以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。水平方向は、X軸方向及びY軸方向の一方又は両方を含む。鉛直方向は、Z軸方向である。XY平面は、水平面と平行である。X軸は、YZ平面と直交する。Y軸は、XZ平面と直交する。Z軸は、XY平面と直交する。XY平面は、X軸及びY軸を含む。YZ平面は、Y軸及びZ軸を含む。XZ平面は、X軸及びZ軸を含む。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る塔状構造物1の一例を示す図である。図2は、塔状構造物1を上側(+Z側)から見た図である。図1及び図2において、塔状構造物1は、第1構造体2と、第1構造体2の周囲の少なくとも一部に配置され、第1構造体2を支持する第2構造体3とを備えている。
本実施形態において、第1構造体2は、例えば筒身を含む。第2構造体3は、例えば鉄塔を含む。以下の説明において、第1構造体2を適宜、筒身2と称し、第2構造体3を適宜、鉄塔3と称する。なお、第1構造体2は、例えば柱状でもよいし、居住可能な構造体でもよい。
筒身2及び鉄塔3は、基礎BSの上に設けられる。基礎BSは、塔状構造物1とは別の構造物である。なお、基礎BSが、地面を含んでもよい。
筒身2は、基礎BSからZ軸方向(鉛直方向)に立ち上がるように設けられる。筒身2は、Z軸方向に延びるように長い。筒身2は、例えば煙突である。筒身2は、下端部から送られるガスを上端部から排出する。なお、筒身2は、単数の部材でもよいし、複数の部材を含んでもよい。
鉄塔3は、基礎BSからZ軸方向(鉛直方向)に立ち上がるように設けられる。鉄塔3は、筒身2の周囲に配置される。本実施形態において、鉄塔3は、トラスト構造を含む。鉄塔3は、筒身2に隣り合う複数の縦材4と、縦材4に接続される横材5と、縦材4及び横材5の少なくとも一方に接続される斜材6とを含む。
縦材4は、筒身2の周囲に複数配置される。縦材4は、Z軸方向(鉛直方向)に長い。本実施形態において、縦材4は、筒身2の周囲に4本配置される。縦材4は、鋼管を含む。なお、縦材4が、形鋼を含んでもよい。
横材5は、XY平面内において隣り合う縦材4と縦材4とを結ぶように配置される。横材5は、XY平面(水平面)とほぼ平行に配置される。XY平面内において、横材5は、筒身2を囲むように配置される。筒身2に対して+X側及び−X側のそれぞれに配置される横材5は、Y軸方向に長い。筒身2に対して+Y側及び−Y側のそれぞれに配置される横材5は、X軸方向に長い。横材5は、形鋼を含む。なお、横材5が、鋼管を含んでもよい。また、横材5は、Z軸方向に複数配置される。本実施形態において、横材5は、Z軸方向に5つ(5段)配置される。
斜材6は、縦材4及び横材5に対して傾斜して配置される。斜材6は、XY平面内において隣り合う縦材4と縦材4とを結ぶように配置されてもよい。斜材6は、Z軸方向に関して隣り合う横材5と横材5とを結ぶように配置されてもよい。斜材6は、縦材4と横材5とを結ぶように配置されてもよい。斜材6は、形鋼を含む。なお、斜材6が、鋼管を含んでもよい。
筒身2は、上部(上部領域)2Aと、下部(下部領域)2Bと、上部2Aと下部2Bとの間に位置する中間部(中間部領域)2Cとに分けられる。上部2Aと中間部2Cと下部2BとはZ軸方向に配置される。Z軸方向(鉛直方向)に関して、上部2Aは中間部2C及び下部2Bよりも上方に配置される。Z軸方向(鉛直方向)に関して、中間部2Cは下部2Bよりも上方に配置される。上部2Aは、筒身2の上端部を含む。下部2Bは、基礎BSと接続される筒身2の下端部を含む。中間部2Cは、Z軸方向に関して筒身2の中心を含む。
鉄塔3は、上部(上部領域)3Aと、下部(下部領域)3Bと、上部3Aと下部3Bとの間に位置する中間部(中間部領域)3Cとに分けられる。上部3Aと中間部3Cと下部3BとはZ軸方向に配置される。Z軸方向(鉛直方向)に関して、上部3Aは中間部3C及び下部3Bよりも上方に配置される。Z軸方向(鉛直方向)に関して、中間部3Cは下部3Bよりも上方に配置される。上部3Aは、鉄塔3の上端部を含む。下部3Bは、基礎BSと接続される鉄塔3の下端部を含む。中間部3Cは、Z軸方向に関して鉄塔3の中心を含む。
なお、筒身2の上端部を筒身2の頂部と称してもよいし、筒身2の下端部を筒身2の基部と称してもよい。鉄塔3の上端部を鉄塔3の頂部と称してもよいし、鉄塔3の下端部を鉄塔3の基部と称してもよい。
塔状構造物1は、塔状構造物1の振動を低減する減衰装置7と、筒身2と鉄塔3とを連結する第1連結装置8と、筒身2と鉄塔3とを水平方向に剛結合する第2連結装置9とを備えている。第1連結装置8は、筒身2の一部分と鉄塔3の一部分とを連結する。第2連結装置9は、筒身2の一部分と鉄塔3の一部分とを連結する。第1連結装置8が連結される筒身2の部位と第2連結装置9が連結される筒身2の部位とは異なる。第1連結装置8が連結される鉄塔3の部位と第2連結装置9が連結される鉄塔3の部位とは異なる。
第1連結装置8は、粘性ダンパ80を含む。粘性ダンパ80は、速度に比例する減衰力(抵抗力)を発生する。粘性ダンパ80は、例えばオイルダンパでもよいし、ビンガムダンパでもよい。粘性ダンパ80は、粘性体を利用してもよいし、粘弾性体を利用してもよい。
第1連結装置8は、少なくとも筒身2の上部2Aと鉄塔3の上部3Aとを連結する。本実施形態において、第1連結装置8は、Z軸方向に関して3つ配置される。Z軸方向に配置される3つの第1連結装置8のうち、筒身2の上端部に最も近い第1連結装置8Aは、筒身2の上部2Aと鉄塔3の上端部とを連結する。Z軸方向に配置される3つの第1連結装置8のうち、基礎BSに最も近い第1連結装置8Bは、筒身2の中間部2Cと鉄塔3の中間部3Cとを連結する。Z軸方向に配置される3つの第1連結装置8のうち、第1連結装置8Bに次いで基礎BSに近い第1連結装置8Cは、筒身2の上部2Aと鉄塔3の上部3Aとを連結する。なお、第1連結装置8Cが、筒身2の中間部2Cと鉄塔3の中間部3Cとを連結してもよい。なお、第1連結装置8A、第1連結装置8B、及び第1連結装置8Cのそれぞれが、筒身2の上部2Aと鉄塔3の上部3Aとを連結するように配置されてもよい。
図2に示すように、本実施形態において、第1連結装置8(8A)は、複数の粘性ダンパ80を有する。本実施形態において、粘性ダンパ80は、筒身2の周囲に8つ配置される。粘性ダンパ80は、粘性体が収容されたシリンダ81と、シリンダ81の内部において移動可能なピストン82と、ピストン82に接続されたシャフト83とを有する。本実施形態において、粘性ダンパ80のシリンダ81が鉄塔3に接続され、シャフト83が筒身2に接続される。シリンダ81と鉄塔3とは、例えばピン結合される。シャフト83と筒身2とは、例えばピン結合される。第1連結装置8は、シリンダ81とシャフト83とがXY平面内において相対移動するように配置される。鉄塔3は、筒身2からの少なくとも水平方向の力を受けるように、第1連結装置8を介して筒身2を支持する。第1連結装置8は、筒身2の軸に対する放射方向(筒身2の半径方向)に関する筒身2と鉄塔3との相対移動を許容する。
本実施形態において、シリンダ81が縦材4に接続され、シャフト83が筒身2に設けられた凸部2Tに接続される。第1連結装置8Aよりも−Z側に配置される第1連結装置8B及び第1連結装置8Cも、第1連結装置8Aと同様の構造である。なお、図2に示す第1連結装置8(8A)は一例である。8つよりも少ない数の粘性ダンパ80によって筒身2と鉄塔3とが連結されてもよい。粘性ダンパ80と筒身2とが、所定の部材(接続部材)を介して接続されてもよいし、粘性ダンパ80と鉄塔3とが、所定の部材(接続部材)を介して接続されてもよい。また、図2に示す例では、第1連結装置8(8A)によって、鉄塔3の縦材4と筒身2とが接続される。第1連結装置8によって、例えば鉄塔3の横材5と筒身2とが接続されてもよいし、鉄塔3の斜材6と筒身2とが接続されてもよい。また、縦材4、横材5、及び斜材6とは別の部材を鉄塔3が有する場合、その別の部材と筒身2とが第1連結装置8によって接続されてもよい。なお、粘性ダンパ80のシリンダ81が筒身2に接続され、シャフト83が鉄塔3に接続されてもよい。
