翹、板藍根、白鮮皮、射干、地膚子、扁蓄、秦ぎょう、厚朴、陳皮、地楡、乳香、没薬、路路通、何首烏、沙参、百部、桑寄生、五味子、しつり子、蛇床子、柿葉、杉皮はそれぞれ生薬としての用部を用いることができる。また、ハーブ類のイザヨイバラは果実、セイヨウキズタは葉、マウンテングレープは根茎、セイヨウネズは果実、ゼニアオイは花葉、トールメンティルは根、サボンソウは根茎、ナツシロギクは葉、ギレアドバルサムノキは葉芽、クリーバーズは地上部、フキタンポポは花、ホップは花穂、アカハルニレは樹皮、ラベンダーは花穂、マロニエは果実、セイヨウオトギリソウは地上部、コレウスはシソ科コレウス・フォルスコリの全草、ムラサキツメクサは花穂、セイヨウニワトコは花葉、セイヨウノコギリソウは地上部、サルサパリラは根、ジャマイカドッグウッドは樹皮、スギナは地上部、タイムは地上部、ユーカリは葉、ワイルドパンジーは地上部、エキナセアは根茎、ゲンチアナは根茎、セイヨウイラクサは地上部、セイヨウタンポポは全草、メリッサは葉を用いることが好適である。
これらを生のままあるいは乾燥したものを適当な大きさに切断したり、粉砕加工したもの、または抽出物として、それらの抽出エキスあるいは成分を分離精製したものでもよい。抽出エキスの場合は、常法により溶媒抽出することによって得ることができ、抽出溶媒が使用上無毒性のものであれば抽出液をそのまま用いても、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、あるいは濃縮エキスとしたり、凍結乾燥などにより乾燥粉末としたり、ペースト状に調製したものなどが利用できる。
上記植物の抽出物を得るのに用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、酢酸エチル、アセトンなどの一般に用いられる有機溶媒、及び水などを挙げることができ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。これらの溶媒の中では特にエタノール、水、含水エタノールが好ましい。なお、抽出処理は、冷浸、温浸、加熱還流、パーコレーション法などの常法によって行うことができる。溶媒抽出の他に、炭酸ガスを超臨界状態にして行う超臨界抽出によって得たエキスも同様に利用できる。このときには、抽出助剤としてヘキサン、エタノールなどを用いることもできる。それぞれの植物を個別に抽出する他、数種の植物を予め混合した後、抽出することもできる。
また、抽出物の分離精製は、抽出物を活性炭処理、液液分配、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーなどで精製することによって行うことができる。
また本発明に用いられるグリチルリチン酸誘導体はグリチルリチン酸、グリチルリチン酸ステアリル、グリチルレチン、グリチルレチン酸ジカリウムなどが挙げられる。
本発明の皮膚外用剤には、上記のように荊芥、防風、牛蒡子、知母、金銀花、連翹、板藍根、白鮮皮、射干、地膚子、扁蓄、秦ぎょう、厚朴、陳皮、地楡、乳香、没薬、路路通、何首烏、沙参、百部、桑寄生、五味子、しつり子、蛇床子、柿葉、杉皮、イザヨイバラ、セイヨウキズタ、マウンテングレープ、セイヨウネズ、ゼニアオイ、トールメンティル、サボンソウ、ナツシロギク、ギレアドバルサムノキ、クリーバーズ、フキタンポポ、ホップ、アカハルニレ、ラベンダー、マロニエ、セイヨウオトギリソウ、コレウス、ムラサキツメクサ、セイヨウニワトコ、セイヨウノコギリソウ、サルサパリラ、ジャマイカドッグウッド、スギナ、タイム、ユーカリ、ワイルドパンジー、エキナセア、ゲンチアナ、セイヨウイラクサ、セイヨウタンポポ、メリッサからなる群より選ばれた一種又は二種以上の生のまま植物、あるいは乾燥したものを適当な大きさに切断したり、粉砕加工したもの又はそれらの抽出物を必須成分として含有するものである。
