JP5734084B2 - 現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジ、及び電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Description
その結果、良好な画像形成が可能な電子写真プロセスカートリッジ、及び電子写真画像形成装置を得ることが可能になる。
本発明に係る樹脂粒子に含まれるウレタン樹脂において、構造式(2)または(3)で示される構造は、構造式(1)で示される構造に比べて低温域での結晶性が著しく低い。このように低温域での結晶性が低い構造がポリマー鎖内に存在することにより、当該ウレタン樹脂は、低温域での弾性率が増加しにくくなっている。
一方、構造式(2)または(3)で示される構造がメチル基を側鎖に有するため、当該ウレタン樹脂の高温域での分子運動性が抑制され、高温域での弾性率の低下が起こりにくい。すなわち、本発明に係る樹脂粒子は、上記したウレタン樹脂の特性により、低温域で弾性率が増加しにくく、また、高温域で弾性率が低下しにくくなっている。つまり、弾性率の温度依存性が小さくなっている。その結果、かかる樹脂粒子によって粗面化されている表面を有する現像ローラは、環境温度が変化しても、現像剤規制ブレードで押圧されたときの現像剤規制ブレードと現像ローラの表面とのクリアランスが変化しにくい。そのため、本発明に係る現像ローラは、環境温度の変化しても、その表面に担持される現像剤のコート量が変化し難く、環境温度が変化に対する画像濃度の変動を抑制依存性が安定した画像形成を可能としている。
なお、バインダー樹脂としてウレタン樹脂を用いる場合において、樹脂粒子中のウレタン樹脂は、該バインダー樹脂としてのウレタン樹脂と比較して、温度を低下させたときの弾性率の増加量を小さくすることが好ましい。本発明者らは、その理由を以下のように推察している。
一般的に、低温環境においては、現像ローラの表面層が含むバインダー樹脂と樹脂粒子の弾性率がともに増加して現像剤にかかる圧力が高くなる傾向にある。そのため、繰り返し画像形成を行った際に現像ローラ表面に現像剤が固着するフィルミングが生じ易くなる。フィルミングが生じた部分では、現像剤同士の凝着力により現像剤のコート量が増加し、濃度上昇を引き起こす。そして、この傾向は、現像剤が高い応力を受ける現像ローラ表面の凸部近傍で生じ易い。像ローラ表面の凸部の弾性率は、粗し粒子としての樹脂粒子の弾性率に支配される。そこで、温度が低下したときの樹脂粒子の弾性率の増加量を、バインダー樹脂の弾性率の増加量よりも小さくすることで、温度が低下した際の時における、凸部で現像剤にかかる応力を抑制し、濃度上昇の原因となるフィルミングを抑制することができる。
本発明に係わる現像ローラの一例を、図1の模式図に示す。
図中の(a)は現像ローラの長手方向に平行な断面を表したものであり、(b)は長手方向に垂直な断面を表したものである。図1において、現像ローラ10は、円柱状の軸芯体11の周囲に弾性層12、その周囲に粗し粒子としてのポリウレタン粒子を含有する表面層13が形成されている。表面層13は2層以上形成してあっても良い。
軸芯体11の材料は、導電性であればとくに限定されず、炭素鋼、合金鋼及び鋳鉄、導電性樹脂の中から、適宜選択して用いることが出来る。合金鋼としては、ステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブテン鋼、クロム鋼、クロムモリブテン鋼、Al、Cr、Mo及びVを添加した窒化用鋼が挙げられる。
弾性層12は、使用される装置において要求される弾性を現像ローラに付与するために設けられる。具体的な構成としては、中実体、発泡体のいずれであってもよい。また、弾性層は、単層であっても、複数の層からなっていてもよい。例えば、現像ローラにおいては、感光ドラム、及びトナーと常に圧接しているので、これらの部材間において相互に与えるダメージを低減するため、低硬度、低圧縮歪みの特性を持つ弾性層が設けられる。
表面層13として用いられる材料としては、以下のものが挙げられる。ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、珪素樹脂、ポリエステル樹脂、スチロール系樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、繊維素系樹脂、シリコーン樹脂、水系樹脂。また、これらを2種類以上組み合わせて使用することも可能である。現像ローラにおいては、特に含窒素化合物であるウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂を用いることがトナーの帯電を制御する上で好ましく、中でもイソシアネート化合物とポリオールを反応させて得られるウレタン樹脂からなることがより好ましい。
・ポリオール成分とポリイソシアネート成分を混合、反応させるワンショット法、
・一部のポリオールとイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーと、低分子ジオール、低分子トリオールの如き鎖延長剤とを反応させる方法
・構造式(1)の構造、および構造式(2)及び(3)から選ばれる少なくとも一つの構造からなる数平均分子量2000以上3000以下のポリエーテルジオールと芳香族ジイソシアネートを反応させた数平均分子量10000以上15000以下の水酸基末端プレポリマー
・構造式(1)の構造、および構造式(2)及び(3)から選ばれる少なくとも一つの構造からなる数平均分子量2000以上3000以下のポリエーテルジオールと芳香族イソシアネートを反応させたイソシアネート基末端プレポリマー
