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JP5683642B2 - 津波避難用建造物 - Google Patents
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JP5683642B2 - 津波避難用建造物 - Google Patents

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Description

本発明は、地震の発生に伴って襲来する津波に対して、安全な避難場所を提供する津波避難用建造物に関する。
地震発生後に津波警報が出された場合、海岸から離れた高い場所へ一刻も早く避難することが緊要である。従来は、既存の公共施設や高層建築物などが避難場所として指定され、津波警報発令時にはそこへ避難するようになっていた。しかし、平成23年3月に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の津波のような、建物の屋上まで呑み込む巨大津波が襲来した場合、既存の避難場所の安全性は万全とは言えない。また、避難場所が遠く離れていて、津波が到来するまでに避難が間に合わないと、逃げ遅れて津波に呑みこまれてしまうことになる。さらに、高齢者や身体障害者の場合は、避難に時間を要したり、自力での避難が困難であるという事情がある。
そこで、既存の公共施設や高層建築物とは別に、津波から身を守るための安全性の高い避難用建造物を新たに設置する取り組みが、自治体を中心に進められている。このような津波避難用建造物に関しては、これまでにも種々のものが提案されている。例えば、後掲の特許文献1〜5には、地面に立設された複数本の支柱と、これらの支柱の上部に設けられた避難ステージと、地面と避難ステージとの間を結ぶ階段やスロープ等の昇降手段とを備えた津波避難用建造物が記載されている。
これらの特許文献で提案されている津波避難用建造物は、支柱と避難ステージと昇降手段という基本構造からなり、地面から昇降手段(階段、スロープ等)を通って最上階の避難ステージへ避難することにより、津波の襲来に対して安全な場所を確保するものである。
特開2008−14016号公報 特開2006−83549号公報 特開2006−177138号公報 特開2006−112087号公報 実用新案登録第3169231号公報
津波避難用建造物の避難ステージの面積を広げることで、より多くの者が避難することができる。しかしながら、津波避難用建造物の設置にあたっては、土地の面積や形状による制限を受ける場合がある。周囲に広い土地が確保できる場合は問題ないが、土地によっては、限られた面積、限られた形状の敷地に、津波避難用建造物の設置を余儀なくされることもある。このような場合は、その土地の事情を考慮した上で、限られた面積・形状で如何にして多数の避難者の避難スペースを確保するかが課題となる。
本発明は、土地の面積や形状に制限がある場合でも、その土地に見合った津波避難用建造物を、広い避難スペースを確保しつつ容易に構築できるようにすることを目的としている。
本発明に係る津波避難用建造物は、地面に立設された複数本の支柱と、これらの支柱に支持された避難ステージと、地面と避難ステージとの間を結ぶ昇降手段とを備えた津波避難用建造物であって、支柱と避難ステージによって櫓ユニットが構成される。櫓ユニットは複数設けられており、1つの櫓ユニットを構成する避難ステージは、平面視で多角形に形成されていて、当該多角形の頂点で支柱に支持されている。隣接する櫓ユニットは、それぞれの避難ステージの多角形の1辺で連結されている。昇降手段は、透水性のある床材を用いたスロープからなる。このスロープは、両側に安全柵が設けられていて、地面から最上階の避難ステージに至るまで、連結された複数の櫓ユニットの外周を取り囲むように、支柱の外側に所定の勾配で螺旋状に設けられる。
このようにすると、櫓ユニットは、避難ステージの多角形の1辺で連結することにより、任意の方向へ増設してゆくことができる。このため、土地の面積や形状に制限がある場合でも、櫓ユニットを自由に組み合わせることで、その土地に応じた津波避難用建造物を容易に構築することができ、施工の自由度が拡大する。また、避難対象の人数が多い場合でも、人数に応じた数の櫓ユニットを連結することによって、広い避難スペースを確保することができる。
また、スロープは、連結された複数の櫓ユニットの外周を取り囲むように設けられるので、単一の櫓ユニットの周囲にスロープを設けた場合のように、避難者は、櫓ユニットの周りを何回も繰り返して周回する必要がなく、少ない周回回数で最上階の避難ステージに到達することができる。さらに、スロープの床材は、水を透過させるので、津波襲来時に波に対する抵抗が小さくなり、津波によって流されるリスクも少なくなる。
