JP5800904B2 - 乾燥食品の製造方法 - Google Patents
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Description
このような畜肉系の乾燥食品は、熱湯を注加し、3〜5分程度で復元する必要がある。所定の時間内に復元するためには、畜肉系の乾燥具材の大きさ(厚み)が重要になっていた。
しかし、上記製造方法では、砂糖等の含量が多いため乾燥肉に対する味の影響も大きくなってしまうという問題点があった。
お湯又は水を注いで復元して喫食する、畜肉系の乾燥食品の製造方法であって、畜肉原料又は畜肉系食品を過熱蒸気処理する工程、過熱蒸気処理した畜肉原料又は畜肉系食品を凍結する工程、及び凍結した畜肉原料又は畜肉系食品を減圧下にて乾燥する工程を含む、製造方法、である。
本発明は、お湯又は水を注いで復元する乾燥食品に関するものである。また、特に畜肉原料又は畜肉系食品を利用する乾燥食品に関するものである。このような乾燥食品は、即席カップ麺やカップスープ等の各種食品に用いることができる。また、保存食等として緊急時の非常食として用いることもできる。
本発明にいう畜肉原料とは、鶏肉、豚肉、牛肉、馬肉及び羊肉等が挙げられる。これらの畜肉原料を用いて本発明の乾燥食品の製造を行う。また、畜肉原料はブロック状のような塊状のものにかぎられずミンチ状等に処理したものも含まれる。本発明の製造方法において、これらの畜肉原料は、原料段階で生のままでも使用できるが、凍結したものを用いることもできる。
また、後述するが本発明においては凍結状態の畜肉に対して解凍時に過熱蒸気処理を用いることもできる。
本発明にいう畜肉系食品とは、上記畜肉原料を用いた食品をいう。例えば、畜肉原料(例えば、牛肉や豚肉)を用い、これをミンチとして、さらに適宜たまねぎ等の野菜を加えて成型したハンバーグや肉団子等の畜肉系の食品が該当する。
このように本発明にいう畜肉系食品には本発明の対象としている。ひき肉等の畜肉原料を用いてハンバーグ等を調製する場合、たまねぎやにんにく等の野菜系の原料も用いられるが、このような野菜系の原料の他、醤油及びソース等の調味料並びに香辛料が用いられてもよい。
(1)過熱蒸気処理
過熱蒸気とは、飽和蒸気を大気圧下において強制的に100℃以上に温度を上昇させた水蒸気のことをいう。乾燥食品の製造方法における過熱蒸気処理の工程は上述のように行うことができる。
ここで、過熱蒸気処理の条件については適宜選択することができるが、概ね、過熱蒸気処理装置の庫内温度は120℃〜300℃程度、蒸気流量は100〜250kg/h程度、1回あたりの処理時間は10秒〜4分程度が標準的である。
本発明における過熱蒸気処理工程については、一般的な畜肉系の乾燥食品の製造工程の一部又は全部として種々の段階で加えることができる。
一般的には、畜肉系の乾燥食品は、畜肉原料又は畜肉系食品(以下、“畜肉原料等”とする)の加熱工程→凍結乾燥の工程を経て製造される。
加熱工程は、通常の畜肉系の乾燥食品を製造する場合に必要な工程であり、畜肉原料等の殺菌及び調理を兼ねて行われる。通常、加熱工程は、蒸煮、茹で、フライ及びマイクロウエーブ等が用いられる。
過熱蒸気処理は上述のように100℃以上の高温度で行うため、一般的な加熱工程に相当させることもできるし、あるいは一般的な加熱工程に追加して過熱蒸気処理工程を行うこともできる。
まず、畜肉系の乾燥食品の製造方法において、過熱蒸気処理工程を畜肉原料等の加熱工程の前に行うことができる。例えば、畜肉原料等の過熱蒸気処理→加熱→凍結乾燥の順で工程を行う方法が挙げられる。また、この場合、畜肉原料等が凍結状態である場合には、過熱蒸気処理を解凍の目的も兼ねて使用できるため効果的である。
次に、加熱工程の後に過熱蒸気処理工程を付加することもできる。すなわち、畜肉原料等の加熱→過熱蒸気処理→凍結乾燥の順で工程を行う方法が挙げられる。具体的には、畜肉原料等をスチーム等で加熱した後、さらに、過熱蒸気処理を付加するような場合である。
上記の過熱蒸気処理は、複数回実施してもよい。すなわち、最初の過熱蒸気処理を行ってから、対象の畜肉原料等に水分を付与して再度、過熱蒸気処理を施すという方法も有効である。
