以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る半田付け装置100の全体構成を示すものであり、図2は、図1の半田付け装置100の構成を分かりやすくするために、上下に分解して示すものである。この実施例の半田付け装置100は大きく分けて、半田付け用の半田を蓄えるために上面が開口された半田付け装置本体1と、半田付け装置本体1の内部に設けられた半田貯留部2、及び半田を回収する半田回収部3とから構成される。
半田付け装置本体1は、図2に示されるように、上面が開放された直方体状であり、底面16、短手方向の側壁11及び長手方向の側壁12を備える。側壁11、12及び底面16には半田加熱用のヒータが内蔵されているが、ヒータの構成については後述する。短手方向の一方の側壁11の高い位置には、半田付け装置本体1の内部に圧縮気体を導入するための気体注入口6が設けられている。気体注入口6の位置は半田貯留部2内の最大半田液位よりも高い位置に設置する。側壁11、12の内周面の、前述の気体注入口6よりも高い位置には、後述する半田貯留部2の天井壁を取り付けるための取付面13、14、15がある。ここで、短手方向の側壁11の気体注入口6側にある取付面を第1の天井壁取付面13、反対側の側壁11にある取付面を第2の天井壁取付面14、長手方向の側壁12に対向して設けられる取付面を第3の天井壁取付面15とする。
この実施例では、半田貯留部2の天井壁20を傾斜させるために、第1の天井壁取付面13の半田付け装置本体1の開口部からの深さよりも、第2の天井壁取付面14の半田付け装置本体1の開口部からの深さの方を深くしてある。従って、第3の天井壁取付面15は、第1の天井壁取付面13から第2の天井壁取付面14に向かって傾斜している。
半田貯留部2の天井壁20は、第1の天井壁取付面13、第2の天井壁取付面14及び第3の天井壁取付面15に、内部が気密になるように取り付けられ、天井壁20と半田付け装置本体1の内周面との間の部分が、この実施例では半田貯留部2となる。即ち、この実施例では、半田貯留部2の底面16と側壁11、12は、半田付け装置本体1の底面16と側壁11、12と共通になっている。そして、取付面13、14、15に内部が気密になるように取り付けられた天井壁20は、第1の天井壁取付面13から第2の天井壁取付面14に向かって傾斜している。
一方、天井壁20の気体注入口6側の部分には、上端側が天井壁20を貫通して半田付け装置本体1の開口側に突出し、下端側が底面16より所定距離離れた位置まで延長されたノズル4がある。この実施例のノズル4は、天井壁20の長手方向に細長く形成された矩形状の筒体であり、底面16に対して垂直方向に天井壁20に取り付けられ、ノズル4の頂面が半田噴出口40となる。ノズル4の短手方向の幅は、天井壁20の短手方向の幅よりも短い。また、半田噴出口40は、半田付け装置本体1の開口部よりも高い位置まで突出させて設けられている。
更に、第2の天井壁取付面14側の天井壁20には、天井壁20を窪ませることによって形成された半田回収部3がある。この実施例の半田回収部3は直方体状であり、その底部30は半田付け装置本体1の底面16よりも高い位置にある。そして、半田回収部3の底部30には半田貯留部2への連通口31が設けられており、この連通孔31は逆止弁5で開閉が可能になっている。連通孔31は半田貯留部2側の直径が半田回収部3側の直径よりも小さい円錐台状になっており、この連通孔31は同形状の円錐台状の弁体52を備える逆止弁5によって液密に封止される。弁体52に接続された弁軸51は、半田付け装置本体1の外に設けた駆動装置によって駆動可能である。駆動装置については後述する。ノズル4から流れ出て天井壁20に達した半田は、半田回収部3側に傾斜した天井壁20の上を流れて半田回収部3に流れ込むので、半田戻り管は不要である。
