JP5557564B2 - 含窒素カーボンアロイ及びそれを用いた炭素触媒 - Google Patents
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Description
また、炭素材料に窒素原子をアロイ化する方法としては、炭素材料に含窒素有機化合物を含浸させて焼成する方法、炭素材料の表面を窒素原子含有ポリマーで被覆した後焼成する方法等が知られているが、前者の方法では、焼成時に含窒素有機化合物が揮発して、カーボンアロイ材料への窒素原子導入率を高くする事が困難である。後者の方法では、カーボン材料の表面全体を被覆することや、被覆の厚みを制御することが難しく被覆が厚くなりやすいことから導電性の高い材料を安定に調製する事が出来ない。
すなわち、上記課題は以下の手段により達成することができる。
[1]
カーボン材料の表面に含窒素有機化合物を共有結合させた含窒素有機基置換カーボン材料を少なくとも一種含む前駆体を焼成して得られたものであって、11N/mm 2 で圧密した際の電気抵抗率が2.0Ω・cm以下の導電性を有し、前記含窒素有機化合物は、含窒素ヘテロ環化合物又は含窒素基が置換した芳香族環化合物であることを特徴とする含窒素カーボンアロイ。
[2]
前記含窒素ヘテロ環化合物が、含窒素複素単環化合物及び含窒素縮合複素環化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする[1]に記載の含窒素カーボンアロイ。
[3]
前記含窒素複素単環化合物が、5員環化合物であるピロール及びその誘導体、ジアゾール類及びその誘導体、トリアゾール類及びその誘導体、6員環化合物であるピリジン及びその誘導体、ジアジン類及びその誘導体、並びに、トリアジン類及びその誘導体から選択される少なくとも1種であることを特徴とする[2]に記載の含窒素カーボンアロイ。
[4]
前記含窒素縮合複素環化合物が、キノリン、フェナントロリン、及びプリンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする[2]又は[3]に記載の含窒素カーボンアロイ。
[5]
前記含窒素基が置換した芳香族環化合物が、ベンゾニトリル、及びアニリンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイ。
[6]
前記含窒素有機化合物の含有する窒素元素の炭素元素に対する比率が、0.5%〜50%であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイ。
[7]
前記焼成が、不活性ガス雰囲気下において500℃〜1500℃の焼成温度で行われことを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイ。
[8]
含有する窒素元素の炭素元素に対する元素比率が、0.5%〜50%であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイ。
[9]
11N/mm2で圧密した際の電気抵抗率が1.0Ω・cm以下の導電性を有することを特徴とする[1]〜[8]のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイ。
[10]
[1]〜[9]のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイを有することを特徴とする触媒。
[11]
固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜に接して設けられた触媒層とを備え、該触媒層が[10]に記載の触媒を含むことを特徴とする電極膜接合体。
[12]
[11]に記載の電極膜接合体を有することを特徴とする燃料電池。
[13]
黒鉛、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ及びカーボンナノホーンより選択される少なくとも1種のカーボン材料に含窒素有機化合物を共有結合させ、得られた含窒素有機基置換カーボン材料を少なくとも一種含む前駆体を焼成することを特徴とする製造方法であって、前記含窒素有機化合物は、含窒素ヘテロ環化合物又は含窒素基が置換した芳香族環化合物であることを特徴とする含窒素カーボンアロイの製造方法。
〔1〕
カーボン材料に含窒素有機化合物を共有結合させた含窒素有機基置換カーボン材料を少なくとも一種含む前駆体を焼成して得られた含窒素カーボンアロイ。
〔2〕
前記含窒素有機化合物が含窒素ヘテロ環化合物又は含窒素基が置換した芳香族環化合物であることを特徴とする〔1〕に記載の含窒素カーボンアロイ。
〔3〕
前記含窒素有機化合物の含有する窒素元素の炭素元素に対する比率が、0.5%〜50%であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の含窒素カーボンアロイ。
〔4〕
