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JP5776824B2 - セルロースアシレートフィルムの製造方法 - Google Patents
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JP5776824B2 - セルロースアシレートフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

液晶表示装置に使用される偏光板を構成する保護フィルムなどに用いられるセルロースアシレートフィルムの製造方法、積層セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は低消費電力、省スペース等のメリットから、画像表示装置として広く用いられている。
そして、近年、画像の高画質化、大型化、汎用化、使用される場所の拡大などに伴い、耐久性、表示機能、視認機能の向上が求められている。
表示装置に用いられる偏光板を構成する偏光板用保護フィルムにも、このような機能の向上が求められており、特に視認性におけるコントラスト性、耐久性、大画面に対応するための長尺製膜性が要求されている。
一方、セルロースエステルフィルムは、透明性に優れ、かつ制御された屈折率異方性を有する膜を作成できるため、偏光板用保護フィルム、光学補償フィルムなど、光学用途に広く使用されている。
そして、光学用途に用いられるセルロースエステルフィルムとしては、例えば特開2007−56102号公報に記載の特定の可塑剤を添加剤としてフィルムに含有させ耐水性を改良したものが知られている。
さらに、添加剤による品質低下を防ぎ、偏光子などの親水性材料との密着性を付与し、優れた光学特性を有するものとして、特定のアシル基置換度を有するセルロースアシレートの層を積層したフィルムが知られている(特許文献1および2参照)。
しかしながら、これらのセルロースアシレートフィルムにおいても、上記のコントラスト性、耐久性、大画面に対応するための長尺製膜性を同時に満たすには不充分なものであった。
特開2004−268281号公報 特開2004−284335号公報
本発明の目的は、長尺製膜性に優れ、かつ耐久性、コントラスト性に優れる偏光板を与えるセルロースアシレートフィルムの製造方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の手段により達成される。
1.平均アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアシレート層Aと、該セルロースアシレート層Aの両側に隣接し該セルロースアシレート層Aの平均アシル基置換度よりも大である平均アシル基置換度を有するセルロースアシレート層Bとからなる3層構成の積層体を有する積層セルロースアシレートフィルムを製造する、セルロースアシレートフィルムの製造方法であって、
アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアセテート樹脂aを含有する溶液1を調製する工程(1)、
アシル基置換度が2.8より大であるセルロースアセテート樹脂bと、該セルロースアシレート層Bの平均アシル基置換度が、2.7よりも大となるように、アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアセテート樹脂dとを混合して、該セルロースアセテート樹脂bおよびセルロースアセテート樹脂dを、前記セルロースアセテート樹脂dの含有量と、前記セルロースアセテート樹脂bの含有量の比P(セルロースアセテート樹脂d/セルロースアセテート樹脂b(質量比))が、0.01から0.4であるように含有する溶液2を調製する工程(2)、
および該溶液1と該溶液2とを用いて共流延し、該セルロースアシレート層Bの乾燥膜厚を0.5〜15μmの範囲内となるように該積層セルロースアシレートフィルムを製造する工程(3)、
を有することを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
2.前記工程(3)が、前記セルロースアシレート層Bの乾燥膜厚を1〜10μmの範囲内となるように前記積層セルロースアシレートフィルムを製造することを特徴とする前記1に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
3.前記積層セルロースアシレートフィルムの膜厚が、55〜100μmの範囲内であることを特徴とする前記1または2に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
4.前記工程(2)が、前記アシル基置換度が2.8より大であるセルロースアセテート樹脂bと、セルロースアセテート樹脂bおよびセルロースアセテート樹脂dを含有するセルロースアセテート樹脂cとを混合する工程を有する、ことを特徴とする前記1からのいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
