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JP5567313B2 - 立体形状導電性成形品及びその製造方法 - Google Patents
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JP5567313B2 - 立体形状導電性成形品及びその製造方法 - Google Patents

立体形状導電性成形品及びその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、基材の表面にバインダー樹脂と導電性ナノファイバーからなる導電パターン層等を形成する立体形状導電性成形品に関する。
従来、基材の表面にバインダー樹脂と極細導電繊維(導電性ナノファイバー)からなる導電層を形成して導電性成形体(導電性成形品)を製造する方法として、特許文献1の発明があった。該発明のバインダー樹脂は、透明な熱可塑性樹脂(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、弗化ビニリデン)、熱や紫外線や電子線や放射線で硬化する透明な硬化性樹脂(メラミンアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル変性シリケートなどのシリコーン樹脂)が使用され、バインダー樹脂を揮発性溶剤に溶解した溶液に極細導電繊維を分散させた塗液を、基材表面に塗布し、この塗布塗液を乾燥して、前記基材表面に、一部が前記バインダー樹脂からなる層を介して前記基材に固定されていた。
特公表2006−519712号公報
しかしながら、上記透明な熱可塑性樹脂では耐熱性や耐摩耗性が十分に得られないため長期に渡って使用すると極細導電繊維が導電層から脱落したり破壊されたりして導電性が低下する問題があった。また、透明な硬化性樹脂では可とう性がないために、立体形状部において導電層が断裂して導電性が低下したり、クラックが生じる問題があった。また、導電層をパターンで形成した場合、そのパターンが外観から丸見えになるため、見栄えが悪く意匠性の乏しい成形体になり、セキュリティ上の問題もあった。
上記課題を解決するために、この発明は、立体形状面を有する成形体と、少なくとも前記立体形状面の上に形成され、樹脂バインダーに導電性ナノファイバーが分散され、その導電性ナノファイバーを介して導通する導電パターン層とを備え、樹脂バインダーが後硬化タイプの電離放射線硬化性樹脂からなる、立体形状導電性成形品である。又、導電性ナノファイバーは銀ナノワイヤであってもよい。又、導電パターン層は、目視で認識することができない大きさの複数の微小ピンホールを含にでいてもよい。
更に、この発明は、導電パターン層に連続するように形成され、樹脂バインダーに導電性ナノファイバーが分散され、導電パターン層から絶縁された絶縁パターン層を更に備えた立体形状導電性成形品であってもよい。又、絶縁パターン層は、導電性ナノファイバーが断線することにより導電パターン層から絶縁されていてもよい。又、絶縁パターン層は、目視で認識することができない幅の狭小溝を含み、その狭小溝により、導電パターン層から絶縁されると共に、複数の島状に形成されていてもよい。
更に、この発明は、基体シート上に、未硬化又は半硬化の樹脂バインダーに導電性ナノファイバーが分散された導電パターン層を形成して導電性ナノファイバーシートを作製する工程と、導電性ナノファイバーシートを、立体形状面を有する成形体の少なくとも立体形状面に接着させる工程と、成形体に接着した導電性ナノファイバーシートの導電パターン層に電離放射線を照射して、未硬化又は半硬化の樹脂バインダーを硬化させる工程とを備えた、立体形状導電性成形品の製造方法である。又、この発明は、基体シート上に、未硬化又は半硬化の樹脂バインダーに導電性ナノファイバーが分散された導電パターン層と、導電パターン層から絶縁された絶縁パターン層とを形成して導電性ナノファイバーシートを作製する工程と、導電性ナノファイバーシートを、立体形状面を有する成形体の少なくとも立体形状面に接着させる工程と、成形体に接着した前記導電性ナノファイバーシートの導電パターン層に電離放射線を照射して、未硬化又は半硬化の樹脂バインダーを硬化させる工程とを備えた、立体形状導電性成形品の製造方法である。
