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JP5736187B2 - 樹脂組成物の製造方法、樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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樹脂組成物の製造方法、樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Description

本発明は、ポリカーボネート系樹脂及びアクリル系樹脂を含有する樹脂組成物の製造方法、それによって得られる樹脂組成物及び該組成物の成形体に関する。
一般に、ポリカーボネート系樹脂は、高温安定性、寸法安定性、耐衝撃性、剛性及び透明性等に優れるが、耐スクラッチ性及び長期UV耐性が不十分で、応力複屈折の発生という欠点も有している。一方、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂は、寸法安定性、耐衝撃性及び低温耐性等が低いものの、透明性、表面硬度、UV耐性、耐候性及び化学耐性等に優れることが知られている。
従って、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とのブレンド物は、それぞれの成分が個々に有する欠点を除去し、各種用途に使用可能な物質をもたらすことが期待される。しかし、従来のポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とのブレンド物は、透明性が要求される用途には使用できない不透明な物質であった(例えば、特許文献1参照)。そのため、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂との透明なブレンド物を得るため、種々の方法が提案されている。
例えば、芳香族ポリカーボネートと、全メチルメタクリレート単位の少なくとも50%がシンジオタクチック配置にある、シンジオタクチックポリメチルメタクリレートとを混合する方法が公知である(特許文献2参照)。しかしながら、この方法で得られる混合物は透明性が必ずしも十分とはいえない。
また、ポリカーボネート97〜60重量%とポリメチルメタクリレート3〜40重量%からなる樹脂を、微量型高剪断成形加工機を用いてブレンドする溶融混練方法が公知である(特許文献3参照)。しかしながら、この方法で得られるブレンド物も、透明性の点で必ずしも十分ではない。
特公昭43−13384号公報 特開平6−128475号公報 特開2009−196196号公報
本発明の課題は、優れた透明性を有する、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とのブレンド物を調製できる樹脂組成物の製造方法、それによって得られる樹脂組成物及び該組成物の成形体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)メタクリル酸メチル60〜95重量%、下式(I)
Figure 0005736187
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rはシクロアルキル基で置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表す)
で示される(メタ)アクリル酸エステル5〜40重量%、及びこれら以外の単官能単量体0〜35重量%からなる単量体成分が重合してなる共重合体を含有するアクリル系樹脂55〜95重量部と、ポリカーボネート系樹脂45〜5重量部とを含む樹脂混合物を、温度180〜265℃及び剪断速度10〜100sec−1で溶融混練する樹脂組成物の製造方法。
(2)前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルがメタクリル酸シクロヘキシル及びメタクリル酸ベンジルからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(1)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(3)前記(1)又は(2)に記載の製造方法により得られる樹脂組成物。
(4)前記(3)に記載の樹脂組成物を成形して得られる成形体。
本発明によれば、優れた透明性を有する、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを特定の割合で溶融混練してなるブレンド物を調製できるという効果が得られる。
上記本発明の樹脂組成物を成形することにより、優れた透明性をそなえた成形品が得られる。かかる透明な成形品が得られることで、本発明樹脂組成物は、電子光学材料などに好適に使用可能である。
(樹脂組成物の製造方法)
本発明の樹脂組成物の製造方法においては、メタクリル酸メチル60〜95重量%、下式(I)
Figure 0005736187
