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JP5654076B2 - 引留グリップ及びその取付方法 - Google Patents
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この発明は、電柱の上部に架けられた高圧線を下方へ引き下げる際に、当該高圧線から分岐された高圧引下線を、電柱の所定部に設置された引留碍子に固定するための引留グリップとこの引留グリップを被係止部位に取り付ける取付方法に関する。
配電柱100の腕金101に架設された高圧配電線102から変圧器103に高圧引下線104を配線する場合には、図5(a)に示されるように、腕金101の端部付近に高圧引下線引留金物105,106を取り付け、そこに引留碍子110,111を設置し、この引留碍子110,111に高圧引下線104を固定するようにしている(特許文献1参照)。
図5(b)には、高圧引下線104の上側の引留碍子110への固定状態が示されている。高圧引下線104は、引留碍子110に上方から弛みを形成するように掛けられ、この引留碍子110を跨ぐようにして両側から垂れ下がる高圧引下線104の部分を引留グリップ120によって束ねることにより、引留碍子110に固定するようにしている。
従来の引留グリップ120は、銅製のワイヤにビニル被覆が施されたもので、図6(a)に示されるように、引留碍子110の小径部分を挟み込むリング状の係止基部121と、この係止基部121から二方向に徐々に広がるように延設されると共に波状に形成された一対の巻付部122とを有して構成され、図6(b)に示されるように、一対の巻付部122を拡げて係止基部121の巻付部122に移行する部分(一対の巻付部122の根元部分)を離した状態とし、この部分に引留碍子110の小径部分を差し入れて引留碍子110の小径部を係止基部121内に配置し、高圧配電線102から分岐されて弛むように延びる高圧引下線104aと、引留碍子110から下方へ垂下する高圧引下線104bとが重なる複線部に十回程度巻回し、さらに複線部の下方側において高圧引下線104bのみにさらに数回程度巻回させるようにしている。
なお、下側の引留碍子106への高圧引下線104の固定は、上記した上側の引留碍子105への固定構造を上下逆にした構造となる。
特開2008−92687号公報
しかしながら、上述した従来の引留グリップにおいては、一対の巻付部を拡げてその根元部分の間隔を拡げつつ、その間に引留碍子を差し入れるようにして引留碍子の小径部を係止基部内へ配置させるものであるため、図5(b)で示される両側の引留碍子110においては、軸に対して垂直にどの方向からアプローチしても取り付けることができるが、高圧引下線引留金物105の間に位置する中央の引留碍子110においては、腕金101が邪魔になるため、引留グリップ120を、腕金101の軸方向となる正面から腕金に沿って引留碍子を挟み込むようにグリップを近づけ(図6(b)参照)、上側の巻付部120を高圧引下線引留金物105の間に差し入れ、下側の巻付部120を引留碍子110の下側を通すようにすることで、引留碍子110の小径部を係止基部121内に配置させるしかなく、引留グリップの取り付け作業がやりにくいものであった。
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、取り付ける箇所に拘わらず、被係止部位に容易に取り付けることができ、作業効率の改善を図るようにした引留グリップを提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、本発明にかかる引留グリップは、中心角で所定の角度範囲に開放された開放部分を備えると共にこの開放部分を介して内側に配される被係止部位に係止可能に湾曲された係止基部と、この係止基部から延設されて先端側が波状に形成された巻付部と、前記係止基部から前記巻付部への移行部分に設けられた軸支部と、前記軸支部に近接し、前記巻付部の根元部分に径方向に突設された把持部とを有する一対のグリップ部材を備え、それぞれの前記グリップ部材を、互いの前記係止基部の開放部分が反対側を向くように前記軸支部に軸部材を係合させて回転自在に連結させたことを特徴としている。
