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JP5689738B2 - 水中構造物接触防護材および水中構造物設置方法 - Google Patents
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Description

本発明は、水中構造物接触防護材およびこの水中構造物接触防護材を用いた水中構造物設置方法に関する。
重力式岸壁や護岸を構築するときには、陸上で製作されたケーソンを船等で目的の敷設場所まで曳航し、中空部に注水してクレーン等を用いて沈設する。1台のケーソンが設置されると、隣接して次のケーソンが設置されるが、この設置施工の際に、設置後のケーソンに次のケーソンが当たると、ケーソンが互いに損傷してしまうおそれがある。このようなケーソンの損傷を防止するために、従来、タイヤなどの緩衝用のゴム材や幅止め材となる木片をケーソン上部の水面から上の気中部に吊り下げて、ケーソンの防護材としていた。
特許文献1は、中空部を有する弾性袋体と、袋体の内部に充填した水を外部に放出可能にするオリフィスとを備え、ケーソン等の水中構造物に取り付けられる水中構造物配置用緩衝材を開示する。特許文献2は、弾性体の内部にワイヤーを埋設した弾性体を配置し、ワイヤーを引き出すことで弾性体内に空間を形成するようにした緩衝体を開示し、この緩衝体は設置されるケーソン間に圧縮介在される。特許文献3は、ケーソンとケーソンとの間に空気袋を配置することを開示する。
特開平03−33323号公報 特開平09−217331号公報 特開平09−195281号公報
上述のような、タイヤなどのゴム材や幅止め材となる木片の防護材は、主に気中部に配置され、水中部の流れの鉛直分布や波によるローリングの影響でケーソンと既設のケーソンとの水中における接触に対して効果が期待できなかった。特許文献1〜3はいずれも特別な緩衝体・緩衝材が必要である。また、防護材はケーソンの設置後には撤去されるので、撤去の容易な防護材が求められる。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、簡単な構造でありながら水中構造物を設置する際に既設の水中構造物との間で水中および気中での接触を確実に防止可能でかつ撤去の容易な水中構造物接触防護材および水中構造物設置方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための水中構造物接触防護材は、水中構造物の高さに比べ短い長さを有するとともに砂を主体とした充填物が充填された複数個の砂袋を綱状部材により前記水中構造物の高さ程度の長さに連結した連結体を備えることを特徴とする。
この水中構造物接触防護材によれば、砂を主体とした充填物を詰めた複数個の砂袋をロープやワイヤなどの綱状部材により連結した連結体は、砂を詰めることのできるホースなどの中空材料(一端が閉塞されている袋状体であってもよい)等、ロープ・ワイヤ等、砂といった調達が容易な材料から簡単に製作でき、簡単な構造にでき、ケーソンなどの水中構造物の高さ程度の長さを有し、水中構造物の天端から下端まで吊り下げることができるので、水中構造物を設置する際に水中および気中において既設の水中構造物との間で接触を確実に防止することができる。また、連結体を少なくとも二列配置することで、構造物の一面全体を保護することができる。また、水中構造物接触防護材の使用後には、砂袋を切り裂き、充填物を簡単に排出できるので、水中構造物接触防護材の撤去が容易である。
上記水中構造物接触防護材において前記連結体を少なくとも二列並べ、前記各連結体に対し剛性のある棒状体を横方向に配置し前記各連結体に接続することで、水中部において水流の影響を受け難くなり、各連結体が鉛直性を保つことができる。なお、棒状体は、縦方向に所定間隔で複数本配置することが好ましい。
この場合、前記連結体とほぼ平行に補助綱状部材を前記連結体間に配置し、前記補助綱状部材と前記棒状体とを接続することが好ましい。
なお、複数個の砂袋は、例えば、ロープやワイヤなどの長めの綱状部材をホースなどの短めの複数の中空材料に貫通させてから、各中空材料内に砂を詰め、各中空材料の両端をホースクリップ等の締め付け手段により締め付けて閉塞することで簡単に作製することができる。この場合、各砂袋の下端側には砂袋のズレ落ち防止手段を設けることが好ましい。
上記目的を達成するための水中構造物設置方法は、水中構造物を設置する設置方法であって、既設の水中構造物に接近して配置される水中構造物を設置する際に、前記既設の水中構造物の面に上述の水中構造物接触防護材をその天端から下端まで取り付けてから前記水中構造物を設置することを特徴とする。