本発明において、避難ステージの床材とスロープの床材は、それぞれ格子状のグレーチング材から形成されているのが好ましい。
本発明において、スロープの勾配は、1/8以下で1/12以上の値であるのが好ましい。
本発明において、昇降手段として、スロープに加えて、当該スロープよりも勾配が急な階段を支柱の内側に設けてもよい。
本発明において、スロープは、最上階の避難ステージへ至るまでに、少なくとも一箇所で階段の踊り場とつながっていて、スロープから階段へ進入できるようになっていることが好ましい。
本発明において、避難ステージは、平面視で、対向する2辺が他の辺よりも短い舟形の6角形に形成されているのが好ましい。また、避難ステージは、平面視で、対向する2辺が他の辺よりも短い舟形の8角形に形成されていてもよい。
この場合、避難ステージは、対向する短い2辺が津波の襲来方向と直交するように、支柱に支持されているのが好ましい。
本発明によれば、土地の面積や形状に制限がある場合でも、その土地に見合った津波避難用建造物を、広い避難スペースを確保しつつ容易に構築することが可能となる。
第1実施形態に係る津波避難用建造物の平面図と正面図である。 第2実施形態に係る津波避難用建造物の平面図と正面図である。 第3実施形態に係る津波避難用建造物の平面図と正面図である。 第4実施形態に係る津波避難用建造物の平面図と正面図である。 津波避難用建造物の設置例を示す模式図である。 他の実施形態に係る櫓ユニットの模式図である。 他の実施形態に係る櫓ユニットの模式図である。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一の符号を付してある。
図1は、第1実施形態を示しており、櫓ユニットを2基連結した例である。図1において(a)は平面図、(b)は正面図を表している。津波避難用建造物1は、地面Gに立設された複数本の支柱P1〜P10と、これらの支柱の上部に支持された避難ステージ12、22と、地面Gと避難ステージ12、22との間を結ぶ昇降手段としてのスロープ13、23および階段15、25を備えている。
図1(a)に示すように、支柱P1〜P3、P8〜P10と避難ステージ12によって櫓ユニット100が構成され、支柱P3〜P8と避難ステージ22によって櫓ユニット200が構成される。
櫓ユニット100を構成する避難ステージ12は、平面視で、対向する2辺が他の辺よりも短い舟形の6角形に形成されており、この6角形の頂点で支柱P1〜P3およびP8〜P10に支持されている。櫓ユニット200を構成する避難ステージ22も、平面視で舟形の6角形に形成されており、この6角形の頂点で支柱P3〜P8に支持されている。そして、隣接するこれらの櫓ユニット100、200は、それぞれの避難ステージ12、22の6角形の1辺(破線で示す)で連結されている。
支柱P1〜P10は鉄骨材からなり、例えば、岩盤までの杭基礎により地盤に固定される。鉄骨材には、海風等による塩害(腐食)に対処できる仕上加工が施されている。各支柱P1〜P10は、水平方向に架設される梁F(図1(b))によって連結されている。
図1(b)に示すように、津波避難用建造物1は、1階〜5階に区分けされている。最上階の5階には、避難ステージ12、22が備わっている。各避難ステージ12、22には、それぞれ50名程度の避難者Yを収容できるスペースが確保されている。避難ステージ12、22を構成する床材は、透水性のある格子状のグレーチング(Grating)材から形成されている。グレーチング材は、たとえば鉄からなる。また、避難ステージ12、22の周囲には、安全柵Mが設けられている。2階〜4階の中間階については、避難ステージ12、22が設けられておらず、吹き抜け構造となっている。
スロープ13、23は、両側に安全柵14、24が設けられており、地面Gから最上階(5階)の避難ステージ12、22に至るまで、連結された櫓ユニット100、200の外周を取り囲むように、支柱P1〜P10の外側に、緩やかな勾配で左廻りに螺旋状に設けられている。これらのスロープ13、23の床材も、透水性のある格子状のグレーチング材から形成されている。グレーチング材は、たとえばFRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)からなる。
なお、スロープ13、23の勾配が急であると、最上階の避難ステージ12、22まで短時間で到達できるが、体力のない者や身体障害者等には負担が重くなる。一方、勾配があまり緩やかだと、避難者の負担は軽くなるが、最上階の避難ステージ12、22に到達するまでに時間がかかり、迅速な避難に支障が生じる場合がある。そこで、スロープ13、23の勾配は、1/8以下で1/12以上の値が好ましく、1/10が最も好ましい(後述する各実施形態のスロープについても同様)。
