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JP5734084B2 - 現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジ、及び電子写真画像形成装置 - Google Patents
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現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジ、及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は電子写真画像形成装置に使用される現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置に関する。
電子写真画像形成装置において現像ローラは、電子写真感光体の静電潜像に対して現像剤を供給する役割を担っている。そのため、現像ローラの表面に担持させる現像剤の量を安定化させるために、現像ローラに粗し粒子を含む表面層を設けることによって表面を粗面化することが行われている(特許文献1、2)。
ところで、現像ローラの表面の現像剤のコート量の安定化のために、現像剤規制ブレードを現像ローラの表面に当接させることが一般的である。このとき、現像ローラに担持される現像剤のコート量は、現像剤規制ブレードを当接させた際に、樹脂粒子を含有する表面層と現像剤規制ブレードが形成する隙間の大小に左右される。樹脂粒子の弾性率が大きいと樹脂粒子は凹み難く、樹脂粒子を内包している表面層の凸部が現像剤規制ブレードを支える。その結果、表面層と現像剤規制ブレードの当接部で隙間が形成され、現像ローラに担持される現像剤のコート量が多くなる。一方、樹脂粒子の弾性率が小さいと樹脂粒子は凹み易く、表面層と現像剤規制ブレードの当接部で隙間が形成されにくくなり、現像ローラに担持される現像剤のコート量が少なくなる。従って、高温環境と比較して相対的に樹脂粒子の弾性率が増加する低温環境においては、現像ローラに担持される現像剤のコート量が高温環境下における場合と比較して多くなり、電子写真画像の濃度が相対的に増加してしまうことがある。
特開2005−258201号公報 特開2005−266500号公報
従って、本発明の目的は、低温環境において樹脂粒子の弾性率が増加するのを抑制することで、低温環境における現像剤のコート量の増加を抑制し、電子写真画像の環境温度依存性を軽減し得る現像ローラを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、電子写真画像の濃度の環境温度依存性の小さい電子写真画像形成装置および電子写真プロセスカートリッジを提供することにある。
本発明によれば、軸芯体、弾性層および表面層を有し、該表面層は、樹脂粒子を粗し粒子として含み、該樹脂粒子はウレタン樹脂を含有し、該ウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン基の間に、下記構造式(1)で示される構造と、下記構造式(2)で示される構造および下記構造式(3)で示される構造から選ばれる一方または両方の構造とを有するウレタン樹脂を含有する現像ローラが提供される:
Figure 0005734084
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また、本発明によれば、静電潜像が形成される感光体と、感光体上の静電潜像を現像する現像部材とを具備し、電子写真画像形成装置の本体に脱着可能に構成されており、かつ、該現像部材が上記本発明の現像ローラである電子写真プロセスカートリッジが提供される。
さらに、本発明によれば、静電潜像が形成される感光体と、感光体上の静電潜像を現像する現像部材とを具備し、該現像部材が上記本発明の現像ローラである電子写真画像形成装置が提供される。
本発明によれば、表面層が含有する粗し粒子としての樹脂粒子を、隣接する2つのウレタン基の間に、前記構造式(1)で示される構造と、前記構造式(2)で示される構造および前記構造式(3)で示される構造から選ばれる一方または両方の構造を有するポリウレタン粒子とすることで、低温環境における現像剤のコート量の増加を抑制し、温度によらず濃度が安定した画像形成が可能な現像ローラを提供することができる。
その結果、良好な画像形成が可能な電子写真プロセスカートリッジ、及び電子写真画像形成装置を得ることが可能になる。
本発明の現像ローラの一例を示し、(a)長手方向に平行、(b)長手方向に垂直な概略断面図である。 本発明に係わる電子写真画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明に係わる電子写真プロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
本発明者らは、上述のとおり、表面層が含有する粗し粒子としての樹脂粒子を、隣接する2つのウレタン基の間に、前記構造式(1)で示される構造と、前記構造式(2)で示される構造および前記構造式(3)で示される構造から選ばれる一方または両方の構造を有するポリウレタン粒子とすることで、低温環境における現像剤のコート量の増加を抑制し、温度によらず濃度が安定した画像形成が可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明者らは、その理由を以下のように推察している。
本発明に係る樹脂粒子に含まれるウレタン樹脂において、構造式(2)または(3)で示される構造は、構造式(1)で示される構造に比べて低温域での結晶性が著しく低い。このように低温域での結晶性が低い構造がポリマー鎖内に存在することにより、当該ウレタン樹脂は、低温域での弾性率が増加しにくくなっている。
一方、構造式(2)または(3)で示される構造がメチル基を側鎖に有するため、当該ウレタン樹脂の高温域での分子運動性が抑制され、高温域での弾性率の低下が起こりにくい。すなわち、本発明に係る樹脂粒子は、上記したウレタン樹脂の特性により、低温域で弾性率が増加しにくく、また、高温域で弾性率が低下しにくくなっている。つまり、弾性率の温度依存性が小さくなっている。その結果、かかる樹脂粒子によって粗面化されている表面を有する現像ローラは、環境温度が変化しても、現像剤規制ブレードで押圧されたときの現像剤規制ブレードと現像ローラの表面とのクリアランスが変化しにくい。そのため、本発明に係る現像ローラは、環境温度の変化しても、その表面に担持される現像剤のコート量が変化し難く、環境温度が変化に対する画像濃度の変動を抑制依存性が安定した画像形成を可能としている。
