Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP5970899B2 - 液体噴射装置 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP5970899B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5970899B2
JP5970899B2 JP2012068759A JP2012068759A JP5970899B2 JP 5970899 B2 JP5970899 B2 JP 5970899B2 JP 2012068759 A JP2012068759 A JP 2012068759A JP 2012068759 A JP2012068759 A JP 2012068759A JP 5970899 B2 JP5970899 B2 JP 5970899B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
nozzle
ink
cap
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012068759A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013199053A (ja
Inventor
上田 敏郎
敏郎 上田
雅之 高田
雅之 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2012068759A priority Critical patent/JP5970899B2/ja
Publication of JP2013199053A publication Critical patent/JP2013199053A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5970899B2 publication Critical patent/JP5970899B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッドを有する液体噴射装置に関する。
液体噴射ヘッドにおいて、インク等の第1の液体を噴射するノズル内で第1の液体の乾燥が進行し、その粘度が増加して、噴射性能が低下することがある。そこで、第1の液体の噴射をしばらく行わなかった場合に、噴射性能を回復するため、粘度が増加した第1の液体を液体噴射ヘッドから排出させることがある。
一方、第1の液体の噴射を行わない休止期間が長いほど液体の粘度の増加が進み、噴射性能が大きく低下する。このため、休止期間が長くなると、噴射性能を回復するためには、回復動作をより入念に実施しなければならない。したがって、休止期間が長いほど、噴射性能の回復動作に時間が掛かる。
そこで、例えば電源OFF時など、休止期間が長くなると予想される場合に、特許文献1のように、休止期間に備えて、ノズルに目詰まりが生じにくい(つまり、粘度が増加しにくい)クリアインク等の第2の液体をノズル内に充填しておくことが考えられる。休止期間後に第1の液体を噴射できる状態に復帰させるには、ノズルから第2の液体を排出すると共に、第1の液体を再びノズルに充填すればよい。これにより、休止期間中にノズル内が増粘しにくくなるので、ノズルの噴射性能を回復するのに時間を掛けずに済む。
特開2010−280179号公報
しかしながら、特許文献1によると、第2の液体をヘッドに供給する際、第1の液体の供給経路と同じ経路が用いられる。したがって、第2の液体をノズルまで到達させるには、第1の液体を供給する供給口からノズルまで、ヘッド内の流路中に存在する第1の液体全てを押し出してノズルから排出すると共に、流路全体に第2の液体を充填しなければならない。つまり、ヘッド内の流路全体に関して第1の液体を第2の液体に置換しなければならない。休止期間後に第2の液体を第1の液体に置換する際も同様である。これでは、液体の置換に時間がかかり、液体の無駄も大きい。
本発明の目的は、粘度の増加を抑制するための液体の置換に時間が掛かりにくく、液体の無駄も小さい液体噴射装置を提供することにある。
本発明の液体噴射装置は、第1の液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、前記ノズルを覆うように前記液体噴射ヘッドに装着されるキャップ部材と、前記キャップ部材の状態を、前記液体噴射ヘッドへの装着状態と前記液体噴射ヘッドから離れた非装着状態との間で切り換える、キャップ切換手段と、前記液体噴射ヘッドの前記ノズル内に、前記ノズルから噴射される前記第1の液体と比べて粘度が増加しにくい性質を有する第2の液体を、前記ノズルの噴射口から注入する液体注入手段と、前記液体噴射ヘッド、前記キャップ切換手段、及び、前記液体注入手段を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、過去における液体噴射装置の使用に関する使用履歴情報を記憶する記憶手段を有し、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記使用履歴情報に基づいて、前記キャップ切換手段により前記キャップ部材が前記装着状態にされるときに、前記液体注入手段により前記ノズルに前記第2の液体を注入させるか否かを判定すると共に、前記第2の液体を注入させると判定したときに、前記液体注入手段に前記ノズルへの前記第2の液体の注入を行わせる。
本発明の液体噴射装置によると、キャップ部材が装着されるときに、ノズル内に、第1の液体よりも増粘しにくい第2の液体が注入される。これにより、長期間使用しない場合でも、ノズル内の液体の粘度が増加していくのが抑えられ、次に第1の液体を噴射する状態に復帰するための復帰動作が容易となる。また、ノズルの噴射口から第2の液体を注入するので、必要な量だけ液体を注入できる。このため、液体の置換に時間が掛からない。また、復帰動作の際に、第1の液体に置換するために排出する第2の液体の量が少なくて済むため、置換に時間が掛かりにくく、液体の無駄も小さい。また、頻繁に装置を使用する場合にはノズル内の増粘は生じにくいことから、装置の使用を終了するたびに第2の液体を注入する必要はない。この点、過去の使用履歴を参照すれば、その装置の使用頻度を把握できる。そこで、使用履歴情報から、装置の使用頻度が低いと判断される場合は第2の液体の注入を行い、装置の使用頻度が高いと判断される場合は注入を行わない。また、本発明においては、前記液体注入手段は、前記液体噴射ヘッド内の前記ノズルよりも上流側の流路内における圧力を低下させる減圧手段を有することが好ましい。これによると、ノズル内に第2の液体を確実に引き込むことができる。
また、本発明の別の観点によると、本発明の液体噴射装置は、第1の液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、前記ノズルを覆うように前記液体噴射ヘッドに装着されるキャップ部材と、前記キャップ部材の状態を、前記液体噴射ヘッドへの装着状態と前記液体噴射ヘッドから離れた非装着状態との間で切り換える、キャップ切換手段と、前記液体噴射ヘッドの前記ノズル内に、前記ノズルから噴射される前記第1の液体と比べて粘度が増加しにくい性質を有する第2の液体を、前記ノズルの噴射口から注入する液体注入手段と、前記液体噴射ヘッド、前記キャップ切換手段、及び、前記液体注入手段を制御する制御手段を備え、前記液体注入手段は、前記液体噴射ヘッド内の前記ノズルよりも上流側の流路内における圧力を低下させる減圧手段を有し、前記制御手段は、過去における液体噴射装置の使用に関する使用履歴情報を記憶する記憶手段を有し、前記制御手段は、前記キャップ切換手段により前記キャップ部材が前記装着状態にされるときに、前記液体注入手段に前記ノズルへの前記第2の液体の注入を行わせ、さらに、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記使用履歴情報に基づいて、前記キャップ切換手段により前記キャップ部材が前記装着状態にされるときの、前記減圧手段による減圧量を決定する。これによると、ノズル内に第2の液体を確実に引き込むことができる。また、装置の使用頻度が高い場合は、装置の使用を終了してから短期間の間に、再び装置が使用される可能性が高い。このような場合は、第2の液体を注入するにしてもそれほど多くの量を注入する必要がない。そこで、使用履歴情報から把握される装置の使用頻度に応じてノズルの上流側の圧力を調整することで、第2の液体の注入量(引き込み量)を制御する。
また、前記液体噴射ヘッドは、複数の前記ノズルと、これら複数のノズルにそれぞれ連通する複数の個別流路と、前記複数の個別流路と共通に連通する共通流路とを備え、前記減圧手段は、各ノズルから前記個別流路内に流入する前記第2の液体が、前記共通流路までは流入しないように、前記ノズルよりも上流側の流路内を減圧することが好ましい。これによると、共通流路内まで第2の液体が入り込まない程度に、ノズル上流側を減圧することで、次に装置を使用する際に、第1の液体に速やかに置換できる。
また、本発明においては、前記制御手段は、前記液体注入手段により前記液体噴射ヘッドの前記ノズルに前記第2の液体が注入されてから、その状態が継続した経過時間を計測する経過時間計測手段を有し、前記経過時間計測手段により計測された前記経過時間が所定時間以上となったときに、前記制御手段は、前記減圧手段を制御して、前記第2の液体がさらに上流側まで流入するように、前記ノズルよりも上流側の流路の圧力を低下させることが好ましい。ノズルから第2の液体が注入されてから一定時間が経過しても、装置が使用されない場合は、装置の使用頻度が低く、今後も使用されない状態が継続する可能性が高い。そこで、この後も長期間装置が使用されない状態が続いても、第1の液体の増粘を抑制できるように、第2の液体をさらに上流側まで引き込む。