この水中構造物設置方法によれば、水中構造物接触防護材がケーソンなどの水中構造物の高さ程度の長さを有し、既設の水中構造物の天端から下端まで吊り下げることができるので、別の水中構造物を設置する際に水中および気中において既設の水中構造物との間で接触を確実に防止することができる。また、連結体を少なくとも二列配置することで、水中構造物の一面全体を保護することができる。また、水中構造物接触防護材の使用後には、砂袋を切り裂き、内部の砂を主体とした充填物を簡単に排出できるので、水中構造物接触防護材の撤去が容易である。
本発明の水中構造物接触防護材および水中構造物設置方法によれば、簡単な構造でありながら水中構造物を設置する際に既設の水中構造物との間で水中および気中での接触を確実に防止し、水中構造物の損傷を防止できる。また、水中構造物接触防護材の使用後の撤去も容易である。
本実施の形態による水中構造物接触防護材の要部を示す正面図である。 図2は図1の水中構造物接触防護材の製作途中の砂袋を正面から見た断面図(a)及び完成後の砂袋を正面から見た断面図(b)である。 図1の連結体10,10から構成された水中構造物接触防護材1を既設のケーソンの側面に配置して吊り下げた例を示す斜視図である。 本実施形態の水中構造物設置工程を説明するためのフローチャートである。 図4の設置工程においてケーソンを設置する様子を概略的に示す正面図である。 図4の水中構造物接触防護材1の撤去工程を説明するための斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は本実施の形態による水中構造物接触防護材の要部を示す正面図である。図2は図1の水中構造物接触防護材の製作途中の砂袋を正面から見た断面図(a)及び完成後の砂袋を正面から見た断面図(b)である。
図1のように、水中構造物接触防護材1は、砂が充填された複数個の砂袋11をワイヤ12で一列に連結した連結体10,10を左右に備える。各砂袋11の長さは、水中構造物接触防護材1が配置される水中構造物の高さに比べ、十分に短くなっている。また、各連結体10,10の全体長さは、水中構造物接触防護材1が配置される水中構造物の高さにほぼ等しくなっているので、水中構造物の天端から下端まで吊り下げ可能である。
砂袋11は、図2(a)のように、合成樹脂製などの可撓性のある中空材料であるホース11aを所定長さに切断し、可撓性のあるワイヤ12をホース11a内に貫通させ、ホース11aの一端を公知のホースクリップ11b等の締め付け手段により締め付けて閉塞し、ホース11a内に砂9を詰め充填してから、図2(b)のように、他端を同様にホースクリップ11bで締め付けて閉塞することで作製することができる。
ワイヤ12は水中構造物接触防護材1が配置される水中構造物の高さに対応した長さを有し、これにより、作製された連結体10は、その全体長さが水中構造物接触防護材1の配置される水中構造物の高さにほぼ等しくなる。各砂袋11の長さは水中構造物の高さよりもかなり短いので連結体10には多数個の砂袋11が連結される。
また、図2(a)、(b)のように、砂袋11のズレ落ち防止手段として各砂袋11の下端側のワイヤ12にワイヤクリップ11cを取り付けて固定している。砂袋11に詰められた砂が水中重量でも例えば10kg程度作用するため、ホースクリップ11bがずれて砂袋11がずれて落ちてしまうおそれがあり、いくつもの砂袋11がワイヤ12の下側に寄ってしまうと、バランスよく緩衝効果を発揮できず、砂袋11の破れなどの不具合につながるおそれが生じるが、ワイヤ12にワイヤクリップ11cを取り付けて固定することで、砂袋11のずれによる落下を防止することができる。これにより、連結体10において各砂袋11を均等な間隔で保持することができる。
図1のように、二列の連結体10,10がつくる平面において各連結体10,10に直交するように鉄筋等からなる剛性のある棒状体13を横方向に配置し、各連結体10,10に結束バンド等により接続している。この場合、複数本の棒状体13,13を、縦方向に所定の間隔で配置することが好ましい。さらに、各連結体10,10とほぼ平行に複数本の補助ロープ14,14を連結体10,10の間に配置し、補助ロープ14,14と棒状体13とを結束バンド等により接続している。
また、図1のように、2列の連結体10,10の間隔wは、水中構造物接触防護材1が取り付けられる水中構造物の幅に対応して決められる。このため、棒状体13,13の長さも水中構造物の幅に対応する。
図3は図1の連結体10,10から構成された水中構造物接触防護材1を既設のケーソンの側面に配置して吊り下げた例を示す斜視図である。