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rはシクロアルキル基で置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表す)
で示される(メタ)アクリル酸エステル〔以下、(メタ)アクリル酸エステル(I)ということがある。〕5〜40重量%、及びこれら以外の単官能単量体0〜35重量%からなる単量体成分が重合してなる共重合体を含有するアクリル系樹脂を使用する。
前記(メタ)アクリル酸エステル(I)におけるRは、シクロアルキル基で置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、中でも、シクロアルキル基、アラルキル基が好ましい。Rにおけるシクロアルキル基で置換されたアルキル基としては、例えば、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基等が挙げられる。Rにおけるシクロアルキル基としては、炭素数が5〜12のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等が挙げられ、中でも、シクロヘキシル基が好ましい。Rにおけるアルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、tert−ブチルシクロヘキシル基等が挙げられる。Rにおけるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられ、中でも、ベンジル基が好ましい。Rにおけるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。前記(メタ)アクリル酸エステル(I)としては、特に、メタクリル酸シクロヘキシル及びメタクリル酸ベンジルからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
メタクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸エステル(I)以外の単官能単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル以外のメタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合物等が挙げられ、これらの2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、メタクリル酸メチル以外のメタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキルが好ましい。メタクリル酸メチル以外のメタクリル酸アルキルとしては、炭素数2〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルが好ましく、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル等が挙げられる。なお、メタクリル酸メチル以外のメタクリル酸アルキルは、それぞれ単独で使用してもよいし、これらの2種以上を組み合わせて使用してもよい。アクリル酸アルキルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。なお、前記アクリル酸アルキルは、それぞれ単独で使用してもよいし、これらの2種以上を組み合わせて使用してもよい。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α‐メチルスチレン等が挙げられる。ビニルシアン化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
前記単量体成分におけるメタクリル酸メチルの含有割合は、アクリル系樹脂の耐候性及び透明性が良好となる点で、通常60〜95重量%であり、70〜95重量%が好ましい。前記単量体成分における(メタ)アクリル酸エステル(I)の含有割合は、通常5〜40重量%であり、好ましくは5〜30重量%である。前記単量体成分における(メタ)アクリル酸エステル(I)の含有割合が5重量%未満の場合は、得られるアクリル系樹脂において、ポリカーボネート系樹脂との相溶性が低下し、樹脂組成物及びその成形体の透明性が低くなる傾向にあり、40重量%を超えると、得られるアクリル系樹脂において、ポリカーボネート系樹脂との相溶性が低下し、樹脂組成物及びその成形体の透明性の低下や、樹脂組成物及びその成形体の耐候性の低下といった問題があるため好ましくない。
前記単量体成分を重合する際の重合方法については、特に制限はなく、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の重合法を採用することができる。重合には通常ラジカル重合開始剤が用いられ、好ましくはラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤が用いられる。