また、本発明においては、装置の電源スイッチがOFFにされたときに、前記キャップ切換手段は前記キャップ部材を前記装着状態に切り換え、前記制御手段は、前記液体注入手段に前記ノズルへ前記第2の液体を注入させることが好ましい。電源OFFにより第1の液体の噴射を行わない休止期間が生じると、ノズル内の第1の液体が乾燥して粘度が増加する。第1の液体よりも乾燥しにくい第2の液体で第1の液体を置換することで、電源OFF時の乾燥を直接抑制できる。なお、「電源スイッチがOFFにされる」とは、装置に全く通電していない状態への移行を意味しない。例えば、主電源からの主要構成への電力供給がOFFにされているが、バッテリなどの補助電源への通電はなされたり、補助電源から一部の構成に通電が継続したりしている状態への移行も含まれる。
また、本発明においては、前記キャップ部材内に前記第2の液体を供給する液体供給手段をさらに備え、前記制御手段は、前記液体供給手段に前記キャップ部材への前記第2の液体の供給を行わせた後に、前記液体注入手段に前記ノズルへの前記第2の液体の注入を行わせてもよい。また、前記第2の液体が供給された前記キャップ部材の状態を前記キャップ切換手段が前記装着状態に切り換えた際に、前記キャップ部材内の前記第2の液体が、前記液体噴射ヘッド内と前記キャップ部材内の圧力差によって前記ノズル内へと引き込まれることにより、前記液体注入手段が前記第2の液体の注入を行ってもよい。これによると、キャップ部材に第2の液体を供給し、そのキャップ部材を装着状態とすることで、第2の液体を円滑にノズル内へと注入できる。
本発明の液体噴射装置によれば、キャップ部材が装着されるときに、ノズル内に、第1の液体よりも増粘しにくい第2の液体が注入される。これにより、長期間使用しない場合でも、ノズル内の液体の粘度が増加していくのが抑えられ、次に第1の液体を噴射する状態に復帰するための復帰動作が容易となる。また、ノズルの噴射口から第2の液体を注入するので、必要な量だけ液体を注入できるため、液体の置換に時間が掛からない。また、復帰動作の際に、第1の液体に置換するために排出する第2の液体の量が少なくて済むため、置換に時間が掛かりにくく、液体の無駄も小さい。
本実施形態に係るインクジェットプリンタの概略平面図である。 キャリッジがメンテナンス位置にあるときの、サブタンクとインクジェットヘッド、及び、メンテナンスユニットの、紙送り方向と直交する鉛直面に関する断面図である。 図3(a)は、インクジェットヘッドの一部分の鉛直断面図である。図3(b)は、内部に保存液が充填された、キャッピング状態のときの吸引キャップと、インクジェットヘッドの鉛直断面図である。 図2のIV-IV線断面図である。 プリンタの電気的構成を示すブロック図である。 主電源がOFFにされる休止期間前後におけるメンテナンス動作に係るフローチャートである。 第1の変形例に係るプリンタの一部の構成を示す概略平面図である。 第2の変形例に係るインクジェットヘッドの正面図である。インクジェットヘッドを搭載するキャリッジやインクジェットヘッドにインクを供給するサブタンク等は省略されている。 第3の変形例に係るインクジェットヘッドの一部分の鉛直断面図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、インクジェットヘッドから記録用紙に対してインク(第1の液体)の液滴を噴射することにより、記録用紙に所望の文字や画像等を記録(印刷)するプリンタに、本発明を適用したものである。
図1は、本実施形態に係るプリンタの概略構成を示す平面図である。図1に示すように、プリンタ1(液体噴射装置)は、一方向に沿って往復移動可能に構成されたキャリッジ2と、このキャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3(液体噴射ヘッド)及びサブタンク4a〜4dと、記録用紙Pを図1の紙送り方向に搬送する搬送機構5と、インクを貯留するインクカートリッジ6a〜6dと、インクジェットヘッド3の液滴噴射性能を確保するためのメンテナンスユニット7と、プリンタ1の各部をそれぞれ制御する制御部120(図5参照)等を備えている。
キャリッジ2は、図1の左右方向(走査方向)に平行に延びる2本のガイド軸17に沿って往復移動可能に構成されている。また、キャリッジ2には、無端ベルト18が連結されており、キャリッジ駆動モータ19によって無端ベルト18が走行駆動されたときに、キャリッジ2は、無端ベルト18の走行に伴って左右方向に移動するようになっている。
このキャリッジ2には、インクジェットヘッド3と4つのサブタンク4a〜4dが搭載されている。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動しつつ、その下面(図1の紙面向こう側の面)に設けられたノズル40(図2参照)から、搬送機構5により図1の下方(紙送り方向)に搬送される記録用紙Pにインクの液滴を噴射する。これにより、記録用紙Pに所望の文字や画像等が記録される。
4つのサブタンク4a〜4dは走査方向に沿って並べて配置されている。また、これら4つのサブタンク4にはチューブジョイント20が一体的に設けられている。そして、これらのチューブジョイント20に連結された可撓性のチューブ11a〜11dを介して、4つのサブタンク4a〜4dと4つのインクカートリッジ6a〜6dとがそれぞれ接続されている。また、4つのサブタンク4a〜4dの、紙送り方向に関する一端部には、サブタンク4内に滞留する空気を排出するための4つの排気ユニット64が設けられている。排気ユニット64の詳細については後述する。
搬送機構5は、インクジェットヘッド3よりも紙送り方向上流側に配置された給紙ローラ25と、インクジェットヘッドよりも紙送り方向下流側に配置された排紙ローラ26とを有する。給紙ローラ25と排紙ローラ26は、それぞれ、給紙モータ27と排紙モータ28により回転駆動される。そして、この搬送機構5は、給紙ローラ25により、記録用紙Pを図1の上方からインクジェットヘッド3に供給するとともに、排紙ローラ26により、インクジェットヘッド3によって画像等が記録された記録用紙Pを図1の下方へ排出するように構成されている。
4つのインクカートリッジ6a〜6dには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの、4色のインクがそれぞれ貯留されており、これらのインクカートリッジ6a〜6dは、ホルダ10に着脱自在に装着されている。ホルダ10は、インクカートリッジ6a〜6d内のインクの液面が、常にインクジェットヘッド3よりも下方になる位置でこれらのカートリッジを保持する。したがって、インクカートリッジ6a〜6d内のインクとインクジェットヘッド3内のインクとの水頭差により、インクジェットヘッド3内は負圧に保持される。
4つのインクカートリッジ6a〜6dに貯留された4色のインクは、サブタンク4a〜4dに一時的に貯留された後、インクジェットヘッド3に供給される。つまり、4つのサブタンク4a〜4dと、これら4つのサブタンク4a〜4dと4つのインクカートリッジ6a〜6dとを接続するチューブ11a〜11dによって、インクジェットヘッド3にインクを供給するインク供給流路が構成されている。
メンテナンスユニット7は、インクジェットヘッド3のノズル40から強制的にインクを排出させてその噴射性能を回復させたり(吸引パージ)、プリンタ1において電源がOFFにされた際に、休止期間においてインクジェットヘッド3を乾燥から保護するための動作を実行したりするものである。メンテナンスユニット7は、走査方向に関するキャリッジ2の移動範囲のうち、記録用紙Pと対向する印刷領域よりも外側(図1における右側)の領域(メンテナンス位置)に配置されている。このメンテナンスユニット7の詳細については後述する。
次に、インクジェットヘッド3及びサブタンク4について説明する。図2は、キャリッジがメンテナンス位置にあるときのサブタンク4とインクジェットヘッド3、及び、メンテナンスユニット7の、紙送り方向と直交する鉛直面に関する断面図である。尚、4色のインクをそれぞれ貯留する4つのサブタンク4a〜4dの構造は基本的に同一であるので、そのうちの1つのサブタンク4dについて以下説明する。
図2に示すように、サブタンク4d内にはインク貯留室60が設けられている。このインク貯留室60は、チューブジョイント20に連結された合成樹脂材料等からなる可撓性チューブ11を介してインクカートリッジ6(図1参照)と連通している。また、サブタンク4dの底部にはインク供給孔4xが形成されている。そして、インクカートリッジ6からチューブ11を介してサブタンク4dに供給されたインク(図2に符号Iで示す)は、インク貯留室60に一時的に貯留された後、インク供給孔4xからインクジェットヘッド3へ供給される。
尚、サブタンク4d及びチューブ11からなるインク供給流路に空気が混入したときには、この空気(図2に符号Aで示す)の大部分は、図2に示すように、インク貯留室60の上部に滞留する。そして、サブタンク4dの、走査方向に関する一方の端部には、メンテナンスユニット7と協働してインク貯留室60内に滞留した空気を排出する排気ユニット64が設けられ、サブタンク4dの側壁上端部に設けられた排気流路4yを介してインク貯留室60の上部と排気ユニット64内部の排気流路66とが連通している。また、サブタンク4a〜4cにおいても、図示しない排気流路を介してインク貯留室60の上部と排気ユニット64内部の排気流路66とが連通している。この排気ユニット64の具体的構成及び機能については後述する。
図3(a)は、インクジェットヘッド3の一部分の鉛直断面図である。図3(a)に示すように、インクジェットヘッド3は、ノズル40及び圧力室35を含むインク流路が形成された流路ユニット22と、圧力室35内のインクに圧力を付与することにより、流路ユニット22のノズル40からインクを吐出させる圧電アクチュエータ23を備えている。