したがって、引留グリップは、2つのグリップ部材を軸支部に係合された軸部材によって回転可能に組み合わせ、巻付部の先端側を遠近させることにより(離反・近接させることにより)係止基部の開放部分を開閉可能に形成されているので、被係止部位に引留グリップを取り付ける場合には、一対の巻付部の先端側を離反させて互いの係止基部の開放部分を向い合せつつ離反させた状態とすることで、その間に被係止部位を配置させることが可能となり、係止基部間に被係止部位を配置させた後に巻付部の先端側を近接させることで、被係止部位を係止基部の開放部分を介して該係止基部の内側に配置させることができ、それぞれの係止基部を被係止部位に係止させることが可能となる。このため、被係止部位を一対の巻付部の間に導く必要がないため、狭いスペースでも係止基部を被係止部位に係止させることが可能となる。
また、以上のような引留グリップにおいて、特に間接活線作業を行う場合を想定し、前記把持部は、前記係止基部の開放部分と反対側に延設され、互いのグリップ部材を前記軸支部を中心として前記係止基部の開放部分を対向させつつ離れるように回動させた場合に、重なるようにすることが好ましい。
このような構成とすることで、係止基部の開放部分が離れるようにグリップ部材を回動させて互いの把持部を重ねるようにすることで、この重ねた把持部を間接活線把持工具で把持することができ、その把持した状態を保ちつつ引留グリップを被係止部位にアプローチすることができ、被係止部位を係止基部間に配置した状態で間接活線把持工具による把持部の把持状態を解除することで、巻付部の自重により、グリップ部材が巻付部の先端側を近接するように回動し、それぞれのグリップ部材の係止基部が被係止部位に係止されることとなる。
したがって、引留グリップを用いた引留グリップの取り付け方法としては、請求項2に記載の引留グリップを被係止部位に取り付ける取り付け方法であって、前記一対のグリップ部材を前記軸支部を中心として互いの係止基部の開放部分を対向させつつ離れるように回動させて互いの把持部を重ね合わせ、その重ね合わせた把持部を間接活線把持工具で把持するステップと、重ね合わせた前記把持部を前記間接活線把持工具で把持した状態で、前記一対のグリップ部材を前記被係止部位にアプローチし、前記一対のグリップ部材の係止基部間に前記被係止部位を配置させるステップと、前記一対のグリップ部材の係止基部間に前記被係止部位を配置させた状態で、前記把持部の前記間接活線把持工具による把持状態を解除し、それぞれの巻付部の先端部を前記巻付部の自重により前記軸支部を中心として回転させることで近接させるステップとを具備するとよい。
なお、上述した引留グリップは、構造の簡易化を図るために、それぞれの前記グリップ部材の前記係止基部、前記巻付部、及び前記軸支部を1本の線材を加工して構成し、前記把持部を、前記線材に外装して構成するようにするとよい。
以上のように、本発明にかかる引留グリップによれば、被係止部位に係止可能に湾曲された係止基部と、この係止基部から延設されて先端側が波状に形成された巻付部と、係止基部から巻付部への移行部分に設けられた軸支部と、軸支部の近傍において巻付部の根元部分に径方向に突設された把持部とを有する一対のグリップ部材で構成し、この一対のグリップ部材を、互いの係止基部の開放部分が反対側を向くように軸支部に軸部材を係合させて回転自在に連結させるようにしたので、被係止部位に引留グリップを取り付ける場合に、被係止部位を一対の巻付部の間に導く必要がないため、狭いスペースでも係止基部を被係止部位に係止させることが可能となり、グリップを取り付ける箇所に拘わらず、グリップを引留碍子に容易に取り付けることができ、作業効率の改善を図ることが可能となる。
また、このような構成において、把持部を係止基部の開放部分と反対側に延設し、互いのグリップ部材を軸支部を中心として係止基部の開放部分を対向させつつ離れるように回動させた場合に、重なるようにすることで、特に、間接活線把持工具を用いて引留グリップを被係止部位に取り付ける作業を容易に行うことが可能となる。
