JP5602806B2 - エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物 - Google Patents
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Description
また、ポルフィリンとしては、例えば、フッ素置換されたポルフィリンが知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、このオイルに含有させる染料としてポルフィリン系染料を用いると、非極性溶媒に対する染料の溶解性が不足する場合がある。また、非極性溶媒に対してある程度の溶解性を示すポルフィリン系染料を用いた場合であっても、画像表示時の応答性が不足する場合や、バックフロー現象による画像乱れが生じる場合がある。
ここで、バックフローとは、電圧印加した状態で保持されたときに収縮して減少したオイルの面積が、経時で広がる現象である。
即ち、前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
Rは、炭素数4〜30のアルキル基を表し、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R2)−を表し、nは、1〜8の整数を表す。
R1は、水素原子、アルキル基、アリール基、又は−X11−R11を表し、R2は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
R11は、炭素数4〜30のアルキル基を表し、X11は、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R12)−を表す。
R12は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。〕
<3> 前記R及び前記R11が、炭素数4〜20のアルキル基である<1>又は<2>に記載のエレクトロウェッティング表示装置である。
<4> 前記A1〜A4が、窒素原子である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置である。
Rは、炭素数4〜30のアルキル基を表し、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R2)−を表し、nは、1〜8の整数を表す。
R1は、水素原子、アルキル基、アリール基、又は−X11−R11を表し、R2は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
R11は、炭素数4〜30のアルキル基を表し、X11は、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R12)−を表す。
R12は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。〕
<7> 前記R及び前記R11が、炭素数4〜20のアルキル基である<5>又は<6>に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
<8> 前記A1〜A4が、窒素原子である<5>〜<7>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
このオイル16は染料組成物であり、非極性溶媒及び後述する一般式(1)で表されるポルフィリン系染料を含有する。
しかし、画像表示を担う流体としてのオイル中にポルフィリン系染料を含有させると、非極性溶媒に対する染料の溶解性が不足する場合がある。また、非極性溶媒に対してある程度の溶解性を有するポルフィリン系染料を用いた場合であっても、画像表示時の応答性が不足する場合や、バックフロー現象による画像乱れが生じる場合がある。
この点に関し、本発明によれば、エレクトロウェッティング技術のオイル相の着色に使用するポルフィリン系染料として、後述する一般式(1)で表されるポルフィリン系染料を選択して用いることで、染料溶解性を確保しつつ、画像表示時の応答性、及び電圧印加状態としたときのバックフローが特異的に改善される。
また、基材として、薄膜トランジスタ(TFT)が設けられたTFT基板を用いることもできる。この場合、導電膜がTFTに接続された形態(すなわち、導電膜がTFTに接続された画素電極である形態)が好適である。これにより、画素ごとに独立して電圧を印加できるようになり、TFTを備えた公知の液晶表示装置と同様に、画像表示装置全体のアクティブ駆動が可能となる。
TFT基板における、TFT、各種配線、積蓄容量等の配置については、公知の配置とすることができ、例えば、特開2009−86668号公報に記載された配置を参照することができる。
ITOを含む膜における酸化スズの量は、抵抗値を小さくする点で、5〜15質量%の範囲が好ましく、8〜12質量%の範囲がより好ましい。
接触角は、JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」内の「6.静滴法」に記載された方法が適用される。具体的には、接触角測定器(協和界面科学(株)製の接触角計CA−A)を用い、20メモリの大きさの水滴をつくり、針先から水滴を出して、疎水性絶縁膜に接触させて水滴を形成し、10秒静置後、接触角計の覗き穴から水滴の形状を観察したときの接触角θ(25℃)から求められる。
本実施形態では、5員環状パーフルオロジエンを共重合した共重合体で構成されている。