流路ユニット22は、ステンレス鋼等の金属材料で形成された、キャビティプレート30、アパーチャプレート31、ベースプレート32、及び、マニホールドプレート33と、絶縁材料(例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料)で形成されたノズルプレート34を備えており、これら5枚のプレート30〜34は積層状態で接合されている。
キャビティプレート30には圧力室35が形成されている。尚、圧力室35は、図3(a)の紙面垂直方向に複数並べて設けられている。アパーチャプレート31には、各圧力室35にそれぞれ連通する絞り流路31a及び連通孔31bが形成されている。ベースプレート32には、絞り流路32a及び連通孔31bにそれぞれ連通する連通孔32a,32bが形成されている。また、マニホールドプレート33には、前述したサブタンク4のインク貯留室60からインクが供給されるとともに、連通孔32a及び絞り流路31aを介して複数の圧力室35に連通したマニホールド33aと、連通孔32bに連なる連通孔33bが形成されている。さらに、ノズルプレート34には複数のノズル40が形成され、これら複数のノズル40は、複数の圧力室35に対応して、図3(a)の紙面垂直方向に配列されている。尚、ノズルプレート34の下面が複数のノズル40の噴射口40aが配置されたインク噴射面3aとなっている。
そして、流路ユニット22内には、マニホールド37から圧力室35を経てノズル40に至る個別インク流路41が複数形成されている。絞り流路31aは、個別インク流路41において、流路の幅が狭められた部分である。これにより、圧力室35に圧力が印加された際、圧力室35からマニホールド37へと逆流するような流れが生じにくくなっている。
なお、インクジェットヘッド3内は、上記の通り、インクカートリッジ6a〜6d側との水頭差により負圧に保持される。この水頭差は、個別インク流路41内の負圧が、ノズル40の噴射口40a付近に形成されたインクメニスカスが維持される程度の大きさになるように調整される。
図3(a)に示すように、圧電アクチュエータ23は、複数の圧力室35を覆うように流路ユニット22の上面に接合された金属製の振動板50と、この振動板50の上面に配置された圧電層51と、圧電層51の上面に形成された複数の個別電極52とを備えている。
金属製の振動板50は、ヘッドドライバ53によって常にグランド電位に保持されている。また、圧電層51は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料からなり、振動板50の上面において複数の圧力室35に跨るように配置されている。複数の個別電極52は、圧電層51の上面の、複数の圧力室35の中央部と対向する領域にそれぞれ配置されている。そして、これら複数の個別電極52は、ヘッドドライバ53によって、グランド電位と、このグランド電位とは異なる所定の駆動電位の何れか一方が付与されるようになっている。
液滴噴射時における圧電アクチュエータ23の作用について説明する。あるノズル40からインクの液滴を噴射させる場合には、このノズル40に連通する圧力室35に対応する個別電極52に、ヘッドドライバ53から駆動電位が付与される。すると、駆動電位が付与された個別電極52とグランド電位に保持されている振動板50との間に電位差が生じ、両者に挟まれた圧電層51に厚み方向に平行な電界が発生する。ここで、圧電層51の分極方向が電界方向と同じである場合には、圧電層51は厚み方向に伸びて面方向に収縮する。そして、この圧電層51の収縮変形に伴って、振動板50の圧力室35と対向する部分が圧力室35側に凸となるように変形する(ユニモルフ変形)。このとき、圧力室35の容積が減少することになり、圧力室35内のインクの圧力が上昇する。これにより、圧力室35と連通したノズル40からインクが噴射される。
次に、サブタンク4に設けられた排気ユニット64について、図1、図2及び図4を参照しつつ説明する。図1、図2に示すように、排気ユニット64は、サブタンク4の走査方向に関する一端部に設けられている。4つの排気ユニット64a〜64dは、4色のインク(マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック)を貯留する4つのサブタンク4a〜4dに一対一に対応して設けられている。排気ユニット64a〜64dの構造は基本的に同一であるので、以下においては、そのうちの1つである、サブタンク4dに対応した排気ユニット64dについて説明する。
図2、図4に示すように、排気ユニット64dは、サブタンク4の側面に固定されたケース65と、このケース65内において上下方向に延在するとともに、その上端においてインク貯留室60に連通する排気流路66と、排気流路66を開閉する開閉弁67とを備えている。
図2に示すように、ケース65の上端部側壁には貫通孔65aが形成されている。そして、ケース65内の排気流路66の上端は、貫通孔65aと、サブタンク4の側壁に形成された排気流路4yを介して、インクジェットヘッド3へのインク供給流路を構成するインク貯留室60の上部と連通している。また、この排気流路66は、インク貯留室60に連なる上端から、ケース65の下端に形成された排気口69まで延在している。
開閉弁67は、弁部材70とコイルバネ71とを備えている。弁部材70は、排気流路66内において上下方向に移動可能に配設され、排気流路66を閉止可能である。コイルバネ71は、この弁部材70を下方(排気流路66を閉止する方向)に付勢する。
弁部材70は、排気流路66内において上下方向に移動可能な有底筒状の弁体72と、この弁体72の底部から下方へ延びる弁棒73を有する。弁体72の外径は、排気流路66の内径よりは小さくなっており、この弁体72と排気流路66の内壁面との間をインクが流れることが可能となっている。また、弁体72の下面には環状のシール材74が装着されており、弁体72は、排気流路66の途中の段部に設けられた弁座面75にシール材74を介して当接することで、排気流路66を閉止するように構成されている。
ケース65の上端部の内部にはバネ受け部76が固定的に設けられている。このバネ受け部76には貫通孔77が形成されており、バネ受け部76の上部空間と下部空間とが貫通孔77を介して連通している。また、このバネ受け部76と弁部材70の弁体72との間にコイルバネ71が圧縮状態で配置されており、このコイルバネ71によって弁部材70が下方(排気流路66の閉止方向)へ付勢される。そして、後述するメンテナンスユニット7の開閉部材43により、弁体72がコイルバネ71の付勢力に抗して上方へ駆動されたときには、弁体72が弁座面75から離間し、排気流路66が開放される。
次に、メンテナンスユニット7について説明する。図1、図2、図4に示すように、メンテナンスユニット7は、インクジェットヘッド3のインク噴射面3a(下面)に密着可能な吸引キャップ12と、吸引キャップ12と走査方向に隣接して配置されたワイパー13と、4つの排気ユニット64の下面に密着可能な排気キャップ15と、吸引キャップ12と排気キャップ15の両方に接続された吸引ポンプ14と、4つの排気キャップ15内の開閉弁67をそれぞれ開閉させる4本の開閉部材43と、吸引キャップ12に接続された保存液供給ユニット100等を備えている。
吸引キャップ12は、ゴムや合成樹脂等の可撓性を有する材料で形成されている。そして、図2に示すように、メンテナンス位置にキャリッジ2(インクジェットヘッド3)が移動してきたときに、この吸引キャップ12は、インクジェットヘッド3の下面の、複数のノズル40の噴射口が配置されたインク噴射面3aと対向する。この状態で、吸引キャップ駆動モータ91(図5参照)を含む駆動機構(図示省略)によって上方に駆動されることにより、吸引キャップ12は、インクジェットヘッド3のインク噴射面3aに密着し、複数のノズル40の噴射口を覆う。以下、吸引キャップ12によってノズル40の噴射口が覆われた状態(図3(b)の状態)をキャッピング状態とする。吸引キャップ12の内底面には、吸引ポンプ14と接続された吸引口12aと、保存液供給ユニット100と接続された供給口104とが形成されている。
排気キャップ15も、吸引キャップ12と同じく、ゴムや合成樹脂等の可撓性を有する材料で形成されている。図1に示すように、この排気キャップ15は、走査方向に関して吸引キャップ12に隣接して配置されており、メンテナンス位置にキャリッジ2(インクジェットヘッド3)が移動してきたときには、図2に示すように、排気キャップ15は、4つの排気ユニット64の下面と対向する。この状態で、排気キャップ駆動モータ92(図5参照)を含む駆動機構(図示省略)により、上方(図1の紙面手前側)に駆動されることにより、排気キャップ15は、排気ユニット64の下面に密着し、4つの排気ユニット64の排気口69を一度に覆う。
4本の開閉部材43(43a〜43d)はそれぞれ上下方向に延在した棒状の部材であり、図4に示すように、走査方向に間隔を空けて並べて配置されている。また、4本の開閉部材43は、排気キャップ15の底壁を、気密を保った状態で貫通し、排気キャップ15に対して上下に相対移動可能に構成されている。また、メンテナンス位置にキャリッジ2(インクジェットヘッド3)が移動してきたときには、図2、図4に示すように、4本の開閉部材43は、対応する排気ユニット64の下面に形成された排気口69の真下に位置する。
図4に示すように、4本の開閉部材43a〜43dのうち、ブラックインクの排気ユニット64dに対応する開閉部材43dは、単独で上下方向に移動可能となっている。一方、3色のカラーインク(マゼンタ、シアン、イエロー)の排気ユニット64a〜64cにそれぞれ対応する3本の開閉部材43a〜43cは、それらの下端部において互いに連結され、3本の開閉部材43a〜43cは一体的に上下方向に移動可能となっている。さらに、ブラックインク用の開閉部材43dと、互いに連結されたカラーインク用の開閉部材43a〜43cは、2つの弁駆動モータ93,94(図5参照)をそれぞれ含む2つの駆動機構(図示省略)により、互いに独立して上下に駆動される。
