JP5821477B2 - インホイールモータ駆動ユニット - Google Patents
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Description
車輪の軸受部(ハブベアリング)周りの変位によっても、インホイールモータ駆動ユニット内における歯車変速機構の歯車噛合状態を良好に維持し得るようになす技術に関するものである。
この提案技術になるインホイールモータ駆動ユニットは、ハウジングに内蔵した電動モータの回転がモータ軸から減速歯車組を経て、ハウジングに回転自在に支持した車輪取り付けメンバであるホイールハブに伝達されるようにしたものである。
上記タイヤ横力によるホイールハブの倒れ(こじり)は、大径歯車の軸線を対応方向へ傾斜させる。
この現象は、ホイールハブをハウジングに回転自在に支持する軸受(ハブベアリング)の摩耗や製造誤差などで、ホイールハブがハウジングに対し「ガタ」を発生したり、相対変位する時も同様に生ずる。
そのため、大径歯車の軸線とピニオンの軸線との平行がくずれ、大径歯車およびピニオン間に径方向相対変位を生ずる。
本発明は、これら継手のうち特に磁石継手を相対変位吸収式駆動結合機構として用いたインホイールモータ駆動ユニットに係わる。
先ず、本発明の前提となるインホイールモータ駆動ユニットを説明するに、これは、
電動モータのモータ軸と、該電動モータの回転を出力する出力軸との間を歯車変速機構により駆動結合し、電動モータの回転を上記歯車変速機構による変速下に上記出力軸から車輪へ向かわせて該車輪を駆動するようにしたものである。
上記出力軸および車輪の同軸突き合わせ駆動結合部に、上記車輪の軸受部周りにおける変位が前記歯車変速機構に及ぶことのないよう該車輪の変位を吸収する磁石継手を挿置し、
この磁石継手を、上記電動モータから遠い上記歯車変速機構の側に配置し、
上記電動モータおよび磁石継手間に、磁気シールドを介在させたことを特徴とする。
車輪の軸受部周りにおける変位によっても歯車変速機構が噛み合い不良を生ずることがなく、この噛み合い不良による諸問題、つまり歯車変速機構の強度低下や、耐久性の悪化や、不快な異音の発生や、車輪の減速に関した前記の問題を回避することができる。
従って、電動モータおよび磁石継手間に磁気的な相互干渉を生じ難く、磁石継手が電動モータ自身や、モータ回転位置検出用のレゾルバに悪影響を及ぼす懸念や、電動モータが磁石継手に悪影響を及ぼす懸念を払拭することができる。
更に本発明においては、磁石継手を上記のように配置するだけでなく、電動モータおよび磁石継手間に磁気シールドを介在させたため、電動モータおよび磁石継手間の磁気的な相互干渉を生じ難くするという上記の効果を一層確実なものにすることができる。
<第1実施例の構成>
図1は、本発明の第1実施例になるインホイールモータ駆動ユニットを示す縦断側面図である。
この図において、1は、インホイールモータ駆動ユニットのケース本体、2は、該ケース本体1のリヤカバーで、これらケース本体1およびリヤカバー2により、インホイールモータ駆動ユニットのユニットケース3を構成する。
電動モータ4は、ケース本体1の内周に嵌合して固設した円環状のステータ6と、かかる円環状ステータ6の内周にラジアルギャップを持たせて同心に配したロータ7とで構成する。
このため遊星歯車式減速歯車組5は、サンギヤ11と、このサンギヤ11に対し出力軸9寄りに軸線方向へずらせて同心配置した固定のリングギヤ12と、これらサンギヤ11およびリングギヤ12に噛合する段付きプラネタリギヤ(段付きピニオン)13と、かかる段付きプラネタリギヤ13を回転自在に支持したキャリア14とにより構成する。
出力軸9は、減速歯車組5から反対方向(車幅方向外方)に延在させて、ケース本体1の前端(図の右側)開口より突出させ、この突出端に同軸に突き合わせてホイールシャフト10を設ける。
このホイールシャフト10には、後述のようにして車輪15を駆動結合する。
このベアリング16から軸線方向に離間したモータ軸8の端部を、ボールベアリングを可とするベアリング17でユニットケース3に軸受する。
かくして端蓋18は、ベアリング16から軸線方向に離間した出力軸9の端部をユニットケース3に対し回転自在に支承する用をなす。
ホイールハブ21は、複列アンギュラベアリングを可とするハブベアリング22およびベアリングポート23を介してユニットケース3に回転自在に支持する。