この中でもトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネートがより好適に用いられる。
ポリオール成分と反応させるイソシアネート化合物の混合比は、ポリオールの水酸基1.0に対してイソシアネート基の比率が1.2から4.0の範囲であることが好ましい。
次に、本発明の現像ローラを搭載する電子写真画像形成装置の一例を、図2で説明する。
次に、本発明の現像ローラを搭載する電子写真プロセスカートリッジの一例を、図3で説明する。図3に示す電子写真プロセスカートリッジ200は、現像装置105と、感光体101、クリーニング装置108を有し、これらが一体化されて電子写真画像形成装置本体に脱着可能に設けられる。
下記の実施例は、本発明の最良な実施形態の一例であるものの、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
本実施例中における数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定に用いた装置、並びに条件は以下の通りである。
測定機器:HLC−8120GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperHZMM(東ソー社製)×2本
溶媒:THF(20mmol/L トリエチルアミン添加)
温度:40℃
THFの流速:0.6ml/min
なお測定サンプルは0.1質量%のTHF溶液とした。更に検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いて測定を行った。
検量線作成用の標準試料として、TSK標準ポリスチレンA−1000、A−2500、A−5000、F−1、F−2、F−4、F−10、F−20、F−40、F−80、F−128(東ソー社製)を用いて検量線の作成を行い、これを基に得られた測定サンプルの保持時間から重量平均分子量を求めた。
(ポリエーテルジオール A−1〜A−5の合成)
反応容器中で、乾燥テトラヒドロフラン 72.1g(1モル)、乾燥3−メチルテトラヒドロフラン 258.3g(3モル)(モル混合比25/75)の混合物を、温度10℃に保持した。70%過塩素酸10.1g、及び無水酢酸 120.1gを加え、10時間反応を行った。次に反応混合物を20%水酸化ナトリウム水溶液500g中に注ぎ、精製を行った。さらに減圧下残留する水及び溶媒成分を除去し、液状のポリエーテルジオールA−1 224gを得た。数平均分子量は1350であった。
乾燥テトラヒドロフランと乾燥3−メチルテトラヒドロフランのモル混合比、および反応時間を表1のように変更した以外は同様の条件にして、ポリエーテルジオール A−2〜A−5を得た。
2L攪拌機付きセパラブルフラスコに水1000gを仕込み、この中にヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:メトローズ90SH−100、信越化学工業株式会社製)40gを溶解して分散媒を調製した。この分散媒を600rpmで攪拌しながら、ポリオールA−1を250g、イソシアネート化合物B−1としてHDIイソシアヌレート(商品名:TPAB80E、旭化成株式会社製)180gの混合物を加え、懸濁液を調製した。次に、この懸濁液を攪拌しながら60℃に昇温して6時間反応させた後、室温まで冷却して懸濁液を得た。この懸濁液を固液分離して水で充分洗浄した後、70℃で24時間乾燥して、体積平均粒子径10μmのポリウレタン粒子C−1を得た。体積平均粒子径は、コールターマルチサイザーII(商品名、コールター社製)により測定された50%D径とした。
<現像ローラの作製>
以下の手順により、円柱状の導電性軸芯体の周囲に、被覆層として、弾性層と表面層としての樹脂層を1層ずつ設けた現像ローラを作製した。
導電性軸芯体として、直径6mm、長さ279mmのSUS304製の芯金を用いた。
弾性層の材料として、以下の方法で液状シリコーンゴムを準備した。まず、次の材料を混合し液状シリコーンゴムのベース材料とした。
内径12mmの円筒型金型内の中心部に導電性軸芯体を配置し、円筒型金型内に注入口からこの液状シリコーンゴムを注入し、温度120℃で5分間加熱硬化させ、室温まで冷却後、導電性軸芯体と一体となった弾性層を脱型した。さらに温度150℃で4時間加熱して硬化反応を完了させ、厚さ3mmのシリコーンゴムを主成分とする弾性層を導電性軸芯体の外周面上に設けた。
その後、以下の条件で、弾性層表面のエキシマ処理を行った。
弾性層表面を、導電性軸芯体を回転軸として30rpmで回転させながら、波長172nmの紫外線を照射可能な細管エキシマランプ(商品名、ハリソン東芝ライティング製)により、積算光量が200mJ/cm2となるように照射して処理を行った。照射時の弾性層表面とエキシマランプの距離は2mmとした。
得られた現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率は、ナノインデンテーション測定装置(商品名:Triboscope、Hysitron社製)を用いて測定した複合弾性率の値とした。
作製した現像ローラを用い、電子写真画像形成装置で画像評価を行った。電子写真画像形成装置には、Hewlett−Packard社製 Color LaserJet CP3520(商品名)を用いた。電子写真プロセスカートリッジには専用のブラック用のものを用い、この電子写真プロセスカートリッジの現像ローラを上記で作製したものに交換して、2個用意した。