5.前記工程(2)が、前記アシル基置換度が2.8より大であるセルロースアセテート樹脂bと、前記アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアセテート樹脂dと、前記セルロースアセテート樹脂bおよびセルロースアセテート樹脂dを含有するセルロースアセテート樹脂cとを混合する工程を有する、ことを特徴とする前記に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
6.前記セルロースアセテート樹脂cのアシル基置換度が、前記積層セルロースアシレートフィルムの平均アシル基置換度と同じであることを特徴とする前記またはに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
7.前記セルロースアセテート樹脂cが、前記積層セルロースアシレートフィルムであることを特徴とする前記からのいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
8.前記セルロースアセテート樹脂cが、前記積層セルロースアシレートフィルムを破砕した破砕品であることを特徴とする前記に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
9.前記セルロースアシレート層Aの平均アシル基置換度と前記セルロースアセテート樹脂bのアシル基置換度の差が0.25以上であることを特徴とする前記1からのいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
10.前記セルロースアシレート層Aの平均アシル基置換度が、2.5以下であることを特徴とする前記1からのいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
本発明の上記手段により、滑性が良好であることで長尺製膜性に優れ、かつ密着性が良好であることで耐久性に優れ、コントラスト性に優れる偏光板を与える積層セルロースアシレートフィルムの製造方法が提供できる。
共流延に用いられる共流延ダイの例の一部を示す模式断面図である。
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法は、平均アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアシレート層Aと、該セルロースアシレート層Aの両側に隣接し該セルロースアシレート層Aの平均アシル基置換度よりも大である平均アシル基置換度を有するセルロースアシレート層Bとからなる3層構成の積層体を有する積層セルロースアシレートフィルムを製造する、セルロースアシレートフィルムの製造方法であって、アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアセテート樹脂aを含有する溶液1を調製する工程(1)、アシル基置換度が2.8より大であるセルロースアセテート樹脂bと、該セルロースアシレート層Bの平均アシル基置換度が、2.7よりも大となるように、アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアセテート樹脂dとを混合して、前記セルロースアセテート樹脂dの含有量と、前記セルロースアセテート樹脂bの含有量の比P(セルロースアセテート樹脂d/セルロースアセテート樹脂b(質量比))が、0.01から0.4であるように溶液2を調製する工程(2)、および該溶液1と該溶液2とを用いて共流延し、該セルロースアシレート層Bの乾燥膜厚を0.5〜15μmの範囲内となるように該積層セルロースアシレートフィルムを製造する工程(3)、を有することを特徴とする。
本発明では、上記特定のセルロースアシレート層A(以下単に、層Aともいう)と、該セルロースアシレート層Aの両側にセルロースアシレート層B(以下単に、層Bともいう)を共流延で製造することにより、滑性が良好であることで長尺製膜性優れ、かつ密着性が良好であることで耐久性に優れ、コントラスト性に優れる偏光板を与える積層セルロースアシレートフィルムが得られる。
本発明では特に、層Bとして、本発明の積層セルロースアシレートフィルムとアシル基置換度が2.7より大であるセルロースアシレートとの混合物を用いることで、生産性に優れ、長尺製膜性に優れ、かつ耐久性、コントラスト性に優れる偏光板を与える積層セルロースアシレートフィルムの製造方法が得られる。
(積層体)
平均アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアシレート層Aと、該層Aの両側に隣接し該層Aの平均アシル基置換度よりも大である平均アシル基置換度を有するセルロースアシレート層Bとからなる積層体は、以下の工程(1)、工程(2)、で作製された溶液1、溶液2を用い、工程(3)で、共流延により作製される。
