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JP5771086B2 - 油圧ジャッキ - Google Patents
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本発明は下段のロッドに対して上段のロッドを出し入れする油圧ジャッキに関する。
特許文献1に開示された油圧ジャッキは、下位のピストンの背圧室と上位のピストンの正圧室を連通させており、その伸縮は以下のように行われる。すなわち、油圧ジャッキを伸長するときは、最下位のピストンの正圧室に圧油を供給する。すると、最下位のピストンが上昇し、また、このピストンの背圧室の容積減少に伴って上位のピストンの正圧室に圧油が供給され、これによって当該上位のピストンが上昇する。また、同様にしてその他のピストンも上昇し、これにより油圧ジャッキが伸長する。また、前記最下位のピストンの正圧室の圧力を開放することで各ピストンが下降し、これにより油圧ジャッキが収縮する。
特開2004−218734号公報
ところで、前記油圧ジャッキの伸縮時には、下位のピストンとこれに挿入された上位のピストンの間から作動油が噴き出して周囲が汚れる可能性がある。
また、特許文献1では、上位のピストンと下位のピストンの間に設けられたダストシール及びこの下方のオイルシールの間で蓄圧が生じて作動油が噴き出してしまうことを防止するために、ダストシールの周方向の一部を切開する技術が開示されている。しかし、ダストシールの周方向の一部を切開するだけでは、前記蓄圧を完全に防止することはできず、また、ダストシールの切開部分から作動油が噴出することも懸念され、作動油が噴出するという課題は依然としてある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、作動油の噴出を適切に抑制できる油圧ジャッキを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明の油圧ジャッキは、下段のロッドの内部に供給する作動油の量を変化させることで、上段のロッドを前記下段のロッドから出し入れする油圧ジャッキであって、前記下段のロッドの内周面の上縁に亘って外側に凹む油溜用切欠部が形成され、前記下段のロッドの上端部に前記油溜用切欠部の周方向の一部を前記下段のロッドの外周面に通じさせる連通路が設けられたことを特徴とする。
また、前記下段のロッドの上端部外周面に上下方向に延びる案内溝が形成され、この案内溝の上端部を前記連通路に通じさせることが好ましい。
本発明にあっては、上段のロッドと下段のロッドの間から作動油が噴出することを適切に抑制することができる。
本実施形態の油圧ジャッキにおける可動ロッドの要部を示す断面図である。 油圧ジャッキを設けたエレベータ装置を示す斜視図である。 ジャッキ本体を示す正面図である。 ジャッキ本体の内部構造を模式的に示した説明図である。 固定ロッドの要部を示す断面図である。
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。図2に示すように本実施形態の油圧ジャッキ1はエレベーター装置の駆動手段として用いられるものであって、ジャッキ本体2と、作動油を貯留するタンク3と、タンク3内の作動油をジャッキ本体2に供給するポンプ(不図示)を備えている。前記ポンプは、エレベーター室32の底部上にジャッキ本体2と並べて設置された縦長の油圧ユニット4に組み込まれている。また、前記タンク3は油圧ユニット4の上端部に設けられている。
エレベーター装置は、油圧ジャッキ1の他、ジャッキ本体2の最上段のロッド5の上端部に連結されるプラットホーム29と、プラットホーム29により支持されるエレベーターかご30を具備している。プラットホーム29はジャッキ本体2を伸縮させることで昇降し、これによりエレベーターかご30が昇降する。図2中符号31はエレベーターかご30の昇降をガイドするガイドレールであり、ジャッキ本体2の両側に位置するようにエレベーター室32の底部上に二本立てた状態で設けられている。
図3に示すように、ジャッキ本体2は多段式であって、複数のロッド5を有し、最下段のロッド5を除く各ロッド5は下段のロッド5に対して出し入れ自在に挿入されている。最下段のロッド5は設置面に固定される固定ロッド6を構成し、その他のロッド5は下段のロッド5に対して昇降する可動ロッド7を構成する。本実施形態のジャッキ本体2は可動ロッド7を3本有しており、計4本のロッド5を有している。