前記焼成が、不活性ガス雰囲気下において500℃〜1500℃の焼成温度で行われることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイ。
〔5〕
含窒素カーボンアロイにおける含有する窒素元素の炭素元素に対する元素比率が、0.5%〜50%であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイ。
〔6〕
11N/mm2で圧密した際の電気抵抗率が2.0Ω・cm以下の導電性を有することを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイ。
〔7〕
〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイを有することを特徴とする触媒。
〔8〕
固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜に接して設けられた触媒層とを備え、該触媒層が〔7〕に記載の触媒を含むことを特徴とする電極膜接合体。
〔9〕
〔8〕に記載の電極膜接合体を有することを特徴とする燃料電池。
(1)含窒素カーボンアロイ
本発明の含窒素カーボンアロイは、カーボン材料に含窒素有機化合物を共有結合させた含窒素有機基置換カーボン材料を少なくとも一種含む材料を焼成して得られる。
本発明において用いられるカーボン材料は、特に限定されるものではなく、例えば、黒鉛、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ(CNT)及びカーボンナノホーン(CNH)などが挙げられる。カーボンブラック及びカーボンナノチューブは高い導電性を有することから好ましく用いることができ、アセチレンブラック及び多層カーボンナノチューブは特に好ましく用いることができる。カーボン材料は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、本発明の趣旨に反しない範囲であれば、カーボン材料以外の成分を含むカーボン材料組成物をカーボン材料として用いてもよい。
本発明において用いられる含窒素有機化合物としては、窒素原子を含む有機化合物であれば、低分子、高分子を問わず特に制限はない。例えば、含窒素ヘテロ環式化合物、含窒素基が置換した芳香族環化合物、アミン類、イミン類、ニトリル類、含窒素ポリマー等が挙げられるが酸素還元活性や耐熱性の観点から含窒素ヘテロ環式化合物又は含窒素基が置換した芳香族環化合物であることが好ましい。また、焼成時に含窒素有機化合物がカーボン材料と縮環構造を形成出来るような置換基を有することが更に好ましい。これらの含窒素有機化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
含窒素複素単環化合物としては、5員環化合物であるピロール及びその誘導体、ピラゾールやイミダゾール等のジアゾール類及びその誘導体、トリアゾール類及びその誘導体、並びに、6員環化合物であるピリジン及びその誘導体、ピリダジンやピリミジンやピラジン等のジアジン類及びその誘導体、トリアジン類及び、メラミンやシアヌル酸等のトリアジン類誘導体が挙げられる。
含窒素縮合複素環化合物としては、キノリン、フェナントロリン、プリン等が挙げられる。キノリン、フェナントロリンが好ましく、キノリンがより好ましい。
上記含窒素基が置換した芳香族環化合物としては、ベンゾニトリル、アニリン等が挙げられる。
本発明において用いられる含窒素有機基置換カーボン材料は、上記カーボン材料に上記含窒素有機化合物が共有結合したものである。共有結合は、例えばカップリング剤を用いたカップリング反応等の合成反応により得られる。含窒素有機基の導入位置は、特に限定はされないが、カーボン材料の表面であることが好ましい。カーボン材料表面のみを均一に修飾することで、共有結合した含窒素有機官能基の厚さを分子レベルとすることができ、カーボン材料の導電性低下を容易に抑制し得るからである。
本発明において、焼成に供する有機材料は、一種以上の含窒素有機基置換カーボン材料に加え無機金属及び無機金属塩から選択される少なくとも1種を含むことができる。これにより、窒素原子との相互作用によって、より高い酸素還元活性を有するカーボンアロイが生成し得る。
また、カーボンアロイは、ナノシェル構造の炭素粒子を少なくとも一部に含有し、繊維状に構成されていることが好ましい。
本実施の形態のカーボンアロイは、遷移金属又は遷移金属化合物が添加されることが好ましく、該好ましい態様においては、窒素原子(N)を構成元素として含む炭素前駆体高分子を、乾式紡糸、湿式紡糸、又は、電界紡糸等の紡糸方法により繊維化し、繊維化された炭素前駆体高分子を炭素化することにより製造しても良い。このとき窒素原子(N)を構成元素として含む炭素前駆体高分子に添加されている遷移金属又は遷移金属化合物の触媒作用等により、窒素原子(N)を高濃度に含有したナノシェル構造の炭素粒子が形成されることが好ましい。