本発明の積層セルロースアシレートフィルムは、本発明に係る積層体を有するが、層Aの、層Bとは反対側などに層を有する3層の構成である
この場合、3層目としては、層Bと同じ組成を有するセルロースアシレート層(以下、層Dという場合がある。)で有る。
3層の場合には、層Bまたは層Bと反対側の最表層を偏光子と接触させて偏光板として用いることができる。
(工程(1))
工程(1)では、平均アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアシレート層Aの形成に用いられる、アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアセテート樹脂aを含有する溶液1を調製する。
本発明でいう、アシル基置換度および平均アシル基置換度とは、ASTM−D817−96に準じて測定した値をいう。平均アシル基置換度とは、上記測定において、対象物全体を測定対象として測定した値である。
アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアセテート樹脂aは、セルローストリアセテートを鹸化して、アシル基置換度を調製する公知の方法により製造することができる。
アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアセテート樹脂aの数平均分子量は、60000〜300000の範囲が好ましく、さらに70000〜200000のものが好ましく用いられる。
セルロースエステルの数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができ、上記数平均分子量は、以下の測定条件で測定した値をいう。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用する)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500の13サンプルによる校正曲線を使用する。サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
セルロースアシレートの原料であるセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることができる。またそれらから得られたセルロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することができる。
セルロースアシレートを形成するエステル基としては炭素数2〜22程度の直鎖または分岐のカルボン酸エステルであることが好ましく、これらのカルボン酸は環を形成してもよく、芳香族カルボン酸のエステルでもよいが、炭素数が6以下の低級脂肪酸エステルが好ましく用いられる。
溶液1に用いられる溶媒としては、メチレンクロライド(塩化メチレン)などの塩素系有機溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミルギ酸エチルなどのエステル系有機溶媒、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、メタノール、エタノールなどのアルコール、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。
これらの中でも、メチレンクロライドとアルコールの混合溶媒が好ましく用いられる。
溶液1中のセルロースアシレートの含有量としては、10〜50質量%が好ましく、さらに10〜30質量%が好ましい。
溶液1を用いて形成される層Aの膜厚としては、1〜100μmが好ましく特に5〜70μmが好ましい。
(工程(2))
工程(2)では、層Aの平均アシル基置換度よりも大である平均アシル基置換度を有するセルロースアシレート層Bの形成に用いられる溶液2を調製する。
溶液2は、アシル基置換度が2.8より大であるセルロースアセテート樹脂bと、アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアセテート樹脂dとを含有する。
セルロースアセテート樹脂bは、1つの製造ラインで製造された単一材料である。
当該セルロースアセテート樹脂dの層Bにおける含有量は、層Bの平均アシル基置換度が、2.7以上となるように調整されて含有される。調整は、セルロースアセテート樹脂bおよびセルロースアセテート樹脂dのアシル基置換度と含有量から混合した場合の平均アシル基置換度を算出することにより行われる。
セルロースアセテート樹脂dの含有量と、セルロースアセテート樹脂bの含有量の比P(セルロースアセテート樹脂d/セルロースアセテート樹脂b(質量比))が、0.01から0.4である。