かかる磁石継手25の配置によれば、磁石継手25は電動モータ4から遠い減速歯車組5の側に位置することとなる。
このレゾルバ26は、電動モータ4の回転位置を検出し、当該検出したモータ回転位置を電動モータ4の同期駆動制御に用いる。
この段付きプラネタリギヤ13は、大径ギヤ部13aが出力軸9から遠い側に位置し、小径ギヤ部13bが出力軸9に近い側に位置するような向きに配置する。
キャリア14は、減速歯車組5の出力回転メンバとして機能させ、モータ軸8に近い出力軸9の端部に一体的に設ける。
ホイールハブ21に同心に、ブレーキディスク27を一体結合して設け、これらホイールハブ21およびブレーキディスク27を貫通して軸線方向に突出するよう複数個のホイールボルト28を植設する。
車輪15の取り付けに際しては、そのホイールディスクに穿ったボルト孔にホイールボルト28が貫通するよう当該ホイールディスクをブレーキディスク27の側面に密接させ、この状態でホイールボルト28にホイールナット(図示せず)を緊締螺合することで、ホイールシャフト10に対する車輪15の取り付けを行う。
電動モータ4のステータ6に通電すると、これからの電磁力で電動モータ4のロータ7が回転駆動される。
この際、電動モータ4(ロータ7)の回転位置をレゾルバ26で検出し、これにより検出したロータ回転位置に基づき電動モータ4を回転同期下に駆動制御する。
これによりサンギヤ11は、大径ギヤ部13aを介して段付きプラネタリギヤ13を回転させるが、このとき固定のリングギヤ12が反力受けとして機能するため、段付きプラネタリギヤ13は、小径ギヤ部13bがリングギヤ12に沿って転動するような遊星運動を行う。
かかる段付きプラネタリギヤ13の遊星運動はキャリア14を介して出力軸9に伝達され、出力軸9をモータ軸8と同方向に回転させる。
出力軸9への回転は、これに磁石継手25を介して駆動結合したホイールシャフト10およびホイールハブ21を経て車輪15に伝達され、車両を走行させることができる。
上記したインホイールモータ駆動ユニットの作用中、車輪15に大きな横力が入力されたり、車輪軸受であるハブベアリング22が摩耗や劣化したことで、車輪15が軸受部(ハブベアリング22)の周りに大きな変位を生ずる場合、磁石継手25がこの変位を吸収して減速歯車組5に及ぶことのないよう機能する。
従って、電動モータ4および磁石継手25間に磁気的な相互干渉を生じ難く、磁石継手25が電動モータ4自身や、モータ回転位置検出用のレゾルバ26に悪影響を及ぼす懸念(電動モータ4の誤作動や、駆動制御精度の低下など)や、逆に電動モータ4が磁石継手25に悪影響を及ぼす懸念(磁石継手25の誤作動や、伝達力変化など)を払拭することができる。
また図4は、磁石継手25からの磁力線が電動モータ4に達して、電動モータ4を誤作動させたり、そのモータ出力を既定値から変化させるなどの悪影響が及ぶ場合の状況をイメージ図として示すものである。
更に図5は、磁石継手25からの磁力線がレゾルバ26に達して、レゾルバ26のモータ回転位置検出精度を低下させ、電動モータ4の駆動制御が不正確になるなどの悪影響が及ぶ場合の状況をイメージ図として示すものである。
図6は、本発明の第2実施例になるインホイールモータ駆動ユニットを示す縦断側面図である。
本実施例は、インホイールモータ駆動ユニットを、図1につき前述した第1実施例と略同じ全体構成として、磁石継手25を第1実施例と同様に電動モータ4からできるだけ離して配置する。
なお図6中、図1におけると同様な部分は同一符号を付して示すにとどめ、その直複説明を避けた。
当該追加した磁気シールド31は、図2に明示した端蓋18に対し図6のごとくインロー型式で密嵌するような形状とし、端蓋18用の取り付けボルト19,24を用いて、端蓋18と共にケース本体1の前端面に共締めする。
上記した第2実施例によれば、磁気シールド31が電動モータ4からの磁力線を磁石継手25に達することのないよう迂回させたり、磁石継手25からの磁力線が電動モータ4およびレゾルバ26に達することのないよう迂回させることができる。
図7に示すごとく磁気シールド31は、電動モータ4からの磁力線を磁石継手25に向かうことのないよう、この磁石継手25を迂回して電動モータ4に戻る磁路を形成する。
よって電動モータ4からの磁力線が、磁石継手25に達してこれを誤作動させたり、その伝達力を既定値から変化させるなどの悪影響を、前記した第1実施例よりも更に確実に防止することができる。