図4はジャッキ本体2の内部構造を模式的に示した説明図である。図示されるように、最上段のロッド5(以下、最上段ロッド13と記載)を除く各ロッド5は、上下に長い円筒状のシリンダー部8を有している。
各可動ロッド7の下端部には膨大したピストン部9が形成されている。また、最上段ロッド13を除く各可動ロッド7は、ピストン部9によってシリンダー部8の下端が閉塞されている。
各可動ロッド7のピストン部9は、下段のロッド5のシリンダー部8に上下方向に摺動自在に収納されている。最上段ロッド13を除く各ロッド5のシリンダー部8の内部は、ピストン部9によって、ピストン部9の下方に位置する第一油室10と、ピストン部9の上方で且つ上段の可動ロッド7のシリンダー部8の周囲に位置する第二油室11とに仕切られている。
固定ロッド6のシリンダー部8の下端部には、当該固定ロッド6の第一油室10に通じるポート12が形成されている。ポート12は図示しないホースを介して前記タンク3に通じている。これにより、タンク3内の作動油を固定ロッド6の第一油室10に供給したり、固定ロッド6の第一油室10内の作動油をタンク3に排出できるようになっている。
最上段ロッド13を除く各可動ロッド7のシリンダー部8の下端部には連通孔14が形成されている。最上段ロッド13を除く各可動ロッド7の第一油室10は、連通孔14を介して下段のロッド5の第二油室11に通じている。最上段ロッド13を除く各可動ロッド7の第一油室10及び第二油室11、並びに固定ロッド6の第二油室11には、作動油が封入されている。また、最上段ロッド13のピストン部9には、下段のロッド5の第二油室11を同ロッド5の第一油室10に通じさせる小孔15が形成されている。
ジャッキ本体2を伸長させるには、前記ポンプを駆動してタンク3内の作動油を固定ロッド6の第一油室10に供給し、固定ロッド6内に配置した上段の可動ロッド7のピストン部9を上昇させる。このようにすると、固定ロッド6の第二油室11の容積が減少して同第二油室11内の作動油が連通孔14を介して上段の可動ロッド7の第一油室10に供給され、当該可動ロッド7のピストン部9が上昇する。また同様にして、その他の可動ロッド7のピストン部9も上昇する。このようにして各可動ロッド7は下段のロッド5から上方に突出し、これによりジャッキ本体2は伸長する。前記ジャッキ本体2の伸長時には、上から二段目の可動ロッド7の第二油室11の作動油は小孔15を介して当該可動ロッド7の第一油室10に流入し、これにより当該第二油室11の容積は他の第二油室11と同様に減少する。
ジャッキ本体2を収縮するには、前記ポンプのモーターを伸長時とは逆回転して、固定ロッド6の第一油室10内の作動油をポート12を介してタンク3に排出し、これにより固定ロッド6内に配置した上段の可動ロッド7のピストン部9を下降させる。このようにすると、固定ロッド6の第二油室11の容積が増大して同第二油室11に上段の可動ロッド7の第一油室10から作動油が供給され、これに伴い当該第一油室10の容積が減少して当該可動ロッド7が下降する。また同様にして、その他の可動ロッド7のピストン部9も下降する。
ジャッキ本体2の伸長量は、前記ポンプの駆動を制御してタンク3から固定ロッド6の第一油室10に供給される作動油の量を変更することで調節できる。すなわち、固定ロッド6の第一油室10に供給される作動油の量を調節すれば、最上段ロッド13を除く各可動ロッド7の第一油室10に下段のロッド5の第二油室11から供給される作動油の量を調節でき、これによりジャッキ本体2の伸長量を調節できる。
なお、前記上から二段目の可動ロッド7の第二油室11は省略可能であり、この場合は最上段ロッド13には小孔15を設けない。
図3に示すように、最上段ロッド13を除くロッド5のシリンダー部8の上端部は、外径が下方部よりも大きくなった膨大部16としてあり、各膨大部16の外周端部の下面は内周側に行く程徐々に下り傾斜したテーパー面39となっている。
