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JP5962222B2 - 発泡性食品及びその製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、発泡性食品及びその製造方法に関するものである。
消費者に特に好まれる食感の1つとして、炭酸飲料に代表されるような発泡感がある。最近では、ソフトドリンクや、アルコール飲料だけでなく、お茶に発泡感を持たせた商品も発売されている。これらの炭酸飲料は、暑い夏場に非常に好まれる傾向にある。対照的に、菓子類は水分含量が低い為に、爽快感が得られにくく、菓子類全体の売上は、この時期に特に落ち込んでしまう傾向がある。そのため、売上を落としがちな菓子類に、炭酸飲料様の発泡感を付与することで、夏場でも喜ばれる新しい菓子類を創り出そうという試みが数多く提案されてきた。
水分含量の低い菓子類に発泡感を持たせる方法としては、重曹等の炭酸塩と酸とを組み合わせた発泡性成分を用いる方法が一般的である。この方法を取り入れた菓子類の提案としては、例えば、グミやキャンディに発泡性成分をまぶしたもの、キャンディやラムネ、ガム中に発泡性成分を分散させたもの、チョコレートやキャンディのセンターに発泡性成分を封入したもの(特許文献1参照)等が挙げられる。このような発泡感を持たせた菓子類は、食べると爽快感、清涼感が得られるため、特に菓子類全体の売上が落ちる夏場でも非常に人気がある。実際に、微弱ながらも持続性のある発泡感を持った「三ツ矢(登録商標)サイダーキャンディ」(アサヒフードアンドヘルスケア(株)製)は夏場でも人気を博している。
しかしながら、このような発泡感を持たせた菓子類の場合、発泡性成分である炭酸塩と酸とが口中で瞬時に反応してしまい、瞬間的な発泡感しか得ることができず、物足りなさを感じさせてしまう。消費者が満足するような爽快感、清涼感を菓子類に付与する為には、発泡感を持続させることが必要である。一方、キャンディやチョコレート等の油脂に発泡性成分を分散させた場合は、持続的な発泡感が得られる。しかしながら、キャンディは、その口溶けの遅さゆえ、微弱な発泡感が単調に続き、十分な爽快感が得られない。また、チョコレート等の油脂は、口溶けの速さゆえの強い発泡感は得ることができるが、高温に対する耐久性が低いため、一番訴求される夏場に油染み等の問題が起こり易く、保冷対応が必要となる。そのため、強い発泡感が一定時間以上持続し、かつ夏場の暑さにも耐久性を持った食品が長い間要望されてきた。
発泡感が持続し、かつ夏場の暑さに対する耐久性も兼ね備えた食品として、融点55℃以上の高融点油脂中に有機酸粉末と炭酸塩粉末とを分散させ、これを噴霧冷却することにより得られる有機酸と炭酸塩のコーティング物を配合したチューイングガムが提案されている(特許文献2参照)。このガムを噛むと、コーティングが剥がれ、有機酸と炭酸塩とが混ざり合うことにより発泡する。しかしながら、ガムを噛み始めてから発泡するまでの時間が長く、また、有機酸と炭酸塩とが徐々に反応するため、発泡感が弱い。しかしながら、発泡感を高める為に有機酸粉末と炭酸塩粉末とを多量に添加した場合、高融点油脂が口中で溶解しないため、食感、風味が損なわれる。また、キャンディ等の舐めて食べることが主である食品に上記コーティング物を配合しても、高融点油脂が口中で溶解しないため、発泡が起こらない。
一方、発泡感を持続させる為に、チョコレート様の低融点油脂中に、炭酸塩等の発泡剤と、有機酸等の発泡助剤とを含ませた油性食品が提案されている(特許文献3参照)。このような油性食品は、咀嚼時に良好な口溶けと、強い発泡感とを感じることが可能であるが、低融点油脂が夏場の高温により溶け出してしまう。つまり、チョコレートのように体温で容易に溶融する低融点油脂を用いた油性食品は、発泡感には問題ないが、温度変化により油脂が溶融し、油染みが発生するとか、保型性が保てないといった品質劣化が激しくなり、主に夏場に販売される商品として耐久性の点で適さない。
また、上昇融点24℃〜40℃の常温固体油脂を用いて発泡性成分を造粒することにより得られる、溶解性に優れ、発泡性良好な飲料用発泡性粉末が提案されている(特許文献4参照)。特許文献4の技術では、例えば、発泡性成分を含む調整ココアパウダーを攪拌しながら、常温固体油脂の溶融液を噴霧して造粒することにより、発泡性粉末を得ている。しかしながら、この発泡性粉末は顆粒サイズの大きさであるため、口に入れると瞬間的な発泡感しか得られない。発泡性粉末の大きさに比例して、発泡感も持続すると考えられるが、常温固体油脂の溶融液を噴霧するという製造方法の特性上、発泡性粉末を大きくすると、その表面にムラが生じやすい。このようなムラは、外観上の商品価値を損なう。更に、この発泡性粉末は、水又は湯に溶かしてカプチーノ様飲料とするために設計されており、口中でその発泡感を直接楽しむように設計されたものではない。
持続的な発泡感を得る為に、中心層となる芯材に炭酸塩と酸とを多層にわたりコーティングする方法も知られている。しかしながら、水系結合液を用いてコーティングを行なった場合、微量の水分でも炭酸塩と酸とが反応してしまい、発泡効果が著しく低下する欠点があった。そのため、水系結合剤に糖類を加え、相対的な水分含量を下げることにより、炭酸塩と酸との反応を抑制しつつコーティングを行なう方法(特許文献5参照)、又は無水の媒体に炭酸塩と酸とを懸濁若しくは溶解したものを噴霧し、乾燥させる方法(特許文献6参照)が提案されている。
しかしながら、特許文献5に記載の方法は、粒径が300μm〜4mmと極めて小さい芯材を用いることにより、効率的な乾燥を行なうことが可能な場合にのみ有効であり、粒径が5mmを超えるキャンディのような大きな芯材を用いた場合には、乾燥効率が悪化し、炭酸塩と酸との反応が起こり易くなるため、得られる食品の発泡性が低下してしまう。また、特許文献6に記載の方法では、無水の媒体としてエタノール等のアルコールやアセトン等の有機溶媒を使用している。これらは揮発性有機化合物(VOC)であることから、製造環境で人体に対し悪影響を及ぼす恐れがあり、また環境汚染を防ぐためのVOC除去設備が必要であり、設備コスト、運転コストが増加することになり現実的でない。また、VOCは可燃性である為に、厳重な防火対策が必要である等、昨今ではVOCの使用を最小限に留める要望が強い。