工程(2)において、セルロースアセテート樹脂dとセルロースアセテート樹脂bは、混合工程により混合される。混合工程としては、両者各々固形物として混合してもよいし、どちらか片方が溶液状態であってもよいし、両者ともに溶液状態であってもよいが、上記のような含有量に調製されて、溶液2が調製される。
上記混合工程では、セルロースアセテート樹脂dのみを含有するものと、セルロースアセテート樹脂bのみを含有するものとを混合してもよいが、特に混合工程が、セルロースアセテート樹脂bを含有するものと、セルロースアセテート樹脂bおよびセルロースアセテート樹脂dを含有するセルロースアセテート樹脂cとを混合する工程であることが、含有量の調整および当該積層セルロースアシレートフィルムを再利用することができるなどの面から、好ましい態様である。
即ち、本発明においては、特にセルロースアセテート樹脂cとして、本発明の積層セルロースアシレートフィルムを用いることが好ましい態様である。
即ち、セルロースアセテート樹脂cとして、積層セルロースアシレートフィルムを破砕して、所謂返材としてこの破砕品を用いることが好ましい態様である。
この場合には、製造した積層セルロースアシレートフィルムを回収して使用することにより、再利用でき、生産性が高い製造方法が得られる。
この場合には、セルロースアセテート樹脂cのアシル基置換度が、積層セルロースアシレートフィルムの平均アシル基置換度と同じであり、セルロースアセテート樹脂aと、セルロースアセテート樹脂dとは同じものになる。
積層セルロースアシレートフィルムの平均アシル基置換度とは、積層セルロースアシレートフィルム自体を測定対象として、上記アシル基置換度を測定する方法にて、測定した値である。
また、この場合の混合工程においても、両者各々固形物として混合してもよいし、どちらか片方が溶液状態であってもよいし、両者ともに溶液状態であってもよい。
セルロースアセテート樹脂bの数平均分子量は、60000〜300000の範囲が好ましく、さらに70000〜200000のものが好ましく用いられる。
本発明においては、特に層Bとしてセルロースアセテート樹脂bとセルロースアセテート樹脂dとの混合物を用いることで、滑性が良好で、密着性に優れ、高いコントラスト性を有する偏光板を与える積層セルロースアシレートフィルムが得られる。
上記効果が得られる理由は、明確ではないが、セルロースアセテート樹脂bとセルロースアセテート樹脂dの混合物を含有する溶液2と、溶液1を用いて共流延する際に、層B内でセルロースアセテート樹脂bとセルロースアセテート樹脂dの含有量の不均一化が起こり、乾燥される際にその表面の不均一化のために、表面に凹凸が生じ、セルロースアシレートのみで表面の粗面化が形成されるためと推定される。
本発明の製造方法により、積層アシレートフィルムの表面の粗さが、Ra値(算術平均粗さ)、JIS、B601(1994)に規定される値)が2.0以上であるものが得られる。本発明においては、特にRa値が3.0以上である積層アシレートフィルムが好ましい態様である。
本発明の効果は、層Aの平均アシル基置換度とセルロースアセテート樹脂bのアシル化置換度の差が、0.25以上であるときに大きい。
さらに、層Aの平均アシル基置換度が、2.5以下である場合にその効果は大きなものとなる。
溶液2に用いられる溶媒としては、層Aで用いられる溶媒と同様のものを用いることができる。
溶液2におけるセルロースアセテート樹脂dと、セルロースアセテート樹脂bの含有量の合計としては、10〜50質量%が好ましく、さらに10〜30質量%が好ましい。
溶液2を用いて形成される層Bの膜厚としては、0.5〜15μmであり特に1〜10μmが好ましい。
上記層A、層Bは、添加剤として公知の可塑剤および紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、金属不活性か剤、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤、2級アミン、3級アミンなどの劣化防止剤を含有してもよい。
(工程(3))
工程(3)では、溶液1と溶液2とを用いて共流延し、積層セルロースアシレートフィルムを製造する。本発明の積層セルロースアシレートフィルムとしては、上記のように、3層以上の構成であってもよいが、3層構成(層A、層Bおよび3層目である層D)の例について下記に説明する。
図1に、共流延に用いられる装置の一部を示す。
本発明における積層セルロースアシレートフィルムは、共流延によりドープ(溶液1、溶液2)を積層して得られるものである。
共流延は図に示すように、共流延ダイ10の口金部分11に複数(図1では三つ)のスリット13、1、15を有しており、金属支持体16の上に同時にそれぞれのスリットから溶液2(17)、溶液1(18)、および層D形成用の溶液3(19)を流延することにより、層A21/層B22/層D23の構成を有する積層セルロースアシレートフィルムウェブ20が形成される。
積層セルロースアシレートフィルムウェブ20を、その後、溶媒を蒸発させフィルムとし、それを金属支持体16から剥離することで、積層セルロースアシレートフィルムを形成することができる。
