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JP5556582B2 - 排熱回収システム - Google Patents
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JP5556582B2 - 排熱回収システム - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの排気の熱を冷媒を介して回収する排熱回収器の排熱回収システムに関する。
自動車用エンジンの冷却水系統内に、エンジンの排気の熱(以下、排熱という)を回収する排熱回収器を備え、この排熱をエンジンの暖機促進や車室内の暖房等に利用する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この排熱回収器は、エンジンの排気管の途中に配設されるとともに、内部に冷却水を流通させる流路を備えている。エンジンの冷却水は、排熱回収器の内部を流通する際に、エンジンの排気との間で熱交換されることにより排熱を回収する。
ここで、例えば、エンジンの冷間始動時に、エンジンの暖機運転を早期に完了させるための排熱回収システムの一例を図5に示す。図5に示すように、エンジン1の冷却水の流路10上には、排熱回収器2、ラジエータ4、オイルウォーマ7及びウォータポンプ8が設けられている。また、冷却水をラジエータ4に流通させるか否かを切り替える冷却切替弁5が冷却水の流路10の合流点に設けられ、排熱回収を行うか否かを切り替える排熱回収切替弁3′が排気管20の合流点に設けられている。
冷却切替弁5は、冷却水の温度に応じて開閉動作することで、冷却水の流通する流路10を変更する。具体的には、冷却切替弁5は、冷却水の温度が比較的低温の場合(例えば、エンジン1の冷間始動時)に閉弁して、冷却水をラジエータ4に流通させないようにし、エンジン1とラジエータ4との間での冷却水の循環を停止させる。これにより、エンジン1が速やかに暖機される。そして、冷却水の温度が冷却切替弁5の開弁温度T0に達すると、冷却切替弁5が開弁して、エンジン1とラジエータ4との間で冷却水を循環させる。これにより、ラジエータ4で冷却された冷却水がエンジン1に供給されるため、暖機後のエンジン1が高温になっても適温に冷却される。
排熱回収切替弁3′は、排熱回収器2の冷却水上流側に設けられ、排熱回収器2に流入する冷却水の温度に応じて、排気を流通させる排気管20の経路を変更する。これについて、図6を加えて説明する。図6は、冷却水の温度に対する排熱回収切替弁3′の切り替えを示す図である。図6に示すように、排熱回収切替弁3′は、冷却水の温度が比較的低温の場合に開弁し、排気を排熱回収器2に流通させるように経路を切り替えて排熱回収を行う。これにより、冷却水が加熱され、エンジン1の暖機がより一層促進される。そして、冷却水の温度が排熱回収切替弁3′の閉弁温度T1′に達すると、排熱回収切替弁3′は閉弁して、排気を排熱回収器2に流通させないように経路を切り替え、排熱回収を停止する。これにより、冷却水が必要以上に昇温されることを防ぐ。
なお、この排熱回収切替弁3′の閉弁温度T1′は、上記の冷却切替弁5の開弁温度T0よりも低く設定され、ラジエータ4による冷却水の冷却を開始する前に排熱回収器2による排熱回収を停止する構成となっている。また、排熱回収を停止させた後、エンジン1の運転状態や気候等の影響により、冷却水の温度が排熱回収切替弁3′の開弁温度T2まで低下した場合は、排熱回収切替弁3′を再び開弁して排熱回収を行う。
特開2010−19216号公報
しかしながら、上記のような排熱回収システムの場合、排熱回収を行うか否かを切り替える排熱回収切替弁3′が、排熱回収器2の冷却水上流側に設けられているため、排熱回収切替弁3′は、排熱回収器2を通過する前の冷却水の温度に応じて開閉動作を行う。そのため、排熱回収器2の直下流において、冷却水の温度が必要以上に昇温されて冷却水の許容温度を超えていても、それを検知することができない。