この発明で得られる立体形状導電性成形品は、導電パターン層あるいは導電パターン層と絶縁パターン層の樹脂バインダーが後硬化タイプの電離放射線硬化性樹脂からなる。したがって、硬化させる前の立体形状導電性成形品を得るまでは、立体形状部に追随し可とう性に優れた性質を持ち、硬化後には強靭で耐熱性および耐摩耗性に優れる性質を持つ樹脂バインダーで導電性ナノファイバーが固定されているため、外表面に曝されて度重なる磨耗下においても導電性を維持できるという効果がある。
またこの発明の立体形状導電性成形品は、前記導電性ナノファイバーが銀ナノワイヤからなる。また、前記導電パターン層に目視で認識することができない大きさの微小ピンホールが形成されている。したがって、導電パターン層が無色透明に近くでき、また微小ピンホールを設けることによって導電パターン層以外の箇所との光線透過率の差を小さくすることができる。また、この発明で得られる立体形状導電性成形品は、前記絶縁パターン層に含まれる導電性ナノファイバーが、断線した導電性ナノファイバーである。したがって、導電パターン層と絶縁パターン層との色相、光学特性の差をほとんど無くすことができる。また、この発明で得られる立体形状導電性成形品は、前記絶縁パターン層に目視で認識することができない幅の狭小溝が形成され、その狭小溝により絶縁パターン層が複数の島状に形成されている。したがって、導電性ナノファイバーを含んでいても、導電パターン層と同様の外観の絶縁パターン層が得ることができる。以上より、導電パターンを目立たなくすることができ、他に美麗な加飾層を設けることによって意匠性に優れた成形品とすることができ、セキュリティ上の問題も解決できる効果がある。
さらに、この発明で得られる立体形状導電性成形品の製造方法は、基体シート上に、導電性ナノファイバーと、未硬化または半硬化の樹脂バインダーとを含む導電パターン層あるいは導電パターン層と絶縁パターン層を形成して、導電性ナノファイバーシートを作製し、該導電性ナノファイバーシートを成形体上に接着させて立体形状導電性成形品を得た後、電離放射線を照射して、前記未硬化または半硬化の樹脂バインダーを硬化させる。したがって、立体形状部において導電層が断裂して導電性が低下したり、クラックが生じることなく、強靭で耐熱性や耐摩耗性に優れた立体形状導電性成形品を製造できるという効果がある。
この発明の立体形状導電性成形品の構成を示した概略断面図であり、その(1)は導電パターン層の樹脂バインダーが後硬化タイプの電離放射線硬化性樹脂からなり、導電パターン層に目視で認識することができない大きさの微小ピンホールが形成されている形成した場合を示し、その(2)は導電パターン層および絶縁パターン層の樹脂バインダーが後硬化タイプの電離放射線硬化性樹脂からなり、絶縁パターン層に含まれる導電性ナノファイバーが、断線した導電性ナノファイバーである場合を示し、その(3)は導電パターン層および絶縁パターン層の樹脂バインダーが後硬化タイプの電離放射線硬化性樹脂からなり、絶縁パターン層に目視で認識することができない幅の狭小溝が形成され、狭小溝により絶縁パターン層が複数の島状に形成されている場合を示す。 この発明の立体形状導電性成形品の製造方法を示した概略断面図であり、その(1)は基体シート上に、導電性ナノファイバーと、未硬化または半硬化の樹脂バインダーとを含む導電パターン層を形成した工程を示し、その(2)は該導電パターン層にレーザーを照射して前記導電パターン層の一部分のバインダー樹脂を焼き切って微小ピンホールを形成するとともに、導電パターン層の他の一部分の含まれる導電性ナノファイバーの一部を断線させ絶縁パターン層が形成した工程を示し、その(3)は作製した導電性ナノファイバーシートを成形体上に接着させて立体形状導電性成形品を得た工程を示し、その(4)は得た立体形状導電性成形品に電離放射線を照射して、導電パターン層および絶縁パターン層の未硬化または半硬化の樹脂バインダーを硬化させた工程を示す。 この発明の立体形状導電性成形品の製造方法を示した概略断面図であり、その(1)は基体シート上に、導電性ナノファイバーと、未硬化または半硬化の樹脂バインダーとを含む導電パターン層を形成して、導電性ナノファイバーシートを作製した工程を示し、その(2)は作製した導電性ナノファイバーシートを成形体上に接着させて基体シートを剥離除去して立体形状導電性成形品を得た工程を示し、その(3)は得た立体形状導電性成形品の導電パターン層にレーザーを照射して目視で認識することができない幅の狭小溝を設けて、複数の島状の絶縁パターン層を形成した工程を示し、その(4)は、その立体形状導電性成形品に電離放射線を照射して、導電パターン層および絶縁パターン層の未硬化または半硬化の樹脂バインダーを硬化させた工程を示す。