架橋構造の形成において、多官能性化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
多官能性化合物である含フッ素化合物としては、例えば、特開2006−28280号公報の段落0007〜0032に記載された含フッ素化合物を用いることができる。
重合の開始方法は、重合開始剤(例えばラジカル開始剤)を用いる方法、光又は放射線を照射する方法、酸を加える方法、光酸発生剤を添加した後に光を照射する方法、加熱により脱水縮合させる方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二著、「高分子合成方法」改訂版(日刊工業新聞社刊、1971年)や大津隆行・木下雅悦共著、「高分子合成の実験法」、化学同人、昭和47年、124〜154頁に記載されている。
硬化性組成物中における溶剤の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、硬化性組成物の全質量に対して、20〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。
熱の作用によりラジカル重合を開始する重合開始剤としては、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物、ジアゾ化合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロペルオキシドが挙げられる。無機過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、有機アゾ化合物として2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル、2−アゾ−ビス−シクロヘキサンジニトリル等が、ジアゾ化合物としては、例えばジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウムなどが挙げられる。
ヒドロキシアルキルフェノン類の例には、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが含まれる。
アミノアルキルフェノン類の例には、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが含まれる。
アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノンが含まれる。
ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。
ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンが含まれる。
ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
また、これらの重合開始剤と併用して増感色素を用いることもできる。
その他の成分を含有する場合、その含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0〜30質量%の範囲であることが好ましく、0〜20質量%の範囲であることがより好ましく、0〜10質量%の範囲であることが特に好ましい。
疎水性絶縁膜は、下記の方法により好適に作製できる。すなわち、
基板11の導電性が付与されている面(本実施形態では基板11の導電膜11bの表面)に、多官能性化合物を含有する硬化性組成物を付与して硬化性層を形成する硬化性層形成工程と、形成された硬化性層中の多官能性化合物を重合させて該硬化性層を硬化させる硬化工程とを有する方法である。このような方法により、架橋構造を有する疎水性絶縁膜が形成される。
塗布法による場合、基板11上に硬化性組成物を塗布し(好ましくは乾燥させて)硬化性層を形成する。塗布法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法等の公知の方法を用いることができる。
転写法による場合、あらかじめ硬化性組成物を用いて形成された硬化性層を有する転写材料を準備しておき、該転写材料の硬化性層を基板11上に転写することにより、基板11上に硬化性層を形成する。転写法の詳細については、例えば、特開2008−202006号公報の段落0094〜0121や特開2008−139378号公報の段落0076〜0090を参照することができる。
露光に用いられる活性エネルギー線としては、例えば、紫外線(g線、h線、i線等)、電子線、X線が好ましく用いられる。露光は、プロキシミティ方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式等の公知の露光装置を用いて行なってもよい。露光時の露光量は、例えば、10mJ/cm2〜2000mJ/cm2とすることができ、50mJ/cm2〜1000mJ/cm2が好ましい。
露光の際には、所定のフォトマスクを介して露光し、次いでアルカリ溶液などの現像液を用いて現像することにより、所望とするパターンにパターニングされた疎水性絶縁膜を得ることも可能である。
また、加熱は、例えば、ホットプレートや炉を用いた公知の方法により行なうことができる。加熱温度は適宜設定できるが、例えば100℃〜280℃とすることができ、150℃〜250℃が好ましい。加熱時間も適宜設定できるが、例えば、2分〜120分とすることができ、5分〜60分が好ましい。
