JP5653849B2 - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents
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該式中のR1は、炭素数1〜12のアルキレン基(該基中にO、S、又はNの各元素による連結及び/又は−(C2H4O)b−による連結を有していてもよい)を表す。上記式(1)中のR2は、ないか、又は、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、R2は、脂環族基又は芳香族基に連結していてもよい。bは1〜300の数を表わし、aは1〜300の数を表す。]
<滑性保護層>
本発明の可逆性感熱記録材料は、基材の少なくとも一方の面に、透明度が温度によって可逆的に変化し得る感熱記録層と、必要に応じてその上に中間層を積層し、さらに最上層に滑性保護層を設けたものであり、該滑性保護層を下記の構成としたことを特徴とする。すなわち、該滑性保護層を構成する高分子化合物が、下記一般式(1)で表せる5員環環状カーボネートポリシロキサン化合物とアミン化合物との反応から誘導されたポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を主成分としたことを特徴とする。
本発明の可逆性感熱記録材料は、上記した本発明を特徴づける滑性保護層を、基材の少なくとも一方の面に、後述する感熱記録層と必要に応じて設ける中間層を介して形成することによって得られる。本発明に使用される基材としては、例えば、プラスチックフィルム、ガラス板、金属板、紙のようなものが使用でき、様々な厚さのものの使用が可能である。また、それらの表面または裏面に着色被覆層を設けたもの、着色顔料を混練したプラスチックフィルムなどが使用できる。さらに、プラスチックフィルムに金属蒸着などの反射層を設けたものも使用可能である。
本発明の可逆性感熱記録材料を構成する感熱記録層は、高分子樹脂及び該高分子樹脂中に分散された有機低分子物質を主成分とし、透明度が温度によって可逆的に変化し得る可逆性感熱記録層である。本発明の可逆性感熱記録材料は、このような可逆性感熱記録層を有することにより、加熱によって繰り返し記録、消去を行うことができる。以下、可逆性感熱記録層を形成するための各成分について説明する。
可逆性感熱記録層を構成する高分子樹脂は、後述する有機低分子物質を均一に分散保持した層を形成し得るものであって、透明性が高く、機械的に安定な樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体などの塩化ビニル系共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体などの塩化ビニリデン系共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレート又はポリメタクリレート或いはアクリレート−メタクリレート共重合体などが挙げられる。これらは単独で或いは2種以上混合して使用される。
可逆性感熱記録層を構成する有機低分子物質は、上記の高分子樹脂中に粒子状に分散された状態で存在し、その粒径がおよそ0.1〜2μmの範囲に分布するものが好ましい。一般的には、ワックス、あるいはロウと呼ばれ、室温においては固体状であり、炭素数10〜60程度の長鎖アルキル基を含む化合物、長鎖アルキル基からなる脂肪酸、アルコール、エステル、アミド、ケトン、エーテル、チオエーテル、或いはアミンなどが好ましい。
また、本発明の可逆性感熱記録材料には、必要に応じて各種中間層を設けることができる。該中間層は、一層であっても多層の組み合わせからなるものであってもよく、本発明の効果の範囲内であれば、必要に応じて、適宜設けることができ、例えば、意匠性を目的とした印刷層や着色層さらには耐熱保護層などを設けることができる。印刷層や着色層は従来公知の材料が使用でき、また耐熱保護層に使用する材料としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂や、UV硬化型樹脂、EB硬化型樹脂が用いられる。
さらに、本発明の効果の範囲内であれば、基材と感熱記録層の間に、情報を記録する磁気記録層や、感熱記録層の透明化状態と白濁化状態とのコントラストを向上させるため、基材上に金属蒸着などの反射層を設けることもできる。さらには基材及び感熱記録層や各種中間層の接着性を高める接着層を設けることもできる。
撹拌機、温度計、ガス導入管及び還流冷却器を備えた反応容器中に、下記式Aで表される2価エポキシ変性ポリシロキサン(信越化学工業(株)、X−22−163;エポキシ当量198g/mol)100部、N−メチルピロリドン100部、ヨウ化ナトリウム1.2部を加え均一に溶解させた。その後、これに炭酸ガスを0.5リッター/分の速度でバブリングしながら、80℃で30時間加熱撹拌させた。
本製造例では、先の製造例1で用いた2価エポキシ変性ポリシロキサンAの代わりに、下記式Bで示される2価エポキシ変性ポリシロキサンB(信越化学工業(株)、KF−105;エポキシ当量485g/mol)を用いた。そして、これ以外は、製造例1と同様に反応させて、無色透明の液状5員環環状カーボネートポリシロキサン化合物(1−B)99部(収率91%)を得た。得られた生成物(1−B)を製造例1の場合と同様に、赤外吸収スペクトル、GPC、NMRで確認した。得られた5員環環状カーボネートポリシロキサン化合物(1−B)中には、8.3%の二酸化炭素が固定化されていた。