第2連結装置9は、少なくとも筒身2の中間部2Cよりも上方に配置される。第2連結装置9は、少なくとも鉄塔3の中間部3Cよりも上方に配置される。第2連結装置9は、筒身2の上端部よりも下方に配置される。第2連結装置9は、鉄塔3の上端部よりも下方に配置される。第2連結装置9は、少なくとも筒身2の上部2Aと鉄塔3の上部3Aとを水平方向に剛結合する。本実施形態において、第2連結装置9は、Z軸方向に関して2つ配置される。Z軸方向に配置される2つの第2連結装置9のうち、筒身2の上端部に最も近い第2連結装置9Aは、筒身2の上部2Aと鉄塔3の上部3Aとを連結する。本実施形態において、第2連結装置9Aは、第1連結装置8Aよりも下方に配置される。Z軸方向に関して、第2連結装置9Aは、第1連結装置8Aと第1連結装置8Cとの間に配置される。第2連結装置9Aは、筒身2の上端部と鉄塔3とを連結しない。第2連結装置9Aは、筒身2と鉄塔3の上端部とを連結しない。第2連結装置9Aは、筒身2の上端部よりも下方の上部2Aの一部分と、鉄塔3の上端部よりも下方の上部3Aとの一部分とを連結する。2つの第2連結装置9のうち、基礎BSに最も近い第2連結装置9Bは、筒身2の下部2Bと鉄塔3の下部3Bとを連結する。本実施形態において、第2連結装置9Bは、第1連結装置8Bよりも下方に配置される。なお、第2連結装置9Bが、筒身2の中間部2Cと鉄塔3の中間部3Cとを連結してもよい。なお、第2連結装置9A及び第2連結装置9Bのそれぞれが、筒身2の上部2Aと鉄塔3の上部3Aとを連結するように配置されてもよい。
第2連結装置9(9A、9B)は、梁部材90を含む。梁部材90の一部と筒身2とが水平方向に硬く固定される。梁部材90の一部と鉄塔3とが水平方向に硬く固定される。鉄塔3は、筒身2からの少なくとも水平方向の力を受けるように、第2連結装置9を介して筒身2を支持する。第2連結装置9は、筒身2の軸に対する放射方向、及び筒身2の接線方向のそれぞれに関する筒身2と鉄塔3との相対移動を制限(抑制、拘束)する。換言すれば、第2連結装置9は、X軸、Y軸、及びθZの3つの方向に関する筒身2と鉄塔3との相対移動を制限(抑制、拘束)する。
減衰装置7は、鉄塔3の上部3Aに配置される。本実施形態において、減衰装置7は、Z軸方向に配置される複数の横材5のうち、最も+Z側の横材5に配置される。本実施形態において、減衰装置7は、鉄塔3の上端部に配置される。図2に示すように、減衰装置7は、筒身2の周囲に配置される複数(4本)の横材5のそれぞれに配置される。
図3は、本実施形態に係る減衰装置7の一例を示す図である。図3に示す減衰装置7は、X軸方向に関する塔状構造物1の振動を抑制する。X軸方向に関する塔状構造物1の振動を抑制するための減衰装置7は、筒身2に対して+Y側又は−Y側に配置される横材5に支持されてもよい。図3において、減衰装置7は、弾性部材11と、ダンパ12と、弾性部材11及びダンパ12に連結された状態で移動可能な付加質量部材13とを備えている。
本実施形態において、減衰装置7は、チューンド・マス・ダンパ(Tuned Mass Damper:TMD)を含む。チューンド・マス・ダンパは、塔状構造物1の移動方向(振動方向)とは大略逆方向に付加質量部材13を移動することにより、その塔状構造物1の振動を低減(減衰)する。すなわち、チューンド・マス・ダンパは、塔状構造物1の振動に付加質量部材13を同調させることによって、その塔状構造物1の振動を低減(減衰)する。減衰装置7において、チューンド・マス・ダンパの固有振動数と塔状構造物1の固有振動数とが合うように、チューンド・マス・ダンパの固有振動数が調整される。すなわち、塔状構造物1の共振点近傍における応答が低減されるように、チューンド・マス・ダンパの固有振動数が調整される。チューンド・マス・ダンパの固有振動数は、弾性部材11と付加質量部材13とにより定められる。塔状構造物1が振動すると、慣性力により付加質量部材13が塔状構造物1の移動方向(振動方向)とは大略逆方向に移動する。すなわち、付加質量部材(振動体)13は、塔状構造物1の振動に同調して振動する。これにより、塔状構造物1の振動エネルギーが吸収され、塔状構造物1の振動が低減(減衰)する。
本実施形態において、減衰装置7は、鉄塔3に配置される。減衰装置7によって鉄塔3の振動が低減(減衰)されるように、チューンド・マス・ダンパの固有振動数が調整されてもよい。すなわち、チューンド・マス・ダンパの固有振動数と、第2連結装置9で筒身2を支持した鉄塔3の固有振動数とが合うように、チューンド・マス・ダンパの固有振動数が調整されてもよい。
本実施形態において、減衰装置7は、鉄塔3(横材5)に固定されるベース部材10を備えている。弾性部材11の少なくとも一部は、ベース部材10に接続される。ダンパ12の少なくとも一部は、ベース部材10に接続される。付加質量部材13は、弾性部材11及びダンパ12に連結された状態で、ベース部材10に対して水平方向に移動可能である。
本実施形態において、ベース部材10は、内部空間10Sを有する。弾性部材11、ダンパ12、及び付加質量部材13は、内部空間10Sに配置される。本実施形態において、ベース部材10は、ハウジング(ケーシング)を含む。なお、ベース部材10が、フレーム部材でもよい。本実施形態において、ベース部材10は、内部空間10Sを規定する内面を有する。図3に示す例において、ベース部材10(内部空間10S)の内面は、−Z方向を向く天井面10Aと、天井面10Aと対向可能であり、+Z方向を向く支持面10Bと、−X方向を向く内側面10Cと、内側面10Cと対向可能であり、+X方向を向く内側面10Dとを含む。
また、本実施形態において、減衰装置10は、ベース部材10に配置され、付加質量部材13を水平方向に移動可能に支持する支持装置14を備えている。支持装置14は、内部空間10Sに配置される。図3に示す例において、付加質量部材13は、X軸方向に移動可能である。支持装置14は、付加質量部材13をX軸方向に移動可能に支持する。
支持装置14は、支持面10Bに配置されるレール(ガイド部材)を含む。レールは、X軸方向に長い。付加質量部材13は、レールを移動可能なスライダ13Sを有する。スライダ13Sは、例えば直動型転がり軸受を含む。スライダ13Sは、レールにガイドされる。これにより、付加質量部材13は、支持装置14にガイドされてX軸方向に移動可能である。
弾性部材11は、X軸方向に伸縮可能なコイルばね111を含む。減衰装置7は、コイルばね111の+X側の端部とベース部材10とを接続する第1接続部材15と、コイルばね111の−X側の端部とベース部材10とを接続する第2接続部材16と、を含む。本実施形態において、第1接続部材15及び第2接続部材16はそれぞれ、ワイヤ部材を含む。第1接続部材15及び第2接続部材16は、内部空間10Sに配置される。
本実施形態において、コイルばね111の+X側の端部に支持部材151が固定されている。第1接続部材15は、支持部材151を介して、コイルばね111の+X側の端部と接続される。本実施形態において、第1接続部材15の+X側の端部がベース部材10の内側面10Cと接続され、第1接続部材15の−X側の端部が支持部材151を介してコイルばね111と接続される。
本実施形態において、コイルばね111の−X側の端部に支持部材161が固定されている。第2接続部材16は、支持部材161を介して、コイルばね111の−X側の端部と接続される。本実施形態において、第2接続部材16の+X側の端部が支持部材161を介してコイルばね111と接続され、第2接続部材16の−X側の端部がベース部材10の内側面10Dと接続される。
