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JP5612976B2 - 電子写真機器用現像ロール、成形用金型の製造方法および成形用金型、ならびに、めっき膜の製造方法およびめっき膜 - Google Patents
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JP5612976B2 - 電子写真機器用現像ロール、成形用金型の製造方法および成形用金型、ならびに、めっき膜の製造方法およびめっき膜 - Google Patents

電子写真機器用現像ロール、成形用金型の製造方法および成形用金型、ならびに、めっき膜の製造方法およびめっき膜 Download PDF

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本発明は、電子写真機器用現像ロール、電子写真機器用現像ロールのゴム弾性層を型成形するのに好適な成形用金型の製造方法および成形用金型、成形用金型の型表面のめっきとして好適なめっき膜の製造方法およびめっき膜に関するものである。
従来より、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器が知られている。電子写真機器の内部には、通常、感光ドラムが組み込まれており、感光ドラムの周囲には、現像ロール、帯電ロール、転写ロール、トナー供給ロールなどの導電性ロールが配設されている。
この種の電子写真機器の現像ロールとしては、種々の構成のものがあり、例えば、軸体と、軸体の外周に形成されたゴム弾性層と、ゴム弾性層の外周に形成された被覆層と、を備えたものが知られている。この際、現像ロールの表面を均一に粗化することでトナーの搬送性、帯電性などを付与している。そのため、現像ロールの表面に凹凸形状が形成されることがある。
例えば特許文献1には、ウレタン樹脂などの樹脂粒子を分散させた塗料をゴム弾性層の表面に塗布して、樹脂粒子を分散させた被覆層をゴム弾性層の表面に形成することにより、ロール表面に凹凸形状を形成することが示されている。
また、特許文献2には、ゴム弾性層の成形用金型の型内面を無電解めっきする際に、めっき反応中に発生する水素ガスをめっき表面に吸着しやすくして、その吸着した部分でめっきの析出を阻害することにより、成形用金型の型内面にめっきの欠陥による凹部を形成し、これをゴム弾性層の表面に型転写することで、ロール表面に凹凸形状を形成することが示されている。
特開2001−132732号公報 特開2006−184608号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、被覆層に樹脂粒子を分散させた現像ロールでは、塗料中における樹脂粒子の添加量および分散状態の管理を厳正に行わなければロール表面の粗度にばらつきが生じるおそれがあるため、厳正な管理によるコストの増加の問題が生じる。また、樹脂粒子によってロール表面の凸部は硬くなるため、層形成ブレードなどとの接触による凸部の削れや凸部におけるトナー粒子の固着などを原因とした耐久性の低下の問題が生じる。
また、特許文献2に記載のように、めっき反応中に発生する水素ガスを利用して型内面にめっきの欠陥による凹部を形成する方法では、反応まかせであるため、形成される凹部の大きさや分布などを制御できない。そのため、この成形用金型により型形成される現像ロールのゴム弾性層の凸部の大きさや分布なども制御できない。したがって、この方法では、層形成ブレードへのトナー粒子の固着を抑制するのは困難である。
本発明が解決しようとする課題は、層形成ブレードへのトナー粒子の固着を長期に渡って抑制できる電子写真機器用現像ロールを提供することにある。また、他の課題としては、このような電子写真機器用現像ロールを製造できる成形用金型の製造方法ならびに成形用金型を提供することにある。さらに、他の課題としては、このような成形用金型の製造に適用できるめっき膜の製造方法およびめっき膜を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る電子写真機器用現像ロールは、軸体と、前記軸体の外周に型成形されたゴム弾性層と、を備えた電子写真機器用現像ロールであって、前記ゴム弾性層の表面には、型転写により、径φに対する高さhの比(h/φ)が1以上の凸部が多数形成されていることを要旨とするものである。
この際、ゴム弾性層の表面における凸部の面積割合Apは42〜78.5%の範囲内にあることが好ましい。ただし、Ap(%)は、ゴム弾性層の表面の撮影画像を判別分析法を用いて二値化したときの凸部の面積割合である。また、前記凸部の径φは1〜15μmの範囲内にあることが好ましい。
そして、ゴム弾性層の凹凸表面にさらに被覆層を形成する場合には、凸部と凸部との間の部分における被覆層の厚さtは前記凸部の径φの1/2以下であることが好ましい。
一方、本発明に係る成形用金型の製造方法は、電子写真機器用現像ロールのゴム弾性層の型成形に用いる成形用金型の製造方法であって、円筒状の成形用金型基材の内周面に、樹脂粒子を含有する無電解めっき層を形成する無電解めっき工程と、前記無電解めっき層内の樹脂粒子を溶解除去して、前記無電解めっき層の表面に多数の凹部を形成する凹部形成工程と、を備えており、前記無電解めっき工程において、前記無電解めっき層内に含有される樹脂粒子の頂点以上の高さまで、前記無電解めっき層の厚さ方向に沿ってめっき金属を結晶成長させることを要旨とするものである。
また、本発明に係る成形用金型は、電子写真機器用現像ロールのゴム弾性層の型成形に用いる成形用金型であって、円筒状の成形用金型基材の内周面には、径φに対する深さdの比(d/φ)が1以上の凹部が多数形成されためっき膜を備えていることを要旨とするものである。
そして、本発明に係るめっき膜の製造方法は、基材表面に、樹脂粒子を含有する無電解めっき層を形成する無電解めっき工程と、前記無電解めっき層内の樹脂粒子を溶解除去して、前記無電解めっき層の表面に多数の凹部を形成する凹部形成工程と、を備えており、前記無電解めっき工程において、前記無電解めっき層内に含有される樹脂粒子の頂点以上の高さまで、前記無電解めっき層の厚さ方向に沿ってめっき金属を結晶成長させることを要旨とするものである。
また、本発明に係るめっき膜は、径φに対する深さdの比(d/φ)が1以上の凹部が多数形成されていることを要旨とするものである。
本発明に係る電子写真機器用現像ロールによれば、軸体の外周に型成形されたゴム弾性層の表面に、型転写により、径φに対する高さhの比(h/φ)が1以上となる凸部が多数形成されている。このように、凸部の高さを高くすることで、層形成ブレードが押し当てられても、凸部と凸部との間の凹部にクリアランスが保持される。これにより、ロール表面に対し、トナー粒子の面による接触が低減されるため、層形成ブレード表面へのトナー粒子の固着が抑制される。