また、上記のような排熱回収システムにおいて、例えば、図5に示すように、排熱回収器2の下流側に排熱回収器2を通過して昇温された冷却水を利用してエンジンオイルやトランスミッションオイルを加熱するオイルウォーマ7が配設される場合がある。
エンジンオイルやトランスミッションオイルは、低温時には粘度が高く、フリクションが大きいため燃費の悪化要因となっている。オイルウォーマ7は、冷態始動時のように、エンジンオイルやトランスミッションオイルの油温が低い時に、これらオイルを加熱して早期に昇温することで、フリクションロスを低減して燃費の改善を図ることを目的としている。
しかしながら、システムの構成上、冷却水がエンジン1や排熱回収器2によって加熱されて昇温されやすい状況にあるのに対して、エンジンオイルやトランスミッションオイルは、昇温された冷却水を介して加熱されるため、冷却水に比べて昇温されるのが遅く(温度上昇が緩やかである)、十分に暖められるまでに時間がかかっていた。
それゆえ、上記の排熱回収システムのように、排熱回収切替弁3′の閉弁温度T1′を冷却切替弁5の開弁温度T0よりも低く設定していると、オイルウォーマ7によるオイル類の昇温が完了する前に排熱回収が停止されてしまうことがある。つまり、エンジンの暖機が完了してもオイル類が十分に昇温されていない場合がある。
本件はこのような課題に鑑み案出されたもので、冷却水の温度を適切に制御しつつ、排熱回収器による排熱回収時間を十分確保することによりオイルウォーマでのオイル類の加熱時間を十分確保できるようにした、排熱回収システムを提供することを目的の一つとする。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示する排熱回収システムは、車両に搭載されるエンジンの冷却水流路が、第一循環流路と第二循環流路とに分岐した並列流路に構成され、前記エンジンの冷却水が前記第一循環流路と前記第二循環流路とを共に流れ、前記第一循環流路には、前記冷却水と前記エンジンの排気との間で熱交換を行うことで前記冷却水を加熱する排熱回収器と、前記排熱回収器の前記冷却水下流側に設けられ、前記冷却水と熱交換を行うことでオイルを加熱するオイルウォーマとが設けられ前記第二循環流路は、前記冷却水を冷却するラジエータが介装された冷却流路と該冷却流路をバイパスするバイパス流路とにさらに分岐して設けられた排熱回収システムであって、前記排気の前記排熱回収器への流入状態と前記排熱回収器を通過した直後の冷却水の温度とに応じて、前記排気の前記排熱回収器への流入を遮断する第一切替弁と、前記エンジンを通過した前記冷却水の前記第二循環流路での温度が所定の開弁温度(T0)よりも低いときに、前記冷却水の前記ラジエータへの流入を遮断する第二切替弁とを備える。
また、前記第一切替弁が、前記排気の前記排熱回収器への流入時、且つ、前記排熱回収器を通過した直後の前記冷却水の温度が前記開弁温度(T0)よりも高く、且つ、前記冷却水の許容温度(TMAX)よりも低く設定された第一温度(T1)以上である場合に、前記排気の前記排熱回収器への流入を遮断する。
(2)前記第一切替弁が、前記排気の前記排熱回収器への流入遮断時、且つ、前記排熱回収器を通過した直後の前記冷却水の温度が前記開弁温度(T0)よりも低い第二温度(T2)未満である場合に、前記排気を前記排熱回収器に流入させることが好ましい。
(3)前記ラジエータを冷却する冷却ファンをさらに備え、前記第一温度(T1)が、前記冷却ファンの稼働が開始される前記冷却水の前記冷却流路での温度である冷却ファン稼働温度(TFAN)よりも低い温度であることが好ましい。
(4)前記排気が流通する排気管備え、前記排熱回収器及び前記第一切替弁が、いずれも、前記第一循環流路及び前記排気管上に介装され、前記第一切替弁が前記排熱回収器の冷却水下流側に設けられ、前記第二切替弁が、前記第二循環流路上に介装されていることが好ましい。