比誘電率は、オイルをセルギャップ10μmのITO透明電極付きガラスセルに注入し、得られたセルの電気容量を、エヌエフ株式会社製の型式2353LCRメーター(測定周波数:1kHz)を用いて20℃、40%RHにて測定し、得られた電気容量に基づいて求められる値である。
オイル16は、非極性溶媒の少なくとも一種を含む。非極性溶媒とは、比誘電率の値が小さい溶媒(いわゆる無極性溶媒)をいう。非極性溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒(好ましくは、炭素数6〜30の脂肪族炭化水素系溶媒)、脂肪族炭化水素系溶媒がフッ素で置換された溶媒(例えばフルオロカーボンオイル等)、シリコーン系溶媒(例えばシリコーンオイル等)などが挙げられる。中でも、脂肪族炭化水素系溶媒が好ましい。
また、オイルには、非極性溶媒以外の他の溶媒が含まれてもよい。この場合、非極性溶媒のオイル中に占める比率は、オイル中の溶媒全量に対して70質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上である。
本発明におけるオイル(例えばオイル16)は、色材として、下記一般式(1)で表されるポルフィリン系染料(以下、「特定ポルフィリン系染料」ともいう)を少なくとも1種含有する。
前記特定ポルフィリン系染料は、オイルの溶媒である非極性溶媒に対する溶解性が高いため、前記特定ポルフィリン系染料を色材として用いることで、オイル中における染料の濃度を向上させることができ、ひいては画像の色濃度を向上させることができる。
更に、前記特定ポルフィリン系染料を含むオイルを用いることにより、画像表示時の応答性が向上し、電圧印加状態としたときのバックフローが抑制される。応答性が向上し、バックフロー現象が抑制される理由は、前記特定ポルフィリン系染料の比誘電率が低いためと推測される。
前記特定ポルフィリン系染料は、イエロー〜シアンの色相の染料として好適である。
Rは、炭素数4〜30のアルキル基を表し、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R2)−を表し、nは、1〜8の整数を表す。
R1は、水素原子、アルキル基、アリール基、又は−X11−R11を表し、R2は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
R11は、炭素数4〜30のアルキル基を表し、X11は、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R12)−を表す。
R12は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
ここで、R1は、水素原子、アルキル基、アリール基、又は−X11−R11を表す。
前記R1がアルキル基である場合における該アルキル基としては、炭素数1〜20(より好ましくは1〜15)のアルキル基が好ましい。前記アルキル基は、直鎖アルキル基であっても分岐アルキル基であっても環状アルキル基であってもよい。また、前記アルキル基は、必要に応じ、後述する置換基によって置換されていてもよい。
前記R1がアリール基である場合における該アリール基としては、炭素数6〜20(より好ましくは6〜15)のアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。前記アリール基は、必要に応じ、後述する置換基によって置換されていてもよい。
前記R1が−X11−R11である場合における該X11及び該R11については後述する。
前記特定ポルフィリン系染料のうち、前記A1〜前記A4が窒素原子(−N=)である染料は、紫〜シアンの色相の染料として好適であり、前記A1〜前記A4が−C(R1)=である染料は、イエローの色相の染料として好適である。
前記金属原子としては、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe、等が挙げられる。
前記金属酸化物としては、VO、TiO、等が挙げられる。
前記金属水酸化物としては、Si(OH)2等が挙げられる。
前記金属ハロゲン化物としては、AlCl、InCl、FeCl、TiCl2、SnCl2、SiCl2、GeCl2、等が挙げられる。
前記Mとしては、色相及びモル吸光係数の観点からは、金属原子、金属ハロゲン化物、又は、2個の水素原子が好ましく、Mg、Cu、Zn、AlCl、又は、2個の水素原子がより好ましく、Mg又は2個の水素原子が特に好ましい。
一般式(1)において、nは、−X−Rの数を表す。
前記nは、1〜8の整数を表すが、本発明の効果をより効果的に奏する観点からは、4〜8の整数が好ましく、6〜8の整数がより好ましく、8が最も好ましい。
前記nが2以上の整数である場合、2以上存在する−X−Rは、同一であっても異なっていてもよい。
Rで表されるアルキル基の炭素数が3未満であると、染料の溶解性が不足する場合や、応答性が低下する場合、バックフロー現象が顕著となる場合がある。
Rで表されるアルキル基の炭素数が30を超えると、染料の分子量が大きくなり、染料の溶解性やモル吸光係数が低下する場合がある。
前記Rで表されるアルキル基の炭素数は、4〜20が好ましく、8〜10が特に好ましい。
前記Rで表されるアルキル基は、直鎖アルキル基であっても分岐アルキル基であっても環状アルキル基であってもよいが、染料の溶解性の観点からは、分岐アルキル基であることが好ましい。更には、炭素数4〜20(より好ましくは炭素数8〜10)の分岐アルキル基であることが特に好ましい。