また、本出願人は、発泡感が持続し、なおかつ耐久性にも優れた発泡性食品を提案している(特許文献7、8参照)。これらの発泡性食品は、キャンディ等からなる芯材の表面に、炭酸塩及び酸と共に所定量の固形脂を含むコーティング層を設けることにより、強く且つ持続性のある発泡感を付与している。これらの発泡性食品の発泡感をより強める為には、炭酸塩と酸とを多く使う必要がある。しかしながら、炭酸塩は単独ではえぐみが強く、強い酸味は口腔内に痛みを伴いがちである。その為、いずれか一方の量が多い場合には、コーティング層を舐め終わった際にどちらかの味が残り、嫌な雑味を感じてしまう。この問題を解消するには、両者を過不足なく反応させる必要があるが、大量生産の中で両者の量をピタリと揃えるのは難しい。そのため、簡易にこの問題を解決する工夫が必要である。
ところで、「MENTHOL SHOCK!(登録商標)」(ジェイティ飲料(株)製)に代表されるように炭酸飲料にL−メントールを配合することで、冷涼感をより高めた飲料が知られている。これらは、冷えた炭酸飲料に、L−メントール等の冷感剤による冷感が加わることで、炭酸飲料をよりおいしく味わうことができる。このように、冷涼感は、炭酸飲料をおいしく味わう為の一つの大きな要素であると考えられている。
その為、炭酸飲料の風味を飴菓子のような他の菓子素材に落とし込む際にも冷涼感を加味することでより炭酸飲料らしさを演出することがよく見られる。例えば、「ぷっちょ ソーダ味(登録商標)」(UHA味覚糖(株)製)や、「白いソーダキャンディ(登録商標)」(扇雀飴本舗(株)製)は、エリスリトールやキシリトール等の吸熱反応を利用し、冷涼感を表現している。しかしながら、これらは瞬時の冷涼感は味わえるものの、持続性の点で改良の余地が残されている。他方、「キシリクリスタル ソーダミントのど味(登録商標)」(日本クラフトフーズ(株)製)のように、メントール成分を付加したものもある。しかしながら、酸味成分とメントールとが組合わさると苦味が感じられてしまう。その為、純粋な炭酸飲料の風味としては今一つ課題が残る。
このような状況から、持続性のある発泡感と冷涼感を兼ね備えた新しいキャンディの誕生が望まれている。
特許第2968110号明細書 特開平06−269249号公報 特開2007−252237号公報 特開2004−16148号公報 特開2005−132965号公報 特開昭53−79040号公報 特開2009−118771号公報 特開2011−110008号公報
本発明は、強い発泡感が長く持続し、食感と外観とが良好で、高温に対する耐久性に優れ、強い発泡感故に感じる雑味が緩和され、しかも強い発泡感が長く持続するだけでなく、持続性のある冷涼感を兼ね備えた発泡性食品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決する為に、先に提案した特許文献7に記載の技術をベースに鋭意研究及び分析を重ねた。その結果、芯材と、芯材の表面に設けられ且つ発泡性成分及び固形脂を含有するコーティング層とを含む発泡性食品において、芯材であるハードキャンディにメントールを添加する場合には、発泡性成分の酸味とメントールの冷涼感とが組み合わさることにより生じる苦味をほとんど感じさせることなく、持続性を持って冷涼感を楽しむことができることを見出した。
さらに、本発明者らは、前記コーティング層における固形脂含量を、コーティング層の厚み方向に変化させることにより、強い発泡感の持続、良好な食感及び外観、並びに高温に対する優れた耐久性が得られることを見出した。即ち本発明者らは、強い発泡が持続した後、芯材からメントールの冷涼感を感じさせることにより、発泡感と冷涼感を兼ね備えた発泡性食品を完成させることに成功した。
本発明の要旨は、下記〔1〕〜〔〕の発泡性食品及び下記〔〕の発泡性食品の製造方法に関する。
〔1〕芯材と、芯材の表面に設けられる発泡性のコーティング層とを含む発泡性食品であって、前記芯材は、メントール含有量が0.01〜5重量%であるハードキャンディからなり、前記コーティング層は、炭酸塩、酸及び固形脂を含有し、かつ、固形脂含量がコーティング層の厚み方向において変化しており、コーティング層は、その表面から厚み方向の内側に向けて設けられた、平均固形脂含量が10重量%以上、20重量%未満であるコーティング表層を含み、コーティング表層がコーティング層全量の1〜100重量%であることを特徴とする発泡性食品。
〔2〕前記コーティング層に含まれる固形脂の上昇融点が50℃以下である〔1〕に記載の発泡性食品。
〕(1)ハードキャンディ生地にメントールを添加し、任意の大きさ及び形状に成型して芯材を得る工程と、
(2)前記芯材の表面に固形脂の溶融液を付着させ、前記溶融液が固化する前に、炭酸塩及び酸からなる発泡性成分を振り掛ける工程と、を有し、
前記(2)の工程を回以上行うことを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の発泡性食品の製造方法。
本発明の発泡性食品は、比較的強い発泡感が持続し、食感及び外観もよく、高温に対する耐久性にも優れ、尚且つ、芯材であるハードキャンディにメントールを添加することで、メントール由来の冷涼感により炭酸飲料のような風味を一層強く感じながら美味しく食せるものである。したがって、本発明の発泡性食品を食した場合、すぐに発泡感を感じられるだけでなく、従来品よりも強い発泡感を従来品よりも長い時間楽しむことができ、さらに、芯材であるハードキャンディからメントール成分が溶け出し、持続性のある冷涼感及びその冷涼感により更に強調された炭酸飲料のような風味を感じることができ、美味しく食することができる。
[発泡性食品]
本発明の発泡性食品は、芯材と、芯材の表面に設けられる発泡性のコーティング層(以下単に「コーティング層」とする)とを含み、該芯材はメントールを含み、該コーティング層は炭酸塩、酸及び固形脂を含有し、かつ、固形脂含量がコーティング層の厚み方向において変化していることを特徴とする。
一般に、ハードキャンディ等の芯材に目的とする成分をコーティングする際には、水飴等の水分を含んだ溶液をバインダとして用いる。しかしながら、炭酸塩と酸とを含む発泡性成分をコーティング成分として用いる際には、水分が存在すると、発泡を伴う反応が起こるので、発泡性コーティングを芯材表面に効率良く形成することができない。そこで、水分をほとんど含有しない固形脂をバインダに用いることになるが、発泡性成分を固形脂に分散させるだけでは、夏場等における高温に対する耐久性を確保できない。
