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JP5778318B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description

本発明は半導体装置に関し、特にFeドーピングされたGaNからなる半導体層を有する半導体装置に関する。
GaNからなる半導体層(GaN系半導体層)を用いた半導体装置では、GaNにFeドーピングを行うことで、GaN系半導体層を高抵抗化する技術がある。上記の技術によると、FeドーピングによりGaN系半導体層を高抵抗化できるため、例えばFET(Field Effect Transistor)やHEMT(High Electron Mobility Transistor)においては、リーク防止、ピンチオフ特性の改善など、デバイスの特性向上の効果が期待できる(非特許文献1及び2参照)。
Journal of Crystal Growth 248 (2003) 513 Applied Physics Letters 90, 093509 (2007)
しかしながら、非特許文献1及び2に記載されているように、GaN系半導体層の成長時に、ドープされたFeがGaN系半導体層の表面に析出することがある。このとき、GaN系半導体層上に形成される動作層に、析出したFeが取り込まれる場合がある(スロー・ターン・オフ現象)。また、動作層の成長過程において、チャンバー内にFe含有ガスが残留したことにより、Feが成長していることも考えられる(メモリー効果)。
動作層に高濃度のFeがドーピングされると、動作層のキャリアがFeにトラップされるため、2次元電子ガス濃度の低下や不純物散乱効果により、移動度が低下することがある。すなわち、デバイス特性向上のためにドープしたFeにより、却ってデバイス特性の劣化が生じる可能性がある。デバイス特性の劣化を抑制するためには、半導体層へのFeのドープ量を制限すればよい。しかし、この場合、前述のようなデバイス特性向上の効果が十分に得られない恐れがある。
本発明は、上記課題に鑑み、Feのドーピングによるデバイス特性の劣化を抑制することが可能な半導体装置の提供を目的とする。
本発明は、FeドーピングされたGaNからなる半導体層と、前記半導体層の上面に接して設けられたAlN又はAlGa1−xN(0.4<x<1)からなる第1バッファ層と、前記第1バッファ層上に設けられた、GaN系半導体からなる動作層と、を具備することを特徴とする半導体装置である。本発明によれば、第1バッファ層を設けたことにより、動作層へのFe取り込みが抑制されるため、Feドーピングによるデバイス特性の劣化を抑制することができる。
上記構成において、前記第1バッファ層上に設けられたAlN又はAlGa1−xN(0.4<x<1)からなる第2バッファ層と、前記第1バッファ層と前記第2バッファ層との間に設けられ、かつ前記第1バッファ層及び前記第2バッファ層より小さいAl組成比を有するAlx1Iny1Ga1−x1−y1N(x1+y1≦1)からなる中間層と、を具備し、前記動作層は、前記第2バッファ層上に設けられている構成とすることができる。この構成によれば、複数のバッファ層を設けるため、バッファ層上に設けられた別の半導体層へのFeの取り込みをより抑制することができる。
上記構成において、前記第2バッファ層及び前記中間層は複数設けられている構成とすることができる。この構成によれば、複数のバッファ層を設けるため、別の半導体層へのFeの取り込みをより抑制することができる。
上記構成において、前記第1バッファ層の膜厚は、50nm以上であり、かつ300nm以下である構成とすることができる。この構成によれば、第1バッファ層へのクラックの発生を抑制することができる。
上記構成において、前記半導体装置は、HEMT又はFETである構成とすることができる。この構成によれば、動作層へのFeの取り込みによる、HEMT又はFETのデバイス特性の劣化を抑制することが可能となる。
本発明によれば、Feのドーピングによるデバイス特性の劣化を抑制することが可能な半導体装置を提供することができる。
図1(a)はサンプルAを示す断面図であり、図1(b)はサンプルBを示す断面図である。 図2(a)はサンプルAについて行ったSIMS分析の結果を示す図であり、図2(b)はサンプルBについて行ったSIMS分析の結果を示す図であり、図2(c)はサンプルA及びBの各々について行ったSIMS分析の結果を重ねて示す図である。 図3(a)はサンプルDを示す断面図であり、図3(b)はサンプルA、B、C及びDの各々について行ったSIMS分析の結果を重ねて示す図である。 図4は、サンプルA、B及びEの各々について行ったSIMS分析の結果を重ねて示す図である。 図5は、実施例1に係る半導体装置を例示する断面図である。 図6は、実施例2に係る半導体装置を例示する断面図である。 図7は、実施例3に係る半導体装置を例示する断面図である。
