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JP5689586B2 - 顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、および液晶表示装置 - Google Patents
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JP5689586B2 - 顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、および液晶表示装置 - Google Patents

顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、および液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は顔料分散組成物、それを含む着色感光性組成物、該着色感光性組成物を用いて製造されたカラーフィルタ及び該カラーフィルタの製造方法に関する。
カラーフィルタは、有機顔料や無機顔料を分散させた顔料分散組成物と、多官能モノマー、光重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂及びその他の成分とを含有して着色感光性組成物とし、これを用いてフォトリソ法などにより着色パターンを形成することで製造されている。
近年、カラーフィルタは、液晶表示装置(LCD)用途においてモニターのみならずテレビ(TV)へと用途が拡大する傾向にある。この用途拡大の傾向に伴い、カラーフィルタには、色度、コントラストなどにおいて高度の色特性が要求されるに至っている。また、イメージセンサ(固体撮像素子)用途のカラーフィルタにおいても、同様に色特性の高いものが求められるようになっている。
上記のような要求に対して、着色感光性組成物に含有される顔料を、より微細な状態で分散させること(良好な分散性)、安定な状態で分散させること(良好な分散安定性)が求められている。顔料の分散性が不充分である場合には、形成された着色レジスト膜にフリンジ(エッジ部のギザギザ)や表面凹凸が生じ、製造されたカラーフィルタの色度や寸法精度が低下したり、コントラストが著しく劣化したりするという問題がある。また、顔料の分散安定性が不充分である場合には、カラーフィルタの製造工程において、特に、着色感光性組成物の塗布工程での膜厚の均一性が低下したり、露光工程での感光感度が低下したり、現像工程でのアルカリ溶解性が低下したりするという問題が生じ易い。さらに、顔料の分散安定性が悪い場合には、時間の経過に伴い、着色感光性組成物の構成成分が凝集を起こして粘度が上昇し、ポットライフが極めて短くなるという問題もある。しかしながら、色特性向上のために顔料の粒子径を微細化すると顔料粒子の表面積が大きくなるため、顔料粒子間の凝集力が強くなり、高度なレベルでの分散性と分散安定性を両立することは、困難であることが多い。
このような問題を解決するために、様々な顔料分散剤が開発されている。これらの分散剤の中でも、マクロモノマー(末端にエチレン性不飽和基を有するオリゴマー)を含む共重合体が有用であり、該マクロモノマーを含む共重合体を使用することにより、顔料粒径が小さく、分散安定性に優れた顔料分散液が得られることが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながら、当該文献に記載されるマクロモノマーを含む共重合体は、顔料に対する吸着を促進する官能基を有しないため、分散剤として単独では機能せず、他の分散剤との併用が必要であるという問題がある。また、該マクロモノマーを含む共重合体を分散剤として用いた場合、高分子分散剤に見られる増粘作用は抑制しうるものの、顔料の微細化が充分に行われないことから、分散性が充分でないという問題がある。
顔料の分散安定性の向上のため、有機色素の部分構造を有するグラフトポリマー(例えば、特許文献3参照)、含窒素複素環を有するグラフトポリマー(例えば、特許文献4参照)、環状イミド基を有するグラフトポリマー(例えば、特許文献5参照)が開示されている。また、N置換マレイミドを有する樹脂とウレタン系分散剤(例えば特許文献6参照)あるいは窒素原子を有するグラフト共重合体(例えば、特許文献7参照)とを併用して使用することが開示されている。しかしながら、顔料の分散性、流動性等に優れ、かつアルカリ水溶液に可溶な顔料分散組成物、及び該顔料分散組成物を含む着色感光性組成物は、未だ提供されていないのが現状である。
また一方、カラーフィルタの色特性向上のために、緑色画素用のグリーン顔料としてC.I.ピグメントグリーン36のようなハロゲン化銅フタロシアニンを用いる場合には、着色感光性組成物中の顔料濃度を高くする必要があり、着色感光性組成物を含む着色感光層を基板上に形成後、露光・現像して画素を形成する際に、現像時のラチチュードが狭く、現像後の画素形状が逆テーパーになることがあった。
ハロゲン化銅フタロシアニン以外のグリーン顔料(銅以外の中心金属を有するフタロシアニン)を用いて、明度が高く、高透過率、高色純度のカラーフィルタが得られることが提示されているが(例えば、特許文献8参照。)、銅以外の中心金属を有するフタロシアニンは分散時、及び経時での安定性が悪いために、分散時に多量のバインダーを必要とし、着色感光性組成物の現像ラチチュードが狭く、表示装置にムラが生じることがあった。
なお、銅以外の中心金属を有するフタロシアニンの一種であるハロゲン化亜鉛フタロシアニンについては、非特許文献1に詳しい。
特開平8−259876号公報 特開平10−339949号公報 特開2003−26950号公報 特開2003−26949号公報 特開2003−277673号公報 特開2006−58821号公報 特開2006−45262号公報 特開2008−122478号公報 DIC Technical Review,10,46(2004)
本発明は以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、分散性および分散安定性の向上した亜鉛フタロシアニン系顔料の分散組成物を得ることであり、これを用いて経時安定性が良好で、しかも現像ラチチュードの大きい着色感光性組成物を得ることである。
また、本発明のさらなる目的は、前記本発明の着色感光性組成物を用いることで、色純度が高く、透過率が高く、コントラストが高い色特性が良好なカラーフィルタを得ることにあり、さらに、このカラーフィルタを用いて、輝度の高い鮮明な画像の液晶表示装置を得ることを目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、(A)亜鉛フタロシアニン系顔料と、(B)一般式(b−1)で表される構造単位を含む分散剤(以下、「特定分散剤」と称することがある。)と、(C)ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂とを用いることで、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> (A)下記一般式(a)で表される化合物である亜鉛フタロシアニン系顔料、(B)下記一般式(b−1)で表される構造単位を含む分散剤(ただし、下記一般式(I)で表される構成単位(1)と下記一般式(II)で表される構成単位(2)とを有し、さらに前記構成単位(1)が有するアミノ基と、下記一般式(III)及び/又は下記一般式(IV)で表される有機酸化合物とが塩を形成したブロック共重合体を除く)、および(C)ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂、を含有し、
前記ポリエステル鎖の構造は、ジオール化合物とジカルボン酸化合物の縮合した構造又はラクトン環が開環重合した構造である顔料分散組成物。
一般式(b−1)中、XはO、またはNR25(R25は炭素数1〜10のアルキル基)を表し、R21は、水素原子、または、炭素数1〜5のアルキル基を表し、R22、およびR23は、それぞれ独立に水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基を表す。Lは、炭素数1〜10のアルキレン基、またはアリーレン基を表す。


一般式(a)中、X 21 〜X 36 は、いずれも独立に水素原子、塩素原子または臭素原子である。ただし、X 21 〜X 36 のうち8個以上は、臭素原子であり、かつ、4個は塩素原子である。

式(I)〜(IV)中、Rは水素原子又はメチル基、R及びR’は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、Aは、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキレン基、−[CH(R)−CH(R)−O]−CH(R)−CH(R)−又は[(CH−O]−(CH−で示される2価の基、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R又は−[(CH−O]−Rを示す。Rは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−CHO、−CHCHO、又は−CHCOOR12で示される1価の基であり、R12は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
及びR’は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R10)−O]−R11、−[(CH−O]−R11、又は−O−R’’で示される1価の基であり、R及びR’のいずれかは炭素原子を含む。R’’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R10)−O]−R11、−[(CH−O]−R11で示される1価の基である。
は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R10)−O]−R11、−[(CH−O]−R11、又は−O−R’で示される1価の基である。R’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R10)−O]−R11、−[(CH−O]−R11で示される1価の基である。
、R、R及びR10は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R11は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−CHO、−CHCHO、−CO−CH=CH、−CO−C(CH)=CH又は−CHCOOR12で示される1価の基であり、R12は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
x及びaは1〜18の整数、y及びbは1〜5の整数、z及びcは1〜18の整数を示
す。m及びnは1〜200の整数を示す。
<2> 前記(B)一般式(b−1)で表される構造単位を含む分散剤が、更に下記一般式(b−2)で表される構造単位を含む分散剤である<1>に記載の顔料分散組成物。