即ち、高温時に固形脂が溶融し、油染みが生じてしまう。更に、固形脂が溶融する為に、コーティングが緩み、コーティング層が芯材から剥がれたり、その形状が変形したりすることもある。また、バインダとして高融点油脂を用いる場合は、高温に対する耐久性には問題ないが、高融点油脂は体温では溶融しないため、発泡感が得られにくいという問題がある。また、発泡感を強めると、発泡性成分由来の雑味が食後に残り、せっかくのおいしさを損なってしまいがちである。
これに対し、本発明では、固形脂を用いて発泡性成分を芯材の表面にコーティングする際に、コーティング層中の固形脂含量を厚み方向で変化させ、固形脂含量の多い層と少ない層とを設けることで、前記のような高温に対する耐久性の問題が解消されるか又は顕著に低減される。その結果、舐めたときに、特許文献7に記載の発泡性食品と同等の発泡感を持続的に持たせつつも、高温に対する耐久性がより一層優れた発泡性食品を作ることができる。
さらに、後述するように、コーティング層の表面から内側に向けて設けられるコーティング表層の平均固形脂含量、さらに該コーティング表層の量を所定の範囲に規定することで、その効果を一層高めることができる。
また、本発明の発泡性食品の芯材は、メントールを含むハードキャンディである。ハードキャンディ中にメントールを含ませることで、喫食中に冷涼感が感じられ、発泡性成分由来の嫌な雑味を打ち消すことができるだけでなく、発泡感をさらに強め、より発泡性食品としてのおいしさを引き出すことができる。さらに、本発明の発泡性食品のように、芯材にメントールを含有させ、かつ、コーティング層に発泡性成分の1つとして酸を含有させる場合には、メントールと酸とを同時に食する場合に生じる苦味を感じることなく、冷涼感と冷涼感により強調された炭酸飲料のような風味とを楽しむことができる。
本発明の発泡性食品について、以下により詳しく説明する。
まず、芯材は、メントール含有量が全量の0.01〜5重量%であるハードキャンディからなる。ここで、ハードキャンディに用いられるキャンディ生地としては、日本農林規格に定義されているように、水分値が5重量%以下であれば特に限定はなく、例えば、砂糖ベースのキャンディ生地、マルチトール、パラチノース等の糖アルコールベースのノンシュガーキャンディ生地等が挙げられる。
また、本発明におけるメントールとしては、清涼な香味を有するl型のメントール及び食品に利用可能なメントール誘導体を特に制限なく使用できる。メントールとしては、精製物だけではなく、メントール成分が元来含まれるようなハッカや、ペパーミント、スペアミント等のミントのエキスを用いても良い。メントール誘導体の具体例としては、例えば、モノメンチルスクシネート(商品名:PHYSCOOL、ヴェ・マン・フィス香料(株)製)、モノメンチルスクシネートのアルカリ金属塩、モノメンチルスクシネートのアルカリ土類金属塩等が挙げられる。メントール及びその誘導体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
芯材におけるメントールの含有量は、好ましくは芯材全量の0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%である。メントールの含有量が0.01重量%より少ないと、発泡性成分の雑味が残るだけでなく、冷涼感を感じることがほとんどできない。他方、メントールの含有量が5重量%より多いと、メントール独特の風味が強くなり過ぎ、メントールの風味と他の風味とがバランス良く合わさった風味を有する発泡性食品を得ることができない。
前記のような芯材の表面の少なくとも一部、好ましくはほぼ全面に形成されるコーティング層は、発泡性成分と、固形脂とを含有している。
コーティング層で使用される発泡性成分は、炭酸塩と酸とであり、これらの発泡性成分は、取り扱いやすさの観点から、粉末状であることが好ましい。発泡性成分が粉末状である場合、炭酸塩としては市販品と同程度の平均粒径のものが使用でき、その平均粒径は通常150〜250μm程度であるが、粉砕等によりさらに微粒化してもよい。また、酸としても炭酸塩と同程度の平均粒径のものであればよい。
本発明で使用される炭酸塩としては、食品に添加可能な炭酸塩であれば特に限定されないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらのうち、風味の点から炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが好ましい。炭酸塩は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明で使用される酸としては、食品に添加可能な酸であれば特に限定されないが、例えば、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、マロン酸、酢酸、アジピン酸、グルコン酸等の有機酸、リン酸等の無機酸等が挙げられる。これらのうち、風味の点からクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸が好ましい。酸は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
発泡性成分中における炭酸塩と酸との混合比としては、発泡可能な比率であればよく、炭酸塩及び酸の種類に応じて適宜設定すればよい。また、炭酸水素ナトリウム等の水に対する溶解度が低い炭酸塩を用いる場合、口中での溶け残りを抑える観点及び併用する酸が有する酸味を感じ易くする観点から、酸の混合比率は、発泡に必要な反応量に対して10〜15モル%以上高く設定することが好ましい。
炭酸塩と酸とを合計した発泡性成分の含有量は、発泡感をしっかり感じさせ、かつ従来品に見られない程度の発泡感の持続性を発現させる観点から、好ましくはコーティング層全量の10重量%〜90重量%である。
また、コーティング層で使用される固形脂としては、特に限定されないが、例えば、ヤシ油、ココアバター、菜種油、大豆油、牛脂、魚油等の各種動植物油脂、それらを水素添加した硬化油等が挙げられる。固形脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、固形脂の上昇融点は、強い発泡感を得る為に、50℃以下が好ましく、40℃以下であることがより好ましい。さらに、固形脂の口残りを抑制し、得られる発泡性食品の食感を一層向上させる観点から、37℃以下がさらに好ましい。また、固形脂の上昇融点は、高温に対する耐久性の観点からは30℃以上が好ましく、30〜37℃が最も好ましい。