このようなナノシェル構造の微細化は、本実施の形態のナノシェル炭素におけるグラフェン層の厚みが10nm以下、より好ましくは5nm以下で形成していることが要因と考えられる。このグラフェン層の厚さがグラフェンの屈曲を良くし、より小さな粒径のナノシェル炭素の形成を促していると考えられる。
炭素前駆体高分子、又は炭素前駆体高分子−金属間化合物の形状は、炭素触媒の活性を有する限り特に限定はされない。例えば、球状以外の多くの楕円、扁平、角型など、大きく歪んだ構造を示すことがあり、シート状、繊維状、ブロック状、粒子状等が挙げられる。
なお、炭素触媒の活性を阻害しない限り、遷移金属以外の元素(例えば、ホウ素等)が含まれてもよい。
また無機金属塩は結晶水を含むことができる。無機金属塩が結晶水を含むことにより
溶解性が向上する点で好ましい。結晶水を含む無機金属塩としては、例えば、塩化コバルト含水塩、塩化鉄(III)含水塩、塩化コバルト、塩化鉄(II)含水塩を好適に使用することができる。
有機材料の焼成は、不活性雰囲気下で行われることが好ましい。焼成温度は、含窒素有機基置換カーボン材料が熱分解及び炭素化する温度であれば特に制限されないが、500〜1500℃であることが好ましく、650〜700℃の範囲であることがより好ましい。反応温度が500℃以上の場合には、含窒素有機化合物の熱分解が起こりやすくなるため、反応時間及びエネルギー消費が小さくなる傾向がある。また、反応温度が1500℃以下であれば、炭素骨格中に窒素が残留し易いため、N/C原子比が低下するのを防ぎ、酸素還元反応活性の低下を抑制できる。
上記有機材料の焼成により得られた本発明のカーボンアロイは、窒素が導入されている含窒素カーボンアロイである。更に、導入されている窒素は、1s軌道の電子の結合エネルギーが398.5±1.0eVである第1の窒素原子と、1s軌道の電子の結合エネルギーが401±1.0eVである第2の窒素原子との、各エネルギーにおけるピークの面積の比、第1の窒素原子/第2の窒素原子の値が1.2以下であることが好ましい。
ピロール型は、グラフェンの六角形から、窒素原子を含む五角形に変化したものである。グラフェン置換型は、グラフェンの網目の隣接する六角形の境界部にある1つの炭素原子がそのまま窒素原子に置換されたものであり、窒素原子が3つの炭素原子と結合している。ピリジン型は、グラフェンの網目の六角形の境界部でない1つの炭素原子(主として分子の外周部にある)が窒素原子に置換されたものであり、窒素原子が2つの炭素原子と結合して、六角形を構成している。ピリドン型は、窒素原子が2つの炭素原子と結合して、六角形を構成すると共に、窒素原子と結合している1つの炭素原子に、OH基又はOが結合している。
なお、窒素元素の炭素元素に対する比率(N/C)は、CHN元素分析又はXPS(X線光電子分光分析)によって求めることができる。
溶媒としては、燃料電池の電極触媒や、蓄電装置の電極材を作製する際に用いられる溶媒を適宜選択して使用することができる。例えば蓄電装置の電極材を作製する際に用いられる溶媒としては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)等一般的な極性溶媒を単独又は複数混合して使用することができる。また、燃料電池の電極触媒を作製する際に用いられる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン等を挙げることができる。
本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法は、特に限定されるものではないが、カーボン材料に含窒素有機化合物を共有結合させて含窒素有機基置換カーボン材料を得る工程と、該含窒素有機基置換カーボン材料を含む有機材料を焼成する焼成工程を含むことができる。
本発明の含窒素カーボンアロイの用途は、構造材料、電極材料、ろ過材料、触媒材料など特に限定されないが、キャパシタやリチウム2次電池などの蓄電装置の電極材料として用いることが好ましく、高い酸素還元反応活性を有することを特徴とする燃料電池や亜鉛空気電池、リチウム空気電池などの炭素触媒として用いることがより好ましい。また、固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜に接して設けられた触媒層とを備えた電極膜接合体において、上記触媒を該触媒層に含むことができる。更に、上記電極膜接合体は、燃料電池に備えることができる。
燃料電池10は、固体高分子電解質14を挟むように、対向配置されたセパレータ12、アノード電極触媒(燃料極)13、カソード電極触媒(酸化剤極)15及びセパレータ16とから構成される。固体高分子電解質14としては、パーフルオロスルホン酸樹脂膜を代表とするフッ素系陽イオン交換樹脂膜が用いられる。また、炭素触媒をアノード電極触媒13及びカソード電極触媒15として、固体高分子電解質14の双方に接触させることにより、アノード電極触媒13及びカソード電極触媒15に炭素触媒を備えた燃料電池10が構成される。上述の炭素触媒を固体高分子電解質の双方の面に形成し、アノード電極触媒13及びカソード電極触媒15を電極反応層側で固体高分子電解質14の両主面にホットプレスにより密着することにより、MEA(Membrane Electrode Assembly)として一体化させる。