一般式(b−2)中、R21は一般式(b−1)におけるR21と同義であり、R24は、炭素数1〜10のアルキル基、−(C2nO)−R26、−(C2nCO-R26、または−R29-(OC2nCO)-OR26を表す。nは1〜10の整数であり、mおよびlは3〜20の整数である。R26は、炭素数1〜10のアルキル基であり、R29は、炭素数2〜6のアルキレン基である。
<3> 前記(B)一般式(b−1)で表される構造単位を含む分散剤が、一般式(b−1)で表される構造単位を5〜90質量%含む分散剤である<1>または<2>に記載の顔料分散組成物。
<4> 前記(C)ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂が、下記一般式(c)で表されるポリエステル鎖を分子内に有する樹脂である<1>から<3>のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
一般式(c)中、R27は、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R28は水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。rは3〜80の整数を表す。
<5> 前記(A)亜鉛フタロシアニン系顔料100質量部に対する(B)一般式(b−1)で表される構造単位を含む分散剤の含有量が、10〜100質量部の範囲である<1>から<4>のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
> <1>から<>のいずれか1項に記載の顔料分散組成物、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含有する着色感光性組成物。
> 更に、アルカリ可溶性樹脂を含有する<>に記載の着色感光性組成物。
10> カラーフィルタ用である<>又は<>に記載の着色感光性組成物。
11> 基材上に、<10>に記載の着色感光性組成物を用いてなる着色パターンを有するカラーフィルタ。
12> <10>に記載の着色感光性組成物を直接若しくは他の層を介して基板上に付与して感光性膜を形成する感光性膜形成工程と、形成された感光性膜にパターン露光及び現像を順次行なうことにより着色パターンを形成する着色パターン形成工程とを有するカラーフィルタの製造方法。
13> <11>に記載のカラーフィルタを具備してなる液晶表示装置。
本発明においては、微粒子状の(A)亜鉛フタロシアニン系顔料の表面に、(B)特定分散剤の側鎖にある窒素原子が吸着して、分散性および分散安定性を向上させる保護コロイドとして機能するものと思われる。さらにこの保護コロイド層と(C)ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂が相互作用を起こして、分散安定性を向上させる。
塗布工程ではポリエステル鎖を分子内に有する樹脂相互間、および/または特定分散剤とポリエステル鎖を分子内に有する樹脂との間で、剪断速度が大きい塗布工程では粘度が低減し、塗布膜厚の均一性が図られるものと推定される。
また現像工程においてもポリエステル鎖を分子内に有する樹脂が現像液との親和性に高く、現像液を着色感光性膜に均一に浸透させるので、現像が均一に進行し、これによって現像ラチチュードが高まるものと推定している。
本発明によれば、分散性および分散安定性の向上した亜鉛フタロシアニン系顔料の分散組成物を得ることができ、これを用いて経時安定性が良好で、しかも現像ラチチュードの大きい着色感光性組成物を得ることができる。
また、前記本発明の着色感光性組成物を用いることで、色純度が高く、透過率が高く、コントラストが高い色特性が良好なカラーフィルタを得ることができ、さらに、このカラーフィルタを用いて、輝度の高い鮮明な画像の液晶表示装置を得ることができる。
以下、本発明の顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルタ、及びカラーフィルタの製造方法について詳細に説明する。
<顔料分散組成物>
本発明の顔料分散組成物は、少なくとも、(A)亜鉛フタロシアニン系顔料、(B)一般式(b−1)で表される構造単位を含む分散剤、および(C)ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂、を含有する顔料分散組成物である。
即ち、本発明の顔料分散組成物は、亜鉛フタロシアニン系顔料と、特定分散剤と、ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂と を組み合わせて用いることがその特徴の一つである。
以下、本発明の顔料分散組成物を構成する各成分について詳述する。
<(A)亜鉛フタロシアニン系顔料>
一般に亜鉛フタロシアニンは、フタロシアニン環中に16個の水素原子を有しているため、これらの水素原子を、最大16個まで臭素原子及び/又は塩素原子で置換することができる。これらハロゲン原子は、全て同一であっても、それぞれ異なっていてもよい。置換基数を一定とした場合には、臭素原子>塩素原子の順に緑色が濃くなる。これら水素原子を、臭素原子と、例えば塩素原子とで置換すると、臭素原子数が0〜16個、塩素原子数が0〜16個、水素原子数が0〜16個の範囲で、理論上では合計136種類の置換体を製造できる。
本発明で(A)亜鉛フタロシアニン系顔料とは、下記一般式(a)で表されるハロゲン化亜鉛フタロシニンを総称し、X21〜X36が、それぞれ独立に水素原子、塩素原子、または臭素原子である顔料のことを示す。
本発明では、一般式(a)のX21〜X36のうち少なくとも8個以上が、塩素原子、または臭素原子であるハロゲン化亜鉛フタロシアニンが好ましい。
上記一般式(a)中、X21〜X36は、いずれも独立に水素原子、塩素原子、または臭素原子を表す。
上記した亜鉛フタロシアニンにおいて、X21〜X36の8個以上が臭素原子で置換されることによって、黄味を帯びた明度の高い緑色を呈し、カラーフィルタの緑色画素部パターンへの使用に最適である。本発明では、臭素原子を8個以上置換した亜鉛フタロシアニンが最も好適である。
亜鉛フタロシアニンの平均組成は、マススペクトロスコピーに基づく質量分析と、フラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から容易に求められる。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、例えば、クロルスルホン酸法、ハロゲン化フタロニトリル法、溶融法等の様な公知の製造方法で製造できる。より具体的な製造方法については、特開2008−19383号公報、特開2007−320986号公報、特開2004−70342号公報等に詳細に記載されている。
本発明の亜鉛フタロシアニン系顔料としては、平均一次粒子径が10nm〜40nmの範囲のものが好ましい。この範囲の平均一次粒子径の亜鉛フタロシアニン系顔料を用いることにより、分散性安定性や着色力に優れ、かつ、輝度が高く、コントラストの高いカラーフィルタ用着色感光性組成物を得ることができる。
なお、本発明における平均一次粒子径とは、透過型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成する亜鉛フタロシアニン系顔料の一次粒子の100個につき、その長い方の径(長径)と短い方の径(短径)の平均値を各々求め、それを平均した値である。
平均一次粒子径が10nm〜40nmの範囲である亜鉛フタロシアニン系顔料を得るにあたっては、いずれの方法で微粒子化されたものでも良いが、容易に結晶成長を抑制でき、かつ平均一次粒子径の比較的小さい顔料粒子が得られる点で、ソルベントソルトミリング処理を採用するのが好ましい。
このソルベントソルトミリングとは、亜鉛フタロシアニン系顔料と、無機塩と、有機溶剤とを混練摩砕することを意味する。粒子径の大きい亜鉛フタロシアニン系顔料は乾式摩砕してからソルベントソルトミリングを行っても良い。具体的には、亜鉛フタロシアニン系顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。この際の混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。この様な無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得られる。
平均一次粒子径が10nm〜40nmの範囲である亜鉛フタロシアニン系顔料を得るに当たっては、ソルベントソルトミリングにおける亜鉛フタロシアニン系顔料の使用量に対する無機塩使用量の比率を高くするのが好ましい。即ち当該無機塩の使用量は、質量換算で亜鉛フタロシアニン系顔料1部に対して5〜20部とするのが好ましく、7〜15部とするのがより好ましい。
有機溶剤としては、前記したのと異なり、結晶成長を抑制し得る有機溶剤を使用することが好ましく、このような有機溶剤としては水溶性有機溶剤が好適に使用でき、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等を用いることができる。
この際の水溶性有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、質量換算で亜鉛フタロシアニン系顔料1部に対して0.01〜5部、0.1〜2部が好ましい。
ソルベントソルトミリング時の温度は、30〜150℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。ソルベントソルトミリングの時間は、5〜20時間が好ましく、8〜18時間がより好ましい。
こうして、亜鉛フタロシアニン系顔料、無機塩、および有機溶剤を主成分として含む混合物が得られるが、この混合物から有機溶剤と無機塩を除去し、必要に応じて亜鉛フタロシアニン系顔料を主体とする固形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等をすることにより、微細な亜鉛フタロシアニン系顔料の粉体を得ることが出来る。
洗浄としては、水洗、湯洗のいずれも採用できる。洗浄回数は、1〜5回の範囲で繰り返すことも出来る。水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を用いた前記混合物の場合は、水洗することで容易に有機溶剤と無機塩を除去することが出来る。
上記した濾別、洗浄後の乾燥としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、顔料の脱水及び/又は脱溶剤をする回分式あるいは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては一般に箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライアー等がある。また、乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくしたり、一次粒子の平均粒子径を小さくしたりするための操作ではなく、例えば箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の場合の様に顔料がランプ状等のとなった際に顔料を解して粉体化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕等が挙げられる。