この際、ゴム弾性層の表面における凸部の面積割合Apが特定範囲内にあれば、トナー粒子の平均粒子径に比較して凸部と凸部との間の間隔が十分に狭いため、複数の凸部との間でトナー粒子は確実に点接触される。これにより、トナー粒子への負荷が軽減されるため、確実に、層形成ブレード表面へのトナー粒子の固着が抑制される。
また、凸部の径φが特定範囲内にあると、凸部の径φはトナー粒子と同等以下の大きさであるため、1つの凸部とトナー粒子との間での面による接触が低減される。これにより、層形成ブレード表面へのトナー粒子の固着を抑制できる。
そして、本発明に係る電子写真機器用現像ロールにおいては、凸部の高さを十分に高くしているため、ゴム弾性層の凹凸表面にさらに被覆層を形成しても、表面の凹部は埋まりにくい。そのため、被覆層を形成しても、ロール表面の凹凸形状を確保しやすい。このとき、凸部と凸部との間の部分における被覆層の厚さtが凸部の径φの1/2以下となるようにすれば、確実にロール表面の凹凸形状を確保できる。
一方、本発明に係る成形用金型の製造方法によれば、円筒状の成形用金型基材の内周面に樹脂粒子を含有する無電解めっき層を形成する無電解めっき工程において、無電解めっき層の厚さ方向に沿ってめっき金属を結晶成長させることから、樹脂粒子の頂点以上の高さまでめっきを行っても樹脂粒子は無電解めっき層内に埋まりにくい。そのため、無電解めっき層において、樹脂粒子の上方には、無電解めっき層の厚さ方向に沿って樹脂粒子の表面から無電解めっき層の外に連通された連通孔を形成できる。このため、樹脂粒子の頂点以上の高さまでめっきを行っても、その後の凹部形成工程で、樹脂粒子を無電解めっき層から溶解除去することができる。これにより、円筒状の成形用金型基材の内周面に、径φに対する深さdの比(d/φ)が1以上となる、アスペクト比の高い凹部が多数形成されためっき膜を備えた成形用金型を製造できる。
そして、本発明に係る成形用金型によれば、円筒状の成形用金型基材の内周面に、径φに対する深さdの比(d/φ)が1以上となる、アスペクト比の高い凹部が多数形成されためっき膜を備えていることから、径φに対する高さhの比(h/φ)が1以上となる、アスペクト比の高い凸部が多数形成されたゴム弾性層を有する電子写真機器用現像ロールを製造できる。
また、本発明に係るめっき膜の製造方法によれば、樹脂粒子を含有する無電解めっき層を形成する無電解めっき工程において、無電解めっき層の厚さ方向に沿ってめっき金属を結晶成長させることから、樹脂粒子の頂点以上の高さまでめっきを行っても樹脂粒子は無電解めっき層内に埋まりにくい。そのため、無電解めっき層において、樹脂粒子の上方には、樹脂粒子の頂点から無電解めっき層の表面まで連通された連通孔を形成できる。このため、樹脂粒子の頂点以上の高さまでめっきを行っても、その後の凹部形成工程で、樹脂粒子を無電解めっき層から溶解除去することができる。これにより、径φに対する深さdの比(d/φ)が1以上となる、アスペクト比の高い凹部が多数形成されためっき膜を製造できる。
そして、本発明に係るめっき膜によれば、径φに対する深さdの比(d/φ)が1以上となる、アスペクト比の高い凹部が多数形成されていることから、例えば成形用金型基材の内面に形成することにより、アスペクト比の高い凸部が表面に多数形成された成形体を製造できる。
本発明の一実施形態に係る電子写真機器用現像ロールの模式図(a)およびそのA−A断面図(周方向断面図)である。 図1(b)のロール表面の一部拡大図(B部の拡大図)である。 ゴム弾性層表面の撮影画像を判別分析法を用いて二値化したときの状態を説明する模式図である。 本発明の一実施形態に係る成型用金型の周方向断面図(a)およびその内周面の一部拡大図(C部の拡大図)(b)である。 本発明の一実施形態に係る成型用金型の製造方法の説明図である。 他の成型用金型の製造方法の説明図である。 本発明の一実施形態に係るめっき膜を示した断面図である。 本発明の一実施形態に係るめっき膜の製造工程を示した模式図である。 実施例1の成型用金型の周方向断面写真である。
次に、本発明の電子写真機器用現像ロール(以下、現像ロールということがある。)について、図を参照しつつ、詳細に説明する。電子写真機器用現像ロールは、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器に組み込まれる現像ロールであり、電子写真機器の内部に組み込まれる感光ドラムの周囲に配設されるものである。
図1(a)は、一実施形態に係る現像ロール10の模式図であり、図1(b)は、図1(a)に示す現像ロール10のA−A断面図(周方向断面図)である。図2は、図1(b)に示す現像ロール10のロール表面の一部拡大図である。図2(a)は、被覆層16を表示していないロール表面の一部拡大図であり、図2(b)は、被覆層16を表示しているロール表面の一部拡大図である。図3は、ゴム弾性層表面の撮影画像を判別分析法を用いて二値化したときの状態を説明する模式図である。
図1に示すように、現像ロール10は、軸体12と、軸体12の外周に形成されたゴム弾性層14と、ゴム弾性層14の外周に形成された被覆層16とを備えている。ゴム弾性層14は、円筒形の成形用金型を用いて型成形されたものである。
図2に示すように、このゴム弾性層14の表面には、型転写により、凸部14aが多数形成されている。凸部14aの径の大きさをφとし、凸部14aの高さをhとしたときに、このゴム弾性層14の表面には、径φに対する高さhの比(h/φ)が1以上の凸部14aが多数形成されている。
ゴム弾性層14の表面においては、h/φ比が1以上の凸部14aが多数形成されていれば良く、すべての凸部14aでh/φ比が1以上であっても良いし、一部の凸部14aでh/φ比が1以上であっても良い。すなわち、ゴム弾性層14の表面においては、h/φ比が1以上の凸部14aが多数形成されていれば良く、h/φ比が1未満の凸部14aが存在していても良い。この際、複数の凸部14aのうち、h/φ比が1以上の凸部14aの占める割合は、特に限定されるものではないが、本発明の作用効果を効果的に奏することができるなどの観点から、50%以上であることが好ましい。
また、複数の凸部14a同士は、径φの大きさが互いに同じ大きさであっても良いし、互いに異なる大きさであっても良いし、一部の凸部14a同士において径φの大きさが互いに同じ大きさであっても良い。さらに、複数の凸部14a同士は、高さhが互いに同じであっても良いし、互いに異なっていても良いし、一部の凸部14a同士において高さhが同じであっても良い。
上記h/φ比が1以上の凸部14aにおいては、h/φ比としては、好ましくは1〜2の範囲内、より好ましくは1.2〜1.8の範囲内、さらに好ましくは1.3〜1.7の範囲内である。h/φ比が2を超える場合には、凸部14aの形成方法に起因して、凸部14aの基端における径の大きさが中間部分における径の大きさよりも小さくなりすぎて、凸部14aがいわゆる紡錘形状になりやすい。そのため、凸部14aの強度が低下しやすい。あるいは、凸部14aの形成方法に起因して、凸部14aの形成が困難となるおそれがある。
