JP5564211B2 - 被膜形成方法及び被膜形成体 - Google Patents
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Description
これに対し、金属板からなる屋根材は、瓦材等よりも比較的軽量であり、近年、各種建築物において多く採用されている状況である。このような金属屋根としては、鋼板の表面に塗装を施したものが汎用的に用いられている。しかし、このような金属屋根を用いた建築物では、降雨時の雨音が大きくなりやすく、住環境等の観点からすればあまり好ましいものではない。
しかしながら、上記特許文献3のように、単に塗膜硬さの柔らかい塗料と硬い塗料を積層するだけでは、雨音低減等の点において十分な性能が得られない場合がある。
1.既存建築物における金属屋根の屋外側表面に対し、
ウレタンプレポリマーに由来する樹脂マトリクス100重量部に、無機質粉粒体30〜300重量部が分散してなり、前記樹脂マトリクスは、少なくとも上記ウレタンプレポリマーと活性水素含有化合物との反応物を含み、当該活性水素含有化合物が、アミノ基含有化合物、水酸基含有化合物から選ばれるものである、厚み50〜1000μmの中塗層を形成し、
当該中塗層の上には、形成被膜の水に対する接触角が70°以下となる上塗層を形成することを特徴とする被膜形成方法。
2.前記無機質粉粒体の平均粒子径が0.1〜100μmであることを特徴とする上記1.記載の被膜形成方法。
3.前記無機質粉粒体には、平均粒子径0.5〜100μmの無機質粉粒体が、無機質粉粒体の総量に対し50重量%以上含まれることを特徴とする上記1.または2.に記載の被膜形成方法。
4.上記1.〜3.のいずれかに記載の被膜形成方法により得られる被膜形成体。
5.既存建築物における金属屋根の屋外側表面に対し、
ウレタンプレポリマーに由来する樹脂マトリクス100重量部に、無機質粉粒体100〜400重量部が分散してなる、厚み50〜1000μmの中塗層を形成し、当該中塗層の上には、形成被膜の水に対する接触角が70°以下となる上塗層を形成することを特徴とする雨音の低減方法。
金属屋根を構成する基材としては、例えば、鋼板、ステンレス板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板等の金属板、ガルタイトやガルバリウム等の亜鉛−アルミニウムめっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、亜鉛めっき鋼板等のめっき金属板等が挙げられる。これらは各種塗料等により被覆されたものであってもよい。このような基材の厚みは、通常0.2〜2mm程度である。
防錆塗料としては、樹脂、防錆顔料等を必須成分とするものが使用できる。このうち、樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アルキド系樹脂等が挙げられる。また、樹脂の形態としては、溶液型、分散型、あるいはこれらの混合物等が使用可能である。
また、ポリイソシアネート化合物としては、一般のポリウレタンの製造に用いられる脂肪族、脂環族または芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。具体的には、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
具体的にアミノ基含有化合物としては、例えば、芳香族、脂肪族あるいは複素環式ポリアミン類、及びこれらのエポキシド付加変性物、アミド化変性物、マンニッヒ化変性物等が挙げられる。
水酸基含有化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等のポリオール化合物の他、水酸基含有ビニル化合物、水酸基含有エポキシ化合物等が挙げられる。ウレタンプレポリマーと水酸基含有ビニル化合物とを反応させた場合は、残余のビニル基どうしをさらに反応させることができる。ウレタンプレポリマーと水酸基含有エポキシ化合物とを反応させた場合は、さらにアミノ基含有化合物等を加えることにより、残余のエポキシ基を反応させることができる。水酸基含有化合物としては、特にアクリルポリオールが好適である。
中塗層における無機質粉粒体としては、平均粒子径0.5〜100μm(好ましくは1〜50μm、より好ましくは2〜20μm)の無機質粉粒体が、無機質粉粒体の総量に対し、50重量%以上(より好ましくは70重量%以上)含まれることが望ましい。無機質粉粒体がこのような構成であれば、厚膜化、雨音低減性等の点で有利となる。
具体的に、前者の形態の中塗材では、ウレタンプレポリマー及び活性水素化合物を、塗装時に混合し、被膜形成過程において両者を反応させることにより、樹脂マトリクスを形成することができる。後者の形態の中塗材では、ウレタンプレポリマーと水酸基含有エポキシ化合物との反応生成物、及びアミノ基含有化合物を、塗装時に混合し、被膜形成過程において両者を反応させることにより、樹脂マトリクスを形成することができる。
中塗材の塗装方法としては、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等を適宜採用すればよい。乾燥は、常温下で行えばよい。