よって磁石継手25からの磁力線が、電動モータ4およびレゾルバ26に達して、電動モータ4を誤作動させたり、そのモータ出力を既定値から変化させるなどの悪影響や、レゾルバ26のモータ回転位置検出精度の低下により、電動モータ4の駆動制御が不正確になるなどの悪影響を、前記した第1実施例よりも更に確実に防止することができる。
磁気シールド31の追設によるインホイールモータ駆動ユニットの軸線方向長大化を相殺して、インホイールモータ駆動ユニットの長大化を回避可能である。
図6の第2実施例では、端蓋18に対しインホイールモータ駆動ユニットの軸線方向に重ねて磁気シールド31を追設したが、本実施例(第3実施例)はかかる新設部品の追加に頼ることなく同様な効果が得られるようにしたものである。
他方で、以下のようにハブベアリング22の保守、交換時における脱着作業を容易にするためのものでもある。
なお、この状態でも出力軸9は、端蓋18によりケース本体1に対し芯出し状態に保たれている。
次に、この芯出し状態で、ハブベアリング22をベアリングサポート23、ホイールハブ21およびホイールシャフト10と共に、ケース本体1の前端に向かう軸線方向(図1の左方向)へ移動させることにより、ベアリングサポート23を図1のごとく端蓋18にインロー型式に嵌合させる。
ハブベアリング22(ベアリングサポート23を含む)の脱着作業中も出力軸9が端蓋18でケース本体1に対し心出し状態に保たれ、この端蓋18に対しベアリングサポート23(ハブベアリング22)をインロー型式に嵌合させるだけで、容易にハブベアリング22(ベアリングサポート23を含む)をケース本体1の前端に対し取り付けることができ、ベアリングサポート23(ハブベアリング22)の脱着を容易に行い得る。
かようにハブベアリング22の脱着作業を容易にするための既存の端蓋18を磁気遮蔽材で造り、この端蓋18を、図6における磁気シールド31として兼用する本実施例の構成によれば、
新設部品としての磁気シールド31を追加しなくても、図6の第2実施例と同様な効果が奏し得られる。
その分だけ磁石継手25および電動モータ4間の離間距離を短くし得てインホイールモータ駆動ユニットの軸線方向寸法を短縮することができる。
2 リヤカバー
3 ユニットケース
4 電動モータ
5 遊星歯車式減速歯車組(歯車変速機構)
6 ステータ
7 ロータ
8 モータ軸
9 出力軸
10 ホイールシャフト
11 サンギヤ
12 リングギヤ
13 段付きプラネタリギヤ
14 キャリア
15 車輪
18 端蓋
19,24 ボルト
21 ホイールハブ
22 ハブベアリング
23 ベアリングサポート
25 磁石継手
26 レゾルバ
Claims (3)
- 電動モータのモータ軸と、該電動モータの回転を出力する出力軸との間を歯車変速機構により駆動結合し、電動モータの回転を前記歯車変速機構による変速下に前記出力軸から車輪へ向かわせて該車輪を駆動するようにしたインホイールモータ駆動ユニットにおいて、
前記出力軸および車輪の同軸突き合わせ駆動結合部に、前記車輪の軸受部周りにおける変位が前記歯車変速機構に及ぶことのないよう該車輪の変位を吸収する磁石継手を挿置し、
該磁石継手を、前記電動モータから遠い前記歯車変速機構の側に配置し、
前記電動モータおよび磁石継手間に、磁気シールドを介在させたことを特徴とするインホイールモータ駆動ユニット。 - 前記出力軸がインホイールモータ駆動ユニットケースの車輪に近い前端開口から突出するものである、請求項1に記載のインホイールモータ駆動ユニットにおいて、
前記磁気シールドは、前記歯車変速機構および磁石継手間にあって、前記出力軸の外周面と、前記インホイールモータ駆動ユニットケースの前端開口内周面との間に延在するプレートであることを特徴とするインホイールモータ駆動ユニット。 - 前記歯車変速機構および磁石継手間の軸線方向位置で、前記出力軸の外周面と、前記インホイールモータ駆動ユニットケースの前端開口内周面との間に延在するユニットケース端蓋を具え、該ユニットケース端蓋にハブベアリングを介し車輪を回転自在に支持して該ハブベアリングの脱着作業を容易にした、請求項2に記載のインホイールモータ駆動ユニットにおいて、
前記ユニットケース端蓋を磁気遮蔽材で造ることにより、該ユニットケース端蓋を前記磁気シールドとして流用したことを特徴とするインホイールモータ駆動ユニット。
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