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JP5724266B2 - 熱硬化性樹脂の射出成形方法 - Google Patents
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JP5724266B2 - 熱硬化性樹脂の射出成形方法 - Google Patents

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本発明は熱硬化性樹脂の射出成形方法に関し、特に、射出成形時の金型温度制御方法に関する。
一般に、熱硬化性樹脂を用いて製品を製造する場合には、その材料となる熱硬化性樹脂をある程度加熱しながら、予め製品の形状に対応して製作された成形金型を加熱し、この成形金型内に熱硬化性樹脂を射出して硬化させることによって成形して成形品としての製品を製造する。
特許文献1には、熱硬化性樹脂の加熱時間と粘度との関係を示す特性図が開示され、熱硬化性樹脂は加熱されると時間の経過とともにその粘度が小さくなり、最小な粘度のときが、射出するのに最適な条件となり、この最適射出条件のときを過ぎると、次第に硬化してその粘度が高くなることを開示している。
特許文献2には、半導体装置の製造方法として、半導体チップを搭載したリードフレームをトランスファ成形用金型内に装着し、熱硬化性樹脂で加圧成形する技術が開示されている。そこでは、樹脂の粘度が低すぎると充填中に空気を巻き込み不良が発生することが指摘されている。そこで、充填中には金型温度が低下するように強制冷却させて充填速度を低下させる工夫をし、充填後に金型温度を冷却前の温度に戻すというような温度制御を行うことにより、半導体装置を樹脂封止する技術が開示されている。
特開平11−192646号公報 (図2、段落番号57−61) 特開平03−129839号公報 (第1図、実施例の記載)
特許文献1にも開示されているように、熱硬化性樹脂の粘度は、時間経過によって変化する。しかし、特許文献1では、金型自体の温度は一定であることを前提としており、樹脂の充填後の硬化速度を短縮して生産性をさらに向上させる点で改善の余地がある。また特許文献2に開示のように、金型を冷却後に元に戻すような制御でも、硬化時間が長くなり生産性が悪いという問題もあった。
なお、熱硬化性樹脂は、その温度によって樹脂粘度の時間変化が異なるという特性がある。例えば、熱硬化性樹脂は高温になる程、時間に対する粘度変化率が大きくなり硬化時間が短くなるという特性がある。しかし熱硬化性樹脂を高温にすると低粘度を維持する時間が短くなる為、低粘度中に完了しなければならない射出動作を高速に行う必要がある。
しかしながら射出動作を高速化するとボンディングワイヤが変形したり切断されるなどのワイヤ流れが生じる問題や、樹脂内部に気泡が混入するという問題が発生するため、射出動作を高速化できなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、生産性が向上する熱硬化性樹脂の射出成形方法を提供することにある。
射出制御時は熱硬化性樹脂が低粘度状態を維持する温度に金型を温度制御し、射出完了時間経過後は樹脂の硬化が促進する温度に金型を温度制御する熱硬化性樹脂の射出成形方法において、射出完了時間は金型の温度と樹脂の粘度と時間との関係から求め、樹脂が硬化し始める時間とすることを特徴とする。
樹脂封止の成形状態をより改善するとともに、成形品1個あたりの生産時間を短縮できる。
本発明の第1の実施の形態に係わる射出成形装置における金型の構成を示す模式的断面図を示す。 本発明の第1の実施の形態に係わる射出成形方法を説明するフローチャートを示す。 本発明の第1の実施の形態に係わる金型温度と熱硬化性樹脂の粘度と時間との関係を説明するための特性図を示す。 本発明の第1の実施の形態に係わる熱硬化性樹脂のプロセス及び時間と粘度の関係を説明するための特性図を示す。
