JP5653683B2 - 補強シート及びこれを用いたシート状構造材 - Google Patents
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Description
接着剤が含浸可能な補強シートであって、
天然繊維を含む組成物を抄紙して得られ、
抄紙方向に対して略垂直に設けられた複数の直線状切り込み部を有することを特徴とする補強シートである。
図1の補強シート1は、天然繊維を含む組成物を抄紙して得られるものであり、複数の直線状切り込み部2を有している。
当該補強シート1及び補強シート11の製造方法としては、一般的に製紙用途で使用される方法を用いることができる。具体的には、天然パルプを主原料とする原料スラリーをワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、リールパートを経て抄紙し、これを巻き取ることで製造することができる。かかるドライヤーパートにおいて110℃程度で加熱処理がなされ、上述の熱可塑性合成繊維が融解する。また、補強シート1及び補強シート11のカレンダー処理方法については、特に限定されず、オンマシンで設定されているマシンカレンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、マットカレンダー、ブラッシカレンダー、ソフトカレンダー等を用いることができる。なお、この製造方法により補強シート1及び補強シート11を多層抄きとすることもできる。補強シート1及び補強シート11を多層抄きとすることとで、機械的強度が高くなる効果がある。
図3のシート状構造材21は、シート材22と、このシート材22の両面に接着剤23を介して積層される一対の補強シート1とを備えている。
補強シート1をシート材22に接着させて、シート状構造材21を製造する方法としては、例えば接着剤23が含浸した補強シート1をシート材22に対して熱ロールなどを用いて接着する方法、接着剤23を塗布したシート材22に補強シート1を熱ロールなどを用いて接着するバインダーラミネーション法、フィルム状に成型された接着剤23を補強シート1とシート材22との間に挟入し、熱ロールなどを用いて接着する熱ラミネーション法、シート材22に接着剤23を介して補強シート1を仮止めし、加熱成型時に成型と接着とを同時に行う方法等が挙げられる。中でも、補強シート1を接着したシート状構造材21に強度等を効果的に付与するためには、接着剤23が含浸した補強シート1をシート材22に対して熱ロールなどを用いて接着する方法が特に好ましい。
[実施例1〜22]
(補強シートの製造)
補強シートを構成する天然繊維素材として、実施例1〜22においては、天然パルプであるNBKP及びLBKP、熱可塑性合成繊維であるポリエステル繊維(ユニチカ社の「メルティ」)、非熱可塑性化学繊維であるビニロン(クラレ社の「VPB303」)を下記表1に示す含有量により調整して、原料スラリーを得た。なおこの原料スラリーには、任意成分として、硫酸バンド、湿潤紙力剤、ポリエチレンオキサイドを別途含有した。
上記平坦化処理を行ったシート体に対し、ダイカッターを用いて直線状切り込み部を形成した。直線状切り込み部は、抄紙方向に対し表1の方向となるよう形成した。
直線状切り込み部に加え、以下の形状の非直線状切り込み部を形成した。非直線状切り込み部の形成方法及び深さは、上記直線状切り込み部と同じである。
A:直線状切り込み部のみを形成した。
B:直線状切り込み部に加え、直線状切り込み部の一端部をそれぞれ覆うように、略くの字状の複数の非直線状切り込み部を形成した。この非直線状切り込み部は、一辺が4mmの正三角形の一辺を取り除いた形状であり、その重心が直線状切り込み部の長さ方向の一端部と略一致する。
C:直線状切り込み部に加え、直線状切り込み部の長手方向の一端部をそれぞれ覆うように、略円弧状の複数の非直線状切り込み部を形成した。この非直線状切り込み部は、中心が上記直線状切り込み部上にあり、半径2mm、中心角120度の略円弧状である。
D:直線状切り込み部に加え、直線状切り込み部の長手方向の両端部をそれぞれ覆うように、略円弧状の複数の非直線状切り込み部を形成した。この非直線状切り込み部は、中心が上記直線状切り込み部上にあり、半径2mm、中心角240度の略円弧状である。
上記直線状切り込み部は、抄紙方向に対し表1のような向きとなるよう形成した。
上記直線状切り込み部は、補強シート100cm2あたりの配設密度が表1のような数値となるよう配設した。
上述した製造工程により得られた補強シートをポリ酢酸ビニル系接着剤に含浸させた。次に、接着剤が含浸した補強シートを、発泡性ポリウレタンシートの両面に熱ロールを用いて接着させ、シート状構造材を製造した。
天然繊維を竹とLBKPとし、表1の配合量に基づき原料スラリーを調整した以外は、実施例1〜22と同様である。
天然繊維をケナフとLBKPとし、表1の配合量に基づき原料スラリーを調整した以外は、実施例1〜22と同様である。