また、構造式(1)より疎水性である構造式(2)または(3)の存在により水との親和性が低下し、ポリウレタン粒子の吸水率を低くすることが可能である。さらに高温域においては、側鎖メチル基の存在により高温域での分子運動性が抑制される。その結果、高温高湿環境下での粘着性上昇が起こりにくいため、タック上昇に起因する現像剤のコート量の増加を抑制することができ、濃度が安定した画像形成が可能となる。
さらに、ウレタン樹脂は、構造式(1)および(2)または(3)で示す構造がランダムに共重合されたポリエーテル成分を含有する方が、低温域での結晶性低減、及び高温域での分子運動性抑制効果がより高いため好ましい。
さらに、ウレタン樹脂は、「構造式(1)の構造のモル比」:「構造式(2)または(3)から選ばれる少なくとも一つの構造とのモル比」は80:20以上50:50以下であることが好ましい。各構造式のモル比がこの範囲であると、低温域での結晶性の抑制と高温域での分子運動性の抑制の両面において優れた効果を得られる。さらに、ウレタン樹脂は、構造式(1)の構造と、構造式(2)および(3)から選ばれる少なくとも一つの構造を有するポリエーテルジオール、または該ポリエーテルジオールと芳香族ジイソシアネートを反応させた水酸基末端プレポリマーと、該ポリエーテルジオールと芳香族イソシアネートを反応させたイソシアネート基末端プレポリマーとを熱硬化することにより得られるものであることが好ましい。
さらに、本発明においては、表面層がバインダー樹脂としてウレタン樹脂を含むことが好ましい。これは、表面層のバインダー樹脂をポリウレタンとすることで、表面層の強度が高まり、耐磨耗性を向上させることができるものと考えている。また、表面層のバインダー樹脂とポリウレタン樹脂粒子との親和性を強くすることができ、その結果、樹脂粒子を覆っている表面層のバインダー樹脂が破れるのを抑制し、樹脂粒子が脱落するのを抑制できるものと考えている。
なお、バインダー樹脂としてウレタン樹脂を用いる場合において、樹脂粒子中のウレタン樹脂は、該バインダー樹脂としてのウレタン樹脂と比較して、温度を低下させたときの弾性率の増加量を小さくすることが好ましい。本発明者らは、その理由を以下のように推察している。
一般的に、低温環境においては、現像ローラの表面層が含むバインダー樹脂と樹脂粒子の弾性率がともに増加して現像剤にかかる圧力が高くなる傾向にある。そのため、繰り返し画像形成を行った際に現像ローラ表面に現像剤が固着するフィルミングが生じ易くなる。フィルミングが生じた部分では、現像剤同士の凝着力により現像剤のコート量が増加し、濃度上昇を引き起こす。そして、この傾向は、現像剤が高い応力を受ける現像ローラ表面の凸部近傍で生じ易い。像ローラ表面の凸部の弾性率は、粗し粒子としての樹脂粒子の弾性率に支配される。そこで、温度が低下したときの樹脂粒子の弾性率の増加量を、バインダー樹脂の弾性率の増加量よりも小さくすることで、温度が低下した際の時における、凸部で現像剤にかかる応力を抑制し、濃度上昇の原因となるフィルミングを抑制することができる。
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
<本発明に係わる現像ローラ>
本発明に係わる現像ローラの一例を、図1の模式図に示す。
図中の(a)は現像ローラの長手方向に平行な断面を表したものであり、(b)は長手方向に垂直な断面を表したものである。図1において、現像ローラ10は、円柱状の軸芯体11の周囲に弾性層12、その周囲に粗し粒子としてのポリウレタン粒子を含有する表面層13が形成されている。表面層13は2層以上形成してあっても良い。
以下、図1の現像ローラについて詳細に説明する。
(軸芯体)
軸芯体11の材料は、導電性であればとくに限定されず、炭素鋼、合金鋼及び鋳鉄、導電性樹脂の中から、適宜選択して用いることが出来る。合金鋼としては、ステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブテン鋼、クロム鋼、クロムモリブテン鋼、Al、Cr、Mo及びVを添加した窒化用鋼が挙げられる。
(弾性層)
弾性層12は、使用される装置において要求される弾性を現像ローラに付与するために設けられる。具体的な構成としては、中実体、発泡体のいずれであってもよい。また、弾性層は、単層であっても、複数の層からなっていてもよい。例えば、現像ローラにおいては、感光ドラム、及びトナーと常に圧接しているので、これらの部材間において相互に与えるダメージを低減するため、低硬度、低圧縮歪みの特性を持つ弾性層が設けられる。
弾性層の材質としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
弾性層12の厚さは、現像ローラ10に充分な弾性を与えるために0.5mm乃至10.0mmであることが好ましい。弾性層12の厚さを0.5mm以上にすることで、現像ローラ10に充分な弾性が得られ、感光ドラムの摩耗を抑制することができる。また、弾性層12の厚さを10.0mm以下にすることで、現像ローラ10のコストを抑えることができる。
弾性層12の硬度は、Asker−C硬度10度乃至80度であることが好ましい。弾性層12の硬度を10度以上にすることで、弾性層の変形に起因する画像弊害の発生を抑制することができる。また、弾性層12の硬度を80度以下にすることで、感光ドラムの摩耗を抑制することができる。
弾性層12には、低硬度及び低圧縮歪みの特性を阻害しない範囲内で、充填剤を添加しても良い。充填剤の材料としては、以下のものが挙げられる。石英微粉末、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、ケイソウ土、酸化亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤。これらの充填剤の表面は有機珪素化合物、例えば、ポリジオルガノシロキサンで処理して疎水化しても良い。
現像ローラ10は、半導体領域の電気抵抗を有する必要がある。そのため、弾性層12が導電剤を含有し、適宜体積抵抗率を調整したゴム材料から形成されていることが好ましい。