以下、この発明の立体形状導電性成形品について説明する。この発明の立体形状導電性成形品1は、成形体8上に導電パターン層6あるいは導電パターン層6と絶縁パターン層7とが形成され、それらの層の樹脂バインダー33が後硬化タイプの電離放射線硬化性樹脂からなり、導電性ナノファイバー3を含んでいる(図1、図2、図3参照)。成形体8の表面は、平面と立体形状面とから構成されている。そして、導電パターン層6は、少なくともその立体形状面の上に形成されている。導電パターン層6又は絶縁パターン層7は、立体形状面のみに形成されていてもよい。導電パターン層6又は絶縁パターン層7の形成部分にあたる成形体8の表面がすべて立体形状面で構成されていてもよい。
成形体8の構成材料である成形樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリスチレン、ニトロセルロース、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ABS樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、これらの樹脂の共重合体樹脂、これらの樹脂の混合樹脂などが挙げられる。尚、成形体8の構成材料は、成形体8上に導電パターン層6及び絶縁パターン層を形成することができれば、ゴム、金属、木、ガラス、陶磁器等、他の構成材料であってもよい。
後硬化タイプの電離放射線硬化性樹脂とは、熱処理や微量の電離放射線(紫外線、電子線など)によって未硬化または反硬化の可とう性に優れた皮膜を造膜でき、再度の電離放射線40によって強靭な皮膜へと硬化させることができる性質の樹脂であればいずれでもよく、その材質および組成は特に限定されない。そのような性質の樹脂の例としては、ビニル系樹脂からなる有機高分子と金属系化合物を含有する有機−無機複合体や、ポリエステルアクリレート系、トリアジンアクリレート系、グリシジルアクリレート系などのポリマーと多官能イソシアネートおよび紫外線吸収剤を含有する硬化性樹脂組成物などを挙げることができる。
導電パターン層6の厚みは0.2〜500μmの範囲で適宜設定可能である。0.2μm未満では硬化させた電離放射線硬化性樹脂であっても層としての強度が不足気味となり、500μmを越える厚みでは未硬化または反硬化の皮膜を造膜することが困難となる。
導電性ナノファイバー3の例としては、カーボンナノファイバーのほか、金、銀、白金、銅、パラジウムなどの金属イオンを担持した前駆体表面にプローブの先端部から印加電圧又は電流を作用させ連続的にひき出して作製した金属ナノワイヤや、基板上に原料ガスを導入しCVD法により作製したグラファイトナノファイバー、ペプチド又はその誘導体が自己組織化的に形成したナノファイバーに金粒子を付加してなるペプチドナノファイバーなどが挙げられる。ただし、導電パターン層6を無色透明に近くすることができ、十分な導電性を得るには銀ナノワイヤが最も好ましい。
なお、導電パターン層6には目視で認識することができない大きさの微小ピンホール5を形成してもよい(図1(1)参照)。導電パターン層6に設ける多くの微小ピンホール5は、目視で認識することができない面積1μm〜10000μm程度の大きさのピンホールが好ましく、導電パターン層6における微小ピンホール5の占有面積の割合を20%〜80%にするよう設けるのが好ましい。ピンホールの面積を1μm未満にすることは技術的に難しくこれより小さいと光線の透過がしにくくなるからである。また、微小ピンホールの占有面積の割合が20%未満であれば光線透過率の向上やヘイズ値を低下の程度が少なくなり、80%を超えれば導電パターン層6の表面抵抗値が高くなり導電性に問題が生じる場合があるからである。
微小ピンホール5の形状は、円形状のほか、多角形状、楕円状、円弧状、直線状のいずれでもよく、これらの異なる形状のピンホールが混ざっているようなものであっても構わない。微小ピンホール5の形成方法としては、成形体8上に導電性ナノファイバー3を含む導電パターン層6を全面に形成し、該導電パターン層6の一部にスポット径数十μmの炭酸ガスレーザーなどのエネルギー線50を照射して導電パターン層6のバインダー樹脂33を焼き切ることにより形成する方法があげられる。
また、別の微小ピンホール5の形成方法としては、成形体8上に導電性ナノファイバー3を含む導電パターン層6を全面に形成し、該導電パターン層6の一部に塗装やインクジェットなどの方法でエッチングレジスト層を形成後、全面をエッチングして、エッチングレジスト層が形成されていない部分の導電パターン層6のバインダー樹脂33を除去させることにより形成する方法があげられる。