アルコキシシラン化合物としては、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシランの縮合物、及びこれらの変性物等が使用できる。アルコキシシラン化合物の平均縮合度は、通常1〜100、好ましくは4〜20程度である。
このような親水性付与成分は、上塗材における樹脂固形分100重量部に対し、通常0.1〜50重量部(好ましくは0.5〜20重量部)の比率で混合すればよい。
・中塗材1
ウレタン変性エポキシ樹脂(イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(ポリエーテルポリオール(重量平均分子量1000)と2,4−トリレンジイソシアネートとの反応生成物)のグリシドール付加物、不揮発分70重量%)130重量部に対し、重質炭酸カルシウムA(平均粒子径3μm)120重量部、炭化水素系溶剤24重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、変性ポリアミン(固形分100重量%)9量部を均一に混合することにより、中塗材1を製造した。
可溶形アクリルポリオールA(水酸基価50KOHmg/g、ガラス転移温度34℃、固形分46重量%)104重量部に対し、重質炭酸カルシウムA(平均粒子径3μm)110重量部、炭化水素系溶剤10重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーA(ポリエーテルポリオール(重量平均分子量2000)と2,4−トリレンジイソシアネートとの反応生成物、不揮発分100重量%、NCO含有量3重量%)52重量部を均一に混合することにより、中塗材2を製造した。
可溶形アクリルポリオールA104重量部に対し、重質炭酸カルシウムA225重量部、炭化水素系溶剤25重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーA52重量部を均一に混合することにより、中塗材3を製造した。
可溶形アクリルポリオールA104重量部に対し、重質炭酸カルシウムA95重量部、酸化チタンA(平均粒子径0.3μm)25重量部、炭化水素系溶剤10重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーA52重量部を均一に混合することにより、中塗材4を製造した。
可溶形アクリルポリオールA104重量部に対し、重質炭酸カルシウムA350重量部、炭化水素系溶剤40重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーA52重量部を均一に混合することにより、中塗材5を製造した。
可溶形アクリルポリオールA104重量部に対し、重質炭酸カルシウムA15重量部、炭化水素系溶剤2重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーA52重量部を均一に混合することにより、中塗材6を製造した。
ダイマー酸変性エポキシ樹脂(固形分70重量%)55重量部に対し、重質炭酸カルシウムA120重量部、炭化水素系溶剤15重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、変性ポリアミン(固形分100重量%)45量部を均一に混合することにより、中塗材7を製造した。
・上塗材1
非水分散形アクリルポリオールA(水酸基価50KOHmg/g、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%)188重量部に対し、酸化チタンA(平均粒子径0.3μm)80重量部、炭化水素系溶剤23重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネートA(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)6重量部、下記親水性付与成分3重量部を均一に混合することにより、上塗材1を製造した。
メチルシリケート縮合物(重量平均分子量1000、平均縮合度8、不揮発分100%)100重量部に対して、イソブチルアルコール52重量部と、触媒としてジブチルスズジラウレート0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時間脱メタノール反応を行い、親水性付与成分を製造した。この親水性付与成分におけるメチル基とイソブチル基との当量比率は62:38であった。
150mm×70mm×1mmのアルミニウム板に対し、上塗材1を乾燥膜厚が40μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態(温度23℃、相対湿度50%)で7日間乾燥後、屋外にて1ヶ月間放置した。以上の方法で得られた試験板について、協和界面科学株式会社製CA−A型接触角測定装置を用いて接触角を測定した。その結果、上塗材1の接触角は33°であった。