そして、排気キャップ15により排気ユニット64の下面の排気口69が覆われた状態で、開閉部材43が排気キャップ15に対して上方に移動すると、開閉部材43の上端部が、排気口69から排気流路66内に挿通されることになり、排気流路66内の弁棒73を上方に押圧する。すると、弁棒73と一体的に弁体72が上方へ移動して弁座面75から離間し、排気流路66が開放される。
吸引ポンプ14は、切り換えユニット16を介して、吸引キャップ12(吸引口12a)と排気キャップ15にチューブで接続されている。吸引キャップ12がインクジェットヘッド3のインク噴射面3aに密着してノズル40の噴射口を覆っており、且つ、切り換えユニット16により、吸引ポンプ14の連通先が吸引キャップ12に切り換えられている状態で、吸引ポンプ14の吸引動作が行われたときには、吸引キャップ12とインク噴射面3aによって形成される密閉空間内の空気が吸引口12aを介して吸引されて圧力が低下し、ノズル40からインクが吸引キャップ12へ排出される。これにより、ノズル40内の増粘インクやインクジェットヘッド3内のインク流路に混入している気泡を、インクとともにノズル40から排出することが可能となっている。以下、吸引ポンプ14によってノズル40からインクを吸引キャップ12内に排出することを吸引パージとする。
また、この吸引パージ後、吸引キャップ12がインクジェットヘッド3のインク噴射面3aから離間したときには、インク噴射面3aにはノズルから排出されたインクの一部が付着する。そこで、この状態からインクジェットヘッド3がキャリッジ2とともにワイパー13に対して走査方向に移動することで、吸引キャップ12に対して走査方向に隣接して配置されたワイパー13が、インク噴射面3aに付着したインクを拭き取るようになっている。
一方、排気キャップ15が排気ユニット64の下面に密着して排気口69を覆っており、且つ、切り換えユニット16により吸引ポンプ14の連通先が排気キャップ15に切り換えられ、さらに、開閉部材43により排気流路66が開放されている状態で、吸引ポンプ14の吸引動作が行われたときには、排気キャップ15と排気ユニット64の下面によって形成される密閉空間内の空気が吸引されて圧力が低下する。これにより、サブタンク4のインク貯留室60の上部に滞留した空気が、排気流路66を介して排出される。
ところで、電源OFF時など、プリンタ1においてインクの噴射を行わない休止期間があると、ノズル40内のインクが乾燥して粘度が増加する。これにより、噴射性能が低下することがある。上記の吸引パージによると、ノズル40内の乾燥したインクを排出することができ、噴射性能をある程度回復することができる。しかしながら、休止期間が長い場合、インクの増粘が進むため、増粘したインクが排出されにくくなると共に、噴射性能を回復するために大量のインクを排出しなければならない。したがって、休止期間が長いほど、吸引パージに時間が掛かるし、排出して無駄になるインクも多くなる。
そこで、メンテナンスユニット7は、ノズル40内のインクの乾燥を直接抑制するため、インクよりも乾燥しにくい保存液(第2の液体)でノズル40内のインクを置換する。このため、メンテナンスユニットは、保存液供給ユニット100を有している。保存液供給ユニット100は、図1及び図2に示すように、保存液カートリッジ102が装着されたホルダ101と、保存液カートリッジ102と吸引キャップ12とを接続するチューブ106と、チューブ106の途中に設けられた供給ポンプ103とを有している。保存液カートリッジ102には保存液が貯留されている。
保存液は、水を主成分とする溶媒を含んでおり、インクよりも乾燥しにくくするため、水と比べて揮発性の低いグリセリンなどが混合されている。これにより保存液は、インクと比べて粘度が増加しにくい。保存液に含まれるその他の成分はインクと同様でもよいが、インクと比べて色材の量がなるべく少ないことが好ましい。これにより、保存液をインクよりも安価に製造できる。供給ポンプ103は、保存液カートリッジ102内の保存液を、チューブ106及び供給口104を介して吸引キャップ12内に供給する。
図3(b)に示すように、保存液供給ユニット100によって吸引キャップ12に保存液がある程度まで充填された状態で吸引キャップ12がキャッピング状態にされると、インク噴射面3aに吸引キャップ12内の保存液が付着する。一方、インクジェットヘッド3内は、上記の通り、インクカートリッジ6a〜6dとの水頭差により負圧に保持されている。したがって、ノズル40の噴射口40a付近に保存液が付着すると、その噴射口40a付近に形成されたインクメニスカスが破壊され、図3(b)の矢印Cに示すように、噴射口40aを通じて個別インク流路41内へと保存液が流入する。流入する保存液の量は、インクジェットヘッド3内の負圧の大きさに依存する。例えば、この量は、個別インク流路41において、ノズル40の噴射口40aから圧力室35の出口までの間のいずれかの位置(例えば、図3(a)及び図3(b)の位置A)に保存液が到達する量である。
このように、メンテナンスユニット7は、インクジェットヘッド3内が水頭差により負圧に保持されていることを利用することで、吸引キャップ12内の保存液をインクジェットヘッド3のノズル40内へと注入する。メンテナンスユニット7は、インクジェットヘッド3のノズル40へと保存液を注入する手段(液体注入手段)の役割を担っている。
メンテナンスユニット7は、電源OFF時などの休止期間に先立ち、上記の通り水頭差による負圧を利用して、インクジェットヘッド3内に保存液を注入する。以下、これを期間前注入とする。その後、メンテナンスユニット7は、吸引キャップ12をインク噴射面3aから一旦離間させると共に、吸引ポンプ14に吸引キャップ12から保存液を吸引させる。これによって、吸引キャップ12内を空にする。その後、メンテナンスユニット7は、空になった吸引キャップ12を再びインク噴射面3aに密着させ、休止期間中、キャッピング状態に保持する。なお、吸引キャップ12を空にするのは、吸引キャップ12内に保存液が充満していると、各ノズル40内の保存液同士が吸引キャップ12内の保存液を介して繋がった状態となる。この状態が保持されると、ノズル40内のインクが保存液を介して混ざり合い、混色が生じるおそれがあるためである。
ところで、休止期間が長期間に及ぶ場合、上記のような水頭差による保存液の流入のみでは、インクの乾燥抑制に十分でないおそれがある。保存液の流入量は、水頭差によってインクジェットヘッド3内に生じる負圧の大きさに依存する。ヘッド内の負圧が小さいと、インクジェットヘッド3内に十分な量の保存液が注入されない場合もある。休止期間が長くならない場合にはそれほど多くの保存液が流入しなくてもよいが、休止期間が長くなる場合には、流入する保存液の量が十分でないこともある。
そこで、休止期間が長期間になる場合は、メンテナンスユニット7は、休止期間中に保存液を追加注入する。追加注入は、以下の流れで実行される。まず、吸引キャップ12を一旦インク噴射面3aから離間させると共に、吸引キャップ12内に保存液を充填させる。そして、吸引キャップ12をキャッピング状態にすることで、インク噴射面3aに吸引キャップ12内の保存液が付着した状態(図3(b)の状態)にする。その後、排気ユニット64にインク貯留室60内の空気を排出させる。これにより、インク貯留室60内の圧力が低下する。インク貯留室60内の圧力が低下すると、これと連通したインクジェットヘッド3のインク流路内の圧力も低下する。これによって、インク噴射面3aに付着した保存液がノズル40の噴射口40aを通じて個別インク流路41内へと流入する。このように、排気ユニット64は、インクジェットヘッド3内のインク流路においてノズル40よりも上流側の圧力を低下させる手段(減圧手段)の役割も担っている。
追加注入において個別インク流路41に注入される保存液の量は、後述の通り、プリンタ1の使用履歴に基づいて決定される。プリンタ1が頻繁に使用される場合は、休止期間に入っても、すぐに使用が再開される可能性が高い。この場合は、流入させる保存液が少なくて済むからである。追加注入後の保存液は、個別インク流路41において、期間前注入時の位置(図3(a)及び図3(b)の位置A)よりも上流に到達する。例えば、絞り流路31a付近の位置(図3(a)の位置B)まで到達する。このように、追加注入においては、休止期間前に注入させた量よりも多くの保存液が個別インク流路41内に流入するが、マニホールド37までは到達しないことが好ましい。仮に、保存液をマニホールド37まで到達させたとすると、マニホールド37内のインクに保存液が混入する。この場合、復帰動作の際、マニホールド37内のインク及び保存液の混合液まで全て排出しなければならなくなり、無駄が大きくなるからである。
保存液の追加注入が完了すると、メンテナンスユニット7は、吸引キャップ12を一旦インク噴射面3aから離間させると共に、吸引ポンプ14に吸引キャップ12内を吸引させて空にする。そして、メンテナンスユニット7は、吸引キャップ12を再びキャッピング状態にする。
休止期間が終了すると、メンテナンスユニット7は、インクジェットヘッド3を再びインクを噴射できる状態に復帰させる。以下、これを復帰動作とする。復帰動作では、インクジェットヘッド3に注入された保存液がインクに置換される。具体的には、メンテナンスユニット7は、吸引パージを実施し、ノズル40の噴射口40aを介して個別インク流路41から保存液を吸引する。このとき、個別インク流路41から排出された分のインクが、マニホールド37から個別インク流路41へと新たに供給される。これにより、インクジェットヘッド3が、ノズル40からインクを噴射可能な状態に復帰する。吸引パージによる吸引量は、注入された保存液の総量に応じて決定される。保存液を全て排出するためには、期間前注入や追加注入により最終的に個別インク流路41に注入された保存液の総量以上、吸引する必要があるからである。