階段15、25は、支柱P1〜P10の内側に設けられている。階段15は、櫓ユニット100の一端側に設けられていて、スロープ13、23よりも勾配が急となっている。階段25は、櫓ユニット200の一端側(階段15と反対側)に設けられていて、スロープ13、23よりも勾配が急となっている。これらの階段15、25の床材も、透水性のある格子状のグレーチング材から形成されている。グレーチング材は、たとえば鉄からなる。また、階段15、25の両側には、安全柵(符号省略)が設けられている。
このように、昇降手段としてスロープ13、23と階段15、25とを併設しているので、体力のない者や身体障害者等は、スロープ13、23を利用することで、無理なく最上階の避難ステージ12、22へ向かうことができる。一方、体力のある者は、階段15、25を利用することで、短時間で最上階の避難ステージ12、22へ向かうことができる。これにより、避難者は、自分に適した避難経路を選択することができる。
また、スロープ13、23は、最上階の避難ステージ12、22へ至るまでに、少なくとも一箇所で階段15、25の踊り場とつながっている。この箇所には安全柵14、24がないので、スロープ13、23からそのまま階段15、25へ進入することができる(後述の各実施形態においても同様)。このため、勾配が緩やかなスロープ13、23を通って避難している者が、早く最上階の避難ステージ12、22へ辿り着きたい場合は、途中の踊り場で、勾配が急な階段15、25へ移ることができる。また逆に、勾配が急な階段15、25を通って避難している者が、負担を軽減したい場合は、途中の踊り場で、勾配が緩やかなスロープ13、23へ移ることができる。このようにして、避難経路をスロープから階段に、あるいは階段からスロープに、途中で切り替えることができる。
また、スロープ13、23を利用する場合、図1(b)の1階のスロープ入口A1から5階のスロープ出口A2まで、2周足らずで最上階へ到達することができる。櫓ユニットが1基の場合は、同じ勾配でも、最上階へ行くまで櫓ユニットの周りを何回も繰り返して周回しなければならず、これは避難者にとってストレスとなる。しかるに、本実施形態では、スロープ13、23が2つの櫓ユニット100、200の外周を取り囲むように設けられているので、最上階へ行くまでに周回する回数が少なくて済み、避難者のストレスが軽減される。
また、図1(a)において、左手に海岸があって津波が左方向から襲来するとした場合、避難ステージ12、22は、舟形の6角形の対向する短い2辺が津波の襲来方向と直交するように、支柱P1〜P10に支持されている。したがって、避難ステージ12、22は、津波の襲来方向に対して傾斜した辺を有している。このため、津波の襲来時に、傾斜した辺に沿って津波を逃がすことができるので、避難ステージ12、22に加わる津波の力が緩和され、避難ステージ12、22が津波で流されるのを防止することができる。
さらに、避難ステージ12、22の床材と、スロープ13、23の床材と、階段15、25の床材が、いずれも透水性のある格子状のグレーチング材から形成されているので、津波避難用建造物1は、全体としても透水性を有している。このため、津波襲来時の波に対する抵抗が非常に小さくなり、これによって、建造物全体が津波で流されてしまうリスクを低減することができる。
図2は、第2実施形態を示しており、櫓ユニットを3基連結した例である。図2において(a)は平面図、(b)は正面図を表している。津波避難用建造物2は、地面Gに立設された複数本の支柱P1〜P13と、これらの支柱の上部に支持された避難ステージ12、22、32と、地面Gと避難ステージ12、22、32との間を結ぶ昇降手段としてのスロープ13、23、33および階段15、25を備えている。
図2(a)に示すように、支柱P1〜P3、P8〜P10と避難ステージ12によって櫓ユニット100が構成され、支柱P3〜P8と避難ステージ22によって櫓ユニット200が構成され、支柱P7〜P9、P11〜P13と避難ステージ32によって櫓ユニット300が構成される。
櫓ユニット100を構成する避難ステージ12は、平面視で舟形の6角形に形成されており、この6角形の頂点で支柱P1〜P3、P8〜P10に支持されている。櫓ユニット200を構成する避難ステージ22も、平面視で舟形の6角形に形成されており、この6角形の頂点で支柱P3〜P8に支持されている。櫓ユニット300を構成する避難ステージ32も、平面視で舟形の6角形に形成されており、この6角形の頂点で支柱P7〜P9、P11〜P13に支持されている。そして、隣接する櫓ユニット100および200、隣接する櫓ユニット100および300、隣接する櫓ユニット200および300は、それぞれの避難ステージ12、22、32の6角形の1辺(破線で示す)で連結されている。
