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JP5761534B2 - 書き込み制御装置、画像形成装置 - Google Patents
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Description

本発明は、複数台のHDDにデータを分散保存する書き込み制御装置、および画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置において、画像データのような大容量のデータを保存する媒体としては、HDD(Hard Disk Drive)を採用している。HDDは筐体内にデータ記憶用のディスクが入っており、ディスクを回転させて、特定のセクタにヘッドをシークさせてデータの読み書きを行う。
データを書き込む際には、ディスク(プラッタ)上の外周部のトラックから内周部のトラックに向かって順番にデータを書き込んでいくことが多い。図7は、1台のHDDに対して外周部のトラックから内周部のトラックに向かって順番にデータを書き込んでいく様子を示す。HDDは、ディスクの外周部と内周部では、1回転させた際に扱うデータ量が異なり、内周側に進むにつれてデータ転送速度が遅くなる(パフォーマンスが低下する)。
たとえば、図8のグラフ90は、HDDにデータを読み書きする際の場所(トラック)とデータ転送速度との関係を示している。グラフ90では、横軸はトラック、縦軸はデータ転送速度を示している。読み書きする場所(トラック)が内周側に進むにつれてデータ転送速度は遅くなっていく。
図9のグラフ91は、図8のグラフ90に対応するグラフであり、HDDにデータを読み書きする際の場所(トラック)と、所定の量のデータ転送にかかる時間との関係を示している。グラフ91では、横軸はトラック、縦軸はデータ転送にかかる時間を示している。データ転送にかかる時間は、読み書きするデータの量÷データ転送速度で求めることができる。読み書きする場所(トラック)が内周側に進むにつれてデータ転送速度が遅くなっていくので、データ転送にかかる時間は増えていく。
特許文献1には、この外周部と内周部によるパフォーマンス(データ転送速度)の差を埋めるべく、データを保存する際に、データの読み書きを高速に行う外周部には高圧縮なデータを、データの読み書きを低速に行う内周部には低圧縮なデータを書き込むことで(内外によって圧縮率を変えることで)、読み出したデータを展開するまでにかかる時間を一定にする方法が開示されている(特許文献1)
特開2008−286756号公報
ところで、HDD1台のデータ転送速度には上限があり、HDD1台のデータ転送速度では、画像形成装置が必要とするパフォーマンスを満たすことができないことがある。
たとえば、図8では、最外周のトラックでのデータ転送速度であっても、画像形成装置が生産性を維持する為に必要な速度(以後、生産性維持速度と呼ぶ)に満たない。また図9では、最外周のトラックであってもデータ転送にかかる時間が、画像形成装置の生産性を満たすことができる時間を上回っており、すなわち画像形成装置が生産性を維持する為に必要とするパフォーマンスに達していない。
そこで、データ転送速度を高速化する方法として、HDDを複数台搭載しRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)構成をとる方法(RAID0(ストライピング))が提案されている。ストライピングでは、保存対象のデータをHDDの台数の数に合わせて等分し、分散保存している。なお、ストライピングでRAIDを構成する複数台のHDDに書き込みを行う際には、同じアドレス(セクタ)に対して書き込みを行う。
図10は、3台のHDDにストライピングでデータを分散保存する様子を示す。ストライピングを行う際にも、外周部のトラックから内周部のトラックに向かって順番にデータを書き込んでいく。しかし、RAID0(ストライピング)では、並列駆動される複数台のHDDのうちの最も遅いもののデータ転送速度に、HDDの台数を掛けたものが全体のデータ転送速度となるため、1台でもデータ転送速度が低下すると、そのデータ転送速度低下に伴ってRAID0全体でのデータ転送速度が大きく低下してしまう。よって、ディスクの外周部でデータの読み書きを行う場合は所望のデータ転送速度を達成できても、ディスクの内周部でデータの読み書きを行う場合はこれを達成できなくなる場合がある。
図11のグラフ92は、3台のHDDでストライピングを行った場合において、HDD上におけるデータを読み書きする場所(トラック)と、所定の量のデータ転送にかかる時間との関係を示している。グラフ92では、横軸はトラック、縦軸はデータ転送にかかる時間を示している。なお、各HDDを単体で使用した場合にデータの転送にかかる時間は、図9のグラフ91と同じであるものとする。