さらに、それぞれのグリップ部材の係止基部、巻付部、及び軸支部を1本の線材を加工して構成し、把持部を線材に外装して構成するようにすることで、構造の複雑化を避けることが可能となり、また、製造も容易となる。
図1は、本発明に係る引留グリップの構成例を示す正面図である。 図2は、本発明に係る引留グリップの構成部品を示す図である。 図3は、本発明に係る引留グリップのそれぞれのグリップ部材の巻付部を離反させるようにグリップ部材を回転させた状態を示す図である。 図4は、本発明に係る引留グリップを引留碍子に取り付ける作業工程を説明する説明図である。 図5は、電柱上部の構造を示す図であり、(a)はその側面図、(b)はその正面図である。 図6(a)は、従来の引留グリップを示す図であり、図6(b)は、従来の引留グリップを引留碍子に取り付ける作業を説明する図である。
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1乃至図3において、本発明に係る引留グリップ1は、2つのグリップ部材2を組み合わせて構成されるもので、それぞれのグリップ部材2は、被係止部位を構成する引留碍子110の小径部110aに係止可能に湾曲された係止基部3と、この係止基部3から延設されて先端側が波状に形成された巻付部4と、係止基部3から巻付部4への移行部分に設けられた軸支部5と、軸支部5の近傍に設けられ、巻付部4の根元部分において径方向に突設された把持部6とを有して構成されている。
各グリップ部材2において、係止基部3、巻付部4、及び軸支部5は、剛性の高い一本の線材を加工して構成されているもので、この線材に把持部6が取り付けられている。
係止基部3は、引留碍子110の小径部110aの径とほぼ等しいかそれより若干大きい曲率半径に形成され、中心角が約270度となる弧状に形成され、中心角で約90度となる範囲が開放された開放部分となっている。
巻付部4は、係止基部3を含む平面上に係止基部3の中心から径方向に延設されているもので、巻付部4の根元部分を直線状に形成した直線状部4aとし、中程から先端にかけて波状に形成した波状部4bとで構成されている。
軸支部5は、係止基部3の基端を該係止基部3を含む平面に対して垂直となる軸の周りに一回転させ、そのまま巻付部4に移行させるように形成されているもので、後述する軸部材10を挿通させることができる程度の内径に形成されている。
そして、このような一対のグリップ部材2は、互いの係止基部3の開放部分が反対側を向くように軸支部5を重ね合わせ、それぞれの軸支部5に軸部材10を挿着させることで軸支部5(軸部材10)を中心に回転可能に連結されている。軸部材10は、特に限定されるものではないが、一対のグリップ部材2を相対的に回転自在とし、連結された状態が外れないような部材で構成されており、例えば、平リベットなどを用いるようにしてもよい。
巻付部4の根元部分(直線状部4aの根元部分)には、軸支部5に近接した位置に把持部6が外装されている。この把持部6は、直線状部4aを挿通させる円筒部6aとこの円筒部6aから径方向に突設された把持板6bとを有して構成されているもので、円筒部6aが直線状部4aの根元部分で圧入により、又は、接着剤により軸方向に動かないように固定されている。
この把持部6(把持板6b)は、係止基部3の開放部分と反対側に延設されており、間接活性把持工具50で把持可能な大きさに設定されており、図3のように巻付部4の端部が大きく離れた状態で(係止基部3の開放部分が対向しつつ大きく離れた状態で)、互いに重なり合うようになっている。
尚、把持部6の把持板6bの形状は、特に限定されるものではないが、図3のように巻付部4の端部が大きく離れた状態で(係止基部3の開放部分が対向しつつ大きく離れた状態で)、互いに重なり合う面積が最も大きくなるような形状に設定するとよい。
以上の構成において、高圧引下線引留金物105の間に配置された引留碍子110の小径部110aに引留グリップ1を取り付けるには、図3に示されるように、一対のグリップ部材2を軸支部5を中心として互いの係止基部3の開放部分が対向しつつ離れるように回動させ、一対の把持部6を重ね合わせた状態とする。そして、この重ね合わせた把持部6を絶縁ヤットコ等の間接活線把持工具50で把持し、その状態で、図4(a)に示されるように、係止基部3の開放部分を引留碍子110の小径部100aに近づけ、そのまま引留碍子110の小径部110aを一対の係止基部3間に配置させる。
