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JP5842622B2 - 光伝送装置および光伝送方法 - Google Patents
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Description

本発明は、光信号を伝送する光伝送装置および光伝送方法に関する。
近年、ハイエンド・サーバやスーパーコンピュータなどにおけるCPU間での信号伝送の速度向上および大容量化に伴い、電気信号伝送の限界を打破すべく、近距離や中距離の信号伝送に光を用いる、光インターコネクトの技術が検討されている。光インターコネクトでは、電気信号を光信号に変換する光トランシーバなどを備え、たとえばアレイ光ファイバ等の伝送路を介して、送信側および受信側の光伝送装置間で光信号によりデータを伝送する。光伝送の光信号源として、たとえば小型かつ低消費電力で直接電流変調が可能なレーザ素子VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:垂直共振器面発光レーザ)、光受信部として、たとえば光信号を受光して電気信号に変換するPD(Photo Diode:フォトダイオード)などが用いられる。光トランシーバの技術において、光伝送装置の状況に基づき消費電力を制御する技術としては、たとえば、下記特許文献1〜3がある。
特許文献1は、光伝送装置の温度が高くなったとき、送信するデータの優先度に応じて発光素子の駆動電流を抑制または停止させて発光素子の省電力化を図る技術である。特許文献2は、低消費電力モード時に、接続監視用に送信するトーン信号の周波数を低くして消費電力を低減する技術である。特許文献3は、スタンバイモード時に低速の送信回路と受信回路に切り替えることにより、低消費電力化を図る技術である。
特開2011−44827号公報 特許第3544932号公報 特開2007−13504号公報
光素子は、温度上昇により特性が劣化することが知られている。特に光伝送装置の発光素子である、VCSELでは温度上昇により急激に特性が劣化し、動作が不可能となる。光インターコネクトにおいては、仕様温度(たとえば70〜80℃)を超えた範囲であっても、システムの動作を止めないため、信号の伝送が不通にならないことが必要である。動作する温度範囲の拡大し、仕様温度以上での高温動作を可能とするには、消費電力削減により温度上昇を抑え、発光素子に対する熱影響を低減させることが有効である。しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の技術では、発光素子の安定動作を規定する仕様温度(たとえば70〜80℃)を超えた場合に安定した動作を継続させることはできず、光伝送装置が動作する温度範囲を拡大することができなかった。また、光伝送の動作が停止することになった。
光伝送装置が動作する温度範囲を拡大、特に仕様温度を超える高温度の状態で動作させるためには、発光素子に対する熱影響を低減させる制御が必要であり、その実現が要望されていた。
開示技術は、発光素子の仕様温度を超える高温度でも光伝送動作を継続できることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示技術は、発光素子および発光素子駆動回路を含む光送信器と、前記光送信器の温度を検出する温度センサと、前記温度センサにより検出した温度が前記発光素子の仕様温度以上となる場合に、発光素子の動作速度と、伝送速度と、送信するパワーとをそれぞれ考慮して、前記光送信器の動作モードを通常モードから低電力モードに切り替え、前記発光素子に対する熱影響を低減させて前記発光素子の動作を継続させる制御部と、を備え、前記発光素子駆動回路は、帯域拡張回路を備え、前記制御部は、前記低電力モード時に、前記発光素子駆動回路の前記帯域拡張回路の動作を停止させる制御をおこない、前記発光素子に対する熱影響を低減させる。
開示の光伝送装置および光伝送方法によれば、発光素子の仕様温度を超える高温度でも光伝送動作を継続できるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる光伝送装置の構成を示す図である。 図2は、実施の形態1によるモード切り替え時の制御内容を示すフローチャートである。 図3−1は、帯域拡張回路の例を示す回路図である。 図3−2は、帯域拡張の有無により観測される光出力の波形図である。 図4−1は、通常モードから低電力モードへ切り替える際の各部の切り替えタイミングを示す図である。 図4−2は、低電力モードから通常モードへ切り替える際の各部の切り替えタイミングを示す図である。 図5は、モード切り替え前後における温度の変化状態を示す図表である。 図6−1は、動作モードの切り替えによる速度の改善効果を示す図表である。 図6−2は、動作モードの切り替えによる光出力パワーの改善効果を示す図表である。 図7は、実施の形態2にかかる光伝送装置の構成を示す図である。 図8は、実施の形態2によるモード切り替え時の制御内容を示すフローチャートである。 図9−1は、動作モードの切り替えによる速度の改善効果を示す図表である。 図9−2は、動作モードの切り替えによる光出力パワーの改善効果を示す図表である。 図10は、実施の形態3にかかる光伝送装置の構成を示す図である。 図11は、実施の形態3によるモード切り替え時の制御内容を示すフローチャートである。 図12−1は、動作モードの切り替えによる速度の改善効果を示す図表である。 図12−2は、動作モードの切り替えによる光出力パワーの改善効果を示す図表である。
(光伝送装置の構成)
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施の形態1にかかる光伝送装置の構成を示す図である。開示の光伝送装置100は、光送信器101と、光受信器111とが一体化された複数チャネル(ch、図示の例では4ch)の光トランシーバである。
光送信器101は、複数チャネル(図示の例では4ch)の光信号を生成(O/E変換)する発光素子(VCSEL)102と、発光素子102のチャネル数に対応した光信号を送信する複数チャネルを有するアレイファイバ103と、発光素子102を駆動する発光素子駆動回路104とを含む。光受信器111は、複数チャネル(図示の例では4ch)の光信号を受光(E/O変換)する受光素子(PD)112と、受信するチャネル数に対応した光信号を伝送するアレイファイバ113と、受信回路114とを含む。
発光素子駆動回路104は、発光素子102に送出する信号の帯域拡張(プリエンファシス)をおこなうための帯域拡張回路を有しており、後述するモード切り替え時には、対応して帯域拡張(プリエンファシス)の実行をON/OFFで切り替え自在である。また、この発光素子駆動回路104は、発光素子102に供給する駆動電流を制御し発光素子102の光パワーを変更自在である。この発光素子駆動回路104は、発光素子102の近傍に配置されており、自らの発熱を発光素子102に伝えやすい状態である。