上記電気化学反応において、
カソード側:O2+4H++4e−→2H2O
アノード側:H2→2H++2e−
の反応が起こり、アノード側で生成されたH+イオンは固体高分子電解質14中をカソード側に向かって移動し、e−(電子)は外部の負荷を通ってカソード側に移動する。一方、カソード側では酸化剤ガス中に含まれる酸素と、アノード側から移動してきたH+イオン及びe−とが反応して水が生成される。この結果、上述の燃料電池は、水素と酸素とから直流電力を発生し、水を生成することになる。
図2に示した電気二重層キャパシタ20は、セパレータ23を介して、分極性電極である第1の電極21及び第2の電極22が対向し、外装蓋24aと外装ケース24bの中に収容されている。また、第1の電極21及び第2の電極22は、それぞれ集電体25を介して、外装蓋24aと外装ケース24bに接続されている。また、セパレータ23には、電解液が含浸されている。そして、ガスケット26を介して電気的に絶縁させた状態で、外装蓋24aと外装ケース24bとをかしめて密封させて電気二重層キャパシタ20が構成されている。
汚染空気に含まれる汚染物質を(主にガス状物質)等を分解処理により除去するための排ガス浄化用触媒として、白金等の貴金属系の材料が単独又は複合化物されて構成された触媒材料による環境触媒が用いられている。これらの白金等の貴金属を含む排ガス浄化用触媒の代替品として、上述の炭素触媒を使用することができる。上述の炭素触媒は、ナノシェル炭素により、触媒作用が付与されているため、汚染物質等の被処理物質の分解機能を有する。このため、上述の炭素触媒を用いて環境触媒を構成することにより、白金等の高価な貴金属類を使用する必要がないため、低コストの環境触媒を提供することができる。また、比表面積が大きいことにより、単位体積あたりの被処理物質を分解する処理面積を大きくすることができ、単位体積あたりの分解機能が優れた環境触媒を構成できる。
なお、上述の炭素触媒を担体として、従来の環境触媒に使用されている白金等の貴金属系の材料が単独又は複合化物を担持させることにより、より分解機能等の触媒作用に優れた環境触媒を構成することができる。なお、上述の炭素触媒を備える環境触媒は、上述の排ガス浄化用触媒だけでなく、水処理用の浄化触媒として用いることもできる。
このような化学反応用の炭素触媒は、例えば、水素化反応用触媒、脱水素反応用触媒、酸化反応用触媒、重合反応用触媒、改質反応用触媒、水蒸気改質用触媒等に適用することができる。更に具体的には、「触媒調製(講談社)白崎高保、藤堂なお之共著、1975年」等の触媒に関する文献を参照し、各々の化学反応に炭素触媒を適用することが可能である。
[1.キノリンを共有結合させたVulcan XC−72の調製]
濃塩酸(40ml)と水(40ml)にVulcan XC−72(Cabot製)(4.80g)を加えて攪拌した。この溶液に、5−アミノキノリン(2.88g)をエタノール(50ml)に溶解させた溶液を加え氷浴につけて攪拌した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム(1.45g)を水(25ml)に溶解させた水溶液を1時間かけて滴下し、氷浴につけたまま4時間攪拌した。この溶液を20℃まで徐々に昇温して1時間攪拌した後、50℃まで昇温して5時間攪拌し、室温まで放冷した。生成物をろ取し、水、エタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥させることでキノリンを共有結合させたVulcan XC−72を得た。
1で得られた試料を管状炉を用いて、窒素雰囲気下で300℃まで1℃/minで昇温した後、900℃まで10℃/minで昇温し、900℃で1時間保持した。
[3.キノリンを共有結合させたデンカブラックの調製]
濃塩酸(40ml)と水(40ml)にデンカブラック(100%プレス品、電気化学工業製)(4.80g)を加えて攪拌した。この溶液に、5−アミノキノリン(2.88g)をエタノール(50ml)に溶解させた溶液を加え氷浴につけて攪拌した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム(1.45g)を水(25ml)に溶解させた水溶液を1時間かけて滴下し、氷浴につけたまま4時間攪拌した。この溶液を20℃まで徐々に昇温して1時間攪拌した後、50℃まで昇温して5時間攪拌し、室温まで放冷した。生成物をろ取し、水、エタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥させることでキノリンを共有結合させたデンカブラックを得た。
3で得られた試料を管状炉を用いて、窒素雰囲気下で300℃まで1℃/minで昇温した後、900℃までを10℃/minで昇温し、900℃で1時間保持した。