本発明の植物抽出物の配合量は、グリチルリチン酸誘導体と併用するしないに関わらず、組成物の用途、剤型等に応じて適宜選定されるが、通常、抽出溶剤を除いた固形分に換算して0.001〜10重量%配合するのがよい。好ましくは0.005〜5重量%配合するのがよい。配合量が0.001重量%未満であると、本発明の効果を発揮できない。また10重量%を越えても効果向上は見られず、剤形によっては製造が困難になるものもあることから、10重量%を超えないほうがよい。また特定の和漢薬、ハーブ類と併用する場合のグリチルリチン酸誘導体は0.01〜3.0重量%配合するのがよい。配合量が0.01重量%未満であると、本発明の効果を発揮できない。また3.0%を越えても効果は上がらず、製剤配合上、不利益になることが多い。好ましくは0.05〜1.0重量%配合するのがよい。グリチルリチン酸誘導体に対する特定の和漢薬、ハーブ類の配合比は1000〜1/3000が好ましく、さらに好ましくは100〜1/200である。この範囲を外れると本発明の併用効果が得られない。
本発明の皮膚外用剤は、全身皮膚、頭皮などに適用され、例えばクリーム、ハンドクリーム、乳液、化粧水、ローション、石鹸、ハンドソープ、ボディソープ、入浴剤、水虫薬、にきび治療剤、鎮痒剤、点眼剤、眼軟膏剤などの外用組成物及び皮膚化粧料、シャンプー、リンス、トニック、青毛剤等の毛髪化粧料などとして調製することができる。
この場合、本発明の皮膚外用剤は、上記皮膚外用剤の種類、剤型などに応じた公知の配合成分を用いて常法により調製できる。なお、本発明組成物には、上記有効成分に加えて、一般に痒み軽減防止用製剤に用いられているステロイド剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、鎮痒剤、清涼剤などをあわせて配合することができる。
発明の効果
本発明の皮膚外用剤は、皮膚に発現する痒みに対して優れた防止作用を示し、かつ安全性が高いことから、応用範囲が極めて広いものである。
以下、調製例、実験例、実施例(参考例を含む)を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に制限されるものではない。
〔調製例〕
抽出エキスの調製:各植物を乾燥、粉砕して粗末とし、各10gをとり、50%エタノール200mLに浸漬し室温で5日間抽出した。抽出液の溶媒を減圧留去し、乾燥させて抽出エキスを得た。ただし、乳香、没薬はエタノールに溶解し、不溶分を除去した後、溶媒を減圧留去し、乾燥させて抽出エキスとした。
〔実験例1及び2〕表1に示す組成に従ってジェル状製剤を調製し試験に供した。植物エキスは予め50%エタノールに溶解し(乳香、没薬はエタノールに溶解)、ジェル状製剤に均一混合して各試料を調製し、以下の試験を行なった。また、グリチルリチン酸誘導体との併用試験については、表2に示す組成に従って各試料を調製し試験に供した。
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〔実験例1〕
健常人5名の前腕内側に、調製例で示した試料約0.1gを直径約3cmの範囲に塗布した。10分後、試料を拭き取り、乾燥させた後、0.1%塩酸ヒスタミン生理食塩水溶液を塗布範囲内に1滴ずつ3ヶ所に滴下し、そこを針先で出血しない程度に刺傷してヒスタミンを皮内に投与した。30秒放置後、ヒスタミン溶液を拭き取り、発現する痒みを下記の評価基準に従って官能評価した。
痒みの評価基準
評点 評価基準
3:明らかに痒い
2:明確に痒いが弱い(掻かなくても我慢できる)
1:痒みが明確でないが違和感がある
0:痒み、違和感ともにない
5名の評点平均を求め、下記の判定基準に従ってその試料のヒスタミン反応による痒み防止効果とした。なお、評価者の5名はブランクテストで痒みの評価基準の3点にあたる痒みを認知することを確かめた上で本実験を行った。結果を表3および表4〜8に示す。