図3(a)は、図1に示した半田付け装置100の短手方向の断面を示すものであり、図3(b)は図1に示した半田付け装置100に内蔵されるヒータ7の配置と逆止弁5の駆動装置50の一例の構成、及びこれらの制御装置10との接続を示すものである。まず、半田付け装置100において半田を溶融させるヒータ7の構成について説明し、次いで逆止弁5の駆動装置50の構成について説明する。
ヒータ7は、半田付け装置本体1の側壁11、12に、垂直方向の高さを異ならせて水平方向に複数本巻回されている。また、半田付け装置本体1の底面16にもヒータ7が内蔵されている。更に、半田付け装置本体1の側壁11には半田温度を検出する温度センサ8が内蔵されており、温度センサ8によって検出された半田の温度は制御装置10に入力される。
そして、各ヒータ7への通電は独立して行うことができるように、各ヒータ7の電極はスイッチ回路71を通じて電源70に接続されている。スイッチ回路71には各ヒータ7を独立にオンオフできるスイッチがあり、このスイッチのオンオフは半田の温度を検出可能な制御装置10によって行われる。ヒータ7が独立に通電制御可能であると、冷間状態の半田付け装置に通電を行う際に、各ヒータ7への通電タイミングを変えることにより、半田付け装置本体1の上側にある半田から先に溶融させ、順次半田付け装置本体1の底側にある半田を溶融させることができる。この結果、半田付け装置本体1の底側にある半田が先に溶融して沸騰し、上側にあるまだ溶融していない半田を押し上げることによって起こる半田爆発を防止することができる。
次に、逆止弁5の駆動装置50の構成について図3(b)を用いて説明する。この実施例では、逆止弁5の弁軸51の端部にプランジャ53を取り付ける。そして、半田付け装置本体1の側壁11にフレーム56を取り付け、このフレーム56に、プランジャ53を押圧するばね55と、プランジャ53を吸引するソレノイド54を内蔵させる。ソレノイド54への通電は制御装置10によって行わせる。ソレノイド54への通電がない時には、弁軸51がばね55に付勢されるので逆止弁5は閉じた状態となる。一方、ソレノイド54への通電が行われると、プランジャ53がソレノイド54に吸引され、プランジャ53がばね55を押し縮めてソレノイド54側に移動するので、弁軸51が上方に移動し、逆止弁5が開く。
逆止弁5の駆動装置としては、レバー式の手動で逆止弁5を開閉する形式のものも可能である。このように、本発明の半田付け装置100の逆止弁5は機械式の構成によって開閉するので、動作が確実である。
ここで、以上のように構成された本発明の半田付け装置100を用いた半田付け動作を図4(a)から(d)に示す概略構成図を用いて説明する。図4(a)は半田付けを行う前の半田付け装置100を示している。なお、ヒータや逆止弁5の駆動装置の図示は省略してある。また、この例では、気体注入口6には気体供給源としてエアポンプ60が接続されている。この実施例では、気体供給源はエアポンプであるが、この他にも窒素ボンベから高圧窒素ガスを供給するようにすることもできる。窒素ガスを用いると、半田貯留部2内の酸素がなくなり、半田の酸化防止が可能である。
図4(a)の状態で図示しないヒータに通電して半田9を溶融する。この状態では逆止弁5は開いており、連通孔31によって半田貯留部2と半田回収部3が連通している。半田9の溶融後に半田付けを行う場合は、逆止弁5を閉じて半田貯留部2を密封する。次いで、エアポンプ60を駆動して、気体注入口6から圧縮空気を半田貯留部2内に送り込む。半田貯留部2の内部の気体の圧力(気体圧)が高まると、この気体圧で半田貯留部2内の半田9が押され、半田9がノズル4内を上昇してノズル4の半田噴出口40から噴出する。この状態が図4(b)に示す状態である。ノズル4の半田噴出口40から噴出した半田9は傾斜した天井壁20を伝って半田回収部3に流れ込む。この状態になれば、半田付けを行いたいレッグ部82を備えた電子部品81が実装された回路基板80を半田噴出口40に近づけて半田付けを行うことができる。
