JP5664341B2 - ガスバリア性フィルム - Google Patents
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(1)高分子フィルム基材の片面または両面に、ZnSおよびSiO2を用いてなる混合薄膜層を少なくとも1層形成してなり、さらに前記混合薄膜層に少なくとも1層のケイ素系薄膜層を積層したガスバリア性フィルムであって、前記混合薄膜層の組成比が前記ZnSをM、前記SiO2をLとしてMXL(1-X)と表記して(式1)の範囲であり、かつ混合薄膜層の物理膜厚が5nm以上、500nm以下の範囲であり、かつ前記ケイ素系薄膜層の物理膜厚が5nm以上、300nm以下の範囲で形成されたガスバリア性フィルム、
0.7≦X≦0.9 (式1)
(2)前記ケイ素系薄膜層が酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素からなる群から選ばれる1種以上を用いてなる(1)に記載のガスバリア性フィルム、
(3)前記混合薄膜層および前記ケイ素薄膜層を交互に積層した(1)または(2)に記載のガスバリア性フィルム、
(4)前記混合薄膜層の波長550nmにおける屈折率が2.1〜2.4であり、前記ケイ素薄膜層の波長550nmにおける屈折率が1.4〜2.1である(1)〜(3)のいずれかに記載のガスバリア性フィルム、
(5)前記ケイ素系薄膜層の表面粗さRaが2nm以下で形成された(1)〜(4)のいずれかに記載のガスバリア性フィルム、
(6)前記ケイ素系薄膜層の最外層にさらに樹脂層を積層してなる請求項(1)〜(5)のいずれかに記載のガスバリア性フィルム、
である。
本発明に使用する高分子フィルム基材としては、有機高分子化合物からなるフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール等の各種ポリマーからなるフィルムを使用することができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムである。高分子フィルムを構成するポリマーは、ホモポリマー、コポリマーのいずれでもよいし、また、単独またはブレンドして用いることができる。
本発明に使用するケイ素系薄膜層の表面粗さRaは2nm以下であることが好ましい。表面粗さRaが2nmを超えると混合薄膜層の粒子径が大きいために緻密さに欠け、酸素および水蒸気の透過が大きくなる(ガスバリア性が低下する)場合がある。一方で、表面粗さRaは低ければ低いほど混合薄膜層の粒子径が非常小さく緻密な膜となるため酸素および水蒸気の透過の抑制効果がより向上すると推察する。しかし、表面粗さRaが0.1nm以下のように過度に小さくなった場合には、外部からの応力や屈曲に対してクラックが入り易くなることがあり安定した物性が得られなくなる場合がある。このような観点から、表面粗さRaが、0.3nm以上であればガスバリア性とクラック耐性のバランスが取りやすいため好ましい。
温度40℃、湿度90%RH、測定面積50cm2の条件で、米国、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過率透過率測定装置(機種名:PERMATRAN(登録商標) W3/31)を使用して測定した。測定回数は各10回とし、その平均値を水蒸気透過率とした。
縦10cm、横10cmの試験片を切り出し、曲げ半径5mm、曲げ角度130°にて100回屈曲を繰り返し実施した。屈曲試験前後の試験片の水蒸気透過率を測定した。試験回数は各水準3枚の試験片について屈曲試験を実施した。
断面観察用サンプルをマイクロサンプリングシステム(日立製FB−2000A)を使用してFIB法により作製した。透過型電子顕微鏡(日立製H−9000UHRII)により、加速電圧300kVとして、観察用サンプルの断面を観察し、混合薄膜層及びケイ素系薄膜層の膜厚を測定した。
混合薄膜層の組成分析はICP発光分光分析(セイコー電子工業(株)製、SPS4000)により行い、この値をもとにさらにラザフォード後方散乱法(日新ハイボルテージ(株)製AN−2500)を使用して、各元素を定量分析しZnSとSiO2の組成比を求める。混合薄膜層上に無機層や樹脂層が積層されている場合、必要に応じてイオンエッチングや薬液処理により積層膜を除去した後、ICP発光分光分析及び、ラザフォード後方散乱法にて分析する。
薄膜の屈折率測定は高速分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製M-2000)を使用して、薄膜からの反射光の偏光状態を測定して求める。混合薄膜層の屈折率は混合薄膜層形成後のロールから縦3cm×横3cmのサンプルを切り出して測定する。また、ケイ素系薄膜層の屈折率は、混合薄膜層上にケイ素系薄膜層を形成後、縦3cm×横3cmのサンプルを切り出して測定する。測定回数は各5回とし、その平均値を屈折率とした。
F)表面粗さRa測定方法
ケイ素系薄膜層の表面粗さRaの測定には下記の仕様および条件にて原子間力顕微鏡を用い求めた。
システム:NanoScopeIII/MMAFM(デジタルインスツルメンツ社製)
スキャナ:AS−130(J−Scanner)
プローブ:NCH−W型、単結晶シリコン(ナノワールド社製)
走査モ−ド:タッピングモ−ド
走査範囲:10μm×10μm
走査速度:0.5Hz
測定環境:温度23℃、相対湿度65%、大気中。
図2に示す装置構造の巻き取り式のスパッタリング装置を使用し、厚さ100μmで表面の中心線表面粗さRaが30nmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製ルミラー(登録商標))を基材とし、ZnS及びSiO2で形成された混合焼結材であるスパッタターゲット(三菱マテリアル(株)製ターゲット、ST-IVシリーズ)を用いて、アルゴンガスプラズマによるスパッタリングを実施し、膜厚が300nm、ZnSのモル分率Xが0.85の組成となるように混合薄膜層であるZnS・SiO2膜を1層設けた。図2は混合薄膜層を形成する製造方法を実施するための巻き取り式スパッタ装置の概略を示す装置構成図である。まず、巻き取り式スパッタ装置4の巻き取り室5の中で、巻き出しロール6に高分子フィルム1をセットし、巻き出し、ガイドロール7,8,9を介して、クーリングドラム10に通す。プラズマ電極11にはZnS/SiO2のモル組成比が85/15のスパッタターゲットが設置されていて、真空度2×10−1Paとなるようにアルゴンガスが導入された状態で高周波電源により投入電力500Wを印加すると、アルゴンガスプラズマが発生しスパッタリングが開始されるので、高分子フィルム1の表面上に混合薄膜層であるZnS・SiO2膜が形成される。この装置を用いて前記基材上にZnS・SiO2膜を形成した。その後、この混合薄膜層が形成された高分子フィルム1をガイドロール12,13,14を介して巻き取りロール15に巻き取った。