図11のグラフ92では、図9のグラフ91と同じく、読み書きする場所(トラック)が内周側に進むにつれてデータ転送にかかる時間は増えていくが、データを3つに等分し、3台のHDDで並列的に書き込み、読み出しを行っているので、RAID全体としてのデータ転送速度は速くなっており、図9のグラフ91に比べてデータの転送にかかる時間は短い。
グラフ92では、最外周のトラックからT1のトラックまでは、データ転送にかかる時間が、画像形成装置の生産性を維持することのできる時間以下になっており、画像形成装置が生産性を維持する為に必要なパフォーマンスに達している(RAID全体としてのデータ転送速度が生産性速度以上である)。
しかし、T1のトラックよりも内周部のトラックでは、ストライピングを行っていてもデータ転送にかかる時間が、画像形成装置の生産性を維持することのできる時間を上回ってしまっており(RAID全体としてのデータ転送速度が生産性速度未満であり)、画像形成装置が生産性を維持する為に必要とするパフォーマンスに達していない。そのため、従来はHDDのT1のトラックより内周部のトラックを書き込み禁止領域とし、T1のトラックより外周部のトラックのみを使用してデータの読み書きを行うことで、所望のデータ転送速度を確保し、画像形成装置が生産性を維持する為に必要とするパフォーマンスを達成する。しかし、この方法でHDDを使用すると、HDDの内周部が未使用の状態になるという問題が発生する。
RAIDを構成するHDDの台数を増やすことで、書き込み禁止領域を減らすことも可能であるが、その分だけ、コスト及びスペース等が必要になってくる。
なお、特許文献1に開示の方法は、1台のHDDに対して、データを保存する場合に、書き込み先によって圧縮率を変えることを述べているに過ぎず、複数台のHDDを使用する場合や、データを分割する場合については対応していない。
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、複数台のHDDを併用する場合において、各HDDの保存領域を有効に利用しつつ、所望のデータ転送速度を確保することのできる書き込み制御装置、画像形成装置を提供する。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]N(N=2以上の整数)台のHDDを備える記憶部と、
前記記憶部に書き込む予定のデータをN個の不等分な分割データに分割するデータ分割部と、
前記N個の分割データを前記N台のHDDに並列動作で分散保存させる書き込み制御部と、
を備え、
前記書き込み制御部は、前記N個の分割データのうち、第1分割データよりもデータ量の多い第2分割データは、前記第1分割データよりも外周部のトラックに書き込み、
前記データ分割部は、前記分割データのデータ量が、書き込み先のトラックのデータ転送速度と所定の書き込み限界時間を乗算した値を超えない範囲で、内周部のトラックが外周部のトラックより早く埋まるように前記分割を行う
ことを特徴とする書き込み制御装置。
上記発明では、書き込み予定のデータをN個の不等分な分割データに分割し、N台のHDDに並列動作で分散保存させる。その際、N個の分割データのうち、第1分割データよりもデータ量の多い第2分割データは、第1分割データよりも外周部のトラックに書き込むよう制御する。データ量の多い分割データをデータ転送速度の速い外周部のトラックに保存し、データ量の少ない分割データをデータ転送速度の遅い内周部のトラックに保存するので、各HDDに分割データを書き込む際にかかる時間が平滑化される。また、分割データのデータ量が、書き込み先のトラックのデータ転送速度と所定の時間を乗算した値を超えない範囲で、かつ、内周部のトラックが外周部のトラックより早く埋まるようにようにして、各分割データのデータ量を決定する。
[2]前記書き込み制御部は、前記第1分割データを書き込むHDDと、前記第2分割データを書き込むHDDを切り替える
ことを特徴とする[1]に記載の書き込み制御装置。
上記発明では、外周部のトラックへの書き込みを行っていたHDDと、内周部のトラックへの書き込みを行っていたHDDを切り替える。これにより、HDDの保存領域を有効に使用することができる。
[3]各HDDの記憶領域を内周部、外周部を基準に複数の領域に分割し、前記書き込み制御部は、
前記第2分割データを、前記第1分割データよりも外周側の領域のトラックに書き込む
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の書き込み制御装置。
上記発明では、HDDの記憶領域を内周部、外周部を基準に複数の領域に分割し、第2分割データを、第1分割データよりも外周側の領域のトラックに書き込む。
]前記データ分割部は、