凸部14aの径φの大きさとしては、1〜15μmの範囲内が好ましい。トナー粒子の平均粒子径は、通常、5〜12μmの範囲内であるため、凸部14aの径φの大きさがこの範囲内である場合には、凸部14aの径φはトナー粒子と同等以下の大きさとなる。そのため、1つの凸部14aとトナー粒子との間での面による接触が低減される。凸部14aの径φの大きさが15μmを超える場合には、1つの凸部14aとトナー粒子との間で面による接触が生じやすい。そのため、層形成ブレード表面へのトナー粒子の固着が生じやすくなる。一方、凸部14aの径φの大きさが1μm未満では、層形成ブレードが押し当てられたときに、凸部14aと凸部14aとの間の凹部のクリアランスが保持されにくい場合がある。なお、凸部14aの径φの大きさとしては、より好ましくは2〜10μmの範囲内である。
凸部14aの高さhとしては、トナーの搬送性、帯電性に優れるなどの観点から、1〜30μmの範囲内が好ましい。より好ましくは3〜20μmの範囲内、さらに好ましくは8〜15μmの範囲内である。
ゴム弾性層14の表面において、凸部14aの面積割合Apは、42〜78.5%の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは45〜60%の範囲内である。Apが特定範囲内にあれば、凸部14aと凸部14aとの間の凹部の広さがトナー粒子の平均粒子径と同等以下の大きさに構成できる。トナー粒子の平均粒子径に比較して凸部14aと凸部14aとの間の間隔が十分に狭いため、複数の凸部14aとの間でトナー粒子は確実に点接触される。これにより、トナー粒子への負荷が軽減されるため、確実に、層形成ブレード表面へのトナー粒子の固着が抑制される。なお、凸部14aの面積割合Apは、h/φ比が1以上の凸部14aを含む全ての凸部14aについての面積割合をいう。
Apが78.5%を超える場合には、トナー粒子の平均粒子径に比較して凸部14aと凸部14aとの間が狭くなり、層形成ブレードが押し当てられたときに、凸部14aと凸部14aとの間の凹部のクリアランスが保持されにくい場合がある。そのため、トナー粒子の面による接触が生じやすい。一方、Apが42%未満の場合には、凸部14aと凸部14aとの間が広くなり、凸部14aと凸部14aとの間の凹部でトナー粒子の面による接触が生じやすい。
ここで、凸部14aの面積割合Apは、ゴム弾性層14の表面を観察したときの凸部14aの面積割合である。具体的には、ゴム弾性層14の表面の撮影画像を判別分析法を用いて二値化したときの凸部14aの面積割合である。撮影画像は、ゴム弾性層14の表面の0.4×0.4mm以上のエリアを、少なくとも1000×1000dpi以上の解像度にて撮影したものを用いる。このとき、画像上で、1ドットの大きさが、凸部14aの径の1/15以下になるように設定する。
上記Apを算出するには、具体的には、ゴム弾性層14の表面をレンズで拡大し、0.5×0.4mmの領域を1280×1024dpiの解像度で取り込み、これを評価対象とする。次いで、画像を二値化しやすいように、得られた画像をモノクロ変換し、画像上の照度むらを平滑化するために、平滑フィルタでノイズ除去してから、判別分析法を用いて二値化する。図3には、二値化した画像の模式図を示す。
次いで、凸部14aの面積を計算するため、また、ノイズ除去しやすくするために、二値化した画像を白黒反転処理し、凸部14aである白色部分の内部に発生しているノイズを穴埋め除去した後、白色部分の面積を計測する。面積の計測は、一般的に用いられる画像処理ソフトを用いて行なうことができる。
このような一連の画像処理には、一般的な顕微鏡を用いることができるが、特に、Nakaden製のマイクロスコープMx−1200Eなどを用いることが好ましい。一般的な顕微鏡では、例えば、ゴム弾性層14の表面の凸部14aの存在しない部分に焦点を合わせる作業を行なうが、マイクロスコープMx−1200Eでは、三次元深度合成画像を簡便に撮影できるので、凹凸のあるゴム弾性層14の表面を、よりクリアに観察することができる。二値化処理は、例えば、ナノシステム株式会社製NanoHunter NS2K−Pro/Ltなどを用いて行なうことができる。
現像ロール10においては、上述するように、凸部14aの高さを十分に高くしているため、ゴム弾性層14の凹凸表面にさらに被覆層16を形成しても、ゴム弾性層14の表面の凹部は埋まりにくい。そのため、被覆層16を形成しても、ロール表面の凹凸形状を確保しやすい。
ゴム弾性層14の表面を覆う被覆層16は、凸部14aと凸部14aとの間の部分における厚さtが、凸部14aの径φの1/2以下となるように形成されることが好ましい。これにより、確実にロール表面の凹凸形状を確保できる。厚さtとしては、より好ましくは凸部14aの径φの1/4〜1/2の範囲内である。
ゴム弾性層14の凸部14aの径φ、高さh、被覆層16の厚さtは、現像ロール10の周方向断面を観察できるレーザー顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製、VK−9510)やマイクロスコープ(例えば、Nakaden製、Mx−1200E)などを用いて測定することができる。
このようなゴム弾性層14の特徴的な表面構造は、本発明に係る成形用金型を用いて、型転写により形成することができる。
図4は、本発明の一実施形態に係る成形用金型20を示したものである。図4(a)はその周方向断面図で、図4(b)は、図4(a)のCの部分を拡大して表した周方向断面の型内面の拡大図である。
図4(a)に示すように、成形用金型20は、円筒形の成形用金型基材22と、成形用金型基材22の内周面に形成されためっき膜24とを備えたもので構成されている。このめっき膜24の表面には、径φに対する深さdの比(d/φ)が1以上の凹部24aが多数形成されている。
めっき膜24の表面においては、d/φ比が1以上の凹部24aが多数形成されていれば良く、すべての凹部24aでd/φ比が1以上であっても良いし、一部の凹部24aでd/φ比が1以上であっても良い。すなわち、めっき膜24の表面においては、d/φ比が1以上の凹部24aが多数形成されていれば良く、d/φ比が1未満の凹部24aが存在していても良い。この際、複数の凹部24aのうち、d/φ比が1以上の凹部24aの占める割合は、特に限定されるものではないが、本発明の作用効果を効果的に奏することができるなどの観点から、50%以上であることが好ましい。
また、複数の凹部24a同士は、径φの大きさが互いに同じ大きさであっても良いし、互いに異なる大きさであっても良いし、一部の凹部24a同士において径φの大きさが互いに同じ大きさであっても良い。さらに、複数の凹部24a同士は、深さdが互いに同じであっても良いし、互いに異なっていても良いし、一部の凹部24a同士において深さdが同じであっても良い。