弾性層12の材料を導電化する手段としては、イオン導電機構、または電子導電機構による導電付与剤を上記材料に添加することにより導電化する手法が挙げられる。
イオン導電機構による導電付与剤としては、以下のものが挙げられる。LiCFSO、NaClO、LiClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCN、NaClの周期律表第1族金属の塩、NHCl、(NHSO、NHNOのアンモニウム塩、Ca(ClO、Ba(ClOの周期律表第2族金属の塩、これらの塩と1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールの多価アルコールやそれらの誘導体との錯体、これらの塩とエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルのモノオールとの錯体、第4級アンモニウム塩の陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩の陰イオン性界面活性剤、ベタインの両性界面活性剤。
また、電子導電機構による導電付与剤としては、以下のものが挙げられる。カーボンブラック、グラファイトの炭素系物質、アルミニウム、銀、金、錫−鉛合金、銅―ニッケル合金の金属或いは合金、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化銀の金属酸化物、各種フィラーに銅、ニッケル、銀の導電性金属めっきを施した物質。これらイオン導電機構、電子導電機構による導電付与剤は粉末状や繊維状の形態で、単独または2種類以上を混合して使用することが出来る。この中でも、カーボンブラックは導電性の制御が容易であり、また経済的であるといった観点から好適に用いられる。
(表面層)
表面層13として用いられる材料としては、以下のものが挙げられる。ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、珪素樹脂、ポリエステル樹脂、スチロール系樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、繊維素系樹脂、シリコーン樹脂、水系樹脂。また、これらを2種類以上組み合わせて使用することも可能である。現像ローラにおいては、特に含窒素化合物であるウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂を用いることがトナーの帯電を制御する上で好ましく、中でもイソシアネート化合物とポリオールを反応させて得られるウレタン樹脂からなることがより好ましい。
イソシアネート化合物としては、以下のものが挙げられる。ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、カルボジイミド変性MDI、キシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート。また、これらの混合物を用いることもでき、その混合割合はいかなる割合でもよい。
また、ここで用いるポリオールとしては、以下のものが挙げられる。2価のポリオール(ジオール)として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール。3価以上のポリオールとして、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール。さらに、ジオール、トリオールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを付加した高分子量のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド‐プロピレンオキサイドブロックグリコール。また、これらの混合物を用いることもでき、その混合割合はいかなる割合でもよい。
現像ローラ10の表面粗さの目安としては、JIS B 0601:1994表面粗さの規格における中心線平均粗さRaが、0.3乃至5.0μmであることが好ましい。Raを0.3μm以上にすることで、より安定した現像剤のコート量を得ることができるため、均一な画像濃度を有する高品質の電子写真画像を形成に寄与する。
表面層13は、ウレタン樹脂を含む樹脂粒子を粗し粒子として含む。そして、樹脂粒子に含まれるウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン基の間に、前記構造式(1)で示される構造と、前記構造式(2)で示される構造および前記構造式(3)で示される構造から選ばれる一方または両方の構造とを有する。
通常、ポリウレタンの合成は、以下の如き方法が用いられる。
・ポリオール成分とポリイソシアネート成分を混合、反応させるワンショット法、
・一部のポリオールとイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーと、低分子ジオール、低分子トリオールの如き鎖延長剤とを反応させる方法
しかし、構造式(1)の構造と、および構造式(2)及び(3)から選ばれる少なくとも一つの構造とを有するポリエーテルジオールは極性の低い材料である。そのため、極性の高いイソシアネートとの相溶性が低く、系内にポリオールの比率の高い部分とイソシアネートの比率が高い部分に微視的に相分離しやすい。ポリオールの比率の高い部分は未反応成分が残存しやすく、残留する未反応ポリオールの染み出しにより表面トナー固着の原因となる場合がある。
未反応ポリオールの残留を低減するため、高極性のイソシアネートを過剰に使用する必要があり、結果ポリウレタンの吸水率は高いものになる場合が多い。また前述のいずれの方法も、イソシアネート同士の反応が高い比率で起こる場合が多く、高極性であるウレア結合、アロファネート結合を生じる。
構造式(1)の構造と、構造式(2)および(3)から選ばれる少なくとも一つの構造とを有するポリエーテルジオールまたは該ポリエーテルジオールと芳香族ジイソシアネートを反応させた水酸基末端プレポリマーと、該ポリエーテルジオールと芳香族イソシアネートを反応させたイソシアネート基末端プレポリマーとを熱硬化させることにより、ポリオールとイソシアネートとの極性差を小さくすることができる。そのためポリオールとイソシアネートの相溶性を向上させ、従来より少ないイソシアネート比率で、より極性の低いポリウレタンが得られる。さらに未反応ポリオールの残留を非常に低く抑えることが可能であるため、未反応ポリオールの染み出しによる表面トナー固着を抑制することができる。