コーティング層における固形脂含量は、好ましくはコーティング層全量の10〜30重量%、さらに好ましくはコーティング層全量の15〜25重量%である。これにより、発泡感が持続し、かつ保型性にも優れたコーティング層とすることができる。固形脂含量が10重量%未満では、コーティング層が芯材から剥がれ易くなるおそれがある。固形脂含量が25重量%を超えると、発泡感が弱まるおそれがある。また、コーティング層の保型性が低下してコーティング層が変形し易くなると共に、夏場の高温等により油染みが起こり易くなるおそれがある。
本発明では、コーティング層の固形脂含量がコーティング層の厚み方向において変化していることを特徴とする。コーティング層における固形脂含量が「コーティング層の厚み方向において変化している」とは、コーティング層をその表面から一定の重量で、コーティング層全体に均一な厚みで剥がし取った際の個々の薄層ごとの固形脂含量が均一ではないということである。コーティング層の厚み方向において前記のような固形脂含量の変化がなく、かつ、コーティング層のバインダとして存在する固形脂の含有量が少ない場合には、衝撃等でコーティング層が剥がれやすくなる。一方、固形脂の含有量を増やすと、発泡性が不足し、爽快感に乏しいものとなってしまう。
更に、コーティング層は、その表面から厚み方向の内側に向けて設けられ、かつ平均固形脂含量が10重量%以上、20重量%未満、好ましくは15重量%以上、20重量%未満であるコーティング表層を含むことが好ましい。これにより、夏場などの高温にさらされた場合でも油染みが一層生じ難く、芯材からコーティング層への水分移行により発泡性食品の品質が損なわれるおそれがなく、耐久性が優れたものとなる。さらに、固形脂が発泡性成分同士のバインダとして存在することで、コーティング操作によるムラが生じ難くなって発泡性食品の外観が向上する。また、外部から衝撃が発泡性食品に加わった場合でも、コーティング層が芯材から剥がれにくくなる。
本発明において、コーティング表層における平均固形脂含量とは、コーティング層の表面から内側にかけての固形脂含量の平均値を意味する。より具体的には、次のようにして、平均固形脂含量およびコーティング層におけるコーティング表層の範囲が決定される。
まず、コーティング層表面から厚み方向の内側に向けて、コーティング層を一定重量ずつ、かつコーティング層全体を均一な厚みで削り取ることにより、重量がほぼ同じである複数の薄層を得る。このとき、削り取る総厚みは特に限定されず、コーティング層の厚みの1〜100%の範囲から適宜選択される。次に、得られた各薄層の固形脂含量を酸分解法により求める。得られた各薄層の固形脂含量の測定値を平均することにより、平均固形脂含量を得る。そして、最も表面側の薄層、最も表面側から2つ目までの薄層、最も表面側から3つ目までの薄層といった順番でそれぞれの固形脂含量及び平均固形脂含量を求め、平均固形脂含量が10重量%以上、20重量%未満の範囲に入るまでの薄層を合わせた層を、本発明におけるコーティング表層とする。
コーティング層において、前記のような平均固形脂含量を有するコーティング表層の割合は、コーティング層全量の1〜100重量%である。コーティング表層が1重量%より少ないと、発泡性食品の高温に対する耐久性が低下し、高温に晒されて油染みが生じる恐れがある。なお、コーティング表層がコーティング層全量の100重量%である場合は、コーティング層全体がコーティング表層となる。また、コーティング表層がコーティング層全量の1重量%以上、100重量%未満である場合は、コーティング層は、芯材の表面に設けられるコーティング内層と、コーティング内層の表面に設けられるコーティング表層とからなる。この場合、コーティング層におけるコーティング表層の割合は、より好ましくは、1〜10重量%である。なお、コーティング内層の固形脂含量及び平均固形脂含量は、コーティング層全体としての固形脂含量が所定の範囲内であれば、特に限定されない。
また、本発明では、コーティング層中の固形脂含量を、表層に向かうほど低減することで、相対的に固形分である発泡性成分の量を、表層に向かうほど増加させても良い。これにより、固形脂が溶融した際にも表面まで脂染みが生じない。また、コーティング内層とコーティング表層とを含むコーティング層において、コーティング内層の固形脂含量を多くすると、コーティング層の割れや剥がれを防止することができる。この場合、コーティング内層の固形脂含量は、コーティング層全量の80〜90重量%とすることが好ましい。
本発明の発泡性食品では、複数の層を積層することによりコーティング層を多層構造としてもよく、さらに、多層構造の各層ごとに、その層の目的に合わせて、異なる固形脂を用いても良い。また、多層構造の各層ごとに、固形脂と発泡性成分との配合割合を変化させることで、固形脂含量をコーティング層の厚み方向において変化させてもよい。本発明の発泡性食品においては、コーティングを何層重ねようが、層の数については特に限定はない。
また、本発明者らは、コーティング層にセルロース誘導体を含有させることで、高温に対する耐久性を一層向上させ、油染みを更に減らせることを見出している。セルロース誘導体の含有量は、法令で定められた添加許容範囲内であれば、特に限定されない。また、セルロース誘導体としては、液化した固形脂を吸油することができる吸油性を有するものであれば特に限定なく使用できるが、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの中でも、例えばより高い吸油性を有するという観点から、CMCがより好ましい。セルロース誘導体は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
コーティング層には、発泡性成分及び固形脂以外の任意成分として、糖類、タンパク質、香料、色素、果汁粉末、野菜粉末、ビタミン類等の食品に添加可能な成分を適宜加えることができる。中でも、さわやかな発泡感を有する食品は、気温の高い夏場に食されることが多いため、キシリトールやエリスリトールのような吸熱性の高い糖類をコーティング層に添加することにより、更に爽快感、清涼感を付与することができる。その際には、目的に応じ、任意の粒子サイズを選ぶことができる。このような任意成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。任意成分が粉末状のものである場合、予め発泡性成分と任意成分とを混合して用いても良い。また、その目的に合わせて、組成の異なる発泡性成分を併用しても、何ら問題はない。