次に、プリンタ1の全体制御を司る制御部120について説明する。図5は、プリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。図5に示される制御部120は、例えば、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、プリンタ1の全体動作を制御する為の各種プログラムやデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUで処理されるデータ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等を備え、ROMに格納されたプログラムがCPUで実行されることにより、以下に説明するような種々の制御を行うものであってもよい。あるいは、演算回路を含む各種回路が組み合わされたハードウェア的なものであってもよい。
この制御部120(制御手段)は、記録制御部121、電源管理部122、メンテナンス制御部123、タイマー124(経過時間計測手段)及び使用履歴記憶部125(記憶手段)を備えている。記録制御部121は、PC等の外部装置から入力されたデータに基づいて、キャリッジ2を往復駆動するキャリッジ駆動モータ19、インクジェットヘッド3のヘッドドライバ53、記録用紙Pを搬送する給紙モータ27及び排紙モータ28等を制御して、インクジェットヘッド3による記録用紙Pへの画像等の記録を行わせるものである。
電源管理部122は、電源スイッチ131からの信号に基づいて、プリンタ1の主電源からの電力供給を制御する。主電源は、インクジェットヘッド3、メンテナンスユニット7、制御部120などの主要な構成に電力を供給する。電源スイッチ131は、主電源のON及びOFFを切り換えるスイッチであり、ユーザにより操作される。電源スイッチ131の状態がユーザによって切り換えられると、電源スイッチ131は、電源管理部122へと切り換え信号を送信する。電源管理部122は、電源スイッチ131からの切り換え信号を受信すると、電源スイッチ131が切り換えられたことを示す信号をメンテナンス制御部123へと送信すると共に、主電源による電力供給のON及びOFFを相互に切り換える。
タイマー124は、時間を計測する計測器を有し、基準時から所定の時間が経過したと判定すると、所定の時間が経過したことを通知する信号をメンテナンス制御部123へと送信する。また、タイマー124は、メンテナンス制御部123から指令を受信すると、時間計測の基準時をゼロ時点にリセットする。
なお、プリンタ1は、主電源のOFF時にプリンタ1の一部の構成に電力を供給する補助電源(バッテリ等)を備えている。この補助電源は、主電源のON・OFFに関わらず、プリンタ1の電源プラグがコンセントに接続されている間に充電される。また、主電源がOFFのときには、制御部120、インクジェットヘッド3、メンテナンスユニット7など、主電源がOFFのときに所定の動作を実行する構成に対して補助電源から電力が供給される。
使用履歴記憶部125は、現時点までのプリンタ1の使用履歴を示す使用履歴情報を記憶する。使用履歴情報は、例えば、プリンタ1の累積使用回数や、休止期間の長さの平均などを示す情報を含んでいる。制御部120は、所定のタイミングで(例えば、定期的に)これらの情報を更新し、更新後の情報を使用履歴記憶部125に記憶させる。
メンテナンス制御部123は、吸引キャップ駆動モータ91(キャップ切換手段)、排気キャップ駆動モータ92、吸引ポンプ14等のメンテナンスユニット7の各部を制御して、前述した液体パージや排気パージ等を含む一連のメンテナンス動作を行わせるものである。メンテナンス制御部123は、電源管理部122やタイマー124からの信号に基づいてメンテナンス動作を制御する。
また、メンテナンス制御部123は、使用履歴情報に基づいて、ノズル40内に保存液を流入させるか否か、あるいは、流入させる保存液の量を決定する。例えば、使用履歴が示す休止期間の平均値が小さい場合は、プリンタ1の使用頻度が高く、プリンタ1が休止期間に入ってもすぐに使用が再開される可能性が高い。したがって、保存液を注入する必要性が低い。また、保存液を注入する場合にも、それほど多くの量を注入する必要がない。
そこで、メンテナンス制御部123は、使用履歴が示す休止期間の平均値が所定値より小さい場合、期間前注入を実行しないと決定する。また、メンテナンス制御部123は、保存液を追加注入する際、休止期間の平均値が所定値より小さいほど排気ユニット64によるインク貯留室60の減圧量を小さくする。これにより、休止期間の平均値が所定値より小さいほど、インクジェットヘッド3内の減圧量が小さくなり、個別インク流路41へと流入する保存液の量が小さくなる。
以下、メンテナンスユニット7のメンテナンス動作の流れについて、図6を参照しつつより詳細に説明する。主電源がONの状態において、メンテナンス制御部123は、電源スイッチ131がOFFにされたことを示す信号を電源管理部122から受信したか否かを判定する(ステップS1)。かかる信号を受信していないと判定すると(ステップS1、No)、ステップS1が繰り返される。かかる信号を受信したと判定すると(ステップS1、Yes)、メンテナンス制御部123は、記録制御部121に、キャリッジ2をメンテナンス位置に移動するように指示する指令を送信する(ステップS2)。
次に、メンテナンス制御部123は、使用履歴記憶部125の記憶内容に基づいて、期間前注入を実行するか否かを決定する(ステップS3)。具体的には、使用履歴記憶部125に記憶されている使用履歴が示す休止期間の平均値が所定値より小さければ、期間前注入を実行しないと決定する(ステップS3、No)。そして、メンテナンス制御部123は、吸引キャップ駆動モータ91を制御して吸引キャップ12をキャッピング状態にさせた後(ステップS12)、ステップS8に処理を進める。ステップS3において、休止期間の平均値が所定値以上であれば、メンテナンス制御部123は、期間前注入を実行すると決定し(ステップS3、Yes)、ステップS4の処理に進む。
ステップS4において、メンテナンス制御部123は、吸引キャップ12内に保存液が充填されるように、供給ポンプ103を制御して、保存液カートリッジ102から吸引キャップ12へと保存液を供給させる。次に、メンテナンス制御部123は、吸引キャップ駆動モータ91を制御し、吸引キャップ12をキャッピング状態にさせる(ステップS5)。これにより、インクジェットヘッド3のインク噴射面3aが、吸引キャップ12内の保存液に浸漬される(ステップS6)。このとき、インク噴射面3aに保存液が付着し、インクカートリッジ6a等とインクジェットヘッド3との水頭差に基づく負圧により、インク噴射面3aに付着した保存液がノズル40の噴射口40aからノズル40内へと流入する(ステップS7)。
ステップS7において、水頭差による負圧のみでは十分な量の保存液が流入しない場合は、メンテナンス制御部123が排気キャップ駆動モータ92、吸引ポンプ14及び切り換えユニット16を制御することにより、排気ユニット64にインク貯留室60内を吸引させてもよい。これにより、インクジェットヘッド3内の圧力がさらに低下し、水頭差による負圧のみでの流入量よりも多くの保存液が流入する。
期間前注入が完了すると、メンテナンス制御部123は、吸引キャップ駆動モータ91を制御し、吸引キャップ12を一旦インク噴射面3aから離間させると共に、吸引ポンプ14及び切り換えユニット16を制御して、吸引キャップ12内を吸引させて空にする。そして、メンテナンス制御部123は、吸引キャップ駆動モータ91を制御し、吸引キャップ12を再びキャッピング状態にする。
ステップS8において、メンテナンス制御部123は、タイマー124の基準時をリセットする。これにより、主電源OFF時点(ステップS7において期間前注入がなされた場合には、保存液が注入された時点)から所定時間が経過したか否かをタイマー124が計測可能となる。そして、メンテナンス制御部123は、基準時から所定時間が経過したことを示す信号をタイマー124から受信したか否かを判定する(ステップS9)。
所定時間は、例えば、5日間などと設定される。主電源がOFFにされた時点からの経過時間が所定時間以上になると、使用頻度が低く、今後も使用されない状態が継続する可能性が高くなる。このため、休止期間が長期間になることに備え、保存液を追加注入する必要性がある。そこで、所定時間が経過したことを示す信号をタイマー124から受信したと判定すると(ステップS9、Yes)、メンテナンス制御部123は、メンテナンスユニット7を制御し、インクジェットヘッド3内に保存液を追加注入させる(ステップS13)。
ステップS13において、メンテナンス制御部123は、使用履歴記憶部125の記憶内容に基づき、排気ユニット64によりインク貯留室60内を吸引する吸引量を調整する。具体的には、使用履歴記憶部125が記憶している使用履歴が示す休止期間の平均値が大きい(小さい)ほど、インク貯留室60内の吸引量を大きく(小さく)する。これにより、休止期間の平均値が大きく(小さく)なるほど、ノズル40内に注入される保存液の量が大きく(小さく)なる。
次に、メンテナンス制御部123は、電源スイッチ131がONに切り換えられたことを示す信号を電源管理部122から受信したか否かを判定する(ステップS14)。かかる信号を受信していないと判定すると(ステップS14,No)、メンテナンス制御部123は、ステップS14の処理に戻る。かかる信号を受信したと判定すると(ステップS14,Yes)、メンテナンス制御部123は、ステップS16の処理に進む。