前記重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ラウロイルパーオキサイド、1,1―ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンの如き有機過酸化物等のラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。なお、重合開始剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。重合開始剤の量は、単量体の種類やその割合等に応じて、適宜決定すればよい。
前記連鎖移動剤としては、例えばn−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート等のメルカプタン類等が好適であり、これらは1種または2種以上を用いてもよい。連鎖移動剤の量は、単量体の種類やその割合等に応じて、適宜決定すればよい。
前記単量体成分を重合する際の重合温度は、適宜設定すればよく、特に限定されない。
本発明で用いるアクリル系樹脂は、前記単量体成分を重合して得られる共重合体を含有するものである。アクリル系樹脂における粘度平均分子量は、50,000〜300,000であるのが好ましく、100,000〜200,000であるのがより好ましい。前記アクリル系樹脂の流動性は、3.8kg荷重で測定した230℃におけるメルトマスフローレート(MFR)で評価され、前記MFRは、好ましくは0.1〜50g/10分、より好ましくは0.5〜40g/10分である。MFRが高すぎると、樹脂組成物及びその成形体の機械的強度が不十分となるおそれがあり、MFRが低すぎると、アクリル系樹脂の流動性及び加工性が低下し、溶融混練が困難となるおそれがある。
本発明で用いるアクリル系樹脂には、前記単量体成分を重合して得られる共重合体の他に、離型剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、重合抑制剤、酸化防止剤、難燃化剤、補強剤等の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で含有させてもよいが、アクリル系樹脂総量に対する前記共重合体の含有量は、95〜99.995重量%が好ましい。
本発明で用いるポリカーボネート系樹脂としては、例えば二価フェノールとカルボニル化剤とを界面重縮合法や溶融エステル交換法等で反応させることにより得られるもの;カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法等で重合させることにより得られるもの;環状カーボネート化合物を開環重合法で重合させることにより得られるもの等が挙げられる。ポリカーボネート系樹脂における粘度平均分子量は、5,000〜100,000であるのが好ましく、5,000〜40,000であるのがより好ましい。本発明で用いるポリカーボネート系樹脂の流動性は、1.2kg荷重で測定した300℃におけるメルトボリュームフローレート(MVR)で評価され、前記MVRは、好ましくは1〜150cm/10分、より好ましくは2〜100cm/10分である。MVRが高すぎると、樹脂組成物及びその成形体の機械的強度が不十分となるおそれがあり、MVRが低すぎると、ポリカーボネート系樹脂の流動性及び加工性が低下し、溶融混練が困難となるおそれがある。
前記二価フェノールとしては、例えばハイドロキノン、レゾルシノール、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエステル等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
中でも、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン及びα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれる二価フェノールを単独でまたは2種以上用いるのが好ましい。特に、ビスフェノールAの単独使用や、ビスフェノールAと、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン及びα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれる1種以上の二価フェノールとの併用が好ましい。
前記カルボニル化剤としては、例えばホスゲン等のカルボニルハライド、ジフェニルカーボネート等のカーボネートエステル、二価フェノールのジハロホルメート等のハロホルメートが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
本発明においては、前記アクリル系樹脂55〜95重量部と、ポリカーボネート系樹脂45〜5重量部とを含む樹脂混合物を、180〜265℃及び剪断速度10〜100sec−1で溶融混練して樹脂組成物を製造する。
前記樹脂混合物におけるアクリル系樹脂の含有割合は、前記アクリル系樹脂及びポリカーボネート系樹脂の総量に対して、通常、55〜95重量部であり、70〜90重量部が好ましい。前記樹脂混合物におけるポリカーボネート系樹脂の含有割合は、前記アクリル系樹脂及びポリカーボネート系樹脂の総量に対して、通常、5〜45重量部であり、10〜30重量部が好ましい。ポリカーボネート系樹脂の含有割合が5重量部未満の場合は機械的性質の改善効果が不十分となる傾向にあり、45重量部を超えると樹脂組成物及びその成形体の透明性が低下する傾向にあるので、いずれも好ましくない。