図4(c)は半田付けを行いたいレッグ部82を備えた電子部品81が実装された回路基板80を半田噴出口40から噴出する半田9に接触させ、レッグ部82の半田付けを行っている状態を示すものである。ノズル4の半田噴出口40から噴出し、回路基板80のレッグ部82の半田付けを行った半田9は、傾斜した天井壁20を伝って半田回収部3に流れ込んで回収される。回路基板80のレッグ部82の半田付けが終了すると、エアポンプ60の動作を停止し、逆止弁5を開く。すると、半田回収部3内に貯まった半田9が連通孔31を通って半田貯留部2に戻り、図4(d)の状態になる。この状態は図4(a)の状態と同じであり、再度半田付けを行う場合には、図4(a)から図4(c)の動作を繰り返す。
図5(a)は、従来の半田付け装置による半田付けの方法を示す図である。従来の半田付け装置のノズル4は円筒形や角筒形をしているものが多く、ノズル4から噴出する半田9の量が少なかった。このため、回路基板80に実装された多数のレッグ部82を備えた電子部品81のレッグ部82を半田付けするには、回路基板80をレッグ部82の並ぶ方向に沿ってノズル4の上を通さなければならず、ノズル4から外れないように回路基板80を移動させることが困難であった。
これに対して、以上説明した本発明の半田付け装置100では、ノズル4が所定幅で或る程度の長さを備えているので、図5(b)に示すように、ノズル4の半田噴出口40から噴出する半田9の量が多く、噴出する半田の形状は横長で、所定の面積を備えている。このため、回路基板80に実装された多数のレッグ部82を備えた電子部品81のレッグ部を半田付けする場合には、回路基板80のレッグ部82が並ぶ部分を、ノズル4の上方から半田噴出口40にタッチさせるだけで済むので、半田付け作業が容易に行える上に、半田付け時間も短縮できる。また、ノズル4の半田噴出口40の面積が大きいと、半田付け対象製品の範囲が広がる。
次に、図6(a)、(b)を用いて本発明の半田付け装置100に装備させた半田貯留量不足検出装置77の一例の構成と動作を説明する。半田貯留量不足検出装置77は、半田付け装置100内の半田9が不足した時にこれを検出するものである。半田貯留量不足検出装置77は、逆止弁5の弁軸51の所定箇所に絶縁体72を介して取り付けた液位検出電極73、液位検出電極73の検出出力を外部に取り出すリード線78、リード線78に接続されたアラーム装置74、液位が正常時に点灯するランプ75及びバッテリ76から構成される。バッテリ76の一方の電極は半田付け装置本体1の外壁面に接続される。液位検出電極73の弁軸51への取付位置は、半田付け装置100内の半田9の量が不足した時に露出する位置である。
半田付け装置100内の半田9の量が十分にある場合は、図6(a)に示すように、逆止弁5が開いた状態で液位検出電極73は半田9の中に位置する。この状態では、液位検出電極73は半田9と半田付け装置本体1の外壁面を通じてバッテリ76の一方の電極に接続される。このため、アラーム74とランプ75がバッテリ76によって通電され、アラーム74は沈黙しているが、ランプ75は半田の残留液位が正常状態であることを示すために点灯している。
一方、半田付け装置100内の半田9の量が不足した場合は、図6(b)に示すように、逆止弁5が開いた状態で液位検出電極73が半田9の液位よりも上になり、空中に露出する。この状態では、液位検出電極73は半田9を通じてバッテリ76の一方の電極に接続されない。このため、アラーム74とランプ75の、バッテリ76との導通が失われ、ランプ75は半田の残留液位が正常状態でないことを示すために消灯し、アラーム74からは警報が発せられる。半田付け作業者はこの警報とランプ75の消灯によって半田付け装置100内の半田9の量の不足を知ることができるので、半田9を補充することにより以後もスムーズに半田付け作業を行うことができる。