金属支持体の表面温度は10〜55℃、溶液の温度は25〜60℃が好ましく、さらに各溶液の温度を支持体の温度と同じまたはそれ以上の温度にすることが好ましい。
金属支持体の温度のさらに好ましい範囲は、使用する有機溶媒に依存するが、20〜55℃、溶液温度のさらに好ましい範囲は、35〜45℃である。
(偏光板)
本発明の積層セルロースアシレートフィルムは、各種光学機能フィルムとして利用できるが、偏光膜と積層して偏光板として好適に用いられる。
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に本発明の積層セルロースアシレートフィルムを積層したものである。偏光膜の反対側の面には、本発明の積層セルロースアシレートフィルムまたは他のフィルムが積層されていることが好ましい。
偏光膜としては、例えばヨウ素などの二色性染料を含有する延伸可能なフィルムを延伸処理して二色性染料を配向させ偏光膜としたものなどを用いることができる。
例えば、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜(偏光子)の少なくとも一方の面に完全鹸化ポリビニルアルコール水溶液を用いて本発明の積層セルロースアシレートフィルムを貼合して偏光板を作製することができる。
偏光膜と本発明の積層セルロースアシレートフィルムとを積層した後、さらに延伸処理を施してもよい。
〈液晶表示装置〉
本発明の偏光板は、各種の表示装置に利用することができるが、液晶と共に用いられて、液晶表示装置として好適に用いられる。
液晶表示装置としては、特に制限なく、公知の液晶表示装置を用いることができ本発明の偏光板と液晶層とを具備する。また2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されている構成を有することが好ましい。
液晶表示装置の表示側に少なくとも本発明の偏光板が、設けられることが好ましく、その表面には、クリアハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられることが好ましい。
以下、実施例により本実施の形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、部は質量部を表す。
(積層セルロースアシレートフィルム1の作製)
(溶液11、21の調製)
<溶液11の組成>
セルロースアセテート樹脂a1(アシル基置換度2.4) 100部
メチレンクロライド 314部
エタノール 56部
<溶液21の組成>
セルロースアセテート樹脂b1(アシル基置換度2.9) 69部
セルロースアセテート樹脂a1(アシル基置換度2.4) 20部
メチレンクロライド 314部
エタノール 56部
上記のそれぞれの組成を有する混合物を30℃で攪拌、溶解を行い、濾過して、溶液11および21を得た。
溶液11および21を用い、図1に示す共流延用のダイを用い、共流延法により、溶液21を用いた層B1、溶液11を用いた層A1および溶液21を用いた層D1の3層構成の積層セルロースアシレートフィルム1を作製した。
即ち、図1の溶液2(17)の溶液として上記溶液21を、図1の溶液1(18)の溶液として上記溶液11を、図1の層D形成用の溶液3(19)の溶液として上記溶液21を用い、それぞれの溶液の温度を35℃として、ステンレス製支持体上に、乾燥膜厚が、層B1、3μm、層A1、54μm、層D1、3μmとなるように流延した。
流延後、80℃で3分間乾燥後、剥離し、さらに120℃で10分間乾燥し積層セルロースアシレートフィルム1を得た。
(積層セルロースアシレートフィルム2の作製)
(溶液12、22の調製)
<溶液12の組成>
セルロースアセテート樹脂a2(アシル基置換度2.4) 100部
メチレンクロライド 314部
エタノール 56部
<溶液22の組成>
セルロースアセテート樹脂b2(アシル基置換度2.9) 69部
セルロースアセテート樹脂a2(アシル基置換度2.4) 1部
上記積層セルロースアシレートフィルム1(セルロースアセテート樹脂c)19.2部
メチレンクロライド 314部
エタノール 56部
上記のそれぞれの組成を有する混合物を30℃で攪拌、溶解を行い、濾過して、溶液12および22を得た。
溶液12および22を用い、図1に示す共流延用のダイを用い、共流延法により、溶液22を用いた層B2、溶液12を用いた層A2および溶液22を用いた層D2の3層構成の積層セルロースアシレートフィルム2を作製した。
即ち、図1の溶液2(17)の溶液として上記溶液22を、図1の溶液1(18)の溶液として上記溶液12を、図1の層D形成用の溶液3(19)の溶液として上記溶液22を用い、それぞれの溶液の温度を35℃として、ステンレス製支持体上に、乾燥膜厚が、層B2、3μm、層A2、54μm、層D2、3μmとなるように流延した。
流延後、80℃で3分間乾燥後、剥離し、さらに120℃で10分間乾燥し積層セルロースアシレートフィルム2を得た。