本製造例では、先の製造例1で用いた2価エポキシ変性ポリシロキサンAの代わりに、下記式Cで示される2価エポキシ変性ポリシロキサンC(信越化学工業(株)、X−22−169AS;エポキシ当量533g/mol)を用いた。そして、これ以外は、製造例1と同様に反応させて、無色透明の液状5員環環状カーボネートポリシロキサン化合物(1−C)71部(収率68%)を得た。得られた生成物の特性は、製造例1の場合と同様に、赤外吸収スペクトル、GPC、NMRで確認した。得られた5員環環状カーボネートポリシロキサン化合物(1−C)中には、7.6%の二酸化炭素が固定化されていた。
本比較製造例では、先の製造例1で用いた2価エポキシ変性ポリシロキサンAの代わりに、下記式Dで表される2価エポキシ化合物D(ジャパンエポキシレジン(株)、エピコート828;エポキシ当量187g/mol)を用いた。そして、これ以外は、製造例1と同様に反応させ、白色粉末の5員環環状カーボネート化合物(1−D)118部(収率95%)を得た。生成物の特性は、赤外吸収スペクトル、GPC、NMRで確認した。得られた5員環環状カーボネート化合物(1−D)中には、19%の二酸化炭素が固定化されていた。
先の製造例1〜3で得られた5員環環状カーボネートポリシロキサン化合物をそれぞれに用い、下記の手順で、実施例で用いるポリシロキサン変性ポリヒドロキシウレタン樹脂を合成した。撹拌機、温度計、ガス導入管及び還流冷却器を備えた反応容器を窒素置換し、これに製造例1〜3で得られた5員環環状カーボネートポリシロキサン化合物を加え、更に固形分が35%になるようにN−メチルピロリドンを加え均一に溶解した。次に、表1に記載のアミン化合物を所定当量加え、90℃の温度で10時間撹拌し、アミン化合物が確認できなくなるまで反応させた。得られた3種類のポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の性状は、表1に記載の通りである。
下記のようにして、比較例で用いるポリヒドロキシポリウレタン樹脂を合成した。撹拌機、温度計、ガス導入管及び還流冷却器を備えた反応容器を窒素置換し、これに比較例1で得られた5員環環状カーボネート化合物を加え、更に固形分が35%になるようにN−メチルピロリドンを加え均一に溶解した。次に、ヘキサメチレンジアミンを所定当量加え、90℃の温度で10時間撹拌し、アミン化合物が確認できなくなるまで反応させた。得られたポリヒドロキシポリウレタン樹脂の性状は、表1に記載の通りである。
下記のようにして、比較重合例2として、ポリエステルとジオールとアミンとから従来のポリウレタン樹脂を合成した。まず、撹拌機、温度計、ガス導入管及び還流冷却器を備えた反応容器を窒素置換し、平均分子量約2,000のポリブチレンアジペート150部と、1,4−ブタンジオール15部とを、200部のメチルエチルケトンと50部のジメチルホルムアミドからなる混合有機溶剤中に溶解した。その後、60℃でよく撹拌しながら62部の水添加MDI(メチレンビス(1,4−シクロヘキサン)−ジイソシアネート)を171部のジメチルホルムアミドに溶解したものを徐々に滴下し、滴下終了後80℃で6時間反応させた。
この溶液は固形分35%で3.2MPa・s(25℃)の粘度を有していた。この溶液から得られたフィルムは破断強度45MPaで、破断伸度480%を有し、熱軟化温度は110℃であった。
下記のようにして、比較例で用いるポリシロキサン変性ポリウレタン樹脂をジオールとアミンから合成した。具体的には、下記式(E)で表され、且つ平均分子量が約3,200であるポリジメチルシロキサンジオール150部及び1,4−ブタンジオール10部を、200部のメチルエチルケトンと50部のジメチルホルムアミドからなる混合有機溶媒を加え、また、40部の水添加MDIを、120部のジメチルホルムアミドに溶解したものを徐々に滴下し、滴下終了後、80℃で6時間反応させた。この溶液は固形分35%で1.6MPa・s(25℃)の粘度を有し、この溶液から得られたフィルムは破断強度21MPaで破断伸度250%を有し、熱軟化温度は135℃であった。
上記重合例で得た樹脂をそれぞれに用いて、下記の方法で、基材上に、感熱記録層、耐熱保護層(中間層)、滑性保護層をこの順で形成し、実施例及び比較例の可逆性感熱記録材料を作製した。基材として、188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に0.1μm厚のアルミ層を真空蒸着法により形成した金属反射基材を用いた。
下記配合の溶液を調製し、上記した基材上にワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃にて4分間加熱乾燥することによって、厚みが12μmの、透明度が温度によって可逆的に変化し得る可逆性感熱記録層を形成した。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(日信化学製) 30部
ベヘン酸 7部
セバシン酸 6部
フタル酸ジ−2エチルヘキシル 3部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン、コロネートHL) 2部