一方、ステップS9において、所定時間以上が経過したことを示す信号をタイマー124から受信していないと判定すると(ステップS9、No)、メンテナンス制御部123は、電源スイッチ131がONに切り換えられたことを示す信号を電源管理部122から受信したか否かを判定する(ステップS10)。かかる信号を受信していないと判定すると(ステップS10,No)、メンテナンス制御部123は、ステップS9の処理に戻る。かかる信号を受信したと判定すると(ステップS10,Yes)、メンテナンス制御部123は、ステップS16の処理に進む。
ステップS16において、メンテナンス制御部123は、キャッピング状態のまま吸引ポンプ14及び切り換えユニット16を制御し、吸引パージを実行させる(ステップS15)。これにより、インクジェットヘッド3から保存液が排出されると共に、インクカートリッジ6a〜6dからインクジェットヘッド3へと新たなインクが供給される。
ここで、吸引パージによる吸引量は、ノズル40内に注入された保存液の総量に基づいて設定される。例えば、メンテナンス制御部123は、ステップS7及びS13において期間前注入や追加注入を実行したか否か、及び、その際の注入量を記憶している。そして、ステップS16において、メンテナンス制御部123は、保存液の注入量の合計が大きいほど、例えば吸引パージを長く実行するように、吸引ポンプ14を制御する。これによって、個別インク流路41内に存在する保存液の量が大きいほど吸引量が大きくなり、全ての保存液が確実に排出される。なお、ステップS7及びS13のいずれも実行されなかった場合は、個別インク流路41に保存液が存在しないため、保存液の排出のための吸引パージは必要ないが、ノズル40内の乾燥したインクを排出するため、所定時間、吸引パージが実行されてもよい。
以上説明した本実施形態によると、休止期間に備えて、ノズル40内に、インクよりも増粘しにくい保存液が注入される。これにより、休止期間が長期間に及ぶ場合でも、ノズル40内の液体の粘度が増加していくのが抑えられる。したがって、休止期間後にインクジェットヘッド3を再びインクを噴射できる状態に復帰させる復帰動作が容易となる。また、ノズル40の噴射口40aから保存液が注入されるので、必要な量だけ保存液を注入することができるため、インクとの置換量が少なくて済み、置換に要する時間が短くなる。
また、本実施形態では、排気ユニット64によりインク貯留室60を吸引させることで、インクジェットヘッド3内の圧力を低下させ、これによって保存液を確実にノズル40内に引き込むことができる。
また、本実施形態では、追加注入の際、保存液をマニホールド37までは到達させず、個別インク流路41内に留めている。これによると、復帰動作の際、個別インク流路41内の保存液を排出させるだけで、速やかにインクに置換できる。
[第1変形例]
次に、ノズル40内に保存液を注入する方法に関する変形例について説明する。第1変形例に係るメンテナンスユニット207は、メンテナンスユニット7の代わりに上述の実施形態に採用される。以下、メンテナンスユニット207においてメンテナンスユニット7と異なる構成について主に説明し、同様の構成については共通の符号を付すと共に、適宜説明を省略する。
メンテナンスユニット207には、図7に示すように、保存液供給ユニット100が設けられていない。これに伴い、メンテナンスユニット207の吸引キャップ212には、保存液の供給口が設けられていない。メンテナンスユニット207は、保存液噴射ユニット201(液体注入手段)を有している。保存液噴射ユニット201は、走査方向に関するキャリッジ2の移動範囲のうち、記録用紙Pと対向する印刷領域よりも外側(図7における左側)の領域に配置されている。キャリッジ2が保存液噴射ユニット201の上方に配置されると、インクジェットヘッド3のインク噴射面3aが保存液噴射ユニット201と上下方向に対向する。
保存液噴射ユニット201には、図示しない保存液カートリッジが接続されており、このカートリッジから保存液が供給される。保存液噴射ユニット201は、複数のノズル202を有している。ノズル202は、カートリッジから供給された保存液を鉛直上方へと噴射する。これらのノズル202は、インクジェットヘッド3が上方に配置された際、インク噴射面3aに形成された各ノズル40のちょうど真下に1つずつ配置されるように設けられている。インクジェットヘッド3が保存液噴射ユニット201の上方に配置された後、ノズル202からノズル40へと保存液が噴射されることにより、各ノズル40を介して個別インク流路41へと保存液が注入される。
[第2変形例]
第2変形例には、上述の実施形態のインクジェットヘッド3に加えて、図8に示すように、インクジェットヘッド303(液体注入手段)が設けられている。インクジェットヘッド303は、インクジェットヘッド3と上下方向に対向するように、キャリッジ2とは別のキャリッジに搭載されている。このキャリッジは、キャリッジ2とは独立に走査方向に移動する。インクジェットヘッド303のインク噴射面303aにはノズル340が形成されている。インク噴射面303aは、インクジェットヘッド3のインク噴射面3aとの間に用紙Pを挟むように配置されている。ノズル340は、紙送り方向に関してインクジェットヘッド3のノズル40と同じ位置に配置されている。
インクジェットヘッド303には、インクと保存液が選択的に供給される。これにより、インクジェットヘッド303にインクが供給された際は、ノズル340から用紙Pの裏面に向けてインクを噴射することで、用紙Pの裏面に印刷を施すことができる。また、インクジェットヘッド303に保存液が供給された際は、用紙Pがないときにノズル340からインクジェットヘッド3のノズル40へと保存液を噴射することにより、ノズル40から個別インク流路41へと保存液を注入できる。
[第3変形例]
第3変形例に係るインクジェットヘッド403は、インクジェットヘッド3の代わりに上述の実施形態に採用される。インクジェットヘッド403は、図9(a)に示すように、圧電アクチュエータ423(液体注入手段)及び流路ユニット422を有している。
流路ユニット422は、金属材料で形成されたプレート430〜432と、絶縁材料で形成されたノズルプレート434とを有している。プレート430には圧力室435が、プレート431には連通孔431a及び431bが、プレート432にはマニホールド437及び連通孔432aが、プレート433にはノズル440がそれぞれ形成されている。連通孔431aは、マニホールド437の出口から圧力室435の一端までを繋いでいる。連通孔431b及び連通孔432aは、圧力室435の他端とノズル440とを繋いでいる。これにより、マニホールド437から圧力室435を通ってノズル40に至る個別インク流路441が形成されている。圧力室435とマニホールド437を結ぶ連通孔431aは特に流路が狭められていない。つまり、個別インク流路441は、個別インク流路41と異なり、絞り流路31aに対応する部分がない。
圧電アクチュエータ423は、圧電層51、振動板50、並びに、個別電極452及び453を有している。個別電極452及び453は、圧力室435の長手方向に並んでおり、それぞれ圧力室435の異なる領域に対向している。ヘッドドライバ454は、個別電極452及び453のそれぞれに駆動電位を付与できる。これにより、圧電層51において、個別電極452と振動板50に挟まれた領域と、個別電極453と振動板50に挟まれた領域とは、互いに独立に変形する。つまり、圧電アクチュエータ423において、個別電極452を含む領域である領域423aと、個別電極453を含む領域である領域423bとは、それぞれ独立にユニモルフ変形する。
本変形例に係る圧電アクチュエータ423は、以下の通り、ノズル440からインクを噴射させる機能と、ノズル440を介して外部から保存液を流入させる機能との両方の機能を兼ね備える。
ノズル440からインクを噴射する際、圧電アクチュエータ423は以下のように駆動される。まず、ヘッドドライバ454は、個別電極453を所定の駆動電位に保持することで、領域423bを圧力室435に向かって凸になるようにユニモルフ変形させた状態で維持する。これにより、圧力室435の領域423bに対向する部分、つまり、図9(a)中右側の部分(以下、右側部分とする)が狭くなり、絞り流路の役割を果たす。この状態で、ヘッドドライバ454は、個別電極452に駆動電位を付与して、領域423aを圧力室435に向かって凸にユニモルフ変形させる。これにより、圧力室435において領域423aと対向する部分、つまり、図9(a)中左側の部分(以下、左側部分とする)に圧力を印加する。圧力室435の右側部分は絞り流路の役割を果たすので、圧力室435の左側部分に圧力が付与された際、マニホールド437側に向かう方向にはインクが流れず、ノズル440から円滑にインクが噴射される。
一方、ノズル440を介して外部から保存液を逆流させる際、圧電アクチュエータ423は以下のように駆動される。なお、圧電アクチュエータ423の駆動に先立ち、上述の実施形態と同様、吸引キャップ12に保存液を充填し、インク噴射面433aを覆わせる。これにより、ノズル440付近に保存液が付着する。そして、ヘッドドライバ454は、インクを噴射させる際とは逆に、個別電極452を所定の駆動電位に保持する。これにより、圧力室435の左側部分が狭まり、絞り流路の役割を果たす。
この状態で、ヘッドドライバ454は、個別電極453に駆動電位を付与して圧力室435の右側部分に圧力を印加する。圧力室435の左側部分は絞り流路として機能するので、圧力室435の右側部分に圧力を印加すると、圧力室435の右側部分から左側部分に向かう流れは生じず、圧力室435の右側部分からマニホールド437に向かう流れが生じる。これにより、連通孔432a及び431bから圧力室435の左側部分を介して圧力室435の右側部分へと液体を引き込む流れが生じる。よって、ノズル440に付着した保存液は、ノズル440を介して連通孔431b及び432aへと流入する。
