以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る研削装置の外観斜視図である。なお、以下の説明では、本発明の特徴部分である位置合わせ処理を研削装置に適用した例について説明するが、研削装置だけでなく、半導体ウェーハの向きおよび中心位置をチャックテーブル(保持手段)に位置付ける加工装置に適用することも可能である。
図1に示すように、研削装置1は、裏面側を上向きにした半導体ウェーハWが保持されたチャックテーブル3と研削ユニット(研削加工手段)4の研削ホイール59とを相対回転させることで、半導体ウェーハWの裏面を研削するように構成されている。半導体ウェーハWは、略円板状に形成されており、表面に格子状に配列された図示しない分割予定ラインによって複数の領域に区画されている。分割予定ラインによって区画された各領域には、半導体ウェーハWの中央においてIC、LSI等のデバイスが形成されている。
また、半導体ウェーハWには、外周縁部の一部をフラットに切り欠いて、結晶方位を示すオリエンテーションフラット66が形成されている。半導体ウェーハWの表面には保護テープが貼着されており、この保護テープにより半導体ウェーハWの裏面加工時にデバイスが保護される。このように構成された半導体ウェーハWは、搬入側のカセット6に収容された状態で研削装置1に搬入される。
なお、本実施の形態においては、ワークとしてシリコンウェーハ(Si)、ガリウムヒソ(GaAs)、シリコンカーバイド(SiC)等の半導体ウェーハWを例に挙げて説明するが、この構成に限定されるものではない。例えば、セラミック、ガラス、サファイヤ系の無機材料基板、板状金属や樹脂の延性材料、ミクロンオーダーからサブミクロンオーダ(TTV: total thickness variation)の平坦度が要求される各種加工材料をワークとしてもよい。なお、ここでいう平坦度とは、ワークの被研削面を基準面として厚み方向を測定した高さのうち、最大値と最小値との差を示している。
研削装置1は、略直方体状の基台2を有し、基台2にはカセット6、7が載置される一対のカセット載置部11、12が前面8から前方に突出するように設けられている。カセット載置部11は、搬入口として機能し、加工前の半導体ウェーハWが収容された搬入側のカセット6が載置される。カセット載置部12は、搬出口として機能し、加工後の半導体ウェーハWが収容される搬出側のカセット7が載置される。
基台2の上面には、カセット載置部11、12に面して、カセット6、7に対して半導体ウェーハWの搬入および搬出を行う搬入搬出アーム13が設けられている。搬入搬出アーム13の一側方には、加工前の半導体ウェーハWの中心位置およびオリエンテーションフラット66を検出する検出部(検出手段)14が設けられている。また、搬入搬出アーム13の他側方には、加工済みの半導体ウェーハWを洗浄する洗浄部15が設けられている。
検出部14と洗浄部15との間には、チャックテーブル3に加工前の半導体ウェーハWを供給するウェーハ供給部(搬入手段)16と、チャックテーブル3から加工済みの半導体ウェーハWを回収するウェーハ回収部17が設けられている。また、基台2の上面には、ウェーハ供給部16およびウェーハ回収部17に隣接して、前後方向に延在する矩形状の開口部21が形成され、開口部21の後方に研削ユニット4を支持する支柱部22が立設されている。また、基台2の内部には、研削装置1を統括制御する制御部23が設けられている。
開口部21は、チャックテーブル3と共に移動可能な移動板24および蛇腹状の防塵カバー25により被覆されている。防塵カバー25の下方には、チャックテーブル3を前後方向に移動させる図示しないボールねじ式の移動機構が設けられている。チャックテーブル3は、移動機構によりウェーハ供給部16およびウェーハ回収部17に半導体ウェーハWが移載される移載位置と研削ユニット4に臨む加工位置との間を往復動される。
搬入搬出アーム13は、駆動領域の広い多節リンク機構31と、多節リンク機構31の先端に設けられた保持部32とを有している。搬入搬出アーム13は、多節リンク機構31を駆動して搬入側のカセット6内に収容された半導体ウェーハWを検出部14に搬入する他、洗浄部15から搬出側のカセット7内に半導体ウェーハWを収容する。