すなわち、長時間の過熱蒸気処理を行うと畜肉の表面が乾燥する場合があるため、表面に水分を付与する工程を付加する。このように“過熱蒸気+水分付与”のセットを複数回の過熱蒸気処理を繰り返すことで過熱蒸気処理の効果を高めることができる。
温度にもよるが通常の過熱蒸気処理であると、対象物の水分含量によるがその表面が過乾燥されて焼成に繋がる場合もあるため、意図的にそのような目的とする場合を除いて、過熱蒸気処理工程の途中で水分付与等を行うことが必要である。
尚、繰り返しの回数については特に制限されるものではないが、概ね“過熱蒸気+水分付与”のセットを2回以上繰り返すことでより効果を高めることができる。
上記の乾燥工程において、対象物を一旦凍結して、凍結物を減圧下で乾燥する方法(いわゆる、凍結乾燥法)を採用する。食品の乾燥方法には、単に熱風を与える熱風乾燥方法もあるが、水分が蒸発する際に組織が収縮することになるため、畜肉系の乾燥食品にとって好ましくない。一方、凍結乾燥法では、凍結された食品中の氷の昇華によって乾燥が進むため、乾燥による形態の変化がなく、調理時の形態のままの多孔質の乾燥品とすることができる。すなわち、過熱蒸気処理によって形成された畜肉原料に生じた特有の構造をある程度まで保持したまま乾燥することができるものと考えられる。この特有の構造が復元性に関与するものと考えられる。
上述の凍結時の前に、水分を付与しておくことが好ましい。水分付与によって、凍結乾燥後の乾燥食品について、お湯又は水によって復元時の復元ムラをなくして均一な復元を実現することができる。
具体的には、上述の加熱工程又は過熱蒸気処理工程の後に、凍結し、凍結乾燥の工程に移行するが、凍結の前に水分を付与する。例えば、過熱蒸気処理後から直接に凍結乾燥処理に移る場合には、凍結前に水分を付与するとよい。
過熱蒸気処理によって対象畜肉の水分を低下させた状態で、再度、水分を付与して凍結→減圧下における乾燥をすることで復元時のムラをなくして効果的な復元が可能になる。
また、水分付与の方法としては特に限定されない。すなわち、スプレー等で水分を付与する方法や、水や調味液に浸漬する方法が可能である。
凍結後の畜肉原料等を減圧下で乾燥を行う(凍結乾燥法)。凍結乾燥の条件としては、通常の条件に従うが、概ね0.8Torr以下の真空度で、棚温度50℃〜70℃程度で、概ね14時間〜24時間程度行う。
凍結乾燥後の乾燥食品は各種即席食品に利用することができる。特に即席カップ麺等の具材として用いることができる。また、通常即席カップ麺に用いる場合、3分〜5分程度復元することが必要になるが、本発明の製造方法によって得られる乾燥食品は従来の製造方法で得られる乾燥食品では復元が困難であった、厚みのある畜肉系の乾燥食品も復元することができる。
(実施例1)(過熱蒸気処理のみの場合)
畜肉原料として鶏肉を用いて、凍結乾燥されたから揚げを用いて過熱蒸気処理の効果を比較した。凍結乾燥されたから揚げは以下の手順により作製した。
ブロック状の鶏胸肉(品温10℃以下)から余分な脂身、筋及び血管等を除去した。得られた鶏胸肉を、ミンサープレート穴サイズ4.7mmのチョッパーでチョップした。
チョップ後の鶏胸肉1000gに、4倍量に水戻しした植物性蛋白質400g、調味料(醤油、食塩、砂糖、還元水飴及び香辛料等を含有)200g、水200gを混合してから、ミキサーで3分間混合した。混合後の鶏胸肉を直径60mmのケーシングに詰めて(450g/60cm)、−40℃で3hr時間凍結を行った。
過熱蒸気処理後の鶏胸肉を水冷し、表面にフライ用の衣(小麦粉、調味料、香辛料及び色素)0.5g/個を付加し、180℃のパームオイルで20秒間フライし鶏肉のから揚げを調製した。次に、から揚げを品温0〜−10℃に10時間程度かけて緩慢凍結を行った。さらに、凍結したから揚げを真空凍結乾燥機に入れて、棚温度60℃、0.8Torrで24時間保持して凍結乾燥を行い、乾燥された鶏胸肉のから揚げを完成させた。
実施例1における過熱蒸気処理工程(“過熱蒸気処理(1分)→水浸漬(30秒)→過熱蒸気処理(1分)→水浸漬(30秒)→過熱蒸気処理(1分)”)の前に、スチーム処理(98℃)で8分を行い、その他の工程は実施例1と同様にして、乾燥された鶏胸肉のから揚げを完成させた。
実施例1における過熱蒸気処理工程に代えて、スチーム(98℃)で8分間保持を行い、その他の工程は実施例1と同様にして乾燥された鶏胸肉のから揚げを完成させた。