この光伝送装置100には、IC等からなるインタフェース回路130が接続されている。このインタフェース回路130は、光送信器101の発光素子駆動回路104に送信用の信号を送信する出力回路131を含む。また、不図示であるが、インタフェース回路130は、光受信器111の受信回路114から信号を受信する入力回路を含む。
光送信器101と光受信器111は、基板140上に搭載されており、この基板140上には、温度センサ141と、制御部150が設けられている。基板140上の温度センサ141は基板140の温度、すなわち、発光素子102および発光素子駆動回路104の外部のモジュール温度を計測し、制御部150に出力する。図示の例では、温度センサ141は、発光素子102の近傍に配置している。これに限らず、さらに発光素子駆動回路104内部にも温度センサ141を設けて制御部150に発光素子駆動回路104内部の温度を計測することもできる。制御部150は、計測した温度に応じて光送信器101の動作モードを切り替えるモード切り替えの機能を有する。
この制御部150は、温度センサ141により発光素子102が搭載されたモジュールの温度を計測し、規定の仕様温度以上になった場合にモード切り替えをおこない、発光素子102の仕様温度を超える高温度でも光伝送動作を継続させる。そして、制御部150は、このモード切り替え時に、光送信器101による信号送信にかかる各部である、発光素子駆動回路104、インタフェース回路130の出力回路131、および対向する光伝送装置の受信器(光送信器101のデータ送信先の受信器)に対し、モード設定信号を送出する。なお、実施の形態1では、対向する光伝送装置の受信器に対して、モード設定信号を信号伝送用のアレイファイバ103と異なる別系統のサイドバンドの伝送系統160を用いて送出する。
(制御部のモード切り替えについて)
制御部150のモード切り替えの概要について説明する。制御部150は、温度センサ141により規定の仕様温度以上が計測されたとき、以下(1)〜(3)の各制御を単独、あるいは組み合わせて実行する。
(1)送信するデータ速度を低速に変更する。加えて、送信するデータに対するプリエンファシスの実行をONからOFFに切り替えて消費する電流を低減させる。
(2)送信するデータ速度を低速に変更する。加えて、発光素子102の光パワー(駆動電流)を低減化させる。この際、対向する光伝送装置の受信器の感度を向上させる通知をおこなう。
(3)複数の伝送チャネル数(レーン数)を減少させる縮退動作をおこなう。
より具体的には、制御部150は、モード設定信号1,2を各部に出力する。
(1)の場合、モード設定信号1をインタフェース回路130に出力し、送信するデータ速度を低速に変更する。また、このモード設定信号1を発光素子駆動回路104に出力し、プリエンファシスの実行をONからOFFに切り替える。
(2)の場合、モード設定信号1をインタフェース回路130に出力し、送信するデータ速度を低速に変更する。また、このモード設定信号1を発光素子駆動回路104に出力し、発光素子102の光パワー(駆動電流)を低減化させる。さらに、対向する光伝送装置の受信器に対してモード設定信号2を出力し、受信器の帯域を制限して感度を向上させる。
(3)の場合、モード設定信号1を発光素子駆動回路104とインタフェース回路130の出力回路131に出力し、データを送信するチャネル数を減少させる。
上記のモード設定信号1,2は、異なる信号としたが、一つの信号として受信側で必要な情報を抽出する構成にもできる。以下、モード設定信号1,2は、それぞれ出力先が異なるため、便宜上符号1,2を付して説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1では、上記制御部150がモード切り替え時におこなう上記(1)の制御例について説明する。図2は、実施の形態1によるモード切り替え時の制御内容を示すフローチャートである。制御部150がおこなう制御内容について記載してある。この(1)の制御例では、低電力モード時には、送信するデータ速度を低速に変更する。加えて、送信するデータに対するプリエンファシスの実行をONからOFFに切り替えて消費する電流を低減させる。
制御部150は、初期化の後(ステップS201)、温度センサ141により基板140のモジュール温度TMを計測する(ステップS202)。そして、制御部150は、計測したモジュール温度TMを予め設定したモジュール上限温度TM1と比較する(ステップS203)。
そして、ステップS203の比較結果、計測したモジュール温度TMが予め設定したモジュール上限温度TM1より低い場合には(ステップS203:Yes)、制御部150は、光送信器101(およびインタフェース回路130)用のモード設定信号1に低温パラメータを設定する(ステップS204)。モード設定信号1に設定される低温パラメータは、通常モード時の高速な値(たとえば25GBps)の伝送速度(レーン速度)と、プリエンファシス設定がONの値を含む。
また、制御部150は、光送信器101のデータ送信先の受信器(対向する光伝送装置の受信器)用のモード設定信号2に低温パラメータを設定する(ステップS205)。モード設定信号2に設定される低温パラメータは、通常モード時の高速な値(たとえば25GBps)の伝送速度(レーン速度)を含む。
そして、制御部150は、光送信器101(およびインタフェース回路130)にモード設定信号1を送信し、対向する光伝送装置の受信器にモード設定信号2を送信する(ステップS206)。光伝送装置100は、この低温パラメータの設定により通常モードとなる。この後、モジュール温度TMを計測し(ステップS207)、計測したモジュール温度TMを再びモジュール上限温度TM1と比較する(ステップS208)。そして、計測したモジュール温度TMが予め設定したモジュール上限温度TM1より低い場合には(ステップS208:Yes)、ステップS207に戻るが、計測したモジュール温度TMが予め設定したモジュール上限温度TM1を超えた場合には(ステップS208:No)、ステップS209に移行する。
ステップS203、あるいはステップS208の比較結果、計測したモジュール温度TMが予め設定したモジュール上限温度TM1を超えた場合(ステップS203:No、およびステップS208:No)、ステップS209以下の処理により高温パラメータ設定をおこなう。
はじめに、制御部150は、光送信器101(およびインタフェース回路130)用のモード設定信号1に高温パラメータを設定する(ステップS209)。モード設定信号1に設定される高温パラメータは、高温時(低電力モード時)の低速な値(たとえば14GBps)の伝送速度(レーン速度)と、プリエンファシス設定がOFFの値を含む。
また、制御部150は、光送信器101のデータ送信先の受信器(対向する光伝送装置の受信器)用のモード設定信号2に高温パラメータを設定する(ステップS210)。モード設定信号2に設定される高温パラメータは、高温時(低電力モード時)の低速な値(たとえば14GBps)の伝送速度(レーン速度)を含む。