検出部14は、搬入搬出アーム13により半導体ウェーハWが仮置きされる仮置きテーブル(支持部)35と、仮置きテーブル35に仮置きされた半導体ウェーハWを撮像する撮像部36とを有している。仮置きテーブル35は、半導体ウェーハWよりも小径な円盤状に形成されている。また、仮置きテーブル35の周囲は、発光面37となっており、仮置きテーブル35に仮置きされた半導体ウェーハWを下側から照射する。
撮像部36は、L字状の支持アーム38を介して仮置きテーブル35の上方に支持され、仮置きテーブル35上の半導体ウェーハWの全体を撮像範囲に収めるように配置されている。撮像部36は、発光面37からの照射により半導体ウェーハWの外形を読み取り、半導体ウェーハWの画像データを生成する。撮像部36により撮像された画像データは、制御部23に出力されて半導体ウェーハWの中心位置とオリエンテーションフラット66の形成位置とが求められる。すなわち、制御部23の一部により検出部14の算出部が構成される。
ウェーハ供給部16は、上下方向に延在する回動軸41と、回動軸41の上端に支持された旋回アーム42と、旋回アーム42の先端に設けられ、半導体ウェーハWを吸着保持する吸着保持部43とを有している。回動軸41は、上下動可能かつ前後動可能かつ回動可能に構成されている。吸着保持部43は、回動軸41の前後動および回動により水平面内における位置調整がされ、回動軸41の上下動により高さ方向における位置調整がされる。
また、ウェーハ供給部16は、制御部23により駆動制御されており、制御部23により回動軸41の上下方向の移動量、前後方向の移動量、回動量が調整される。そして、ウェーハ供給部16は、制御部23に制御されて、仮置きテーブル35から半導体ウェーハWを吸着保持して持ち上げ、チャックテーブル3に供給する。このとき、半導体ウェーハWの中心をチャックテーブル3の中心に一致させるように位置合わせされる。
ウェーハ回収部17は、前後動しない点を除いてはウェーハ供給部16と略同一の構成を有している。ウェーハ回収部17は、制御部23に制御されて、チャックテーブル3から半導体ウェーハWを吸着保持して回収し、洗浄部15の洗浄テーブル51に載置する。このとき、チャックテーブル3の中心および洗浄テーブル51の中心がウェーハ回収部17の旋回軌跡上に位置するため、半導体ウェーハWの中心が洗浄テーブル51の中心に位置合わせされる。
洗浄テーブル51は、半導体ウェーハWよりも小径な円盤状に形成されている。洗浄テーブル51は、加工済みの半導体ウェーハWが載置されると、開口部52を介して基台2に下降する。そして、洗浄テーブル51は、高速回転しつつ、洗浄水が噴射されることで半導体ウェーハWを洗浄する。その後、洗浄テーブル51は、高速回転された状態で洗浄水の噴射が停止され、半導体ウェーハWを乾燥する。
チャックテーブル3は、円盤状に形成されており、上面に半導体ウェーハWを吸着保持する吸着面27を有している。吸着面27は、ポーラスセラミック材により形成されており、基台2内に配置された図示しない吸引源に接続されている。また、吸着面27は、半導体ウェーハWの外形形状に沿ってオリエンテーションフラット66に対応する部分を切り欠いた形状を有している。このオリエンテーションフラット66に対応する部分の向きによりチャックテーブル3の向きが規定される。
チャックテーブル3は、図示しない回転駆動機構に接続され、回転駆動機構により回転可能に構成されている。チャックテーブル3は、ウェーハ回収部17による半導体ウェーハWの載置時に、回転駆動機構により回転駆動されて半導体ウェーハWの向きに対して吸着面27の向きを合わせている。
支柱部22の前面には、研削ユニット4を上下方向に移動させる研削ユニット移動機構54が設けられている。研削ユニット移動機構54は、上下方向に延在する互いに平行な一対のガイドレール55と、一対のガイドレール55にスライド可能に設置されたモータ駆動のZ軸テーブル56とを有している。Z軸テーブル56の背面側には、図示しないナット部が形成され、このナット部にボールネジ57が螺合されている。ボールネジ57の一端には駆動モータ58が連結され、駆動モータ58によりボールネジ57が回転駆動される。
Z軸テーブル56の前面には、支持部53を介して研削ユニット4が支持されている。研削ユニット4は、図示しないスピンドルの下端に着脱自在に装着された研削ホイール59を有している。研削ホイール59は、例えば、ダイヤモンドの砥粒をメタルボンドやレジンボンド等の結合剤で固めたダイヤモンド砥石で構成されている。そして、研削ユニット4は、加工位置に移動された半導体ウェーハWに対し、研削量を確認しつつZ軸方向に研削送りされる。