図7(a)は、図2に示した一実施例の半田付け装置100の変形実施例の半田付け装置101の構成を示すものである。変形実施例の半田付け装置101の半田付け装置本体1の構成は、図2に示した一実施例の半田付け装置本体1の構成と同じで良いのでここでは図示を省略する。また、変形実施例の半田付け装置101の半田貯留部2の天井壁20の構成において、図2に示した一実施例と同じ構成部分には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
変形実施例の半田付け装置101の半田貯留部2の天井壁20が、図2に示した一実施例の半田貯留部2の天井壁20と異なる部分は、ノズル4Aの形状である。一実施例の半田付け装置100のノズル4には、天井壁20の長手方向に細長く形成された矩形状の筒体であり、ノズル4の頂面に単一の半田噴出口40がある。一方、変形実施例の半田付け装置101のノズル4Aは、ノズル4Aの頂面には2つの半田噴出口41と42がある。2つの半田噴出口41と42の間はギャップ部44で離間されている。ノズル4Aの短手方向の幅と長手方向の長さ及び垂直方向の長さはノズル4と同じで良い。また、ギャップ部44の位置は特に規定されるものではなく、半田付けする製品に合わせてギャップ部44の位置が異なるノズル4Aを作ることができる。変形実施例の半田付け装置101では、基板への取付位置が異なる2種類の電子部品の半田付けを同時に行うことができる。
図7(b)は、図2に示した一実施例の半田付け装置100の他の実施例の半田付け装置102の構成を示すものである。他の実施例の半田付け装置102の半田付け装置本体1の構成は、図2に示した一実施例の半田付け装置本体1の構成と同じで良いのでここでは図示を省略する。また、他の実施例の半田付け装置102の半田貯留部2の天井壁20の構成において、図2に示した一実施例と同じ構成部分には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
他の実施例の半田付け装置102の半田貯留部2の天井壁20の構成が、図2に示した一実施例の半田貯留部2の天井壁20の構成と異なる部分は、ノズル4Bの形状である。一実施例の半田付け装置100のノズル4は、天井壁20の長手方向に細長く形成された矩形状の筒体であり、ノズル4の頂面に単一の半田噴出口40がある。一方、他の実施例の半田付け装置102のノズル4Bは円筒状であり、ノズル4Bの頂面には円形の半田噴出口43がある。ノズル4Bの垂直方向の長さはノズル4と同じで良い。また、他の実施例の半田付け装置102では、レッグ部の数が少ない電子部品の回路基板への半田付けを行うことができる。また、ノズル4Bの断面形状は楕円形でも良く、ノズル4Bの隣りに二点鎖線で示すようにノズル4Cを追加することもできる。ノズル4B、4Cの直径は半田付けする回路基板のレッグ部の大きさに応じて決めれば良い。
図8は、図1に示した半田付け装置100を使用した第1の形態の自動半田付け装置200の一実施例の構成を示すものである。この実施例の自動半田付け装置200は、同一種類の回路基板を効率良く半田付けするためのものである。自動半田付け装置200には、半田付け装置100を左右方向及び上下方向に移動させる移動装置として、X方向に移動させるX方向移動装置90X、Y方向に移動させるY方向移動装置90Y及びZ方向に移動させるZ方向移動装置90Zがある。X方向移動装置90Xは、所定距離離れた2本の平行なX方向ガイドレール91に沿って移動する2つの移動体を備え、両者は2本のY方向ガイドレール92で接続されている。Y方向移動装置90YはこのY方向ガイドレール92に沿って移動する。また、Y方向移動装置90Yの上にはZ方向移動装置90Zが取り付けられており、このZ方向移動装置90Zの上に1つの半田付け装置100が取り付けられている。