次に、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態に係わる射出成形方法に基づく成形装置は、金型の上型2、金型の下型7、プランジャ8、温度制御手段9、射出制御手段10、シャフト11、下型位置制御手段12を備えて構成されている。上型2および下型7にはパッケージ形状のキャビティ5を有する上キャビティ構成部1および下キャビティ構成部4をそれぞれ備えている。下型7のパッケージ形状のキャビティ5内には、ボンディングワイヤによって結線された集積回路(IC)チップ搭載基板3が配置されている。
これらの手段はそれぞれつぎのように動作する。
ヒータ等の温度制御手段9は、射出完了時間14を経過後、上型2と下型7を加熱し射出完了時の金型温度をさらに上昇させる。
本発明の第1の実施の形態に係わる熱硬化性樹脂の粘度と時間経過との関係が金型温度により異なることを図3に示す特性図を参照して説明する。図3では、金型温度がそれぞれ170℃、175℃、180℃、185℃の場合の熱可塑性樹脂の粘度が時間経過に伴いどのように変化するかを示している。金型温度が170℃で一定の場合は、170℃の点線に示すように低粘度期間が安定して長く、硬化速度も遅い。一方、金型温度が185℃と高い場合は、低粘度期間が短いが、硬化速度は速い。このように熱可塑性樹脂の粘度は、金型温度の制御によって制御できることが分かる。
本発明においては、熱硬化性樹脂の射出完了時間14は、図3に示すような金型温度と樹脂粘度と経過時間との関係において最低粘度になった後、樹脂粘度が上昇し始める時間とする。好ましくは、樹脂の最低粘度に対して樹脂粘度が10%上昇した時点を射出完了時間14とする。よって、射出完了時間14、すなわち、本発明の樹脂硬化開始時点は、金型温度と熱硬化性樹脂の粘度と経過時間との関係に基づき決定する。
射出制御手段10は、射出開始時間13を経過後、プランジャ8の位置を上昇させて熱硬化性樹脂を射出する手段である。
なお、射出開始時間13は、図3に示すような金型温度と樹脂粘度と時間との関係において熱硬化性樹脂が最低粘度になる時間とする。よって、射出開始時間13は、金型温度と熱硬化性樹脂の粘度と時間との関係に基づき決定する。
下型位置制御手段12は、熱硬化性樹脂をポッド6内に入れた後、下型7の位置を上昇させ上型2と位置合わせし型締めする手段である。それとともに、パッケージ形状のキャビティ5内の熱硬化性樹脂を硬化完了後、下型7の位置を下降させ型開きする手段でもある。
次に、図2のフローチャートを参照して本発明の第1の実施の形態の動作について詳細に説明する。
まず温度制御手段9によって上型2、下型7の金型温度を制御することにより、例えば上型2、下型7の温度を175℃〜180℃に保つ(S1)。
次に下型7のポッド6に熱硬化性樹脂を入れる(S2)。
次に下型位置制御手段12によって下型7の位置を上昇させることで型締めすると同時に、例えば図4に示すように10秒(射出開始時間13)経過後まで予熱により熱硬化性樹脂を溶融し低粘度化させる(S3)。図4の点線で示す曲線で表されるように、低粘度の期間を安定に持続させることができる。
次に射出開始時間13経過後、射出制御手段10によってプランジャ8の位置を上昇させ熱硬化性樹脂を射出する(S4)。低粘度化された熱硬化性樹脂を射出すると、熱硬化性樹脂は溶融している為、ポッド6から樹脂が流動しパッケージ形状のキャビティ5内に樹脂が充填する。図4の点線は図3の175度の粘度曲線に相当するものである。熱硬化性樹脂が安定して低粘度になる状態において、熱硬化性樹脂をパッケージ形状のキャビティ5内へ流動させるため、パッケージ形状のキャビティ5における樹脂の流動性を改善し、樹脂封止した成形品の未充填箇所の発生を抑制することができる。よって、樹脂封止の成形状態をより改善することができる。
次にパッケージ形状のキャビティ5内の熱硬化性樹脂が硬化し始める時間、例えば図4に示すように20秒(射出完了時間14)経過後、温度制御手段9によって上型2と下型7の温度を例えば185℃〜190℃まで急速加熱することによって、図4の実線で示す粘度曲線で示されるように、熱硬化性樹脂の硬化を促進し硬化時間を短縮する(S5)。