図1に示すように、各膨大部16の内側には上段のロッド5を通すための通孔40(図1等参照)が形成されている。各膨大部16の前記通孔40を構成する内周面には、周方向の全長に亘る溝部17が上下方向に3条形成されている。これら溝部17には、ダストシール18、パッキン19、及びウェアリング21が上方の溝部17から順に設けられている。ダストシール18は当該ダストシール18が設けられたロッド5とこの内側の上段の可動ロッド7の間に形成される隙間23から塵や埃が浸入することを抑制する。パッキン19はロッド5内部の作動油が隙間23から漏れ出すことを抑制する。ウェアリング21は当該ウェアリング21が設けられたロッド5に対してこの内側の可動ロッド7の中心位置を規定する。図1中符号20はロッド5内部の圧力を緩衝するバッファリングである。
既述の油圧ジャッキ1は、図1及び図5に示すように、最上段ロッド13を除く各ロッド5の上端部に油溜用切欠部22が形成されている。各油溜用切欠部22は、シリンダー部8の上端部の内周面の上縁に周方向の全長に亘って形成されており、当該ロッド5の外側に向けて凹んでいる。
各油溜用切欠部22は平面視円環状に形成されており、シリンダー部8の上端面から上方に開口している。また、各油溜用切欠部22は、当該油溜用切欠部22が設けられたロッド5のシリンダー部8と、この内側に位置する上段の可動ロッド7のシリンダー部8の間に形成される隙間23に通じている。
前記油圧ジャッキ1の伸縮に伴い、各可動ロッド7の外周面には下段のロッド5の第二油室11内の作動油が付着する。また、前述したように、上から二段目の可動ロッド7の第二油室11を省略した場合も、当該可動ロッド7のシリンダー部8の内面に付着した作動油が最上段ロッド13の外周面に付着する場合がある。前記各可動ロッド7の外周面に付着した作動油は当該ロッド5が下段のロッド5から突出した状態で当該ロッド5の外周面を伝って流下し、下段のロッド5の油溜用切欠部22に溜まるようになっている。また、前記可動ロッド7の外周面に付着した作動油は、当該ロッド5が下段のロッド5に挿入される際にも当該下段のロッド5の油溜用切欠部22に溜まるようになっている。このようにして油溜用切欠部22に溜められた作動油は、下段のロッド5のシリンダー部8と上段のロッド5のシリンダー部8との間に形成された隙間23を塞ぐ。
図1及び図5に示すように、最上段ロッド13を除く各ロッド5の上端部には、油溜用切欠部22の外周面を構成する周壁部24が上方に向けて突出している。各周壁部24の外周面は下方の膨大部16の外周面と面一となって連続している。
図1に示すように、最上段ロッド13を除く各可動ロッド7の周壁部24の周方向の一部又は周方向の複数箇所には、内側の油溜用切欠部22を当該ロッド5の外周面に通じさせる連通路26が形成されている。このため、油溜用切欠部22に溜まった作動油の一部は、油溜用切欠部22の上側から溢れ出す前に、連通路26を介して当該連通路26が設けられたロッド5の外周側に流れ出るようになっている。
各連通路26は、周壁部24の内側に位置する横孔25と、周壁部24の外側に位置して上方に開口する切欠部28で構成されている。
横孔25はこの内側の油溜用切欠部22の底面よりも上方に位置しており、当該油溜用切欠部22には横孔25のレベルまで作動油が溜まるようになっている。図1中a1で示す二点鎖線は、油溜用切欠部22に溜められた作動油の液面を表している。また、切欠部28は周壁部24の外周面の周方向の一部から開口している。
図1に示すように、最上段ロッド13を除く各可動ロッド7の膨大部16の外周面には、上端部が連通路26の切欠部28に通じる案内溝38が形成されている。案内溝38は上下方向に延びる縦溝で構成されている。
案内溝38の上端部は連通路26を介して内側の油溜用切欠部22に通じている。案内溝38の下端は膨大部16のテーパー面39から下方に開口している。このため、油溜用切欠部22に溜められた作動油の一部は、連通路26を介して案内溝38に供給される。この案内溝38に流れ込んだ作動油は、図1の矢印で示すように案内溝38の内面に沿って流下し、この後、案内溝38の下端から膨大部16のテーパー面39側に排出される。また、このようにテーパー面39側に排出された作動油は、テーパー面39に沿って流下して膨大部16下方のシリンダー部8の外周面に至り、このシリンダー部8の外周面に沿って流下して、下段のロッド5の油溜用切欠部22に至る。つまり、最上段ロッド13を除く各可動ロッド7の油溜用切欠部22に溜められた作動油は、連通路26及び案内溝38を介して下段のロッド7の油溜用切欠部22に供給される。
図5に示すように、固定ロッド6の周壁部24の周方向の一部には、管状の管接続具33が設けられている。管接続具33の油溜用切欠部22と反対側の端部には管接続部35が形成されている。管接続部35は固定ロッド6の外側に向けて突出している。
