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JP5602902B2 - トンネルの耐火施工方法 - Google Patents
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本発明は、トンネルの耐火施工方法に関する。
特許文献1には、表面に凹部を有する組立式構造物の凹部を耐火性の蓋材で塞ぎ、この蓋材表面を覆う耐火被覆材層を設けたことを特徴とする組立式構造物の耐火被覆構造物について開示されている。
特許文献2には、セグメント表面を耐火耐熱のキャスタブル材によりなる耐火耐熱部によって被覆したことを特徴とした耐火耐熱構造体について開示されている。
特開2004−324371号公報 特開2002−357098号公報
トンネル工事には、シールド工法、沈埋工法などが知られている。シールド工法においては、シールドマシーンでトンネルを掘削して、この掘削したトンネルの内壁に土留めと支保工を兼ねた一次被覆用資材であるセグメントを施工する。この場合に、トンネルの内壁を耐火被覆するための工法としては以下のようなものが知られている。
一つは、耐火モルタル吹付工法である。これは、セグメントにメッシュをアンカーによって取り付け、そして、そのメッシュを骨材としてセグメントに耐火モルタルを吹き付けるものである。
もう一つは、耐火パネル取付工法である。これは、耐火パネルをトンネル工事現場で取り付ける工法である。
さらに、セグメントプレ施工工法も知られている。これは、トンネルに施工前のセグメントに予め耐火材を施工しておく工法である。
一方、トンネル工事で用いるセグメントには、コンクリート製のセグメントと、鋼板製のセグメントとがある。このうち、鋼板製のセグメントを用いるのは、地盤が軟弱な場合や、トンネルに上下又は左右方向の曲がりがある場合である。トンネルの曲がりのない部分にはコンクリート製のセグメントが用いられる。そして、コンクリート製のセグメントに対しては、耐火モルタル吹付工法、耐火パネル取付工法、セグメントプレ施工工法の何れであっても容易に施工可能である。
しかしながら、鋼板製のセグメントの場合に、耐火モルタル吹付工法、耐火パネル取付工法、セグメントプレ施工工法を施工することは、何れも不具合が生じる。
まず、耐火モルタル吹付工法では、鋼板製のセグメントには中空部分があるので、耐火モルタルの吹き付けを行うと、この耐火モルタルは中空部分に入り込んでしまい、モルタルの層ができず、施工できないという不具合がある。
また、耐火モルタル吹付工法では、トンネルの曲がりが大きい場合は、壁面のRに追従するために耐火パネルを細かく裁断して貼り付けなければならないため、施工期間が長くなり、施工コストも高くなるという不具合がある。
さらに、セグメントプレ施工工法では、鋼板製のセグメントが厚い(耐火部分で30mm程度)ため、トンネルの曲がりが大きい場合は、施工が困難であるという不具合がある。
そこで、本発明の目的は、セグメントがコンクリート製であっても鋼板製であっても容易且つ低施工コストでセグメントに耐火被覆を行えるようにすることである。
本発明の一形態は、単一の可撓性の板で形成され、前記板に貫通穴が連続的に複数個形成されているメッシュが設けられ、前記板の表面に耐火モルタルを保持する、耐火モルタル保持用部材である。
この場合に、複数本のリブをさらに備え、前記メッシュは、前記リブ間に設けられている、ようにしてもよい。
本発明の別の一形態は、トンネルの内壁に中空部分を有するセグメントを取り付ける第1工程と、前記第1工程後、前記トンネルに取り付けられている前記セグメントの中空部分を覆うようにして前記セグメントに可撓性のある耐火モルタル保持用部材を取り付ける第2工程と、前記第2工程後、前記耐火モルタル保持用部材の表面側に塗布して耐火モルタルを保持させる第3工程と、を備えたことを特徴とするトンネルの耐火施工方法である。
この場合に、前記第3工程が、前記耐火モルタルを吹付機により吹き付けて前記耐火モルタルを前記耐火モルタル保持用部材の前記表面側に保持させる、ようにしてもよい。
