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本発明は、外殻を形成する外層の内側に、薄肉の内層を剥離自在に積層形成した二重壁構造を有する合成樹脂製容器に関するものである。
特許文献1には、外殻を形成する外層の内側に、薄肉の内層を剥離自在に積層形成した二重壁構造を有するブロー成形による、所謂、デラミボトルと称される容器に係る発明が記載されており、このようなデラミボトルはその機能により、スクイズタイプの注出容器、またポンプ付き注出容器の容器本体として使用されている。
図4はデラミボトルを容器本体として利用したポンプ付き注出容器の代表的な例を示す部分的に縦断した側面図である。
この注出容器はブロー成形による壜体状の容器本体101の口筒部103に、キャップ体109により手動押圧式ポンプ31を組付け固定したものである。
容器本体101は外殻を形成する外層111に減容変形自在な内袋を形成する内層112を剥離自在に積層した層構成を有する。また、外層111の所定箇所、図4の例では口筒部103部分に、外層111と内層112の間に外気を導入するための吸気孔113が開設されている。
この容器本体101は、相溶性の殆どない外層111用の合成樹脂と内層112用の合成樹脂を共押出して積層パリソンに成形し、この積層パリソンをブロー成形して得ることができる。
また、この種のデラミボトルでは、内容液を注出した分、内層112を萎み状に減容変形させることにより容器本体101内部への外気の進入を防ぐことができ、内容液の品質の低下を防ぐことができると共に、内容液が残り少なくなった状態でも、その注出操作をスムーズに達成することができると云う機能(以下、デラミ機能と記す。)を有する。
内層112が減容変形した分、吸気孔113から外気が外層111と内層112の間に進入するため、容器全体として圧力のバランスが保持されるので、次の注出操作もスムーズに実施することができる。
特開2003−072785号公報
ここで、上記したようなブロー成形によるデラミボトルでは、パリソンのピンチオフ時に形成される底シール部108(図4参照)は、外層/内層/外層と云う層構成で、外層111同士は内層112を介して密着はしているものの、元々外層111と内層112は剥離可能に形成されているため、本質的に、この底シール部108を起点として底割れが発生し易いと云う問題を有する。
また、ブロー成形では外層を厚肉とする点、また外表面の光沢性についても成形上の限界があり、射出成形方法による化粧料用の容器のように例えば、厚肉の周壁により光学的に立体感を現出させる等により高級感を付与することについて、自ずとその限界がある。
本発明は、上記したようなブロー成形によるデラミボトルの問題点を解消することを課題とし、底割れの心配のない、また外殻を形成する外層により、十分に高級感が付与されたデラミ機能を有する合成樹脂製容器を提供することを目的とする。
上記技術的課題を解決する手段の内、本発明の主たる構成は、
合成樹脂製容器において、
二重射出成形方法により外殻を形成する外層に内層を剥離可能に積層した二重壁筒体と、この二重壁筒体の下端部に嵌合する底部材により有底筒状とし、
二重壁筒体の上端部と下端部で内層を外層に周状に固定した状態で、内層はこれら上下の周状に固定した部分を固定端として内圧の減少により萎み状の減容変形が可能に薄肉に形成し、
また、二重壁筒体の所定箇所の外層部分に外層と内層の間に外気を導入するための吸気孔を開設する構成とする、と云うものである。
上記構成は、後述する2色成形方法やインサート成形方法等の二重射出成形方法を利用したデラミボトルであり、この二重射出成形方法によれば外層と内層に相互に相溶性の殆どない、たとえばポリプロピレン(PP)樹脂とナイロン樹脂を使用することにより、外層と内層を剥離可能に積層した二重壁筒体を成形することができ、この二重壁筒体の下端部に底部材を嵌合して有底筒状として、内層の剥離および減容変形機能、そして吸気孔を介した外気の導入機構によりデラミ機能を有する容器を提供することができる。
そして、上記構成の二重壁筒体を有する容器は、前述したブロー成形によるデラミボトルにおける、ブロー成形と云う成形法に起因する制約を解消することが可能である。
すなわち、まず底部は底部材により形成されるのでブロー成形時に形成される底部シール部を起点とする底割れの心配を解消することができる。