こうして、亜鉛フタロシアニン系顔料の粉体が得られる。本発明で用いる亜鉛フタロシアニン系顔料は、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料に比べて一次粒子の凝集力が弱く、より解れやすい性質を持つ。そのため、本発明のカラーフィルタ用着色感光性組成物は高コントラストとなる。
本発明の亜鉛フタロシアニン系顔料の一次粒子は、更に縦横のアスペクト比が1〜3の範囲であると、各用途分野において粘度特性が向上し、流動性がより高くなる。アスペクト比を求めるには、前記した様な、一次粒子の平均粒子径を求める場合と同様に、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の、凝集体を構成する一次粒子の100個につき長い方の径(長径)と、短い方の径(短径)の平均値を求め、これらの値を用いて算出する。
平均一次粒子径が10nm〜40nmの範囲である本発明の亜鉛フタロシアニン系顔料は、例えば上述の方法によって得ることができるが、大日本インキ化学工業(株)より購入することも可能である。
<(B)一般式(b−1)で表される構造単位を含む分散剤>
本発明の顔料分散組成物における特徴的な成分の一つである、一般式(b−1)で表される構造単位を含む分散剤(特定分散剤)について詳細に説明する。
特定分散剤は、本発明の顔料分散組成物において亜鉛フタロシアニン系顔料の分散剤として機能しうるものである。
先ず、一般式(b−1)で表される構造単位及びそれに関する事項について詳述する。
一般式(b−1)中、XはO、またはNR25(R25は炭素数1〜10のアルキル基)を表し、R21は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表し、R22、およびR23は、それぞれ独立に水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基を表す。Lは、炭素数1〜10のアルキレン基、またはアリーレン基を表す。
一般式(b−1)のXとしては、酸素原子、モノアルキルアミノ基(アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基)であり、好ましくは酸素原子、NR25である。R25は、炭素数1〜5のアルキル基を表す。R21としては、水素原子、メチル基が好ましい。R22、およびR23としてはそれぞれ独立に、好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基である。Lとしては、炭素数2〜6のアルキレン基、またはフェニレン基、ナフチレン基などのアリーレン基が好ましい。
また、一般式(b−1)の好ましい構造単位としては、下記に示す(b−1−1)〜(b−1−5)である。
本発明の特定分散剤は一般式(b−1)で表される構造単位の他に、下記一般式(b−2)で表される構造単位を含むことが好ましい。
一般式(b−2)中、R21は一般式(b−1)のR21と同義であり、R24は、炭素数1〜10のアルキル基、−(C2nO)−R26、−(C2nCO-R26、または−R29-(OC2nCO)l-OR26を表す。nは1〜10の整数であり、mおよびlは3〜20の整数である。R26は、炭素数1〜10のアルキル基であり、R29は、炭素数2〜6のアルキレン基である。
一般式(b−2)のR24としては、炭素数1〜8のアルキル基、−(C2nO)−R26、−R29-(OC2nCO)-OR26が好ましい。R26としては、好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基である。nとしては、2〜5の整数が好ましく、lとしては5〜15の整数が好ましく、mとしては8〜16の整数が好ましい。
また、一般式(b−2)の好ましい構造単位としては、メチルメタクリレート(b-2-1)、エチルメタクリレート(b-2-2)、ブチルメタクリレート(b-2-3)、2-エチルヘキシルメタクリレート(b-2-4)、および下記(b−2−5)〜(b−2−7)である。
本発明の特定分散剤中に含む一般式(b−1)で表される構造単位の含有量は質量換算で5〜90%の範囲が好ましく、より好ましくは10〜80%の範囲である。さらに好ましくは15〜50%の範囲である。
この範囲内であると分散安定性が良好であり好ましい。
さらに一般式(b−2)で表される構造単位を含む場合は、特定分散剤中に1〜80質量%の範囲で含むことが好ましく、10〜60質量%含むことが依り好ましい。
この範囲内であると分散安定性と現像性とが良好となり好ましい。
本発明の特定分散剤には、上記の一般式(b−1)、一般式(b−2)以外にさらに下記のような構造単位を含むことが好ましい態様である。
特定分散剤は、更に、酸基を有する単量体に由来する構造単位を含むことが好ましい。特定分散剤がさらに酸基を有する単量体に由来する共重合単位を含むことで、顔料分散組成物を着色感光性組成物に適用した場合において、未露光部の現像除去性に優れる。
酸基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸またはその無水物類;こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端カルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
特定分散剤は、酸基を有する単量体に由来する構造単位を、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
特定分散剤において、酸基を有する単量体に由来する構造単位の含有量は、好ましくは10〜150mgKOH/gであり、特に好ましくは30〜100mgKOH/gである。即ち、顔料分散組成物に含有される顔料の分散性及び分散安定性の観点からは、酸基を有する単量体に由来する構造単位の含有量は10mgKOH/g以上であることが好ましい。また、顔料分散組成物を含有する着色感光性組成物によりカラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、酸基を有する単量体に由来する構造単位の含有量は150mgKOH/g以下であることが好ましい。
特定分散剤は、その効果を損なわない範囲において、更に、共重合可能なビニルモノマーに由来する構造単位を含んでいてもよい。これによって他の分散剤あるいは樹脂等との相溶性、溶剤への溶解性等を向上することができる。
ここで使用可能なビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。このようなビニルモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」と記載することがある。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
特定分散剤の好ましい構造単位は、前記の(b−1)と(b−2)とが共重合したものであり、好ましい化合物を以下に示すが、本発明はこれに制限されるものではない。下記化合物の重量平均分子量は全て10000〜20000の範囲であった。
(b−1−1):(b−2−1)=40:60(質量比)、
(b−1−1):(b−2−4)=25:55(質量比)、
(b−1−1):(b−2−6)=20:50(質量比)、
(b−1−1):(b−2−7)=20:50(質量比)、
(b−1−2):(b−2−4)=30:70(質量比)、
(b−1−2):(b−2−6)=25:55(質量比)、
(b−1−2):(b−2−7)=20:60(質量比)、
(b−1−4):(b−2−1)=30:70(質量比)、
(b−1−4):(b−2−4)=20:50(質量比)、
(b−1−4):(b−2−7)=20:60(質量比)、
(b−1−5):(b−2−4)=30:70(質量比)、
(b−1−5):(b−2−7)=20:60(質量比)、
(b−1−1):(b−2−7):メタクリル酸=20:50:5(質量比)、
(b−1−1):(b−2−4):メタクリル酸=30:55:7(質量比)、
(b−1−2):(b−2−6):メタクリル酸=20:50:5(質量比)、
(b−1−2):(b−2−7):メタクリル酸=20:50:5(質量比)
特定分散剤の好ましい分子量は、重量平均分子量(Mw)で5000〜50000の範囲であることが好ましい。特に、重量平均分子量(Mw)で7000〜30000の範囲であることが好ましい。
即ち、顔料分散組成物に含有される顔料の分散性及び分散安定性、該顔料分散組成物を適用して得られたカラーフィルタのコントラストの観点からは、特定分散剤の重量平均分子量(Mw)は5000以上であることが好ましい。また、顔料分散組成物を含有する着色感光性組成物によりカラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、特定分散剤の重量平均分子量(Mw)は50000以下であることが好ましい。
本発明の顔料分散組成物中における特定分散剤の含有量は、亜鉛フタロシアニン系顔料100質量部に対し、10〜100質量部が好ましく、より好ましくは15〜70質量部、20〜60質量部がさらに好ましい範囲である。特定分散剤がこの範囲であると分散性・分散安定性が向上し、顔料分散組成物を用いた着色感光性組成物が均一に塗布でき、本発明の効果を発揮することができる。
<(C)ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂>
本発明の顔料分散組成物は、分子内にポリエステル鎖を分子内に有する樹脂を含む。
ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂におけるポリエステル鎖の構造としては、繰り返し単位を3〜100有するものであることが好ましく、より好ましくは5〜100有するものであり、さらに好ましくは5〜60有するものである。
ポリエステル鎖における繰り返し単位の構造としては、ジオール化合物とジカルボン酸化合物の縮合した構造あるいは、ラクトン環が開環重合した構造からなるものであることが好ましい。これらの中でも下記一般式(c)で表される構造を分子内に有する樹脂が、顔料との吸着性すなわち分散性の点で好ましい。
一般式(c)中、R27は、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R28は水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。rは3〜100の整数を表す。
一般式(c)で、より好ましいものとしては、R27は炭素数2〜5のアルキレン基であり、具体的にはエチレン基、プロピレン基、ペンチレン基などである。
また、ポリエステル鎖の分子量としては、経時安定性の点で、100以上が好ましく、200以上がより好ましく、200以上6000未満が最も好ましい。
ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂は、顔料との吸着性、即ち分散性の点からは、主鎖が非ポリエステル構造で、側鎖にポリエステル鎖を有する高分子化合物であることが好ましい。
ポリエステル鎖を側鎖に有する樹脂として具体的には、例えば、特開昭54−37082号公報、特開昭61−174939号公報などに記載のポリアルキレンイミンとポリエステル化合物を反応させた化合物、特開平9−169821号公報に記載のポリアリルアミンの側鎖のアミノ基をポリエステルで修飾した化合物、特開平9−171253号公報に記載のポリエステル型マクロモノマーを共重合成分とするグラフト重合体、特開昭60−166318号公報に記載のポリエステルポリオール付加ポリウレタン等が好適に挙げられる。
ポリエステル鎖を主鎖に有する樹脂として具体的には、例えば、特開平6−239984号公報に記載のブロック重合体、特開2003-306535号公報に記載の脂肪族ポリエステル化合物等が挙げられる。
これらの化合物は柔軟なポリエステル鎖を含むことにより、顔料に対する吸着性が増し、前記特定分散剤と組み合わせて使用することで分散性をさらに向上させることができる。更に、本発明の顔料分散組成物を含有する着色感光性組成物をレジスト液として使用しレジストパターンを形成する場合(例えば、カラーフィルタの着色パターンを製造する場合など)においては、現像工程における現像液の浸透性を向上させうることから、良好なレジストパターン形成が可能となる。
ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂としては、市販の樹脂を用いることもでき、これらは分散剤としても市販されている。例えば、ソルスパース24000GR、28000、32000、38500(日本ルーブリゾール(株)製)、アジスパーPB711、PN411、PA111、PB821、PB822(味の素ファインテクノ製)、EFKA4047、4050(エフカアディティブスジャパン社製)、が挙げられる。
ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂の中でも、顔料との吸着性、即ち分散性と経時安定性の点から、ポリアルキレンイミンとポリエステル化合物を反応させた化合物、及びポリエステル型マクロモノマーを共重合成分とするグラフト重合体が好ましく、ポリアルキレンイミンとポリエステル化合物を反応させた化合物が最も好ましい。
ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
顔料分散組成物中、(C)ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂は、経時安定性の観点から、(B)特定分散剤:(C)ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂の比は質量換算で、1:0.1〜1:10の範囲で用いることが好ましく、1:0.3〜1:5の範囲で用いることがより好ましく、1:0.5〜1:3の範囲で用いることが更に好ましい。
また、本発明の顔料分散組成物中における(C)ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂の含有量は、亜鉛フタロシアニン系顔料100質量部に対し、2〜200質量部が好ましく、より好ましくは6〜100質量部、10〜60質量部がさらに好ましい範囲である。(C)ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂がこの範囲にあると分散安定性が向上し、かつ低粘度であるため、塗布均一性が良好であり、好ましい。
<溶剤>
本発明の顔料分散組成物における溶剤としては、例えば、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トルエン、キシレンなどの溶剤を挙げることができる。
顔料分散組成物における溶剤の含有量は、顔料分散組成物の用途などに応じて適宜選択される。顔料分散組成物が後述する着色感光性組成物の調製に用いられる場合には、取り扱い性の観点から、顔料及び顔料分散剤を含む固形分濃度が5〜50質量%となるように含有することができる。
−顔料分散組成物の調製−
本発明の顔料分散組成物の調製態様は、特に制限されないが、例えば、顔料と顔料分散剤と溶剤とを、縦型もしくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を用いて、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理を行なうことにより得ることができる。
ビーズ分散を行なう前に、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは2軸の押出機等を用いて、強い剪断力を与えながら混練分散処理を行なうことも可能である。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flow and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等に記載されている。
本発明の顔料分散組成物は、カラーフィルタの製造に用いられる着色感光性組成物に好適に用いられる。
<着色感光性組成物>
本発明の着色感光性組成物は、既述の本発明の顔料分散組成物と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光重合開始剤とを少なくとも含んでなり、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。この着色感光性組成物は、既述の特定重合体及び分子内にポリエステル鎖を有する分散剤を含むので、組成物中で顔料が良好な分散状態で保持され、良好な色特性が得られると共に、例えばカラーフィルタを構成したときには高いコントラストを得ることができる。
以下、本発明の着色感光性組成物に含まれる各成分について詳述する。
本発明の着色感光性組成物は、前記本発明の顔料分散組成物の少なくとも一種を用いて構成されるものである。着色感光性組成物を構成する本発明の顔料分散組成物の詳細については、既述の通りである。
本発明の着色感光性組成物中における顔料分散組成物の含有量としては、着色感光性組成物の全固形分(質量)に対して、顔料の含有量が5〜70質量%の範囲となる量が好ましく、15〜60質量%の範囲となる量がより好ましい。顔料分散組成物の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
本発明のカラーフィルタ用着色感光性組成物においては、亜鉛フタロシアニン系顔料を単独で、若しくは、亜鉛フタロシアニン系顔料と従来公知の有機顔料とを組み合わせて用いることができる。組み合わせて用いる従来公知の有機顔料の平均一次粒子径は、10nm〜40nmの範囲であることが好ましい。
組み合わせて用いる従来公知の有機顔料としては、黄色顔料又は緑色顔料が好ましく、特に黄色顔料を組み合わせて用いることが好ましい。
組み合わせて用いる黄色顔料としては例えばC.I.Pigment YELLOW 83、同110、同138、同139、同150、同180、同185等が挙げられる。本発明における亜鉛フタロシアニン系顔料と黄色顔料との併用割合は、質量換算で、亜鉛フタロシアニン系顔料100部当たり、黄色顔料が10〜150部とすることが好ましい。
組み合わせて用いる緑色顔料としては例えばC.I.Pigment GREEN 36、同7等が挙げられるが、色特性を損なうことがあるので用いる量としては亜鉛フタロシアニン系顔料100質量部あたり50質量部以下、更には30質量部以下とすることが好ましい。
本発明の着色感光性組成物において、亜鉛フタロシアニン系顔料を含む顔料の総量は、本発明の着色感光性組成物中の溶剤を除いた総量に対して5〜60%であることが好ましく、10〜50%であることがより好ましく、最適には15〜45%である。添加量をこの範囲で用いることにより、色特性に優れ、コントラストが高く、輝度の高いカラーフィルタを得ることができる。
<アルカリ可溶性樹脂>
本発明の着色感光性組成物は、アルカリ可溶性樹脂の少なくとも一種を含有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は顔料分散組成物の調整の段階で含有することも可能であり、顔料分散組成物の調整および着色感光性組成物の調整の段階の両方の工程で分割して添加することも可能である。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
上記の線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等が挙げられ、さらに側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。このほか、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。該ポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
上記以外に、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の具体的な構成単位については、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が好適である。
前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸アリール、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、トリルアクリレート、ナフチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等を挙げることができる。
前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH=CR3132〔ここで、R31は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R32は炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表す。〕、CH=C(R31)(COOR33)〔ここで、R31は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R33は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕、等を挙げることができる。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい共重合可能な他の単量体は、CH=CR3132、CH=C(R31)(COOR33)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンから選択される少なくとも1種であり、特に好ましくは、CH=CR3132及び/又はCH=C(R31)(COOR33)である。これらの、R31、R32及びR33はそれぞれ前記したのと同義である。