また、可撓性のある単一の板の一辺に並行するとともに貫通する複数の切れ目を、前記板に千鳥状に入れた後、前記切れ目の長さ方向と直交する方向で前記切れ目が開く方向に前記板を牽引して、前記複数の切れ目がそれぞれハニカム状に連続した複数の貫通穴からなるメッシュになるよう作製して前記耐火モルタル保持用部材を準備する、ようにしてもよい。
また、前記複数の切れ目を、前記千鳥状に入れるのに加えて、前記板に前記切れ目を入れない部分であって、一定の幅で連続する部分を少なくとも1箇所設け、前記板を牽引することにより、前記一定の幅で前記切れ目を入れない部分がリブとして機能するように前記耐火モルタル保持用部材を作製して準備する、ようにしてもよい。
本発明の一形態によれば、まず、トンネルに取り付けられたセグメントに耐火モルタル保持用部材を取り付ける。そして、その耐火モルタル保持用部材に耐火モルタルを保持させれば、当該耐火モルタルは、その一部はメッシュの貫通穴を介して裏面にも回るが、耐火モルタル保持用部材の表面に保持されて、予め定められた厚みにすることで耐火壁となる。また、耐火モルタルがほぼ全面的に中空部分に入り込んでしまうことがないので、鋼板製のセグメントであっても施工することができる。さらに、耐火モルタル保持用部材は可撓性の板なので、曲がりの大きなトンネル部分でも撓めて鋼板製のセグメントに取り付けることができ、耐火パネルのように小さく切って取り付ける必要もないので、容易に施工することができる。
また、メッシュにリブを設けている場合は、ある程度の厚みになるように耐火モルタルを保持させても、耐火モルタル保持用部材が垂れさがったりすることはなく、強度を維持することができる。
本発明の一実施の形態である耐火モルタル保持用部材の平面図である。 本発明の一実施の形態である耐火モルタル保持用部材の部分拡大平面図である。 鋼板製のセグメントの斜視図である。 本発明の一実施の形態であるトンネルの耐火施工方法の第2工程を説明する説明図である。 本発明の一実施の形態であるトンネルの耐火施工方法の第3工程を説明する説明図である。 本発明の一実施の形態であるトンネルの耐火施工方法の第3工程を説明する説明図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る耐火モルタル保持用部材1の平面図であり、図2は、同耐火モルタル保持用部材1のA部分の部分拡大平面図である。
この耐火モルタル保持用部材1は、例えばステンレス鋼製の単一の長方形の板で形成され、可撓性を有している。耐火モルタル保持用部材1は、複数本のリブ2を備え、各リブ2間にはメッシュ3が形成されている。メッシュ3には、耐火モルタル保持用部材1の板面の辺と平行な方向に貫通穴4がハニカム状に連続的に複数個形成されている。耐火モルタル保持用部材1は、様々なサイズに形成することができるが、一例を挙げれば、縦580mm、横1500mmである。耐火モルタル保持用部材1の表面には、耐火モルタルが吹き付けられて、この吹き付けられた耐火モルタルを保持して耐火壁とするための部材である。
この耐火モルタル保持用部材1を製造するには、次のようにする。まず、ステンレス鋼製の単一の板を用意する。そして、貫通穴4を形成する位置に板を貫通する切れ目を入れる。この切れ目は板面上に千鳥状に入れられることになる。図1の例では、耐火モルタル保持用部材1となる板の横方向(リブ2の長さ方向)を長さ方向とする切れ目である。その後、切れ目を入れた板を(図1の例では短手方向に)牽引して、各切れ目を開かせ、切れ目が貫通穴4となるようにする。これにより、耐火モルタル保持用部材1が完成する。
次に、耐火モルタル保持用部材1を用いて行う、トンネルの耐火施工方法について説明する。このトンネルの耐火施工方法は、次の第1工程〜第3工程を経て実施される。
(1)第1工程
トンネル工事において、シールドマシーンで掘削したトンネルの内壁に土留めと支保工を兼ねた一次被覆用資材であるセグメントを施工する。このセグメントは、地盤が軟弱な場合や、トンネルの曲がりが上下又は左右にある部位においては鋼板製のものを用い、そうでない部位にはコンクリート製のものを用いる。図3は、鋼板製のセグメント11の斜視図である。鋼板製のセグメント11には大きな中空部分12が形成されている。