上記d/φ比が1以上の凹部24aにおいては、d/φ比としては、好ましくは1〜2の範囲内、より好ましくは1.2〜1.8の範囲内、さらに好ましくは1.3〜1.7の範囲内である。d/φ比が2を超える場合には、凹部24aの形成方法に起因して、凹部24aの開口端が凹部24aの径φよりも小さくなりすぎて、成形用金型20により型成形される現像ロール10のゴム弾性層14の表面に凸部14aを形成しにくくなる。あるいは、凹部24aの形成方法に起因して、凹部24aが塞がりやすくなるため、凹部24aの形成が困難になるおそれがある。
凹部24aの径φの大きさとしては、1〜15μmの範囲内が好ましい。トナー粒子の平均粒子径は、通常、5〜12μmの範囲内であるため、凹部24aの径φの大きさがこの範囲内である場合には、成形用金型20により製造される現像ロール10の凸部14aの径φがトナー粒子と同等以下の大きさとなる。そのため、現像ロール10の1つの凸部14aとトナー粒子との間での面による接触が低減される。凹部24aの径φの大きさが15μmを超える場合には、成形用金型20により製造される現像ロール10の1つの凸部14aとトナー粒子との間で面による接触が生じやすい。そのため、層形成ブレード表面へのトナー粒子の固着が生じやすくなる。一方、凹部24aの径φの大きさが1μm未満では、成形用金型20により製造される現像ロール10に層形成ブレードが押し当てられたときに、凸部14aと凸部14aとの間の凹部のクリアランスが保持されにくい場合がある。なお、凹部24aの径φの大きさとしては、より好ましくは2〜10μmの範囲内である。
凹部24aの深さdとしては、トナーの搬送性、帯電性に優れる現像ロールが得られるなどの観点から、1〜30μmの範囲内が好ましい。より好ましくは3〜20μmの範囲内、さらに好ましくは8〜15μmの範囲内である。めっき膜24の厚さとしては、特に限定されるものではない。凹部の24aの深さdに応じて、適宜定めれば良い。
めっき膜24の表面において、凹部24aの面積割合Apは、42〜78.5%の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは45〜60%の範囲内である。Apが特定範囲内にあれば、成形用金型20により製造される現像ロール10の凸部14aと凸部14aとの間の平坦部の広さがトナー粒子の平均粒子径と同等以下の大きさに構成できる。なお、凹部24aの面積割合Apは、d/φ比が1以上の凹部24aを含む全ての凹部24aについての面積割合をいう。
Apが78.5%を超える場合には、成形用金型20により製造される現像ロール10の凸部14aと凸部14aとの間が狭くなり、トナー粒子の面による接触が生じやすい。一方、Apが42%未満の場合には、成形用金型20により製造される現像ロール10の凸部14aと凸部14aとの間が広くなり、凸部14aと凸部14aとの間の凹部でトナー粒子の面による接触が生じやすい。
ここで、凹部24aの面積割合Apは、めっき膜24の表面を観察したときの凹部24aの面積割合である。具体的には、めっき膜24の表面の撮影画像を判別分析法を用いて二値化したときの凹部24aの面積割合である。撮影画像に関する詳細や、Apを算出する方法の詳細については、上記凸部14aの面積割合Apにおいて説明したものと同様であるため、説明を省略する。
めっき膜24の凹部24aの径φ、深さdは、成形用金型20の周方向断面を観察できるレーザー顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製、VK−9510)やマイクロスコープ(例えば、Nakaden製、Mx−1200E)などを用いて測定することができる。
成形用金型20の型内面の特徴的な表面構造は、本発明に係る成形用金型の製造方法によって形成することができる。次に、本発明に係る成形用金型の製造方法を図5を用いて説明する。図5(a)は、めっき金属の結晶成長の進行途中の状態を示したものであり、図5(b)は、樹脂粒子26の頂点以上の高さまでめっき金属の結晶成長が進行した状態を示したものである。
本発明に係る成形用金型の製造方法(以下、本製造方法ということがある)は、円筒状の成形用金型基材22の内周面に無電解めっき層28を形成する無電解めっき工程と、形成された無電解めっき層28の表面に多数の凹部24aを形成する凹部形成工程とを備える。
無電解めっき工程では、まず、樹脂粒子26を含有させためっき液の調製を行う。次いで、調製しためっき液を用いて、成形用金型基材22の内周面に無電解めっきを行う。この無電解めっきの際に、樹脂粒子26はめっき金属と共析する。これにより、無電解めっき層28内に樹脂粒子26が含有される。
本製造方法では、図5(a)(b)に示すように、この無電解めっき工程において、無電解めっき層28内に含有される樹脂粒子26の頂点以上の高さまで、無電解めっき層28の厚さ方向に沿って(図5(b)中の上方向に向かって)めっき金属を結晶成長させる。
このとき、例えば、めっき液の錯化剤としてアミン化合物を用いることにより、めっき金属を柱状に結晶成長させることができる。したがって、例えばめっき液の錯化剤としてアミン化合物を用いることにより、無電解めっき層28の厚さ方向に沿ってめっき金属を結晶成長させることができる。
めっき金属が柱状に結晶成長する場合、樹脂粒子26の頂点以上の高さまでめっきを行っても、無電解めっき層28の厚さ方向と直交する方向には結晶成長しにくく、樹脂粒子26は無電解めっき層28内に埋まりにくい。無電解めっき層28において、樹脂粒子26の上方には、無電解めっき層28の厚さ方向に沿って樹脂粒子26の表面から無電解めっき層28の外に連通された連通孔28aが形成される。この連通孔28aにより、無電解めっき層28に含有される樹脂粒子26を溶解除去することができる。
めっき液には、金属イオン、還元剤、錯化剤、pH緩衝剤、上記樹脂粒子26などが含まれる。金属イオンは、めっき金属のイオンである。めっき金属としては、ニッケル、コバルト、銅、金、銀などを挙げることができる。このうち、耐食性やコスト面などからニッケルが好ましい。還元剤としては、次亜リン酸、ジメチルアミンボラン、ヒドラジンなどを挙げることができる。このうち、めっき液の安定性などの観点から、次亜リン酸が好ましい。pH緩衝剤としては、乳酸、酢酸、コハク酸などを挙げることができる。
錯化剤としては、上述するように、少なくともアミン化合物を用いることが好ましい。これにより、めっき金属を柱状に結晶成長させることができる。このようなアミン化合物としては、具体的には、グリシン、アラニン、エチレンジアミン、プロパンジアミンなどを挙げることができる。このうち、樹脂粒子26の分散安定性が高いなどの観点から、グリシンが好ましい。
錯化剤としては、上記アミン化合物とともに、カルボン酸を用いることができる。これにより、樹脂粒子26を高密度に共析させることができる。このようなカルボン酸としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などを挙げることができる。このうち、特に樹脂粒子26を高密度に共析させやすいなどの観点から、クエン酸が好ましい。錯化剤としては、特に、グリシンとクエン酸とを併用することが好ましい。