熱可塑性剛性繊維をポリオレフィン繊維(三井化学社の「SWP−E400」)とし、表1の配合量に表1の配合量に基づき原料スラリーを調整した以外は、実施例1〜22と同様である。
非熱可塑性合成繊維をアクリル(東洋紡社の「ビィパル」)とし、表1の配合量に基づき原料スラリーを調整した以外は、実施例1〜22と同様である。
ガラスチョップドストランドマット(フィラメント直径:11μm、ストランド番手:20テックス、収束本数:80本、ストランド長:50mm、マット目付:120g/m2)を、接着剤を介して発泡性ポリウレタンシートの両面に熱ロールを用いて接着させ、比較例のシート状構造材を製造した。
直線状切り込み部を抄紙方向に対して並行に形成し、表1の配合量に基づき原料スラリーを調整した以外は、実施例1と同様である。
切り込み部を配設せず、表1の配合量に基づき原料スラリーを調整した以外は、実施例1と同様である。
切り込み部を配設せず、坪量50g/m2、密度1.0g/m3とした以外は実施例1と同様である。
切り込み部を配設せず、坪量300g/m2、密度0.3g/m3とした以外は実施例1と同様である。
上記実施例及び比較例で得られた補強シートの各物性を以下の方法にて測定した。これらの結果を表1に示す。
補強シートの坪量は、JIS−P8124(1998)「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した。
補強シートの密度は、JIS−P8124(1998)「紙及び板紙−坪量測定方法」及びJIS−P8118(1998)「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
接着剤に含浸させる前の原紙の状態における補強シートの引張強度を測定した。また、比較例1では、接着剤に含浸させる前のガラスチョップドストランドマットの状態における引張強度を測定した。この引張強度(N)は、試験サンプルの幅を30mm±0.1mmとして測定した値である。上記測定値をサンプル幅(30mm)で割ることで、JIS−P8113(2006)「紙及び板紙―引張特性の試験方法」記載の単位(kN/m)に換算可能である。なお、実施例における引張強度は、抄紙方向に対して測定した。
補強シートの伸び率は、JIS−P8113(2006)「紙及び板紙の引張強さ試験方法」に準拠して、抄紙方向(縦)、幅方向(横)のサンプル幅30±0.1mm、試験片長さ200mmの試験片を用い、初期試験長さ(180mm±1mm)に対する百分率として引張り破断伸びを10個の試験片を測定し、その平均値を算出した。
シート状構造材をA3サイズに断裁し、自動車用天井内装材として仮定した、直径200mmの半円球状の木製凹凸型枠を用い、当該凹凸型枠の凹凸間に挟み込み、縦15N、横5Nの力を加えた状態で成型加工した。当該シート状構造材の成型加工後の破れの有無を肉眼で確認し、評価した。
表1に示す通り、実施例1〜26は、比較例1と同程度の引張強度及び伸び率を示す傾向が見られ、成型時破れにおいても差が見られなかった。
2 直線状切り込み部
11 補強シート
12 直線状切り込み部
13 非直線状切り込み部
21 シート状構造材
22 シート材
23 接着剤
Claims (8)
- 自動車内装材として用いられるシート状構造材を形成するための補強シートであって、
接着剤が含浸可能であり、
天然繊維を含む組成物を抄紙して得られ、
抄紙方向に対して略垂直に設けられた複数の直線状切り込み部を有することを特徴とする自動車内装材用補強シート。 - 上記直線状切り込み部の一端又は両端をそれぞれ囲うように設けられた非直線状切り込み部を有する請求項1に記載の自動車内装材用補強シート。
- 上記非直線状切り込み部は、中心が上記直線状切り込み部上にあり、中心角が120度以上240度以下の略円弧形である請求項1又は請求項2に記載の自動車内装材用補強シート。
- 上記組成物が熱可塑性合成繊維及び/又は非熱可塑性化学繊維をさらに含む請求項1、請求項2又は請求項3に記載の自動車内装材用補強シート。
- 上記直線状切り込み部の配設密度が10個/100cm2以上30個/100cm2以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の自動車内装材用補強シート。
- 密度が0.4g/cm3以上0.9g/cm3以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の自動車内装材用補強シート。
- 坪量が60g/m2以上250g/m2以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の自動車内装材用補強シート。
- シート材と、
上記シート材の片面又は両面に接着剤を介して接着される請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の自動車内装材用補強シートと
を備えるシート状構造材。
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