これら3つのX方向移動装置90X、Y方向移動装置90Y及びZ方向移動装置90Zにより、半田付け装置100は、自動半田付け装置200内を自在に移動することができる。そして、自在に移動できる半田付け装置100の上に回路基板搬送装置85が設けられており、半田付けを行う回路基板80を搬送する。回路基板搬送装置85は公知であるので、ここでは説明を省略する。更に、3つのX方向移動装置90X、Y方向移動装置90Y及びZ方向移動装置90Z、回路基板搬送装置85、前述の気体供給源(図示せず)、逆止弁駆動装置(図示せず)及び半田貯留量不足検出装置77は、制御装置10によって駆動制御される。
ここで、制御装置10の動作の一例について説明する。制御装置10は、まず、回路基板搬送装置85を駆動して半田付けを行う回路基板80を半田付け位置に搬送して静止させる。半田付け装置100は、予めX方向移動装置90XとY方向移動装置90Yによって半田付け位置に合わせて位置決めされており、回路基板80が回路基板搬送装置85によって半田付け位置に搬送されると、Z方向移動装置90Zによって半田付け装置100が半田付け位置まで上昇させられる。制御装置10は次に、Z方向移動装置90Zが半田付け装置100を上昇させている時に、逆止弁駆動装置50を駆動して逆止弁5を閉じ、気体供給源60を駆動して半田貯留部2内に圧縮空気を送り、ノズル4から半田貯留部2内の半田9を噴出させる。半田付け装置100を上昇させるタイミングは、回路基板80を半田付け位置に搬送して静止させる少し前でも良い。
半田付け装置100が上昇して、回路基板80に半田付けが行われ、半田付けが終了すると、制御装置100は気体供給源60の駆動を停止した後に、Z方向移動装置90Zによって半田付け装置100を半田付け位置から下降させる。回路基板80の半田付け位置が変わらない場合は、X方向移動装置90XとY方向移動装置90Yは駆動する必要はない。そして、半田付け装置100を半田付け位置から下降させる途中で、制御装置10は逆止弁駆動装置50を駆動して逆止弁5を開き、半田貯留部2と半田回収部3の半田9の液位を合わせて次の半田付けに備える。この後、制御装置10は次の回路基板80を半田付け位置に搬送するべく回路基板搬送装置85を駆動して以上の動作を繰り返すので、回路基板80の半田付けが自動で行える。
なお、制御装置10は、半田付け装置100を半田付け位置から下降させる時に、半田液面が下降による加減速でこぼれないように液面制御する。また、回路基板搬送装置85が異種の回路基板80を搬送して半田付けを行う場合は、制御装置10は半田付け装置100を半田付け位置から下降させた後に、X方向移動装置90XとY方向移動装置90Yを駆動して、半田付け装置100を次の半田付け位置に移動させれば良い。以上の制御装置10の半田付け装置100の駆動方法はあくまでも一例であり、制御装置10の制御手順はこの実施例に制限されるものではない。
図9は、本発明の第2の形態の自動半田付け装置200Aの一実施例の構成を示すものである。図8に示した第1の形態の自動半田付け装置200は、同一種類の回路基板を効率良く半田付けするためのものであったが、図9に示す第2の形態の自動半田付け装置200Aは、半田付け位置の異なる複数種類の回路基板を、1つの装置で効率良く半田付けするためのものである。このため、図9に示す自動半田付け装置200AのY方向移動装置90Yの上には、第1、第2、第3の3つの半田付け装置100A、100B、100Cが、それぞれ独立に動作する第1、第2、第3の3つのZ方向移動装置90ZA、90ZB、90ZCに搭載されて設けられている。
この実施例では、第1の半田付け装置100Aは、図1に示した半田付け装置100と同様のものであり、矩形状のノズル4を備える。また、第2の半田付け装置100Bは、図1に示した半田付け装置100の矩形状のノズル4の全長が半分程度のノズル4Dを備える。更に、第3の半田付け装置100Cは、図6(b)に示した半田付け装置102と同様の円筒状のノズル4Bを備える。これらのノズル4、4B、4Dは、第1、第2、第3のZ方向移動装置90ZA、90ZB、90ZCにより、独立に半田付け位置まで上昇し、下降することができる。なお、X方向移動装置90XとY方向移動装置90Yの構成は、図8に示したものと変わりが無いので、ここではこれらの説明を省略する。