そして、制御部150は、光送信器101(およびインタフェース回路130)にモード設定信号1を送信し、対向する光伝送装置の受信器にモード設定信号2を送信する(ステップS211)。光伝送装置100は、この高温パラメータの設定により低電力モードとなる。この後、モジュール温度TMを計測し(ステップS212)、計測したモジュール温度TMをモジュール上限温度TM2と比較する(ステップS213)。このモジュール上限温度TM2は、TM1と異なる値(たとえばTM2<TM1)に設定してヒステリシスを持たせている。これにより、しきい値としてモジュール上限温度TM1を一つだけ用いた場合に、モジュール温度TMの変動により、モジュール上限温度TM1を跨いで頻繁に動作モードが切り替わることを防ぐことができる。
そして、計測したモジュール温度TMが予め設定したモジュール上限温度TM2より低い場合には(ステップS213:Yes)、ステップS204に戻る。一方、計測したモジュール温度TMが予め設定したモジュール上限温度TM2を超えていれば(ステップS213:No)、ステップS212に戻る。
この光伝送装置100に対向する光伝送装置の受信器(光送信器101のデータ送信先の受信器)においては、モード設定信号2の受信により、光送信器101と同じ動作モードで動作する。
図3−1は、帯域拡張回路の例を示す回路図である。上述した発光素子駆動回路104に含まれる帯域拡張回路300を示している。この帯域拡張回路300は、入力されたデータ(Data1)に対し、それぞれ遅延量が異なる遅延回路301,302で遅延させたデータ(DATA2,Data3)を結合部303で結合させることにより、信号の立ち上がりを強調し、帯域拡張(プリエンファシス)をおこなう。これにより、発光素子102が高温になった場合でも、高周波帯域でのデータ送信のための高速動作を確保することができる。
そして、この実施の形態1では、発光素子102の高温時に、制御部150は、帯域拡張回路300の遅延回路301,302と、遅延回路301,302後段のバッファ303,304を停止制御することにより、帯域拡張の動作を停止させる。これにより、熱源となる帯域拡張回路300の発熱を発光素子102に伝えず、発光素子102への熱影響を低減させる。この際、発光素子102は、帯域拡張(プリエンファシス)されないデータを送信するが、データ伝送を停止することなく、継続できるようになる。
図3−2は、帯域拡張の有無により観測される光出力の波形図である。(A)に示すように、帯域拡張回路300による帯域拡張を実行しない場合(OFF時)、発光素子102の光出力波形は、アイ開口が十分に開かない状態となる。一方、(B)に示すように、帯域拡張回路300による帯域拡張を実行すると(ON時)、発光素子102の光出力波形は、アイ開口が十分に開いた状態となる。このように帯域拡張回路300は、光出力波形を改善することができるが、この帯域拡張回路300(遅延回路301,302等)の動作により消費電力が増大するとともに、自己発熱により、発光素子102の温度を上昇させる要因となる。
したがって、上記の処理により、温度センサ141が計測したモジュール温度TMがモジュール上限温度TM1を超えたときに、帯域拡張回路300の動作を停止(OFF)させることにより、消費電力を低減し、帯域拡張回路300自体の発熱の抑制、すなわち、発光素子102の温度上昇を抑制できるようになる。
ここで、送信するデータ速度と、プリエンファシス実行の切り替えのタイミングについて説明する。図4−1は、通常モードから低電力モードへ切り替える際の各部の切り替えタイミングを示す図である。図の横軸は時間である。図に示すように、温度センサ141で計測されたモジュールの温度が次第に高温になり、最大動作温度Tmaxを超えるまでの間は、インタフェース回路130は通常モードで動作させ、モジュールの温度が最大動作温度Tmaxを超えると低電力モードに切り替え、伝送速度を低下させる。発光素子駆動回路104については、インタフェース回路130が低電力モードに切り替えられた後の所定の期間tiが経過してから低電力モードに切り替え、帯域拡張(プリエンファシス)をOFFにする。
このように、通常モードから低電力モードへの切り替え時には、はじめに、インタフェース回路130を低電力モードに切り替えて伝送速度を低下させた後、発光素子駆動回路104を低電力モードに切り替え、帯域拡張(プリエンファシス)をOFFにする。これは、伝送速度を変更するより先に帯域拡張(プリエンファシス)をOFFにすると、光波形が劣化し送信するデータが不通状態となることを防ぐためである。
図4−2は、低電力モードから通常モードへ切り替える際の各部の切り替えタイミングを示す図である。図に示すように、低電力モード時に温度センサ141で計測されたモジュールの温度が次第に低温になり、低電力解除温度に達するまでの間は、発光素子駆動回路104は低電力モードで動作させ、モジュールの温度が低電力解除温度を下回ると通常モードに切り替え、帯域拡張(プリエンファシス)をONにする。インタフェース回路130については発光素子駆動回路104が通常モードに切り替えられた後の所定の期間tiが経過してから通常モードに切り替え、伝送速度を上げる。
このように、低電力モードから通常モードへの切り替え時には、はじめに、発光素子駆動回路104を通常モードに切り替え、帯域拡張(プリエンファシス)をONにしてから、インタフェース回路130を通常モードに切り替えて伝送速度を上げる。これは、伝送速度を変更した後に帯域拡張(プリエンファシス)をONにすると、発光素子駆動回路104における動作速度不足によりデータが不通状態となることを防ぐためである。
図5は、モード切り替え前後における温度の変化状態を示す図表である。上記の低温パラメータ設定時(通常モード)から高温パラメータ設定時(低電力モード)に動作モードが切り替えられたときの温度変化を示している。図の横軸は時間、縦軸は温度である。
図示のように、当初、電源ON時以降、伝送速度が高速(たとえば25Gbps)な通常モードにより動作しており、この通常モードを継続すると、モジュール温度TMおよび装置内温度Taがいずれも上昇し始める。そして通常モードの期間の終端付近(時期t1)でモジュール温度TMがモジュール上限温度TM1を超えたとする。
これにより、制御部150は動作モードを切り替え、伝送速度を低速(たとえば14Gbps)に変更した低電力モードに切り替える。これにより、モジュール温度TMが低下する。この際、発光素子駆動回路104を低電力モードにすることにより、装置内温度Taとモジュール温度TMとの差分ΔTLは、通常モード時の差分ΔTNに比べて小さくすることができる(ΔTL<<ΔTN)。これにより、最大動作可能な装置内温度Taは、最大動作温度Tmax−ΔTNであったことを、Tmax−ΔTLとして改善することができるようになる。