支柱P1〜P13は鉄骨材からなり、例えば、岩盤までの杭基礎により地盤に固定される。鉄骨材には、海風等による塩害(腐食)に対処できる仕上加工が施されている。各支柱P1〜P13は、水平方向に架設される梁F(図2(b))によって連結されている。
図2(b)に示すように、津波避難用建造物2は、1階〜5階に区分けされている。最上階の5階には、避難ステージ12、22、32が備わっている。各避難ステージ12、22、32には、それぞれ50名程度の避難者Yを収容できるスペースが確保されている。避難ステージ12、22、32を構成する床材は、透水性のある格子状のグレーチング材から形成されている。グレーチング材は、たとえば鉄からなる。また、避難ステージ12、22、32の周囲には、安全柵Mが設けられている。2階〜4階の中間階については、避難ステージ12、22、32が設けられておらず、吹き抜け構造となっている。
スロープ13、23、33は、両側に安全柵14、24、34が設けられており、地面Gから最上階(5階)の避難ステージ12、22、33に至るまで、連結された櫓ユニット100、200、300の外周を取り囲むように、支柱P1〜P13の外側に、緩やかな勾配で左廻りに螺旋状に設けられている。これらのスロープ13、23、33の床材も、透水性のある格子状のグレーチング材から形成されている。グレーチング材は、たとえばFRPからなる。
階段15、25は、支柱P1〜P13の内側に設けられている。階段15は、櫓ユニット100の一端側に設けられていて、スロープ13、23、33よりも勾配が急となっている。階段25は、櫓ユニット200の一端側(階段15と反対側)に設けられていて、スロープ13、23、33よりも勾配が急となっている。これらの階段15、25の床材も、透水性のある格子状のグレーチング材から形成されている。グレーチング材は、たとえば鉄からなる。また、階段15、25の両側には、安全柵(符号省略)が設けられている。
第2実施形態の場合も、第1実施形態と同様に、避難者は、自分に適した避難経路(スロープまたは階段)を選択して最上階へ行くことができ、櫓ユニット100、200、300の周りを周回する回数も少なくて済む。また、津波の襲来時に、舟形の6角形の避難ステージ12、22、32の傾斜辺に沿って津波を逃がすことができ、避難ステージが津波で流されるのを防止することができる。さらに、津波避難用建造物2は、全体としても透水性を有しているため、津波襲来時の波に対する抵抗が非常に小さくなり、建造物全体が津波で流されてしまうリスクを低減することができる。
図3は、第3実施形態を示している。この津波避難用建造物3は、櫓ユニットを3基連結した図2の変形例である。図3において(a)は平面図、(b)は正面図を表している。図3(a)では、図の上方向から津波が襲来すると想定されている。このため、避難ステージ12、22、32の向きが、図2の場合と90°異なっている。また、図2の支柱P1〜P13が、支柱P1〜P11、P3’、P8’、P9’に置き換わっている。その他については、図2と基本的に同じであるので、詳細な説明は省略する。
図4は、第4実施形態を示しており、櫓ユニットを4基連結した例である。図4において(a)は平面図、(b)は正面図を表している。津波避難用建造物4は、地面Gに立設された複数本の支柱P1〜P18と、これらの支柱の上部に支持された避難ステージ12、22、32、42と、地面Gと避難ステージ12、22、32、42との間を結ぶ昇降手段としてのスロープ13、23、33、43および階段15、25、45を備えている。
図4(a)に示すように、支柱P1〜P3、P8〜P10と避難ステージ12によって櫓ユニット100が構成され、支柱P4〜P6、P11、P12、P18と避難ステージ22によって櫓ユニット200が構成され、支柱P7〜P9、P11〜P13と避難ステージ32によって櫓ユニット300が構成され、支柱P7、P13〜P17と避難ステージ42によって櫓ユニット400が構成される。
櫓ユニット100を構成する避難ステージ12は、平面視で舟形の6角形に形成されており、この6角形の頂点で支柱P1〜P3、P8〜P10に支持されている。櫓ユニット200を構成する避難ステージ22も、平面視で舟形の6角形に形成されており、この6角形の頂点で支柱P4〜P6、P11、P12、P18に支持されている。櫓ユニット300を構成する避難ステージ32も、平面視で舟形の6角形に形成されており、この6角形の頂点で支柱P7〜P9、P11〜P13に支持されている。櫓ユニット400を構成する避難ステージ42も、平面視で舟形の6角形に形成されており、この6角形の頂点で支柱P7、P13〜P17に支持されている。そして、隣接する櫓ユニット100および300、隣接する櫓ユニット200および300、隣接する櫓ユニット300および400は、それぞれの避難ステージ12、22、32、42の6角形の1辺(破線で示す)で連結されている。