前記N個の分割データの比率、それぞれの分割データの書き込み先のトラックのデータ転送速度の比率一致する場合よりも、内周部に書き込む分割データが外周部に書き込む分割データより多くなる比率に決定して前記分割を行う
ことを特徴とする[1]乃至[]のいずれか1つに記載の書き込み制御装置。
上記の発明では、書き込み予定のデータの分割比を、それぞれの分割データの書き込み先のトラックのデータ転送速度の比率一致する場合よりも、内周部に書き込む分割データが外周部に書き込む分割データより多くなる比率に決定することで、内周部のトラックが外周部のトラックより早く埋まるようになる。
[5]請求項1〜に記載の書き込み制御装置と、
前記記憶部から読み出した前記分割データに基づいて画像形成を行う画像形成部と、
を備え、
前記所定の書き込み限界時間は、前記画像形成部が連続プリントを行うことが可能な時間の最大値である
ことを特徴とする画像形成装置。
上記発明では、分割データのデータ量が、書き込み先のトラックのデータ転送速度と所定の時間を乗算した値を超えないようにして、各分割データのデータ量を決定する。所定の時間は、前記画像形成部が連続プリントを行うことが可能な時間の最大値である。これにより、画像形成装置は生産性を維持することができる。
本発明に係る書き込み制御装置、画像形成装置によれば、複数台のHDDを併用する場合において、各HDDの保存領域を有効に利用しつつ、所望のデータ転送速度を確保することができる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。 画像形成装置が分割データを分散保存する様子を示す説明図である。 領域パターンの例を示す説明図である。 一台のHDDを使用する場合に、トラック番号とデータ転送速度の関係を示す図である。 画像形成装置が、分割データを分散保存する際に、各HDDにおいて、書き込み場所となるトラック番号と、書き込みにかかる時間の関係を示す図である。 画像形成装置が分割データを分散保存する際に行う処理を示す流れ図である。 一台のHDDにデータを書き込む様子を示す説明図である。 一台のHDDを使用する場合に、データの書き込み場所とデータ転送速度の関係を示す図である。 一台のHDDを使用する場合に、データの書き込み場所とデータの書き込みにかかる時間の関係を示す図である。 三台のHDDに、ストライピングでデータを書き込む際の様子を示す説明図である。 三台のHDDに、ストライピングでデータを保存する際に、データの書き込み場所とデータの書き込みにかかる時間の関係を示す図である。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置10の概略構成図を示す。画像形成装置10は、当該画像形成装置10の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)11と、バス23を通じてCPU11に接続されたROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、不揮発メモリ14と、3台のHDDを備える記憶部15と、表示部16と、操作部17と、ネットワークI/F部18と、スキャナ部19と、画像処理部20と、プリンタ部21と、ファクシミリ通信部22で構成されている。
CPU11はOS(Operating System)プログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどが実行される。ROM12には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が処理を実行することでジョブの実行など画像形成装置10の各機能が実現される。RAM13はCPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリなどとして使用される。
不揮発メモリ14は、電源がオフにされても記憶が保持できる書き換え可能なメモリ(フラッシュメモリ)である。不揮発メモリ14には、装置固有の情報や各種の設定情報などが記憶される。実施の形態では、後述する領域パターン等が登録される。
記憶部15は、大容量の不揮発の記憶装置であるHDDを3台(HDD1、HDD2、HDD3)備えている。3台のうち、任意のいずれか1つを指す場合はHDDと示す。HDDは、OSプログラムや各種アプリケーションプログラム、印刷データや画像データ、ジョブ履歴、設定途中履歴などが保存される。
HDDのディスク上には、保存領域として複数のトラックがあり、各トラックでのデータ転送速度は異なる。外周部のトラックはデータ転送速度が速く、内周部のトラックはデータ転送速度が遅い。また、各トラックには、最外周のトラックの番号を1とし、1つ内周側となる毎に、2、3、4…と1ずつ増加するようにトラック番号が割り振られている。実施の形態では、トラック番号Rを最内周のトラックとする。