使用するエッチングレジスト層としては光硬化性の樹脂などが挙げられ、エッチャントとして導電パターン層6のバインダー樹脂33を除去できるケトン、芳香族炭化水素などの有機溶剤等が好ましい。
絶縁パターン層7は、一部の導電パターン層6の導電性ナノファイバー3を断線させるか、または目視で認識することができない幅の狭小溝12を形成することにより得ることができる(図1の(2)(3)参照)。したがって、材質的にはバインダー樹脂33や導電性ナノファイバー3など導電パターン層6と何ら変わりがなく、厚みが同等ならば導電パターン層6とほぼ同等の光線透過率やヘイズ値を呈する。したがって、光線透過率およびヘイズ値において導電パターン層6との差が非常に小さいため、結果的に目立ちにくい導電パターン層6を形成できることになる。
絶縁パターン層7を導電性ナノファイバー3の断線により形成する場合、形成の際に、導電パターン層6と絶縁パターン層7との光線透過率の差が10%以下でヘイズ値の差が5%以下になるよう、厳重に光線透過率およびヘイズ値を測定管理して形成し、絶縁パターン層7の厚みはできる限り導電パターン層6の厚みと同等にするのが好ましい。
導電性ナノファイバー3を断線させる方法としては、エネルギー線50として数十μmのスポット径のYAGレーザーなどを使い、導電性ナノファイバー3に適度のエネルギー(熱)を加えることによって導電性ナノファイバー3の一部を焼き切る方法や、酸やアルカリの水溶液などのエッチャントに浸すことにより、エッチングレジスト層が形成されていない部分の導電性ナノファイバー3の一部を腐食させる方法などがあげられる。
絶縁パターン層7を目視で認識することができない幅の狭小溝12により形成する場合、形成の際に、絶縁パターン層7における溝の占有面積の割合を、できる限り導電パターン層6における微小ピンホール5の占有面積の割合と同等にし、絶縁パターン層7の厚みはできる限り導電パターン層6の厚みと同等にするのが好ましい。
狭小溝12は、目視で認識することができない0.1μm〜150μm程度の幅が好ましい。狭小溝12の幅を0.1μm未満にすることは技術的に難しいだけでなく、トンネル電流によりスパークすることがあるからである。また、150μmを超える幅にすると照明で照らされた場合に溝が光って見えてしまう場合があるからである。狭小溝12を形成する方法は、微小ピンホール5の形成方法と同じでよい。
狭小溝12の形状は、格子状のほか、ハニカム状、ランダム状、その他の形状いずれでもよく、これらの異なる形状の溝が混ざっているようなものであっても構わない。また、狭小溝12によって囲まれて形成される絶縁パターン層7の島状パターンは、円形状のほか、多角形状、楕円状、円弧状のいずれでもよく、これらの異なる形状が混ざっているようなものであっても構わない。島状パターンの大きさは、ナノオーダーからミリオーダーのいずれでもよく、これらの異なる大きさの形状が混ざっているようなものであっても構わない。
なお、立体形状導電性成形品1の製造方法としては、導電パターン層6を基体シート10上に形成し、エネルギー線50を照射して微小ピンホール5を形成したり、狭小溝12を形成または導電性ナノファイバー3を一部断線させたりして絶縁パターン層7を形成し、導電性ナノファイバーシート2を作製し、この導電性ナノファイバーシート2を成形体8上に接着させて立体形状導電性成形品1を得た後、電離放射線40を照射する方法(図2参照)のほか、導電パターン層6を基体シート10上に形成して導電性ナノファイバーシート2を作製し、この導電性ナノファイバーシート2を成形体8上に接着させて立体形状導電性成形品1を得た後、電離放射線40を照射する前に、エネルギー線50を照射して上記の微小ピンホール5や狭小溝12を形成したり、導電性ナノファイバー3を一部断線させ絶縁パターン層7を形成する方法(図3参照)も挙げられる。
導電パターン層6や絶縁パターン層7を形成する方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の汎用の各種印刷手法やコーターなどによる方法以外に、塗装やインクジェットなどの方法などが挙げられる。