最初に、本発明の発明者が行った実験について説明する。
図面を参照し、実験に用いたサンプルについて説明する。図1(a)はサンプルAを、図1(b)はサンプルBを各々示す断面図である。まず、サンプルAについて説明する。
図1(a)に示すように、SiC(炭化シリコン)からなる基板2上に、AlN(窒化アルミニウム)からなるバッファ層4が設けられている。バッファ層4上には、FeドーピングされたGaN(窒化ガリウム)からなる半導体層6が設けられている。サンプルAにおいては、半導体層6の上面に接して、FeドーピングされていないGaN(アンドープGaN)からなる半導体層8(別の半導体層)が設けられている。半導体層6の厚さT1は630nm、半導体層8の厚さT2は780nmである。
次に、サンプルBについて説明する。図1(b)に示すように、サンプルBにおいては、半導体層6の上面に接して、AlNからなる第1バッファ層10が設けられている。第1バッファ層10の上には、半導体層8(別の半導体層)が設けられている。半導体層8は第1バッファ層10の上面に接しており、かつ半導体層6には接していない。すなわち、第1バッファ層10は半導体層6と半導体層8との間に設けられている。半導体層8の厚さT2は630nmであり、第1バッファ層の厚さT3は150nmである。なお、図1(a)と同様の構成については説明を省略した。
サンプルA及びBの製造方法について説明する。エピタキシャル成長方法は、MOVPE(Metalorganic vapor phase epitaxy:有機金属気相薄膜成長法)を用いた。まず、GaN及びAlの成長原料について説明する。半導体層6及び半導体層8のGaN成長原料には、TMGa(トリメチルガリウム)及びNH(アンモニア)を用いた。バッファ層4及び第1バッファ層10を形成するAlNのAl原料は、TMAl(トリメチルアルミニウム)を用いた。半導体層6にドープするFeの原料としては、フェロセン(CpFe:シクロペンタジエニル鉄)を用いた。半導体層6形成時のFe濃度は1.2×1018〜1.5×1018cm−3である。次に、GaN及びAlNの成長条件について説明する。キャリアガスとしてHを用い、成長圧力は100torr、成長温度は1050℃、NHの分圧は40torrとした。
実験の内容について説明する。実験は、各サンプルについてSIMS(Secondary Ion−microprobe Mass Spectrometer:二次イオン質量分析)を行い、深さ方向のFe濃度を測定したものである。
次に、図面を参照し、各サンプルにおける実験の結果について説明する。まず、サンプルAの実験結果について説明する。図2(a)はサンプルAについて行ったSIMS分析の結果を示す図である。横軸はサンプル表面からの深さ、縦軸はFeの濃度を各々示す。また、図中の縦の実線より右側の領域はFeドーピングされた半導体層6を示し、実線より左側はFeドーピングされていない半導体層8を示す。
図2(a)に示すように、半導体層6内においてはFe濃度が約1×1018cm−3を示し、半導体層6と半導体層8との界面(図中の実線)においても同様の値を示した。また、深さが浅くなる(半導体層6から離れる)に従い、Fe濃度は漸減した。
以上の結果は、半導体層6を形成するGaNにドープされたFeが半導体層6の表面に析出し、半導体層8の成長時に取り込まれたためと考えられる。
次に、サンプルBの実験結果について説明する。図2(b)はサンプルBについて行ったSIMS分析の結果を示す図である。左側の縦軸及び実線のグラフはFe濃度を示す。また、右の縦軸及び破線のグラフはAlのカウント数を各々表す。図中の実線(1)より右側の領域はFeドープされた半導体層6、実線(2)より左側の領域はFeドープされていない半導体層8、実線(1)及び(2)の間の領域は第1バッファ層10を各々表す。
図2(b)に示すように、半導体層6と第1バッファ層10との界面(実線(1))においてAlカウント及びFe濃度が急激に高くなった。また、深さが浅くなるに従いFe濃度は漸減し、第1バッファ層10と半導体層8との界面(実線(2))においてAlカウント及びFe濃度が急激に減少した。
次に、サンプルA及びBのFe濃度の測定結果を比較する。図2(c)はサンプルA及びBの各々について行ったSIMS分析の結果を重ねて示す図である。