なお、制御部150は、低電力モードの継続後、モジュール温度TMが予め規定した低電力解除温度(低電力モード解除:TM2)まで低下すると(時期t2)、この低電力モードを終了する。低電力解除温度は、たとえば図示のように、仕様環境温度よりやや低い温度に設定することができる。そして制御部150は、再び伝送速度が高速(たとえば25Gbps)な通常モードに切り替えて動作させる。
図6−1は、動作モードの切り替えによる速度の改善効果を示す、制御例(1)に関する図表である。図の横軸は温度、縦軸は速度である。通常時に要求される一定な伝送速度S1に対し、発光素子102の動作速度S2は、温度が上昇するにしたがい急降下する。この動作速度S2は、プリエンファシスがONの状態である。そして、規定した仕様温度以上になると、発光素子の動作速度S2は、伝送速度S1を満足できなくなる。
このため、上記の処理では動作モードを切り替え、高温パラメータ設定(低電力モード)で動作させる。この高温パラメータ時には伝送速度S1を低下させる。この際、発光素子駆動回路104の帯域拡張回路300による帯域拡張(プリエンファシス)を実行しない(OFF)ことにより、発光素子102の動作速度自体の低下分S2aの効果を得ることができる。さらに、プリエンファシスを実行しない(OFF)ことにより、帯域拡張回路300の消費電力を低減化させ、帯域拡張回路300自体の発熱の抑制(低下)による、発光素子102の温度上昇の抑制分S2bの効果を得ることができる。これら低下、抑制分S2a,S2bにより得られる伝送速度特性S21は、発光素子102が仕様温度以上の高温度の範囲において、切り替え後の伝送速度S11を満たす速度で光伝送動作できることを示している。
また、図6−2は、動作モードの切り替えによる光出力パワーの改善効果を示す、制御例(1)に関する図表である。図の横軸は温度、縦軸はパワー(光出力)である。通常時に要求される一定な送信パワーP1に対し、発光素子102のパワーP2は、温度が上昇するにしたがい急降下する。このパワーP2は、プリエンファシスがONの状態である。そして、規定した仕様温度以上になると、発光素子のパワーP2は、要求される一定な送信パワーP1を満足できなくなる。
このため、上記の処理では動作モードを切り替え、高温パラメータ設定で動作させ、この高温パラメータ時にはプリエンファシスを実行しない(OFF)ことにより、帯域拡張回路300の消費電力を低減化させ、帯域拡張回路300自体の発熱の抑制(低下)による、発光素子102の温度上昇の抑制分P2aを得ることができる。この抑制分P2aにより得られるパワー特性P21は、発光素子102が仕様温度以上の高温度の範囲において、切り替え前後で同じ要求される送信パワーP1を満たす速度で光伝送動作できることを示している。また、対向する光伝送装置の受信器では、伝送レートの低下によって、受信感度を向上させることができる。
上記の高温パラメータ1,2に設定する低速時の伝送速度は、所定の最低通信速度を満たす速度であれば良い。また、固定値に限らず、計測されたモジュール温度TMに応じて複数段階の伝送速度に可変させてもよい。この場合、モジュール温度TMが高くなるほど、段階的に伝送速度が低速となるよう制御すればよい。
上述した実施の形態1によれば、モジュールの温度を検出し、高温時には低電力モードに切り替え、送信するデータ速度を低速に変更する。また、送信するデータに対するプリエンファシスを停止(OFF)させ、プリエンファシス実行により帯域拡張回路が消費する電流を低減させ、熱源となる帯域拡張回路の発熱を停止させることにより、近傍に配置された発光素子への熱影響を低減させ発光素子の温度上昇を抑える。これにより、発光素子は仕様温度以上の高温度の範囲でも低電力で光伝送動作を継続することができるようになる。
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2にかかる光伝送装置の構成を示す図である。この実施の形態2では、実施の形態1で説明したモジュール(基板140)のモジュール温度TMを温度センサ141により計測するとともに、もう一つの温度センサ701を発光素子(VCSEL)102近傍に配置された発光素子駆動回路104内部に設けて発光素子温度TVを計測する。このほかの構成は、実施の形態1(図1)に記載の構成と同様であり説明を省略する。
そして、実施の形態2では、上記制御部150がモード切り替え時におこなう上記(2)の制御例について説明する。この(2)の制御例では、低電力モード時には、送信するデータ速度を低速に変更する。加えて、発光素子102の光パワー(駆動電流)を低減化させる。この際、対向する光伝送装置の受信器の感度を向上させる通知をおこなう。
図8は、実施の形態2によるモード切り替え時の制御内容を示すフローチャートである。制御部150がおこなう制御内容について記載してある。制御部150は、初期化の後(ステップS801)、温度センサ141により基板140のモジュール温度TMと、発光素子102の発光素子温度TVを計測する(ステップS802)。そして、制御部150は、計測したモジュール温度TMを予め設定したモジュール上限温度TM1と比較する。また、計測した発光素子温度TVを予め設定した発光素子上限温度TV1と比較する。(ステップS803)。
そして、計測したモジュール温度TMがモジュール上限温度TM1より低い場合、または発光素子温度TVが発光素子上限温度TV1より低い場合には(ステップS803:Yes)、制御部150は、光送信器101(およびインタフェース回路130)用のモード設定信号1に低温パラメータを設定する(ステップS804)。モード設定信号1に設定される低温パラメータは、通常モード時の高速な値(たとえば25GBps)の伝送速度(レーン速度)と、発光素子の光パワー(低減なし)とを含む。
また、制御部150は、光送信器101のデータ送信先の受信器(対向する光伝送装置の受信器)用のモード設定信号2に低温パラメータを設定する(ステップS805)。モード設定信号2に設定される低温パラメータは、通常モード時の高速な値(たとえば25GBps)の伝送速度(レーン速度)と、受信器での受信帯域の値とを含む。
そして、制御部150は、光送信器101(およびインタフェース回路130)にモード設定信号1を送信し、対向する光伝送装置の受信器にモード設定信号2を送信する(ステップS806)。光伝送装置100は、この低温パラメータの設定により通常モードとなる。この後、モジュール温度TMと発光素子温度TVを計測する(ステップS807)。そして計測したモジュール温度TMを再びモジュール上限温度TM1と比較し、発光素子温度TVを発光素子上限温度TV1と比較する(ステップS808)。そして、計測したモジュール温度TMがモジュール上限温度TM1より低い場合、または発光素子温度TVが発光素子上限温度TV1より低い場合には(ステップS808:Yes)、ステップS807に戻るが、計測したモジュール温度TMがモジュール上限温度TM1を超えた場合、発光素子温度TVが発光素子上限温度TV1を超えた場合には(ステップS808:No)、ステップS809に移行する。