めっき液の錯化剤としてアミン化合物を用いる場合、無電解めっき工程の最初からアミン化合物を用いても良いし、無電解めっき工程の途中からアミン化合物を用いても良い。前者の場合には、例えば、アミン化合物を含有する同一のめっき液を用いて、一工程で樹脂粒子26の頂点以上の高さまでめっきを行うことができる。一方、後者の場合には、無電解めっき工程の途中で、めっき液を、アミン化合物を含有するめっき液に変更する。具体的には、例えば、樹脂粒子26の頂点を超えない高さまで(例えば樹脂粒子26の高さ方向の半分まで)は、アミン化合物を含有しないめっき液を用いてめっきを行い、その後、アミン化合物を含有するめっき液に変更し、樹脂粒子26の頂点以上の高さまでめっきを行う。これにより、無電解めっき工程の途中から、めっき金属を柱状に結晶成長させることができる。
めっき液には、さらに、界面活性剤を配合することもできる。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを挙げることができる。このうち、樹脂粒子26の分散度を高めることができるなどの観点から、カチオン性界面活性剤を配合することが好ましい。また、このように樹脂粒子26を正電荷に帯電させてからめっき液中に添加することで、樹脂粒子26の無電解めっき層28への共析量を上げることができる。
カチオン性界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、エチレンオキサイド付加型アンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩型のものなどを挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、併用しても良い。また、両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、アミドプロピルベタイン、ジメチルアルキルベタイン等のベタイン型のものなどを挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、併用しても良い。カチオン性界面活性剤の配合量あるいは両性界面活性剤の配合量は、0.01〜10g/Lの範囲内であることが好ましい。
樹脂粒子26には、溶媒に可溶な樹脂粒子を用いる。このような樹脂粒子としては、アクリル粒子、スチレン粒子、ウレタン粒子、ナイロン粒子、シリコーン粒子、セルロース粒子などを挙げることができる。樹脂粒子26としては、単独種類のものを用いても良いし、複数種類のものを併用しても良い。このうち、めっき液への分散性に優れ、無電解めっき層28の表面により均一な凹凸表面を形成できるなどの観点から、アクリル粒子、スチレン粒子が好ましい。
樹脂粒子26の平均粒子径は、型転写の際にトナー粒子の平均粒子径と同等以下の大きさの凸部14aをゴム弾性層14の表面に形成できるなどの観点から、15μm以下であることが好ましい。より好ましくは1〜12μmの範囲内、さらに好ましくは3〜10μmの範囲内である。樹脂粒子26としては、平均粒子径の異なるものを併用しても良い。樹脂粒子26の平均粒子径は、日機装社製マイクロトラック粒度分布測定装置UPA−EX150型により測定できる。
樹脂粒子26の平均粒子径の大きさを調整することにより、成形用金型20の凹部24aの径φおよび現像ロール10の凸部14aの径φの大きさを調整することができる。
樹脂粒子26のめっき液への配合量としては、樹脂粒子26の平均粒子径が1〜15μmの範囲内である場合において、0.1〜100g/Lの範囲内であることが好ましい。より好ましくは3〜20g/Lの範囲内である。これにより、型転写の際に、ゴム弾性層14の表面に、トナー粒子の平均粒子径と同等以下の大きさの凹部(凸部14aと凸部14aとの間の部分)を形成できる。
樹脂粒子26のめっき液への配合量を調整することにより、成形用金型20の凹部24aの面積割合Apおよび現像ロール10の凸部14aの面積割合Apを調整することができる。
樹脂粒子26には、めっき液に対する濡れ性を高めるなどの目的で、めっき液に添加する前に、塩酸や硫酸などの酸によるエッチング処理などを施すこともできる。さらに、樹脂粒子26を添加しためっき液を超音波処理して、樹脂粒子26の分散度をさらに高めることもできる。
凹部形成工程では、樹脂粒子26が可溶な溶媒を用いて、無電解めっき層28内の樹脂粒子26を溶解除去することを行う。より具体的には、例えば、樹脂粒子26が可溶な溶媒中に、無電解めっき層28を形成した成形用金型基材22を浸漬するなどにより行う。この溶媒で樹脂粒子26を溶解除去することにより、樹脂粒子26が存在していた部分に凹部24aが形成される。これにより、図5(c)に示すように、無電解めっき層28の表面には、径φに対する深さdの比(d/φ)が1以上の凹部24aが多数形成される。なお、樹脂粒子26が可溶な溶媒としては、アセトン、MEK、トルエン、THF、DMF、NMPなどを挙げることができる。溶媒は、樹脂粒子26の種類に応じて適宜選択して用いれば良い。また、2種以上の溶媒を混合して用いても良い。
本製造方法に対し、無電解めっき層の厚さ方向と直交する方向に沿ってめっき金属が結晶成長する(層状にめっき金属が結晶成長する)場合について、図6を用いて説明する。図6は、結晶成長の進行過程を示す模式図である。図6(a)は、結晶成長の進行途中の状態を示したものであり、図6(b)は、樹脂粒子36の頂点以上の高さまで結晶成長が進行した状態を示したものである。
層状にめっき金属が結晶成長する場合には、図6(b)に示すように、樹脂粒子36の頂点以上の高さまでめっきを行うと、樹脂粒子36が無電解めっき層38内に埋まる。このような場合には、無電解めっき層38の表面に凹部が形成できないため、凹部を形成する場合には、凹部の深さは樹脂粒子36の平均粒子径よりも小さいものとなる。すなわち、この場合には、アスペクト比の高い凹部は形成できない。
したがって、本発明に係る成形用金型の製造方法によれば、無電解めっき工程において、無電解めっき層28の厚さ方向に沿ってめっき金属を結晶成長させることから、樹脂粒子26の頂点以上の高さまでめっきを行っても、その後の凹部形成工程で、樹脂粒子26を無電解めっき層28から溶解除去することができる。これにより、円筒状の成形用金型基材22の内周面に、径φに対する深さdの比(d/φ)が1以上となる、アスペクト比の高い凹部24aが多数形成されためっき膜を備えた成形用金型20を製造できる。
そして、成形用金型20によれば、径φに対する高さhの比(h/φ)が1以上となる、アスペクト比の高い凸部14aが多数形成されたゴム弾性層14を有する現像ロール10を製造できる。
次に、本発明の現像ロール10の製造方法について説明する。