図3に示すように、ケーソン30が重力式岸壁や護岸などの構築のために、既に水底Gに設置されているが、このケーソン30の側面30aに対し次のケーソンが設置されて並べられる。ケーソン30の側面30aの両端近傍において連結体10,10をそれぞれケーソン30の上端から下端まで鉛直方向に吊り下げ、連結体10,10の上端を固定する。ケーソン30が、図3のように、上側に傾斜面22を有する場合には、鉄骨等からなる吊下げ用部材21を天端から突き出るようにアンカーなどにより天端に取り付け、吊下げ用部材21の先端から連結体10を吊り下げる。このようにして、水中構造物接触防護材1を既設のケーソン30の側面30aに設置する。
この場合、連結体10,10の側面30aにおける両端近傍での位置は、各端部から若干内側が好ましく、例えば、端部から−10cm程度の位置である。
なお、図3の例では、図1の棒状体13と補助ロープ14の配置を省略している。水中構造物接触防護材1において棒状体と補助ロープは必要に応じて配置することが好ましい。
本実施形態の水中構造物接触防護材1によれば、砂を詰めた複数個の砂袋11をワイヤ12により連結した連結体10は、ホースなどからなる袋状体、ワイヤやロープ、砂といった調達が容易な材料から簡単に製作でき、簡単な構造となりまた、ケーソン30の高さ程度の長さを有し、ケーソン30の天端から下端まで吊り下げることができるので、別のケーソン造物を設置する際に水中および気中において既設のケーソン30との間で接触を確実に防止することができる。また、連結体10,10を少なくとも二列配置することで、ケーソン30の側面30aの全体を保護することができる。
また、図1のように、二列の連結体10,10に対し剛性のある棒状体13を横方向に配置し各連結体10,10に接続することで、連結体10,10を拘束し、ケーソン30が設置されている水中部の水流のある場でも連結体10,10の変位を小さくすることができる。このように、各連結体10,10が水流の影響を受け難くなり鉛直性を保つことができる。
また、連結体10,10とほぼ平行に複数本の補助ロープ14,14を連結体10,10間に配置し、補助ロープ14と棒状体13とを接続するが、かかる補助ロープ13は、棒状体13を補助的に支持し連結体10の鉛直性を保つ上でいっそう好ましい。したがって、棒状体13および補助ロープ14は、水深が大きい領域で流速が大きく各連結体10,10が安定しない場合に設置することで、その効果を発揮することができる。
次に、図1の連結体10,10から構成された水中構造物接触防護材1を用いてケーソンを既設のケーソンの側に設置する工程S01〜S04について図4,図5,図6を参照して説明する。
図4は、本実施形態の水中構造物設置工程を説明するためのフローチャートである。図5は、図4の設置工程においてケーソンを設置する様子を概略的に示す正面図である。図6は、図4の水中構造物接触防護材1の撤去工程を説明するための斜視図である。
図5のように、図3のようなケーソン30が既に水底Gに設置されている。この既設のケーソン30に図3のように連結体10,10を吊り下げて水中構造物接触防護材1をケーソン30の側面30aに設置する(S01)。この連結体10,10の設置にはクレーン等を用いることができる。
次に新設のケーソン31を船等で運搬し(S02)、起重機船SHのクレーンCRでケーソン31を吊り下げて水面Sから水底Gの所定位置へと設置する(S03)。
図5のように、新設のケーソン31は、その側面31aが既設のケーソン30の側面30aに対し接近して所定の間隔になるように設置されるが、このとき、クレーンCRで吊り下げられたケーソン31の角部31bが既設のケーソン30の側面30aに接近して接触や衝突のおそれのある状態となったとしても、側面30aには図3の連結体10,10から構成された水中構造物接触防護材1があるので、角部31bは側面30aに当たらずに連結体10,10の砂袋11に当たり、砂袋11がクッション材の役割を果たす。このように、ケーソン31を既設のケーソン30に並べて設置する際に両ケーソン30,31の接触・衝突を防ぐことができ、接触・衝突による両ケーソン30,31の損傷を防止することができる。
次に、水中構造物接触防護材1の各連結体10,10をケーソン30の側面30aから撤去する(S04)。この場合、図6のように、連結体10の砂袋11を潜水士DがカッターCU等で切り裂き内部の砂を排出してから、連結体10を吊り上げることで容易に撤去することができる。各連結体10,10はケーソン31の端部近傍に位置するので、潜水士の作業に支障がない。
以上のように、本実施形態の水中構造物設置方法によれば、水中構造物接触防護材1の複数個の砂袋11を連結した連結体10,10を既設のケーソン30の側面30aにおいて天端から下端まで吊り下げるので、別のケーソン31を設置する際に水中および気中において既設のケーソン30との間で接触を確実に防止できる。このため、ケーソン設置施工を確実に管理することができ、ケーソンを安定して設置することができる。