実施の形態では、複数のトラックを、外周部、中間部、内周部の3つの領域に区分し、いずれかの領域のトラックに書き込みを行う。なお、HDDに書き込みを行う際には、CPU11が書き込み先(セクタ)を指定する。
表示部16は、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などで構成され、各種の操作画面、設定画面などを表示する機能を果たす。操作部17は、ユーザからジョブの投入や設定など各種の操作を受け付ける機能を果たす。操作部17は、表示部16の画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルのほかテンキーや文字入力キー、印刷開始のスタートボタンなどを備えて構成される。
ネットワークI/F部18は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて接続されている他の外部装置などと通信を行う。
スキャナ部19は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。スキャナ部19は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
画像処理部20は、画像の拡大縮小、回転などの処理のほか、印刷データをイメージデータに変換するラスタライズ処理、画像データの圧縮、伸張処理を行う。
プリンタ部21は、画像データに応じた画像を記録紙上に画像形成する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置等とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタ(プリンタエンジン)として構成されている。画像形成は、インクジェット方式や、他の方式でもかまわない。
ファクシミリ通信部22は、ファクシミリ送信および受信に係る動作を制御する。
本発明の画像形成装置10は、書き込み対象のデータを3つの不均等な分割データに分割し、3台のHDDに並列動作で分散保存させる。当該分散保存を行う際は、3つの分割データのうち、データ量が最も多い分割データはデータ転送速度が高速な外周部のトラックに、データ量が2番目に多い分割データはデータ転送速度が中速な中間部のトラックに、データ量が最も少ない分割データはデータ転送速度が低速な内周部のトラックに書き込む。これにより、各HDDへの分割データの書き込み時間を平滑化する。内周部のトラックのデータ転送速度で、画像形成装置10が生産性を維持する為に足りない分を、外周部のトラックが補っているので、記憶部15(3台のHDD全体)でのデータ転送速度を画像形成装置10が生産性を維持する為に必要な速度以上にすることができる。また、各分割データを保存するHDDを巡回させることで、各HDDの保存領域を有効に使用することができる。
図2は、本発明の画像形成装置10が、分割データを分散保存する様子の一例を示す。まず、画像形成装置10は、予め各HDDの保存領域を、トラックを境界として3つの領域に区分しておく。外周部を領域A、中間部を領域B、内周部を領域Cとする。実施の形態では、各領域の大きさは領域A>領域B>領域Cとする。
次に、データを保存する指示を受け付けたら、書き込み対象のデータをX:Y:Z(X>Y>Z)の比率で3つの分割データに分割する。Xの比率で分割された分割データを分割データD、Yの比率で分割された分割データを分割データE、Zの比率で分割された分割データを分割データFとする。図2では、分割データDをHDD1に、分割データEをHDD2に、分割データFをHDD3に分散保存する。
分散保存を行う際には、各分割データを異なる領域に保存する。各領域でのデータ転送速度を比べると、外周部にある領域Aが最も速く、内周部にある領域Cが最も遅い。そこで、分散保存を行う際には、データ量が最も多い分割データDは領域Aに、データ量が2番目に多い分割データEは領域Bに、データ量が最も少ない分割データFは領域Cに書き込む。これにより、各HDDに分割データを書き込むために要する時間を平滑化する。
なお、本発明の実施の形態では、各領域にデータを書き込む際には、各領域における外周部から内周部に向かって順番にデータを書き込んでいくものとするが、この他の順番でもよい。内周部から外周部に向かって順番に書き込むようにしてもかまわない。
3台のHDDに分散保存を続け、書き込み中の3つの領域(図2では、HDD1の領域A、HDD2の領域B、HDD3の領域C)のうち、いずれかの領域が埋まった場合は(空き領域が無くなったら)、各分割データを保存するHDDを切り替える(巡回させる)。各HDDにおいて書き込みを行う領域が変更されるので、前述の切り替えを繰り返すことで、HDDの保存領域を有効に使用する。
