JP5562720B2 - コンクリート片防護ネット - Google Patents
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Description
この従来技術は、FRP格子筋で広い面積を支持できるようにした広面格子体を用いるもので、これを図7に基づき説明する。
FRP格子筋100は、直交して格子状に配置された縦補強筋101と横補強筋102とから広面格子体に構成されている。各補強筋101、102は、主にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維を芯材として、ビニルエステル系樹脂等のマトリックス樹脂を含浸させたものを複数積層し、硬化して形成されたものである。このFRP格子筋100は、通常、補強筋幅(w)が3〜10mm、厚さが1〜5mm、であり、格子間距離(W1)が30〜150mmとされている。
(1)施工面積が広い場合は、FRP格子筋からなる広面格子体を継ぎ合わせるが、補強筋101,102が交差しているので、複数枚の広面格子体を重ねることはできず、継ぎ目部分では隙間が生じやすかったり、支持強度が弱いので破損しやすいという欠点がある。
(2)FRP格子筋100は格子間隔が比較的大きいので、小さいコンクリート片の落下は防止できなかった。仮にポリエステル製網状物103を用いても、これは強度が弱いので、すぐ破れ、用をなさないことが多かった。
(3)縦横の補強筋101,102は視覚的に目立つので、施工後の景観が悪かった。
第2発明のコンクリート片防護ネットは、第1発明において、前記形状保持帯は、前記メッシュシートの面上で互いに交差する方向に向けて取付けられていることを特徴とする。
第3発明のコンクリート片防護ネットは、第1発明において、前記補強筋は、芯線の外周に耐候性のある合成樹脂被膜を形成していることを特徴とする。
第4発明のコンクリート片防護ネットは、第1発明において、前記合成樹脂被膜がPVC被膜であることを特徴とする。
a)メッシュシートがビニロン繊維を芯線とするので柔軟性を有するが、形状保持帯によって自然には曲ったり折れたりしない形状保持性を有しているので、施工面が湾曲していたり、下向きになっている壁面でも容易に取付けることができる。また、ビニロン繊維でシートを形成しているので、シート自体が薄く、2枚のシートを側縁同士で重ね合わすことが可能であるので、広面積の壁面にも隙間なく施工することができる。そして、シートの本体部分は網目が大きいので重量が軽くなるが、小さなコンクリート片でも通過は許容しない目開きであり、強度も高いので、コンクリート片の大小に拘らず、その剥落を有効に防止できる。
b)形状保持帯が引き揃えたガラス繊維に耐アルカリ性を有する合成樹脂を含浸させて固めたもので、ガラス繊維は、引張り強度が高いものの剛性は低いが、これに合成樹脂を含ませることにより曲げに対する抵抗力を付与して剛性を上げている。
第2発明によれば、形状保持帯が交差する方向に向いているので、全方向で防護ネットの形状保持性が発揮される。このため施工面で湾曲していたり下向きになっている場所でも、防護ネットの垂れ下がりが小さくなるので、作業中に防護ネットを仮保持する手間が不要となって施工性が向上する。
第3発明によれば、補強筋の外周面は耐候性のある合成樹脂で被膜されているので、長期の使用によっても劣化することがない。よって、長期にわたってコンクリート片の落下を防止できる。
第4発明によれば、補強筋の外周面にPVC被膜が形成されるので、耐候性だけでなく、形状保持性が良いので施工性が良くなり、難燃性もあるので、火災等の熱によっても劣化しにくい。
図1はコンクリート片防護ネットAを示しており、メッシュシート10と形状保持帯6とからなる。メッシュシート10は本体部1と端縁2とからなるが、端縁2は設けず、本体部1のみであってもよい。
形状保持帯6は、メッシュシート10に対し、それ自体の形状保持が可能な剛性を与えるものである。本明細書では形状保持が可能な剛性を形状保持性という。換言すれば、形状保持に必要な以上の剛性を与えることは、不必要に固くなり、施工性を低下させるので好ましくない。
一方向に形状保持帯6を設けた場合、形状保持帯6の延びる方向について剛性が高まり形状保持性を発揮する。
直交する二方向に形状保持帯6を設けた場合、直交方向への剛性が高くなるので、結果として全方向への形状保持性を発揮する。
図2の表面図に示すように、1は本体部、2は端縁である。図は一部分のみ示しているが、実際のメッシュシート10は四角形のシート状物であって、縦の寸法が1.0〜2.1m位、横の寸法が2〜50m位である。
なお、この寸法は施行作業や運搬等の容易さから決められるものであり、発明としては、その寸法に制限はない。
端縁2の目開きは、アンカーボルトを貫通させても破れることなく、コンクリート面にコンクリート片防護ネットAを固定する強度を与えるため選択された数値である。