開示の排熱回収システムによれば、排熱回収器を通過した直後の冷却水の温度がラジエータへの冷却水の流入を遮断する第二切換弁の開弁温度(T0)よりも高い第一温度(T1)以上となった場合に、排熱回収器への排気の流入を遮断するようにしたので、ラジエータに冷却水が流入されてからも排熱回収器を通過した直後の冷却水の温度が第一温度(T1)以上となるまでは、排熱回収を継続することができる。
すなわち、エンジンの暖が終了してからもしばらく排熱回収を継続することができ、従来のものよりも排気の排熱回収器への流入時間を長く確保できる。したがって、排熱回収器の冷却水下流側に設けられたオイルウォーマに、開弁温度(T0)よりも高い温度の冷却水を供給することができるので、オイルをより早く昇温させることができる。これにより、オイル類の温度が低く粘度が高いことにより生じるフリクションロスを低減でき、燃費を改善することができる。
また、排熱回収器を通過した直後の冷却水の温度に応じて排気の排熱回収器への流入を制御しており、かつ第一切替弁が遮断される第一温度(T1)を冷却水の許容温度(TMAX)よりも低く設定しているので、排熱回収器により冷却水が過度に昇温されることがなく、適切に冷却水の温度を制御することができる。このため、排熱回収器への排気の流入時間が長くなるよう設定したとしても、冷却水の温度が許容温度(TMAX)を超えることを確実に抑制することができる。
また、第一切替弁が、排気の排熱回収器への流入遮断時、且つ、排熱回収器を通過した直後の冷却水の温度が第二切替弁の開弁温度(T0)よりも低い第二温度(T2)未満であるときに排熱回収器へ排気を流入させるようにすることで、外気温の低下や暖房要求の上昇により冷却水の温度が低下しすぎた場合にのみ、排熱回収を再開するようにしているので、暖機完了後の不要な排熱回収を抑制することができる。
また、第一温度(T1)が、冷却ファンの稼働温度(TFAN)よりも低く設定されている場合、冷却ファンの稼働温度まで冷却水が昇温される前に、第一切替弁により排気管の経路を排熱回収を行わない経路に切り替えられるため、冷却ファンの稼働率上昇を防ぐことができる。
一実施形態にかかる排熱回収システムの全体概略構成図である。 一実施形態にかかる排熱回収システムにおける排熱回収切替弁の冷却水温度に対する開閉動作を示す図である。 一実施形態にかかる排熱回収システムを実施したときの、冷却水の温度変化を示す図である。 一実施形態にかかる排熱回収システムの効果を説明する図である。 従来の課題を説明するための排熱回収システムの全体概略構成図である。 従来の課題を説明するための排熱回収システムにおける排熱回収切替弁の冷却水温度に対する開閉動作を示す図である。
[1.構成]
以下、図面により実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。
本実施形態にかかる排熱回収システムは、エンジンの始動時だけでなく、エンジンを停止してから十分時間が経過し、冷却水の温度が十分低温になっている状態でエンジンを再始動する場合や、冬場で気温が特に低い地域において信号待ちや人待ち等でアイドリング運転をする場合等、冷却水の温度が低く、排熱回収により早期に冷却水の温度を昇温し、エンジンの暖機を早期に完了させたい場合に適用することが可能である。なお、ここでは、エンジンの冷間始動時に排熱回収システムを適用した例で説明する。また、背景技術で説明したものと対応する機器については、背景技術と同一の符号を付す。
図1に示すように、エンジン1の冷却水の流路10上には、排熱回収器2、排熱回収切替弁(第一切替弁)3、ラジエータ4、冷却切替弁(第二切替弁)5、オイルウォーマ7及びウォータポンプ8が設けられている。排熱回収器2は、エンジン1の冷却水とエンジン1の排気との間で熱交換を行うことで冷却水を加熱する機器であり、ラジエータ4は、エンジン1の冷却水を冷却する機器である。