また、外殻を形成する外層については、たとえば、外表面を鏡面仕上げ状に高光沢にする、あるいは透明厚肉にしてクリスタル状に装飾する、厚肉半透明にして深みのあるフロスト感を現出させる等、射出成形の特徴を生かして、さまざまな態様で高級感を付与することが可能となる。
本発明の他の構成は、上記主たる構成において、前述したように二重射出成形方法を2色成形方法、若しくはインサート成形方法とする、と云うものである。
ここで、2色成形方法は異なる色、材質等を2回に分け、一体化して成形する方法であり。
本願の二重壁筒体の成形方法の一例を概略的に説明すると、まず一次成形により筒状の内層部分を射出成形し、コア金型にこの内層部分が外嵌した状態で、キャビティ金型等を交換して、二次成形により外層部分を筒状に射出成形し、内層と外層が積層した二重壁筒体を成形する。
一方、インサート成形方法は、金型キャビティ内に金属部材、ラベルあるいは合成樹脂製部材等の部材をインサート材としてセットした状態で樹脂を射出成形し、これら部材が一体化された合成樹脂成形品を成形する方法である。
本願の二重壁筒体の成形方法の一例を概略的に説明すると、まず内層で形成される筒状の内層部分を射出成形し、この内層部分をインサート材として金型キャビティ内にセットし、さらに具体的に云えば円柱状のコア金型に外嵌状セットし、外層部分を筒状に射出成形して内層と外層が積層した二重壁筒体を成形する。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、
二重壁筒体の上端部に嵌合して使用するするキャップ体を利用して内層の上端部を、また底部材を利用して内層の下端部を外層に周状に固定する構成とする、と云うものである。
上記構成は、二重壁筒体の内層を外層に周状に固定するための具体的な構成に係るものであり、本発明の容器は上端部にキャップ体等を嵌合して注出容器として使用されるものであるが、上記構成はこのキャップ体を利用して内層の上端部を周状に固定するものである。
また、内層の下端部につては底部材を利用して周状に固定することができる。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、
底部材は、二重壁筒体の下端部に外嵌する嵌合筒片を有し、この嵌合筒片の下端部から内鍔周片を介して二重筒体の下端部に嵌入する嵌合凸部を一体設したものであり、嵌合凸部の基端部により内層を外層に周状に固定する構成とする、と云うものである。
上記構成は、底部材の具体的な形状に係るものであり、この底部材の嵌合筒片と嵌合凸部を利用して、内層を確実に外層に周状に固定することができる。
本発明の合成樹脂製容器は上記した構成であり、以下に示す効果を奏する。
すなわち、上記主たる構成を有する容器にあっては、
二重射出成形方法による二重壁筒体を有する容器は、底部は底部材により形成されるのでブロー成形時に形成される底部シール部を起点とする底割れの心配を解消することができ、また、外殻を形成する外層については、たとえば、外表面を鏡面仕上げ状に高光沢にする、あるいは透明厚肉にしてクリスタル状に装飾する、厚肉半透明にして深みのあるフロスト感を現出させる等、射出成形の特徴を生かして、ブロー成形では実現が難しいさまざまな態様での高級感を付与することができる。
本発明の容器の半縦正面図である。 図1の容器を容器本体として利用したポンプ付き注出容器の一例の半縦断側面図である。 本発明の容器を成形するための二重射出成形方法の一例を示す概略説明図である。 ブロー成形によるデラミボトルを容器本体に利用したポンプ付き注出容器を部分的に縦断して示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態を実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
図1は本発明による合成樹脂製容器の一実施例の半縦断正面図で、図2は図1の容器を容器本体として利用したポンプ付き注出容器の半縦断側面図である。
図1に示される本発明による合成樹脂製容器の一実施例である容器本体1は二重筒壁体2とこの二重筒壁体2の下端部に嵌合する底部材7から構成される。
この二重筒壁体2の形状は円筒状の胴部5の上端部に肩部4を介して縮径状に口筒部3が連設されたものであり、全高さ範囲に亘って厚肉で外殻を形成する外層11に薄肉の内層12が剥離可能に積層した二重壁構造を有する。