その後、一対のグリップ部材2の係止基部3間に引留碍子110の小径部110aを配置させた状態を保ちつつ、把持部6の間接活線把持工具50による把持状態を解除し、それぞれの巻付部4の先端部を巻付部4の自重によりそれぞれのグリップ部材2を軸支部を中心として回転させることで近接させる(図4(b))。これにより、引留グリップ1は、図1の状態となり、引留碍子110の小径部110aは、係止基部3の開放部分を介して該係止基部3の内側に配され、一対の係止基部3の間に引留碍子110の小径部110aが配置された状態で、この小径部110aにそれぞれのグリップ部材2の係止基部3が係止され、引留グリップ1の引留碍子110への取り付けが完了する。
そして、その後に、従来通り、引下げ線を引留碍子110に上方から弛みを形成するように掛け回し、この引留碍子110の両側から垂れ下がっている部分を引留グリップ1によって束ねることにより、引留碍子110に引下げ線を固定する。
したがって、以上の構成によれば、引留碍子110の小径部110aに引留グリップ1を取り付ける場合に、引留碍子110を一対の巻付部4の間に導く必要がないため、狭いスペースでも係止基部3を引留碍子110の小径部110aに係止させることが可能となり、引留グリップ1の取り付け箇所に拘わらず、引留グリップ1を引留碍子110に容易に取り付けることができ、作業効率の改善を図ることが可能となる。
尚、上述の構成においては、把持部6が巻付部4に軸方向に動かないように固定されている例を示したが、把持部6は、軸方向の位置を微調整することができるように、大きい摩擦抵抗を持たせて直線状部4aを摺動可能としてもよい。
1 引留グリップ
2 グリップ部材
3 係止基部
4 巻付部
5 軸支部
6 把持部
10 軸部材
50 間接活線把持工具

Claims (4)

  1. 中心角で所定の角度範囲に開放された開放部分を備えると共にこの開放部分を介して内側に配される被係止部位に係止可能に湾曲された係止基部と、この係止基部から延設されて先端側が波状に形成された巻付部と、前記係止基部から前記巻付部への移行部分に設けられた軸支部と、前記軸支部に近接し、前記巻付部の根元部分に径方向に突設された把持部とを有する一対のグリップ部材を備え、
    それぞれの前記グリップ部材を、互いの前記係止基部の開放部分が反対側を向くように前記軸支部に軸部材を係合させて回転自在に連結させたことを特徴とする引留グリップ。
  2. それぞれの前記把持部は、前記係止基部の開放部分と反対側に延設され、互いのグリップ部材を前記軸支部を中心として前記係止基部の開放部分を対向させつつ離れるように回動させた場合に、重なることを特徴とする請求項1記載の引留グリップ。
  3. それぞれの前記グリップ部材の前記係止基部、前記巻付部、及び前記軸支部は、1本の線材を加工して構成され、前記把持部は、前記線材に外装されて構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の引留グリップ。
  4. 請求項2に記載の引留グリップを被係止部位に取り付ける取り付け方法であって、
    前記一対のグリップ部材を前記軸支部を中心として互いの係止基部の開放部分を対向させつつ離れるように回動させて互いの把持部を重ね合わせ、その重ね合わせた把持部を間接活線把持工具で把持するステップと、
    重ね合わせた前記把持部を前記間接活線把持工具で把持した状態で、前記一対のグリップ部材を前記被係止部位にアプローチし、前記一対のグリップ部材の係止基部間に前記被係止部位を配置させるステップと、
    前記一対のグリップ部材の係止基部間に前記被係止部位を配置させた状態で、前記把持部の前記間接活線把持工具による把持状態を解除し、それぞれの巻付部の先端部を前記巻付部の自重により前記軸支部を中心として回転させることで近接させるステップと
    を具備することを特徴とする引留グリップの取り付け方法。
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