コーティング層中における任意成分の添加量は、発泡感等の所望の効果を損なわない量であればよく、特に限定はない。また、コーティング層中における水分量は、発泡性成分を溶解しないような量に調整しておくことが好ましく、具体的にはコーティング層全量の1重量%以下であることが好ましい。
本発明の発泡性食品において、芯材の大きさ、コーティング層の厚さ等には、特に制限はなく、目的とする味や食感等に応じて適宜設定することができるが、発泡感の持続性の点から、コーティング層の重量割合(コーティング率)が、発泡性食品全量の5重量%以上であることが好ましい。
[発泡性食品の製造方法]
本発明の発泡性食品の製造方法は、ハードキャンディ生地にメントールを練り込み、任意の大きさ及び形状に成型して芯材を得る工程(1)と、工程(1)で得られた芯材の表面に固形脂の溶融液を付着させ、前記溶融液が固化する前に、炭酸塩及び酸からなる発泡性成分を更に降り掛ける工程(2)と、を有し、工程(2)を1回以上、好ましくは2回以上行なうことを特徴とする。
前記のような工程を有することで、本発明の発泡性食品中に含まれる発泡性成分同士の反応を抑えながら、発泡性成分と固形脂とを含有し、かつ固形脂含量がコーティング層の厚み方向において変化している発泡性のコーティング層を芯材表面上に効率よく形成することができる。
工程(1)及び工程(2)について、以下により詳しく説明する。
工程(1)では、芯材を作製する。
常法により炊き上げ、風味付けを行ったハードキャンディ生地に、メントールを練り込み、任意の大きさ及び形状に成型する。この際には、ハードキャンディ生地の品温を45〜75℃の範囲に保持してメントールを練り込むことが望ましい。ハードキャンディ生地の品温が45℃より低いと、得られるハードキャンディが硬くなりすぎて、成型された芯材表面にひび割れが生じるおそれがある。ハードキャンディ生地の品温が75℃より高いと、メントールが熱の影響で気化してしまい、メントールの添加量に応じた十分な冷涼感を有する芯材が得られないおそれがある。
工程(2)では、工程(1)で得られた芯材の表面に、発泡性のコーティング層を形成する。
まず固形脂を加熱等により溶融させ、固形脂の溶融液を得る。固形脂の溶融温度は、その融点以上であれば特に限定されないが、熱分解を起こし易い炭酸塩(例えば、炭酸水素ナトリウム)を用いる場合は、50℃以下が好ましく、その融点以上、50℃以下がより好ましい。固形脂の加熱は、例えば、固形脂を入れた容器を直接火にかけるか又は湯煎等で間接的に温めることにより行なうことができる。
こうして得られる固形脂の溶融液に、炭酸塩と酸とからなる粉末状の発泡性成分を分散させてもよい。この場合、発泡性成分の比率は、溶融液の粘度を取り扱い易い範囲に調整する観点から、固形脂100重量部に対して、好ましくは65重量部以下、さらに好ましくは50重量部以下である。固形脂の溶融液に分散される発泡性成分は、必要であれば、セルロース誘導体やその他の任意成分、好ましくはその粉体を含んでいてもよい。このように発泡性成分を分散させた固形脂の溶融液を冷却して固化させ、発泡性成分を含む固形脂としておき、発泡性食品の製造時に再度溶融させてもよい。
次いで、糖衣パン等の攪拌装置内で芯材を回転させながら、固形脂の溶融液を添加し、芯材の表面に付着させる。使用する攪拌装置の大きさ、回転速度等については、芯材の種類、大きさ等に基づいて適宜決定すればよい。また、芯材に固形脂の溶融液を付着させる際の温度としては、固形脂の溶融液に流動性があり、かつ固化しない程度の温度であればよく、例えば、固形脂の上昇融点以上、50℃以下が好ましい。この操作により、芯材を中心層とし、その表面上に固形脂の溶融液からなる層が形成される。なお、回転速度によっては、2個以上の芯材を中心層とし、その表面上に固形脂の溶融液からなる層が形成される場合もあるが、本発明ではこのような態様も含まれる。
次いで、固形脂の溶融液が固化する前に、炭酸塩及び酸からなる粉末状の発泡性成分を振り掛ける。振り掛ける発泡性成分の量は、目的と用途によって適宜決めることができる。芯材として用いるハードキャンディの水分含量が高ければ、振り掛ける発泡性成分の量を減らし、固形脂含量を高めてもよい。この操作により、芯材の表面上に発泡性のコーティング層が形成される。
また、発泡性成分(以下「発泡性粉末」ともいう)を振り掛ける際に、攪拌装置内で芯材を攪拌しながら行うことで、芯材表面に発泡性成分を均一にいきわたらせてコーティングすることができる。そして、固形脂の溶融液を芯材に添加し、さらに固形脂の溶融液が固化する前に発泡性粉末を振り掛ける操作を繰り返し行ってもよい。なお、固形脂の溶融液が発泡性成分や任意成分を含む場合には、固形脂の溶融液中に含まれる発泡性成分や任意成分の量に応じて、発泡性粉末の量を調整しながら振り掛ける。
また、固形脂の溶融液と発泡性粉末とを芯材に交互に掛けていくのではなく、固形脂のみを目的の重量までコーティングした後、前記と同様に発泡性粉末を振り掛けても良い。
コーティング層がほぼ目的の大きさ(厚み)に達したら、撹拌装置内にある、表面がコーティング層により覆われた芯材に対して、固形脂含量が10重量%以上、20重量%未満になる配合で、固形脂の溶融液の添加及び該溶融液が固まる前の発泡性成分の振り掛けを行うことが好ましい。これにより、得られた発泡性食品のコーティング層の表面に、確実にコーティング表層を形成することができる。
本発明の製造方法では、工程(2)を1回以上行なうが、工程(2)を2回以上行なうことが好ましく、工程(2)における発泡性成分の降り掛けを2回以上行なうことがより好ましい。さらに、発泡性成分の降り掛けを2回以上行なう場合に、a)発泡性成分の降り掛け量を、1回の降り掛け毎に変更する方法、b)発泡性成分を分散させた固形脂の溶融液であって、発泡性成分の含有量の異なる溶融液を複数調製し、この複数の溶融液を順次芯材に付着させる方法等を実施することがさらに好ましい。これらの方法により、コーティング層における固形脂含量をその厚み方向により確実に変化させることができる。