以上のように、圧力室435の左側部分及び右側部分に対して圧電アクチュエータ423の領域423a及び423bがそれぞれ独立に作用することにより、ノズル440からインクを噴射させることと、ノズル440から保存液を注入することとの両方が可能である。同様に、圧力室435の左側部分及び右側部分に対してそれぞれ独立に作用することが可能なアクチュエータであれば、圧電アクチュエータ423の代わりに、圧電式以外の方式のアクチュエータを採用することもできる。
例えば、図9(b)のインクジェットヘッド503は、アクチュエータ523及び流路ユニット422を有している。アクチュエータ523は、圧力室435内に配置された熱源552及び553を有している。そして、ヘッドドライバ523が熱源552及び552のそれぞれに駆動電流を供給することにより、熱源からの発熱で圧力室435内の液体を蒸発させ、気泡を発生させる。これにより、熱源552と熱源553のそれぞれにおいて独立に、圧力室435内の液体に圧力を印加できる。また、熱源552及び熱源553のいずれかに発生した気泡をそのまま維持することにより、圧力室435において気泡が発生した領域が、気泡によって流路が狭められた状態となる。これにより、気泡が発生した領域を絞り流路として機能させることができる。このように、アクチュエータ523も、圧電アクチュエータ423と同様に、圧力室435の左側部分及び右側部分のそれぞれに独立に圧力を印加できると共に、それぞれを独立に絞り流路として機能させることができるため、圧電アクチュエータ423の代わりに本変形例に採用できる。
上述の実施形態では、排気ユニット64にインク貯留室60を吸引させ、インクジェットヘッド3内の圧力を低下させることで、ノズル40から個別インク流路41へと保存液を吸引している。この場合、インク貯留室60から各ノズル40までの距離が異なるため、ノズル40において発生する吸引力にばらつきが生じるおそれがある。吸引力にばらつきが生じると、保存液の注入量にもばらつきが生じる。これに対して、本変形例のように、個別インク流路441ごとに設けられたアクチュエータを使用して保存液を吸引する場合、保存液の吸引力にばらつきが生じにくい。このため、保存液の注入量がばらつきにくい。
(その他の変形例)
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
例えば、上述の実施形態では、インク貯留室60に溜まった空気を排出する排気ユニット64に、インクジェットヘッド3内の圧力を低下させる本発明の減圧手段を兼用させている。しかし、インクジェットヘッド3内を減圧するための専用のポンプ等を設けてもよい。なお、インクジェットヘッド3の流路上流側からインクジェットヘッド3の流路内に正圧を印加することにより、ノズル40からインクを噴射させる、正圧パージを実行する手段が設けられていてもよい。このような手段の一例として、インクカートリッジ6a〜6dのインクを加圧しつつチューブジョイント20へと供給する加圧用のポンプが設けられてもよい。この場合は、このポンプを逆回転させることにより、チューブジョイント20からインクを吸引することで、インクジェットヘッド3内を吸引することができる。このように、加圧用のポンプを逆回転させることで、インクジェットヘッド3内を減圧させる手段(減圧手段)として機能させてもよい。
また、上述の実施形態では、電源スイッチ131がOFFにされたことを契機に保存液がインクジェットヘッド3に注入される。しかし、電源スイッチ131がONのときでも、吸引キャップ12がキャッピング状態にされることを契機にインクジェットヘッド3に保存液が注入されてもよい。また、ユーザがプリンタ1の操作パネルを介して指示したり、パーソナルコンピュータなどの外部装置からプリンタ1に指令を送信したりしたことを受けて、インクジェットヘッド3に保存液が注入されてもよい。
また、上述の実施形態では、タイマー124によって期間前注入から所定期間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過した場合に保存液を追加注入する(図6のステップS7〜S9、S14)。しかし、所定時間が経過した場合に保存液を追加注入するのみならず、一旦保存液を排出してから保存液を入れなおしてもよい。具体的には、期間前注入から所定時間が経過した場合、まず、吸引パージを実行する。これにより、インクジェットヘッド3から保存液を排出する。その後、吸引キャップ12からインクジェットヘッド3内へと保存液を注入しなおす。このときの注入量は、期間前注入より多くする。この変形例によると、所定時間の経過により乾燥が進んだ保存液を一旦捨てるので、休止期間が長期間になるときもノズル40内の乾燥を適切に抑制できる。
また、上述の実施形態では、保存液として、インクとは異なる成分の液体を使用している。しかし、マゼンタ、シアン、イエローのインクのうち、最も乾燥しにくく粘度が増加しにくいものを保存液として使用してもよい。この場合、少なくとも、保存液として使用されるインク以外のインクを噴射するノズル40において、より乾燥しにくいインクが注入されるため、休止期間中のノズル40内の乾燥を抑制できる。
また、上述の実施形態では、期間前注入を行うか否かを使用履歴に基づいて決定する。また、追加注入の際、プリンタ1の使用履歴に基づいて注入量を調整する。しかし、使用履歴に関わらず、期間前注入は必ず行ってもよいし、注入量も一定であってもよい。この場合、休止期間後の復帰動作において排出するべき保存液の量は、追加注入を行ったか否かのみによって変動する。したがって、この場合、例えば、追加注入を行ったか否かについてのみ記憶装置等に記憶させると共に、復帰動作の際、記憶装置の記憶内容を照会し、追加注入を行っている場合には行っていない場合と比べて、吸引パージによる吸引量を大きくすればよい。
また、上述の実施形態では、キャッピング状態にある吸引キャップ12に保存液を充填したり、キャッピング状態にある吸引キャップ12から保存液を排出したりする際、吸引キャップ12を一旦インク噴射面3aから離間させてから保存液を充填したり排出したりする。しかし、キャッピング状態にある吸引キャップ12を大気連通させた状態と、吸引キャップ12を大気連通させていない状態とを切り換える手段が設けられてもよい。この場合、吸引キャップ12を大気連通させることで、キャッピング状態のまま吸引キャップ12に保存液を充填したり、キャッピング状態のまま吸引キャップ12から保存液を排出したりできる。
また、上述の実施形態とは異なり、吸引キャップ12内に保存液を充填し、インク噴射面3aをその保存液に浸漬させた後、吸引キャップ12内を加圧することで、保存液をノズル40内に注入してもよい。
また、上述の実施形態においては、保存液供給ユニット100において、供給ポンプ103が保存液カートリッジ102から吸引キャップ12へと保存液を供給する。しかし、保存液噴射用のヘッドを設け、そのヘッドから吸引キャップ12へと保存液を噴射させることで、吸引キャップ12内に保存液を供給させてもよい。例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4つのインクジェットヘッド3に、さらに走査方向に隣接させるように保存液噴射ヘッドをキャリッジ2に搭載する。保存液噴射ヘッドは、保存液カートリッジから供給された保存液を噴射するノズルを有している。ノズル40内に保存液を注入する際は、保存液噴射ヘッドが吸引キャップ12と対向する位置までキャリッジ2を移動させる。そして、吸引キャップ12内へと、保存液噴射ヘッドのノズルから保存液を噴射させて供給する。これにより吸引キャップ12内にある程度保存液が充填されたら、キャリッジ2をメンテナンス位置へと移動させた後、吸引キャップ12をキャッピング状態にする。これによって、インク噴射面3aに付着した保存液が、インクジェットヘッド3内の負圧により、ノズル40内に引き込まれる。
1 プリンタ
3 インクジェットヘッド
7 メンテナンスユニット
12 吸引キャップ
40 ノズル
120 制御部
123 メンテナンス制御部
124 タイマー
125 使用履歴記憶部

Claims (8)

  1. 第1の液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、
    前記ノズルを覆うように前記液体噴射ヘッドに装着されるキャップ部材と、
    前記キャップ部材の状態を、前記液体噴射ヘッドへの装着状態と前記液体噴射ヘッドから離れた非装着状態との間で切り換える、キャップ切換手段と、
    前記液体噴射ヘッドの前記ノズル内に、前記ノズルから噴射される前記第1の液体と比べて粘度が増加しにくい性質を有する第2の液体を、前記ノズルの噴射口から注入する液体注入手段と、
    前記液体噴射ヘッド、前記キャップ切換手段、及び、前記液体注入手段を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、過去における液体噴射装置の使用に関する使用履歴情報を記憶する記憶手段を有し、
    前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記使用履歴情報に基づいて、前記キャップ切換手段により前記キャップ部材が前記装着状態にされるときに、前記液体注入手段により前記ノズルに前記第2の液体を注入させるか否かを判定すると共に、前記第2の液体を注入させると判定したときに、前記液体注入手段に前記ノズルへの前記第2の液体の注入を行わせることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記液体注入手段は、前記液体噴射ヘッド内の前記ノズルよりも上流側の流路内における圧力を低下させる減圧手段を有することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 第1の液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、
    前記ノズルを覆うように前記液体噴射ヘッドに装着されるキャップ部材と、