エンジン1には、エンジン1を駆動源とするウォータポンプ8により冷却水が送給される。この冷却水は、図示しないシリンダブロック及びシリンダヘッド内の流路を通過し、流路10を循環してウォータポンプ8へ還流する。流路10は、分岐点15において第一循環流路11と第二循環流路12とに分岐しており、第一循環流路11及び第二循環流路12は並列流路に構成されている。また、第二循環流路12は、さらに分岐点16において冷却流路12aとバイパス流路12bとに分岐し、これらも並列流路に構成されている。
第一循環流路11上には、冷却水上流側から排熱回収器2、排熱回収切替弁3及びオイルウォーマ7がこの順に設けられている。第一循環流路11を循環した冷却水は、合流点17において第二循環流路12と合流し、ウォータポンプ8の吸入側へ還流する。また、第二循環流路12の冷却流路12a上にはラジエータ4が介装され、バイパス流路12b上には何も設けられていない。冷却流路12aは、ラジエータ4の下流側にある合流点18においてバイパス流路12bと合流し、さらに下流側の合流点17において第一循環流路11と合流している。第二循環流路12の合流点18には、冷却切替弁5が介装されている。
排熱回収器2は、第一循環流路11及びエンジン1の排気管20上に介装されている。すなわち、排熱回収器2の中に第一循環流路11及び排気管20が導入されている。排熱回収器2は、エンジン1の排気が排気管20を通って排熱回収器2を通過する際に、第一循環流路11を通って排熱回収器2を流通する冷却水との間で熱交換を行い、冷却水により排熱を回収する。つまり、排気により冷却水を加熱している。
排気管20は、排熱回収器2の排気上流側にある分岐点21において、排熱回収器2を通過する経路(以下、排熱回収経路という)20aと、排熱回収器2をバイパスする経路(以下、バイパス経路という)20bとに分岐して設けられている。排熱回収切替弁3は、排気管20の分岐点21上に介装されている。なお、この排熱回収経路20aとバイパス経路20bは、排熱回収器2の排気下流側で合流する。
排熱回収切替弁3は、エンジン1の排気の排熱回収器2への流入状態と排熱回収器2を通過した直後の冷却水の温度とに応じて、排気の排熱回収器2への流入を遮断する、すなわち、排気の流通する経路を排熱回収経路20aとバイパス経路20bとに切り替える弁であり、ここでは開閉式の弁で構成されている。
排熱回収切替弁3は、開弁時に排熱回収経路20aを開通させ、バイパス経路20bを閉鎖することで、排熱回収経路20aに排気を流通させて排熱回収器2へ排気を流入させる。他方、排熱回収切替弁3は、閉弁時にバイパス経路20bを開通させ、排熱回収経路20aを閉鎖することで、バイパス経路20bに排気を流通させて排熱回収器2への排気の流入を遮断する。つまり、排熱回収切替弁3が開弁されていると排熱回収器2での排熱回収が実施され、排熱回収切替弁3が閉弁されると排熱回収が停止される。なお、ここでは、冷却水の温度は、排熱回収器切替弁3の構成の一部として設けられた図示しない温度センサにより取得する。
排熱回収切替弁3は、図2に示すように、エンジン1の冷間始動時は冷却水の温度が比較的低温のため開弁し、排熱回収経路20aにのみ排気を流通させて排熱回収器2へ排気を流入させる。このとき、排熱回収器2を通過した直後の冷却水の温度が、排熱回収切替弁3の閉弁温度(第一温度)T1に達すると、排熱回収切替弁3は閉弁し、バイパス経路20bに排気を流通させて排熱回収器2への排気の流入を遮断し、排熱回収を停止する。この排熱回収切替弁3の閉弁温度T1は、冷却水の許容温度TMAXよりも低く、後述の冷却切替弁5の開弁温度(開弁温度)T0よりも高く設定される。なお、閉弁温度T1は、後述する冷却ファン稼働温度TFANよりも低く設定されるのが好ましい。
また、排熱回収切替弁3は、排気の排熱回収器2への流入が遮断されている時に、排熱回収器2を通過した直後の冷却水の温度が、冷却切替弁5の開弁温度T0よりも低く設定される開弁温度(第二温度)T2未満になると、排熱回収器2へ排気を流入させる。すなわち、排熱回収器2を通過した冷却水の温度が閉弁温度T1よりも上昇し、排熱回収切替弁3が一度閉弁し、その後冷却水の温度が低下して開弁温度T2に達すると、排熱回収切替弁3は開弁して排熱回収を再開する。