基体シート10の材質としては、アクリル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニルなどの樹脂フィルムが挙げられる。基体シート10の厚みは5〜800μmの範囲で適宜設定可能である。5μm未満では、シートとしての強度が不足して剥離する際に破れたりするので取り扱いが困難となり、800μmを越える厚みでは、基体シート10に剛性がありすぎて加工が困難となる。なお、導電性ナノファイバーシート2を転写シートとして活用する場合には、上記樹脂フィルム上にシリコン、メラミン、アクリルなどの樹脂を塗布して離型性のある基体シート10としておくのが好ましい(図3の(2)参照)。
また、導電パターン層6や絶縁パターン層7と基体シート10との間に、剥離層やアンカー層等を設けてもよいし、導電パターン層6や絶縁パターン層7上にアンカー層や接着層等を設けてもよい。さらに、基体シート10上には、例えば3〜10mm角くらいの大きさの位置検知パターンを形成するのが好ましい。この位置検知パターンを光学的方法により読み取れば、基体シート10上の所定の位置に微小ピンホール5をや絶縁パターン層7を形成できるからである。
上記導電性ナノファイバーシート2を用いて立体形状導電性成形品1を製造する方法としては、例えば次のような成形同時加飾法が挙げられる。すなわち、導電性ナノファイバーシート2を可動型と固定型とからなる射出成形金型内にセットして型締めし、溶融した成形体8を射出成形金型内に充填し、冷却後、前記射出成形金型を開いて立体形状導電性成形品1を取り出す方法である。
あるいは、次のような熱接着(熱転写)法が挙げられる。すなわち、導電性ナノファイバーシート2を成形体8の上面にセットし、シリコンラバーからなる熱ロールを備えた転写機を用いて基体シート10の背面から温度80〜260℃程度、圧力50〜200kg/m程度の条件で押圧する方法である。
基体シートとして厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にメラミン樹脂からなるインキで剥離層を形成し、ウレタン樹脂からなるインキで5mm角の位置検知パターンを形成した。
次いで、平均直径0.2μm、平均長さ10μmの銀ナノワイヤからなる導電性ナノファイバーをシリル基含有のビニル系樹脂と珪素およびジルコニウムキレート化合物を含有する有機−無機複合体からなるバインダー樹脂中に分散させたインキを用いてグラビア印刷をし、熱風乾燥して厚さ2μmの半硬化状態の導電パターン層を形成した。次いで位置検知パターンを光学的方法により読み取って所望の位置に炭酸ガスレーザー照射機の先端を配置し、レーザー照射光により熱を加えて一部の導電パターン層のバインダー樹脂を焼き切り、多数の微小ピンホールからなる導電パターン層と、狭小溝を有する絶縁パターン層とを含む導電性ナノファイバーシートを形成した。
この得られた導電性ナノファイバーシートを用い、位置決め機構を有する送り装置を使用して、可動型と固定型とからなる射出成形金型内にセットして型締めした。型締め後、溶融したアクリル系樹脂からなる透明射出成形樹脂を射出成形金型内に充填した。成形条件は、樹脂温度240℃、金型温度55℃、樹脂圧力約300kg/cmとした。冷却後、前記射出成形金型を開いて樹脂成形品を取り出し、基体シートを剥離した後、120W/cm、2灯、ランプ高さ10cmの条件で紫外線を照射して導電パターン層と絶縁パターン層を硬化させたところ、強靭で耐熱性および耐摩耗性に優れた導電パターン層および絶縁パターン層からなる立体形状導電性成形品が得られた。
得られた立体形状導電性成形品は、曲面でのクラックの発生もなく、層間密着性試験(1mm角で100×100にクロスカットした後、ニチバン製セロファンテープにより90度剥離試験)でも剥離はなかった。また、導電パターン層および絶縁パターン層は充分な耐熱性や耐摩耗性を有しており、長期に渡って使用しても導電性ナノファイバーが脱落したり破壊されることもなかった。
また、得られた立体形状導電性成形品の導電パターン層の一部の部分に形成された微小ピンホールは円形状で、平均の面積が180μm程度で外観上存在が判別できない大きさであり、導電パターン層の総面積の35%程度を占有していて、光線透過率が91%、ヘイズ値も3%と良好であり、微小ピンホールを形成しない場合に比べて光線透過率が2%向上し、ヘイズ値も2%低下することができた。一方、表面抵抗値の上昇は2割程度に留まっていた。また、得られた立体形状導電性成形品の絶縁パターン層7の部分に形成された狭小溝はピッチ35μmの格子状で、平均の幅が6μm程度で外観上存在が判別できない幅であり、絶縁パターン層の総面積の40%程度を占有していて、光線透過率が93%、ヘイズ値も3%と良好であり、狭小溝を形成しない場合に比べて光線透過率が3%向上し、ヘイズ値も2%低下することができた。一方、絶縁抵抗は十分であった。