[5.キノリンを化学結合させたケッチェンブラックの調製]
濃塩酸(40ml)と水(40ml)にケッチェンブラック(EC−300J、ライオン株式会社製)(4.80g)を加えて攪拌した。この溶液に、5−アミノキノリン(2.88g)をエタノール(50ml)に溶解させた溶液を加え氷浴につけて攪拌した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム(1.45g)を水(25ml)に溶解させた水溶液を1時間かけて滴下し、氷浴につけたまま4時間攪拌した。この溶液を20℃まで徐々に昇温して1時間攪拌した後、50℃まで昇温して5時間攪拌し、室温まで放冷した。生成物をろ取し、水、エタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥させることでキノリンを共有結合させたケッチェンブラックを得た。
5で得られた試料を管状炉を用いて、窒素雰囲気下で300℃まで1℃/minで昇温した後、900℃までを10℃/minで昇温し、900℃で1時間保持した。
[7.MWCNTの洗浄]
MWCNT(直径3〜20nm、株式会社ワコーケミカル製)(3.00g)に含有する金属を除去するため、濃塩酸(150ml)を加え攪拌した後、遠心分離に掛けて上澄み液を取り除いた。この作業を3回繰り返した後、水で十分に洗浄してからMWCNTをろ取し、減圧下で乾燥させた。
濃塩酸(20ml)と水(20ml)に7で得られたMWCNT(2.40g)を加えて攪拌した。この溶液に、5−アミノキノリン(1.44g)をエタノール(25ml)に溶解させた溶液を加え氷浴につけて攪拌した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム(0.72g)を水(12ml)に溶解させた水溶液を30分かけて滴下し、氷浴につけたまま4時間攪拌した。この溶液を20℃まで徐々に昇温して1時間攪拌した後、50℃まで昇温して5時間攪拌し、室温まで放冷した。生成物をろ取し、水、N,N−ジメチルアセトアミド、エタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥させることでキノリンを共有結合させたMWCNTを得た。
8で得られた試料を管状炉を用いて、窒素雰囲気下で300℃まで1℃/minで昇温した後、900℃までを10℃/minで昇温し、900℃で1時間保持した。
[14.ナフタレンを共有結合させたVulcan XC−72の調製]
濃塩酸(40ml)と水(40ml)にVulcan XC−72(Cabot製)(4.8g)を加えて攪拌した。この溶液に、1−ナフチルアミン(2.86g)をエタノール(50ml)に溶解させた溶液を加え氷浴につけて攪拌した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム(1.45g)を水(25ml)に溶解させた水溶液を1時間かけて滴下し、氷浴につけたまま4時間攪拌した。この溶液を20℃まで徐々に昇温して1時間攪拌した後、50℃まで昇温して5時間攪拌し、室温まで放冷した。生成物をろ取し、水、エタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥させることでナフタレンを共有結合させたVulcan XC−72を得た。
14で得られた試料を赤外イメージ炉を用いて、窒素雰囲気下で300℃まで1℃/minで昇温した後、300〜900℃までを10℃/minで昇温し、900℃で1時間保持した。
[16.5−アミノキノリンを含浸させたデンカブラックの調製]
水(40ml)にデンカブラック(100%プレス品、電気化学工業製)(2.40g)を加えて攪拌した。この溶液に、5−アミノキノリン(1.45g)をエタノール(25ml)に溶解させた溶液を加え、50℃まで昇温して5時間攪拌し、室温まで放冷した。生成物をろ取し、減圧下で乾燥させることで5−アミノキノリンを含浸させたデンカブラックを得た。
16で得られた試料を管状炉を用いて、窒素雰囲気下で300℃まで1℃/minで昇温した後、900℃までを10℃/minで昇温し、900℃で1時間保持した。
[18.未反応のVulcan XC−72の焼成]
未反応のVulcan XC−72を赤外イメージ炉を用いて、窒素雰囲気下で300℃まで1℃/minで昇温した後、300〜900℃までを10℃/minで昇温し、900℃で1時間保持した。
焼成して調製した含窒素カーボンアロイの電気抵抗率はJIS規格(K1469電池用アセチレンブラック)に準じた装置を用いて、11N/mm2の圧密条件で試験した。
実施例1〜4と比較例1〜3で得られたカーボンアロイ材料10mgに、バインダーとしてナフィオン溶液(5%アルコール水溶液)110mgと溶媒としての水2.4ml、1−プロパノール1.6mlを加え、超音波分散器で20分間分散させた。得られた分散物を4μl採取して回転ディスク電極に塗布し、室温で乾燥させてカーボンアロイ材料塗付電極を得た。