分割データを保存するHDDを切り替える(巡回させる)方法について説明する。画像形成装置10は、各HDDのどの領域を使用するかについて、予め複数のパターン(組み合わせ)を領域パターンとして登録しておき、その領域パターンの示す領域に対して、対応する分割データを書き込む。
図3は、領域パターンの例を示す。領域パターン1は、図2の場合と同じく、HDD1の領域A、HDD2の領域B、HDD3の領域Cを使用するパターンである。領域パターン2は、HDD1の領域C、HDD2の領域A、HDD3の領域Bを使用するパターンである。領域パターン3は、HDD1の領域B、HDD2の領域C、HDD3の領域Aを使用するパターンである。いずれの領域パターンであっても、3種類の領域が全て組み合わさっている。
次に、各領域のデータ転送速度について説明する。図4のグラフ93は、HDDにデータを書き込む場所(トラック番号)とデータ転送速度との関係を示している。グラフ93では、縦軸はデータ転送速度を、横軸は書き込み場所(トラック番号)を示す。トラック番号が大きくなるにつれて(書き込み場所が内周側に進むにつれて)データ転送速度は遅くなっていく。たとえば、トラック番号1(最外周のトラック)でのデータ転送速度は140MB/Sであるが、トラック番号R(最内周のトラック)でのデータ転送速度は80MB/Sとなっている。なお、トラック番号1〜Pの保存領域を領域A、トラック番号P〜Qの保存領域を領域B、トラック番号Q〜Rの保存領域を領域Cとする。
図4では、領域Aにてデータを読み書きする場合のデータ転送速度の最低値は120MB/Sであり、領域Bにてデータを読み書きする場合のデータ転送速度の最低値は100MB/Sであり、領域Cにてデータを読み書きする場合のデータ転送速度の最低値は80MB/Sとなる。CPU11は、書き込み予定の分割データのデータ量÷書き込み先となる領域におけるデータ転送速度の最低値を、各HDDにおいて分割データの書き込みに要する時間として概算する。各領域におけるデータ転送速度の最低値を用いてデータ転送に要する時間(分割データの書き込みにかかる時間)を概算しているので、当該概算によって算出された時間よりも、実際の書き込み時間が長くなることはない。
各領域でのデータ転送速度の最低値を取得したら(実測値や、各トラックでのデータ転送速度を示すデータ等から)、次に、X:Y:Z(図2参照)の比率を決定する。X:Y:Zの比率は、3つの分割データを書き込む際に、画像形成装置10が生産性を維持する為に必要なパフォーマンスに達するように決定する。
たとえば、画像形成装置10は外部のPC(Personal Computer)端末から受信した印刷ジョブ(PCプリントジョブ)を実行する場合、画像形成装置10としての生産性が維持される速度、すなわち、画像形成装置10のスペック上の最大印刷速度での印刷が要求される。
PCプリントジョブでは、受信した印刷データをイメージデータに展開して画像データを作成し、この画像データをHDDに順次保存する処理を行いながら、展開の完了したページの画像データをHDDから順にページメモリに読み出し、1ページ分の画像データがページメモリに格納された時点でプリンタ部21にそのページの印刷を指示するようになっている。このため、展開した画像データをHDDに転送する場合やHDDからページメモリへ画像データを読み出す際のデータ転送に時間がかかると(データ転送速度が遅いと)、プリンタ部21での印刷待ちが発生し、画像形成装置10の生産性が低下してしまう。
画像形成装置10が生産性を維持するためには、各分割データを書き込む際にかかる時間の最大値が、分割前のデータ量÷生産性維持速度によって求められる時間(この時間を限界時間と呼ぶ)を超えないようにX:Y:Zの比率を決定する。
具体的には、各分割データのデータ量が、書き込み先となる領域のデータ転送速度の最低値と限界時間(S)を乗算した値を超えないように、X:Y:Zの比率を決定すれば、画像形成装置10が生産性を維持することができる。たとえば、図4では、領域A、領域B、領域Cでのデータ転送速度の最低値は、120MB/S、100MB/S、80MB/Sであるので、
・分割データDのデータ量を120MB/S×限界時間(S)以下、
・分割データEのデータ量を100MB/S×限界時間(S)以下
・分割データFのデータ量を80MB×限界時間(S)以下となるようにしつつX:Y:Zの比率を決定する。実施の形態では、一度決定した比率での分割を繰り返し行う。
なお、X:Y:Zの比率が、各領域のデータ転送速度の最低値の比率(図4では、120MB/S:100MB/S:80MB/S)に近いほど、3台のHDDが、分割データを書き込む際にかかる時間の差が少なくなる。
また、3つの領域のうち、領域Cが最も速く埋まるようにX:Y:Zの比率を決定すれば、領域パターンのローテーション(図3参照)が1周した後(全てのHDDの領域Cが埋まってしまった後)、領域Aと領域Bには空き領域が残っていることになる。そのような場合は、領域A、領域Bの空き領域を使用してRAID0(ストライピング)を行うことで、全ての保存領域を使用することができる。