導電性ナノファイバーシートの作成において、導電パターン層の厚さを5μmに変え、バインダー樹脂としてグリシジルアクリレートポリマー、多官能イソシアネート、及びビスベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を有効成分として含有する硬化性組成物を用いた他は実施例1と同様にして導電性ナノファイバーシートを作成し、立体形状導電性成形品を得た。
この方法によって得られた立体形状導電性成形品も実施例1と同様に導電パターン層および絶縁パターン層は充分な耐熱性や耐摩耗性を有しており、長期に渡って使用しても導電性ナノファイバーが脱落したり破壊されることもなかった。また、成形品曲面でのクラックの発生もなく、層間密着性試験でも剥離はなかった。また、絶縁パターン層の光線透過率は92%であり、ヘイズ値が4%と、光線透過率およびヘイズ値の差がほとんどなかった。
導電性ナノファイバーシートの作成において、位置検知パターンを光学的方法により読み取って所望の位置にYAGレーザー照射機の先端を配置し、レーザー照射光により熱を加えて、導電性ナノファイバーの一部を焼き切り、導電パターン層の一部を絶縁パターン層に変化させた他は実施例1と同様にして導電性ナノファイバーシートを作成し、立体形状導電性成形品を得た。
この方法によって得られた立体形状導電性成形品も実施例1と同様に導電パターン層および絶縁パターン層は充分な耐熱性や耐摩耗性を有しており、長期に渡って使用しても導電性ナノファイバーが脱落したり破壊されることもなかった。また、成形品曲面でのクラックの発生もなく、層間密着性試験でも剥離はなかった。また、絶縁パターン層の光線透過率は90%であり、ヘイズ値が3%と、光線透過率およびヘイズ値の差がほとんどなかった。
導電性ナノファイバーシートの作成において、半硬化導電パターン層を形成してレーザー照射をせずに導電性ナノファイバーシートとした他は実施例1と同様にして立体形状導電性成形品を得た。そして、得られた立体形状導電性成形品の所望の位置に炭酸ガスレーザー照射機の先端を配置し、レーザー照射光により熱を加えて半硬化導電パターン層のバインダー樹脂を焼き切り、多数の微小ピンホールからなる導電パターン層と狭小溝を有する絶縁パターン層を形成した。
この方法によって得られた立体形状導電性成形品も実施例1と同様に導電パターン層および絶縁パターン層は充分な耐熱性や耐摩耗性を有しており、長期に渡って使用しても導電性ナノファイバーが脱落したり破壊されることもなかった。また、成形品曲面でのクラックの発生もなく、層間密着性試験でも剥離はなかった。また、絶縁パターン層の光線透過率は91%であり、ヘイズ値が3%と、光線透過率およびヘイズ値の差がほとんどなかった。
1 立体形状導電性成形品
2 導電性ナノファイバーシート
3 導電性ナノファイバー
5 微小ピンホール
6 導電パターン層
7 絶縁パターン層
8 成形体
9 狭小溝
10 基体シート
33 樹脂バインダー
40 電離放射線
50 エネルギー線

Claims (5)

  1. 立体形状面を有する成形体と、
    少なくとも前記立体形状面の上に形成され、樹脂バインダーに導電性ナノファイバーが分散され、その導電性ナノファイバーを介して導通する導電パターン層と、
    前記導電性ナノファイバーのみを断線させることにより前記導電パターン層から絶縁された絶縁パターン層とを、備えた立体形状導電性成形品。
  2. 前記導電性ナノファイバーは銀ナノワイヤである、請求項1記載の立体形状導電性成形品。
  3. 基体シート上に、樹脂バインダーに導電性ナノファイバーが分散された導電パターン層と、前記導電性ナノファイバーのみを断線させることにより導電パターン層から絶縁された絶縁パターン層とを形成して導電性ナノファイバーシートを作製する工程と、前記導電性ナノファイバーシートを、立体形状面を有する成形体の少なくとも前記立体形状面に接着させる工程とを備えた、立体形状導電性成形品の製造方法
  4. 基体シート上に、樹脂バインダーに導電性ナノファイバーが分散された導電パターン層と、前記導電性ナノファイバーのみを断線させることにより前記導電パターン層から絶縁された絶縁パターン層とが形成された導電性ナノファイバーシート
  5. 前記導電性ナノファイバーは銀ナノワイヤである請求項4に記載の導電性ナノファイバーシート
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