    前記キャップ部材の状態を、前記液体噴射ヘッドへの装着状態と前記液体噴射ヘッドから離れた非装着状態との間で切り換える、キャップ切換手段と、
    前記液体噴射ヘッドの前記ノズル内に、前記ノズルから噴射される前記第1の液体と比べて粘度が増加しにくい性質を有する第2の液体を、前記ノズルの噴射口から注入する液体注入手段と、
    前記液体噴射ヘッド、前記キャップ切換手段、及び、前記液体注入手段を制御する制御手段を備え、
    前記液体注入手段は、前記液体噴射ヘッド内の前記ノズルよりも上流側の流路内における圧力を低下させる減圧手段を有し、
    前記制御手段は、過去における液体噴射装置の使用に関する使用履歴情報を記憶する記憶手段を有し、
    前記制御手段は、前記キャップ切換手段により前記キャップ部材が前記装着状態にされるときに、前記液体注入手段に前記ノズルへの前記第2の液体の注入を行わせ、
    さらに、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記使用履歴情報に基づいて、前記キャップ切換手段により前記キャップ部材が前記装着状態にされるときの、前記減圧手段による減圧量を決定することを特徴とする液体噴射装置。
  4. 前記液体噴射ヘッドは、複数の前記ノズルと、これら複数のノズルにそれぞれ連通する複数の個別流路と、前記複数の個別流路と共通に連通する共通流路とを備え、
    前記減圧手段は、各ノズルから前記個別流路内に流入する前記第2の液体が、前記共通流路までは流入しないように、前記ノズルよりも上流側の流路内を減圧することを特徴とする請求項2又は3に記載の液体噴射装置。
  5. 前記制御手段は、前記液体注入手段により前記液体噴射ヘッドの前記ノズルに前記第2の液体が注入されてから、その状態が継続した経過時間を計測する経過時間計測手段を有し、
    前記経過時間計測手段により計測された前記経過時間が所定時間以上となったときに、前記制御手段は、前記減圧手段を制御して、前記第2の液体がさらに上流側まで流入するように、前記ノズルよりも上流側の流路の圧力を低下させることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  6. 装置の電源スイッチがOFFにされたときに、前記キャップ切換手段は前記キャップ部材を前記装着状態に切り換え、
    前記制御手段は、前記液体注入手段に前記ノズルへ前記第2の液体を注入させることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の液体噴射装置。
  7. 前記キャップ部材内に前記第2の液体を供給する液体供給手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記液体供給手段に前記キャップ部材への前記第2の液体の供給を行わせた後に、前記液体注入手段に前記ノズルへの前記第2の液体の注入を行わせることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  8. 前記第2の液体が供給された前記キャップ部材の状態を前記キャップ切換手段が前記装着状態に切り換えた際に、前記キャップ部材内の前記第2の液体が、前記液体噴射ヘッド内と前記キャップ部材内の圧力差によって前記ノズル内へと引き込まれることにより、前記液体注入手段が前記第2の液体の注入を行うことを特徴とする請求項に記載の液体噴射装置。
JP2012068759A 2012-03-26 2012-03-26 液体噴射装置 Active JP5970899B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012068759A JP5970899B2 (ja) 2012-03-26 2012-03-26 液体噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012068759A JP5970899B2 (ja) 2012-03-26 2012-03-26 液体噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013199053A JP2013199053A (ja) 2013-10-03
JP5970899B2 true JP5970899B2 (ja) 2016-08-17

Family

ID=49519676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012068759A Active JP5970899B2 (ja) 2012-03-26 2012-03-26 液体噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5970899B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6497178B2 (ja) * 2015-03-31 2019-04-10 ブラザー工業株式会社 インクジェットプリンタ
JP6725867B2 (ja) * 2016-01-19 2020-07-22 セイコーエプソン株式会社 記録装置及びキャッピング方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08238823A (ja) * 1995-03-07 1996-09-17 Canon Inc 記録装置
JPH0912949A (ja) * 1995-06-30 1997-01-14 Canon Inc 水性インク組成物、これを用いたインクジェット記録方法及びこれを用いたインクジェット記録装置
JP2004167961A (ja) * 2002-11-22 2004-06-17 Dainippon Printing Co Ltd インクジェット式記録装置
JP4572330B2 (ja) * 2005-02-02 2010-11-04 セイコーエプソン株式会社 液滴吐出装置、液滴吐出装置におけるノズルの吐出性能維持方法、電気光学装置の製造方法
JP2007245136A (ja) * 2006-02-17 2007-09-27 Seiko Epson Corp 液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドの回復方法、薄膜の形成方法、配向膜の形成方法、配向膜形成用液滴吐出ヘッドの回復方法、配向膜形成装置及び液晶表示装置
JP2008114207A (ja) * 2006-11-08 2008-05-22 Seiko Epson Corp 液滴吐出装置、及び機能液供給方法
JP4784762B2 (ja) * 2006-12-14 2011-10-05 ブラザー工業株式会社 記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013199053A (ja) 2013-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4821817B2 (ja) 液滴噴射装置
CN103587246B (zh) 液体喷射装置
JP2008168565A (ja) 流体噴射装置
JP5024324B2 (ja) 液体吐出装置及び液体吐出装置における液体充填方法
JP5246107B2 (ja) 液体噴射装置
JP4375340B2 (ja) 液体噴射装置
US8459774B2 (en) Liquid jetting apparatus
JP5970899B2 (ja) 液体噴射装置
JP2010188590A (ja) 液体供給装置及び液体噴射装置
JP4985229B2 (ja) 液体吐出装置
US8708451B2 (en) Liquid ejection apparatus
JP2020011435A (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、液体噴射ヘッドの制御方法、及び、液体噴射装置の制御方法
JP4915320B2 (ja) 液滴噴射装置
JP2019064061A (ja) 液体吐出装置
JP2000141685A (ja) インクジェット式記録装置
JP5262043B2 (ja) 液滴噴射装置
JP2024107911A (ja) インクジェット記録装置
JP2012196816A (ja) 液体噴射装置
US20130127940A1 (en) Liquid Ejecting Apparatus
JP7087831B2 (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、液体噴射ヘッドの洗浄方法、及び、液体噴射ヘッドの製造方法
JP2004299292A (ja) 液体噴射装置
JP2011062869A (ja) 液体吐出装置
JP2009226881A (ja) 流体噴射装置
JP2006103056A (ja) 記録装置とインク供給方法
JP2009148929A (ja) 液体噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160307

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160307

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160307

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160614

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5970899

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150