オイルウォーマ7は、排熱回収器2の冷却水下流側に設けられ、排熱回収器2を通過して昇温された冷却水と熱交換を行うことで、冷却水の熱によりエンジンオイルやトランスミッションオイル等のオイル類を速やかに昇温させるものである。ここでは、オイルウォーマ7は、図示しないエンジンオイルウォーマとトランスミッションウォーマとを有する。これらは、並列に配置されていてもよく、いずれかを上流側にして直列に配置されていてもよい。なお、オイルウォーマ7は、エンジンオイルウォーマ及びトランスミッションオイルウォーマのいずれか一方のみでもよい。
ラジエータ4は、冷却水によって回収されたエンジン1の熱を放熱する放熱器であり、エンジン1の冷却水を冷却する。ラジエータ4は、エンジン1の熱を回収した冷却水の温度がそれほど高くないときは、走行風により冷却水を冷却する。また、冷却水の温度が高温になった場合は、走行風だけでは冷却水の冷却を満足にすることができないため、ラジエータ4の近傍に設けられた電動式の冷却ファン6を稼働させる。冷却ファン6は、バッテリ(図示略)から電力供給を受けることにより回転駆動し、その回転によりラジエータ4に向けて空気の流れを形成する。これによりラジエータ4の放熱効果が高められ、ラジエータ4内の冷却水の冷却が促進される。
冷却ファン6が稼働し始める冷却水の温度(以下、冷却ファン稼働温度TFANという)は、冷却水の許容温度TMAXよりも低く設定されるが、冷却ファン6の稼働には電力(エネルギー)が必要なため、不用意に冷却ファン6が稼働しないよう比較的高い温度に設定される。また、冷却ファン6は、温度センサ13により冷却水の温度が冷却ファン稼働温度TFANに達したことが検出されたら、後述するコントローラ9により駆動制御される。なお、温度センサ13は、図1に示すように、分岐点15の上流側の流路10上に設けられていてもよく、第一循環流路11上で排熱回収器2の上流位置や第二循環流路12上で分岐点16の上流位置に設けられていてもよい。
コントローラ〔Engine (electronic) Control Unit、以下、ECUという〕9は、エンジン制御や排気浄化制御等にかかる各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUでの演算結果等が一時的に記憶されるRAM、外部との間で信号を入出力するための入出力ポート等を備えて構成されている。コントローラ9には、温度センサ13や図示しないエンジン回転数センサ等の各種センサによる検出結果が送信され、これらの検出結果に基づいて、コントローラ9はデバイス類を駆動制御する。
冷却切替弁5は、エンジン1の内部を通過した冷却水の温度に応じて開閉作動することで、冷却水のラジエータ4への流入を遮断する、すなわち、冷却水の流通する流路を冷却流路12aとバイパス流路12bとに切り替える弁であり、ラジエータ4の下流の冷却流路12aとバイパス流路12bとの合流点18に設けられている。また、ここでの冷却切替弁5は、一般的なサーモスタットで構成され、機械的に流路を切り替えるようになっている。
冷却切替弁5は、開弁時に冷却流路12aを開通させ、バイパス流路12bを閉鎖することで、冷却流路12aに冷却水を流通させてラジエータ4に冷却水を流入させる。他方、冷却切替弁5は、閉弁時にバイパス流路12bを開通させ、冷却流路12aを閉鎖することで、バイパス流路12bに冷却水を流通させてラジエータ4への冷却水の流入を遮断する。