従来のタイヤなどのゴム材や幅止め材となる木片の防護材ではケーソンを設置する際に既設のケーソンとの水中での接触に対して効果が期待できなかったのに対し、本実施形態によれば、水中構造物接触防護材1を既設のケーソン30の天端から水中の下端まで吊り下げるので、別のケーソン31を設置する際に気中のみならず水中においても既設のケーソン30との間で接触を確実に防止できる。
緩衝材として一般的なゴム、木材、鋼材などを水中に放置するのは、水中または水底環境に好ましくないため別途手間をかけて回収する必要があるのに対し、砂を充填した砂袋11から連結体10を構成することで、ケーソンとその隣のケーソンとの隙間が狭く、吊り上げる方法で連結体10を撤去できない場合には、特に砂袋11内の材料を細粒分の少ない砂とすれば、砂袋を破って充填物が水中に落下しても、汚濁は発生せず、かつ、その後の水底環境に影響を及ぼさない。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、本実施形態では、既設のケーソンに並べてケーソンを設置する場合を例にして説明したが、本発明は、これに限定されず、他の既設の水中構造物に水中構造物を設置する場合にも適用可能である。
また、図1のような水中構造物接触防護材1は、陸上で作製してから、既設のケーソン等にクレーン等を用いて取り付けることができるが、これに限定されず、棒状体13などは水中で取り付けるようにしてもよい。例えば、陸上で作製した連結体10をケーソンの天端から吊り降ろし、その途中で棒状体13を潜水作業により連結体10や補助ロープ13に接続し、その後、さらに、連結体10を吊り降ろし、同様にして次の棒状体13を接続するようにしてもよい。
また、図1の各砂袋11の縦方向長さは、たとえば60cm程度、砂袋11とワイヤ12との単位長さd1は、例えば1m程度、棒状体13,13の縦方向の配置間隔dは、たとえば5m程度とすることができるが、これらに限定されず、ケーソンの高さや設置位置の水流の状態などに応じて適宜決定される。
砂袋11に詰める充填物は、砂を主体とするものであり、すべて砂であることが好ましいが、砂と土の混合物であってもよい。この場合、上述のように砂袋11の充填物を水中へ排出する場合には、水中汚濁がさほど発生せず、その後の水底環境に影響をほとんど及ぼさないものであることが好ましい。
また、砂袋11は、合成樹脂製などの可撓性のある中空材料であるホースを所定長さに切断し、ホース内に砂を詰めて充填し、ホースの上下端を公知のホースクリップ等により閉塞して個別に作製してから、複数個の砂袋11,11をワイヤやロープで連結し、連結体10の全体長さを、水中構造物接触防護材1の配置される水中構造物の高さにほぼ等しくなるようにしてもよい。また、下端が予め閉塞された合成樹脂繊維製などの袋状体に砂を詰めて充填し、袋状体の上端を閉塞して砂袋11を個別に作製してもよい。
本発明の水中構造物接触防護材および水中構造物設置方法によれば、簡単な構造でありながら水中構造物を設置する際に既設の水中構造物との間で水中および気中での接触を確実に防止し、水中構造物の損傷を防止できるので、ケーソンなどの水中構造物の設置施工を確実に管理することができ、水中構造物を安定して設置することができる。
1 水中構造物接触防護材 9 砂 10 連結体 11 砂袋 12 ワイヤ 13 棒状体 14 補助ロープ 30 既設のケーソン 30a 側面 31 ケーソン 31a 側面 31b 角部 w 間隔

Claims (4)

  1. 水中構造物の高さに比べ短い長さを有するとともに砂を主体とした充填物が充填された複数個の砂袋を綱状部材により前記水中構造物の高さ程度の長さに連結した連結体を備えることを特徴とする水中構造物接触防護材。
  2. 前記連結体を少なくとも二列並べ、前記各連結体に対し剛性のある棒状体を横方向に配置し前記各連結体に接続したことを特徴とする請求項1に記載の水中構造物接触防護材。
  3. 前記連結体とほぼ平行に補助綱状部材を前記連結体間に配置し、前記補助綱状部材と前記棒状体とを接続したことを特徴とする請求項2に記載の水中構造物接触防護材。
  4. 水中構造物を設置する設置方法であって、
    既設の水中構造物に接近して配置される水中構造物を設置する際に、前記既設の水中構造物の面に請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水中構造物接触防護材をその天端から下端まで取り付けてから前記水中構造物を設置することを特徴とする水中構造物設置方法。
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