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JP6497178B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents
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JP6497178B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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本発明は、インクジェットプリンタに関する。
インクジェットプリンタは、インク吐出性能の維持または回復のため、一連のメンテナンス処理を定期的に行う。一連のメンテナンス処理には、ノズルからインクを排出するインクパージ工程のほか、排気工程および空吸引工程が含まれることがある(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1のインクジェットプリンタは、インク流路で発生した気泡を溜める気泡貯留室、気泡貯留室と連通する排出路、排出路の排出口から排出された気泡を受容可能な排気キャップ、および排気キャップの吸引口と接続されたポンプを備える。排気工程では、排気キャップをキャリッジの下面に密着させ、キャリッジと排気キャップとの間に気密空間を形成する。ポンプを作動させて気密空間を負圧状態とし、気泡を気泡貯留室から排出路、気密空間および吸引口を介して排出する。このとき、気泡貯留室内のインクが気泡とともに吸引され、吸引されたインクの一部が排気キャップ内に溜まる。空吸引工程では、排気工程中に排気キャップ内に溜められたインクがポンプで吸引される。
特開2007−331269号公報
空吸引工程を行っても、インクが排気キャップから完全に除去されるとは限らない。空吸引工程後に排気キャップ内に残ったインクが、次回のメンテナンス処理が行われる前に乾燥し、増粘または固化する(以下、単に「固化する」という)場合がある。すると、メンテナンス処理が繰り返されるうちに、固化したインクが排気キャップ内で蓄積される可能性がある。固化したインクが蓄積すれば、吸引口の詰まりを誘発し、排気不良ひいてはインク吐出不良を誘発する可能性がある。
本発明は、排気キャップ内で固化したインクが蓄積するのを抑制できるインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
本発明の一形態に係るインクジェットプリンタは、インクを吐出する複数のノズルを有するインクジェットヘッドと、インクタンクを前記複数のノズルと連通させるインク流路と、前記インク流路内の気泡を溜めるための気泡貯留室と、前記気泡貯留室と連通する排出路と、前記排出路の開口を開放する状態と閉鎖する状態で切り替える開閉機構と、前記排出路の前記開口が形成された排気開口面に密着する状態で前記排気開口面とともに前記開口を覆う排気キャップ内空間を形成する排気キャップを有する排気機構と、前記排気キャップを前記排気開口面に対して密着離間可能に相対的に移動させるための排気キャップ移動機構と、前記排気キャップ内空間に繋がり、前記排気キャップ内空間に負圧を印加する負圧印加機構と、前記ノズルよりインクを強制的に排出させるインクパージ機構と、前記開閉機構、前記排気キャップ移動機構、前記負圧印加機構及び前記インクパージ機構を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記排気キャップ移動機構により前記排気キャップを前記排気開口面に密着させるキャッピング処理と、前記負圧印加機構により前記排気キャップ内空間に負圧を印加させて、前記気泡を前記気泡貯留室から前記排出路および前記排気キャップ内空間を介して排出させる排気処理と、前記排気処理の後に、前記排気処理中に前記気泡とともに吸引されたインクを前記排気キャップ内空間内に溜めた状態で待機する待機処理と、前記待機処理の後に、前記負圧印加機構により前記排気キャップ内空間内に溜めたインクを吸引させる空吸引処理と、前記待機処理と並行して、前記インクパージ機構によりインクを前記ノズルより強制的に排出させるインクパージ処理と、を実行する。
前記構成によれば、待機処理中に、その直前の排気処理で気泡とともに吸引されたインクの溶剤に、固化したインクを再分散または再溶解させることができる。この待機処理後の空吸引処理で、インクは排気キャップから吸引される。メンテナンス処理が繰り返されても、固化したインクが排気キャップ内で蓄積されるのを抑制できる。一方、待機処理の導入により、排気処理の開始から空吸引処理の終了までの期間は長くなると考えられる。前記構成によれば、排気処理および空吸引処理とともに一連のメンテナンス処理を構成するインクパージ処理が待機処理と並行して行われる。そのため、待機処理を導入しても、一連のメンテナンス処理をなるべく短期間で終了できる。