冷却切替弁5は、エンジン1の冷間始動時には冷却水の温度が比較的低温のため閉弁し、バイパス流路12bに冷却水を流通させ、エンジン1とラジエータ4との間における冷却水の循環を停止させる。また、冷却切替弁5を流通する冷却水の温度が、冷却切替弁5の開弁温度T0に達すると開弁し、冷却流路12aに冷却水を流通させてラジエータ4に冷却水を流入させ、エンジン1とラジエータ4との間で冷却水を循環させる。この冷却切替弁5の開弁温度T0は、エンジン1が適温に保持されるような温度(例えば80[℃]程度)に設定される。また、冷却切替弁5は、上昇した冷却水の温度が再び低下し、ラジエータ4による冷却水の冷却が不要な温度に達すると、再び閉弁してエンジン1とラジエータ4との間における冷却水の循環を停止させる。
なお、ここでは、冷却切替弁5は、ラジエータ4の下流の合流点18に設けているが、ラジエータ4の上流の分岐点16に設けてもよい。
[2.作用]
本実施形態にかかる排熱回収システムは上述のように構成されているので、排熱回収器2による排熱回収は以下のように行われる。
図3に示すように、時刻ASにおいてエンジン1の始動を開始する。このときの冷却水の温度は比較的低温な温度TSである。排熱回収切替弁3は、冷却水が温度TSであることが検出されると、図2に示すように開弁して排熱回収経路20aに排気を流通させ、排熱回収器2へ排気を流入させることにより、第一循環流路11を流通する冷却水との間で熱交換させて排熱回収を行う。これにより、第一循環流路11を流通する冷却水が昇温され、この昇温された冷却水を利用して、排熱回収器2の下流側に設けられたオイルウォーマ7によってオイル類の昇温が行われる。
また、冷却切替弁5は、エンジン1の冷間始動時ASでは冷却水の温度が、開弁温度T0よりも低温のTSであるため閉弁し、バイパス流路12bに冷却水を流通させてラジエータ4への冷却水の流入を遮断し、エンジン1とラジエータ4との間における冷却水の循環を停止させる。これにより、ラジエータ4での冷却水の冷却が行われず、徐々に冷却水の温度は上昇して、エンジン1の暖機が妨げられることはない。
エンジン1の始動を開始して暖機が進められると、冷却水の温度も徐々に上昇し、時刻A0では、冷却水の温度は冷却切替弁5の開弁温度T0に達する。このとき、冷却切替弁5が開弁して、冷却流路12aに冷却水を流通させてラジエータ4に冷却水を流入させ、エンジン1とラジエータ4との間で冷却水を循環させることにより、ラジエータ4では冷却水の冷却が開始される。しかし、この時点では、図2に示すように排熱回収切替弁3は開弁状態であり、エンジン1の冷却水は、一方ではラジエータ4により冷却され、他方では排熱回収器2により昇温される状態となる。
なお、このときラジエータ4では走行風による冷却のみ行われ、冷却ファン6は未だ稼働していない。そのため、冷却水はラジエータ4により冷却されながらも、排熱回収器2による排気と冷却水との間の熱交換、及び、エンジン1の熱により温度上昇し続ける。この間、オイルウォーマ7によるエンジンオイルやトランスミッションオイル等のオイル類の昇温が継続される。
排熱回収器2へ排気が流入しているこの状態で、冷却水の温度が排熱回収切替弁3の閉弁温度T1に達すると、排熱回収切替弁3は閉弁し、バイパス経路20bに排気を流通させて排熱回収器2への排気の流入を遮断し、排熱回収を停止する。なお、閉弁温度T1は、冷却水の許容温度TMAXよりも低く設定されているので、排熱回収器2を通過した時点での冷却水の温度が、冷却水の許容温度TMAXを超えることはない。これにより、排熱回収器2内部での冷却水温度の上昇によるオーバーヒートが防がれる。
排熱回収が停止される時刻A1では、図3中に実線で示すように、冷却水の温度は徐々に低下し、時刻A2においてラジエータ4の開弁温度T0で略一定となり、冷却水の温度は適温に保たれる。そして、図3中に二点鎖線で示すように、外気温度の低下や暖房要求の上昇等、何らかの要因により冷却水の温度がラジエータ4の開弁温度T0よりも低下し、排熱回収切替弁3の開弁温度T2に達すると、排熱回収切替弁3は再び開弁し、排熱回収を再開する。なお、排熱回収切替弁3の開弁温度T2(排熱回収が再開される温度)をラジエータ4の開弁温度T0よりも十分に低い温度とすることで、暖機が終了した後の不要な排熱回収を行わないようにしている。