制御部23は、検出部14による半導体ウェーハWの中心位置およびオリエンテーションフラット66の位置の算出処理、ウェーハ供給部16による半導体ウェーハWの位置合わせ処理、チャックテーブル3による半導体ウェーハWに対する向き合せ処理等の各処理を実行する。なお、制御部23は、各種処理を実行するプロセッサや、メモリ等により構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成される。また、メモリには、各処理の制御プログラムと共に、画像データ用の直交平面座標系(図7参照)が記憶されている。
円形状の半導体ウェーハの中心位置は、外周縁部の任意の2点を結ぶ線分を2つ用意し、これら線分の垂直二等分線の交点により求められるが、オリエンテーションフラット66が形成された本実施の形態に係る半導体ウェーハWの中心位置は、この方法では正確に求められない場合ある。また、半導体ウェーハWの正確な中心位置が求められなければ、オリエンテーションフラットの形成位置が正確に求められず、半導体ウェーハWの向きを特定できない。
そこで、検出部14は、最初に半導体ウェーハWの大体の中心位置である仮の中心位置を求め、仮の中心位置に基づいて大体のオリエンテーションフラットの形成位置であるオリエンテーションフラットの仮の形成位置を求めている。そして、検出部14は、半導体ウェーハWの仮の中心位置とオリエンテーションフラット66の仮の形成位置に基づいて、半導体ウェーハWの中心位置とオリエンテーションフラット66の形成位置とを精度よく求めるようにしている。
図2から図6を参照して、半導体ウェーハの中心位置およびオリエンテーションフラットの形成位置の算出処理について説明する。最初に、半導体ウェーハの仮の中心位置の算出処理について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る半導体ウェーハの仮の中心位置の算出処理の説明図である。
図2(a)に示すように、撮像部36により半導体ウェーハWが撮像されると、制御部23により半導体ウェーハWの画像データのエッジ検出処理が行われて、直交平面座標系に半導体ウェーハWの外周縁部を示す外形線が描かれる。次に、図2(b)に示すように、半導体ウェーハWの外形線を構成するプロットのうち、X軸方向で対向する2点間の中心座標を全て求めてプロットし、全てのプロットを結ぶことでラインL1を得る。同様に、半導体ウェーハWの外形線を構成するプロットのうち、Y軸方向で対向する2点間の中心座標を全て求めてプロットし、全てのプロットを結ぶことでラインL2を得る。
この場合、ラインL1およびラインL2は、オリエンテーションフラット66のエッジ情報を含み、部分的に膨らんだ線分となる。このため、ラインL1およびラインL2の交点を半導体ウェーハWの中心座標とすることができない。なお、半導体ウェーハWの外形線から、X軸方向およびY軸方向の全ての中心座標を算出する構成としたが、必ずしも全ての中心座標を算出する必要はなく、算出精度等に応じて適宜変更可能である。
次に、図2(c)に示すように、ラインL1を構成するプロットのX座標の平均値が算出され、この平均値を通りY軸に平行な平均ラインL3が描かれる。これにより、平均値よりもX座標が大きいプロットが平均ラインL3の右側に位置され、平均値よりもX座標が小さいプロットが平均ラインL3の左側に位置される。そして、平均ラインL3の右側に位置するプロット数と平均ラインL3の左側に位置するプロット数とが比較され、プロット数の少ない側のプロットが全て破棄される。図2(c)においては、平均ラインL3の右側のプロットが全て破棄される。
同様に、ラインL2を構成するプロットのY座標の平均値が算出され、この平均値を通りX軸に平行な平均ラインL4が描かれる。これにより、平均値よりもY座標が大きいプロットが平均ラインL4の上側に位置され、平均値よりもY座標が小さいプロットが平均ラインL4の下側に位置される。そして、平均ラインL4の上側に位置するプロット数と平均ラインL4の下側に位置するプロット数とが比較され、プロット数の少ない側のプロットが全て破棄される。図2(c)においては、平均ラインL4の上側のプロットが全て破棄される。