構造式(1)の構造、および構造式(2)または(3)の構造からなるポリエーテルジオールを芳香族ジイソシアネートを反応させた水酸基末端プレポリマーとして使用する場合、プレポリマーの数平均分子量としては10000以上15000以下が好ましい。
またイソシアネート基末端プレポリマーとして使用する際は、プレポリマーのイソシアネート含有量が3.0から4.0質量%の範囲にあることが好ましい。水酸基末端プレポリマーの分子量、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート含有量がこの範囲にあると、生成するポリウレタンの低吸水率化と未反応成分の残留抑制のバランスが良く、トナー固着、表面層剥がれにおいてより高いレベルで両立できる。
またさらに好ましくは、該ポリウレタンが、以下を熱硬化させたものである。
・構造式(1)の構造、および構造式(2)及び(3)から選ばれる少なくとも一つの構造からなる数平均分子量2000以上3000以下のポリエーテルジオールと芳香族ジイソシアネートを反応させた数平均分子量10000以上15000以下の水酸基末端プレポリマー
・構造式(1)の構造、および構造式(2)及び(3)から選ばれる少なくとも一つの構造からなる数平均分子量2000以上3000以下のポリエーテルジオールと芳香族イソシアネートを反応させたイソシアネート基末端プレポリマー
数平均分子量2000以上3000以下の該ポリエーテルジオールを、水酸基末端プレポリマーおよびイソシアネート基末端プレポリマーを用いると、生成するポリウレタンの低吸水率化と未反応成分の残留を抑制することができる。さらに表面層の強度と粘着性にも優れるため、耐久性も向上することができる。
2つのウレタン基の間には、構造式(1)の構造と、構造式(2)および(3)から選ばれる少なくとも一つの構造以外に、本発明の効果が損なわれない程度に必要に応じてポリプロピレングリコール、脂肪族ポリエステルを含有してもよい。脂肪族ポリエステルとしては、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1.5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコールの如きジオール成分、トリメチロールプロパンの如きトリオール成分と、アジピン酸、グルタル酸、セバシン酸等のジカルボン酸との縮合反応により得られる脂肪族ポリエステルポリオールが挙げられる
これらのポリオール成分は必要に応じてあらかじめ2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、1,4ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)の如きイソシアネートにより鎖延長したプレポリマーとしてもよい。
構造式(1)の構造と、構造式(2)および(3)から選ばれる少なくとも一つの構造以外の成分は、本発明の効果発現の観点から、ポリウレタン中、20質量%以下とすることが好ましい。
これらのポリオール成分と反応させるイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではないが、エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の如き脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネートの如き脂環式ポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネート及びこれらの共重合物やイソシアヌレート体、TMPアダクト体、ビウレット体、そのブロック体を用いることができる。
この中でもトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネートがより好適に用いられる。
芳香族イソシアネートとウレタン基同士の間に、構造式(1)と、構造式(2)および(3)から選ばれる少なくとも一つの構造を有するポリエーテル成分とを反応させて得られるポリウレタンは、柔軟かつ強度に優れ、高温高湿下で粘着性が低いため好ましい。
ポリオール成分と反応させるイソシアネート化合物の混合比は、ポリオールの水酸基1.0に対してイソシアネート基の比率が1.2から4.0の範囲であることが好ましい。
本発明で用いるポリウレタン粒子は、懸濁重合や乳化重合といった公知の方法により、上記材料を反応させて作製することが可能である。例えば、特開2008−280373号公報に記載の懸濁重合方法により、所望のポリウレタン粒子を得ることができる。
ポリウレタン粒子の粒径は、体積平均粒子径が1.0μm乃至30.0μmであることが好ましい。体積平均粒子径を1.0μm以上にすることで、現像ローラ10を所望の表面粗さに制御することが容易となり、充分な画像濃度を得ることができる。また、体積平均粒子径を30.0μm以下にすることで、現像ローラ10を所望の表面粗さに制御することが容易となり、かぶりやガサツキといった画像品質の低下を抑制することができる。
ポリウレタン粒子の粒径は、例えば懸濁重合法によって樹脂粒子を作製し、重合条件を適宜変更することにより調整することができる。
ポリウレタン粒子の弾性率は、500MPa乃至1500MPaが好ましい。ポリウレタン粒子の弾性率を500MPa以上とすることで、現像剤規制ブレードを当接させた際に樹脂粒子が凹みすぎて、現像剤のコート量が不足するのを抑制することができる。また、ポリウレタン粒子の弾性率を1500MPa以下とすることで、現像剤の劣化を抑制することができ、長期に渡って安定した画像形成が可能となる。ポリウレタン粒子の弾性率は、後述するナノインデンテーション測定装置によりISO14577準拠の方法で測定することができる。
本発明においては、現像ローラの温度を低下させた際に、表面層が含有するポリウレタン粒子とバインダー樹脂の弾性率の増加量を制御することが好ましい。