図2(c)に示すように、サンプルBにおいてはサンプルAに比較して、半導体層8におけるFe濃度が低下した。例えば、深さ0.5μm付近において、サンプルAではFe濃度が約4×1018cm−3であったのに対し、サンプルBではFe濃度が約2×1018cm−3であった。また、図2(a)、図2(b)及び図2(c)から明らかなように、深さが浅くなるに従い、Fe濃度は減少する。
サンプルBにおけるFe濃度の減少は、半導体層6の表面に析出したFeは第1バッファ層10と半導体層6との界面に取り込まれ、深さが浅くなるに従い漸減するため、サンプルAと比較して半導体層8へのFeの取り込みが抑制されたことによるものと考えられる。
次に、第1バッファ層10の厚さを変更したサンプル(これをサンプルCとする)、及び複数のバッファ層を設けたサンプル(これをサンプルDとする)を用いた実験について説明する。
まず、サンプルCについて説明する(図1(b)参照)。サンプルCは、半導体層8の厚さT2を480nm、第1バッファ層10の厚さT3を300nmとしたサンプルである。つまり、T2及びT3を変更した以外は、サンプルCはサンプルBと同様の構成である。
次に、サンプルDについて説明する。図3(a)は、サンプルDを示す断面図である。
図3(a)に示すように、第1バッファ層10上にはアンドープGaNからなる中間層9が設けられ、中間層9上にはAlNからなる第2バッファ層12が設けられている。換言すれば、第2バッファ層12は、第1バッファ層10と上下に重なるように第1バッファ層10上に設けられ、中間層9は第1バッファ層10と第2バッファ層12との間に設けられている。また、中間層9は第1バッファ層10の上面に接しており、第2バッファ層12は中間層9の上面に接している。
第2バッファ層12上にアンドープGaNからなる中間層11(別の中間層)が設けられ、中間層11上にはさらに第2バッファ層14が設けられている。換言すれば、複数の第2バッファ層12及び14は、互いに上下に重なるように第1バッファ層10上に設けられ、中間層11は第2バッファ層12及び14の間に設けられている。第2バッファ層14上には、アンドープGaNからなる半導体層13(別の半導体層)が設けられている。また、中間層11は第2バッファ層12の上面に接しており、第2バッファ層14は中間層11の上面に接している。半導体層13は第2バッファ層14の上面に接している。すなわち、第1バッファ層10並びに複数の第2バッファ層12及び14は、半導体層6と半導体層13との間に設けられている。
サンプルDにおいて、第1バッファ層10並びに第2バッファ層12及び14の各々の厚さT4は50nm、中間層9及び11の各々の厚さT5は100nm、半導体層13の厚さT6は430nmである。
次に、図面を参照し、実験の結果について説明する。図3(b)はサンプルA、B、C及びDの各々におけるSIMS分析の結果を重ねて示した図である。図中の破線はサンプルA、細い実線はサンプルB、点線はサンプルC、太い実線はサンプルDについての実験結果を各々表す。サンプルA及びBの実験結果は、図2(c)に示したものと同じである。
図3(b)に示すように、サンプルCにおいてはサンプルBと同様に、半導体層6と第1バッファ層10との界面(深さ0.7μm付近)においてFe濃度が急激に高くなり、深さが浅くなるに従い漸減した。また、第1バッファ層10と半導体層8との界面においてFe濃度が減少した。半導体層8(0.4μmより浅い領域)においては、サンプルCとサンプルBとでは同程度のFe濃度が観測された。
サンプルDにおいても、半導体層6と第1バッファ層10との界面においてFe濃度が急激に高くなり、深さが浅くなるに従い漸減したことはサンプルB及びCと同様である。さらにサンプルDでは、中間層9と第2バッファ層12との界面、中間層11と第2バッファ層14との界面においてFe濃度が増加を示すが、全体の傾向として深さが浅くなるに従いFe濃度は大きく減少した。特に、第2バッファ層14と半導体層13との界面において、Fe濃度は急激に減少した。例えば、深さ0.3μm付近においては、Fe濃度がサンプルAで約1×1017cm−3、サンプルB及びCで約5×1016cm−3であった。これに対し、サンプルDでは約1×1016cm−3であった。
すなわち、サンプルCのように、第1バッファ層10の厚さを厚くしてもFe取り込み抑制の効果は大きく変わらなかった。これに対し、サンプルDのように、複数のAlN層(第1バッファ層10、並びに第2バッファ層12及び14)を設け、AlN層とGaN層(半導体層6及び13、並びに中間層9及び11)との界面を複数形成することにより、Fe取り込み抑制の効果はより大きくなった。