(2)第2工程
次に、コンクリート製のセグメント、鋼板製のセグメント11のいずれの場合も、当該セグメントの表面部分に耐火モルタル保持用部材1を取り付けていく。この取り付けは、ボルトやアンカーにより耐火モルタル保持用部材1をセグメントに直に留めることで行う(図4参照)。
(3)第3工程
次に、図5に示すように、第2工程でセグメントに取付けた耐火モルタル保持用部材1に、吹付機21によって、耐火モルタル22を吹き付ける。
耐火モルタル22は、その一部はメッシュ3の貫通穴4を介して吹き付け側の裏面にも回るが、耐火モルタル保持用部材1の表面に保持される。このように吹き付けられ、耐火モルタル保持用部材1の表面に保持された耐火モルタル22が予め定められた厚みに達した状態が、図6の符号31の状態であり、その表面を図6の符号32の状態のように均すことで、セグメント表面上に形成された耐火壁となる。
このような本実施形態の耐火モルタル保持用部材1及びトンネルの耐火施工方法によれば、吹き付けによって耐火モルタル22がほぼ全面的に中空部分12に入り込んでしまうようなことがないので、鋼板製のセグメント11であっても施工することができる。
また、耐火モルタル保持用部材1は可撓性の板なので、曲がりの大きなトンネル部分でも撓めて鋼板製のセグメント11に取り付けることができ、耐火パネルのように小さく切って取り付ける必要もないので、容易に施工することができる。
さらに、メッシュ3にリブ2を設けているので、ある程度の厚みになるように耐火モルタル22を吹き付けても、セグメントから耐火モルタル保持用部材1が垂れさがったりすることはなく、耐火壁の強度を維持することができる。
なお、上述実施形態においては、耐火モルタル22を耐火モルタル保持用部材1に吹き付けることにより、耐火モルタル22を耐火モルタル保持用部材1の表面に保持させたが、耐火モルタル22を耐火モルタル保持用部材1にこてによって塗り付けることにより、耐火モルタル22を耐火モルタル保持用部材1の表面に保持させてもよく、また耐火モルタル22を耐火モルタル保持用部材1に手によって塗り付けることにより、耐火モルタル22を耐火モルタル保持用部材1の表面に保持させてもよい。
1 耐火モルタル保持用部材
2 リブ
3 メッシュ
4 貫通穴
11 セグメント
22 耐火モルタル

Claims (4)

  1. トンネルの内壁に中空部分を有するセグメントを取り付ける第1工程と、
    前記第1工程後、前記トンネルに取り付けられている前記セグメントの中空部分を覆うようにして前記セグメントに可撓性のある耐火モルタル保持用部材を取り付ける第2工程と、
    前記第2工程後、前記耐火モルタル保持用部材の表面側に塗布して耐火モルタルを保持させる第3工程と、を備えたことを特徴とするトンネルの耐火施工方法。
  2. 前記第3工程が、前記耐火モルタルを吹付機により吹き付けて前記耐火モルタルを前記耐火モルタル保持用部材の前記表面側に保持させることを特徴とする請求項1に記載のトンネルの耐火施工方法。
  3. 可撓性のある単一の板の一辺に並行するとともに貫通する複数の切れ目を、前記板に千鳥状に入れた後、前記切れ目の長さ方向と直交する方向で前記切れ目が開く方向に前記板を牽引して、前記複数の切れ目がそれぞれハニカム状に連続した複数の貫通穴からなるメッシュになるよう作製して前記耐火モルタル保持用部材を準備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトンネルの耐火施工方法。
  4. 前記複数の切れ目を、前記千鳥状に入れるのに加えて、前記板に前記切れ目を入れない部分であって、一定の幅で連続する部分を少なくとも1箇所設け、前記板を牽引することにより、前記一定の幅で前記切れ目を入れない部分がリブとして機能するように前記耐火モルタル保持用部材を作製して準備することを特徴とする請求項3に記載のトンネルの耐火施工方法。
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