表面層のバインダー樹脂の弾性率は、500MPa乃至1500MPaが好ましい。バインダー樹脂の弾性率を500MPa以上とすることで、当接部材による変形を抑制することができる。また、バインダー樹脂の弾性率を1500MPa以下とすることで、現像剤の劣化を抑制することができ、長期に渡って安定した画像形成が可能となる。バインダー樹脂の弾性率は、後述するナノインデンテーション測定装置によりISO14577準拠の方法で測定することができる。
表面層が含有する樹脂粒子の弾性率の増加量は、23℃から10℃に変化させた際の値を20MPa以上40MPa以下とすることが好ましい。ポリウレタン粒子の弾性率の増加量をこの範囲内とすることで、低温環境で印刷画像の濃度が増加するのを抑制することができ、温度によらず濃度が安定した画像形成が可能となる。
表面層が含有するバインダー樹脂の弾性率の増加量は、23℃から10℃に変化させた際の値を20MPa以上170MPa以下とすることが好ましい。バインダー樹脂の弾性率の増加量を170MPa以下とすることで、低温環境で現像剤の劣化を抑制することができ、長期に渡って安定した画像形成が可能となる。
表面層13は、現像ローラの電気抵抗を調整するため、導電剤を含有するものであってもよい。含有する導電剤としては、具体的には、上記弾性層に用いる導電剤として例示したものと同様のものを例示することができる。
表面層13の形成方法としては特に限定されるものではないが、塗料によるスプレー、浸漬、又はロールコートが挙げられる。浸漬塗工は、特開昭57−5047号公報に記載されているような浸漬槽上端から塗料をオーバーフローさせる方法は、表面層を形成する方法として簡便で生産安定性に優れている。
表面層を複数層形成する場合には、複数層全てにポリウレタン粒子を含有させても良いし、複数層のうちの少なくとも一層にポリウレタン粒子を含有させても良い。
表面層13の厚さは、1.0μm乃至500.0μmが好ましい。さらには、1.0μm乃至50.0μmであることがより好ましい。表面層13の厚さを1.0μm以上にすることで、現像ローラに耐久性を与えることができる。また、表面層13の厚さを500.0μm以下、さらに好ましくは50.0μm以下にすることで、現像剤の劣化を抑制することができ、長期に渡って安定した画像形成が可能となる。本発明における表面層13の厚さとは、キーエンス株式会社製のデジタルマイクロスコープVHX−600を用いて表面層の厚み方向の断面を観察し、表面層と弾性層の界面から表面層の表面の平坦部までの距離の任意の5点の相加平均値をいう。
表面層を形成した現像ローラ10のMD−1硬度は、25.0°乃至40.0°が好ましい。25.0°以上にすることで、当接部材による変形を抑制することができる。また、40.0°以下にすることで、現像剤の劣化を抑制することができ、長期に渡って安定した画像形成が可能となる。ここで、MD−1硬度は、高分子計器株式会社製のマイクロゴム硬度計MD−1型を用いて、温度23℃、湿度50%RHに制御した室内で測定したマイクロゴム硬度の値をいう。
<本発明に係わる電子写真画像形成装置>
次に、本発明の現像ローラを搭載する電子写真画像形成装置の一例を、図2で説明する。
図2において、電子写真画像形成装置100には、イエロートナー、マゼンダトナー、シアントナー、ブラックトナーの各色トナー毎に設けられる画像形成ユニットが設けられる。各画像形成ユニットには、それぞれ矢印方向に回転する静電潜像担持体としての感光体101が設けられる。各感光体の周囲には、感光体を一様に帯電するための帯電装置107、一様に帯電処理した感光体にレーザー光106を照射して静電潜像を形成する露光手段、静電潜像を形成した感光体にトナーを供給し静電潜像を現像する現像装置105が設けられる。
一方、給紙ローラ119により供給される紙等の記録材118を搬送する転写搬送ベルト116が駆動ローラ112、従動ローラ117、テンションローラ115に懸架されて設けられる。転写搬送ベルト116には吸着ローラ120を介して吸着バイアス電源121の電荷が印加され、記録材118を表面に静電気的に付着させて搬送するようになっている。
各画像形成ユニットの感光体上のトナー像を、転写搬送ベルト116によって搬送される記録材118に転写するための電荷を印加する転写バイアス電源114が設けられる。転写バイアスは転写搬送ベルト116の裏面に配置される転写ローラ113を介して印加される。各画像形成ユニットにおいて形成される各色のトナー像は、画像形成ユニットに同期して可動される転写搬送ベルト116によって搬送される記録材118上に、順次重畳して転写されるようになっている。
更に、カラー電子写真画像形成装置には、記録材上に重畳転写したトナー像を加熱などにより定着する定着装置111、画像形成された記録材118を装置外に排出する搬送装置(不図示)が設けられる。
一方、各画像形成ユニットには各感光体上に転写されずに残存する転写残トナーを除去し表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置108が設けられる。更に、その他感光体から掻き取られたトナーを収納する不図示の廃トナー容器が設けられる。クリーニングされた感光体は画像形成可能状態とされて待機するようになっている。
上記各画像形成ユニットに設けられる現像装置105には、一成分現像剤として非磁性トナーを収容したトナー容器103と、トナー容器の開口を閉塞するように設置され、トナー容器から露出した部分で感光体と対向するように現像ローラ10が設けられる。
トナー容器内には、現像ローラにトナーを供給すると同時に、現像後現像ローラ上に使用されずに残留するトナーを掻き取るためのトナー供給ローラ102が設けられている。また、現像ローラ上のトナーを薄層状に形成すると共に、摩擦帯電するSUS304製の現像剤規制ブレード104が設けられている。これらはそれぞれ現像ローラ10に当接配置されている。
現像剤規制ブレード104には現像剤規制ブレードバイアス電源109が接続され、現像ローラには現像ローラバイアス電源110が接続され、画像形成時において、現像剤規制ブレード104と現像ローラ10にはそれぞれ電圧が印加される。
<本発明に係わる電子写真プロセスカートリッジ>
次に、本発明の現像ローラを搭載する電子写真プロセスカートリッジの一例を、図3で説明する。図3に示す電子写真プロセスカートリッジ200は、現像装置105と、感光体101、クリーニング装置108を有し、これらが一体化されて電子写真画像形成装置本体に脱着可能に設けられる。