図5のグラフ94は、X:Y:Zの比率を、図4における各領域のデータ転送速度の最低値の比率(120:100:80)と同じ比率にした場合において、各分割データ(分割データD、E、F)の書き込み場所(トラック)と、各分割データの書き込みにかかる時間との関係を示す。グラフ94では、横軸はトラック、縦軸は各分割データの書き込みにかかる時間を示している。
曲線94Aは、分割データDをHDD1に書き込む際の書き込み場所(領域A)と書き込みにかかる時間を、曲線94Bは分割データEをHDD2に書き込む際の書き込み場所(領域B)と書き込みにかかる時間を、曲線94Cは分割データFをHDD3に書き込む際の書き込み場所(領域C)と書き込みにかかる時間を示す。なお、点線94Dは任意のHDD1台に分割前のデータを書き込んだ場合の書き込み場所と書き込みにかかる時間を示す。
3台のHDDに並列動作で書き込みを行っているので、1台のHDDにデータを書き込む場合に比べて、書き込みにかかる時間は少なくなっており、画像形成装置10の生産性を維持する為に必要とするパフォーマンスに達している。また、X:Y:Zの比率が、各領域のデータ転送速度の最低値の比率と同じ比率なので、3台のHDDが分割データの書き込みにかかる時間はほぼ同じである。
次に、HDDの領域(領域A、領域B、領域C)の区分方法について説明する。3つの領域に区分する場合、各領域のデータ転送速度の最低値を合計した値が、生産性維持速度以上になるようにして領域を区分する。実施の形態では、各領域の大きさが、領域A>領域B>領域Cになるように区分する。領域が区分されたら、分割データを作成する際の比率を決定し(画像形成装置10が生産性を維持できるような比率)、記憶しておく。
なお、X:Y:Zの比率を、3つの領域の大きさの比率(領域A:領域B:領域C)と同じ値に固定した場合は、各HDDにおいて、書き込み中の領域に空き領域が無くなるタイミングが揃うため、領域パターンのローテーションが一周する際には(図3参照)、HDDの全保存領域を無駄なく使用することができる。
図6は、画像形成装置10が、データをHDDに書き込む際の処理の流れを示す。まず、予め各HDDの保存領域を3つの領域に区分し、書き込み予定のデータを分割する際の比率(X:Y:Zの比率(図2参照))を決定しておく。データを書き込む指示を受け付けたら、書き込み予定のデータを取得する(ステップS101)。
次に、書き込み予定のデータを、予め決定しておいた比率で3つの分割データに分割する(ステップS102)。そして、現在設定されている領域パターンに従って、書き込み先となる各領域に対応する分割データの書き込みを開始する(ステップS103)。
いずれかのHDDにて、書き込み中の領域に空き領域が無くなったら(ステップS104;Yes)、領域パターンを現在設定中のものから別のものに変更し(ステップS105)、ステップS104に戻って処理を継続する。
いずれかのHDDにて、書き込み中の領域に空き領域が無くなる前に(ステップS104;No)書き込みが終了したら(ステップS106;Yes)処理を終了する。書き込みが終了するまでは(ステップS106;No)、ステップS104に戻って処理を継続する。
なお、登録されている全ての領域パターンにて、いずれかの領域に空き領域が無くなってしまった場合は、ユーザにその旨を通知する。ユーザが、不要な保存データを消去したり、新たなHDDに交換することで空き領域を復活させたら、元の処理に復帰する。領域C以外の領域に空き領域がある場合は、その空き領域を使用してRAID0(ストライピング)を行ってもよい。
本発明は、書き込み対象のデータを3つの不均等な分割データに分割し、3台のHDDに並列動作で分散保存させる。3台のHDDに並列動作で書き込みを行うので、全体でのデータ転送速度を高速化することができる。また、分散保存を行う際、3つの分割データのうち、データ量が最も多い分割データは外周部のトラック(領域A)に、データ量が2番目に多い分割データは中間部のトラック(領域B)に、データ量が最も少ない分割データは内周部のトラック(領域C)に書き込む。これにより、1台のHDDに分割データを書き込む際にかかる時間を平滑化する。また、各分割データを保存するHDDを切り替える(巡回させる)ことで、各HDDの保存領域を有効に使用することができる。背景技術に記載したRAID0(ストライピング)を行う構成のように、新たなHDDを増設する必要がない。