[3.効果]
次に、本排熱回収システムを適用することにより得られる効果について、図4を加えて説明する。図4は、本実施形態にかかる排熱回収システムを適用した場合及び上記背景技術で説明した従来の排熱回収システムを適用した場合の、エンジン1の冷間始動時の温度変化を模式的に示した図である。図4において、実線が本排熱回収システム、一点鎖線が従来の排熱回収システムを示す。
図1に示すように、排熱回収器2の冷却水下流側にオイルウォーマ7が設けられている場合、オイルウォーマ7ではオイル類の加熱に排熱回収器2を通過して昇温された冷却水が利用されるため、これらのオイル類は冷却水よりも温度上昇が緩やかであり、図4に示すように、オイルの温度上昇勾配は冷却水に比べて小さい。また、従来の排熱回収システムでは、排熱回収切替弁3′の閉弁温度T1′が、冷却切替弁5の開弁温度T0よりも低く設定されているため、排熱回収は冷却水の温度がT1′になるまでの間しか行われず、オイルが十分に昇温される前に排熱回収が終了してしまっていた。
これに対して、本排熱回収システムでは、排熱回収器2を通過した直後の冷却水の温度が冷却切換弁5の開弁温度T0よりも高い第一温度T1以上となった場合に、排熱回収器2への排気の流入が遮断されるので、ラジエータ4による冷却水の冷却が開始されてもなお排熱回収を継続することができ、排熱回収時間を長時間確保することができる。これに伴い、オイルウォーマ7には、開弁温度T0よりも高い温度T1以上に昇温された冷却水を長時間供給することができるため、エンジンオイルやトランスミッションオイル等のオイル類も十分に加熱することができる。この結果、オイル類の温度が低く粘度が高いことにより生じるフリクションロスを低減でき、燃費を改善することができる。
さらに、排熱回収器2を通過した直後の冷却水の温度に応じて、排気の排熱回収器2への流入を制御しており、しかも排熱回収切替弁3が遮断される閉弁温度T1を冷却水の許容温度TMAXよりも低く設定しているので、排熱回収器2により冷却水が許容温度TMAX以上に昇温されることがなく、適切に冷却水の温度を制御することができる。これにより、排熱回収器2への排気の流入時間が長くなるように設定したとしても、冷却水の温度が許容温度TMAXを超えることを確実に抑制することができる。
すなわち、本排熱回収システムは、単純に排熱回収時間を延長しただけのものではなく、冷却水の温度が過度に上昇しないように冷却水の温度を適切に制御しつつ、排熱回収時間を延長できるようにすることで、オイルウォーマでのオイル類の加熱時間を十分確保して、燃費の改善が図れるよう考慮したものである。
また、排気の排熱回収器2への流入遮断時、且つ、排熱回収器2を通過した直後の冷却水の温度が冷却切替弁5の開弁温度T0よりも低い開弁温度T2未満であるときに、排熱回収切替弁3が排熱回収器2へ排気を流入させることにより、外気温の低下や暖房要求の上昇により冷却水の温度が低下しすぎた場合のみ、排熱回収を再開するようにしているので、暖機完了後の不要な排熱回収を抑制することができる。
また、排熱回収切替弁3の閉弁温度T1が冷却ファン稼働温度TFANよりも低く設定されていれば、冷却ファン6が稼働する温度TFANまで冷却水が昇温される前に、排熱回収切替弁3が排気管20の経路をバイパス経路20bに切り替えるため、排熱回収がそこで停止される。これにより、冷却水の温度が冷却ファン稼働温度TFANまで昇温されることを抑制し、冷却ファン6の稼働率上昇を防ぐことができる。
また、本排熱回収システムは、排熱回収切替弁3以外のラジエータ4や冷却切替弁5等の機器を、従来の排熱回収システムで用いられていたものをそのまま流用することができるため、コスト増の抑制や構成の簡素化を図ることができる。