着色感光性組成物中におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1〜20質量%が好ましく、より好ましくは2〜15質量%であり、特に好ましくは3〜12質量%である。
<光重合性化合物>
本発明の着色感光性組成物は、光重合性化合物の少なくとも一種を含有する。本発明に用いることができる光重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH
(ただし、R及びRは、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に着色感光性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの光重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な着色感光性組成物の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、着色感光性組成物中の他の成分 例えば、アルカリ可溶性樹脂などのバインダーポリマー、光重合開始剤などとの相溶性、顔料の分散性に対しても、光重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。
また、基板等との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
光重合性化合物は、着色感光性組成物中の不揮発性成分に対して、好ましくは5〜70質量%、更に好ましくは10〜60質量%の範囲で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、光重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択できる。
<光重合開始剤>
本発明の着色感光性組成物は、光重合開始剤の少なくとも一種を含有する。
光重合開始剤としては、例えば、特開平57−6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール、特公昭59−1281号公報、特開昭53−133428号公報等に記載のハロメチル−s−トリアジン等活性ハロゲン化合物、米国特許第4318791号、欧州特許公開EP88050A等の各明細書に記載のケタール、アセタール、又はベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物、米国特許第4199420号明細書に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物、Fr−2456741明細書に記載の(チオ)キサントン類又はアクリジン類化合物、特開平10−62986号公報に記載のクマリン類又はロフィンダイマー類等の化合物、特開平8−015521号公報等に記載のスルホニウム有機硼素錯体等、等を挙げることができる。
中でも、光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、トリアジン系、ハロメチルオキサジアゾール系、アクリジン類系、クマリン類系、ロフィンダイマー類系、ビイミダゾール系等が好ましい。
前記アセトフェノン系の光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノンなどを好適に挙げることができる。
前記ケタール系の光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールなどを好適に挙げることができる。
前記ベンゾフェノン系の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1等を好適に挙げることができる。
前記ベンゾイン系又はベンゾイル系の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ゼンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベゾエート等を好適に挙げることができる。
前記キサントン系の光重合開始剤としては、例えば、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、モノイソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、等を好適に挙げることができる。
前記トリアジン系の光重合開始剤としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ビフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メチルビフェニル)−s−トリアジン、p−ヒドロキシエトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル−s−トリアジン、3,4−ジメトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−ベンズオキソラン−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン等を好適に挙げることができる。
前記ハロメチルオキサジアゾール系の光重合開始剤としては、例えば、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾール等を好適に挙げることができる。
前記アクリジン類系の光重合開始剤としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等を好適に挙げることができる。
前記クマリン類系の光重合開始剤としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を好適に挙げることができる。
前記ロフィンダイマー類系の光重合開始剤としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等を好適に挙げることができる。
前記ビイミダゾール系の光重合開始剤としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、2,2’−ベンゾチアゾリルジサルファイド等を好適に挙げることができる。
上記以外に、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。
本発明に用いうる光重合開始剤としては、以上の光重合開始剤に限定されるものではなく、他の公知のものも使用することができる。例えば、米国特許第2,367,660号明細書に記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に記載のα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に記載のトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物等が挙げられる。
また、これらの光重合開始剤を併用することもできる。
着色感光性組成物中における光重合開始剤の含有量としては、該組成物の全固形分に対して、0.1〜15.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10.0質量%である。光重合開始剤の含有量が前記範囲内であると、重合反応を良好に進行させて強度の良好な膜形成が可能である。
本発明の着色感光性組成物は、光重合開始剤(ラジカル開始剤)のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。本発明に用いることができる増感剤としては、ラジカル開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
本発明に用いることができる増感剤としては、以下に列挙する化合物類に属しており、且つ300nm〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ330nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
増感剤の含有量は、感度と保存安定性の観点から、着色感光性組成物の全固形分の質量に対し、0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜20質量%の範囲がより好ましく、2〜15質量%の範囲が更に好ましい。
本発明の着色感光性組成物は、共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による光重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としてはチオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、感光性組成物の全固形分の質量に対し、0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜25質量%の範囲がより好ましく、0.5〜20質量%の範囲が更に好ましい。
<溶剤>
本発明の着色感光性組成物は、一般に上記成分と共に溶剤を用いて好適に調製することができる。
溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、並びに、3−オキシプロピオン酸メチル及び3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル)、並びに、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、及び2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル)、並びに、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;
エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;
ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<その他成分>
本発明の着色感光性組成物には、必要に応じて、フッ素系有機化合物、熱重合防止剤、着色剤、光重合開始剤、その他充填剤、上記の一般式(1)又は(2)で表される高分子化合物及びアルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの各種添加物を含有することができる。
〈フッ素系有機化合物〉