書き込み対象のデータを分割する際には、画像形成装置10が生産性を維持することができるような比率で分割する。データを分割する際の比率(X:Y:Z)が、各領域のデータ転送速度の最低値の比率に近いほど、各HDDに分割データを書き込む際にかかる時間が平滑化される。データを分割する際の比率(X:Y:Z)が、各領域のデータ転送速度の最低値の比率と一致する場合は、最もデータの書き込みにかかる時間が短い。また、データを分割する際の比率(X:Y:Z)が、各領域の比率(領域A:領域B:領域C)に近いほど、HDDの保存領域を無駄なく使用することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
本発明の実施の形態では、画像形成装置10がHDDを3台備えていたが、HDDの台数はこれに限らない。2台以上であればよい。
本発明の実施の形態では画像形成装置10を例に説明したが、複数台のHDDと、データの分割およびHDDへの書き込みを制御するCPU11で構成された書き込み制御装置であってもよい。
本発明の実施の形態では、HDDの保存領域を3つの領域に区分したが、領域の数はこれに限らない。2以上の領域であればよい。3つの領域の大小関係は領域A>領域B>領域Cでなくともよいが、領域A>領域B>領域Cとなるようにした場合は、各領域に保存する分割データの大小関係と同じになるので、HDDの記憶領域を有効に使用することができる。また、複数の領域に区切らなくてもよい。たとえば、HDDが2台であれば、一方を外周部から内周部に向かって順番に書き込み、もう一方を内周部から外周部に向かって書き込むように制御すればよい。
本発明の実施の形態では、一度決定した比率を繰り返し使用したが、データを分割する度に再決定してもよい。たとえば、各トラックとデータ転送速度との関係を把握しておき、所定の量のデータを書き込む度に、次に書き込む領域のトラックのデータ転送速度から分割比率を求め直してもよい。また、データの分割比率は、実施の形態で述べたものに限らない。画像形成装置10が生産性を維持することができるような比率であればユーザが任意に設定してもよい。データの分割数は3つに限らない。2以上であれば、HDDの台数より少なくてもよい。
10…画像形成装置
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…不揮発メモリ
15…記憶部(HDD1、HDD2、HDD3)
16…表示部
17…操作部
18…ネットワークI/F部
19…スキャナ部
20…画像処理部
21…プリンタ部
22…ファクシミリ通信部
23…バス
90…グラフ
91…グラフ
92…グラフ
93…グラフ
94…グラフ
94A…曲線
94B…曲線
94C…曲線
94D…点線
A…領域
B…領域
C…領域
D…分割データ
E…分割データ
F…分割データ

Claims (5)

  1. N(N=2以上の整数)台のHDDを備える記憶部と、
    前記記憶部に書き込む予定のデータをN個の不等分な分割データに分割するデータ分割部と、
    前記N個の分割データを前記N台のHDDに並列動作で分散保存させる書き込み制御部と、
    を備え、
    前記書き込み制御部は、前記N個の分割データのうち、第1分割データよりもデータ量の多い第2分割データは、前記第1分割データよりも外周部のトラックに書き込み、
    前記データ分割部は、前記分割データのデータ量が、書き込み先のトラックのデータ転送速度と所定の書き込み限界時間を乗算した値を超えない範囲で、内周部のトラックが外周部のトラックより早く埋まるように前記分割を行う
    ことを特徴とする書き込み制御装置。
  2. 前記書き込み制御部は、前記第1分割データを書き込むHDDと、前記第2分割データを書き込むHDDを切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の書き込み制御装置。
  3. 各HDDの記憶領域を内周部、外周部を基準に複数の領域に分割し、前記書き込み制御部は、
    前記第2分割データを、前記第1分割データよりも外周側の領域のトラックに書き込む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の書き込み制御装置。
  4. 前記データ分割部は、
    前記N個の分割データの比率、それぞれの分割データの書き込み先のトラックのデータ転送速度の比率一致する場合よりも、内周部に書き込む分割データが外周部に書き込む分割データより多くなる比率に決定して前記分割を行う
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の書き込み制御装置。
  5. 請求項1〜に記載の書き込み制御装置と、
    前記記憶部から読み出した前記分割データに基づいて画像形成を行う画像形成部と、
    を備え、
    前記所定の書き込み限界時間は、前記画像形成部が連続プリントを行うことが可能な時間の最大値である
    ことを特徴とする画像形成装置。
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