次に、図2(d)に示すように、再びラインL1を構成するプロットから破棄したプロット以外で平均ラインL5が描かれる。そして、平均ラインL5の左右のプロット数が比較され、プロット数の少ない側(平均ラインL5の右側)のプロットが全て破棄される。同様に、ラインL2を構成するプロットから破棄したプロット以外で平均ラインL6が描かれる。そして、平均ラインL6の上下のプロット数が比較され、プロット数の少ない側(平均ラインL6の上側)のプロットが全て破棄される。
このように、平均ラインの算出処理を繰り返すことにより、ラインL1の平均ラインとラインL2の平均ラインとの交点が、半導体ウェーハWの中心座標に近づいてくる。本実施の形態では、図2(e)に示すように、上記の処理を2回繰り返した後の平均ラインL7、L8の交点を半導体ウェーハWの仮の中心位置としている。
次に、オリエンテーションフラットの仮の形成位置の算出処理について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係るオリエンテーションフラットの仮の形成位置の算出処理の説明図である。
半導体ウェーハWの仮の中心位置が求められると、それぞれの角度における半導体ウェーハWの仮の中心位置から外周位置までの距離が測定される。この場合、半導体ウェーハの仮の中心位置と実際の中心位置とが偏芯しているため、図3(a)に示すようなsinカーブW1が得られる。sinカーブW1においては、オリエンテーションフラット66の部分が、部分的に落ち込むような形状となる。
次に、図3(b)に示すように、sinカーブW1が微分され、局所的な変化が顕著となる波形W2が得られる。この場合、例えば、図4に示すように、sinカーブW1を構成するプロットとから計算データを求め、これを角度毎にプロットすることで波形W2を得ている。なお、微分処理は、波形の局所的な変化を顕著にする手法であれば、どのような手法を用いてもよい。
次に、図3(c)に示すように、波形W2がさらに微分され、さらに局所的な変化が顕著となる波形W3が得られる。この場合も、図4に示すように、波形W2を構成するプロットから計算データを求め、この計算データを角度毎にプロットすることで波形W3を得ている。このように、微分を繰り返すことにより、オリエンテーションフラット66の形成箇所における値の変化が顕著となる。
ここで、オリエンテーションフラット66の形状は、規格により定まっており、規格に基づいて設定された条件と波形W3とを比較することにより、細かな欠け等と区別してオリエンテーションフラット66を特定することが可能である。図3(c)における閾値T1は、既知のオリエンテーションフラットに基づいて設定された外周縁部の局所的な変化量の閾値を示している。波形W3において、閾値T1を超えたピーク値が存在する位置をオリエンテーションフラットのエッジ候補とされる。
図3(c)における角度範囲R1、R2は、既知のオリエンテーションフラットに基づいて設定されたオリエンテーションフラットが存在する角度範囲の上限範囲と下限範囲を示している。波形W3において、閾値T1を超えたピーク値のうち、角度範囲R1よりも小さく、角度範囲R2よりも大きな間隔のピーク値のペアがオリエンテーションフラット66の仮の形成位置として判定される。このようにして、オリエンテーションフラット66が存在する大体の角度範囲がオリエンテーションフラット66の仮の形成位置として検出される。
次に、半導体ウェーハWの中心位置の算出処理について説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る半導体ウェーハの中心位置の算出処理の説明図である。
図5(a)に示すように、半導体ウェーハWの仮の中心座標およびオリエンテーションフラット66の仮の形成位置に基づいて、半導体ウェーハWの外形線上から3つのプロットA、B、Cが抽出される。プロットAは、オリエンテーションフラット66の仮の形成位置(角度範囲)に対し、仮の中心位置を挟んで180度反対側の円弧上に設定される。プロットB、Cは、プロットAから±120度回転された位置に設定される。
このように、半導体ウェーハWの外形線上にオリエンテーションフラット66を避けて3つのプロットが設定される。そして、プロットAとプロットBとを結ぶ線分の垂直二等分線とプロットAとプロットCとを結ぶ線分の垂直二等分線との交点から半導体ウェーハWの中心位置が精度よく求められる。なお、本実施の形態では、プロットB、プロットCは、プロットAから±120回転された位置に設定されたが、これに限定されるものではない。プロットが、オリエンテーションフラット66上に設定されなければよい。