前記Rで表されるアルキル基は、必要に応じ、後述の置換基によって置換されていてもよい。例えば、応答性向上及びバックフロー抑制の観点からは、前記Rで表されるアルキル基が、フッ化アルキル基であることも好ましい。
前記R2は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
前記R2がアリール基である場合における該アリール基は、前記R1の説明で述べたアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記R2がアルキル基である場合における該アルキル基は、前記R1の説明で述べたアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記Xとしては特に限定はないが、色相の観点からは、単結合、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、単結合又は硫黄原子が特に好ましい。
前記R11及び前記R12は、それぞれ、前記R及び前記R2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
また、前記X11の好ましい範囲は、前記Xの好ましい範囲と同様である。
特に、応答性向上及びバックフロー抑制の観点からは、前記特定ポルフィリン系染料が、フッ素原子によって置換されていることも好ましい。
例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等;好ましくはフッ素原子)、アルキル基(好ましくは2−エチルヘキシル基)、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、アルコキシ基(好ましくは2−エチルヘキシロキシ基)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモイルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、アゾ基、アルキルチオ基(好ましくは2−エチルヘキシルチオ基)、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、ホスホニル基、ホスフィノイルアミノ基、等である。
更に、前記置換基が更に置換可能な基である場合には、上述した各基のいずれかによって更に置換されていてもよい。なお、前記置換基が2個以上の置換基を有している場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本発明において、吸収極大波長は、可視光領域(380nm〜770nm)での吸収極大波長を指す。
ここで、染料の比誘電率は、染料希薄溶液における染料濃度と比誘電率との関係を示す直線(検量線)を外挿することにより求められた、染料濃度100%のときの比誘電率(計算値)を指す。
染料希薄溶液の比誘電率は、電極間隔を10μmとして対向させた2つの電極間に染料希釈溶液を挟持させた状態で、測定周波数1kHz、測定電圧1.0V印加時の等価並列容量を測定し、得られた等価並列容量に基づき、下式により算出する。
染料希釈溶液の比誘電率=等価並列容量×電極間隔/電極面積/真空の誘電率(ε0)
なお、以下において、「25℃、0.1MPaにおけるn−デカンに対する溶解度」を単に「溶解度」ともいう。
前記特定ポルフィリン系染料を、エレクトロウェッティング法の原理で動作する表示装置を製造するための表示用部材であるオイルに適用する場合、溶解度は、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。溶解度は高ければ高いほど好ましいが、通常その上限値は80質量%程度である。
以上、前記特定ポルフィリン系染料のn−ヘキサンに対する溶解度の好ましい範囲を示したが、前記特定ポルフィリン系染料のn−デカンに対する溶解度の好ましい範囲も、上記範囲と同様である。
なお、以下の具体例において、Etはエチル基を、Buはブチル基を、Hexはヘキシル基を、Octはオクチル基を、それぞれ表す。また、「R」欄及び「R11」欄に示した基の波線は、結合位置を表す。また、「M」欄がHである具体例は、一般式(1)中のMが、2個の水素原子である具体例である。
また、一般式(1)におけるA1〜A4が−C(R1)=である特定ポルフィリン系染料は、例えば、Journal of American Chemical Society、第120巻、第11802ページ、1998年に記載の方法により合成できる。
特に、一般式(1)におけるRが分岐アルキル基である特定ポルフィリン系染料は、例えば、分岐アルキル基を有するジシアノエチレン誘導体を金属触媒存在下にて反応させる方法、分岐アルキル基を有するピロール誘導体とアルデヒド化合物を反応させる方法、又は、ピロール誘導体と分岐アルキル基を有するアルデヒド化合物を反応させる方法により合成できる。
例えば、本発明におけるオイルは、前記特定ポルフィリン系染料を1種含有して構成されたものでもよいし、2種以上を含有して構成されたものでもよい。
また、本発明におけるオイルは、前記特定ポルフィリン系染料以外の色素を含有していてもよい。
前記特定ポルフィリン系染料以外の色素としては、例えば、メチン色素、アゾメチン色素、アゾ色素、アントラキノン、フタロシアニンなどが挙げられるが、特に制限されるものではない。