前記アクリル系樹脂55〜95重量部と、前記ポリカーボネート系樹脂45〜5重量部とを含む樹脂混合物の溶融混練時の温度及び剪断速度としては、これらの樹脂の均一な混合物を得る点から、通常、温度を180〜265℃、好ましくは230〜260℃とし、剪断速度を10〜100sec−1、好ましくは50〜100sec−1とする。溶融混練に用いる機器としては、通常の混合機、混練機を用いることができる。具体的には、一軸混練押出機、二軸混練押出機、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー等を用いることができ、中でも、二軸混練押出機が好ましい。また、溶融混練は、必要に応じて、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行うことができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法においては、前記アクリル系樹脂及び前記ポリカーボネート系樹脂以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、相溶化剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、着色剤、発泡剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤等の慣用の添加剤を配合してもよい。また、少量の他の熱可塑性樹脂等を添加してもよい。これらの添加剤は、前記アクリル系樹脂と前記ポリカーボネート系樹脂とを含む樹脂混合物の溶融混練時に加えてもよいし、溶融混練の前または後に加えてもよい。前記樹脂組成物総量に対する前記アクリル系樹脂及び前記ポリカーボネート系樹脂の合計含有量は、70〜99.995重量%が好ましい。
かくして、透明性に優れる、本発明の樹脂組成物を得ることができる。
(樹脂組成物及び樹脂成形体)
本発明の樹脂組成物は、上記の本発明の製造方法によって得られる、前記アクリル系樹脂及び前記ポリカーボネート系樹脂を含有する樹脂組成物であり、透明性に優れたものである。また、本発明の樹脂成形体は、本発明の樹脂組成物を成形して得られる、優れた機械的性質及び光学的性質を有する成形体である。
本発明の樹脂組成物の成形は、上述の製造方法により、あらかじめ溶融混練された樹脂混合物を、その溶融混練機をそのまま使用して成形してもよいし、得られた樹脂組成物をペレット状等にした後、射出成形機、油圧プレス等の成形機を用いて、成形機内にて溶融成形してもよい。
以下、参考例、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これら各例により限定されるものではない。尚、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、得られた樹脂組成物及び成形体の各種物性の測定及び評価は下記の方法で行った。
<メルトマスフローレート(MFR)>
得られたペレット状のアクリル系樹脂について、JIS K7210に準拠して、230℃、3.8kg荷重で測定した。
<メルトボリュームフローレート(MVR)>
ポリカーボネート系樹脂について、ISO 1133に準拠して、300℃、1.2kg荷重で測定した。
<樹脂組成物外観>
得られた樹脂組成物を、目視で観察して、透明、半透明、不透明の評価を行った。
<全光線透過率の測定>
得られた板状成形体について、透過率計((株)村上色彩技術研究所製の「HR−100」)を用い、JIS K7361−1に準拠して、全光線透過率(Tt)を測定した。この数値が大きいほど、光線の透過が大きい、つまり透明性が高いことを示す。
参考例1
〔アクリル系樹脂(A−1)の製造〕
内容積5リットルのガラス製容器に、イオン交換水2400g、懸濁安定剤としてポリメタクリル酸ナトリウム(1%水溶液粘度が30ストークス)0.6g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学(株)製の「メトローズ90SH」)を0.2g、りん酸水素2ナトリウム12.5gからなる水相を仕込んだ後、メタクリル酸メチル1520g、メタクリル酸シクロヘキシル80g、ラウロイルパーオキサイド4.8g、n−オクチルメルカプタン3.2gからなる油相を仕込んだ。そして、1300rpmで攪拌しながら、83℃に昇温して、1.5時間保持した。1.5時間保持後、100℃に昇温し、1時間攪拌を継続し、その後、室温まで冷却した。得られたスラリーを、遠心分離機にて固液分離し、固体として粒状ビーズを回収した。回収した粒状ビーズを大型バットへ入れ、これにイオン交換水4800gを投入後、5分間攪拌した後、再度遠心分離機にて固液分離し粒状ビーズを回収する一連の洗浄操作を3回繰り返した。洗浄後の粒状ビーズを80℃設定の真空乾燥機内で減圧乾燥し、メタクリル酸シクロヘキシル単位が5重量%である共重合体からなる粒状(平均粒子径:210μm)のアクリル系樹脂(A−1)を得た。