すなわち、本実施形態において、弾性部材11の一部(コイルばね111の+X側の端部)は、支持部材15及び第1接続部材15を介してベース部材10に接続される。弾性部材11の一部(コイルばね111の−X側の端部)は、支持部材161及び第2接続部材16を介してベース部材10に接続される。
減衰装置7は、付加質量部材13とコイルばね111の+X側の端部とを結合可能な第1結合部材17と、付加質量部材13とコイルばね111の−X側の端部とを結合可能な第2結合部材18と、を含む。
第1結合部材17は、付加質量部材13の下面に配置される。第1結合部材17は、付加質量部材13の下面から−Z方向に突出する凸部材を含む。第1結合部材17は、付加質量部材13に固定される。第2結合部材18は、付加質量部材13の下面に配置される。第2結合部材18は、付加質量部材13の下面から−Z方向に突出する凸部材を含む。第2結合部材18は、付加質量部材13に固定される。第1結合部材17は、第2結合部材18よりも+X側に配置される。支持部材151は、第1結合部材17よりも+X側に配置される。支持部材161は、第2結合部材18よりも−X側に配置される。
第1結合部材17は、コイルばね111とは接触しない。第1結合部材17は、支持部材151と接触可能である。第1結合部材17と支持部材151とが接触することにより、その第1結合部材17が固定されている付加質量部材13と支持部材151が固定されているコイルばね111の+X側の端部とが結合される。第2結合部材18は、コイルばね111とは接触しない。第2結合部材18は、支持部材161と接触可能である。第2結合部材18と支持部材161とが接触することにより、その第2結合部材18が固定されている付加質量部材13と支持部材161が固定されているコイルばね111の−X側の端部とが結合される。
図4は、減衰装置7の動作の一例を示す図である。図4に示すように、付加質量部材13に固定されている第1結合部材17とコイルばね111の+X側の端部に固定されている支持部材151とが接触された状態で、付加質量部材13が+X方向に移動すると、その+X方向への付加質量部材13の移動により、支持部材151が+X方向に移動する。+X方向への支持部材151の移動により、その支持部材151に固定されているコイルばね111の+X側の端部が+X方向に移動する。このように、本実施形態においては、+X方向への付加質量部材13の移動により、コイルばね111の+X側の端部が+X方向に移動するように、付加質量部材13とコイルばね111の+X側の端部とが第1結合部材17及び支持部材151を介して結合される。
+X方向への付加質量部材13の移動において、第2接続部材16により、コイルばね111の−X側の端部が+X方向に移動することが抑制される。+X方向への付加質量部材13の移動により、付加質量部材13に固定されている第2結合部材18と、コイルばね111の−X側の端部に固定されている支持部材161とが離れる。コイルばね111の−X側の端部は、支持部材161及び第2接続部材16を介してベース部材10に接続されている。これにより、付加質量部材13が+X方向に移動して、第2結合部材18と支持部材161とが離れても、コイルばね111の−X側の端部の位置は変動しない(固定され続ける)。
すなわち、本実施形態においては、付加質量部材13が+X方向に移動すると、コイルばね111の−X側の端部の位置が固定された状態で、コイルばね111の+X側の端部が+X方向に移動して、コイルばね111が伸びる。コイルばね111が伸びると、コイルばね111の+X側の端部(支持部材151)に−X方向に向かう力(復元力、付勢力)が発生する。支持部材151は、第1結合部材17と接触している。したがって、支持部材151に−X方向に向かう力が発生すると、第1結合部材17及び付加質量部材13に、−X方向に向かう力(復元力、付勢力)が作用する。
一方、付加質量部材13に固定されている第2結合部材18とコイルばね111の−X側の端部に固定されている支持部材161とが接触された状態で、付加質量部材13が−X方向に移動すると、その−X方向への付加質量部材13の移動により、支持部材161が−X方向に移動する。−X方向への支持部材161の移動により、その支持部材161に固定されているコイルばね111の−X側の端部が−X方向に移動する。このように、本実施形態においては、−X方向への付加質量部材13の移動により、コイルばね111の−X側の端部が−X方向に移動するように、付加質量部材13とコイルばね111の−X側の端部とが第2結合部材18及び支持部材161を介して結合される。
−X方向への付加質量部材13の移動において、第1接続部材15により、コイルばね111の+X側の端部が−X方向に移動することが抑制される。−X方向への付加質量部材13の移動により、付加質量部材13に固定されている第1結合部材17と、コイルばね111の+X側の端部に固定されている支持部材151とが離れる。コイルばね111の+X側の端部は、支持部材151及び第1接続部材15を介してベース部材10に接続されている。これにより、付加質量部材13が−X方向に移動して、第1結合部材17と支持部材151とが離れても、コイルばね111の+X側の端部の位置は変動しない(固定され続ける)。
すなわち、本実施形態においては、付加質量部材13が−X方向に移動すると、コイルばね111の+X側の端部の位置が固定された状態で、コイルばね111の−X側の端部が−X方向に移動して、コイルばね111が伸びる。コイルばね111が伸びると、コイルばね111の−X側の端部(支持部材161)に+X方向に向かう力(復元力、付勢力)が発生する。支持部材161は、第2結合部材18と接触している。したがって、支持部材161に+X方向に向かう力が発生すると、第2結合部材18及び付加質量部材13に、+X方向に向かう力(復元力、付勢力)が作用する。
このように、本実施形態においては、付加質量部材13が+X方向に移動すると、コイルばね111により、付加質量部材13には、−X方向に向かう力(復元力、付勢力)が作用する。付加質量部材13が−X方向に移動すると、コイルばね111により、付加質量部材13には、−X方向に向かう力(復元力、付勢力)が作用する。したがって、付加質量部材13は、X軸方向に関して所定の振幅及び振動数で振動(往復運動)することができる。
図3に示すように、本実施形態において、減衰装置7のダンパ12は、水平方向(X軸方向)に関する減衰力(抵抗力)を発生する粘性ダンパ12Aと、鉛直方向(Z軸方向)に関する減衰力(抵抗力)を発生する粘性ダンパ12Bと、を含む。
粘性ダンパ12A及び粘性ダンパ12Bのそれぞれは、速度に比例する減衰力(抵抗力)を発生する。粘性ダンパ12A及び粘性ダンパ12Bはそれぞれ、例えばオイルダンパでもよいし、ビンガムダンパでもよい。粘性ダンパ12A及び粘性ダンパ12Bはそれぞれ、粘性体を利用してもよいし、粘弾性体を利用してもよい。
粘性ダンパ12Aは、粘性体が収容されたシリンダ121と、シリンダ81の内部において移動可能なピストン122と、ピストン122に接続されたシャフト123とを有する。粘性ダンパ12Aと同様、粘性ダンパ12Bは、シリンダ121とピストン122とシャフト123とを有する。
本実施形態において、減衰装置7は、付加質量部材13とベース部材10とを連結するリンク機構19を有する。リンク機構19は、ジョイント部19Aを介して天井面10Aに設けられた支持部材191に接続されるリンク19Bと、ジョイント部19Cを介してリンク19Bに接続されるリンク19Dとを有する。リンク19Dは、ジョイント部19Eを介して付加質量部材13の上面に設けられた支持部材192に接続される。リンク19Bとリンク19Dとは、XZ平面内において相対移動可能である。リンク19Bと支持部材191とは、XY平面内において相対移動可能である。リンク19Dと支持部材192とは、XY平面内において相対移動可能である。X軸方向に関する付加質量部材13の移動により、支持部材191(ベース部材10)とリンク19Bとリンク19Dと支持部材192(付加質量部材13)とが相対移動する。