現像装置105としては電子写真画像形成装置で説明したものと同様のものを挙げることができる。一成分現像剤として非磁性トナーを収容したトナー容器103と、トナー容器の開口を閉塞するように設置され、トナー容器から露出した部分で感光体と対向するように現像ローラ10が設けられる。
本発明の電子写真プロセスカートリッジは、上記の他、感光体上のトナー像を記録材に転写する転写部材などを上記の部材と共に一体的に設けたものであってもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づき詳細に説明する。
下記の実施例は、本発明の最良な実施形態の一例であるものの、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[共重合体の分子量測定]
本実施例中における数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定に用いた装置、並びに条件は以下の通りである。
測定機器:HLC−8120GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperHZMM(東ソー社製)×2本
溶媒:THF(20mmol/L トリエチルアミン添加)
温度:40℃
THFの流速:0.6ml/min
なお測定サンプルは0.1質量%のTHF溶液とした。更に検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いて測定を行った。
検量線作成用の標準試料として、TSK標準ポリスチレンA−1000、A−2500、A−5000、F−1、F−2、F−4、F−10、F−20、F−40、F−80、F−128(東ソー社製)を用いて検量線の作成を行い、これを基に得られた測定サンプルの保持時間から重量平均分子量を求めた。
以下に本発明のポリウレタンを得るための合成例を示す。
(ポリエーテルジオール A−1〜A−5の合成)
反応容器中で、乾燥テトラヒドロフラン 72.1g(1モル)、乾燥3−メチルテトラヒドロフラン 258.3g(3モル)(モル混合比25/75)の混合物を、温度10℃に保持した。70%過塩素酸10.1g、及び無水酢酸 120.1gを加え、10時間反応を行った。次に反応混合物を20%水酸化ナトリウム水溶液500g中に注ぎ、精製を行った。さらに減圧下残留する水及び溶媒成分を除去し、液状のポリエーテルジオールA−1 224gを得た。数平均分子量は1350であった。
乾燥テトラヒドロフランと乾燥3−メチルテトラヒドロフランのモル混合比、および反応時間を表1のように変更した以外は同様の条件にして、ポリエーテルジオール A−2〜A−5を得た。
Figure 0005734084
<ポリウレタン粒子の作製>
2L攪拌機付きセパラブルフラスコに水1000gを仕込み、この中にヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:メトローズ90SH−100、信越化学工業株式会社製)40gを溶解して分散媒を調製した。この分散媒を600rpmで攪拌しながら、ポリオールA−1を250g、イソシアネート化合物B−1としてHDIイソシアヌレート(商品名:TPAB80E、旭化成株式会社製)180gの混合物を加え、懸濁液を調製した。次に、この懸濁液を攪拌しながら60℃に昇温して6時間反応させた後、室温まで冷却して懸濁液を得た。この懸濁液を固液分離して水で充分洗浄した後、70℃で24時間乾燥して、体積平均粒子径10μmのポリウレタン粒子C−1を得た。体積平均粒子径は、コールターマルチサイザーII(商品名、コールター社製)により測定された50%D径とした。
ポリオールとイソシアネート化合物を表2に示すように変更した以外は、同様の方法を用い、表2に示したポリウレタン粒子C−2からC−8を得た。体積平均粒子径はいずれも10μmであった。ここで、イソシアネート化合物B−2としては、ポリメリックMDI(商品名:PAPI122、ダウケミカル社製)を用いた。
次に、反応時間を3時間半に変更した以外は、同様の方法を用い、表2に示したポリウレタン粒子C−9を得た。体積平均粒子径は6μmであった。さらに、反応温度を70℃、反応時間を8時間に変更した以外は、同様の方法を用い、表2に示したポリウレタン粒子C−10を得た。体積平均粒子径は14μmであった。
なお、表2に示すポリウレタン粒子C−11は、比較例1で使用したポリウレタン粒子である。
Figure 0005734084
〔実施例1〕
<現像ローラの作製>
以下の手順により、円柱状の導電性軸芯体の周囲に、被覆層として、弾性層と表面層としての樹脂層を1層ずつ設けた現像ローラを作製した。
導電性軸芯体として、直径6mm、長さ279mmのSUS304製の芯金を用いた。
弾性層の材料として、以下の方法で液状シリコーンゴムを準備した。まず、次の材料を混合し液状シリコーンゴムのベース材料とした。
Figure 0005734084
このベース材料に、硬化触媒として白金化合物(東レダウコーニング社製、Pt濃度1%)を微量配合したものを準備した。次に、このベース材料に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(東レダウコーニング社製、重量平均分子量500)3質量部を配合したものを準備した。これらを質量比1:1で混合し、液状シリコーンゴムとした。
内径12mmの円筒型金型内の中心部に導電性軸芯体を配置し、円筒型金型内に注入口からこの液状シリコーンゴムを注入し、温度120℃で5分間加熱硬化させ、室温まで冷却後、導電性軸芯体と一体となった弾性層を脱型した。さらに温度150℃で4時間加熱して硬化反応を完了させ、厚さ3mmのシリコーンゴムを主成分とする弾性層を導電性軸芯体の外周面上に設けた。
その後、以下の条件で、弾性層表面のエキシマ処理を行った。
弾性層表面を、導電性軸芯体を回転軸として30rpmで回転させながら、波長172nmの紫外線を照射可能な細管エキシマランプ(商品名、ハリソン東芝ライティング製)により、積算光量が200mJ/cmとなるように照射して処理を行った。照射時の弾性層表面とエキシマランプの距離は2mmとした。
次に、表面層としての樹脂層を以下の方法で被覆した。
樹脂層の材料としては、次のものを用いた。
Figure 0005734084