[4.その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、排熱回収切替弁3が冷却水の温度情報を取得する方法は、温度センサに変えて、サーモスタットで構成されていてもよい。すなわち、第一循環通路11を流通する冷却水の温度に応じて作動するサーモスタットを第一循環通路11上に介装し、排熱回収切替弁3がこのサーモスタットの作動に応じて開閉作動するように排気管20に介装され、排気の流通する経路を切り替える構成としてもよい。
また、冷却切替弁5はサーモスタットに限られず、例えば、温度センサ13の検出値に基づいて、コントローラ9により開閉動作される電磁制御弁で構成されていてもよい。
また、排熱回収切替弁3の閉弁温度T1は、冷却ファン6の稼働温度TFANよりも低く設定されていなくてもよい。この場合、冷却水の温度がTFANに達すれば冷却ファン6は稼働するが、その分排熱回収時間をより長く確保することができる。
1 エンジン
2 排熱回収器
3 排熱回収切替弁(第一切替弁)
4 ラジエータ
5 冷却切替弁(第二切替弁)
6 冷却ファン
7 オイルウォーマ
8 ウォータポンプ
9 コントローラ(ECU)
10 流路
11 第一循環流路
12 第二循環流路
12a 冷却流路
12b バイパス流路
20 排気管
20a 排熱回収経路
20b バイパス経路
0 冷却切替弁の開弁温度(開弁温度)
1 排熱回収切替弁の閉弁温度(第一温度)
2 排熱回収切替弁の開弁温度(第二温度)
FAN 冷却ファン稼働温度
MAX 冷却水の許容温度

Claims (4)

  1. 車両に搭載されるエンジンの冷却水流路が、第一循環流路と第二循環流路とに分岐した並列流路に構成され、前記エンジンの冷却水が前記第一循環流路と前記第二循環流路とを共に流れ、
    前記第一循環流路には、前記冷却水と前記エンジンの排気との間で熱交換を行うことで前記冷却水を加熱する排熱回収器と、前記排熱回収器の前記冷却水下流側に設けられ前記冷却水と熱交換を行うことでオイルを加熱するオイルウォーマとが設けられ
    前記第二循環流路は、前記冷却水を冷却するラジエータが介装された冷却流路と該冷却流路をバイパスするバイパス流路とにさらに分岐して設けられた排熱回収システムであって、
    前記排気の前記排熱回収器への流入状態と前記排熱回収器を通過した直後の前記冷却水の温度とに応じて、前記排気の前記排熱回収器への流入を遮断する第一切替弁と、
    前記エンジンを通過した前記冷却水の前記第二循環流路での温度が所定の開弁温度よりも低いときに、前記冷却水の前記ラジエータへの流入を遮断する第二切替弁とを備え、
    前記第一切替弁が、
    前記排気の前記排熱回収器への流入時、且つ、前記排熱回収器を通過した直後の前記冷却水の温度が前記開弁温度よりも高く、且つ、前記冷却水の許容温度よりも低く設定された第一温度以上である場合に、前記排気の前記排熱回収器への流入を遮断する
    ことを特徴とする、排熱回収システム。
  2. 前記第一切替弁が、前記排気の前記排熱回収器への流入遮断時、且つ、前記排熱回収器を通過した直後の前記冷却水の温度が前記開弁温度よりも低い第二温度未満である場合に、前記排気を前記排熱回収器に流入させる
    ことを特徴とする、請求項1記載の排熱回収システム。
  3. 前記ラジエータを冷却する冷却ファンをさらに備え、
    前記第一温度が、前記冷却ファンの稼働が開始される前記冷却水の前記冷却流路での温度である冷却ファン稼働温度よりも低い温度である
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の排熱回収システム。
  4. 記排気が流通する排気管備え、
    前記排熱回収器及び前記第一切替弁が、いずれも、前記第一循環流路及び前記排気管上に介装され、前記第一切替弁が前記排熱回収器の冷却水下流側に設けられ、
    記第二切替弁が、前記第二循環流路上に介装されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排熱回収システム。
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