非水分散形アクリルポリオールB(水酸基価50KOHmg/g、ガラス転移温度32℃、固形分50重量%)188重量部に対し、酸化チタンA80重量部、炭化水素系溶剤30重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネートA6重量部、親水性付与成分1重量部を均一に混合することにより、上塗材2を製造した。
上塗材2について、上記上塗材1と同様の方法で接触角を測定したところ、上塗材2の接触角は54°であった。
非水分散形アクリルポリオールA188重量部に対し、酸化チタンA80重量部、炭化水素系溶剤26重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネートA6重量部を均一に混合することにより、上塗材3を製造した。
上塗材3について、上記上塗材1と同様の方法で接触角を測定したところ、上塗材3の接触角は82°であった。
・騒音レベル試験
300mm×300mm×1mmのアルミニウム板に対し、防錆下塗材を乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で18時間乾燥後、中塗材1を乾燥膜厚が200μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で24時間乾燥した。次いで、上塗材1を乾燥膜厚が40μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で7日間乾燥後、屋外にて1ヶ月間放置した。
以上の方法で得られた試験板を水平に設置し、その上方3mからシャワーノズルを用いて水を連続的に1分間散水した。このとき、試験板の裏面から10cm離れたところに設置した騒音計により騒音レベルを測定した。騒音レベルは、以下の評価基準に従って評価した。
A:80dB未満
B:80dB以上85dB未満
C:85dB以上90dB未満
D:90dB以上
上記「騒音レベル試験」と同様の手順にて試験板を作製した(但しアルミニウム板は150mm×70mm×1mmのものを用いた)。
以上の方法で得られた試験板を50℃の温水に72時間浸漬した後、JIS K 5600−5−6に準じた碁盤目テープ法にて密着性を評価した。評価基準は以下の通りである。
A:欠損部面積が5%未満
B:欠損部面積が5%以上15%未満
C:欠損部面積が15%以上
中塗材、上塗材として表1に示すものを使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験板を作製し、各試験を行った。結果を表1に示す。試験例2〜5ではいずれの試験においても優れた結果が得られた。
中塗材、上塗材として表2に示すものを使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験板を作製し、各試験を行った。結果を表2に示す。試験例6〜8では、試験例1〜5に比べ十分な結果を得ることができなかった。
防錆下塗材を塗装した後、その上に直接上塗材1を塗装した以外は、試験例1と同様の方法で試験板を作製し、各試験を行った。結果を表2に示す。試験例9では十分な結果を得ることができなかった。
防錆下塗材を塗装した後、その上に直接上塗材2を塗装した以外は、試験例1と同様の方法で試験板を作製し、各試験を行った。結果を表2に示す。試験例10では十分な結果を得ることができなかった。
中塗材、上塗材として表2に示すものを使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験板を作製し、各試験を行った。結果を表2に示す。試験例11では十分な結果を得ることができなかった。
中塗材、上塗材として表2に示すものを使用するとともに、中塗材については乾燥膜厚が30μmとなるように塗装を行った。これ以外は、試験例1と同様の方法で試験板を作製し、各試験を行った。結果を表2に示す。試験例12では十分な結果を得ることができなかった。
Claims (4)
- 既存建築物における金属屋根の屋外側表面に対し、
ウレタンプレポリマーに由来する樹脂マトリクス100重量部に、無機質粉粒体30〜300重量部が分散してなり、前記樹脂マトリクスは、少なくとも上記ウレタンプレポリマーと活性水素含有化合物との反応物を含み、当該活性水素含有化合物が、アミノ基含有化合物、水酸基含有化合物から選ばれるものである、厚み50〜1000μmの中塗層を形成し、
当該中塗層の上には、形成被膜の水に対する接触角が70°以下となる上塗層を形成することを特徴とする被膜形成方法。 - 前記無機質粉粒体の平均粒子径が0.1〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の被膜形成方法。
- 前記無機質粉粒体には、平均粒子径0.5〜100μmの無機質粉粒体が、無機質粉粒体の総量に対し50重量%以上含まれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被膜形成方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の被膜形成方法により得られる被膜形成体。
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