まず、軸体12の外周にゴム弾性層14を形成する。より具体的には、本発明の成形用金型20の中空部に軸体12をセットし、成形用金型20と軸体12との間の空隙部にゴム材料を注型して加熱架橋させた後、成形用金型20から脱型することにより、軸体12の外周にゴム弾性層14を形成する。成形用金型20の内周面にはアスペクト比の高い凹部24aが多数形成されているため、ゴム弾性層14の外周面には、この凹部24aに対応する凸部14aが転写形成される。したがって、ゴム弾性層14の表面には、アスペクト比の高い凸部14aが多数形成される。
次に、ゴム弾性層14の外周に被覆層16を形成する。より具体的には、ロールコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング法などにより被覆層16の形成材料を塗布した後、これを乾燥し、必要に応じて加熱架橋処理することにより、ゴム弾性層14の外周に被覆層16を形成する。この際、ゴム弾性層14の特徴的な表面構造を損なわないように、特定の厚さ範囲となるように、被覆層16の形成材料を塗布する。以上により、現像ロール10が得られる。
次に、本発明の現像ロールを構成する軸体12、ゴム弾性層14、被覆層16の材料等について説明する。また、本発明の成形用金型20の材料等について説明する。
軸体12としては、導電性シャフトを挙げることができる。導電性シャフトとしては、金属製の中実体、金属製の円筒体、あるいは、これらにめっきが施されたものなどを挙げることができる。金属の種類としては、アルミニウム、ステンレスなどを挙げることができる。軸体12の外周面には、ゴム弾性層14との間の接着性を向上させるなどの目的で、接着剤やプライマなどを塗布しても良い。接着剤やプライマなどには、必要に応じて、導電化を行うことができる。
ゴム弾性層14のゴム材料としては、特に限定されるものではないが、具体的には、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、ヒドリンゴムなどを例示することができる。このうち、層形成ブレードや感光体などの相手部材の押圧による弾性変形の回復に優れる(耐ヘタリ性が良好である)などの観点から、シリコーンゴム、ウレタンゴムが好ましい。また、シリコーンゴムは、温度変化や湿度変化などの環境変化に対して体積変化しにくく、環境変化によるロールの外径変動が小さい利点も有するため、特に好ましい。
ゴム弾性層14には、必要に応じて、導電剤、充填剤、増量剤、補強剤、加工助剤、硬化剤、加硫促進剤、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料、シリコーンオイル、助剤、界面活性剤などの各種添加剤が適宜添加されていても良い。導電剤としては、カーボンブラックなどの電子導電剤や第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤など、一般的な導電剤を挙げることができる。
ゴム弾性層14は、発泡体であっても良いし、中実体であっても良い。ゴム弾性層14の厚さは、0.1〜10mmの範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、1〜5mmの範囲内である。
被覆層16の主材料としては、例えば、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ブチラール樹脂(PVB)、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素ゴム、フッ素樹脂、フッ素ゴムとフッ素樹脂の混合物、シリコーン樹脂、シリコーングラフトアクリルポリマー、アクリルグラフトシリコーンポリマー、ニトリルゴム、ウレタンゴム等を挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併せて用いても良い。なかでも、耐摩耗性の点で、ウレタン樹脂が好ましい。被覆層16の材料には、主材料の他に、導電剤、可塑剤、レベリング剤などを含んでいても良い。
また、本発明の現像ロール10においては、被覆層16の外周にさらに表面保護層を備えていても良い。表面保護層の厚さとしては、ゴム弾性層14の特徴的な表面構造を損なわない厚さ範囲(例えば1〜5μm)であることが好ましい。
成形用金型基材の材料としては、特に限定されるものではなく、S55C等の炭素鋼材、SACM645等のアルミニウムクロムモリブデン鋼材、A5056等のアルミニウム合金、アルミニウム等を挙げることができる。
次に、本発明に係るめっき膜について説明する。
図7は、本発明の一実施形態に係るめっき膜44を示した断面図である。図7に示すように、めっき膜44は、基材42の表面に形成されるものであり、めっき膜44の表面には、径φに対する深さdの比(d/φ)が1以上の凹部44aが多数形成されている。
めっき膜44の表面においては、d/φ比が1以上の凹部44aが多数形成されていれば良く、すべての凹部44aでd/φ比が1以上であっても良いし、一部の凹部44aでd/φ比が1以上であっても良い。すなわち、めっき膜44の表面においては、d/φ比が1以上の凹部44aが多数形成されていれば良く、d/φ比が1未満の凹部44aが存在していても良い。この際、複数の凹部44aのうち、d/φ比が1以上の凹部44aの占める割合は、特に限定されるものではない。
また、複数の凹部44a同士は、径φの大きさが互いに同じ大きさであっても良いし、互いに異なる大きさであっても良いし、一部の凹部44a同士において径φの大きさが互いに同じ大きさであっても良い。さらに、複数の凹部44a同士は、深さdが互いに同じであっても良いし、互いに異なっていても良いし、一部の凹部44a同士において深さdが同じであっても良い。
上記d/φ比が1以上の凹部44aにおいては、d/φ比としては、好ましくは1〜2の範囲内、より好ましくは1.2〜1.8の範囲内、さらに好ましくは1.3〜1.7の範囲内である。d/φ比が2を超える場合には、凹部44aの形成方法に起因して、凹部44aが塞がりやすくなるため、凹部44aの形成が困難になるおそれがある。
めっき膜44の凹部44aにおいては、径φの大きさや、深さdは特に限定されるものではない。めっき膜44の用途などに応じて適宜定めることができる。
めっき膜44の凹部44aの径φ、深さdは、めっき膜44の断面を観察できるレーザー顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製、VK−9510)やマイクロスコープ(例えば、Nakaden製、Mx−1200E)などを用いて測定することができる。
このようなめっき膜44の特徴的な表面構造は、本発明に係るめっき膜の製造方法によって形成することができる。次に、本発明に係るめっき膜の製造方法について図8を用いて説明する。図8は、めっき膜の製造工程を示した模式図である。図8(a)は、めっき金属の結晶成長の進行途中の状態を示したものであり、図8(b)は、樹脂粒子36の頂点以上の高さまでめっき金属の結晶成長が進行した状態を示したものである。