実施例1において、膜厚が50nmとなるようにZnS・SiO2膜を1層設ける以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、膜厚が50nmとなるようにケイ素系薄膜層であるSiO2膜を1層設ける以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、ZnS/SnO2のモル組成比が70/30のスパッタターゲットを使用して、ZnSのモル分率Xが0.70の組成となるように混合薄膜層であるZnS・SnO2膜を1層設ける以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、屈折率が1.43となるようにケイ素系薄膜層であるSiO2膜を1層設ける以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、ケイ素系薄膜層にSiO2膜の替わりに膜厚200nmのSiN膜を形成する以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1で得たガスバリア性フィルムのケイ素系薄膜層上に、膜厚が150nmとなるようにZnSのモル分率Xが0.85の組成である混合薄膜層を1層形成し、その上にさらに膜厚が100nmとなるようにケイ素系薄膜層を1層積層してガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、ZnS/SiO2のモル組成比が95/5のスパッタターゲットを使用して、ZnSのモル分率Xが0.95の組成となるように混合薄膜層であるZnS・SiO2膜を1層設ける以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、ZnS/SiO2のモル組成比が50/50のスパッタターゲットを使用して、ZnSのモル分率Xが0.50の組成となるように混合薄膜層であるZnS・SiO2膜を1層設ける以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
膜厚が500nmとなるようにケイ素系薄膜層であるSiO2膜を1層設ける以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、膜厚が600nmとなるように混合薄膜層であるZnS・SiO2膜を1層設ける以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、屈折率が2.00かつ膜厚が600nmとなるように混合薄膜層であるZnS・SiO2膜を1層設ける以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、混合積層膜の屈折率を2.20、膜厚を100nmとし、ケイ素系薄膜を表1に記載の通り、Al2O3に変えた以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、混合薄膜層を形成せずフィルム上に膜厚500nmのケイ素系薄膜層であるSiO2膜を1層設ける以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、混合薄膜層を形成せずフィルム上に膜厚200nmのケイ素系薄膜層であるSiO2膜を1層設ける以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、膜厚が1000nmとなるように混合薄膜層であるZnS・SiO2膜を1層設け、その上にケイ素系薄膜層を設けない以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
2:混合薄膜層
3:ケイ素系薄膜層
4:巻き取り式スパッタリング装置
5:巻き取り室
6:巻き出しロール
7、8、9:巻き出し側ガイドロール
10:クーリングドラム
11:スパッタ電極
12、13、14:巻き取り側ガイドロール
15:巻き取りロール
16:枚葉式CVD装置
17:試料ホルダ
18:プラズマ電極
19:ガスバリア性フィルム
20:ケイ素系有機化合物の気化装置
21:ケイ素系有機化合物の導入ノズル
Claims (6)
- 高分子フィルム基材の片面または両面に、ZnSおよびSiO2を用いてなる混合薄膜層を少なくとも1層形成してなり、さらに前記混合薄膜層に少なくとも1層のケイ素系薄膜層を積層したガスバリア性フィルムであって、前記混合薄膜層の組成比が前記ZnSをM、前記SiO2をLとしてMXL(1-X)と表記して(式1)の範囲であり、かつ混合薄膜層の物理膜厚が5nm以上、500nm以下の範囲であり、かつ前記ケイ素系薄膜層の物理膜厚が5nm以上、300nm以下の範囲で形成されたガスバリア性フィルム。
0.7≦X≦0.9 (式1) - 前記ケイ素系薄膜層が酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素からなる群から選ばれる1種以上を用いてなる請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記混合薄膜層および前記ケイ素薄膜層を交互に積層した請求項1または2に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記混合薄膜層の波長550nmにおける屈折率が2.1〜2.4であり、前記ケイ素薄膜層の波長550nmにおける屈折率が1.4〜2.1である請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
- 前記ケイ素系薄膜層の表面粗さRaが2nm以下で形成された請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
- 前記ケイ素系薄膜層の最外層にさらに樹脂層を積層してなる請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
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