複数の染料を組み合わせて用いる場合、その組み合わせとしては、吸収波長が400〜500nmの範囲のイエロー染料(前記A1〜前記A4が−C(R1)=である特定ポルフィリン系染料を含む)、吸収波長が500〜600nmの範囲のマゼンタ染料、吸収波長が600〜700nmの範囲のシアン染料(前記A1〜前記A4が窒素原子(−N=)である特定ポルフィリン系染料を含む)を混合して用いることが好ましい。
「黒色」とは、450nm、500nm、550nm、600nmにおける各々の透過率のうち、最大値となる透過率と最小値となる透過率との差が20%以下である性質を示し、前記差は、好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
オイル中に含有される色材の含有比率が高くなると、表示画像の濃度や鮮明性等がより向上する。
一方、オイル中に含有される色材の含有比率が高くなるに従い、電圧印加時のオイルの応答性が低下するとともに電圧印加状態でのバックフロー現象も悪化し、画像表示性が低下する傾向にある。このため、特に、色材の含有比率が5質量%以上(好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上)であるオイル組成において、特定ポルフィリン系染料による応答性向上及びバックフロー低減の効果がより効果的に奏される。
また、色材の総量は、応答速度を高める観点から、オイル全量に対して70質量%以下であることが好ましく、より好ましくは65質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以下である。
オイルは、必要に応じて、他の成分として、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤を含有する場合、その含有量は特に制限されるものではないが、通常はオイルの全質量に対して20質量%以下程度で用いられる。
電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、テトラブチルアンモニウムクロリド等の塩が挙げられる。親水性液体中における電解質の濃度は、0.1〜10mol/Lが好ましく、0.1〜5mol/Lがより好ましい。
水性溶媒としては、水及びアルコールが好適であり、さらに水以外の水性溶媒を含んでいてもよい。アルコールとしては、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
水性溶媒は、界面活性剤を含まない方が応答性の観点から好ましい。
エレクトロウェッティング表示装置100のスイッチ26をオフし、電圧の印加をオフ状態とすると、再び図1の状態に戻る。
エレクトロウェッティング表示装置100では、図1及び図2に示す動作が繰り返し行なわれる。
例えば、図1及び図2では、基板11において、導電膜11bが基材11aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜11bが基材11aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。また、基板12では、導電膜12bが基材12aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜12bが基材12aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。
紫外線カット層としては公知のものを用いることができ、例えば、紫外線吸収剤を含有する紫外線カット層(例えば紫外線カットフィルム)を用いることができる。紫外線カット層は、波長380nmの光を90%以上吸収することが好ましい。
紫外線カット層は、第1の基板及び第2の基板の少なくとも一方の外側に接着剤を用いて貼り付ける方法等、公知の方法により設けることができる。
また、例えば、導電膜11bとして、反射板としての機能を兼ね備えた膜(例えばAl膜、Al合金膜などの金属膜)を用いたり、基材11aとして、反射板としての機能を兼ね備えた基板(例えばAl基板、Al合金基板などの金属基板)を用いたりすることで、反射型の画像表示装置の画素とすることもできる。
また、隔壁形成工程の後であってセル形成工程の前に、セルギャップ調整用のスペーサを形成するスペーサ形成工程が設けられていてもよい。
<特定ポルフィリン系染料(化合物P−1)の合成>
特定ポルフィリン系染料である下記化合物P−1(前述の例示化合物2)を、下記スキーム1に従って合成した。
(化合物M−3の合成)
化合物M−1(10.7g)(東京化成工業(株)製)と化合物M−2(27g)(東京化成工業(株)製)とをメタノール50ml中に加え、加熱還流を4時間行った。冷却後、減圧下メタノールを留去し、残さをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液ヘキサン+酢酸エチルエステル)にて精製し、目的物である化合物M−3(15g)を淡黄色オイルとして得た。
(化合物P−1の合成)
マグネシウムジエトキシド(0.66g)(関東化学(株)製)のn−プロパノール溶液20mlを3時間加熱還流した。この加熱還流後の溶液に、化合物M−3(2.1g)を添加して、さらに4時間加熱還流した。冷却後、減圧下n−プロパノールを留去し、残さをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液ヘキサン+酢酸エチルエステル)にて精製し、目的物である化合物P−1(0.9g)を黒青色オイルとして得た。
H-NMR(CDCl3) δ 0.8(t,12H)、0.9(m,24H )、1.2-1.3(m,24H)、1.5-1.8(m,12H)、4.0-4.1(m,8H).