ステップS803、あるいはステップS808の比較結果、計測したモジュール温度TMがモジュール上限温度TM1を超えた場合、または発光素子温度TVが発光素子上限温度TV1を超えた場合には(ステップS803:No、およびステップS808:No)、ステップS809以下の処理により高温パラメータ設定をおこなう。
はじめに、制御部150は、光送信器101(およびインタフェース回路130)用のモード設定信号1に高温パラメータを設定する(ステップS809)。モード設定信号1に設定される高温パラメータは、高温時(低電力モード時)の低速な値(たとえば14GBps)の伝送速度(レーン速度)と、発光素子102の光パワーを低減させる値を含む。
また、制御部150は、光送信器101のデータ送信先の受信器(対向する光伝送装置の受信器)用のモード設定信号2に高温パラメータを設定する(ステップS810)。モード設定信号2に設定される高温パラメータは、高温時(低電力モード時)の低速な値(たとえば14GBps)の伝送速度(レーン速度)と、受信器での受信帯域(制限された受信帯域)の値を含む。
そして、制御部150は、光送信器101(およびインタフェース回路130)にモード設定信号1を送信し、対向する光伝送装置の受信器にモード設定信号2を送信する(ステップS811)。光伝送装置100は、この高温パラメータの設定により低電力モードとなる。この後、モジュール温度TMと発光素子温度TVを計測する(ステップS812)。そして計測したモジュール温度TMをモジュール上限温度TM2と比較し、発光素子温度TVを発光素子上限温度TV2と比較する(ステップS813)。
このモジュール上限温度TM2は、TM1と異なる値(たとえばTM2<TM1)に設定され、発光素子上限温度TV2は、発光素子上限温度TV1と異なる値(たとえばTV2<TV1)に設定され、それぞれヒステリシスを持たせている。これにより、しきい値としてモジュール上限温度TM1を一つだけ用いた場合に、モジュール温度TMの変動により、モジュール上限温度TM1を跨いで頻繁に動作モードが切り替わることを防ぐことができる。同様に、および発光素子上限温度TV1を一つだけ用いた場合に、発光素子温度TVの変動により、発光素子上限温度TV1を跨いで頻繁に動作モードが切り替わることを防ぐことができる。
そして、計測したモジュール温度TMが予め設定したモジュール上限温度TM2より低い場合、または発光素子温度TVが予め設定した発光素子上限温度TV2より低い場合には(ステップS813:Yes)、ステップS804に戻る。一方、計測したモジュール温度TMがモジュール上限温度TM2を超えている場合、または発光素子温度TVが発光素子上限温度TV2を超えている場合には(ステップS813:No)、ステップS812に戻る。
図9−1は、動作モードの切り替えによる速度の改善効果を示す、制御例(2)に関する図表である。図の横軸は温度、縦軸は速度である。通常時に要求される一定な伝送速度S1に対し、発光素子102の動作速度S2は、温度が上昇するにしたがい急降下する。この動作速度S2は、通常の光パワーを有している状態(低減なし)である。そして、規定した仕様温度以上になると、発光素子の動作速度S2は、伝送速度S1を満足できなくなる。
このため、上記の処理では動作モードを切り替え、高温パラメータ設定(低電力モード)で動作させる。この高温パラメータ時には伝送速度S1を低下させる。この際、発光素子102の光パワーを低減させることにより、電力低減による温度低下分S2cの効果を得ることができ、これにより得られる伝送速度特性S22は、発光素子102が仕様温度以上の高温度の範囲において、切り替え後の伝送速度S11を満たす速度で光伝送動作できることを示している。
また、図9−2は、動作モードの切り替えによる光出力パワーの改善効果を示す、制御例(2)に関する図表である。図の横軸は温度、縦軸はパワー(光出力)である。通常時に要求される一定な送信パワーP1に対し、発光素子102のパワーP2は、温度が上昇するにしたがい急降下する。このパワーP2は、通常の一定なパワー出力をおこなう制御状態である。そして、規定した仕様温度以上になると、発光素子のパワーP2は、要求される一定な送信パワーP1を満足できなくなる。
このため、上記の処理では動作モードを切り替え、高温パラメータ設定で動作させ、この高温パラメータ時には発光素子102のパワーを低減させることにより、電力低減による温度低下分P2cの効果を得ることができる。これにより得られるパワー特性P22は、発光素子102が仕様温度以上の高温度の範囲で要求される送信パワーP12を満たし光伝送動作できることを示している。また、対向する光伝送装置の受信器では、伝送レートの低下によって、受信帯域が制限され、受信感度を向上させることができる。
この実施の形態2においても、実施の形態1において説明したのと同様に、通常モードから低電力モードへ切り替える際には、はじめに、インタフェース回路130を低電力モードに切り替えて伝送速度を低下させた後、発光素子駆動回路104を低電力モードに切り替えて発光素子102のパワーを低減させる。また、低電力モードから通常モードへ切り替える際には、はじめに、発光素子駆動回路104を通常モードに切り替え、発光素子102の光パワーを上げてから、インタフェース回路130を通常モードに切り替えて伝送速度を上げる。
そして、この実施の形態2において説明した発光素子102は、組み立て時の放熱材が有する放熱性能のばらつきや、熱接触のばらつきなどにより、個別の変動特性を有する。このため、発光素子102の温度変化を直接温度センサで検出することにより、適切な温度で低電力モードに切り替えることができるようになる。
上述した実施の形態2によれば、モジュールの温度および発光素子の温度をそれぞれ検出し、高温時には低電力モードに切り替え、送信するデータ速度を低速に変更する。また、送信するデータのパワーを低減させて発光素子が消費する電流を低減させ、発光素子の温度上昇を抑える。これにより、発光素子は仕様温度以上の高温度の範囲でも低電力で光伝送動作を継続することができるようになる。
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3にかかる光伝送装置の構成を示す図である。この実施の形態3では、対向する光伝送装置の受信器(光送信器101のデータ送信先の受信器)における光信号の状態をモニタ信号Dとして制御部150が受信し(フィードバック入力)、動作モードの切り替えに用いる構成である。このほかの構成は、実施の形態1(図1)に記載の構成と同様であり説明を省略する。
そして、実施の形態3では、上記制御部150がモード切り替え時におこなう上記(3)の制御例について説明する。この(3)の制御例では、低電力モード時には、複数のチャネル数(レーン数)を減少させる縮退動作をおこなう。
図11は、実施の形態3によるモード切り替え時の制御内容を示すフローチャートである。制御部150がおこなう制御内容について記載してある。制御部150は、初期化の後(ステップS1101)、温度センサ141により基板140のモジュール温度TMを計測する(ステップS1102)。そして、制御部150は、計測したモジュール温度TMを予め設定したモジュール上限温度TM1と比較する(ステップS1103)。