柔軟性が高いということは、屈曲性に富むということであり、施工面に小さな凹凸や曲率の小さいコーナー部等があっても適用できることを意味する。また、引張り強度が高いということは、大きなコンクリート片の重量にも耐えて落下を防止でき、コンクリート片のエッジで破れることも防止できる。
PVC被膜は、耐候性に優れるので長期にわたって紫外線等に当っても劣化することがない。また、難燃性があるので、火災にあったり太陽熱が高熱を蓄えたとしても劣化しにくくなる。
なお、芯線31の被膜としては、PVCに限らず、同様の性能を有するもの、あるいは耐候性を有するもの、たとえばシリコン樹脂、フッ素樹脂などで被覆してもよい。
また、2本の被膜付き芯線31は、互いに縒り合わせてもよく、平行に配置しただけのものでもよい。
この接着剤層4はメッシュシート10の重量を支えた後でアンカーボルトを打ち込むまでの間ズレ落ちないように保持するだけの接着力があればよい。
図には示していないが、接着剤層4は、本体部1の両端(たとえば上下の端。ただし、図2では上端のみ図示。)の双方に形成するとよい。しかし、本発明において接着剤層4は必須ではなく、全く用いないもの、あるいは一方の端部にのみ接着剤層4を形成したものも、本発明に含まれる。
そして、図1に示す形状保持帯6は、メッシュシート10に剛性を付与するものであるが、その素材は、ガラス繊維に耐アルカリ性を有する熱硬化性合成樹脂を含浸させたものである。より具体的には、ガラス繊維の束を引き揃えて、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などの耐アルカリ性がある熱硬化性のある合成樹脂を含浸させて固めたものである。
また、ガラス繊維に含ませている合成樹脂が耐アルカリ性が高いのでコンクリートから浸出するアルカリ成分によっても劣化することがない。
下型の上に上記合成樹脂を含んだガラス繊維を引き揃えて配置し、その上にメッシュシート10を配置する。更に別のガラス繊維(合成樹脂を含んだもの)をメッシュシート10の上に置き、その上に上型をセットする。この状態では、メッシュシート10の表裏両面をガラス繊維の束で挟んだ状態となっている。
このアンカーボルト5は、中空の筒体51を有し、その先端には割れ目52が形成されている。筒体51の内部には栓体53が挿入されている。55はプレート、56はワッシャーである。プレート55は、一辺が60mm程度の四角形の大形座金である。
コンクリート壁Cwにドリルで孔をあけ、コンクリートCwに本発明のコンクリート片防護ネットAを置き、プレート55とワッシャー56を介在させて、孔の内部にアンカーボルト5を挿入する。そして、栓体53を専用工具でたたき込むと、割れ目52が開いてボルト先端部に広がる。続いて、筒体51の基端から液状の固化剤57を注入すると筒体51の内外に固化剤57が充満する。
図5に示すように、コンクリート片防護ネットAの本体部1や端縁2の適所にアンカーボルト5を通すことになる。このアンカーボルト5を通す場所と数はメッシュシート10の任意の部分を選択してよく、施工後に落下しないように取付けておけばよい。
コンクリート片防護ネットAを湾曲したトンネルT内壁へ施工するとき、作業員は高所作業車や足場の上に立ってコンクリート片防護ネットAを保持しながらアンカーボルト5を打ち込んでいく。このとき、コンクリート片防護ネットAは湾曲面に沿うだけの柔軟性があるものの、それ自体が折れ曲ったり、垂れ下がらないだけの形状保持性を有しているので、垂れ下り防止のための手間は必要なく、施工作業は容易に行える。
2 端縁
3 補強筋
4 接着剤層
5 アンカーボルト
Claims (4)
- コンクリートの剥落片を受止めるメッシュシートと、該メッシュシートに形状保持性を与える形状保持帯とからなり、
前記メッシュシートは、芯線がビニロン繊維である補強筋を網状に形成したシートであって、
本体部の網目は、目開きが5〜20mmであり、
前記形状保持帯は、引き揃えたガラス繊維に耐アルカリ性を有する熱硬化性合成樹脂を含浸させて固めたものであり、前記メッシュシートの面上で、少なくとも一方向に向けて取付けられている
ことを特徴とするコンクリート片防護ネット。 - 前記形状保持帯は、前記メッシュシートの面上で互いに交差する方向に向けて取付けられている
ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート片防護ネット。 - 前記補強筋は、芯線の外周に耐候性のある合成樹脂被膜を形成している
ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート片防護ネット。 - 前記合成樹脂被膜がPVC被膜である
ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート片防護ネット。
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