自在に移動できる第1、第2、第3の半田付け装置100A、100B、100Cの上に、回路基板搬送装置85が設けられている点も同様である。また、X方向移動装置90X、Y方向移動装置90Y、第1、第2、第3のZ方向移動装置90ZA、90ZB、90ZC、回路基板搬送装置85、前述の気体供給源(図示せず)、逆止弁駆動装置(図示せず)及び半田貯留量不足検出装置77が、制御装置10によって駆動制御される点も同様である。
ここで、自動半田付け装置200Aにおける制御装置10の動作の一例について説明する。図8に示した自動半田付け装置200では、回路基板搬送装置85によって同一の種類の回路基板80が搬送される。一方、図9に示した自動半田付け装置200Aでは、回路基板搬送装置85によって多品種の回路基板80が搬送される。ここでは、説明を簡単にするために、回路基板搬送装置85によって第1の回路基板80A、第2の回路基板80B及び第3の回路基板80Cが搬送されるものとする。
自動半田付け装置200Aによる半田付けが必要な部品としては、第1の回路基板80Aにはレッグ部82が多数並ぶ電子部品81があり、第2の回路基板80Bにはレッグ部82の数が電子部品81の半分程度の電子部品81Cがあり、第3の回路基板80Cには第2の回路基板80Bとは取り付け位置が異なる電子部品81Cと、基板の搬送方向に半田付けが必要なピン(図示せず)が多数並ぶ電子部品81Dがある。例えば、第1と第2の回路基板80A、80Bは大量生産するワーク(大口品)であり、第3の回路基板80Cは少量生産ワーク(小口品)である場合にこのような状況が存在する。
そして、第1の半田付け装置100Aは第1の回路基板80Aにある電子部品81を半田付けするのに適したノズル4を備えており、第2の半田付け装置100Bは第2の回路基板80Bと第3の回路基板80Cにある電子部品81Cを半田付けするのに適したノズル4Dを備えており、第3の半田付け装置100Cは第3の回路基板80Cにある電子部品81Dを半田付けするのに適したノズル4Bを備えているものとする。なお、ノズル4Bは円筒状の汎用ノズルであり、回路基板の搬送方向や搬送方向に垂直な方向に移動させて電子部品に半田付けを行う、所謂引き半田と呼ばれる半田付けに使用されるものである。ノズル4Bによる電子部品4Dの半田付けについては後に詳述する。
この場合、第1、第2、第3のZ方向移動装置90ZA、90ZB、90ZCには、それぞれ、第1、第2、第3の半田付け装置100A、100B、100Cを搭載する。第1、第2、第3の半田付け装置100A、100B、100Cのどれを、第1、第2、第3のZ方向移動装置90ZA、90ZB、90ZCのどれに搭載するかは、任意で良い。更に、回路基板搬送装置85の上流側には、回路基板搬送装置85の上を流れる回路基板の種類を判別する図示しないセンサがあり、センサで検出された回路基板の種類は、回路基板が半田付け位置に到達する前に制御装置10に入力されているものとする。
制御装置10は最初に、次に半田付けを行う回路基板の種類を確認する。ここでは、次に半田付けを行う回路基板が第2の回路基板80Bである場合について説明する。次いで制御装置10は回路基板搬送装置85を駆動して半田付けを行う第2の回路基板80Bを半田付け位置に搬送して静止させる。第2の回路基板80Bに対応する第2の半田付け装置100Bは、予めX方向移動装置90XとY方向移動装置90Yによって半田付け位置に合わせて位置決めされている。第2の回路基板80Bが回路基板搬送装置85によって半田付け位置に搬送されると、第2のZ方向移動装置90ZBによって第2の半田付け装置100Bが半田付け位置まで上昇させられる。制御装置10は、第2の半田付け装置100Bの上昇中に逆止弁駆動装置50を駆動して逆止弁5を閉じ、気体供給源60を駆動して半田貯留部2内に圧縮空気を送り、ノズル4Dから半田貯留部2内の半田9を噴出させる。