フッ素系有機化合物を含有することで、塗布液としたときの液特性(特に流動性)を改善でき、塗布厚の均一性や省液性を改善することができる。すなわち、基板と塗布液との界面張力を低下させて基板への濡れ性が改善され、基板への塗布性が向上するので、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成が可能である点で有効である。
フッ素系有機化合物のフッ素含有率は3〜40質量%が好適であり、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは7〜25質量%である。フッ素含有率が前記範囲内であると、塗布厚均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中への溶解性も良好である。
フッ素系有機化合物としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。
フッ素系有機化合物は特に、例えば塗布形成される塗布膜を薄くしたときの塗布ムラや厚みムラの防止に効果的である。また、液切れを起こしやすいスリット塗布においても効果的である。
フッ素系有機化合物の添加量は、顔料分散組成物または着色感光性組成物の全質量に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。
〈熱重合開始剤〉
本発明の着色感光性組成物には、熱重合開始剤を含有させることも有効である。熱重合開始剤としては、例えば、各種のアゾ系化合物、過酸化物系化合物が挙げられ、前記アゾ系化合物としては、アゾビス系化合物を挙げることができ、前記過酸化物系化合物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどを挙げることができる。
〈界面活性剤〉
本発明の着色感光性組成物には、塗布性を改良する観点から、各種の界面活性剤を用いて構成することが好ましく、ノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤を使用できる。中でも、ノニオン系界面活性剤でパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤の具体例としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファック(登録商標)シリーズ、3M社製のフロラード(登録商標)シリーズなどが挙げられる。
上記以外に、着色感光性組成物には、添加物の具体例として、ガラス、アルミナ等の充填剤;イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの、アルコール可溶性ナイロン、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから形成されたフェノキシ樹脂などのアルカリ可溶の樹脂;ノニオン系、カチン系、アニオン系等の界面活性剤、具体的にはフタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(森下産業社製));オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業社製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業社製)、W001(裕商社製)等のカチオン系界面活性剤;
その他添加物等の例として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製 プルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(ゼネカ社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化社製)及びイソネットS−20(三洋化成社製);2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;及びポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
また、未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、着色感光性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、着色感光性組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことができる。具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
〈熱重合防止剤〉
本発明の着色感光性組成物には、さらに熱重合防止剤を加えておくことが好ましく、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
本発明の着色感光性組成物は、既述の本発明の顔料分散組成物に、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、及び光重合開始剤を(好ましくは溶剤と共に)含有させ、これに必要に応じて界面活性剤等の添加剤を混合することによって調製することができる。
<カラーフィルタ及びその製造方法>
本発明のカラーフィルタは、既述の本発明の着色感光性組成物を用いてガラスなどの基板上に着色された膜(着色パターン)を形成することにより作製されるものであり、例えば、本発明の着色感光性組成物を、基板に直接又は他の層を介して付与(好ましくは、回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布)して感光性膜を形成し、形成された感光性膜に、所定のマスクパターンを介して露光し、露光後に未硬化部を現像液で現像除去することにより各色(例えば3色あるいは4色)の着色パターン(例えば着色画素)を形成することによって、最も好適にカラーフィルタを作製することができる。
これにより、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタをプロセス上の困難性が少なく、高品質でかつ低コストに作製することができる。
この際、露光に用いる放射線としては、特にg線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましい。
基板上に付与(好ましくは塗布)された本発明の着色感光性組成物による膜の乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等を用いて50〜140℃の温度範囲で10〜300秒の条件にて行なうことができる。
現像では、露光後の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化部のみを残存させる。現像温度としては、通常20〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒である。
現像液としては、未硬化部における着色感光性組成物の膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
前記有機溶剤としては、本発明の顔料分散組成物又は着色感光性組成物を調製する際に使用できる既述の溶剤として列挙したものが挙げられる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。
なお、アルカリ性水溶液を現像液として使用した場合には、一般に現像後に水で洗浄(リンス)が行なわれる。
現像後は、余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥を施した後、一般に100〜250℃の温度で加熱処理(ポストベーク)が施される。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱であり、通常約200℃〜250℃の加熱(ハードベーク)を行なう。このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行なうことができる。
以上の操作を所望の色相数に合わせて、各色毎に順次繰り返し行なうことにより、複数色の着色された硬化膜が形成されてなるカラーフィルタを作製することができる。
本発明の着色感光性組成物を基板上に付与して膜形成する場合、膜の乾燥厚みとしては、一般に0.3〜5.0μmであり、好ましくは0.5〜3.5μmであり、最も望ましくは1.0〜2.5μmである。
基板としては、例えば、液晶表示装置等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等、並びにプラスチック基板が挙げられる。これらの基板上には、通常、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている。
プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
基板上に他の層を介して着色感光性組成物を付与する場合の、他の層としては、ガスバリヤー層、耐溶剤性層、などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」「部」は質量基準である。
(部分臭素化亜鉛フタロシアニンの合成)
フタロジニトリル、塩化亜鉛を原料として亜鉛フタロシアニンを製造した。ハロゲン化は、塩化スルフリル3.1質量部、無水塩化アルミニウム3.7質量部、塩化ナトリウム0.46質量部、亜鉛フタロシアニン1質量部を40℃で混合し、臭素2.2質量部を滴下して行った。80℃で15時間反応し、その後、反応混合物を水に投入し、部分臭素化亜鉛フタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーを濾過し、80℃の湯洗浄を行い、90℃で乾燥させ、2.6質量部の精製された部分臭素化亜鉛フタロシアニン粗顔料を得た。
この部分臭素化亜鉛フタロシアニン粗顔料1質量部、粉砕した塩化ナトリウム7質量部、ジエチレングリコール1.6質量部、キシレン0.09質量部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水100質量部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕した部分臭素化亜鉛フタロシアニン顔料を得た。
得られた部分臭素化亜鉛フタロシアニン顔料は、質量分析によるハロゲン含有量分析から、平均組成ZnPcBr10Clで(Pc;フタロシアニン)、1分子中に平均10個の臭素を含有するものであった。
なお、透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製JEM−2010)で測定した一次粒径の平均値は0.065μmであった。
(重合体1の合成)