本実施形態において、粘性ダンパ12Aの少なくとも一部は、リンク機構19に接続される。本実施形態において、粘性ダンパ12Aのシリンダ121がベース部材10(内側面10D)に接続され、粘性ダンパ12Aのシャフト123がリンク19Dに接続される。シリンダ121とベース部材10とは、例えばピン結合される。シャフト123とリンク19Dとは、例えばピン結合される。なお、粘性ダンパ12Aのシリンダ121がリンク機構19に接続され、粘性ダンパ12Aのシャフト123がベース部材10に接続されてもよい。
本実施形態において、粘性ダンパ12Bのシリンダ121が付加質量部材13に接続され、粘性ダンパ12Bのシャフト123がベース部材10(天井面10A)に接続される。シリンダ121と付加質量部材13とは、例えばピン結合される。シャフト123とベース部材10とは、例えばピン結合される。なお、粘性ダンパ12Bのシリンダ121がベース部材10に接続され、粘性ダンパ12Bのシャフト123が付加質量部材13に接続されてもよい。
以上、X軸方向に関する塔状構造物1の振動を抑制可能な減衰装置7について説明した。Y軸方向に関する塔状構造物1の振動を減衰装置7により抑制する場合、付加質量部材13がY軸方向に移動され、コイルばね111がY軸方向に伸縮し、粘性ダンパ12AがY軸方向に関する減衰力(抵抗力)を発生するように、減衰装置7が鉄塔3の少なくとも一部に配置される。Y軸方向に関する塔状構造物1の振動を抑制するための減衰装置7は、筒身2に対して+X側又は−X側に配置される横材5に支持されてもよい。
図5は、粘性ダンパ12Aの特性を説明するための図である。横軸は、水平面内の一方向に関して振動(往復運動)する付加質量部材13の位置(変位量)である。縦軸は、水平面内の一方向に関する粘性ダンパ12Aの減衰力(抵抗力)である。以下の説明においては、水平面内の一方向がX軸方向であることとして説明する。なお、水平面内の一方向がY軸方向でもよい。
付加質量部材13は、X軸方向に関して、原点Oを中心に振幅Xaで振動する。X軸方向に関する振動において、付加質量部材13が最も+X側に位置するときの、X軸方向に関する粘性ダンパ12Aの抵抗力は、零である。X軸方向に関する振動において、付加質量部材13が最も−X側に位置するときの、X軸方向に関する粘性ダンパ12Aの抵抗力も、零である。X軸方向に関する振動において、付加質量部材13が原点Oよりも+X側に位置する状態から−X方向に移動して原点Oを通過するときの、X軸方向に関する粘性ダンパ12Aの抵抗力は、Faである。X軸方向に関する振動において、付加質量部材13が原点Oよりも−X側に位置する状態から+X方向に移動して原点Oを通過するときの、X軸方向に関する粘性ダンパ12Aの抵抗力は、−Faである。その絶対値は、Faである。抵抗力Faは、付加質量部材13の振動において粘性ダンパ12Aが発生する抵抗力の最大値である。X軸方向に関する振動において、付加質量部材13が最も+X側に位置するとき及び最も−X側に位置するときの、X軸方向に関する付加質量部材13の速度は、零である。X軸方向に関する振動において、付加質量部材13が原点Oを通過するときの、X軸方向に関する付加質量部材13の速度は、そのX軸方向に関する振動において最大値(最高速度)となる。このように、粘性ダンパ12Aは、速度に比例する抵抗力(減衰力)を発生する。
図6は、粘性ダンパ12Bの特性を説明するための図である。横軸は、水平面内の一方向に関して振動(往復運動)する付加質量部材13の位置(変位量)である。縦軸は、水平面内の一方向に関する粘性ダンパ12Bの減衰力(抵抗力)である。以下の説明においては、水平面内の一方向がX軸方向であることとして説明する。なお、水平面内の一方向がY軸方向でもよい。
付加質量部材13は、X軸方向に関して、原点Oを中心に振幅Xaで振動する。X軸方向に関する振動において、付加質量部材13が最も+X側に位置するときの、X軸方向に関する粘性ダンパ12Bの抵抗力は、零である。X軸方向に関する振動において、付加質量部材13が最も−X側に位置するときの、X軸方向に関する粘性ダンパ12Bの抵抗力も、零である。X軸方向に関する振動において、付加質量部材13が原点Oよりも+X側に位置する状態から−X方向に移動して原点Oを通過するときの、X軸方向に関する粘性ダンパ12Bの抵抗力は、零である。X軸方向に関する振動において、付加質量部材13が原点Oよりも−X側に位置する状態から+X方向に移動して原点Oを通過するときの、X軸方向に関する粘性ダンパ12Bの抵抗力も、零である。
X軸方向に関する振動において、付加質量部材13が最も+X側に位置する状態から−X方向への移動を開始した直後の、X軸方向に関する粘性ダンパ12Bの抵抗力は、Fbである。また、X軸方向に関する振動において、−X方向へ移動する付加質量部材13が最も−X側に位置する直前の、X軸方向に関する粘性ダンパ12Bの抵抗力も、Fbである。また、X軸方向に関する振動において、付加質量部材13が原点Oよりも−X側に位置する状態から+X方向への移動を開始した直後の、X軸方向に関する粘性ダンパ12Bの抵抗力は、−Fbである。その絶対値は、Fbである。また、X軸方向に関する振動において、+X方向へ移動する付加質量部材13が最も+X側に位置する直前の、X軸方向に関する粘性ダンパ12Bの抵抗力も、−Fbである。その絶対値は、Fbである。抵抗力Fbは、付加質量部材13の振動において粘性ダンパ12Bが発生する抵抗力の最大値である。
このように、粘性ダンパ12Bは、付加質量部材13が原点Oから離れたときに(原点Oからの距離が大きいときに)、大きな抵抗力を発生する。すなわち、原点Oからの付加質量部材13の変位量が大きいほど、水平方向に関する粘性ダンパ12Bの抵抗力(減衰力)は大きくなる。粘性ダンパ12Bは、水平方向に関する付加質量部材13の変位量(振幅)が大きくなったときのブレーキとして機能する。これにより、水平方向に関する付加質量部材13の変位量(振幅)が過剰に大きくなることが抑制される。一方、水平方向に関する付加質量部材13の変位量(振幅)が小さいとき、水平方向に関する粘性ダンパ12Bの抵抗力(減衰力)は小さい。これにより、水平方向に関する付加質量部材13の変位量(振幅)が過剰に大きくない場合(想定される振幅内において付加質量部材13が振動する場合)、粘性ダンパ12Bによって付加質量部材13の振動(往復運動)は阻害されない。
次に、本実施形態に係る塔状構造物1の動作の一例について説明する。例えば地震が発生したり、強風が吹いたりして、塔状構造物1に動的な外力が作用した場合、塔状構造物1は振動する。
図7、図8、及び図9は、塔状構造物1の振動(曲げ振動)の態様の一例を模式的に示す図である。塔状構造物1の振動の態様は、図7に示すような1次振動モード(曲げ1次モード)と、図8に示すような2次振動モード(曲げ2次モード)と、図9に示すような3次振動モード(曲げ3次モード)とに分けることができる。
図7に示すように、1次振動モードの場合、塔状構造物1の下端部(筒身2の下端部及び鉄塔3の下端部)に、振動の節(ノード)N1が生成される。振動の節N1は、筒身2の下端部に生成される振動の節N1a及び鉄塔3の下端部に生成される振動の節N1bの少なくとも一方を含む。水平方向に関して、塔状構造物1の上端部(筒身2の上端部及び鉄塔3の上端部)の振幅(変位量)が大きい。
図8に示すように、2次振動モードの場合、振塔状構造物1の下端部(筒身2の下端部及び鉄塔3の下端部)に振動の節N1が生成され、塔状構造物1の上部(筒身2の上部2A及び鉄塔3の上部3A)に振動の節N2が生成される。振動の節N1は、筒身2の下端部に生成される振動の節N1a及び鉄塔3の下端部に生成される振動の節N1bの少なくとも一方を含む。振動の節N2は、筒身2の上部2Aに生成される振動の節N2a及び鉄塔3の上部3Aに生成される振動の節N2bの少なくとも一方を含む。