以上の工程により、本発明の発泡性食品が得られる。このようにして得られた発泡性食品は、食した場合に、従来品に比べて、発泡を感じる期間が長く持続し、かつ食感や外観が良好で、高温に対する耐久性にも優れる。更には、本発明の発泡性食品は、コーティング層由来の雑味が、芯材であるメントール含有ハードキャンディと混じり合ってマスキングされることで絶妙な風味を醸し出し、舐め始めから最後まで飽きることなく、美味しく食することができるという利点を有している。
例えば、発泡性粉末を芯材に付着させただけの従来品では、10秒程度で発泡感が消失するのに対し、本発明では、上記のように発泡性粉末を固形脂の溶融液にて芯材にコーティングして製造していることで、比較的強い発泡感が長時間持続する。
また、炭酸塩と酸とを練りこんだキャンディ等の従来品に比べて、本発明の発泡性食品の食感は顕著に相違する。即ち、前記従来品では、キャンディ部分(芯材)と比べて、炭酸塩や酸の粉末は口中で溶ける速度が高いため、これらの粉末が溶けた箇所が穴となり、口中のキャンディの感触としてザラツキ感が生じる。
これに対して、上記のような製造方法で得られた本発明の発泡性食品の表面には、発泡性粉末がほぼ均一に配置されているため、口中で溶ける速度は等しくなり、ザラツキ感が顕著に低減されて食感が優れたものとなる。
以下に、試験例(コーティング層の分析例)、実施例及び比較例を挙げて、本発明を一層具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
(試験例1)
まず、砂糖60部及び酵素糖化水飴38部を溶解し、真空釜にて130℃で炊き上げた。更に、クエン酸2部とソーダ香料、青色着色料を適量加えて混合し、球状に成型して、芯材であるハードキャンディ(3g/個)を得た。
別にエリスリトール50部、酒石酸20部、クエン酸10部、重曹20部及び香料適量を混合し、発泡性粉末を得た。次いで固形脂(メラノ(登録商標)NEW−SS7、上昇融点34℃、不二製油(株)製)を50℃の湯煎にかけて溶融させた。
芯材のハードキャンディ70部を糖衣パンで回転させながら、芯材の表面に固形脂の溶融液を掛け、芯材の表面に均一に行き渡らせた後、固形脂の溶融液が固化する前に、発泡性粉末を振り掛けて芯材の表面に均一に行き渡らせた。再度、固形脂の溶融液を掛け、均一に行き渡らせた後、固形脂の溶融液が固化する前に、発泡性粉末を振り掛けて均一に行き渡らせた。この際に振り掛けた固形脂と発泡性粉末の量を、「コーティング量」として表1に記載する。これにより、発泡性コーティング層の割合がキャンディ全量の6.67%である、サンプル1〜5のソーダ味のキャンディを得た。
固形脂が完全に固まるのを待ってから、コーティング層の表面から芯材表面に向けて、コーティング層を各20重量%ずつ、コーティング層全体を均一な厚みで5層に分けて削り取り、その各層の固形脂含量を分析した。コーティング層表面から20重量%までを第1層、20重量%を超え40重量%までを第2層、40重量%を超え60重量%までを第3層、60重量%を超え80重量%までを第4層、及び80重量%を超え芯材表面までを第5層とした。詳細な結果を表1に示す。


Figure 0005962222
表1の結果より、サンプル1〜5はいずれもコーティング層中の固形脂含量が厚み方向で変化していることが分かる。また、(サンプル1)では、第1層〜第2層の平均固形脂含量が19%、第1〜3層の平均固形脂含量が20%となることから、第1層〜第2層がコーティング表層となることがわかる。同様にして、(サンプル2)では固形脂含量が19%である第1層のみ、(サンプル3)では平均固形脂含量が19%となる第1層〜第2層、(サンプル4)では平均固形脂含量が18.2%である第1層〜第5層全て、さらに(サンプル5)では平均固形脂含量が19.5%となる第1層〜第2層が、それぞれ、コーティング表層である。
サンプル1〜5のコーティング層は、いずれも発泡感が強く、その発泡感の持続性、食感及び外観に優れたものであり、40℃の保温庫内に3日間放置しても油染みや変形もなく、高温に対する耐久性にも優れていた。
(実施例1)
強い発泡感が持続し、食感及び外観、高温に対する耐久性の面も優れたクールソーダ味のキャンディの例である。
(1)芯材(ハードキャンディ)の作製
まず、砂糖60部、酵素糖化水飴38部を水に溶解し、真空釜にて130℃で炊き上げた。これに、クエン酸2部、メンソール0.1部及び適量のソーダ香料を添加及び混合し、ハードキャンディ生地を得た。ハードキャンディ生地100部を、球状に成型して、芯材であるハードキャンディ(5g/個)を得た。
(2)コーティング層の形成
エリスリトール50部、酒石酸20部、クエン酸10部、重曹20部及び適量の香料を混合し、発泡性成分の粉末(以下「発泡性粉末」とする)を得た。一方、固形脂(メラノ(登録商標)NEW−SS7)を50℃の湯煎にかけて溶融させ、固形脂の溶融液を得た。
芯材70部を糖衣パンで回転させながら、芯材表面に固形脂(メラノ(登録商標)NEW−SS7)の溶融液1.17部を掛け、均一に行き渡らせた後、固形脂が固化する前に、発泡性粉末3.53部を振り掛けて均一に行き渡らせた(第1コーティング)。次いで、固形脂の溶融液0.05部を掛け、均一に行き渡らせた後、固形脂が固化する前に、発泡性粉末0.25部を振り掛けて均一に行き渡らせた(第2コーティング)。こうして実施例1の発泡性食品を作製した。
なお、得られた発泡性食品におけるコーティング層の分析は、次のようにして実施した。まず、発泡性食品10kgを直径28cmの密閉されたコーティングパン10台に均等に分け、1100rpmにて回転させることで、コーティング層を削り取った。この際には、研磨中のサンプルの平均単重を測定することで、発泡性食品の最終コーティング率から算出される、コーティング層の1重量%分にあたるコーティング層を回収した。その後、削り取った各コーティング層の固形脂含量を測定し、コーティング表層を決定した。このようなコーティング層の分析は、本実施例に限定されず、他の実施例及び比較例でも同様にして行なった。
これにより、発泡性のコーティング層が発泡性食品全量の6.67%であり、コーティング層の表面側に平均固形脂肪含量が10重量%以上、20重量%未満であるコーティング表層が形成され、コーティング層全量における固形脂含量が24.6%であるクールソーダ味の発泡性食品を得た。最終的な組成は表2に示す。なお、表2〜4中では、「メラノ(登録商標)NEW−SS7」を「メラノ−SS7」と標記する。