本実施例では、外層11にはブロック共重合ポリプロピレン(PP)樹脂を、内層12にはナイロン樹脂を使用しており、両樹脂の組合せにより、外層11と内層12は剥離可能に積層されている。胴部5での外層11の肉厚は4mm、内層12の肉厚は0.3mm程度である。
そして、上記構成により二重筒壁体2の外周面は高い光沢性を有し、またブロック共重合PP樹脂製で厚肉の外層11によるフロスト感と相俟って、高級感のある質感が現出されている。
なお、後述するように内層12を上端部で外層11に周状に固定するため、外層11と内層12の上端部を内鍔状にし、さらに内層12を厚肉にして内層12が外層11の下に積層する構成としている。(以下、この周状に固定される部分を上周固定部14aとする。(図1参照))
また、外層11の下端の直上部分には、外層11と内層12の間に外気を導入するため、一対の吸気孔13が中心軸対称の位置に開設されている。
底部材7は、二重壁筒体2の下端部に外嵌する嵌合筒片7aを有し、この嵌合筒片7aの下端部から内鍔周片7bを介して二重壁筒体2の下端部に嵌入する嵌合凸部7cを一体設したものであり、嵌合凸部7cの基端部で内層12の下端部を外層11に周状に、また気密状に固定している。(以下、この周状に固定される部分を下周固定部14bとする。(図1参照))
図3は、上記の二重壁筒体2を成形するための二重射出成形方法の一例で、2色成形方法を示す概略説明図であり、以下、この図3を参照しながら二重壁筒体2を成形するための二重射出成形方法の成形工程を説明する。
図3(a)は、内層12を成形する第1成形に使用する第1金型51aの構成を示す半縦断面図で、コア金型52、キャビティ金型53aから構成されており、まずこの第1金型51aを使用して、内層12用の樹脂を溶融状態でゲート55aからキャビティ56aに射出、充填し、筒状の内層12部分を成形する。
次に、上記第1成形後、キャビティ金型53aを型開きし、図3(b)に示すように筒状の内層12が外嵌した状態でコア金型52を移動する。
次に、図3(c)は外層11を成形する第2成形に使用する第2金型51bの構成を示す半縦断面図で、図3(b)のように筒状の内層12が外嵌した状態のコア金型52、キャビティ金型53b、上部金型54bから構成されており、この第2金型51bを使用して、外層11用の樹脂を溶融状態でゲート55bからキャビティ56bに射出、充填し、筒状の内層12の外側に、外層11を積層状に成形する。
そして、キャビティ金型53b、上部金型54bを型開きし、図3(d)に示されるように、コア金型52から型抜きして二重壁筒体2を得ることができる。
次に図2を参照して、図1の容器本体1を利用したポンプ付き注出容器の一例について説明する。
図2に示される注出容器は、主として、本発明のデラミ機能を有する容器である容器本体1、ポンプ31、そしてポンプ31を容器本体1の上端部に組付け固定するキャップ体9と云う3つの部材から構成される。
ポンプ31はキャップ体9により二重壁筒体2の口筒部3に組付け固定されているが、上部には吐出口を開設したノズルヘッド32が下部には吸引パイプ33を配設した構成としている。
また、ノズルヘッド32を外装するように、キャップ体9にオーバーキャップ10を装着されている。
また、図2に示すように容器本体1に、キャップ体9によりポンプ31を組付け固定した状態で、キャップ体9の係止筒片9aが内層12の端面を外層11に押付けるようにして、内層12をその上端部で周状に固定して上周固定部14aとしている。
ここで、図2の注出容器ではキャップ体9の部位を利用して内層12の上端部を周状に固定する構成としたが、外層11と内層12の上端部の形状と、積層状態を適宜選択することにより外層11と内層12自体で、内層12を周状に固定した状態を維持する構成とすることも可能である。
たとえば、図1の容器本体1では前述したように、外層11と内層12の上端部を内鍔状にし、さらに内層12を厚肉にして内層12が外層11の下に積層して、内層11の剥離が進行し難い構成としており、係止筒片9a等のキャップ体9の部位を利用せずに内層12を外層11に周状に固定した状態を維持する構成とすることも可能である。
さらに、前述した第1成形で内層12の外周面に凹凸を成形しておけば、第2成形では凹凸に沿って外層11が積層されるので、凹凸により外層11と内層12の密着力を大きくすることができ、外層11と内層12自体による固定状態をより強固に維持することができる。