判定 判定基準
◎:平均点0〜0.6
○:平均点0.8〜1.4
△:平均点1.6〜2.2
×:平均点2.4〜3
〔実験例2〕
ダニアレルギー患者5名の前腕内側に、試料約0.1gを直径約3cmの範囲に塗布した。10分後、試料を拭き取り、乾燥させた後、抗原溶液(診断用ハウスダストアレルゲンスクラッチエキス:鳥居薬品(株)製)を塗布範囲内に1滴ずつ滴下し、以下、実験例1と同様に操作、評価を行い、アレルギー反応に伴う痒みの防止効果とした。なお、評価者の5名はブランクテストで痒みの評価基準の3点にあたる痒みを認知することを確かめた上で本実験を行った。有効成分として特定和漢薬、ハーブ単独系での結果を表3に示す。又 有効成分として特定和漢薬、ハーブとグリチルリチン酸及び/またはその誘導体との併用系での結果を表4−8に示す。表4−8の実施例欄に記載のNo.1〜70のうち、No.2,3,5〜8、11,28,29,42,48,50,61が本発明の実施例であり、残りのNo.1,4,9,10,12〜19,20〜27,30〜41,43〜47、49,51〜60、62〜70は、参考例である。
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表3の結果から明らかなように、板藍根、乳香、没薬、柿葉、杉皮、マウンテングレープ、ギレアドバルサムノキ、フキタンポポ、アカハルニレ、コレウス、ジャマイカドッグウッド、セイヨウタンポポの各エキスに明らかな痒み防止効果が確認された。また、表4〜8の結果から、荊芥、防風、牛蒡子、知母、金銀花、連翹、板藍根、白鮮皮、射干、地膚子、扁蓄、秦ぎょう、厚朴、陳皮、地楡、乳香、没薬、路路通、何首烏、沙参、百部、桑寄生、五味子、しつり子、蛇床子、柿葉、杉皮、イザヨイバラ、セイヨウキズタ、マウンテングレープ、セイヨウネズ、ゼニアオイ、トールメンティル、サボンソウ、ナツシロギク、ギレアドバルサムノキ、クリーバーズ、フキタンポポ、ホップ、アカハルニレ、ラベンダー、マロニエ、セイヨウオトギリソウ、コレウス、ムラサキツメクサ、セイヨウニワトコ、セイヨウノコギリソウ、サルサパリラ、ジャマイカドッグウッド、スギナ、タイム、ユーカリ、ワイルドパンジー、エキナセア、ゲンチアナ、セイヨウイラクサ、セイヨウタンポポ、メリッサの各エキスはグリチルリチン酸誘導体と併用することにより、それぞれ単独で用いたときに比べて、明らかに高い痒み防止効果を示すことが立証された。
以下、本発明の皮膚外用剤および参考の皮膚外用剤を配合した処方例を示す。処方例1〜53は、有効成分として特定和漢薬、ハーブ単独系の例を示した。処方例54−106は有効成分として特定和漢薬、ハーブとグリチルリチン酸及び/またはその誘導体との併用系を示した。尚、各植物エキスは調製例の抽出法によるものを用いたが、配合のし易さを考慮して、固形分10%の溶液(一部懸濁液)を予め調製し、それを配合した。表中のエキス配合量は10%溶液の配合量である。下記の例は、いずれも皮膚や頭皮における痒み防止効果に優れており、安全性も良好なものであった。
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Claims (2)

  1. 痒み防止効果を有する植物抽出エキスを含有する痒み防止皮膚外用剤であって、
    前記植物抽出エキスが、乳香、没薬、杉皮、マウンテングレープ、ギレアドバルサムノキ、フキタンポポ、ジャマイカドッグウッドからなる群より選ばれた一種又は二種以上の植物の抽出エキスであることを特徴とする痒み防止皮膚外用剤。
  2. さらに、グリチルリチン酸および/またはその誘導体を含有する請求項1に記載の痒み防止皮膚外用剤。
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