特定ポルフィリン系染料である下記化合物P−2(前述の例示化合物1)を、下記スキーム2に従って合成した。
化合物P−1(0.5g)をクロロホルム10mlに溶解させ、そこに酢酸5mlを添加し、室温下1時間攪拌した。攪拌後の溶液にアンモニア水を添加して中和した後、酢酸エチルエステルにて有機層を抽出した。抽出された有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下溶媒を留去し、残さをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液ヘキサン)にて精製し、目的物である化合物P−2(0.4g)を黒青色オイルとして得た。
H-NMR(CDCl3) δ 0.8(t,12H)、0.9(m,24H )、1.2-1.3(m,24H)、1.5-1.8(m,12H)、4.1-4.2(m,8H).
市販品である比較化合物H−1〜H−3を準備した。
比較化合物H−1は、アルドリッチ社製のテトラフェニルポルフィリンである。
比較化合物H−2は、上記化合物P−1の合成において、化合物M−2(エチルヘキシルブロミド)の代わりに、ヨードメタンを用いたこと以外は上記化合物P−1の合成と同様にして合成した。
比較化合物H−3は、上記化合物P−1の合成において、化合物M−2(エチルヘキシルブロミド)の代わりに、ヨードプロパンを用いたこと以外は上記化合物P−1の合成と同様にして合成した。
<染料の溶解性及び比誘電率の評価>
(溶解性)
非極性溶媒としてのノルマルデカン(以下、単に「デカン」ともいう)に、上記各染料(化合物P−1、化合物P−2、比較化合物H−1、比較化合物H−2、又は比較化合物H−3)を添加し(このときの添加量は、溶液全体に対し40質量%に相当する量とした)、得られた溶液を50℃に加熱した後、室温(25℃)にて12時間放置した。放置後に溶け残った各染料の量に基づき、各染料のデカンに対する溶解度(25℃)を算出した。
結果を下記表1に示す。
各染料の比誘電率を以下の方法により求めた。
即ち、以下の方法で調製された数種類の濃度の染料希薄溶液の比誘電率を、それぞれ以下の方法で測定し、得られた結果から、染料濃度と比誘電率との関係を示す直線(検量線)を作成した。上記直線(検量線)を外挿することにより染料濃度100%での比誘電率(計算値)を求め、得られた値を染料の比誘電率とした。
その結果、化合物P−1の比誘電率は4.5であり、化合物P−2の比誘電率は4.1であり、いずれも低い比誘電率を示した。
これにより、化合物P−1及びP−2は、エレクトロウェッティング表示装置のオイルに含ませたときに、応答性を向上でき、バックフローを抑制できることが示唆された。
各染料(化合物P−1、化合物P−2、比較化合物H−1、比較化合物H−2、又は比較化合物H−3)と、有機溶剤であるノルマルデカン(n-Decane)とを混合して、数種類の濃度のノルマルデカン溶液(染料希薄溶液)を調整した。
電極間隔10μmとして対向させた並行平板のITO電極付きガラス基板で染料希薄溶液を狭持した後、測定周波数1kHz、測定電圧1.0V印加時の等価並列容量を、エヌエフ株式会社製の型式2353LCRメーターを用いて20℃、40%RHの条件下で測定し、得られた等価並列容量に基づき、下記式により染料希薄溶液の比誘電率を求めた。
染料希薄溶液の比誘電率=等価並列容量×電極間隔/電極面積/真空の誘電率(ε0)
−染料インクの調製−
アルゴンガスのバブリングにより溶存酸素が10ppm以下となるように調整したノルマルデカン(n-Decane)に、下記表2〜表4に示すように、染料濃度が1質量%、10質量%、40質量となるように添加した。このようにして、オイルとして用いる染料インクを調製した。
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたガラス基板(10mm×10mm)のITO膜の表面に、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番CTL−809M)を厚み600nmとなるように塗布し、フッ素ポリマー層を形成して疎水性絶縁膜とした。続いて、このフッ素ポリマー層上に、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み50μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×50μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁を置いて表示部を形成した。このシリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、上記のようにして調製した染料インクを厚み4μmとなるように注入した。注入された染料インクの上に、エチレングリコール(親水性液体)を厚み46μmとなるように注入した。その上部からさらにITO膜付ガラス基板を、ITO膜が染料インクやエチレングリコールと向き合うようにして置き、固定化した。このようにして、図1に示す構造を有するエレクトロウェッティングテストセルを作製した。
2枚のITO膜付ガラス基板の各ITO膜(透明電極)に、信号発生器にて100V直流電圧を印加(フッ素ポリマー層(疎水性絶縁膜)が形成されている側のITO電極にマイナス電圧を印加)し、表示セル(図2中の表示セル30)を観察したところ、染料インクがフッ素ポリマー層の表面を一方向に移動し、フッ素ポリマー層上を覆う面積が縮小していることを確認した。