支柱P1〜P18は鉄骨材からなり、例えば、岩盤までの杭基礎により地盤に固定される。鉄骨材には、海風等による塩害(腐食)に対処できる仕上加工が施されている。各支柱P1〜P18は、水平方向に架設される梁F(図4(b))によって連結されている。
図4(b)に示すように、津波避難用建造物4は、1階〜5階に区分けされている。最上階の5階には、避難ステージ12、22、32、42が備わっている。各避難ステージ12、22、32、42には、それぞれ50名程度の避難者Yを収容できるスペースが確保されている。避難ステージ12、22、32、42を構成する床材は、透水性のある格子状のグレーチング材から形成されている。グレーチング材は、たとえば鉄からなる。また、避難ステージ12、22、32、42の周囲には、安全柵Mが設けられている。2階〜4階の中間階については、避難ステージ12、22、32、42が設けられておらず、吹き抜け構造となっている。
スロープ13、23、33、43は、両側に安全柵14、24、34、44が設けられており、地面Gから最上階(5階)の避難ステージ12、22、33、43に至るまで、連結された櫓ユニット100、200、300、400の外周を取り囲むように、支柱P1〜P18の外側に、緩やかな勾配で左廻りに螺旋状に設けられている。これらのスロープ13、23、33、43の床材も、透水性のある格子状のグレーチング材から形成されている。グレーチング材は、たとえばFRPからなる。
階段15、25、45は、支柱P1〜P18の内側に設けられている。階段15は、櫓ユニット100の一端側に設けられていて、スロープ13、23、33、43よりも勾配が急となっている。階段25は、櫓ユニット200の一端側に設けられていて、スロープ13、23、33、43よりも勾配が急となっている。階段45は、櫓ユニット400の一端側(階段15、25と反対側)に設けられていて、スロープ13、23、33、43よりも勾配が急となっている。これらの階段15、25、45の床材も、透水性のある格子状のグレーチング材から形成されている。グレーチング材は、たとえば鉄からなる。また、階段15、25、45の両側には、安全柵(符号省略)が設けられている。
第4実施形態の場合も、第1実施形態と同様に、避難者は、自分に適した避難経路(スロープまたは階段)を選択して最上階へ行くことができ、櫓ユニット100、200、300、400の周りを周回する回数も少なくて済む。また、津波の襲来時に、舟形の6角形の避難ステージ12、22、32、42の傾斜辺に沿って津波を逃がすことができ、避難ステージが津波で流されるのを防止することができる。さらに、津波避難用建造物4は、全体としても透水性を有しているため、津波襲来時の波に対する抵抗が非常に小さくなり、建造物全体が津波で流されてしまうリスクを低減することができる。
以上述べた第1実施形態ないし第4実施形態の津波避難用建造物1〜4によれば、隣接する櫓ユニットを、避難ステージの6角形の1辺で連結することにより、任意の方向へ増設してゆくことができる。このため、たとえば図5に示すように、津波避難用建造物が設置される土地の周囲に、建物や田畑や公園やグランドなどがあって、敷地の形状が一点鎖線Zのように制限される場合でも、櫓ユニット100、200、300を図のように組み合わせることで、この敷地を最大限利用して津波避難用建造物を構築することができる。
このようにして、本発明によれば、土地の面積や形状に制限がある場合でも、櫓ユニットを自由に組み合わせることで、その土地に応じた津波避難用建造物を容易に構築することができ、施工の自由度が拡大する。また、避難対象の人数が多い場合でも、人数に応じた数の櫓ユニットを連結することによって、広い避難スペースを確保することができる。図6(a)〜(c)は、櫓ユニット100〜500の他の連結例を示している(スロープの図示は省略)。
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、他にも種々の実施形態を採用することができる。例えば、前記の各実施形態では、最上階を5階としたが、最上階は6階以上または5階未満であってもよい。最上階の避難ステージの床高さは、状況に応じて任意の高さに設定することができる。また、避難ステージの床面積も、避難対象者の人数に応じて、任意の面積とすることができる。