上記の実施例及び比較例で得られた乾燥後のから揚げについて以下の方法により復元性を評価した。上記唐揚げ5g(1個)をカップ状の容器に入れて、上部より熱湯を300g入れて3分後に喫食した。
復元度の評価は熟練のパネラー4名で行い、5段階(5:復元性 良⇔1:復元性 悪)で行った。
(実施例3)
畜肉原料として豚肉を用いて、凍結乾燥された豚角煮を製造して過熱蒸気処理の効果を確認した。凍結乾燥された豚角煮は以下の手順により作製した。
ブロック状の豚肉(品温10℃以下)から余分な脂身、筋及び血管等を除去した。得られた豚肉にピックル液を打ち込み、12時間タンブリングを行い、10℃以下で一晩放置した。
凍結後の豚肉を半解凍し、50mm×50mmの正方形で厚みを15mmとして角柱状に豚肉をカット。
カットした豚肉(解凍状態)を過熱蒸気処理装置(連続平型コンベア式)を用いて、庫内温度160℃、蒸気流量170kg/hで1分間保持し、過熱蒸気処理を行った。
過熱蒸気処理後のカット豚肉に着味液を添加して、一晩4℃で浸漬した。浸漬後にカット豚肉を液切りし、品温0〜−10℃に10時間かけて緩慢凍結を行った。さらに、凍結したカット豚肉を真空凍結乾燥機に入れて、棚温度60℃、0.8Torrで24時間保持して凍結乾燥を行い、乾燥された豚角煮を作製した。
上記の実施例3で過熱蒸気処理をしないことを除いては実施例3と同様の方法で処理し、凍結乾燥された豚角煮を作製した。
上記の実施例及び比較例で得られた乾燥後のから揚げについて以下の方法により復元性を評価した。上記豚角煮15g(1個)をカップ状の容器に入れて、上部より熱湯を300g入れて5分後に喫食した。復元度の評価は熟練のパネラー4名で行い、5段階(5:復元性 良⇔1:復元性 悪)で行った。
(実施例4)
畜肉系食品であるハンバーグの乾燥食品を以下のように製造した。畜肉原料として豚肉160g及び豚脂160gを入れて攪拌し、これにさらに、タマネギ100gを加えて混合した。これにさらに粒状タンパク70g、パン粉43g、水400g及びエキス類12gを投入して攪拌し、十分に攪拌し、全体が均等になるようにミキサーで混合した。
次に、混合物を70mm×55mm、厚み15mmとし一個当り56gのひき肉混合物を調製した。
過熱蒸気処理後のハンバーグを風冷により冷却した。
冷却したハンバーグを、品温0〜−10℃に10時間かけて緩慢凍結を行った。
さらに、凍結したハンバーグを真空凍結乾燥機に入れて、棚温度60℃、0.8Torrで24時間保持して凍結乾燥を行い、乾燥されたハンバーグを完成させた。
実施例4における過熱蒸気処理後の風冷を水浸漬(1分)に変更し、その他の工程は実施例4と同様にして、乾燥されたハンバーグを完成させた。
上記実施例4で過熱蒸気処理の代わりにオーブン加熱(290℃、2.5分)を実施することを除いては実施例4と同様に行った。
上記の実施例及び比較例で得られた乾燥後のハンバーグについて以下の方法により復元性を評価した。上記ハンバーグ15g(1個)をカップ状の容器に入れて、上部より熱湯を300g入れて3分後に喫食した。
復元度の評価は熟練のパネラー4名で行い、5段階(5:復元性 良⇔1:復元性 悪)で行った。
Claims (5)
- お湯又は水を注いで復元して喫食する、畜肉系の乾燥食品の製造方法であって、
畜肉原料又は畜肉系食品を過熱蒸気処理する工程、
過熱蒸気処理した畜肉原料又は畜肉系食品を凍結する工程、及び
凍結した畜肉原料又は畜肉系食品を減圧下にて乾燥する工程
を含む、製造方法。 - 過熱蒸気処理工程の後であって凍結工程の前に、畜肉原料又は畜肉系食品に水分を付与する工程を含む、請求項1記載の製造方法。
- 畜肉原料又は畜肉系食品に含まれる水分が凍結した状態で過熱蒸気処理工程を行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 過熱蒸気処理工程の後であって凍結工程の前に、畜肉原料又は畜肉系食品への水分付与及びこれに続く過熱蒸気処理を行う工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- 水分付与及びこれに続く過熱蒸気処理工程を複数回繰り返す、請求項4に記載の製造方法。
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