上記電子写真プロセスカートリッジの一方を、電子写真画像形成装置本体のブラック用ポジションに搭載し、温度23℃、湿度50%RHの環境に24時間放置した。同環境において、印字率が2%の画像を3000枚連続で出力した後、ベタ黒画像を1枚出力した。これを合計5回繰返した。得られた各々のベタ黒画像の画像濃度を、反射濃度計(商品名:GreatagMacbeth RD918、マクベス社製)を用いて任意の9点測定して平均し、ベタ黒画像の画像濃度を求めた。ここで、5回分の画像濃度の平均値を、温度23℃における画像濃度とした。
次に、もう一方の電子写真プロセスカートリッジを、温度10℃、湿度10%RHの環境で、同様にしてベタ黒画像を出力し、温度10℃における画像濃度とした。
温度10℃における画像濃度の値から、温度23℃における画像濃度の値を引いて、画像濃度差を求めた。画像濃度差について下記基準により評価を行った。
A:画像濃度差は0.03未満である。
B:画像濃度差が0.03以上0.05未満である。
C:画像濃度差が0.05以上0.10未満である。
D:画像濃度差が0.10以上である。
次に、上記で作製した新しい現像ローラを、新しいブラック用の電子写真プロセスカートリッジに設置し、温度10℃、湿度10%RHの環境で、印字率が2%の画像を15000枚連続で出力した。これを合計3回繰返した後、電子写真プロセスカートリッジから現像ローラを取り出した。その後、デジタルマイクロスコープ(商品名:VH−2450、キーエンス株式会社製)を用いて現像ローラの表面を観察した。表面層の樹脂粒子脱落の有無、及び脱落箇所の数を評価し、表面層の樹脂粒子脱落について下記基準により評価を行った。
A:粒子脱落は確認されない。
B:粒子脱落が確認されるが、5ヶ所未満である。
C:粒子脱落が確認され、5ヶ所以上30ヶ所未満である。
D:粒子脱落が確認され、30ヶ所以上である。
以上の評価結果を、表5にまとめて示す。
ポリウレタン粒子C−1を、エステル系ポリウレタンから成るポリウレタン粒子(商品名:C600透明、直径10μm、根上工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。このポリウレタン粒子をC−11とする。ポリウレタン粒子C−11の弾性率は670MPaであった。
さらに、実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
ポリウレタン粒子C−1をC−2に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。さらに、実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
ポリウレタン粒子C−1をC−3に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。さらに、実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
ポリウレタン粒子C−1を表5に記載されているポリウレタン粒子に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。さらに、各実施例で作成した現像ローラを実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
樹脂層の材料として用いるポリテトラメチレングリコールを、変性ポリテトラメチレングリコール(商品名:PTG−L1000、数平均分子量Mn=1000、f=2、保土谷化学株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。この表面層の結着樹脂を表面層のバインダー樹脂D−2とする。表面層のバインダー樹脂D−2の弾性率は780MPaであった。
さらに、実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
樹脂層の材料として用いるポリテトラメチレングリコールを、変性ポリテトラメチレングリコール(商品名:PTG−L2000、数平均分子量Mn=2000、f=2、保土谷化学株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。この表面層の結着樹脂を表面層のバインダー樹脂D−3とする。表面層のバインダー樹脂D−3の弾性率は740MPaであった。
さらに、実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
ポリウレタン粒子C−1を表5に記載されているポリウレタン粒子に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。さらに、各実施例で作成した現像ローラを実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
11‥‥導電性軸芯体
12‥‥弾性層
13‥‥表面層
Claims (4)
- 前記表面層がさらにバインダー樹脂としてウレタン樹脂を含む請求項1に記載の現像ローラ。
- 感光体、および請求項1または2に記載の現像ローラを具備し、電子写真画像形成装置の本体に脱着可能に構成されていることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
- 感光体および請求項1または2に記載の現像ローラを具備していることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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