得られた発泡性食品は、口中にて激しい発泡感を有し、その発泡感は1分以上持続した。また、舐め心地もよくザラツキ感がなく食感に優れ、ムラのない良好な外観を有し、かつ40℃の保温庫内に3日間放置しても油染み、変形もなく耐久性にも優れていた。また、コーティング層を舐め始めてから暫くすると、芯材からメントール由来の冷涼感が漂い、発泡性成分の雑味を気にすることなく最後まで楽しく食することができた。また、この発泡性食品は、発泡性成分に由来する雑味、メントールと酸との組み合わせによる苦味等を感じることなく、冷涼感及び冷涼感により強調される炭酸飲料のような風味を楽しむことができた。
(実施例2)
実施例1と同様にして、芯材であるハードキャンディを得た。また、50℃の湯煎にて溶融させた固形脂(メラノ(登録商標)NEW−SS7)の溶融液60部に、発泡性粉末40部を分散させた。なお、本実施例で用いられる発泡性粉末は、実施例1と同じものである。
芯材70部を糖衣パンで回転させながら、発泡性粉末を分散させた溶融液1.95部を芯材の上に掛け、均一に行き渡らせた後、溶融液が固化する前に、発泡性粉末2.75部をかけて均一に行き渡らせた(第1コーティング)。続いて、発泡性粉末を分散させた固形脂の溶融液0.08部を掛け、均一に行き渡らせた後、溶融液が固化する前に、発泡性粉末0.22部をかけて均一に行き渡らせた(第2コーティング)。これにより、コーティング層全量の6.67%であり、そのコーティング層の表面側にコーティング表層が形成されたクールソーダ味のキャンディである発泡性食品を得た。
得られた発泡性食品は、実施例1の発泡性食品と同様の良好な発泡感、その持続性、食感、外観及び耐久性を有していた。また、この発泡性食品は、発泡性成分に由来する雑味、メントールと酸との組み合わせによる苦味等を感じることなく、冷涼感及び冷涼感により強調された炭酸飲料のような風味を楽しむことができた。また、固形脂をコーティングした後に、発泡性粉末を添加している実施例1と比較して、実施例2では、発泡性粉末の一部を分散させた固形脂をコーティングした後に、残りの発泡性粉末を添加しているため、後から添加する発泡性粉末量が減ることで、コーティングに要する時間を実施例1よりも短くすることができた。
(実施例3、4)
芯材であるハードキャンディに含有させるメントールの量を表2に示す割合に変更する以外は、実施例1と同様にして、クールソーダ味のキャンディである発泡性食品を作製した。実施例3、4で得られた発泡性食品は、発泡感、その持続性ともよく、良好な食感を有し、高温に対する耐久性に優れ、発泡性成分の雑味や酸とメントールとの組み合わせに由来する苦みも気にならず、冷涼感及び冷涼感に強調された炭酸飲料のような風味があり心地良く食せるものであった。
(実施例5、6)
発泡性粉末として表2に示す成分を用いる以外は、実施例1と同様にして、クールソーダ味のキャンディである発泡性食品を得た。得られた発泡性食品は、実施例1と同様の発泡感、持続性、食感、外観及び高温に対する耐久性を有し、発泡性成分の雑味や酸とメントールとの組み合わせに由来する苦みも気にならず、冷涼感及び冷涼感に強調された炭酸飲料のような風味があり心地良く食せるものであった。
(実施例7、8)
実施例1と同様にして作製されたハードキャンディを芯材として用い、さらに表2に示す各成分を用い、実施例1と同様にしてコーティング層を形成し、クールソーダ味のキャンディである発泡性食品を得た。
実施例7で得られた発泡性食品は、固形脂含量が少ないためか多少のコーティングむらができ、また、実施例8で得られた発泡性食品は、固形脂含量が多いため、40℃の保温庫内に3日間放置したところ多少コーティング層が緩み柔らかくなったものの、いずれの発泡性食品も、発泡感、その持続性ともよく、良好な食感を有し、高温に対する耐久性に優れ、発泡性成分の雑味や酸とメントールとの組み合わせに由来する苦みも気にならず、冷涼感及び冷涼感に強調された炭酸飲料のような風味があり心地良く食せるものであった。
(実施例9、10)
表3に示す割合で各成分を用い、コーティング層の固形脂含量が表3に示す割合になるように変更する以外は、実施例1と同様にして、クールソーダ味のキャンディである発泡性食品を得た。
実施例9で得られた発泡性食品は、実施例1の発泡性食品と同様の優れた発泡感、持続性、食感、外観及び高温に対する耐久性を有し、発泡性成分の雑味や酸とメントールとの組み合わせに由来する苦みも気にならず、冷涼感及び冷涼感に強調された炭酸飲料のような風味があり心地良く食せるものであった。また、実施例10で得られた発泡性食品は、40℃の保温庫内に3日間放置したところ多少コーティング層が柔らかくなったものの、発泡感、その持続性ともよく、良好な食感及び外観を有し、高温に対する耐久性にも優れ、発泡性成分の雑味や酸とメントールとの組み合わせに由来する苦みも気にならず、冷涼感及び冷涼感に強調された炭酸飲料のような風味があり心地良く食せるものであった。
(実施例11、12)
固形脂を、「メラノ(登録商標)NEW−SS7、上昇融点34℃」から「メルバ(登録商標)26、上昇融点28℃、不二製油(株)製」(実施例11)又は「メラノ(登録商標)H−2000、上昇融点40℃、不二製油(株)製」(実施例12)に変更する以外は、実施例1と同様にしてクールソーダ味のキャンディである発泡性食品を得た。
実施例11で得られた発泡性食品は、実施例1の発泡性食品と比較すると、コーティング層が柔らかく、強く押すと変形する等取り扱いに若干の注意を要し、また、実施例12で得られた発泡性食品は、実施例1の発泡性食品と比較すると、発泡感が若干弱く感じられたものの、いずれも発泡性食品も、十分満足できる発泡感及びその持続性を有し、食感、外観及び高温に対する耐久性が良好であり、発泡性成分の雑味や酸とメントールとの組み合わせに由来する苦みも気にならず、冷涼感及び冷涼感に強調された炭酸飲料のような風味があり心地良く食せるものであった。
(実施例13)
固形脂を、「メラノ(登録商標)NEW−SS7、上昇融点34℃」から「メラノ(登録商標)SS−400、上昇融点37℃、不二製油(株)製」に変更する以外は、実施例1と同様にして、クールソーダ味のキャンディである発泡性食品を得た。得られた発泡性食品は、発泡感が持続し、舐め心地もよく、良好な食感を有し、かつ40℃の保温庫内に3日間放置しても油染み、変形もなく、高温に対する耐久性にも優れ、発泡性成分の雑味や酸とメントールとの組み合わせに由来する苦みも気にならず、冷涼感及び冷涼感に強調された炭酸飲料のような風味があり心地良く食せるものであった。