そして、ステップS1103の比較結果、計測したモジュール温度TMが予め設定したモジュール上限温度TM1より低い場合には(ステップS1103:Yes)、制御部150は、光送信器101(およびインタフェース回路130)用のモード設定信号1に低温パラメータを設定する(ステップS1104)。モード設定信号1に設定される低温パラメータは、通常モード時に用いる伝送チャネル数(たとえば4ch)の値を含む。
また、制御部150は、光送信器101のデータ送信先の受信器(対向する光伝送装置の受信器)用のモード設定信号2に低温パラメータを設定する(ステップS1105)。モード設定信号2に設定される低温パラメータは、通常モード時に用いる伝送チャネル数(たとえば4ch)の値を含む。
そして、制御部150は、光送信器101(およびインタフェース回路130)にモード設定信号1を送信し、対向する光伝送装置の受信器にモード設定信号2を送信する(ステップS1106)。光伝送装置100は、この低温パラメータの設定により通常モードとなる。この後、モジュール温度TMを計測し(ステップS1107)、計測したモジュール温度TMを再びモジュール上限温度TM1と比較する(ステップS1108)。そして、計測したモジュール温度TMが予め設定したモジュール上限温度TM1より低い場合には(ステップS1108:Yes)、ステップS1107に戻る。
一方、計測したモジュール温度TMが予め設定したモジュール上限温度TM1を超えた場合には(ステップS1108:No)、対向する光伝送装置の受信器からモニタ信号Dを受信する(ステップS1109)。このモニタ信号Dのモニタ値RMは、対向する光伝送装置の受信器が計測した光信号のパワー、あるいはアイ開口の状態を示す情報である。アイ開口の状態は、対向する光伝送装置の受信器に設けられた誤り訂正(FEC)などを用いて計測できる。
そして、受信したモニタ値RMを予め設定した設定モニタ値RM1と比較する(ステップS1110)。たとえば、モニタ値RMが光信号のパワーを示す場合、モニタ値RMが予め設定した光信号のパワーの設定モニタ値RM1を超える場合に「適」と判断し、モニタ値RMが予め設定した光信号のパワーの設定モニタ値RM1を下回る場合に「不適」と判断する。また、モニタ値RMが光信号のFECを示す場合、モニタ値RMが予め設定した光信号の誤り率の設定モニタ値RM1を超える場合に「不適」と判断し、モニタ値RMが予め設定した光信号の誤り率の設定モニタ値RM1を下回る場合に「適」と判断する。そして、比較の結果、受信したモニタ値RMが「適」であれば(ステップS1110:適)、ステップS1107に戻り、受信したモニタ値RMが「不適」であれば(ステップS1110:不適)、ステップS1111に移行する。
ステップS1103の比較結果、計測したモジュール温度TMがモジュール上限温度TM1を超えた場合(ステップS1103:No)と、受信したモニタ値RMが「不適」の場合(ステップS1110:不適)には、ステップS1111以下の処理により高温パラメータ設定をおこなう。
はじめに、制御部150は、光送信器101(およびインタフェース回路130)用のモード設定信号1に高温パラメータを設定する(ステップS1111)。モード設定信号1に設定される高温パラメータは、高温時(低電力モード時)の縮退させた伝送チャネル数(たとえば2ch)の値を含む。
また、制御部150は、光送信器101のデータ送信先の受信器(対向する光伝送装置の受信器)用のモード設定信号2に高温パラメータを設定する(ステップS1112)。モード設定信号2に設定される高温パラメータは、高温時(低電力モード時)の縮退させた伝送チャネル数(たとえば2ch)の値を含む。
そして、制御部150は、光送信器101(およびインタフェース回路130)にモード設定信号1を送信し、対向する光伝送装置の受信器にモード設定信号2を送信する(ステップS1113)。光伝送装置100は、この高温パラメータの設定により低電力モードとなる。この後、モジュール温度TMを計測し(ステップS1114)、計測したモジュール温度TMをモジュール上限温度TM2と比較する(ステップS1115)。このモジュール上限温度TM2は、モジュール上限温度TM1と異なる値(たとえばTM2<TM1)に設定してヒステリシスを持たせている。これにより、しきい値としてモジュール上限温度TM1を一つだけ用いた場合に、モジュール温度TMの変動により、モジュール上限温度TM1を跨いで頻繁に動作モードが切り替わることを防ぐことができる。
そして、計測したモジュール温度TMが予め設定したモジュール上限温度TM2より低い場合には(ステップS1115:Yes)、ステップS1104に戻る。一方、計測したモジュール温度TMが予め設定したモジュール上限温度TM2を超えていれば(ステップS1115:No)、対向する光伝送装置の受信器からモニタ信号Dを受信する(ステップS1116)。
そして、受信したモニタ値RMを予め設定した設定モニタ値RM2と比較する(ステップS1117)。この設定モニタ値RM2についても、RM1と異なる値(たとえばRM2<RM1)に設定してヒステリシスを持たせている。モニタ値RMが光信号のパワーを示す場合、モニタ値RMが予め設定した光信号のパワーの設定モニタ値RM2を超える場合に「適」と判断し、モニタ値RMが予め設定した光信号のパワーの設定モニタ値RM2を下回る場合に「不適」と判断する。また、モニタ値RMが光信号のFECを示す場合、モニタ値RMが予め設定した光信号の誤り率の設定モニタ値RM2を超える場合に「不適」と判断し、モニタ値RMが予め設定した光信号の誤り率の設定モニタ値RM2を下回る場合に「適」と判断する。そして、比較の結果、受信したモニタ値RMが「適」であれば(ステップS1117:適)、ステップS1104に戻り、受信したモニタ値RMが「不適」であれば(ステップS1117:不適)、ステップS1114に戻る。
図12−1は、動作モードの切り替えによる速度の改善効果を示す、制御例(3)に関する図表である。図の横軸は温度、縦軸は速度である。通常時に要求される一定な伝送速度S1に対し、発光素子102の動作速度S2は、温度が上昇するにしたがい急降下する。この動作速度S2は、通常の伝送チャネル数を有している状態(縮退なし、たとえば4ch)である。そして、規定した仕様温度以上になると、発光素子の動作速度S2は、一定な伝送速度S1を満足できなくなる。
このため、上記の処理では動作モードを切り替え、高温パラメータ設定(低電力モード)で動作させる。この高温パラメータ時には伝送チャネル数を縮退させる(たとえば2ch)。このように、伝送チャネル数を縮退させることにより、アレイ状に配置された発光素子102のうち駆動される並列レーンが削減され、発光素子102の電力低減による温度低下分S2dの効果を得ることができ、これにより得られる伝送速度特性S23は、発光素子102が仕様温度以上の高温度の範囲において、切り替え前後で一定な伝送速度S1を満たす速度で光伝送動作できることを示している。