管接続部35には図5中二鎖線で表した接続管36の一端が接続されている。また、図示は省略するが、接続管36の他端は前記タンク3に接続されている。これにより、固定ロッド6の油溜用切欠部22に溜まった作動油の一部を、管接続具33及び接続管36を順に介して前記タンク3に供給できるようになっている。
管状の管接続具33の内側に形成された前記作動油を流すための孔37は、固定ロッド6の油溜用切欠部22の底面よりも上方に位置している。このため、当該油溜用切欠部22には孔37のレベルまで作動油が溜まるようになっている。図5中a2で示す二点鎖線は、油溜用切欠部22に溜められた作動油の液面を表している。
以上説明した本実施形態の油圧ジャッキ1は、下段のロッド5の内部に供給する作動油の量を変化させることで、上段のロッド5を下段のロッド5から出し入れするものである。そして、前記下段のロッド5の内周面の上縁に亘って外側に凹む油溜用切欠部22が形成されるという構成を有している。このため、上段のロッド5の外周面に付着した作動油を下段のロッド5の油溜用切欠部22に溜め、この作動油によって下段のロッド5のシリンダー部8と上段のロッド5のシリンダー部8との間の隙間23を塞ぐことができる。従って、油圧ジャッキ1の伸縮時においては、油溜用切欠部22に溜めた作動油により、ロッド5内部にある作動油が前記隙間23から上方に噴出することを抑制することができ、油圧ジャッキ1の周囲は汚れ難くなる。
また、本実施形態では、可動ロッド7の上端部に油溜用切欠部22の周方向の一部を当該可動ロッド7の外周面に通じさせる連通路26が設けられている。仮に連通路26を設けなかった場合、油溜用切欠部22に溜めた作動油が油溜用切欠部22の上方から溢れ出し、当該可動ロッド7の上端面や外周面の広い範囲に付着することとなる。そして、このように広がって付着した作動油は油圧ジャッキ1の伸縮時等に生じる振動によって周囲に飛散する恐れがある。しかし、本実施形態では、前記連通路26を設けたことにより、油溜用切欠部22に溜まった作動油の一部を連通路26からまとめてロッド5の外周面に排出できる。このため、作動油がロッド5の上端面や外周面に広がって付着することを抑制でき、作動油が周囲に飛散することを一層抑制することができる。
また、本実施形態では、可動ロッド7の上端部外周面に上下方向に延びる案内溝38が形成され、案内溝38の上端部を連通路26に通じさせている。この構成により、油溜用切欠部22から連通路26を経てロッド5の外周面に排出された作動油を案内溝38によって筋状にまとめて流下させることができる。従って、可動ロッド7の上端部外周面を流下する作動油が、可動ロッド7の振動等によって周囲に飛散することをより一層抑制することができる。また、油溜用切欠部22内の作動油を案内溝38下方のロッド5の外周面に供給し、当該ロッド5の滑りを良くすることができる。
なお、ジャッキ本体2が有するロッド5の数は4本に限定されるものではなく、2本以上であればよい。また、連通路26の形状は本実施形態のものに限定されるものではなく、孔のみ又は切欠のみで構成してもよい。また、本実施形態では、案内溝38を膨大部16の外周面の下端まで形成したが、これに限定されるものではない。例えば、案内溝38をテーパー面39側に延ばしてテーパー面39の内周縁まで形成してもよく、この場合、案内溝38により作動油をシリンダー部8の膨大部16の下方部の外周面まで導くことができる。また、上記では油圧ジャッキ1をエレベーター装置に用いた例につき説明したが、これに限定されるものではなく、その他の装置に用いてもよい。
1 油圧ジャッキ
5 ロッド
22 油溜用切欠部
26 連通路
38 案内溝

Claims (2)

  1. 下段のロッドの内部に供給する作動油の量を変化させることで、上段のロッドを前記下段のロッドから出し入れする油圧ジャッキであって、前記下段のロッドの内周面の上縁に亘って、外側に凹む油溜用切欠部が形成され、前記下段のロッドの上端部に前記油溜用切欠部の周方向の一部を前記下段のロッドの外周面に通じさせる連通路が設けられたことを特徴とする油圧ジャッキ。
  2. 前記下段のロッドの上端部外周面に上下方向に延びる案内溝が形成され、この案内溝の上端部を前記連通路に通じさせたことを特徴とする請求項1に記載の油圧ジャッキ。
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