カーボンアロイ材料の酸素還元活性は回転ディスク電極法で評価した。結果を表2に示す。なお、作用極は前記で得られたカーボンアロイ材料塗付電極、対極と参照極はそれぞれ白金電極と飽和カロメル電極(SCE)を用いた。測定手順を以下のA〜Dに示す。
A.カーボンアロイ材料塗付電極のクリーニングのため、アルゴンを30分以上バブリングした0.5M硫酸水溶液中で掃引電位0.946〜―0.204V(vs.SCE)、掃引速度50mV/s、10サイクルのサイクリックボルタンメトリーを測定した。
B.ブランク測定のため、アルゴンを30分以上バブリングした0.5M硫酸水溶液中で掃引電位0.746〜―0.204V(vs.SCE)、掃引速度5mV/sでリニアースイープボルタンメトリーを測定した。
C.酸素還元活性測定のため、酸素を30分以上バブリングした0.5M硫酸水溶液中で掃引電位0.746〜―0.204V(vs.SCE)、掃引速度5mV/s、電極回転数1500rpmでリニアースイープボルタンメトリーを測定した。
D.Cの測定データからBの測定データを減算し、真の酸素還元活性として採用した。
12…セパレータ
13…アノード電極触媒
14…固体高分子電解質
15…カソード電極触媒
16…セパレータ
20…電気二重層キャパシタ
21…第1の電極
22…第2の電極
23…セパレータ
24a…外装蓋
24b…外装ケース
25…集電体
26…ガスケット
Claims (13)
- カーボン材料の表面に含窒素有機化合物を共有結合させた含窒素有機基置換カーボン材料を少なくとも一種含む前駆体を焼成して得られたものであって、11N/mm 2 で圧密した際の電気抵抗率が2.0Ω・cm以下の導電性を有し、前記含窒素有機化合物は、含窒素ヘテロ環化合物又は含窒素基が置換した芳香族環化合物であることを特徴とする含窒素カーボンアロイ。
- 前記含窒素ヘテロ環化合物が、含窒素複素単環化合物及び含窒素縮合複素環化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の含窒素カーボンアロイ。
- 前記含窒素複素単環化合物が、5員環化合物であるピロール及びその誘導体、ジアゾール類及びその誘導体、トリアゾール類及びその誘導体、6員環化合物であるピリジン及びその誘導体、ジアジン類及びその誘導体、並びに、トリアジン類及びその誘導体から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の含窒素カーボンアロイ。
- 前記含窒素縮合複素環化合物が、キノリン、フェナントロリン、及びプリンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項2又は3に記載の含窒素カーボンアロイ。
- 前記含窒素基が置換した芳香族環化合物が、ベンゾニトリル、及びアニリンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイ。
- 前記含窒素有機化合物の含有する窒素元素の炭素元素に対する比率が、0.5%〜50%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイ。
- 前記焼成が、不活性ガス雰囲気下において500℃〜1500℃の焼成温度で行われことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイ。
- 含有する窒素元素の炭素元素に対する元素比率が、0.5%〜50%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイ。
- 11N/mm2で圧密した際の電気抵抗率が1.0Ω・cm以下の導電性を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイ。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイを有することを特徴とする触媒。
- 固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜に接して設けられた触媒層とを備え、該触媒層が請求項10に記載の触媒を含むことを特徴とする電極膜接合体。
- 請求項11に記載の電極膜接合体を有することを特徴とする燃料電池。
- 黒鉛、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ及びカーボンナノホーンより選択される少なくとも1種のカーボン材料に含窒素有機化合物を共有結合させ、得られた含窒素有機基置換カーボン材料を少なくとも一種含む前駆体を焼成することを特徴とする製造方法であって、前記含窒素有機化合物は、含窒素ヘテロ環化合物又は含窒素基が置換した芳香族環化合物であることを特徴とする含窒素カーボンアロイの製造方法。
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