図5(b)に示すように、半導体ウェーハWに2つのオリエンテーションフラット66、67が形成されている場合には、プロットAは、2つのオリエンテーションフラット66、67の形成位置間の円弧上に設定され、プロットB、Cは、プロットAから±120度回転された位置に設定される。また、図5(c)に示すように、半導体ウェーハWに3つのオリエンテーションフラット66、67、68が形成されている場合には、プロットAは、一番小さなオリエンテーションフラット68を除く、2つのオリエンテーションフラット66、67の形成位置間の円弧上に設定され、プロットB、Cは、プロットAから±120度回転された位置に設定される。なお、半導体ウェーハWに複数のオリエンテーションフラットが形成される場合、それぞれの相対位置関係も規定により定められている。よって、規定により定められた相対位置関係により、オリエンテーションフラットを避けてプロットを抽出することが可能となる。また、単一のオリエンテーションフラットの仮の形成位置をだけを算出して、残りのオリエンテーションフラットの仮の形成位置を特定する構成としてもよい。
次に、オリエンテーションフラットの形成位置の算出処理について説明する。図6は、本発明の実施の形態に係るオリエンテーションフラットの形成位置の算出処理の説明図である。
半導体ウェーハWの中心位置が精度よく求められると、それぞれの角度における半導体ウェーハWの中心位置から外周位置までの距離が測定される。この場合、図6(a)に示すような波形W4が得られる。波形W4においては、オリエンテーションフラット66の部分が、部分的に落ち込むような形状となる。
次に、図6(b)、(c)に示すように、オリエンテーションフラット66の仮の形成位置を求めた場合と同様に、波形W4が2回微分され規格に基づいて設定された条件と比較されることで、オリエンテーションフラット66の形成位置が精度良く検出される。このようにして、半導体ウェーハWの中心位置とオリエンテーションフラット66の形成位置とが精度よく算出される。このオリエンテーションフラットの形成位置(角度範囲)から半導体ウェーハWの向きが検出される。
図7を参照して、チャックテーブルに対する半導体ウェーハの位置および向きの位置付け動作について説明する。図7は、本発明の実施の形態に係るチャックテーブルに対する半導体ウェーハの位置および向きの位置付け動作の説明図である。
図7に示すように、直交平面座標系には、予め記憶されたチャックテーブル3の中心座標P2、算出された半導体ウェーハWの中心座標P1および半導体ウェーハWの向きを示す角度θ1が設定されている。まず、制御部23によりチャックテーブル3の中心座標P2と半導体ウェーハWの中心座標P1との差分に基づいて、ウェーハ供給部16の回動軸41の前後方向の移動量および回動量が算出されると共に、半導体ウェーハWの向きを示す角度θ1に基づいてチャックテーブル3の回転量が算出される。
次に、ウェーハ供給部16は、仮置きテーブル35の上方に位置した状態から、回動軸41を下動させて吸着保持部43により半導体ウェーハWを吸着保持して上動する。次に、ウェーハ供給部16は、制御部23に算出された回動軸41の前後方向の移動量および回動量に応じて回動軸41を駆動し、半導体ウェーハWをチャックテーブル3の上方に位置させる。この時点で、半導体ウェーハWの中心位置とチャックテーブル3の中心位置とが一致している。
次に、チャックテーブル3は、Y軸正方向を向いた初期状態から角度θ1だけ回転し、半導体ウェーハWの向きにチャックテーブル3の向きを一致させる。次に、ウェーハ供給部16は、回動軸41を下動させて、吸着保持部43の吸着を解除する。このようにして、半導体ウェーハWの中心がチャックテーブル3の中心に位置合わせされると共に、半導体ウェーハWの向きがチャックテーブル3の向きに合わせられる。
このように、半導体ウェーハWの向きがチャックテーブル3の向きに合わせられた状態で、半導体ウェーハWがチャックテーブル3に位置合わせされるため、半導体ウェーハWがチャックテーブル3の吸着面27に合致するように載置される。したがって、半導体ウェーハWに形成されたオリエンテーションフラット66と吸着面27におけるオリエンテーションフラット66に対応する部分が一致し、この半導体ウェーハWと吸着面27との位置ズレにより吸着力が低下することが防止される。