図9に示すように、3次振動モードの場合、塔状構造物1の下端部(筒身2の下端部及び鉄塔3の下端部)に振動の節N1が生成され、塔状構造物1の中間部(筒身2の中間部2C及び鉄塔3の中間部3C)又は塔状構造物1の下部(筒身2の下部2B及び鉄塔3の下部3B)に振動の節N2が生成され、塔状構造物1の上部(筒身2の上部2A及び鉄塔3の上部3A)に振動の節N3が生成される。振動の節N1は、筒身2の下端部に生成される振動の節N1a及び鉄塔3の下端部に生成される振動の節N1bの少なくとも一方を含む。振動の節N2は、筒身2の上部2A又は中間部2Cに生成される振動の節N2a及び鉄塔3の上部3A又は中間部3Cに生成される振動の節N2bの少なくとも一方を含む。振動の節N3は、筒身2の上部2Aに生成される振動の節N3a及び鉄塔3の上部3Aに生成される振動の節N3bの少なくとも一方を含む。
本実施形態においては、第2連結装置9は、高次振動モードにおける筒身2の振動の節を含む筒身2の一部と、鉄塔3の振動の節を含む鉄塔3の一部とを連結する。換言すれば、高次振動モードにおける筒身2の振動の節と、鉄塔3の振動の節とが水平方向に剛結合される。高次振動モードは、2次振動モード及び3次振動モードの一方又は両方を含む。上述のように、2次振動モードにおける筒身2の振動の節N2aは、筒身2の上部2Aに生成される。2次振動モードにおける鉄塔3の振動の節N2bは、鉄塔3の上部3Aに生成される。3次振動モードにおける筒身2の振動の節N3aは、筒身2の上部2Aに生成される。3次振動モードにおける鉄塔3の振動の節N3bは、鉄塔3の上部3Aに生成される。本実施形態においては、筒身2の上部2Aに生成される振動の節N2a(又は節N3a)と鉄塔3の上部3Aに生成される振動の節N2b(又は節N3b)とが水平方向に剛結合されるように、筒身2の上部2Aと鉄塔3の上部3Aとが第2連結装置9で連結される。
例えば、2次振動モードにおいて筒身2の上部2Aに生成される振動の節N2aと鉄塔3の上部3Aに生成される振動の節N2bとが水平方向に剛結合されるように、第2連結装置9によって筒身2と鉄塔3とが連結されてもよい。3次振動モードにおいて筒身2の上部2Aに生成される振動の節N3aと鉄塔3の上部3Aに生成される振動の節N3bとが水平方向に剛結合されるように、第2連結装置9によって筒身2と鉄塔3とが連結されてもよい。
本実施形態において、第2連結装置9は、主に筒身2の変形を抑制する。例えば、塔状構造物1に静的な外力が作用した場合、鉄塔3は筒身2よりも変形し難い。そのため、筒身2と鉄塔3とが水平方向に剛結合され、筒身2が鉄塔3に直接的に支持されることにより、筒身2の変形が抑制される。
本実施形態において、チューンド・マス・ダンパを含む減衰装置7は、主に1次振動モードの振動を抑制する。本実施形態においては、鉄塔3に減衰装置7が設けられている。そのため、鉄塔3の1次振動モードの振動は、減衰装置7によって低減(減衰)される。また、減衰装置7は、鉄塔3の上部3Aに配置される。例えば1次振動モードにおいて、振幅が最大となる鉄塔3の振幅の腹は、鉄塔3の上部3Aに生成される可能性が高い。チューンド・マス・ダンパを含む減衰装置7が鉄塔3の上部3Aに設けられることにより、その減衰装置7によって鉄塔3の振動(1次振動モードの振動)が効果的に抑制される。その結果、鉄塔3に結合されている筒身2の振動も低減される。
本実施形態において、粘性ダンパ80を含む第1連結装置8は、主に高次振動モード(第2振動モード及び第3振動モードの一方又は両方)の振動を抑制する。筒身2の振動特性と鉄塔3の振動特性とは異なる可能性が高い。振動特性は、固有振動数、振幅、及び振動モードの少なくとも一つを含む。塔状構造物1に外力が作用した場合、筒身2の振動特性と鉄塔3の振動特性とは異なるので、粘性ダンパ80が確実に作動し、振動エネルギーを吸収する。これにより、高次振動モードにおける筒身2の振動及び鉄塔3の振動が低減(減衰)される。
本実施形態において、粘性ダンパ80を含む第1連結装置8は、高次振動モード(2次振動モード及び3次振動モードの一方又は両方)における筒身2の振動の腹を含む筒身2の一部と、鉄塔3の振動の腹を含む鉄塔3の一部とを連結してもよい。換言すれば、高次振動モードにおける筒身2の振動の腹と、鉄塔3の振動の腹とが、粘性ダンパ80を含む第1連結装置8によって連結されてもよい。なお、1次振動モードにおける筒身2の振動の腹を含む筒身2の一部と、鉄塔3の振動の腹を含む鉄塔3の一部とが、粘性ダンパ80を含む第1連結装置8によって連結されてもよい。
図7、図8、及び図9に示すように、1次振動モード、2次振動モード、及び3次振動モードのそれぞれにおいて、振幅が最大となる筒身2の振動の腹は、筒身2の上端部に生成され、振幅が最大となる鉄塔3の振幅の腹は、鉄塔3の上端部に生成される可能性が高い。本実施形態においては、筒身2の上部2Aと鉄塔3の上端部とが、第1連結装置8(第1連結装置8A)によって連結される。これにより、粘性ダンパ80を含む第1連結装置8によって、塔状構造物1の振動が抑制される。
また、高次振動モード(2次振動モード及び3次振動モードの一方又は両方)において、筒身2の振動の腹は、筒身2の中間部2Cに生成され、鉄塔3の振動の腹は、鉄塔3の中間部3Cに生成される可能性が高い。そのため、筒身2の中間部2Cと鉄塔3の中間部3Cとが第1連結装置8(第1連結装置8B及び第1連結装置8Cの一方又は両方)によって連結されることにより、その第1連結装置8によって、塔状構造物1の振動が抑制される。
以上説明したように、本実施形態によれば、塔状構造物1に外力が作用しても、チューンド・マス・ダンパを含む減衰装置7、及び粘性ダンパ80を含む第1連結装置8によって、その塔状構造物1の振動が抑制される。例えば、塔状構造物1に動的な外力が作用して塔状構造物1が振動しても、1次振動モードの振動は、鉄塔3の上部3Aに配置されたチューンド・マス・ダンパを含む減衰装置7によって減衰される。2次振動モード及び3次振動モードを含む高次振動モードの振動は、粘性ダンパ80を含む第1連結装置8によって減衰される。
また、本実施形態によれば、塔状構造物1に静的な外力が作用しても、筒身2と鉄塔3とを水平方向に剛結合する第2連結装置9によって、筒身2の変形が抑制される。その結果、塔状構造物1の変形が抑制される。
また、本実施形態においては、Z軸方向(鉛直方向)に関して筒身2の中間部2Cよりも上方において筒身2と鉄塔3とが水平方向に剛結合される。すなわち、筒身2の上部2Aと鉄塔3の上部3Aとが水平方向に剛結合される。筒身2に静的な外力が作用した場合、上部2Aにおける筒身2の変位量のほうが、中間部2C及び下部2Bにおける筒身2の変位量よりも大きい可能性が高い。そのため、上部2Aにおいて筒身2と鉄塔3とが水平方向に剛結合されることにより、筒身2の大きな変形が抑制される。その結果、塔状構造物1に静的な外力が作用しても、その塔状構造物1の変形が抑制される。
また、高次振動モードにおける筒身2の振動の節を含む筒身2の一部と、鉄塔3の振動の節を含む鉄塔3の一部とが、第2連結装置9によって水平方向に剛結合されることにより、筒身2と鉄塔3とは安定して水平方向に剛結合される。筒身2の振動の節の変位量は、筒身2の振動の腹の変位量よりも小さい。鉄塔3の振動の節の変位量は、鉄塔3の振動の腹の変位量よりも小さい。そのため、筒身2の振動の節と鉄塔3の振動の節とが連結されることにより、筒身2と鉄塔3とは安定して水平方向に剛結合される。