(実施例14)
第1コーティングに用いられる固形脂を、「メラノ(登録商標)NEW−SS7、上昇融点34℃」から「メラノ(登録商標)SS−400、上昇融点37℃、不二製油(株)製」に変更する以外は、実施例1と同様にして、クールソーダ味のキャンディである発泡性食品を得た。得られた発泡性食品は、強い発泡感が持続し、舐め心地もよく、良好な食感及び外観を有し、40℃の保温庫内に3日間放置しても油染みや変形もなく、高温に対する耐久性に優れ、発泡性成分の雑味や酸とメントールとの組み合わせに由来する苦みも気にならず、冷涼感及び冷涼感に強調された炭酸飲料のような風味があり心地良く食せるものであった。
(比較例1)
実施例1と同様にして、芯材であるハードキャンディを得た。次に、実施例1と同様にして、発泡性粉末を得た。芯材70部を糖衣パンで回転させながら、発泡性粉末5部を掛け、均一に行き渡らせた。得られた発泡性食品は、実施例1の発泡性食品と同等の激しい発泡感を有するが、発泡感は一瞬(5秒程度)しか持続しなかった。なお、味に関しては、発泡性成分が少ないこともあってか、その雑味も気にならず、心地良く食せるものであった。
(比較例2)
特許文献7に記載の方法に準じて発泡性食品を得た。即ち、実施例1と同様にして得られた芯材70部を糖衣パンで回転させながら、その表面に固形脂(メラノNEW−SS7)の溶融液3部を掛け、均一に行き渡らせた。その後、25℃に設定したスポットクーラーにて糖衣パン内を冷却し、溶融液を固化させた。次いで、40℃に設定したヒーターにて糖衣パン内を温め、固形脂の表面が溶融してきたところで、実施例1と同様にして得られた発泡性粉末4部をかけて均一に行き渡らせた。温度をかけた状態で糖衣パンを回転させ続けると固形脂の溶融液が表面に浮き出てくるため、同様に発泡性粉末4部を2回投入した。
前記と同様のコーティング工程(固形脂の溶融液を添加するところから、発泡性粉末4部を合計3回投入するまでの工程)をもう一度行ない、発泡性粉末がコーティングされたクールソーダ味のハードキャンディを得た。このハードキャンディを分析し、固形脂含量を測定したところ、コーティング層の厚み方向に変化は見られず、ほぼ均一であった。
得られたハードキャンディは、口中にて持続感のある激しい発泡を生じ、舐め心地もよくザラツキ感がなく食感にも優れていた。しかながら、得られたハードキャンディを40℃の保温庫内に3日間放置すると、コーティング層に変形は見られなかったものの、ほんのりと油染みが見られ、高温に対して十分な耐久性を有していないことが分かった。
(比較例3、4)
芯材であるハードキャンディに内包させるメントールの添加量を表4のように変更して芯材を作製する以外は、実施例1と同様にして、クールソーダ風味の発泡性食品を作製した。比較例3で得られた発泡性食品は、発泡感、その持続性ともよく、高温に対する耐久性にも優れていた。しかし、発泡性成分由来の雑味が気になり、美味しく食することはできなかった。また、比較例4の配合にて作製した発泡性食品は、メントールの添加量が多すぎることにより、メントールの苦味が強く感じられ、美味しく食することができなかった。
実施例1〜14、比較例1〜4の発泡性食品の組成及びその評価結果を表2〜4にまとめる。表中の発泡性粉末、固形脂含量、粉末含量の数値は重量%である。なお、表2〜4中の本発明でいうコーティング率は下記計算式より算出される。
コーティング率(%)=[(X−Y)/X]×100
〔式中、Xは発泡性食品100粒の重量を示す。Yは芯材100粒の重量を示す。〕
また、表中の評価基準は、以下のとおりである。
(外観)
◎:コーティングにムラが無く、剥離しない。
○:コーティングにムラが見られるものの、剥離しない。
×:コーティングに激しいムラがあり、剥離する。
(後味)
◎:発泡性成分由来の雑味が感じられず、美味しく食せる。
×:発泡性成分由来の雑味が感じられ、美味しく食せない。
(発泡性)
◎:激しく発泡する。
○:穏やかに発泡する。
×:微かに発泡するか又は発泡しない。
(発泡感の持続性)
◎:発泡感が45秒以上持続する。
○:発泡感の持続が、15秒以上、45秒未満である。
×:発泡感の持続が、15秒未満である。
(冷涼感の持続性)
◎:冷涼感が芯材の舐め始めから舐め終わりまで持続する。
×:冷涼感が芯材を舐めている最中に感じられなくなる。
(耐久性)
◎:40℃で3日間保存しても、油染み及び変形がない。
○:40℃で3日間保存しても油染み及び変形はないが、力を加えると変形しやすい。
△:40℃で3日間の保存により、ほんのりと油染みが見られ、変形はないが力を加えると変形する。
×:40℃で3日間の保存により、油染み及び変形が発生する。
Figure 0005962222
Figure 0005962222
Figure 0005962222
表2〜4の結果から、実施例1〜14で得られた発泡性食品は何れも、比較例1〜4で得られたものに比べ、外観、後味、発泡感、この発泡感の持続性、冷涼感の持続性及び高温に対する耐久性の全ての項目に優れたものであることがわかる。

Claims (3)

  1. 芯材と、芯材の表面に設けられる発泡性のコーティング層とを含む発泡性食品であって、前記芯材は、メントール含有量が0.01〜5重量%であるハードキャンディからなり、前記コーティング層は、炭酸塩、酸及び固形脂を含有し、かつ、固形脂含量がコーティング層の厚み方向において変化しており、前記コーティング層は、その表面から厚み方向の内側に向けて設けられた、平均固形脂含量が10重量%以上、20重量%未満であるコーティング表層を含み、前記コーティング表層がコーティング層全量の1〜100重量%であることを特徴とする発泡性食品。
  2. 前記コーティング層に含まれる固形脂の上昇融点が50℃以下である請求項1に記載の発泡性食品。
  3. (1)ハードキャンディ生地にメントールを添加し、任意の大きさ及び形状に成型して芯材を得る工程と、
    (2)前記芯材の表面に固形脂の溶融液を付着させ、前記溶融液が固化する前に、炭酸塩及び酸からなる発泡性成分を振り掛ける工程と、を有し、
    前記(2)の工程を回以上行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性食品の製造方法。
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