ところで、ウェーハ供給部16により半導体ウェーハWの中心をチャックテーブル3の中心に合わせるように搬送するには、ウェーハ供給部16の動作に用いられる直交平面座標系と撮像部36の画像データの直交平面座標系とが一致している必要がある。そこで、本実施の形態に係る研削装置1では、稼働前にウェーハ供給部16が撮像部36で用いられる直交平面座標系で動作するように調整している。
図8に示すように、ウェーハ供給部16の調整時には、加工時に使用される仮置きテーブル35と発光面37とが設けられたプレートの代わりに、調整用のプレート61が取り付けられる。調整用のプレート61には、撮像部36に対向する中心位置に発光面62が設けられている。また、プレートの交換に合わせて、ウェーハ供給部が加工用から調整用のものに取り換えられる。調整用のウェーハ供給部63は、吸着保持部64の中心位置に対応して貫通孔65が形成されている。
このため、発光面62の上方においては、発光面62からの光がウェーハ供給部63の貫通孔65を介して撮像部36に取り込まれる。そして、撮像部36により撮像された状態で、ウェーハ供給部63が移動されることで、撮像部36の直交平面座標系における貫通孔65の移動軌跡が求められる。検出部14では、発光面62内における貫通孔65の移動軌跡に基づいて、撮像部36の直交平面座標系におけるウェーハ供給部63の補正値を算出する。
図9および図10を参照して、ウェーハ供給部の補正処理について説明する。図9は、本発明の実施の形態に係るウェーハ供給部の直線移動時の補正処理の説明図である。図10は、本発明の実施の形態に係るウェーハ供給部の旋回移動時の補正処理の説明図である。なお、図9(b)、図10(b)の縦軸および横軸は、それぞれ撮像部の直交平面座標のY軸およびX軸を示している。
上記したように、ウェーハ供給部63は、前後方向の直線移動および旋回移動により水平面内で位置調整される。したがって、ウェーハ供給部63の直線移動と旋回移動とを個別に実施し、貫通孔65が描くそれぞれの移動軌跡に基づいて補正値が求められる。図9(a)に示すように、ウェーハ供給部63が直線移動されると、発光面62内を貫通孔65が矢印D1に示すように直線的に移動される。そして、制御部23により貫通孔65の中心点の移動軌跡が直線運動撮像データとして取得される。
次に、図9(b)に示すように、直線運動撮像データから撮像部36の直交平面座標系におけるウェーハ供給部63の直線移動の移動軌跡を示すグラフが得られる。このグラフでは、撮像部36の直交平面座標系において、ウェーハ供給部16が直線移動時に斜め方向にズレながら移動することを示している。このように、直線運動撮像データからウェーハ供給部16の直線移動と撮像部36の直交平面座標のY軸とのズレ量が求められる。
図10(a)に示すように、ウェーハ供給部63が旋回移動されると、発光面62内を貫通孔65が矢印D2に示すように円弧状に移動される。そして、制御部23により貫通孔65の中心点の移動軌跡が旋回運動撮像データとして取得される。次に、図10(b)に示すように、旋回運動撮像データから撮像部36の直交平面座標系におけるウェーハ供給部16の旋回運動の移動軌跡を示すグラフが得られる。このグラフから、ウェーハ供給部16の旋回中心の座標が得られる。
ウェーハ供給部16の旋回中心の座標は、例えば、移動軌跡上の2点のプロットを結ぶ線分を2つ用意し、これらの垂直二等分線の交点から求められる。そして、撮像部36の直交平面座標におけるウェーハ供給部16の直線移動のズレ量と旋回中心とに基づいて補正値が算出される。この補正値により、ウェーハ供給部16の動作に用いられる直交平面座標系が、撮像部36の直交平面座標系に一致される。ウェーハ供給部16は、補正値に基づいて駆動制御され、撮像部36の直交平面座標系において半導体ウェーハWの中心をチャックテーブル3の中心に合わせるように搬送することが可能となる。
ここで、研削装置による全体的な研削動作の流れについて説明する。まず、搬入搬出アーム13によりカセット6から加工前の半導体ウェーハWが取り出され、仮置きテーブル35に仮置きされる。次に、撮像部36により半導体ウェーハWが撮像され、撮像された画像データに基づいて半導体ウェーハWの中心位置およびオリエンテーションフラット66の形成位置が算出される。次に、半導体ウェーハWの中心位置に基づいて、ウェーハ供給部16により半導体ウェーハWの中心がチャックテーブル3の中心に位置付けられる。この場合、ウェーハ供給部16の動作に用いられる直交平面座標系が、撮像部36の直交平面座標系に一致されている。