次いで、この粒状のアクリル系樹脂(A−1)を、40mmφベント付押出機(田辺プラスチック機械(株)製の「VS40−28型」)を用いてスクリュー回転数50rpm、樹脂温度220℃で造粒し、無色透明なペレット状のアクリル系樹脂(A−1)を得た。アクリル系樹脂(A−1)のMFRは、1.3g/10分であった。
参考例2
〔アクリル系樹脂(A−2)の製造〕
メタクリル酸メチルの使用量を1520gから1440gに変更し、さらに、メタクリル酸シクロヘキシルの使用量を80gから160gに変更した以外は、参考例1〔アクリル系樹脂(A−1)の製造〕と同様の操作を行い、メタクリル酸シクロヘキシル単位が10重量%である共重合体からなる粒状(平均粒子径:210μm)のアクリル系樹脂(A−2)を得た。
次いで、この粒状のアクリル系樹脂(A−2)を、40mmφベント付押出機(田辺プラスチック機械(株)製の「VS40−28型」)を用いてスクリュー回転数50rpm、樹脂温度220℃で造粒し、無色透明なペレット状のアクリル系樹脂(A−2)を得た。アクリル系樹脂(A−2)のMFRは、1.4g/10分であった。
参考例3
〔アクリル系樹脂(A−3)の製造〕
n−オクチルメルカプタンの使用量を3.2gから4.8gに変更した以外は、参考例2〔アクリル系樹脂(A−2)の製造〕と同様の操作を行い、メタクリル酸シクロヘキシル単位が10重量%である共重合体からなる粒状(平均粒子径:210μm)のアクリル系樹脂(A−3)を得た。
次いで、この粒状のアクリル系樹脂(A−3)を、40mmφベント付押出機(田辺プラスチック機械(株)製の「VS40−28型」)を用いてスクリュー回転数50rpm、樹脂温度220℃で造粒し、無色透明なペレット状のアクリル系樹脂(A−3)を得た。アクリル系樹脂(A−3)のMFRは、6.4g/10分であった。
参考例4
〔アクリル系樹脂(A−4)の製造〕
メタクリル酸シクロヘキシル80gに代えて、メタクリル酸ベンジル80gを使用した以外は、参考例1〔アクリル系樹脂(A−1)の製造〕と同様の操作を行い、メタクリル酸ベンジル単位が5重量%である共重合体からなる粒状(平均粒子径:205μm)のアクリル系樹脂(A−4)を得た。
次いで、この粒状のアクリル系樹脂(A−4)を、40mmφベント付押出機(田辺プラスチック機械(株)製の「VS40−28型」)を用いてスクリュー回転数50rpm、樹脂温度220℃で造粒し、無色透明なペレット状のアクリル系樹脂(A−4)を得た。アクリル系樹脂(A−4)のMFRは、1.5g/10分であった。
実施例1
〔樹脂組成物の作製〕
アクリル系樹脂(A−1)80重量部とポリカーボネート系樹脂(B−1)(住友ダウ(株)製の「カリバー301−40」[ポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニルカーボネート)]、MVR=40cm/10分)20重量部を、二軸混練押出機((株)日本製鋼所製の「TEX−30SS」、スクリューの長さ(L)とスクリュー径(D)との比(L/D)=41)を用いて、回転数100rpm(剪断速度81sec−1)、250℃のシリンダー温度にて溶融混練した。二軸混練押出機のダイから吐出した直後の溶融物の温度を測定したところ、260℃であった。溶融物をストランド状に押出し、冷却した後にストランドカッターで切断し、ペレット状の樹脂組成物を作製した。
〔成形体の作製〕
上記ペレット状の樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械(株)製の「IS130FII」)を用いて、230℃のシリンダー温度にて、60℃設定の金型に射出成形して、50mm×50mm×3.4mmの板状成形体を得た。
実施例2
〔樹脂組成物の作製〕
アクリル系樹脂(A−2)80重量部とポリカーボネート系樹脂(B−1)(住友ダウ(株)製の「カリバー301−40」[ポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニルカーボネート)]、MVR=40cm/10分)20重量部を、二軸混練押出機((株)日本製鋼所製の「TEX−30SS」、スクリューの長さ(L)とスクリュー径(D)との比(L/D)=41)を用いて、回転数100rpm(剪断速度81sec−1)、250℃のシリンダー温度にて溶融混練した。二軸混練押出機のダイから吐出した直後の溶融物の温度を測定したところ、259℃であった。溶融物をストランド状に押出し、冷却した後にストランドカッターで切断し、ペレット状の樹脂組成物を作製した。
〔成形体の作製〕
上記ペレット状の樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械(株)製の「IS130FII」)を用いて、230℃のシリンダー温度にて、60℃設定の金型に射出成形して、50mm×50mm×3.4mmの板状成形体を得た。
実施例3
〔樹脂組成物の作製〕