(積層セルロースアシレートフィルム3〜9の作製)
上記積層セルロースアシレートフィルム2の作製において、上記溶液22の上記積層セルロースアシレートフィルム1の量を変えて、セルロースアセテート樹脂a2とセルロースアセテート樹脂b2との含有量の比Pが、表1に示す値となるようにした他は、上記積層セルロースアシレートフィルム2の作製と同様にして、積層セルロースアシレートフィルム3〜9を作製した。
(積層セルロースアシレートフィルム10〜21の作製)
上記積層セルロースアシレートフィルム1の作製において、上記溶液12のセルロースアセテート樹脂b1とセルロースアセテート樹脂a1とのアシル基置換度を、表1に示す値となるようにし、表1に示す構成になるようにした他は、上記積層セルロースアシレートフィルム1の作製と同様にして、積層セルロースアシレートフィルム10〜21を作製した。
(積層セルロースアシレートフィルム22〜25の作製)
積層セルロースアシレートフィルム2の作製において、層Dを設けず(ダイのスリットの一つは使用せず)、その他は、表1に示した構成になるようにして、2層構成である積層セルロースアシレートフィルム22〜25を作製した。
(積層セルロースアシレートフィルム26の作製)
上記積層セルロースアシレートフィルム2の作製において、上記溶液22の組成を下記のようにした他は、積層セルロースアシレートフィルム2の作製と同様にして、積層セルロースアシレートフィルム26を作製した。
セルロースアセテート樹脂b2(アシル基置換度2.9) 69部
セルロースアセテート樹脂a2(アシル基置換度2.4) 10部
上記積層セルロースアシレートフィルム1(セルロースアセテート樹脂c) 10部
メチレンクロライド 314部
エタノール 56部
上記積層セルロースアシレートフィルムについて、下記の評価を行った。
[評価]
(動摩擦係数(長尺製膜性))
下記のように、動摩擦係数を測定し滑性を評価し、長尺製膜性の指標とした。
フィルム表面と裏面間の動摩擦係数は、JIS−K−7125(1987)に準じ、フィルムの表裏面が接触するように切り出し、200gの重りを載せ、サンプル移動速度100mm/分、接触面積80mm×200mmの条件で重りを水平に引っ張り、重りが移動中の平均荷重(F)を測定し、下記式より動摩擦係数(μ)を求める。動摩擦係数が小さい程、「きしみ」の発生が少ない。動摩擦係数は0.80以下が実用的に良好な範囲である。
動摩擦係数(μ)=F(g)/重りの重さ(g)
(表面粗さ)
また、積層セルロースアシレートフィルムの表面について、WYKO社製の表面粗さ測定器HD3300を用いて表面粗さRaを測定した。
(偏光板の耐久性)
上記積層セルロースアシレートフィルムの層D側を60℃の2mol/LのNaOH水溶液に90秒浸漬後、その後常温水で水洗して、80℃で乾燥しそれぞれの片面鹸化処理した光学フィルムを得た。別に120μmの厚さのポリビニルアルコールをヨウ素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で4倍に長尺方向に延伸した偏光膜を用意した。この偏光膜の片面に、上記鹸化処理した光学フィルムの鹸化処理面を、完全鹸化型のポリビニルアルコール5質量%水溶液粘着剤で貼り合わせ、偏光板を作製した。尚、2層構成の場合には、層A側と偏光膜を貼り合わせ偏光板とした。
下記のように、偏光度変化量およびフィルム密着性(層Aと層Bとの密着性)を評価し、偏光板の耐久性の指標とした。
上記方法で作製した偏光板について先ず平行透過率と直行透過率を測定し、下記式にしたがって偏光度を算出した。その後各々の偏光板を60℃90%の条件下で1000時間の強制劣化後、再度平行透過率と直行透過率を測定し、下記式に従って偏光度を算出し、下記ランクで評価した。偏光度変化量を下記式により求めた。
偏光度変化率(%)=((H0−H90)/(H0+H90))1/2×100偏光度変化量=P0−P1000H0:平行透過率H90:直行透過率P0:強制劣化前の偏光度P1000:強制劣化1000時間後の偏光度◎:偏光度変化率10%未満○:偏光度変化率10%以上25%未満×:偏光度変化率25%以上。
(フィルム密着性)
官能評価により測定した。○は、剥がそうとして剥がれない、×は、簡単に剥がれることを意味する。
(コントラスト性)
下記のように液晶表示装置の正面コントラスト評価を行い、コントラスト性を評価した。1000以上が実用的に良好な範囲である。
23℃55%RHの環境で、各々の液晶表示装置のバックライトを1週間連続点灯した後、測定を行った。測定にはELDIM社製EZ−Contrast160Dを用いて、液晶表示装置で白表示と黒表示の表示画面の法線方向からの輝度を測定し、その比を正面コントラストとした。
正面コントラスト=(表示装置の法線方向から測定した白表示の輝度)/(表示装置の法線方向から測定した黒表示の輝度)
上記評価結果を下記表に示す。