これら材料をメチルエチルケトン溶媒中で段階的に混合して、窒素雰囲気下80℃にて6時間反応させ、2官能のポリウレタンプレポリマーを得た。得られたポリウレタンプレポリマーは、重量平均分子量Mw=10000、水酸基価20.0(mg・KOH/g)、分子量分散度Mw/Mn=2.9、Mz/Mw=2.5であった。
このポリウレタンプレポリマー100.0質量部にイソシアネート(商品名:コロネート2521、日本ポリウレタン工業株式会社製)35.0質量部を加えて、NCO当量を1.4となるようにした。なお、NCO当量は、イソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル数とポリオール成分中の水酸基のモル数との比([NCO]/[OH])を示すものである。
さらに、カーボンブラック(商品名:#1000、pH3.0、三菱化学社製)を20.0質量部添加した。この原料混合液に有機溶剤を加え、13μm前後の膜厚が得られるように固形分20質量%乃至30質量%の範囲で適宜調整した。
さらに、前述のポリウレタン粒子C−1を60.0質量部加え、均一分散、混合したものを樹脂層の原料液とした。
この樹脂層の原料液中に、上記の弾性層を形成した導電性軸芯体を浸漬した後、引上げて自然乾燥させた。次いで、温度140℃にて60分間の加熱処理を行い、樹脂層の原料液を硬化させて、平均13μmの膜厚の樹脂層を得て表面層とした。ここで、この表面層の結着樹脂を表面層のバインダー樹脂D−1とする。
さらに、被覆層の両端部を導電性軸芯体に垂直に切取って除去し、被覆層の長さを235mmに調整した。
このようにして、外径が12mm、被覆層の長さ235mm、JIS B 0601:1994表面粗さの規格における中心線平均粗さRaが2.0μmの現像ローラを作製した。
本発明の表面層が構造式(1)で示される構造と、下記構造式(2)で示される構造および下記構造式(3)で示される構造から選ばれる一方または両方の構造とを有していることは、例えばNMR、熱分解GC/MS、FT−IRによる分析により確認することが可能である。
実施例で得られた各表面層に含まれる樹脂粒子を、FT−NMR AVANCE500(BRUKER社製)を用い、測定核 H、13C、(25℃、重クロロホルム中、基準物質としてテトラメチルシランを用いる)で分析した。その結果、構造式(1)で示される構造と、構造式(2)で示される構造および構造式(3)で示される構造から選ばれる一方または両方の構造とを有していることが確認された。
<弾性率の測定>
得られた現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率は、ナノインデンテーション測定装置(商品名:Triboscope、Hysitron社製)を用いて測定した複合弾性率の値とした。
現像ローラの樹脂層表面を、5mm角、厚さ2mmの大きさに表面層を含んで切り出した後、ミクロトームで切削して表面層の断面を面出ししたサンプルを作製する。次に、上記のナノインデンテーション測定装置を用いて、ISO14577準拠の方法により、サンプル温度を23℃に制御して、樹脂粒子の中心部分及び樹脂粒子が存在しない表面層のバインダー樹脂の部分について、各々3回ずつ測定を行った。測定結果より、表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の23℃における複合弾性率を算出し、それぞれの23℃における弾性率とした。
次に、サンプル温度を10℃に制御して、同様にして、表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の10℃における複合弾性率を算出し、それぞれの10℃における弾性率とした。さらに、表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂それぞれについて、10℃における弾性率の値から23℃における弾性率の値を引いて、現像ローラの温度を低下させた際の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率増加量を求めた。
実施例1で作製した現像ローラについて、23℃における弾性率の測定を行った結果、樹脂粒子C−1及び表面層のバインダー樹脂D−1の弾性率は、それぞれ750MPa、720MPaであった。また、10℃における弾性率の測定を行った結果、樹脂粒子C−1及び表面層のバインダー樹脂D−1の弾性率は、それぞれ780MPa、890MPaであった。さらに、10℃における弾性率の値から23℃における弾性率の値を引いて、現像ローラの温度を低下させた際の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率増加量を求めた結果、それぞれ30MPa、170MPaであった。
<現像ローラの評価>
作製した現像ローラを用い、電子写真画像形成装置で画像評価を行った。電子写真画像形成装置には、Hewlett−Packard社製 Color LaserJet CP3520(商品名)を用いた。電子写真プロセスカートリッジには専用のブラック用のものを用い、この電子写真プロセスカートリッジの現像ローラを上記で作製したものに交換して、2個用意した。
(濃度評価)
上記電子写真プロセスカートリッジの一方を、電子写真画像形成装置本体のブラック用ポジションに搭載し、温度23℃、湿度50%RHの環境に24時間放置した。同環境において、印字率が2%の画像を3000枚連続で出力した後、ベタ黒画像を1枚出力した。これを合計5回繰返した。得られた各々のベタ黒画像の画像濃度を、反射濃度計(商品名:GreatagMacbeth RD918、マクベス社製)を用いて任意の9点測定して平均し、ベタ黒画像の画像濃度を求めた。ここで、5回分の画像濃度の平均値を、温度23℃における画像濃度とした。
次に、もう一方の電子写真プロセスカートリッジを、温度10℃、湿度10%RHの環境で、同様にしてベタ黒画像を出力し、温度10℃における画像濃度とした。
温度10℃における画像濃度の値から、温度23℃における画像濃度の値を引いて、画像濃度差を求めた。画像濃度差について下記基準により評価を行った。
A:画像濃度差は0.03未満である。
B:画像濃度差が0.03以上0.05未満である。
C:画像濃度差が0.05以上0.10未満である。
D:画像濃度差が0.10以上である。
(表面層の樹脂粒子脱落の評価)