アクリル系樹脂(A−2)70重量部とポリカーボネート系樹脂(B−1)(住友ダウ(株)製の「カリバー301−40」[ポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニルカーボネート)]、MVR=40cm/10分)30重量部を、二軸混練押出機((株)日本製鋼所製の「TEX−30SS」、スクリューの長さ(L)とスクリュー径(D)との比(L/D)=41)を用いて、回転数100rpm(剪断速度81sec−1)、240℃のシリンダー温度にて溶融混練した。二軸混練押出機のダイから吐出した直後の溶融物の温度を測定したところ、249℃であった。溶融物をストランド状に押出し、冷却した後にストランドカッターで切断し、ペレット状の樹脂組成物を作製した。
〔成形体の作製〕
上記ペレット状の樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械(株)製の「IS130FII」)を用いて、230℃のシリンダー温度にて、60℃設定の金型に射出成形して、50mm×50mm×3.4mmの板状成形体を得た。
実施例4
〔樹脂組成物の作製〕
アクリル系樹脂(A−2)60重量部とポリカーボネート系樹脂(B−1)(住友ダウ(株)製の「カリバー301−40」[ポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニルカーボネート)]、MVR=40cm/10分)40重量部を、二軸混練押出機((株)日本製鋼所製の「TEX−30SS」、スクリューの長さ(L)とスクリュー径(D)との比(L/D)=41)を用いて、回転数100rpm(剪断速度81sec−1)、250℃のシリンダー温度にて溶融混練した。二軸混練押出機のダイから吐出した直後の溶融物の温度を測定したところ、260℃であった。溶融物をストランド状に押出し、冷却した後にストランドカッターで切断し、ペレット状の樹脂組成物を作製した。
〔成形体の作製〕
上記ペレット状の樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械(株)製の「IS130FII」)を用いて、230℃のシリンダー温度にて、60℃設定の金型に射出成形して、50mm×50mm×3.4mmの板状成形体を得た。
実施例5
〔樹脂組成物の作製〕
アクリル系樹脂(A−3)80重量部とポリカーボネート系樹脂(B−2)(住友ダウ(株)製の「カリバー301−10」[ポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニルカーボネート)]、MVR=10cm/10分)20重量部を、二軸混練押出機((株)日本製鋼所製の「TEX−30SS」、スクリューの長さ(L)とスクリュー径(D)との比(L/D)=41)を用いて、回転数100rpm(剪断速度81sec−1)、250℃のシリンダー温度にて溶融混練した。二軸混練押出機のダイから吐出した直後の溶融物の温度を測定したところ、258℃であった。溶融物をストランド状に押出し、冷却した後にストランドカッターで切断し、ペレット状の樹脂組成物を作製した。
〔成形体の作製〕
上記ペレット状の樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械(株)製の「IS130FII」)を用いて、230℃のシリンダー温度にて、60℃設定の金型に射出成形して、50mm×50mm×3.4mmの板状成形体を得た。
実施例6
〔樹脂組成物の作製〕
アクリル系樹脂(A−4)80重量部とポリカーボネート系樹脂(B−1)(住友ダウ(株)製の「カリバー301−40」[ポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニルカーボネート)]、MVR=40cm/10分)20重量部を、二軸混練押出機((株)日本製鋼所製の「TEX−30SS」、スクリューの長さ(L)とスクリュー径(D)との比(L/D)=41)を用いて、回転数100rpm(剪断速度81sec−1)、250℃のシリンダー温度にて溶融混練した。二軸混練押出機のダイから吐出した直後の溶融物の温度を測定したところ、260℃であった。溶融物をストランド状に押出し、冷却した後にストランドカッターで切断し、ペレット状の樹脂組成物を作製した。
〔成形体の作製〕
上記ペレット状の樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械(株)製の「IS130FII」)を用いて、230℃のシリンダー温度にて、60℃設定の金型に射出成形して、50mm×50mm×3.4mmの板状成形体を得た。
比較例1
〔樹脂組成物の作製〕
溶融混練時の二軸混練機の回転数を100rpm(剪断速度81sec−1)から150rpm(剪断速度122sec−1)に変更した以外は、実施例2〔樹脂組成物の作製〕と同様の操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を作製した。作製時における二軸混練押出機のダイから吐出した直後の溶融物の温度を測定したところ、261℃であった。
〔成形体の作製〕