本実施形態においては、ベース部材10に、弾性部材11、ダンパ12、及び付加質量部材13が支持される。これにより、チューンド・マス・ダンパを含む減衰装置7はユニット化される。したがって、減衰装置7は、鉄塔3の所期の位置に容易に配置することができる。本実施形態においては、Z軸方向に複数配置される横材5のうち、最も+Z側に配置される横材5に減衰装置7が容易に配置される。また、付加質量部材13は、水平方向に移動可能である。また、弾性部材11は、水平面内の一方向に伸縮可能なコイルばね111を含む。そのため、その付加質量部材13及びコイルばね111を含むチューンド・マス・ダンパによって、水平方向に関する塔状構造物1の振動が効果的に低減される。
また、本実施形態においては、鉄塔3に対するベース部材10の向きを調整するだけで、望みの方向に関する塔状構造物1の振動が抑制される。例えば、減衰装置7を使ってX軸方向に関する塔状構造物1の振動を抑制したい場合、ベース部材10に支持されている付加質量部材13の移動方向、コイルばね111の伸縮方向(弾性部材11の弾性変形方向)、及び粘性ダンパ12Aが減衰力を発生する方向が、X軸方向となるように、ベース部材10が鉄塔3に配置されればよい。減衰装置7を使ってY軸方向に関する塔状構造物1の振動を抑制したい場合、ベース部材10に支持されている付加質量部材13の移動方向、コイルばね111の伸縮方向(弾性部材11の弾性変形方向)、及び粘性ダンパ12Aが減衰力を発生する方向が、Y軸方向となるように、ベース部材10が鉄塔3に配置されればよい。
本実施形態においては、コイルばね111の一端部が第1接続部材15を介してベース部材10に接続され、コイルばね111の他端部が第2接続部材16を介してベース部材10に接続される。そして、水平面内の一方向に関する付加質量部材13の振動(往復運動)により、コイルばね111の一端部の位置が固定された状態でコイルばね111が伸びるようにコイルばね111の他端部が移動する第1状態と、コイルばね111の他端部の位置が固定された状態でコイルばね111が伸びるようにコイルばね111の一端部が移動する第2状態とが繰り返される。これにより、付加質量部材13は、コイルばね111から復元力を受けて、塔状構造物1の1次振動モードの振動に同調して振動可能であり、塔状構造物1の振動が効果的に低減される。また、本実施形態によれば、コイルばね111に対して、縮める方向(圧縮方向)の力は作用せず、伸ばす方向(引張方向)の力のみが作用する。したがって、コイルばね111として、所謂、引張コイルばねを使用することができる。そのため、付加質量部材13の振動の振幅が大きくなっても、コイルばね111は、付加質量部材13に復元力(付勢力)を安定して与え続けることができる。
また、本実施形態において、減衰装置7は、水平方向に関する減衰力を発生する粘性ダンパ12Aと、鉛直方向に関する減衰力を発生する粘性ダンパ12Bとを有する。これにより、水平方向及び鉛直方向のそれぞれに関する付加質量部材13の振動が減衰される。また、粘性ダンパ12Bにより、水平方向に関する付加質量部材13の変位量(振幅)が過剰に大きくなることが抑制される。図6を参照して説明したように、粘性ダンパ12Bは、付加質量部材13が振動の原点Oから離れたときに(原点Oからの距離が大きいときに)、大きな抵抗力を発生する。換言すれば、付加質量部材13の変位量が大きくなるほど、水平方向に関する粘性ダンパ12Bの抵抗力(減衰力)は大きくなる。そのため、粘性ダンパ12Bは、水平方向に関する付加質量部材13の変位量(振幅)が大きくなったときのブレーキとして機能する。したがって、水平方向に関する付加質量部材13の変位量(振幅)が過剰に大きくなることが抑制される。その結果、例えば付加質量部材13が他の部材と接触することが抑制され、減衰装置7の少なくとも一部が損傷したり劣化したりすることが抑制される。また、図6に示したように、水平方向に関する付加質量部材13の変位量(振幅)が小さいとき、水平方向に関する粘性ダンパ12Bの抵抗力(減衰力)は小さい。そのため、水平方向に関する付加質量部材13の変位量(振幅)が過剰に大きくない場合(想定される振幅内において付加質量部材13が振動する場合)、粘性ダンパ12Bによって付加質量部材13の振動(往復運動)は阻害されない。したがって、チューンド・マス・ダンパによる振動減衰作用は妨げられず、減衰装置7は、振動を低減(減衰)することができる。
また、本実施形態において、粘性ダンパ12Aの少なくとも一部は、リンク機構19(リンク19D)に接続される。水平方向に関するリンク機構19(リンク19D)の変位量(振幅)は、付加質量部材13の変位量(振幅)よりも小さい。そのリンク機構19に粘性ダンパ12Aが接続されることにより、その粘性ダンパ12Aの変位量(シリンダ121とシャフト123との相対的な変位量)が大きくなることが抑制される。そのため、水平方向に関する付加質量部材13の変位量(振幅)が大きくなっても、粘性ダンパ12Aは、リンク機構19を介して、付加質量部材13の振動を減衰することができる。また、粘性ダンパ12Aは、大きな変位量を有しなくてもよいため、仕様の制限を受け難くなる。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図10は、本実施形態に係る減衰装置7Bの一例を示す。減衰装置7Bは、チューンド・マス・ダンパを含む。減衰装置7Bは、鉄塔3に固定されるベース部材10と、少なくとも一部がベース部材10に接続される弾性部材11Bと、少なくとも一部がベース部材10に接続されるダンパ12と、弾性部材11B及びダンパ12に連結された状態で、ベース部材10に対して水平方向に移動可能な付加質量部材13とを備えている。ダンパ12は、水平方向に関する減衰力を発生する粘性ダンパ12Aと、鉛直方向に関する減衰力を発生する粘性ダンパ12Bとを含む。付加質量部材13とベース部材10とはリンク機構19を介して連結される。粘性ダンパ12Aの少なくとも一部は、リンク機構19に接続される。
本実施形態において、弾性部材11Bは、ベース部材10の支持面10Bと付加質量部材13の下面との間に配置され、Z軸方向(鉛直方向)に積層された複数のゴムシートを有する積層ゴム112を含む。積層ゴム112は、交互に積層されたゴムシート及び鋼板を含む本体部20と、本体部20の上面及び下面のそれぞれに接続されたフランジ部21とを有する。
本実施形態においては、Z軸方向(鉛直方向)に配置される2つの積層ゴム112を含む積層ゴムユニット113がベース部材10と付加質量部材13との間に配置される。以下の説明において、Z軸方向に配置される2つの積層ゴム112のうち、下側に配置される積層ゴム112を適宜、下側積層ゴム112Bと称し、下側積層ゴム112Bの上に配置される積層ゴム112を適宜、上側積層ゴム112Aと称する。積層ゴムユニット113は、Z軸方向に配置される上側積層ゴム112Aと下側積層ゴム112Bとを有する。
図11は、付加質量部材13及び積層ゴムユニット113を模式的に示す平面図である。図10及び図11に示すように、本実施形態において、積層ゴムユニット113は、XY平面内(水平面内)において異なる複数の位置のそれぞれに配置される。本実施形態においては、ベース部材10の支持面10Bと付加質量部材13の下面との間において、積層ゴムユニット113は4つ配置される。積層ゴムユニット113は、XY平面内において異なる4つの位置のそれぞれに配置される。以下の説明において、4つの積層ゴムユニット113のそれぞれを適宜、第1積層ゴムユニット113A、第2積層ゴムユニット113B、第3積層ゴムユニット113C、及び第4積層ゴムユニット113Dと称する。