そして、このように構成されるポンプ付き容器で、ノズルヘッド32への押下げ操作により内容液Lを注出すると、内容液Lが減少した分、図中二点鎖線で示されるように、内層12が萎み状に減容変形すると共に、吸気孔13から外気が外層11と内層12の間に導入される。
ここで、内層12の減容変形は上周固定部14aと下周固定部14bを固定部として進行するため、全体として中心軸方向に向けて縮径状に進行する。
なお、外層11と内層12との密着性が大きく、剥離がスムーズに進行しない場合には、内層12の減容変形をよりスムーズに進行させるために、吸気孔13から外層11と内層12の間に圧空を吹き込む等して、外層11と内層12の密着状態を予め解消しておくことが好ましい。
以上、実施例に沿って本発明の容器、およびこの容器を容器本体として使用したポンプ付き注出容器の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。
まず、上記した容器の実施例では外層にはブロック共重合PP樹脂を内層にはナイロン樹脂を使用した例を示したが、勿論、容器の美観、二重射出成形性、外層と内層の剥離性等を考慮して、他の合成樹脂の組み合わせを適宜選択することができる。また、上記実施例では胴部を円筒状としたが、使用目的に応じて楕円筒状や長円筒状等、他の筒状形状を選択することができる。
また、二重射出成形方法について、上記の実施例では2色成形方法について説明したが、その成形手順や金型構造は一例にすぎず、成形品の形状や成形装置等を考慮してさまざまなバリエーションのものを採用することができるし、インサート成形方法とすることもできる。
また、内層の上端部及び下端部における周状の固定方法についても、さまざまな態様の中から選択することができる。
また、ポンプ付き注出容器について、図2に示したポンプ、キャップ体、あるいはポンプの固定方法はその一例にすぎない。
以上説明したように、本発明の合成樹脂製容器は、二重射出成形法によりデラミ機能が発揮されるようにしたものであり、射出成形方法の特徴を生かしてブロー成形では実現が難しい、美観や高級感を付与することができるものであり、化粧料用のポンプ付き注出容器の容器本体等の用途に幅広い利用が期待される。
1 ;容器本体
2 ;二重壁筒体
3、103;口筒部
4 ;肩部
5 ;胴部
7 ;底部材
7a;嵌合筒片
7b;内鍔周片
7c;嵌合凸部
9、109;キャップ体
9a;係止筒片
10;オーバーキャップ
11、111;外層
12、112;内層
13、113;吸気孔
14a;上周固定部
14b;下周固定部
31;ポンプ
32;ノズルヘッド
33;吸引パイプ
34;パッキン
51a;第1金型
51b;第2金型
52;コア金型
53a、53b;キャビティ金型
54b;上部金型
55a、55b;ゲート
56a、56bキャビティ
101;壜体
108;底シール部
L ;内容液

Claims (4)

  1. 二重射出成形方法により外殻を形成する外層(11)に内層(12)を剥離可能に積層した二重壁筒体(2)と、該二重壁筒体(2)の下端部に嵌合する底部材(7)により有底筒状とし、前記二重壁筒体(2)の上端部と下端部で内層(12)を外層(11)に周状に固定した状態で、前記内層(12)は前記上下の周状に固定した部分を固定端として内圧の減少により萎み状の減容変形が可能に薄肉に形成し、また、前記二重壁筒体(2)の所定箇所の外層(11)部分に外層(11)と内層(12)の間に外気を導入するための吸気孔(13)を開設する構成としたことを特徴とする合成樹脂製容器。
  2. 二重射出成形方法を2色成形方法、若しくはインサート成形方法とした請求項1記載の合成樹脂製容器。
  3. 二重壁筒体(2)の上端部に嵌合して使用するキャップ体(9)を利用して内層(12)の上端部を、また底部材(7)を利用して内層(12)の下端部を外層(11)に周状に固定する構成とした請求項1または2記載の合成樹脂製容器。
  4. 底部材(7)は、二重壁筒体(2)の下端部に外嵌する嵌合筒片(7a)を有し、該嵌合筒片(7a)の下端部から内鍔周片(7b)を介して前記二重筒体(2)の下端部に嵌入する嵌合凸部(7c)を一体設したものであり、前記嵌合凸部(7c)の基端部により内層(12)を外層(11)に周状に固定する構成とした請求項1、2または3記載の合成樹脂製容器。

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