また、図12−2は、動作モードの切り替えによる光出力パワーの改善効果を示す、制御例(3)に関する図表である。図の横軸は温度、縦軸はパワー(光出力)である。通常時に要求される一定な送信パワーP1に対し、発光素子102のパワーP2は、温度が上昇するにしたがい急降下する。そして、規定した仕様温度以上になると、発光素子のパワーP2は、要求される一定な送信パワーP1を満足できなくなる。
このため、上記の処理では動作モードを切り替え、高温パラメータ設定で動作させ、この高温パラメータ時には伝送チャネル数を縮退させることにより、電力低減による温度低下分P2dの効果を得ることができる。これにより得られるパワー特性P23は、発光素子102が仕様温度以上の高温度の範囲で要求される一定な送信パワーP1を満たし光伝送動作できることを示している。
上述した実施の形態3によれば、モジュールの温度を検出し、対向する光伝送装置の受信器からフィードバックによるモニタ信号を受信して、高温時には低電力モードに切り替え、伝送チャネル数を縮退させる。たとえば、アレイ状に並列配置された発光素子102について駆動chと非駆動chが交互に位置するようにして部分的な温度上昇を防ぎ、温度低減化を図る。これにより、高温時には、発光素子の駆動チャネル数を削減した分だけ発光素子が消費する電流を低減させ、発光素子の温度上昇を抑える。これにより、発光素子は仕様温度以上の高温度の範囲でも低電力で光伝送動作を継続することができるようになる。
また、上記の実施の形態1〜3では、対向する光伝送装置の受信器(光送信器101のデータ送信先の受信器)に対しサイドバンドの伝送系統160を用いてモード設定信号2を送信する構成としたが、これに限らない。たとえば、モード設定信号2をインバンド、すなわち、光送信器101に接続されたアレイファイバ103を介して伝送する送信データに制御信号の一部として混合させて送信してもよい。また、実施の形態3において説明した、モニタ信号Dは、対向する光伝送装置の送信器(光受信器111がデータ受信する送信元の送信器)からアレイファイバ113の送信データに制御信号の一部として混合されたものを受信してもよい。これらモード設定信号2、モニタ信号Dは、受信器において、受信データから制御信号を抽出すればよい。
なお、制御部150、受信回路111、発光素子駆動回路101、出力回路131で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはMCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又は回路などのワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。
以上説明した実施の形態1〜3について、実施の形態1では、図1の構成を用いて制御例(1)の制御をおこない、実施の形態2では、図7の構成を用いて制御例(2)の制御をおこない、実施の形態3では、図10の構成を用いて制御例(3)の制御をおこなう例を説明し、各実施の形態で一つの制御例を用いて制御することを説明したが、これに限らない。たとえば、実施の形態1の図1の構成、実施の形態2の図7の構成、実施の形態3の図10の構成を用い、各構成について制御例(1)〜(3)の制御を単独、あるいは組み合わせておこなってもよい。制御例(1)〜(3)の組み合わせ数を増やすほど、情報を多数収集でき、動作モード切り替えをより精度よく実行できるようになる。
以上説明した各実施の形態によれば、発光素子そのものの発熱の影響による高温時対策ではなく、発光素子に熱影響を与える周辺回路である発光素子駆動回路(帯域拡張回路)の動作についても制御している。これにより、モジュール全体での消費電力低減、および温度上昇の抑制をおこなうことができ、規定した仕様温度を超えた範囲でもモジュール全体の光信号の伝送(送信および受信)を継続して安定動作できるようになる。
上述した各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)発光素子および発光素子駆動回路を含む光送信器と、
前記光送信器の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサにより検出した温度が前記発光素子の仕様温度以上となる場合に、前記光送信器の動作モードを通常モードから低電力モードに切り替え、前記発光素子に対する熱影響を低減させて前記発光素子の動作を継続させる制御部と、
を備えることを特徴とする光伝送装置。
(付記2)前記光送信器にデータを送出する送信インタフェース回路を備え、
前記制御部は、前記低電力モード時に、前記送信インタフェース回路および前記発光素子駆動回路の伝送速度を低くする制御をおこない、前記発光素子に対する熱影響を低減させることを特徴とする付記1に記載の光伝送装置。
(付記3)前記発光素子駆動回路は、帯域拡張回路を備え、
前記制御部は、前記低電力モード時に、前記発光素子駆動回路の前記帯域拡張回路の動作を停止させる制御をおこない、前記発光素子に対する熱影響を低減させることを特徴とする付記1または2に記載の光伝送装置。
(付記4)前記制御部は、前記低電力モード時に、前記発光素子のパワーを低くする制御をおこない、前記発光素子の発熱による熱影響を低減させることを特徴とする付記1または2に記載の光伝送装置。
(付記5)前記制御部は、前記低電力モード時に、前記光送信器に対向する他の光受信器の帯域を制限する制御をおこない、前記他の光受信器の受信感度を向上させることを特徴とする付記1または2に記載の光伝送装置。
(付記6)前記光送信器にデータを送出する送信インタフェース回路を備え、
前記制御部は、前記低電力モード時に、前記送信インタフェース回路および前記発光素子駆動回路の伝送チャネル数を削減する制御をおこない、前記発光素子に対する熱影響を低減させることを特徴とする付記1に記載の光伝送装置。
(付記7)前記制御部は、前記低電力モード時に、前記送信インタフェース回路および前記発光素子駆動回路の伝送速度を低くする制御をおこなった後に、前記発光素子駆動回路の帯域拡張動作を停止させる制御をおこなうことを特徴とする付記3に記載の光伝送装置。
(付記8)前記制御部は、前記低電力モードから前記通常モードへの復帰時に、前記発光素子駆動回路の帯域拡張動作を実行させる制御をおこなった後に、前記送信インタフェース回路および前記発光素子駆動回路の伝送速度を高くする制御をおこなうことを特徴とする付記3に記載の光伝送装置。
(付記9)前記制御部は、前記光送信器の動作モードの情報を前記光送信器に対向する光伝送装置に設けられた受信器にサイドバンドの伝送系統を用いて伝送し、
前記光送信器に対向する光伝送装置の受信器およびインタフェース回路は、前記サイドバンドの動作モードの情報に基づき、動作モードを切り替えることを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の光伝送装置。