すなわち、本実施の形態では、175℃粘度曲線の低粘度領域において射出を完了させ、射出完了後185℃に金型を温度制御し、樹脂の硬化を促進させ硬化時間を短縮している。換言すれば、図4に示す粘度曲線は、射出完了時間14まで図3に示す175℃粘度曲線となり、射出完了時間14の後、図3に示す185℃粘度曲線となる。このように、図4と図3とには相対関係がある。
次に下型位置制御手段12によって下型7の位置を下降させることで型開きする(S6)。
最後に、成形品を金型のキャビティから取出す(S7)。
このように、本発明によれば、熱硬化性樹脂の粘度特性に応じて金型を温度制御し熱硬化性樹脂の硬化を促進させるため、成形品1個あたりの生産時間を短縮でき、生産性を向上できる。
本発明の第1の実施の形態では、金型温度と熱硬化性樹脂の粘度と時間との関係に基づき、温度制御手段9によって上型2、下型7の両方の金型温度を制御するように構成されているため、熱硬化性樹脂の粘度曲線において最低粘度になる時点において射出を開始し、樹脂の流動性を改善することができるとともに、熱硬化性樹脂の成形時間を短縮する方向に制御可能となる。よって、生産性が向上するだけでなく、樹脂封止の成形状態をより改善することができる。
本発明の第1の実施の形態としては、熱硬化性樹脂の特性として、金型温度が高温になる程、時間に対する熱硬化性樹脂の粘度変化率が大きくなり、熱硬化性樹脂の硬化時間が短くなる特性を有する場合、射出完了時間14を経過後、上型2と下型7を温度制御手段9によって加熱することにより熱硬化性樹脂の硬化を促進させることが出来る場合について述べた。
第1の実施の形態とは逆の温度特性を有する熱硬化性樹脂を採用することも可能である。すなわち、本発明の第2の実施の形態としては、熱硬化性樹脂の特性として、金型温度が低温になる程、時間に対する熱硬化性樹脂の粘度変化率が大きくなり、熱硬化性樹脂の硬化時間が短くなる特性を有する場合、射出完了時間14を経過後、上型2と下型7を温度制御手段9によって冷却させることにより熱硬化性樹脂の硬化を促進させることが出来る。
上記実施の形態における熱硬化性樹脂の具体例としては、京セラケミカル株式会社製の型式:KE−G1250LKDSや、住友ベークライト株式会社製の型式:G600F Type Bがある。
本発明によれば、熱硬化性樹脂を塗布する塗布装置や、塗布装置を高速に塗布するための制御手段といった用途にも適用できる。
1 上キャビティ構成部
2 上型
3 ICチップ搭載基板
4 下キャビティ構成部
5 パッケージ形状のキャビティ
6 ポッド
7 下型
8 プランジャ
9 温度制御手段
10 射出制御手段
11 シャフト
12 下型位置制御手段
13 射出開始時間
14 射出完了時間

Claims (3)

  1. 金型の温度と、熱硬化性樹脂の粘度と、前記熱硬化性樹脂の加熱時間との関係から得られる粘度曲線を用いて前記熱硬化性樹脂が最低粘度になるタイミングを求め、求めたタイミングになってから射出を開始し、射出制御時は前記熱硬化性樹脂が低粘度状態を維持する温度に金型を温度制御し、射出完了時間経過後は前記熱硬化性樹脂の硬化が促進する温度に金型を温度制御する前記熱硬化性樹脂の射出成形方法において、前記射出完了時間は前記粘度曲線に基づいて決定され、前記熱硬化性樹脂が硬化し始める時間とすることを特徴とする熱硬化性樹脂の射出成形方法。
  2. 前記熱硬化性樹脂の特性として、前記金型の温度が高温になる程、時間に対する前記熱硬化性樹脂の粘度変化率が大きくなり、前記熱硬化性樹脂の硬化時間が短くなる特性を有し、前記射出完了時間を経過後、前記金型を温度制御手段によって加熱することにより前記熱硬化性樹脂の硬化を促進させることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂の射出成形方法。
  3. 前記金型内には、ボンディングワイヤによって結線されたICチップ搭載基板が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂の射出成形方法。
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