本発明に係るめっき膜の製造方法は、基材42の表面に無電解めっき層48を形成する無電解めっき工程と、形成された無電解めっき層48の表面に多数の凹部44aを形成する凹部形成工程とを備える。
無電解めっき工程では、まず、樹脂粒子46を含有させためっき液の調製を行う。次いで、調製しためっき液を用いて、基材42の表面に無電解めっきを行う。この無電解めっきの際に、樹脂粒子46はめっき金属と共析する。これにより、無電解めっき層48内に樹脂粒子46が含有される。
本発明に係るめっき膜の製造方法では、この無電解めっき工程において、無電解めっき層48内に含有される樹脂粒子46の頂点以上の高さまで、無電解めっき層48の厚さ方向に沿ってめっき金属を結晶成長させる。
このとき、例えば、めっき液の錯化剤としてアミン化合物を用いることにより、めっき金属を柱状に結晶成長させることができる。したがって、例えばめっき液の錯化剤としてアミン化合物を用いることにより、無電解めっき層48の厚さ方向に沿ってめっき金属を結晶成長させることができる。
めっき金属が柱状に結晶成長する場合、樹脂粒子46の頂点以上の高さまでめっきを行っても、無電解めっき層48の厚さ方向と直交する方向には結晶成長しにくく、樹脂粒子46は無電解めっき層48内に埋まりにくい。無電解めっき層48において、樹脂粒子の上方には、無電解めっき層48の厚さ方向に沿って樹脂粒子46の表面から無電解めっき層48の外に連通された連通孔48aが形成される。この連通孔48aにより、樹脂粒子46の頂点以上の高さまでめっきを行っても、無電解めっき層48に含有される樹脂粒子46を溶解除去することができる。
めっき液の組成や、樹脂粒子の種類については、上記本発明に係る成形用金型の製造方法と同様の構成にすれば良い。なお、本発明に係るめっき膜の製造方法においては、樹脂粒子46の平均粒子径、配合量については特に限定されるものではない。本発明に係るめっき膜44の用途などに応じて適宜定めることができる。
次いで、凹部形成工程では、樹脂粒子46が可溶な溶媒を用いて、無電解めっき層48内の樹脂粒子46を溶解除去することを行う。より具体的には、例えば、樹脂粒子46が可溶な溶媒中に、無電解めっき層48を形成した基材42を浸漬するなどにより行う。この溶媒で樹脂粒子46を溶解除去することにより、樹脂粒子46が存在していた部分に凹部44aが形成される。これにより、無電解めっき層48の表面には、径φに対する深さdの比(d/φ)が1以上の凹部44aが多数形成される。なお、溶媒としては、上記本発明に係る成形用金型の製造方法と同様のものを用いれば良い。
したがって、本発明に係るめっき膜の製造方法によれば、無電解めっき工程において、無電解めっき層48の厚さ方向に沿ってめっき金属を結晶成長させることから、樹脂粒子46の頂点以上の高さまでめっきを行っても、その後の凹部形成工程で、樹脂粒子46を無電解めっき層48から溶解除去することができる。これにより、基材42の表面に、径φに対する深さdの比(d/φ)が1以上となる、アスペクト比の高い凹部44aが多数形成されためっき膜44を製造できる。
本発明に係るめっき膜44は、本発明に係る成形用金型に適用できるほか、例えば、被着体表面の粗面化(アンカー効果による密着性向上など)や、凹部への油の保持性を利用した摺動部品などにも適用できる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例1)
<めっき液の調製>
カチオン性界面活性剤(ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド)を用いてアクリル粒子<1>(根上工業製、アートパールGR600、平均粒子径10μm)を水中に分散させた樹脂粒子分散液を基本めっき液に添加することにより、下記の組成のめっき液を調製した。
<めっき液の組成>
硫酸ニッケル六水和物26g/L
次亜リン酸ナトリウム一水和物(還元剤)32g/L
グリシン(錯化剤)7.5g/L
クエン酸ナトリウム二水和物(錯化剤)30g/L
アクリル粒子<1>20g/L
カチオン性界面活性剤0.1g/L
<成形用金型の作製>
内径12mmの円筒形金型基材の型内面に、上記めっき液を用いて、めっき液pH8、めっき液温度80℃、めっき時間120分の条件で、無電解めっきを行い、無電解めっき層を形成した。(めっき厚さ16μm)。その後、無電解めっき層に取り込まれたアクリル粒子をアセトンにて溶解除去することにより、型内面に多数の凹部を有する成形用金型を得た。
得られた成形用金型を周方向に切断して、マイクロスコープ(Nakaden製、Mx−1200E)を用いてこの断面の拡大写真(1000倍)を撮影することにより、めっき膜の断面写真を撮影した。これを図9に示した。図9によれば、円筒状の成形用金型基材の内周面に形成されためっき膜の表面には、径φに対する深さdの比(d/φ)が1以上の凹部が多数形成されていることが確認できる。
<ゴム弾性層組成物の調製>
導電性シリコーンゴム(信越化学工業(株)製、「X34−270A/B」)をスタティックミキサにて混合し、ゴム弾性層組成物を調製した。
<被覆層組成物の調製>
ウレタン樹脂(ニッポラン5199、日本ポリウレタン社製)100重量部に対して、カーボンブラック(デンカブラックHS−100、電気化学工業社製)10重量部をボールミルを用いて混練した後、MEK400重量部を加えて混合・攪拌することにより、被覆層組成物を調製した。
<現像ロールの作製>
上記成形用金型に導電性シャフト(φ6mm、長さ270mm)を同軸にセットし、金型内に上記ゴム弾性層組成物を注入し、190℃で30分間加熱した後、冷却、脱型した。これにより、導電性シャフトの外周に厚さ3mmのゴム弾性層を形成した。このゴム弾性層の外周面には、上記成形用金型の型内面に形成された多数の凹部に対応する多数の凸部が型転写により形成されている。次いで、このゴム弾性層の外周面に、ロールコート法により、上記被覆層組成物をコーティングした後、170℃で60分熱処理して、凸部間における厚さが4μmの被覆層を形成した。以上のようにして、実施例1に係る現像ロールを作製した。
(実施例2)
アクリル粒子<1>に代えて、アクリル粒子<2>(根上工業製、アートパールGR400、平均粒子径15μm)を用い、めっき液中のアクリル粒子<2>の配合量を30g/Lにした以外は、実施例1と同様にして、めっき液の調製、成形用金型の作製を行った。次いで、凸部間における被覆層の厚さを7μmとした以外は、実施例1と同様にして、現像ロールの作製を行った。
(実施例3)
アクリル粒子<1>に代えて、アクリル粒子<3>(根上工業製、アートパールGR800、平均粒子径6μm)を用い、めっき液中のアクリル粒子<3>の配合量を15g/Lにし、めっき時間60分でめっき厚を8μmとした以外は、実施例1と同様にして、めっき液の調製、成形用金型の作製を行った。次いで、被覆層の厚さを2μmとした以外は、実施例1と同様にして、現像ロールの作製を行った。