また、前記の各実施形態では、避難ステージの平面形状を舟形の6角形としたが、避難ステージの平面形状は、図7(a)に示すような舟形の8角形であってもよい。図7(b)〜(d)は、8角形の避難ステージを用いた櫓ユニット100〜400の連結例を示している(スロープの図示は省略)。さらに、避難ステージの平面形状は、6角形や8角形以外の多角形でもよい。
また、前記の各実施形態では、避難ステージや階段の床材を鉄からなるグレーチング材で形成し、スロープの床材をFRPからなるグレーチング材で形成する例を挙げたが、避難ステージや階段の床材をFRPからなるグレーチング材で形成してもよく、スロープの床材を鉄からなるグレーチング材で形成してもよい。また、グレーチング材の材質は、鉄やFRP以外の材質であってもよい。さらに、避難ステージやスロープ等の床材に透水性を持たせるためには、グレーチング材に限らず、多数の透孔が形成された床板を用いてもよい。
また、前記の各実施形態では、中間階(2〜4階)が避難ステージのない吹き抜け構造となっているが、必要により中間階の全部または一部に避難ステージや安全柵を設けて、スロープや階段が、最上階および中間階のそれぞれの避難ステージとつながるようにしてもよい。
また、最上階の避難ステージの避難スペースに、複数人がつかまることのできるバーを設置してもよい。さらに、このバーに、避難者の身体を繋ぎ留めるためのベルト、ロープ、チェーン、浮輪などの繋留手段を付設してもよい。
1、2、3、4 津波避難用建造物
12、22、32、42 避難ステージ
13、23、33、43 スロープ
15、25、45 階段
100、200、300、400 櫓ユニット
G 地面
P1〜P18、P3’、P8’、P9’ 支柱

Claims (8)

  1. 地面に立設された複数本の支柱と、これらの支柱に支持された避難ステージと、地面と避難ステージとの間を結ぶ昇降手段とを備えた津波避難用建造物において、
    前記支柱と前記避難ステージによって櫓ユニットが構成され、
    前記櫓ユニットは複数設けられており、1つの櫓ユニットを構成する避難ステージは、平面視で多角形に形成されていて、当該多角形の頂点で前記支柱に支持されており、
    隣接する櫓ユニットは、それぞれの避難ステージの多角形の1辺で連結されており、
    前記昇降手段は、透水性のある床材を用いたスロープからなり、
    前記スロープは、両側に安全柵が設けられていて、地面から最上階の避難ステージに至るまで、連結された複数の櫓ユニットの外周を取り囲むように、前記支柱の外側に所定の勾配で螺旋状に設けられている、ことを特徴とする津波避難用建造物。
  2. 請求項1に記載の津波避難用建造物において、
    前記避難ステージの床材と前記スロープの床材は、それぞれ格子状のグレーチング材から形成されている、ことを特徴とする津波避難用建造物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の津波避難用建造物において、
    前記スロープの勾配は、1/8以下で1/12以上の値である、ことを特徴とする津波避難用建造物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の津波避難用建造物において、
    前記昇降手段は、前記スロープに加えて、当該スロープよりも勾配が急な階段をさらに含み、
    前記階段は、前記支柱の内側に設けられている、ことを特徴とする津波避難用建造物。
  5. 請求項4に記載の津波避難用建造物において、
    前記スロープは、前記最上階の避難ステージへ至るまでに、少なくとも一箇所で前記階段の踊り場とつながっていて、前記スロープから前記階段へ進入できるようになっている、ことを特徴とする津波避難用建造物。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の津波避難用建造物において、
    前記避難ステージは、平面視で、対向する2辺が他の辺よりも短い舟形の6角形に形成されている、ことを特徴とする津波避難用建造物。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の津波避難用建造物において、
    前記避難ステージは、平面視で、対向する2辺が他の辺よりも短い舟形の8角形に形成されている、ことを特徴とする津波避難用建造物。
  8. 請求項6または請求項7に記載の津波避難用建造物において、
    前記避難ステージは、前記対向する短い2辺が津波の襲来方向と直交するように、前記支柱に支持されている、ことを特徴とする津波避難用建造物。
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