図2(b)、図2(c)及び図3(b)から明らかなように、GaN層とAlN層との界面においてFe濃度は増加した。また、図3(b)に示したサンプルDの実験結果のように、AlN層とGaN層との界面を複数形成することにより、半導体層8へのFe取り込み抑制の効果がより大きくなった。これは、GaN層の表面に析出したFeがAlN層との界面に閉じ込められたため、半導体層8へのFeの取り込みが抑制されたものと考えられる。
次に、バッファ層の材質を変更したサンプルを用いた実験について説明する。これをサンプルEとする。
サンプルEの第1バッファ層10は、Al0.5Ga0.5Nからなる。第1バッファ層10の材質が異なること以外、サンプルEはサンプルBと同様の構成である(図2(b)参照)。次に、サンプルEを用いた実験結果について説明する。図4は、サンプルA、B及びEの実験結果を重ねて示した図である。図中の実線はサンプルA、破線はサンプルB、点線はサンプルEについての実験結果を各々表す。
図4に示すように、サンプルEにおいては、サンプルBと同様に、半導体層6と第1バッファ層10との界面(深さ0.7μm付近)においてFe濃度が急激に高くなり、深さが浅くなるに従い漸減した。Fe濃度の漸減の割合は、サンプルBと比較して小さかった。すなわち、第1バッファ層10をAl0.5Ga0.5Nで形成した場合、AlNで形成した場合に比較して小さいが、半導体層8へのFeの取り込みが抑制された。
次に、図面を用いて、本発明の実施例について説明する。
実施例1は、HEMTにおいて第1バッファ層を設けた例である。まず、図面を参照して、実施例1に係る半導体装置の構成例について説明する。図5は、実施例1に係る半導体装置を例示する断面図である。
図5に示すように、例えばSiCからなる基板22上に、例えばAlNからなるバッファ層24が設けられ、バッファ層24の上にはFeドーピングされたGaNからなる半導体層26が設けられている。半導体層26上には、半導体層26の上面に接して、例えばAlNからなる第1バッファ層30が設けられている。半導体層26の厚さT7は例えば200nm、第1バッファ層30の厚さT8は例えば100nmである。また、半導体層26のFe濃度は例えば1×1018cm−3である。第1バッファ層30上には、例えばアンドープGaNからなる動作層28(別の半導体層)が設けられ、動作層28上には、キャリア濃度が例えば5×1018cm−3で、例えばn−AlGa1−xN(例えばx=0.25)からなる供給層40が設けられている。供給層40上には、ソース電極42、ゲート電極44、及びドレイン電極46が設けられている。ソース電極42及びドレイン電極46は、例えば供給層40に近いほうから順にTi/Al/Ti/Au等の金属からなる。ゲート電極44は、例えば供給層40に近いほうから順にNi/Au等の金属からなる。また、動作層28は半導体層26に接していない。すなわち、第1バッファ層30は、半導体層26と動作層28との間に設けられている。
実施例1に係る半導体装置においても、既述したサンプルA及びサンプルBの製造方法(GaN及びAlNの成長原料及び条件)を適用することができる。また、他の原料や条件を用いてもよい。
次に、エピタキシャル成長を行う順序について説明する。第1に、基板22上にAlN層、すなわちバッファ層24を成長させる。第2に、バッファ層24上にFeドーピングGaN層、すなわち半導体層26を例えば200nm成長させる。第3に、半導体層26上にAlN層、すなわち第1バッファ層30を例えば100nm成長させる。第4に、第1バッファ層30上に、アンドープGaN層、すなわち動作層28を成長させる。第5に、動作層28上にn−AlGa1−xN層、すなわち供給層40を成長させる。
実施例1によれば、半導体層26の上面に接して第1バッファ層30が設けられ、第1バッファ層30上に動作層28が設けられている。このため、半導体層26の表面に析出したFeが、動作層28の成長時に動作層28に取り込まれることを抑制することができる。この結果、Feが動作層28のキャリアをトラップすることが抑制され、半導体装置のデバイス特性の劣化が抑制することができる。また、Feの析出の問題を考慮してFeのドープ量を制限しなくてよいため、高抵抗な半導体層26が得られ、半導体装置のデバイス特性の向上を図ることが可能となる。