本実施形態において、減衰装置7は、少なくとも一部が上側積層ゴム112Aと下側積層ゴム112Bとの間に配置される補強部材22を有する。補強部材22は、形鋼を含む。補強部材22は、H形鋼でもよい。補強部材22は、隣り合う積層ゴムユニット113と積層ゴムユニット113とを結ぶように配置される。図11に示すように、本実施形態において、補強部材22は、X軸方向に隣り合う第1積層ゴムユニット113Aと第2積層ゴムユニット113Bとを結ぶ補強部材22Aと、Y軸方向に隣り合う第2積層ゴムユニット113Bと第3積層ゴムユニット113Cとを結ぶ補強部材22Bと、X軸方向に隣り合う第3積層ゴムユニット113Cと第4積層ゴムユニット113Dとを結ぶ補強部材22Cと、Y軸方向に隣り合う第4積層ゴムユニット113Dと第1積層ゴムユニット113Aとを結ぶ補強部材22Dと、を含む。
補強部材22Aの一部は、第1積層ゴムユニット113Aの下側積層ゴム112Bと上側積層ゴム112Aとの間に配置され、補強部材22Aの一部は、第2積層ゴムユニット113Bの下側積層ゴム112Bと上側積層ゴム112Aとの間に配置される。補強部材22Bの一部は、第2積層ゴムユニット113Bの下側積層ゴム112Bと上側積層ゴム112Aとの間に配置され、補強部材22Bの一部は、第3積層ゴムユニット113Cの下側積層ゴム112Bと上側積層ゴム112Aとの間に配置される。補強部材22Cの一部は、第3積層ゴムユニット113Cの下側積層ゴム112Bと上側積層ゴム112Aとの間に配置され、補強部材22Cの一部は、第4積層ゴムユニット113Dの下側積層ゴム112Bと上側積層ゴム112Aとの間に配置される。補強部材22Dの一部は、第4積層ゴムユニット113Dの下側積層ゴム112Bと上側積層ゴム112Aとの間に配置され、補強部材22Dの一部は、第1積層ゴムユニット113Aの下側積層ゴム112Bと上側積層ゴム112Aとの間に配置される。
次に、本実施形態に係る塔状構造物1の動作の一例について説明する。例えば地震が発生したり、強風が吹いたりして、塔状構造物1に動的な外力が作用した場合、塔状構造物1は振動する。上述の実施形態と同様、2次振動モード及び3次振動モードの一方又は両方を含む高次振動モードの振動は、主に第1連結装置8の粘性ダンパ80によって低減される。静的な外力に起因する筒身2の変形は、第2連結装置9を介して筒身2と水平方向に剛結合された鉄塔3によって抑制される。
1次振動モードの振動は、主に減衰装置7Bによって低減される。水平方向の塔状構造物1の振動に同調して、積層ゴム112の少なくとも一部が水平方向にせん断変形しつつ、付加質量部材13が水平方向に移動(振動)される。そのため、水平方向に関する塔状構造物1の振動が効果的に低減される。
本実施形態において、下側積層ゴム112B及び上側積層ゴム112Aを含む積層ゴムユニット113が設けられる。付加質量部材13が水平方向に振動した場合、水平方向に関する付加質量部材13の変位(移動)に伴って、下側積層ゴム112B及び上側積層ゴム112Aのそれぞれがせん断変形する。積層ゴムユニット113がせん断変形可能な量(せん断変形量)は、下側積層ゴム112Bがせん断変形可能な量(せん断変形量)と、上側積層ゴム112Aがせん断変形可能な量(せん断変形量)との和に相当する。そのため、水平方向に関する付加質量部材13の変位量(振幅)が大きくなっても、その付加質量部材13の変位(移動)に同調して、下側積層ゴム112B及び上側積層ゴム112Aを含む積層ゴムユニット113はせん断変形可能である。
本実施形態においては、例えば、補強部材22Aの一部が第1積層ゴムユニット113Aの下側積層ゴム112Bと上側積層ゴム112Aとの間に配置され、その補強部材22Aの一部が第2積層ゴムユニット113Bの下側積層ゴム112Bと上側積層ゴム112Aとの間に配置される。これにより、ベース部材10に対して付加質量部材13が水平方向に移動しても、積層ゴム112(上側積層ゴム112A及び下側積層ゴム112B)の曲げ変形(座屈)が抑制される。補強部材22Aと同様、補強部材22B、補強部材22C、及び補強部材22Dにより、積層ゴム112の曲げ変形が抑制される。そのため、減衰装置7の性能の低下が抑制される。
なお、本実施形態においては、積層ゴムユニット113は、Z軸方向に配置される2つの積層ゴム112を有することとした。積層ゴムユニット113は、Z軸方向に配置される3つ以上の任意の複数の積層ゴム112を有してもよい。なお、Z軸方向に複数の積層ゴム112が配置されなくてもよい。単数の積層ゴム112がベース部材10の支持面10Bと付加質量部材13の下面との間に配置されてもよい。
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図12は、本実施形態に係る塔状構造物1Cの一例を示す図である。図13は、図12の一部を拡大した図である。図14は、鉄塔3(縦材4)及び減衰装置23を模式的に示す平面図である。塔状構造物1Cは、鉛直方向に延びる筒身2と、筒身2の周囲の少なくとも一部に配置され、筒身2を支持する鉄塔3と、少なくとも一部が鉄塔3の下部に接続され、回転慣性質量ダンパを含む減衰装置23と、筒身2と鉄塔3とを連結する粘性ダンパ80を含む第1連結装置8と、筒身2と鉄塔3とを水平方向に剛結合する第2連結装置9と、を備える。
本実施形態において、鉄塔3は、下部3Bに補強材24を有する。補強材24を、ブレース24と称してもよい。補強材24は、Z軸方向に配置される複数の横材5のうち、基礎BSに最も近い横材5よりも下方に配置される。補強材24は、形鋼を含む。補強材24は、縦材4及び横材5に対して傾斜するように配置される。2つの補強材24の下部が結合される。2つの補強材24の上部は離れている。以下の説明において、2つの補強材24が結合される部分を適宜、結合部25と称する。また、結合部25によって結合された2つのブレース24を合わせて適宜、Vブレース24と称する。
減衰装置23は、鉄塔3の下部3Bに接続される。本実施形態において、減衰装置23は、補強材24の結合部25に接続される。結合部25は、基礎BSから離れている。図14に示すように、減衰装置23は、筒身2の周囲に複数配置される。
減衰装置23は、塔状構造物1の振動を低減する。図13に示す減衰装置23は、X軸方向に関する塔状構造物1の振動を抑制する。X軸方向に関する塔状構造物1の振動を抑制するための減衰装置23は、筒身2に対して+Y側又は−Y側に配置されてもよい。
減衰装置23は、ボールねじを含む。減衰装置23は、ボールねじ軸26と、ボールねじ軸26の周囲に配置されるナット27とを有する。また、減衰装置23は、ボールねじ軸26の周囲に配置されたフライホイール(付加質量部材)28を有する。ボールねじ軸26は、支持軸受を有する支持部材31に回転可能に支持される。ボールねじ軸26の回転軸は、X軸と平行である。ボールねじ軸26は、θX方向に回転可能である。支持部材31は、基礎BSに支持される。支持部材31により、X軸方向に関するボールねじ軸26の移動が制限(規制)される。ナット27は、支持部材29に支持される。支持部材29は、連結部材30に固定される。連結部材30は、補強材24(結合部25)に固定される。なお、連結部材30と補強材24(鉄塔3)とが一体でもよい。本実施形態において、ナット27は、支持部材29を介して、補強材24(鉄塔3)に支持される。ボールねじ軸26の一部は、ナット27に支持される。ボールねじ軸26は、ナット27及び支持部材31に回転可能に支持される。
フライホイール28は、ボールねじ軸26に固定されている。ボールねじ軸26が回転することにより、フライホイール28は、ボールねじ軸26と一緒にθX方向に回転する。また、ボールねじ軸26が回転することにより、ボールねじ軸26の回転軸と平行なX軸方向に関して、ナット27とボールねじ軸26とは相対的に移動する。
X軸方向に関して鉄塔3(結合部25)が移動(振動)すると、支持部材29を介して鉄塔3に接続されているナット27もX軸方向に移動する。ナット27がX軸方向に移動すると、ナット27及び支持部材31に回転可能に支持されているボールねじ軸26がθX方向に回転する。ボールねじ軸26の回転により、フライホイール28はボールねじ軸26と一緒に回転する。すなわち、本実施形態においては、X軸方向に関する鉄塔3の移動(振動)に連動して、ボールねじ軸26及びフライホイール28がθX方向に回転する。