(実施例4)
アクリル粒子<1>に代えて、アクリル粒子<4>(根上工業製、アートパールJ4PY、平均粒子径2μm)を用い、めっき液中のアクリル粒子<4>の配合量を5g/Lにし、めっき時間45分でめっき厚を6μmとした以外は、実施例1と同様にして、めっき液の調製、成形用金型の作製を行った。次いで、被覆層の厚さを1μmとした以外は、実施例1と同様にして、現像ロールの作製を行った。
(実施例5)
めっき液中のアクリル粒子<1>の配合量を30g/Lにした以外は、実施例1と同様にして、めっき液の調製、成形用金型の作製を行った。次いで、被覆層の厚さを3μmとした以外は、実施例1と同様にして、現像ロールの作製を行った。
(参考例)
めっき時間60分でめっき厚を8μmとした以外は、実施例1と同様にして、めっき液の調製、成形用金型の作製を行った。次いで、被覆層の厚さを5μmとした以外は、実施例1と同様にして、現像ロールの作製を行った。
各現像ロールについて、ゴム弾性層の凸部の高さ(h)と、ゴム弾性層の表面を観察したときの凸部の径(φ)と、ゴム弾性層表面における凸部の面積割合(Ap)と、凸部と凸部との間の部分における被覆層の厚さ(t)と、をそれぞれ測定した。また、各現像ロールについて、層形成ブレードへのトナー粒子の固着性について評価を行った。測定方法および評価方法は以下に示す。また、測定結果およ評価結果を表1に示す。
(凸部の高さの測定方法)
各現像ロールのロール中央部の3箇所について各3点の凸部の高さを測定し、合計9点の凸部の高さの平均値を凸部の高さとした。より具体的には、ロール中央部で周方向に切断した断面を、Nakaden製「Mx−1200E」で1000倍に拡大して観察し、測定した。
(凸部の径(φ)の測定方法)
被覆層を形成する前のゴム弾性層の外周表面の任意の位置を、Nakaden製「Mx−1200E」で拡大観察することにより、凸部の径(φ)を測定した。
(凸部の面積割合(Ap)の測定方法)
被覆層を形成する前のゴム弾性層の外周表面の任意の位置を、Nakaden製Mx−1200Eで拡大し、0.5×0.4mmの領域を1280×1024dpiの解像度で取り込んだ。次いで、得られた画像をモノクロ変換し、画像上の照度むらを平滑化するために平滑フィルタでノイズ除去した。次いで、ナノシステム株式会社製NanoHunter NS2K−Pro/Ltを用いて、判別分析法により二値化処理した。次いで、二値化した画像を白黒反転処理し、画像中で白色となっている凸部内のノイズを除去(白色部分の内部にある黒色部分を穴埋めした)した後、この白色部分の面積を計測した。この白色部分が凸部である。
(被覆層の厚さの測定方法)
各現像ロールのロール中央部の3箇所について各3点の膜厚を測定し、合計9点の膜厚の平均値を被覆層の厚さとした。より具体的には、ロール中央部で周方向に切断した断面を、Nakaden製「Mx−1200E」で1000倍に拡大して観察し、測定した。
(トナー固着性)
各現像ロールを市販のカラーレーザープリンター((株)リコー社製、「IPSIO SP C310」)に組み込み、28℃×80%RHの環境下にて、マゼンタで画像出しを通紙1000枚、5000枚、30000枚(各A4サイズ)行い、耐久後の層形成ブレードへのトナー粒子の固着具合を判定した。固着箇所が1箇所以下の場合を(○)固着箇所が2〜4箇所の場合を(△)、固着箇所が5箇所以上の場合を(×)とした。
参考例の現像ロールは、ゴム弾性層表面の凸部の径φに対する高さhの比(h/φ)が1未満であり、凸部の高さが低い。参考例では、ロール耐久評価の結果、30000枚印刷後には層形成ブレードへのトナー固着が確認された。
これに対し、各実施例の現像ロールは、ゴム弾性層表面の凸部の径φに対する高さhの比(h/φ)が1以上となっている。各実施例では、ロール耐久評価の結果、30000枚印刷後でも層形成ブレードへのトナー固着は確認されなかった。そのため、耐久性は良好であった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態においては、現像ロール10は被覆層16を備えるものであるが、本発明の現像ロールにおいては、被覆層16を備えない構成であっても良い。
10 電子写真機器用現像ロール
12 軸体
14 ゴム弾性層
14a 凸部
16 被覆層
20 成形用金型
22 成形用金型基材
24 めっき膜
24a 凹部

Claims (6)

  1. 軸体と、前記軸体の外周に型成形されたゴム弾性層と、を備えた電子写真機器用現像ロールであって、
    前記ゴム弾性層の表面には、型転写により、先端が半球状であり、その半球の径と同径で基端まで延びる円柱状とされ、その径φ1に対する高さhの比(h/φ1)が1〜2の凸部が多数形成されていることを特徴とする電子写真機器用現像ロール。
  2. 前記ゴム弾性層の表面における凸部の面積割合Ap1は、42〜78.5%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用現像ロール。
    ただし、
    Ap1(%):ゴム弾性層の表面の撮影画像を判別分析法を用いて二値化したときの凸部の面積割合
  3. 前記凸部の径φ1は、1〜15μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真機器用現像ロール。
  4. 前記ゴム弾性層の凹凸表面にはさらに被覆層が形成されており、凸部と凸部との間の部分における前記被覆層の厚さtが、前記凸部の径φ1の1/2以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子写真機器用現像ロール。
  5. 電子写真機器用現像ロールのゴム弾性層の型成形に用いる成形用金型の製造方法であって、
    円筒状の成形用金型基材の内周面に、樹脂粒子を含有する無電解めっき層を形成する無電解めっき工程と、
    前記無電解めっき層内の樹脂粒子を溶解除去して、前記無電解めっき層の表面に多数の凹部を形成する凹部形成工程と、を備えており、
    前記無電解めっき工程において、めっき液の錯化剤としてアミン化合物を用い、前記無電解めっき層内に含有される樹脂粒子の頂点以上の高さまで、前記無電解めっき層の厚さ方向に沿ってめっき金属を結晶成長させることを特徴とする成形用金型の製造方法。
  6. 基材表面に、樹脂粒子を含有する無電解めっき層を形成する無電解めっき工程と、
    前記無電解めっき層内の樹脂粒子を溶解除去して、前記無電解めっき層の表面に多数の凹部を形成する凹部形成工程と、を備えており、
    前記無電解めっき工程において、めっき液の錯化剤としてアミン化合物を用い、前記無電解めっき層内に含有される樹脂粒子の頂点以上の高さまで、前記無電解めっき層の厚さ方向に沿ってめっき金属を結晶成長させることを特徴とするめっき膜の製造方法。
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