第1バッファ層30の厚さT8は100nmとしたが、変更可能である。第1バッファ層30の厚さが厚くなると、半導体層26との格子不整合により第1バッファ層30にクラックが生じる恐れがある。このため、第1バッファ層30の厚さT8は300nm以下が好ましい。図3(b)のサンプルCに示すように、第1バッファ層30の厚さT8が300nmの場合も、Fe取り込み抑制の効果は得ることができる。第1バッファ層30をバリア層としての役割を得られる厚さ以上に厚膜化した場合、第1バッファ層30の成長に応じて原料を消費することになり、その分プロセス経費が高くなる。そこで、第1バッファ層30を所望の膜厚とすることで、プロセス経費を抑制することができる。このようなプロセス経費抑制やプロセスの効率化のためには、T8は200nm以下が好ましく、さらには150nm以下が好ましい。一方で、第1バッファ層30の厚さT8が薄すぎるとAlNのバリア効果が小さくなる。従って、バリア効果を安定して得るためには、第1バッファ層30の厚さT8は4nm以上が好ましく、さらに50nm以上がより好ましい。図3(b)のサンプルDに示すように、バッファ層の厚さが50nm以上の場合、Fe取り込み抑制の効果が得られている。
図4のサンプルEの実験結果に示すように、AlGa1−xNを用いた場合、AlNを用いた場合よりも小さいがFe取り込み抑制の効果は得られる。このため、第1バッファ層30をAlGa1−xNにより形成してもよい。このとき、Alの濃度が低いと十分な効果が得られない恐れがあるため、x=0.4以上とすることが好ましい。より好ましくはx=0.5以上とすることで、Fe取り込み抑制の効果を大きくすることができる。図4のサンプルEに示すように、AlGa1−xNにおいて、x=0.5としたときに、Fe取り込み抑制の効果があることが確認できた。また、半導体層26の高抵抗化によるデバイス特性向上を図るためには、半導体層26にドーピングするFeの濃度は1×1017cm−3以上が好ましい。また、より確実に高抵抗化するためには、Fe濃度は1×1018cm−3以上がより好ましい。
動作層28はアンドープGaNからなるとしたが、これに限定されずGaN系半導体により形成してもよい。GaN系半導体とは、Ga及びNを含む半導体であり、例えばGaN、InGaN、AlGaN、及びInAlGaN等がある。AlGaNやInAlGaNを用いる場合、動作層28に含有されるAlの組成比は第1バッファ層30に含有されるAlの組成比よりも小さいことが好ましい。基板22の材質として、SiC以外に例えばサファイア、GaN、Si等を用いることができ、またGaNテンプレート基板を基板22として用いてもよい。
実施例2は、HEMTにおいて複数のバッファ層を設けた例である。図面を参照して、実施例2に係る半導体装置の構成例について説明する。図6は、実施例2に係る半導体装置を例示する断面図である。なお、図5に例示した半導体装置と同様の構成については説明を省略する。
図6に示すように、第1バッファ層30上に例えばアンドープGaNからなる中間層29が設けられ、中間層29上には例えばAlNからなる第2バッファ層32が設けられている。換言すれば、第2バッファ層32は第1バッファ層30と上下に重なるように設けられ、中間層29は第1バッファ層30と第2バッファ層32との間に設けられている。中間層29は第1バッファ層30の上面に接しており、第2バッファ層32は中間層29の上面に接している。
第2バッファ層32上には例えばアンドープGaNからなる中間層31が設けられ、中間層31上にはさらに第2バッファ層34が設けられている。換言すれば、複数の第2バッファ層32及び34が、互いに上下に重なるように第1バッファ層30上に設けられ、第2バッファ層32及び34の間には中間層31が設けられている。第2バッファ層34上には、アンドープGaNからなる動作層33(別の半導体層)が設けられている。また、中間層31は第2バッファ層32の上面に接しており、第2バッファ層34は中間層31の上面に接している。動作層33は第2バッファ層34の上面に接している。すなわち、第1バッファ層30並びに第2バッファ層32及び34は、半導体層26と動作層33との間に設けられている。このように、実施例2に係る半導体装置では、第2バッファ層及び中間層が複数設けられている。
第1バッファ層30並びに第2バッファ層32及び34の各々の厚さT9は例えば50nmである。中間層29及び31の各々厚さT10は例えば100nmである。
実施例2によれば、複数のバッファ層(第1バッファ層30、並びに第2バッファ層32及び34)を設け、バッファ層とGaN層(半導体層26、中間層29及び31、並びに動作層33)との界面を複数形成することにより、Fe取り込み抑制の効果をより大きくすることが可能となる。従って、半導体装置のデバイス特性の劣化をより確実に抑制することが可能となる。