次に、オリエンテーションフラットの形成位置に基づいて、半導体ウェーハWの向きがチャックテーブル3の向きに合わせられる。チャックテーブル3に保持された半導体ウェーハWは、加工位置において研削ユニット4により所定の厚みまで研削される。次に、研削済みの半導体ウェーハWは、移載位置においてウェーハ回収部17により洗浄テーブル51に移載される。次に、洗浄テーブル51により加工済みの半導体ウェーハWが洗浄され、搬入搬出アーム13により半導体ウェーハWがカセット7内に収容される。
以上のように、本実施の形態に係る研削装置1によれば、ウェーハ供給部16により半導体ウェーハWの中心がチャックテーブル3の中心に位置付けられると共に、チャックテーブル3によりオリエンテーションフラット66が所定の向きに位置付けられる。このため、検出部14は、半導体ウェーハWの中心位置およびオリエンテーションフラット66の形成位置を検出すればよく、従来の研削装置のような仮置きテーブル上の半導体ウェーハに対する位置合わせ機構が不要となる。また、撮像部36の撮像したデータにより半導体ウェーハWの中心位置とオリエンテーションフラット66の形成位置とが検出されるため、半導体ウェーハWの中心位置を検出する機構とオリエンテーションフラット66の形成位置を検出する機構とを個別に設ける必要がない。したがって、研削装置1を簡易な装置構成として製造コストを低減することができる。
なお、上記した実施の形態においては、半導体ウェーハの画像データからX軸方向およびY軸方向の平均ラインが求められることで、半導体ウェーハの仮の中心位置が算出される構成としたが、この構成に限定されるものではない。半導体ウェーハの仮の中心位置は、半導体ウェーハの画像データに基づいて算出されれば、どのような方法で算出されてもよい。
また、上記した実施の形態においては、半導体ウェーハの仮の中心位置から外周縁部までの距離の局所的な変化が求められることで、オリエンテーションフラットの仮の形成位置が算出される構成としたが、この構成に限定されるものではない。オリエンテーションフラットの仮の形成位置は、半導体ウェーハの画像データに基づいて算出されれば、どのような方法で算出されてもよい。
また、上記した実施の形態においては、半導体ウェーハの外周縁部の任意の3点を抽出して半導体ウェーハの中心を算出する構成としたが、この構成に限定されるものではない。半導体ウェーハの中心位置は、半導体ウェーハの画像データに基づいて算出されれば、どのような方法で算出されてもよい。例えば、画像データから得られた外形線からそれぞれ2点を検出し、この2点からの法線の交点を半導体ウェーハの中心とすることも可能である。
また、上記した実施の形態においては、半導体ウェーハの中心位置から外周縁部までの距離の局所的な変化が求められることで、オリエンテーションフラットの形成位置が算出される構成としたが、この構成に限定されるものではない。オリエンテーションフラットの形成位置は、半導体ウェーハの画像データに基づいて算出されれば、どのような方法で算出されてもよい。
また、上記した実施の形態においては、撮像部が半導体ウェーハの全体を撮像範囲に収めるように配置される構成としたが、この構成に限定されるものではない。撮像部は、半導体ウェーハの全体の画像データを取り込むことが可能であればよく、複数の画像データを合成して半導体ウェーハの全体の画像データを生成する構成としてもよい。
また、上記した実施の形態においては、算出部が制御部の一部で構成されたが、この構成に限定されるものではない。算出部は、制御部とは別に設けられていてもよい。
また、上記した実施の形態においては、半導体ウェーハの向きを規定する異形状部としてオリエンテーションフラットを例示して説明したが、この構成に限定されるものではない。半導体ウェーハの外周縁部において半導体ウェーハの向きを特定可能なものであればよく、オリエンテーションフラットの代わりにノッチでもよい。
また、上記した実施の形態においては、チャックテーブルの回転量を制御して半導体ウェーハの向きとチャックテーブルの向きを合わせる構成としたが、この構成に限定されるものではない。半導体ウェーハの向きとチャックテーブルの向きを合わせることができる構成であればよく、例えば、ウェーハ供給部側で向きを合わせる構成としてもよい。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。