メタクリル酸ジメチルアミノエチル 30.0g、メタクリル酸ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン5モル付加物(プラクセルFM−5:ダイセル化学工業株式会社製)70.0g、n−ドデシルメルカプタン1.7gおよびメトキシプロピレングリコール233gを、窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して75℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2−メチルプロピオン酸ジメチル)(和光純薬(株)製、V−601)を0.67g加え、75℃にて2時間加熱攪拌を行った。その後、さらにV−601を0.67g加えて2時間過熱攪拌した後、90℃に昇温して2時加熱攪拌し、重合体1の30%溶液を得た。
得られた高分子化合物の重量平均分子量を、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、1.3万であった。
また、H-NMRから求めた繰り返し単位組成比(質量比)は、30/70であった。
(重合体2の合成)
メタクリル酸ジメチルアミノエチル 25.0g、メタクリル酸2-エチルヘキシル 55.0g、メタクリル酸ベンジル 20.0g、n−ドデシルメルカプタン2.3gおよびメトキシプロピレングリコール233gを、窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して75℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2−メチルプロピオン酸ジメチル)(和光純薬(株)製、V−601)を1.2g加え、75℃にて2時間加熱攪拌を行った。その後、さらにV−601を1.2g加えて2時間過熱攪拌した後、90℃に昇温して2時加熱攪拌し、重合体2の30%溶液を得た。
得られた高分子化合物の重量平均分子量を、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、1.2万であった。
また、H-NMRから求めた繰り返し単位組成比(質量比)は、25/55/20であった。
(重合体3の合成)
メタクリル酸ジメチルアミノエチル 20.0g、メタクリル酸ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン5モル付加物(プラクセルFM−5:ダイセル化学工業株式会社製)50.0g、メタクリル酸ベンジル 25.0g、アクリル酸 5g、n−ドデシルメルカプタン1.6gおよびメトキシプロピレングリコール233gを、窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して75℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2−メチルプロピオン酸ジメチル)(和光純薬(株)製、V−601)を1.0g加え、75℃にて2時間加熱攪拌を行った。その後、さらにV−601を1.0g加えて2時間過熱攪拌した後、90℃に昇温して2時加熱攪拌し、重合体3の30%溶液を得た。
得られた高分子化合物の重量平均分子量を、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、1.2万であった。
また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、40mgKOH/g、H-NMRから求めた繰り返し単位組成比(質量比)は、20/50/25/5であった。
(重合体4の合成)
メタクリル酸ジメチルアミノエチル 20.0g、アクリル酸ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン10モル付加物(プラクセルFA−10L:ダイセル化学工業株式会社製)50.0g、メタクリル酸ベンジル 25.0g、アクリル酸 5g、n−ドデシルメルカプタン1.6gおよびメトキシプロピレングリコール233gを、窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して75℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2−メチルプロピオン酸ジメチル)(和光純薬(株)製、V−601)を1.0g加え、75℃にて2時間加熱攪拌を行った。その後、さらにV−601を1.0g加えて2時間過熱攪拌した後、90℃に昇温して2時加熱攪拌し、重合体4の30%溶液を得た。
得られた高分子化合物の重量平均分子量を、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、1.2万であった。
また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、40mgKOH/g、H-NMRから求めた繰り返し単位組成比(質量比)は、20/50/25/5であった。
(実施例1)
<顔料分散組成物の調製>
下記組成(1)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で1時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
〔組成(1)〕
・部分臭素化亜鉛フタロシアニン(前記合成品) 150部
・分散剤:前記重合体1の30%溶液 100部
・ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂:アジスパーPB711(味の素ファインテクノ製) 30部
・溶剤:2−アセトキシ−1−メトキシプロパン 720部
続いて、上記より得られた混合溶液を、さらに0.1mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ナノレディーミル(アイメックス社製)にて2時間分散処理を行ない、緑色の顔料分散組成物(G1)を得た。
<顔料分散組成物の評価>
得られた顔料分散組成物について下記の評価を行った。
(1)粘度の測定、評価
得られた顔料分散組成物について、E型粘度計を用いて、分散直後の顔料分散組成物の粘度η1および分散後(室温にて)1週間経過した後の顔料分散組成物の粘度η2を測定し、増粘の程度を評価した。評価結果は下記表1に示す。ここで、粘度が低いことは、分散性、分散安定性が良好であることを示す。
(実施例2〜4)
実施例1において、特定分散剤(重合体1)を、前記合成例2〜4で各々得られた特定分散剤(重合体2、重合体3、および重合体4)にそれぞれ代えたこと以外は実施例1と同様にして、緑色の顔料分散組成物(G2)、(G3)、および(G4)を調製し、実施例1と同様の評価を行なった。結果を下記表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、特定分散剤(重合体1)を、下記のメタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体D−1(=85/15[質量比]、重量平均分子量:15000)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、緑色の顔料分散組成物(G10)を調製し、実施例1と同様の評価を行なった。結果を下記表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、特定分散剤(重合体1)を、メタクリル酸と末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(AA-6:東亞合成社製)共重合体D−2(=15/85[質量比]、重量平均分子量:30000)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、緑色の顔料分散組成物(G11)を調製し、実施例1と同様の評価を行なった。結果を下記表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、特定分散剤(重合体1)を、スチレンと末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体D−3(=15/85[質量比]、重量平均分子量:30000)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、緑色の顔料分散組成物(G12)を調製し、実施例1と同様の評価を行なった。結果を下記表1に示す。
(比較例4)
実施例1において、ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂を、ポリエステル鎖を分子内に有しない樹脂である下記のメタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体D−1(=85/15[質量比]、重量平均分子量:15000)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、緑色の顔料分散組成物(G13)を調製し、実施例1と同様の評価を行なった。結果を下記表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂を、メタクリル酸メチルとメタクリル酸ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン2モル付加物(プラクセルFM−2D:ダイセル化学工業株式会社製)との共重合体D−4(=85/15[質量比]、重量平均分子量:13000)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、緑色の顔料分散組成物(G5)を調製し、実施例1と同様の評価を行なった。結果を下記表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂を、ポリカプロラクトン樹脂(プラクセルH1P(重量平均分子量:10000):ダイセル化学工業株式会社製)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、緑色の顔料分散組成物(G6)を調製し、実施例1と同様の評価を行なった。結果を下記表1に示す。
表1から明らかなように、本発明に係る特定分散剤である重合体1〜4を用いた実施例の顔料分散組成物は、いずれも分散直後の組成物の粘度が低く、また1週間経時させても、殆ど粘度の変化は見られなかった。これに対し本発明の構造を持たない分散剤D−1〜D−3を用いた比較例1〜3、およびポリエステル鎖を有しないD−1を用いた比較例4はいずれも分散直後の粘度が高く、経時によって粘度が大きくなったり、ゲル化したりした。本発明の特定分散剤で分散した顔料分散組成物は分散性、および分散安定性に優れることがわかる。
(実施例10)
<着色感光性組成物の調製>
実施例1で得られた緑色顔料を含む顔料分散組成物(G1)に、さらに下記組成(2)に記載の各成分を添加し、撹拌混合して、本発明の実施例10の着色感光性組成物(カラーレジスト液)を調製した。
〔組成(2)〕
・光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 80部
・光重合開始剤:4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン 30部