このときの染料インクの応答性(下記の応答時間及び面積収縮率)、及び、電圧を印加したままの状態で保持したときのバックフロー現象の程度(下記のバックフロー比率)を評価した。
a)応答時間[msec]=電圧未印加状態から電圧印加を開始し、印加時点から最も縮んだ状態に達するまでに要した時間
b)面積収縮率[%]=(最も縮んだ時の染料インクの面積)/(電圧印加前の染料インクの面積)×100 ・・・(1)
c)バックフロー比率[%]=(電圧印加状態で5秒経過した後の染料インクの面積)/(最も縮んだ時の染料インクの面積)×100 ・・・(2)
11a,12a・・・基材
11b,12b・・・ITO膜
12・・・第2の基板
14・・・親水性液体
16・・・オイル
17A、17B・・・親水性液体とオイルとの界面
20・・・疎水性絶縁膜
22a、22b・・・シリコーンゴム壁
30・・・表示セル
100・・・エレクトロウェッティング表示装置
Claims (8)
- 少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板と、
前記第1の基板の導電性の表面に対向させて配置された第2の基板と、
前記第1の基板の導電性の表面を有する面側の少なくとも一部に配設された疎水性絶縁膜と、
前記疎水性絶縁膜と前記第2の基板との間に疎水性絶縁膜上を移動可能に設けられ、非極性溶媒及び下記一般式(1)で表されるポルフィリン系染料を含有する非導電性のオイルと、
前記疎水性絶縁膜と前記第2の基板との間に、前記オイルと接して設けられた導電性の親水性液体と、
を有する表示部を備え、
前記親水性液体と前記第1の基板の導電性の表面との間に電圧を印加し、前記オイルと前記親水性液体との界面の形状を変化させることで画像を表示するエレクトロウェッティング表示装置。
〔一般式(1)中、A1〜A4は、それぞれ独立に、窒素原子、又は−C(R1)=を表し、Mは、金属原子、金属酸化物、金属水酸化物、金属ハロゲン化物、又は、2個の水素原子を表し、−X−Rは、ピロール環に置換する一価の基を表す。
Rは、炭素数4〜30のアルキル基を表し、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R2)−を表し、nは、1〜8の整数を表す。
R1は、水素原子、アルキル基、アリール基、又は−X11−R11を表し、R2は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
R11は、炭素数4〜30のアルキル基を表し、X11は、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R12)−を表す。
R12は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。〕 - 前記R及び前記R11が、分岐アルキル基である請求項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
- 前記R及び前記R11が、炭素数4〜20のアルキル基である請求項1又は請求項2に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
- 前記A1〜A4が、窒素原子である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
- 非極性溶媒及び下記一般式(1)で表されるポルフィリン系染料を含有するエレクトロウェッティング表示用染料組成物。
〔一般式(1)中、A1〜A4は、それぞれ独立に、窒素原子、又は−C(R1)=を表し、Mは、金属原子、金属酸化物、金属水酸化物、金属ハロゲン化物、又は、2個の水素原子を表し、−X−Rは、ピロール環に置換する一価の基を表す。
Rは、炭素数4〜30のアルキル基を表し、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R2)−を表し、nは、1〜8の整数を表す。
R1は、水素原子、アルキル基、アリール基、又は−X11−R11を表し、R2は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
R11は、炭素数4〜30のアルキル基を表し、X11は、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R12)−を表す。
R12は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。〕 - 前記R及び前記R11が、分岐アルキル基である請求項5に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物。
- 前記R及び前記R11が、炭素数4〜20のアルキル基である請求項5又は請求項6に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物。
- 前記A1〜A4が、窒素原子である請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物。
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