テトラヒドロフラン 100部
エチレングリコールモノエチルエーテル 70部
上記で形成した感熱記録層の上に、下記のようにして中間層である耐熱保護層を形成した。具体的には、アクリル系紫外線硬化樹脂(大日精化工業製)を、感熱記録層の上に乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布した後、紫外線を500mJ/cm2で照射して、耐熱保護層を形成した。
先に重合例1〜3及び比較重合例1〜3で調製した樹脂(固形分35%)をそれぞれに用い、金属反射基材上に形成した感熱記録層及び耐熱保護層の上に、下記のようにして最上層として滑性保護層を形成した。具体的には、まず、上記各樹脂溶液を溶剤(テトラヒドロフラン)で希釈して、これに表2に示したように架橋剤を添加して樹脂組成物をそれぞれ得た。調製した樹脂組成物を、乾燥後の厚みが1.0μmになるようにワイヤーバーにより塗布し、乾燥機中で乾燥して基材の最上層に滑性保護層を形成し、実施例1〜3及び比較例1〜3の可逆性感熱記録材料を得た。
上記で得た実施例1〜3及び比較例1〜3の各可逆性感熱記録材料について、ライン型サーマルヘッド(8dot/mm)を用いて画像形成を行い、熱板圧着方式(熱板温度;100〜105℃)にて画像消去する操作を100回繰り返し、以下の各特性を評価した。
上記の条件にて印字試験を行った際の、サーマルヘッドとの間の押圧操作時における、可逆性感熱記録材料のサーマルヘッドからの離脱性を目視で評価した。なお、最も離脱性の良いものを5とし、最も離脱性の悪いものを1とし、5段階にて評価を行った。
上記条件での実装試験に供したサーマルヘッドの汚れの状態を、光学顕微鏡で観測し、評価した。その際、最も汚れの少ないものを5とし、最も汚れのひどいものを1とし、5段階で相対的に評価を行った。
上記試験後の各可逆性感熱記録材料表面のキズを目視にて、下記の基準で判定した。
○;キズなし
△;ややキズあり
×;キズあり
実施例及び比較例の可逆性感熱記録材料の表面の静止摩擦係数をそれぞれ、表面性試験機(新東科学製)で評価した。
初期の白濁濃度と、上記で行った100回の操作後に画像消去した際における白濁濃度との差を、マクベス反射濃度計(RD−914)で測定し、その差を表3に示した。
実施例及び比較例の可逆性感熱記録材料の「滑性保護層」の形成材料の各樹脂中における二酸化炭素の固定化の有無で、○×判断した。
Claims (6)
- 基材及び該基材の少なくとも一方の面に設けられた、感熱記録層と、耐熱保護層を含む中間層と、最上層の滑性保護層とをこの順に有する可逆性感熱記録材料において、
上記感熱記録層が、高分子樹脂及び該高分子樹脂中に分散された有機低分子物質を主成分としてなる、透明度が温度によって透明な状態から白濁状態までの範囲で可逆的に変化し得、冷却後にはその状態を保持する性質を持つ、前記滑性保護層側からの加熱によって繰り返し記録、消去を行うことができるようにするための可逆性感熱記録層であり、かつ、
上記滑性保護層が、下記一般式(1)で表せる5員環環状カーボネートポリシロキサン化合物とアミン化合物との反応から誘導されてなるポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を含む樹脂組成物と、該樹脂の構造中の水酸基と反応する架橋剤とによって形成されている乾燥後の厚さが1.0〜3.0μmの架橋皮膜であることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
該式中のR1は、炭素数1〜12のアルキレン基(該基中にO、S、又はNの各元素による連結及び/又は−(C2H4O)b−による連結を有していてもよい)を表す。上記式(1)中のR2は、ないか、又は、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、R2は、脂環族基又は芳香族基に連結していてもよい。bは1〜300の数を表わし、aは1〜300の数を表す。] - 前記5員環環状カーボネートポリシロキサン化合物が、エポキシ変性ポリシロキサン化合物と二酸化炭素とを反応させて得られる請求項1に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂が、原料由来の二酸化炭素を1〜25質量%含有するものである請求項1又は2に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂が、その分子中に占めるポリシロキサンセグメントの含有量が1〜75質量%のものである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記架橋剤が、アルキルチタネート化合物又はポリイソシアネート化合物である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記耐熱保護層が、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、UV硬化型樹脂又はEB硬化型樹脂のいずれかからなる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録材料。
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