図6ではバッファ層が3層である例を示したが、バッファ層が2層であってもFe取り込み抑制の効果は得られる。また、バッファ層を4層以上とし、複数の第2バッファ層の間の各々に中間層を設けることで、Fe取り込み抑制の効果をより高めることも可能である。中間層29や中間層31にAlGaNを用いる場合、第1バッファ層30、第2バッファ層32及び34のAl組成比は、中間層29及び31のAl組成比よりも大きいことが好ましい。Fe取り込み抑制は、バッファ層と中間層とのAl組成比の差によるものと考えられるからである。
第1バッファ層30と同様に、第2バッファ層32及び34にクラックが発生することを抑制するためには、第2バッファ層32及び34の厚さT9は300nm以下であることが好ましい。プロセスの効率化等のためには200nm以下が好ましく、さらには150nm以下が好ましい。また、成長を安定して行うために、第2バッファ層32及び34の厚さT9は4nm以上が好ましく、プロセスの効率化のためには50nm以上がより好ましい。実施例1及び実施例2は、FeドープGaN層上に、AlN又はAlGaNのバリア層を連続成長する例である。なお、本発明は、それ以外にも例えば、基板上にFeドープGaN層まで形成したテンプレート基板を形成し、テンプレート基板上にAlNなどを再成長する場合においても同様の効果を発揮することができる。
実施例3は、FeドーピングGaNからなる半導体層が半導体基板であるHEMTの例である。図面を参照して、実施例2に係る半導体装置の構成例について説明する。図7は、実施例3に係る半導体装置を例示する断面図である。なお、図5に例示した半導体装置と同様の構成については説明を省略する。
図7に示すように、FeドーピングGaNからなる半導体基板36の上面に接するように第1バッファ層30が設けられ、第1バッファ層30上には動作層28が設けられている。第1バッファ層30の厚さT8は例えば100nmである。
実施例3によれば、半導体基板36上に第1バッファ層30が設けられているため、第1バッファ層30の表面に析出するFeが、動作層28の成長時に動作層28に取り込まれることを抑制することができる。従って、FeドーピングGaNを半導体基板として用いた場合でも、半導体装置のデバイス特性の劣化を抑制することが可能となる。
実施例1、2及び3は、半導体装置がHEMTである例であったが、本発明の実施例はこれに限定されない。すなわち、半導体装置が例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)やMESFET(Metal Semiconductor FET)等のFETである場合でも、本発明は適用可能である。つまり、本発明を適用することで、動作層へのFeの取り込みによるHEMT又はFETのデバイス特性の劣化を抑制することができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
基板 2、22
バッファ層 4、24
半導体層 6、8、13、26
動作層 28、33
中間層 9、11、29、31
第1バッファ層 10、30
第2バッファ層 12、14、32、34
半導体基板 36
供給層 40

Claims (5)

  1. FeドーピングされたGaNからなる半導体層と、
    前記半導体層の上面に接して設けられたAlN又はAlGa1−xN(0.4<x<1)からなる第1バッファ層と、
    前記第1バッファ層上に設けられたAlN又はAlGa1−xN(0.4<x<1)からなる第2バッファ層と、
    前記第1バッファ層と前記第2バッファ層との間に設けられ、前記第1バッファ層及び前記第2バッファ層より小さいAl組成比を有するAlGaNまたはGaNからなる中間層と、
    前記第2バッファ層上に設けられた、GaN系半導体からなる動作層と、を具備することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第2バッファ層及び前記中間層は複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記第1バッファ層の膜厚は、50nm以上であり、かつ300nm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
  4. 前記半導体装置は、HEMT又はFETであることを特徴とする請求項1から3いずれか一項記載の半導体装置。
  5. 前記中間層は、GaNであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
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