第2の半田付け装置100Bの上昇により、第2の回路基板80Bに半田付けが行われると、制御装置10は気体供給源60の駆動を停止した後に、第2のZ方向移動装置90ZBによって第2の半田付け装置100Bを半田付け位置から下降させる。そして、第2の半田付け装置100Bを半田付け位置から下降させる途中で、制御装置10は逆止弁駆動装置50を駆動して逆止弁5を開き、半田貯留部2と半田回収部3の半田9の液位を合わせて次の半田付けに備える。
次に半田付けを行う回路基板が同じく第2の回路基板80Bである場合は、X方向移動装置90XとY方向移動装置90Yは駆動する必要はない。一方、図9に示した実施例のように、次に半田付けを行う回路基板が第3の回路基板80Cである場合は、制御装置10はX方向移動装置90XとY方向移動装置90Yを駆動して、第2の半田付け装置100Bの位置を第3の回路基板80Cにおける電子部品81Cの半田付け位置に合わせる。そして、制御装置10は回路基板搬送装置85を駆動して半田付けを行う第3の回路基板80Cを半田付け位置に搬送して静止させ、前述同様の動作で第2の半田付け装置100Bに半田付けを行わせる。
第3の回路基板80Cにはもう1つ半田付けを行う電子部品81Dがあるので、制御回路10は第2の半田付け装置100Bを半田付け位置から下降させた後に、X方向移動装置90XとY方向移動装置90Yを駆動して、第3の半田付け装置100Cの位置を第3の回路基板80Cにおける電子部品81Dの半田付け位置に合わせる。そして、制御装置10は回路基板搬送装置85を駆動して第3の回路基板80Cを半田付け位置に搬送して静止させ、第3の半田付け装置100Cを上昇させて電子部品81Dの先端部(搬送装置85の下流側の端部)に半田付けを行わせる。次に、制御装置10は、X方向移動装置90Xのみを駆動して、ノズル4Bを電子部品81Dの後端部(搬送装置85の下流側の端部)まで移動させて電子部品81Dの全てのピンに半田付けを行う。なお、電子部品81Dのピンの半田付けに際しては、X方向移動装置90Xを駆動する代わりに、回路基板搬送装置85を駆動して第3の回路基板80Cを移動させても良い。
この後、制御装置10は、次に半田付けを行う回路基板を半田付け位置に搬送するべく回路基板搬送装置85を駆動すると共に、次に半田付けを行う回路基板の種類を判別して対応する半田付け装置を半田付け位置に移動させる動作を繰り返すので、多種類の回路基板に対しても半田付けが自動で行える。第1、第2、第3のZ方向移動装置90ZA、90ZB、90ZCの上に搭載する半田付け装置は、回路基板搬送装置85に搬送させる回路基板の種類、即ち半田付けを行う電子部品の半田付け領域に応じて、その半田付け領域に適したノズル形状を備える半田付け装置を選択すれば良い。
図8に示した第1の形態の自動半田付け装置200は、専用の矩形ノズルを備えて1種類の回路基板の半田付けに用いられ、半田付けのスピードを向上させることができる。一方、図9に示した第2の形態の自動半田付け装置200Aは、専用の矩形ノズルと汎用の円筒形ノズルの両方を備えており、切り換えて使用することにより、多種類の回路基板の半田付けに用いることができる。例えば、10種類の回路基板に対して、従来は10種類の専用ノズルを準備する必要があったが、第2の形態の自動半田付け装置200Aには矩形ノズルと円筒状ノズルの両方が備えられているので、両者の組み合わせによって、大量生産品には専用の矩形ノズルで半田付けを行い、少量生産品に対しては汎用の円筒状ノズルを走査させて半田付けすることにより対応できる。
そして、本発明の半田付け装置は、気体で半田を噴出させる構成であり、モータが必要ないので小型化ができる。このため、図9に示した第2の形態の自動半田付け装置200Aのように、複数の半田付け装置をZ方向移動装置の上に取り付ける構成が可能となる。