本実施形態において、減衰装置23は、回転慣性質量ダンパを含む。回転慣性質量ダンパは、塔状構造物1の移動方向(振動方向)と平行な軸を回転軸としてフライホイール28を回転することにより、その塔状構造物1の振動を低減(減衰)する。すなわち、回転慣性質量ダンパは、塔状構造物1の振動にフライホイール28を同調させることによって、その塔状構造物1の振動を低減(減衰)する。回転慣性質量ダンパにおいては、フライホイール28の回転慣性モーメントと回転角加速度によって生じる回転トルクから軸方向(X軸方向)に関する慣性抵抗力(負担力)が得られる。減衰装置23において、回転慣性質量ダンパの固有振動数と塔状構造物1の固有振動数とが合うように、回転慣性質量ダンパの固有振動数が調整される。すなわち、塔状構造物1の共振点近傍における応答が低減されるように、回転慣性質量ダンパの固有振動数が調整される。回転慣性質量ダンパの固有振動数は、フライホイール28の回転軸と平行な方向(X軸方向)に関する補強材24の剛性とフライホイール28の回転慣性質量とにより定められる。塔状構造物1が振動すると、回転慣性力によりフライホイール28が回転する。すなわち、フライホイール(回転体)28は、塔状構造物1の振動に同調して回転する。これにより、塔状構造物1の振動エネルギーが吸収され、塔状構造物1の振動が低減(減衰)する。なお、回転慣性質量ダンパの一例が、例えば特開2008−196606号公報、特開2004−044748号公報、特許第3250795号公報、及び特許第4743439号公報などに開示されている。
本実施形態において、減衰装置23は、粘性ダンパ32を有する。粘性ダンパ32は、X軸方向に関する減衰力(抵抗力)を発生するように配置される。本実施形態において、粘性ダンパ32のシリンダが支持部材33に支持される。支持部材33は、基礎BSに支持される。粘性ダンパ32のシャフトが連結部材30を介して補強材24(鉄塔3)に接続される。なお、粘性ダンパ32のシャフトが支持部材33に連結され、粘性ダンパ32のシリンダが連結部材30(補強材24)に連結されてもよい。粘性ダンパ32と支持部材33とは、例えばピン結合されてもよい。粘性ダンパ32と連結部材30(補強材24)とは、例えばピン結合されてもよい。
以上、X軸方向に関する塔状構造物1Cの振動を抑制可能な減衰装置23について説明した。Y軸方向に関する塔状構造物1Cの振動を減衰装置23により抑制する場合、減衰装置23は、ボールねじ軸26及びフライホイール28の回転軸とY軸とが平行となるように配置される。Y軸方向に関する鉄塔3(補強材24)の移動(振動)に伴って、ボールねじ軸26及びフライホイール28は、θY方向に回転する。また、粘性ダンパ32がY軸方向に関する減衰力(抵抗力)を発生するように、減衰装置23の少なくとも一部が鉄塔3に接続される。Y軸方向に関する塔状構造物1Cの振動を抑制するための減衰装置23は、筒身2に対して+X側又は−X側に配置されてもよい。
次に、本実施形態に係る塔状構造物1Cの動作の一例について説明する。塔状構造物1Cに動的な外力が作用した場合、塔状構造物1Cは振動する。上述の実施形態と同様、2次振動モード及び3次振動モードの一方又は両方を含む高次振動モードの振動は、主に第1連結装置8の粘性ダンパ80によって低減される。静的な外力に起因する筒身2の変形は、第2連結装置9を介して筒身2と水平方向に剛結合された鉄塔3によって抑制される。
1次振動モードの振動は、主に減衰装置23によって低減される。水平方向の鉄塔3(塔状構造物1C)の振動に同調して、ブレース(Vブレース)24の結合部25が変位しつつ、フライホイール28が回転する。そのため、水平方向に関する鉄塔3の振動が効果的に抑制される。鉄塔3と筒身2とは結合されている。したがって。鉄塔3の1次振動モードの振動が低減されることにより、筒身2の振動も低減される。その結果、塔状構造物1Cの振動が効果的に低減される。
以上説明したように、本実施形態においても、回転慣性質量ダンパを含む減衰装置23、及び粘性ダンパを含む第1連結装置8によって、その塔状構造物1Cの振動が抑制される。本実施形態において、塔状構造物1Cの1次振動モードの振動は、少なくとも一部が鉄塔3の下部に接続された回転慣性質量ダンパを含む減衰装置23によって減衰される。2次振動モード及び3次振動モードを含む高次振動モードの振動は、粘性ダンパを含む第1連結装置8によって減衰される。また、本実施形態によれば、塔状構造物1Cに外力が作用しても、筒身2と鉄塔3とを水平方向に剛結合する第2連結装置9によって、その塔状構造物1Cの変形が抑制される。
また、本実施形態においても、第2連結装置9によって、高次振動モードにおける筒身2の振動の節を含む筒身2の一部と、鉄塔3の振動の節を含む鉄塔3の一部とが連結されてもよい。筒身2の振動の節及び鉄塔3の振動の節はそれぞれ変位量が小さい。そのため、筒身2と鉄塔3とは安定して水平方向に剛結合される。
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図15は、本実施形態に係る第1連結装置800の一例を示す図である。第1連結装置800は、筒身2と鉄塔3とを連結する。第1連結装置800は、複数のコイルばね801と、複数の粘性ダンパ80と、を備えている。コイルばね801は、筒身2と複数(4本)の縦材4のそれぞれとを連結するように複数(4つ)配置されている。粘性ダンパ80は、筒身2と複数(4本)の縦材4のそれぞれとを連結するように複数(4つ)配置されている。コイルばね801は、そのコイルばね801の伸縮方向と筒身2の軸に対する放射方向とが一致するように配置される。粘性ダンパ80は、その粘性ダンパ80が減衰力を発生する方向と筒身2の軸に対する放射方向とが一致するように配置される。XY平面において、4本の縦材4のそれぞれは、それら4本の縦材4を結ぶ仮想線によって形成される長方形の頂点に配置される。その長方形の中心(対角線の交点)と、筒身2の軸(中心)とは一致する。外力が作用されていない状態において、4本の縦材4のそれぞれと筒身2との距離は、等しい。
以上説明したように、筒身2と鉄塔3とを連結する第1連結装置800が、コイルばね801及び粘性ダンパ80を備えてもよい。筒身2が柔構造の場合、筒身2に対する外力の作用によって筒身2の少なくとも一部が曲がるように(倒れるように)変形する可能性がある。コイルばね801による復元力によって、その筒身2の変形が抑制される。また、例えば静的な外力(風外力など)が筒身2に作用しても、その外力はコイルばね801を介して鉄塔3に伝達される。これにより、筒身2の変形が抑制される。
なお、上述の各実施形態で説明した塔状構造物1は、新たに筒身2(煙突など)の施工(新設)のときに建設されてもよい。既存(既設)の塔状構造物に必要な施工を行って、上述の各実施形態で説明した塔状構造物1が建設されてもよい。例えば、既存の塔状構造物の鉄塔の上部に減衰装置7が配置されたり、既存の塔状構造物の鉄塔の下部に減衰装置23の少なくとも一部が接続されたり、既存の筒身の所定の部位と鉄塔の所定の部位とが第1連結装置8及び第2連結装置9で連結されたりすることによって、上述の各実施形態で説明した塔状構造物1が建設されてもよい。
なお、上述の各実施形態において、静的な外力とは、ある一方向に一定時間作用する力を含み、速度成分が無い又は小さい力を含む。静的な外力は、例えば、平均風速など一定風速の風による外力(風外力)を含む。風外力は、竜巻による外力及び強風による外力を含む。動的な外力とは、異なる方向に交互に作用する力を含み、速度成分を有する力を含む。動的な外力は、例えば、振動による外力(振動外力)を含む。振動外力は、地震による外力(地震外力)を含む。動的な外力は、例えば、風速が変化する風による外力(風外力)を含む。