・アルカリ可溶性樹脂:メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸(=70/30[モル比])共重合体(重量平均分子量:10,000)の2−アセトキシ−1−メトキシプロパン溶液(D−1、固形分40%) 150部
・溶剤:2−アセトキシ−1−メトキシプロパン 1000部
<着色感光性組成物のアルカリ現像性、塗布性、輝度、コントラストの評価>
(塗布性)
得られた着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、スリット間隙が100μmの塗布有効幅が540mmのスリットヘッドを備えたスリット塗布装置を用いて、乾燥後の塗膜厚が2.0μmになるようにスリットと基板間との間隙を調節して、170mm/秒の塗布スピードで得られた着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、幅550mm、長さ650mm、厚み0.7mmのガラス基板上に塗布し、長さ640mmの塗布面を得た。
塗布後、減圧乾燥機で67Paまで減圧し、ホットプレートで、100℃、60秒間プリベークし、その後、塗布面を目視にて観察し、以下の基準に従って塗布性を評価した。
○:斑状やスジ状の塗布ムラ、異物、はじきの存在が認められなかった。
×:斑状やスジ状の塗布ムラ、異物、はじきの存在が認められた。
(アルカリ現像性)
得られた着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(EAGLE2000、コーニング社製)上に、乾燥後の塗膜厚が2.0μmになるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、100mJ/cm(照度20mW/cm)にてマスク露光し、露光後の塗膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて覆い、60秒間静止した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流し、パターン形成した。欠けや剥がれがなく露光マスクと同様のパターンが形成できたときを○とし、露光マスクと異なるパターンができたときを×とした。
(輝度:Y値)
作製した着色フィルタ基板の各々について、大塚電子(株)製のMCPD−2000を用いて輝度としてY値を測定した。y値:0.42(C光源)のときのY値が68より大きいときを○とし、小さいときを×とした。測定結果を下記表2に示す。
(コントラスト)
着色フィルタ基板の着色樹脂被膜の上に偏光板を置いて着色樹脂被膜を挟み込み、偏光板が平行時の輝度と直交時の輝度とをトプコン(株)社製のBM−5を用いて測定し、平行時の輝度を直交時の輝度で除して得られる値(=平行時の輝度/直交時の輝度)を、コントラストを評価するための指標とした。y値:0.42(C光源)のときのコントラストが23000より大きいときを○とし、小さいときを×とした。
(実施例11〜15、比較例10〜13)
実施例11において、緑色の顔料分散物(G1)を、実施例2〜6、および比較例1〜4で各々得られた顔料分散物(G2〜G6、G10〜G13)にそれぞれ代えたこと以外、実施例11と同様にして、着色感光性組成物(カラーレジスト液)を調製し、実施例11と同様の評価を行なった。結果は下記表2に示す。
表2から明らかなように、本発明に係る特定分散剤の重合体1〜4を使用した顔料分散組成物によって得られた着色感光性組成物による実施例10〜15は、いずれも塗布性が良好で、斑状やスジ状の塗布ムラ、異物、はじきの存在が認められなかった。また現像性が良好で、輝度、コントラストともに良好なカラーフィルタが得られた。これに対し本発明の構造を持たない分散剤、ポリエステル鎖を有しない樹脂のいずれかを用いた比較例10〜13は、斑状やスジ状の塗布ムラ、異物、はじきの存在が認められ、塗布性が劣り、現像性にも劣り、得られた着色フィルタは輝度、コントラストともに不良であったことがわかる。

Claims (13)

  1. (A)下記一般式(a)で表される化合物である亜鉛フタロシアニン系顔料、(B)下記一般式(b−1)で表される構造単位を含む分散剤(ただし、下記一般式(I)で表される構成単位(1)と下記一般式(II)で表される構成単位(2)とを有し、さらに前記構成単位(1)が有するアミノ基と、下記一般式(III)及び/又は下記一般式(IV)で表される有機酸化合物とが塩を形成したブロック共重合体を除く)、および(C)ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂、を含有し、
    前記ポリエステル鎖の構造は、ジオール化合物とジカルボン酸化合物の縮合した構造又はラクトン環が開環重合した構造である顔料分散組成物。


    一般式(b−1)中、XはO、またはNR25(R25は炭素数1〜10のアルキル基)を表し、R21は、水素原子、または、炭素数1〜5のアルキル基を表し、R22、およびR23は、それぞれ独立に水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基を表す。Lは、炭素数1〜10のアルキレン基、またはアリーレン基を表す。


    一般式(a)中、X 21 〜X 36 は、いずれも独立に水素原子、塩素原子または臭素原子である。ただし、X 21 〜X 36 のうち8個以上は、臭素原子であり、かつ、4個は塩素原子である。

    式(I)〜(IV)中、Rは水素原子又はメチル基、R及びR’は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、Aは、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキレン基、−[CH(R)−CH(R)−O]−CH(R)−CH(R)−又は[(CH−O]−(CH−で示される2価の基、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R又は−[(CH−O]−Rを示す。Rは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−CHO、−CHCHO、又は−CHCOOR12で示される1価の基であり、R12は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
    及びR’は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R10)−O]−R11、−[(CH−O]−R11、又は−O−R’’で示される1価の基であり、R及びR’のいずれかは炭素原子を含む。R’’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R10)−O]−R11、−[(CH−O]−R11で示される1価の基である。
    は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R10)−O]−R11、−[(CH−O]−R11、又は−O−R’で示される1価の基である。R’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R10)−O]−R11、−[(CH−O]−R11で示される1価の基である。
    、R、R及びR10は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R11は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−CHO、−CHCHO、−CO−CH=CH、−CO−C(CH)=CH又は−CHCOOR12で示される1価の基であり、R12は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
    x及びaは1〜18の整数、y及びbは1〜5の整数、z及びcは1〜18の整数を示
    す。m及びnは1〜200の整数を示す。
  2. 前記(B)一般式(b−1)で表される構造単位を含む分散剤が、更に下記一般式(b−2)で表される構造単位を含む分散剤である請求項1に記載の顔料分散組成物。


    一般式(b−2)中、R21は一般式(b−1)におけるR21と同義であり、R24は、炭素数1〜10のアルキル基、−(C2nO)−R26、−(C2nCO-R26、または−R29-(OC2nCO)-OR26を表す。nは1〜10の整数であり、mおよびlは3〜20の整数である。R26は、炭素数1〜10のアルキル基であり、R29は、炭素数2〜6のアルキレン基である。
  3. 前記(B)一般式(b−1)で表される構造単位を含む分散剤が、一般式(b−1)で表される構造単位を5〜90質量%含む分散剤である請求項1または請求項2に記載の顔料分散組成物。
  4. 前記(C)ポリエステル鎖を分子内に有する樹脂が、下記一般式(c)で表されるポリエステル鎖を分子内に有する樹脂である請求項1請求項3のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。


    一般式(c)中、R27は、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R28は水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。rは3〜80の整数を表す。
  5. 前記(A)亜鉛フタロシアニン系顔料100質量部に対する(B)一般式(b−1)で表される構造単位を含む分散剤の含有量が、10〜100質量部の範囲である請求項1請求項4のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
  6. フッ素含有化合物をさらに含有する請求項1請求項のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
  7. 前記ポリエステル鎖の構造は、繰り返し単位を3〜100有する請求項1請求項のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
  8. 請求項1請求項のいずれか1項に記載の顔料分散組成物、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含有する着色感光性組成物。
  9. 更に、アルカリ可溶性樹脂を含有する請求項に記載の着色感光性組成物。
  10. カラーフィルタ用である請求項又は請求項に記載の着色感光性組成物。
  11. 基材上に、請求項10に記載の着色感光性組成物を用いてなる着色パターンを有するカラーフィルタ。
  12. 請求項10に記載の着色感光性組成物を直接若しくは他の層を介して基板上に付与して感光性膜を形成する感光性膜形成工程と、形成された感光性膜にパターン露光及び現像を順次行なうことにより着色パターンを形成する着色パターン形成工程とを有するカラーフィルタの製造方法。
  13. 請求項11に記載のカラーフィルタを具備してなる液晶表示装置。
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