上記ペレット状の樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械(株)製の「IS130FII」)を用いて、230℃のシリンダー温度にて、60℃設定の金型に射出成形して、50mm×50mm×3.4mmの板状成形体を得た。
比較例2
〔樹脂組成物の作製〕
アクリル系樹脂(A−2)50重量部とポリカーボネート系樹脂(B−1)(住友ダウ(株)製の「カリバー301−40」[ポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニルカーボネート)]、MVR=40cm/10分)50重量部を、二軸混練押出機((株)日本製鋼所製の「TEX−30SS」、スクリューの長さ(L)とスクリュー径(D)との比(L/D)=41)を用いて、回転数100rpm(剪断速度81sec−1)、240℃のシリンダー温度にて溶融混練した。二軸混練押出機のダイから吐出した直後の溶融物の温度を測定したところ、248℃であった。溶融物をストランド状に押出し、冷却した後にストランドカッターで切断し、ペレット状の樹脂組成物を作製した。
〔成形体の作製〕
上記ペレット状の樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械(株)製の「IS130FII」)を用いて、230℃のシリンダー温度にて、60℃設定の金型に射出成形して、50mm×50mm×3.4mmの板状成形体を得た。
比較例3
〔樹脂組成物の作製〕
アクリル系樹脂(A−2)20重量部とポリカーボネート系樹脂(B−1)(住友ダウ(株)製の「カリバー301−40」[ポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニルカーボネート)]、MVR=40cm/10分)80重量部を、二軸混練押出機((株)日本製鋼所製の「TEX−30SS」、スクリューの長さ(L)とスクリュー径(D)との比(L/D)=41)を用いて、回転数100rpm(剪断速度81sec−1)、240℃のシリンダー温度にて溶融混練した。二軸混練押出機のダイから吐出した直後の溶融物の温度を測定したところ、246℃であった。溶融物をストランド状に押出し、冷却した後にストランドカッターで切断し、ペレット状の樹脂組成物を作製した。
〔成形体の作製〕
上記ペレット状の樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械(株)製の「IS130FII」)を用いて、230℃のシリンダー温度にて、60℃設定の金型に射出成形して、50mm×50mm×3.4mmの板状成形体を得た。
比較例4
〔樹脂組成物の作製〕
溶融混練時の二軸混練機のシリンダー温度を250℃から270℃に変更した以外は、実施例5〔樹脂組成物の作製〕と同様の操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を作製した。作製時における二軸混練押出機のダイから吐出した直後の溶融物の温度を測定したところ、270℃であった。
〔成形体の作製〕
上記ペレット状の樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械(株)製の「IS130FII」)を用いて、230℃のシリンダー温度にて、60℃設定の金型に射出成形して、50mm×50mm×3.4mmの板状成形体を得た。
実施例1〜6、比較例1〜4のアクリル系樹脂単量体成分、樹脂混合物組成、溶融混練条件、樹脂組成物外観及び成形体の全光線透過率を表1に示す。
Figure 0005736187
表1において、アクリル系樹脂単量体成分のMMA、CMA、及びBMAは、以下のものを示す。
MMA:メタクリル酸メチル
CMA:メタクリル酸シクロヘキシル
BMA:メタクリル酸ベンジル

Claims (1)

  1. メタクリル酸メチル60〜95重量%、メタクリル酸シクロヘキシル及びメタクリル酸ベンジルからなる群より選ばれる少なくとも1種のメタクリル酸エステル5〜40重量%、並びに、メタクリル酸メチル以外のメタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキルからなる群から選ばれるいずれか一種または2種以上の単官能単量体0〜35重量%からなる単量体成分が重合してなる共重合体を含有する、3.8kg荷重で測定した230℃におけるメルトマスフローレート(MFR)が0.1〜50g/10分であるアクリル系樹脂90〜70重量部と、
    1.2kg荷重で測定した300℃におけるメルトボリュームフローレート(MVR)が1〜100cm /10分である、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとカルボニル化剤とを反応させることにより得られるポリカーボネート系樹脂10〜30重量部と
    を含む樹脂混合物を、温度249〜265℃及び剪断速度50〜100sec−1で溶融混練する樹脂組成物の製造方法。
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