次に、上記で作製した新しい現像ローラを、新しいブラック用の電子写真プロセスカートリッジに設置し、温度10℃、湿度10%RHの環境で、印字率が2%の画像を15000枚連続で出力した。これを合計3回繰返した後、電子写真プロセスカートリッジから現像ローラを取り出した。その後、デジタルマイクロスコープ(商品名:VH−2450、キーエンス株式会社製)を用いて現像ローラの表面を観察した。表面層の樹脂粒子脱落の有無、及び脱落箇所の数を評価し、表面層の樹脂粒子脱落について下記基準により評価を行った。
A:粒子脱落は確認されない。
B:粒子脱落が確認されるが、5ヶ所未満である。
C:粒子脱落が確認され、5ヶ所以上30ヶ所未満である。
D:粒子脱落が確認され、30ヶ所以上である。
以上の評価結果を、表5にまとめて示す。
〔比較例1〕
ポリウレタン粒子C−1を、エステル系ポリウレタンから成るポリウレタン粒子(商品名:C600透明、直径10μm、根上工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。このポリウレタン粒子をC−11とする。ポリウレタン粒子C−11の弾性率は670MPaであった。
さらに、実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
〔比較例2〕
ポリウレタン粒子C−1をC−2に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。さらに、実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
〔実施例2〕
ポリウレタン粒子C−1をC−3に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。さらに、実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
〔実施例3〜7〕
ポリウレタン粒子C−1を表5に記載されているポリウレタン粒子に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。さらに、各実施例で作成した現像ローラを実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
〔実施例8〕
樹脂層の材料として用いるポリテトラメチレングリコールを、変性ポリテトラメチレングリコール(商品名:PTG−L1000、数平均分子量Mn=1000、f=2、保土谷化学株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。この表面層の結着樹脂を表面層のバインダー樹脂D−2とする。表面層のバインダー樹脂D−2の弾性率は780MPaであった。
さらに、実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
〔実施例9〕
樹脂層の材料として用いるポリテトラメチレングリコールを、変性ポリテトラメチレングリコール(商品名:PTG−L2000、数平均分子量Mn=2000、f=2、保土谷化学株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。この表面層の結着樹脂を表面層のバインダー樹脂D−3とする。表面層のバインダー樹脂D−3の弾性率は740MPaであった。
さらに、実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
〔実施例10、11〕
ポリウレタン粒子C−1を表5に記載されているポリウレタン粒子に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製した。さらに、各実施例で作成した現像ローラを実施例1と同様に、現像ローラの表面層の樹脂粒子及びバインダー樹脂の弾性率及び弾性率増加量の測定と現像ローラの評価を行った。評価結果を表5に合わせて示す。
Figure 0005734084
表5の実施例1乃至11の結果より、表面層の樹脂粒子に前述のポリウレタン粒子を用いることで、低温環境で印刷画像の濃度が増加するのを抑制し、温度によらず濃度が安定した画像形成が可能な現像ローラが得られることを見出した。
さらに、現像ローラの温度を低下させた際の弾性率の増加量を、表面層のバインダー樹脂よりも樹脂粒子の方が小さくなるようにすることで、樹脂粒子が脱落するのを抑制できることを見出した。
表5の比較例1及び比較例2の結果より、表面層の樹脂粒子に前述のポリウレタン粒子を用いない場合には、低温環境で印刷画像の濃度が増加することを確認した。さらに、現像ローラの温度を低下させた際の弾性率の増加量を、表面層のバインダー樹脂よりも樹脂粒子の方が大きくなるようにすることで、樹脂粒子の脱落が悪化することを確認した。
10‥‥現像ローラ
11‥‥導電性軸芯体
12‥‥弾性層
13‥‥表面層

Claims (4)

  1. 軸芯体、弾性層および表面層を有する現像ローラであって、
    該表面層は、樹脂粒子を粗し粒子として含み、
    該樹脂粒子はウレタン樹脂を含有し、
    該ウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン基の間に、下記構造式(1)で示される構造と、下記構造式(2)で示される構造および下記構造式(3)で示される構造から選ばれる一方または両方の構造とを有するウレタン樹脂を含有することを特徴とする現像ローラ:
    Figure 0005734084
    Figure 0005734084
    Figure 0005734084
  2. 前記表面層がさらにバインダー樹脂としてウレタン樹脂を含む請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 感光体、および請求項1または2に記載の現像ローラを具備し、電子写真画像形成装置の本体に脱着可能に構成されていることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  4. 感光体および請求項1または2に記載の現像ローラを具備していることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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