Figure 0005776824
Figure 0005776824
表2から、本発明の積層セルロースアシレートフィルムは、滑性が良好であることで長尺製膜性に優れ、密着性が良好であることで耐久性に優れ、コントラスト性に優れる偏光板を与えることが分かる。
10 共流延ダイ
11 口金部分
13、14、15 スリット
16 金属支持体
17 溶液2
18 溶液1
19 溶液3
20 積層セルロースアシレートフィルムウェブ
21 層A
22 層B
23 層D

Claims (10)

  1. 平均アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアシレート層Aと、該セルロースアシレート層Aの両側に隣接し該セルロースアシレート層Aの平均アシル基置換度よりも大である平均アシル基置換度を有するセルロースアシレート層Bとからなる3層構成の積層体を有する積層セルロースアシレートフィルムを製造する、セルロースアシレートフィルムの製造方法であって、
    アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアセテート樹脂aを含有する溶液1を調製する工程(1)、
    アシル基置換度が2.8より大であるセルロースアセテート樹脂bと、該セルロースアシレート層Bの平均アシル基置換度が、2.7よりも大となるように、アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアセテート樹脂dとを混合して、該セルロースアセテート樹脂bおよびセルロースアセテート樹脂dを、前記セルロースアセテート樹脂dの含有量と、前記セルロースアセテート樹脂bの含有量の比P(セルロースアセテート樹脂d/セルロースアセテート樹脂b(質量比))が、0.01から0.4であるように含有する溶液2を調製する工程(2)、
    および該溶液1と該溶液2とを用いて共流延し、該セルロースアシレート層Bの乾燥膜厚を0.5〜15μmの範囲内となるように該積層セルロースアシレートフィルムを製造する工程(3)、
    を有することを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  2. 前記工程(3)が、前記セルロースアシレート層Bの乾燥膜厚を1〜10μmの範囲内となるように前記積層セルロースアシレートフィルムを製造することを特徴とする請求項1に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  3. 前記積層セルロースアシレートフィルムの膜厚が、55〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  4. 前記工程(2)が、前記アシル基置換度が2.8より大であるセルロースアセテート樹脂bと、セルロースアセテート樹脂bおよびセルロースアセテート樹脂dを含有するセルロースアセテート樹脂cとを混合する工程を有する、ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  5. 前記工程(2)が、前記アシル基置換度が2.8より大であるセルロースアセテート樹脂bと、前記アシル基置換度が2.7以下であるセルロースアセテート樹脂dと、前記セルロースアセテート樹脂bおよびセルロースアセテート樹脂dを含有するセルロースアセテート樹脂cとを混合する工程を有する、ことを特徴とする請求項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  6. 前記セルロースアセテート樹脂cのアシル基置換度が、前記積層セルロースアシレートフィルムの平均アシル基置換度と同じであることを特徴とする請求項またはに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  7. 前記セルロースアセテート樹脂cが、前記積層セルロースアシレートフィルムであることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  8. 前記セルロースアセテート樹脂cが、前記積層セルロースアシレートフィルムを破砕した破砕品であることを特徴とする請求項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  9. 前記セルロースアシレート層Aの平均アシル基置換度と前記セルロースアセテート樹脂bのアシル基置換度の差が0.25以上であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  10. 前記セルロースアシレート層Aの平均アシル基置換度が、2.5以下であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
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