(付記10)前記制御部は、前記光送信器の動作モードの情報を前記光送信器に対向する光伝送装置に設けられた受信器に対して、送信データにインバンドにより含ませて伝送し、
前記光送信器に対向する光伝送装置の受信器およびインタフェース回路は、前記インバンドの動作モードの情報に基づき、動作モードを切り替えることを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の光伝送装置。
(付記11)前記温度センサを前記発光素子の近傍に設けたことを特徴とする付記1〜10のいずれか一つに記載の光伝送装置。
(付記12)前記温度センサを前記発光素子駆動回路の内部に設けたことを特徴とする付記1〜11のいずれか一つに記載の光伝送装置。
(付記13)前記制御部は、光送信器に対向する光伝送装置に設けられた受信器が計測したモニタ信号をフィードバック受信し、当該モニタ信号を含めて前記光送信器の動作モードを切り替える制御をおこなうことを特徴とする付記1〜12のいずれか一つに記載の光伝送装置。
(付記14)前記制御部が受信するモニタ信号は、前記光送信器に対向する光伝送装置に設けられた受信器が計測した光パワーを示すことを特徴とする付記13に記載の光伝送装置。
(付記15)前記制御部が受信するモニタ信号は、前記光送信器に対向する光伝送装置に設けられた受信器が計測したアイ開口を示すことを特徴とする付記13に記載の光伝送装置。
(付記16)発光素子および発光素子駆動回路を含む光送信器と、前記光送信器の温度を検出する温度センサと、制御部とを備えた光伝送装置の光伝送方法において、
前記制御部は、前記温度センサにより検出した温度が前記発光素子の仕様温度以上となる場合に、前記光送信器の動作モードを通常モードから低電力モードに切り替え、前記発光素子に対する熱影響を低減させて前記発光素子の動作を継続させることを特徴とする光伝送方法。
100 光伝送装置
101 光送信器
102 発光素子
103,113 アレイファイバ
104 発光素子駆動回路
130 インタフェース回路
131 出力回路
140 基板
141,701 温度センサ
150 制御部
160 サイドバンド(伝送系統)
300 帯域拡張回路

Claims (12)

  1. 発光素子および発光素子駆動回路を含む光送信器と、
    前記光送信器の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサにより検出した温度が前記発光素子の仕様温度以上となる場合に、前記光送信器の動作モードを通常モードから低電力モードに切り替え、前記発光素子に対する熱影響を低減させて前記発光素子の動作を継続させる制御部と、を備え、
    前記発光素子駆動回路は、帯域拡張回路を備え、
    前記制御部は、前記低電力モード時に、前記発光素子駆動回路の前記帯域拡張回路の動作を停止させる制御をおこない、前記発光素子に対する熱影響を低減させることを特徴とする光伝送装置。
  2. 前記光送信器にデータを送出する送信インタフェース回路を備え、
    前記制御部は、前記低電力モード時に、前記送信インタフェース回路および前記発光素子駆動回路の伝送速度を低くする制御をおこない、前記発光素子に対する熱影響を低減させることを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
  3. 前記制御部は、前記低電力モード時に、前記発光素子のパワーを低くする制御をおこない、前記発光素子の発熱による熱影響を低減させることを特徴とする請求項1または2に記載の光伝送装置。
  4. 前記光送信器にデータを送出する送信インタフェース回路を備え、
    前記制御部は、前記低電力モード時に、前記送信インタフェース回路および前記発光素子駆動回路の伝送チャネル数を削減する制御をおこない、前記発光素子に対する熱影響を低減させることを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
  5. 前記制御部は、前記低電力モード時に、前記送信インタフェース回路および前記発光素子駆動回路の伝送速度を低くする制御をおこなった後に、前記発光素子駆動回路の帯域拡張動作を停止させる制御をおこなうことを特徴とする請求項2に記載の光伝送装置。
  6. 前記制御部は、前記低電力モードから前記通常モードへの復帰時に、前記発光素子駆動回路の帯域拡張動作を実行させる制御をおこなった後に、前記送信インタフェース回路および前記発光素子駆動回路の伝送速度を高くする制御をおこなうことを特徴とする請求項2に記載の光伝送装置。
  7. 前記制御部は、前記光送信器の動作モードの情報を前記光送信器に対向する光伝送装置に設けられた受信器にサイドバンドの伝送系統を用いて伝送し、
    前記光送信器に対向する光伝送装置の受信器およびインタフェース回路は、前記サイドバンドの動作モードの情報に基づき、動作モードを切り替えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の光伝送装置。
  8. 前記制御部は、前記光送信器の動作モードの情報を前記光送信器に対向する光伝送装置に設けられた受信器に対して、送信データにインバンドにより含ませて伝送し、
    前記光送信器に対向する光伝送装置の受信器およびインタフェース回路は、前記インバンドの動作モードの情報に基づき、動作モードを切り替えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の光伝送装置。
  9. 前記温度センサを前記発光素子の近傍に設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の光伝送装置。
  10. 前記温度センサを前記発光素子駆動回路の内部に設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の光伝送装置。
  11. 前記制御部は、光送信器に対向する光伝送装置に設けられた受信器が計測したモニタ信号をフィードバック受信し、当該モニタ信号を含めて前記光送信器の動作モードを切り替える制御をおこなうことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の光伝送装置。
  12. 発光素子と、帯域拡張回路を有する発光素子駆動回路とを含む光送信器と、前記光送信器の温度を検出する温度センサと、制御部とを備えた光伝送装置の光伝送方法において、
    前記制御部は、前記温度センサにより検出した温度が前記発光素子の仕様温度以上となる場合に、前記光送信器の動作モードを通常モードから低電力モードに切り替え、前記発光素子に対する熱影響を低減させて前記発光素子の動作を継続させ、前記低電力モード時に、前記発光素子駆動回路の前記帯域拡張回路の動作を停止させる制御をおこない、前記発光素子に対する熱影響を低減させることを特徴とする光伝送方法。
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