本発明によれば、排気キャップ内で固化したインクが蓄積するのを抑制できる。
図1Aは、第1実施形態に係るインクジェットプリンタの平面視模式図である。図1Bは、図1Aに示すインクジェットヘッドの底面図である。図1Cは、図1Aに示すインクジェットプリンタの側面視模式図である。 図2Aは、図1Aに示すインクジェットプリンタの排気機構、インクパージ機構および接離機構を正面視で示し、更に切換え機構および負圧印加機構を示す模式図である。図2Bは、図2Aに示す排気機構の側面視模式図である。 図3は、図1Aに示すインクジェットプリンタを示すブロック図である。 図4は、図3に示す制御部によって実行されるメンテナンス処理の一部を示すフローチャートである。 図5は、第1実施形態に係るメンテナンス処理の一部を示すフローチャートである。 図6Aは、図4に示す処理の工程表の一例である。図6Bは、待機処理を実行する比較例の工程表である。図6C−Dは、図5に示す処理の工程表の一例である。 図7は、図4に示すフラッシング処理でのインク吐出量と図5に示すフラッシング処理でのインク吐出量とを示すグラフである。 図8は、第2実施形態に係るメンテナンス処理の一部を示すフローチャートである。 図9は、図8に示す処理の工程表の一例である。 図10A−Cは、変形例に係るメンテナンス処理の工程表の一例である。
以下、図面を参照しながら実施形態について説明する。同一のまたは対応する要素については、同一の参照符号を付し、詳細な説明の重複を省略する。
(第1実施形態)
図1Aに示すように、インクジェットプリンタ1は、タンク装着部2、インクジェットヘッド3、およびインク流路4を備える。タンク装着部2は、互いに異なる種類のインクを貯留した複数のインクタンクTを取外し可能に装着する。例えば、複数のインクタンクTは、ブラックインクを貯留するブラックインクタンクTB、およびカラーインクを貯留する複数のカラーインクタンクTCLを含み、カラーインクタンクTCLは、シアンインクを貯留するシアンインクタンクTC、マゼンタインクを貯留するマゼンタインクタンクTM、およびイエローインクを貯留するイエローインクタンクTYを含む。インクは顔料インクでも染料インクでもよい。顔料インクは溶剤に顔料を分散させることで調製され、染料インクは溶剤に染料を溶解させることで調製される。本書では、説明便宜上、単に「(再)分散」という場合、染料の(再)溶解も含意するものとする。
インクジェットヘッド3は、インクを吐出する複数のノズル5、および複数のノズル5(図1B参照)が開口するノズル面6(図1BおよびC参照)を有する。インク流路4はインクタンクTを複数のノズル5と連通させ、インクを複数のノズル5に供給する。インクジェットヘッド3は、インク流路4内のインクに吐出エネルギーを付与するヘッドアクチュエータ7(図3参照)を有する。図1Bに示すように、複数のノズル5は、ノズル5ごとに吐出するインクの種類が定められている。例えば、複数のノズル5は、ブラックインクを吐出する複数のブラックノズル5B、およびカラーインクを吐出する複数のカラーノズル5CLを含み、カラーノズル5CLは、シアンインクを吐出する複数のシアンノズル5C、マゼンタインクを吐出する複数のマゼンタノズル5M、およびイエローインクを吐出する複数のイエローノズル5Yを含む。図1Aに示すように、インク流路4は、インクタンクTB,TC,TM,TYそれぞれに対応して互いに独立した複数のインク流路4B,4C,4M,4Yを含む。インク流路4B,4C,4M,4Yは、ノズル5B,5C,5M,5Y(図1B参照)それぞれと連通する。
図1Aおよび1Cに示すように、インクジェットプリンタ1は、インクジェットヘッド3を走査方向に往復移動させるヘッド走査装置8を備える。ヘッド走査装置8は、インクジェットヘッド3を保持するキャリッジ9、キャリッジ9を走査方向に往復移動させる走査機構(図示せず。例えばベルト・プーリ機構)、および走査機構を駆動してキャリッジ9を走査方向に移動させるキャリッジアクチュエータ10(図3参照)を有する。図1Cに示すように、走査方向はノズル面6と平行である。インクジェットヘッド3は、ノズル面6が被記録媒体Mとノズル面6の法線方向に対向する姿勢でキャリッジ9に保持される。被記録媒体Mは、ノズル面6と対向する部分において、ノズル面6と平行かつ走査方向に垂直な搬送方向に搬送される。図1Aに示すように、キャリッジ9の走査範囲は、記録領域A1およびメンテナンス領域A2を含む。記録領域A1は搬送される被記録媒体Mと法線方向に重なる領域に設定されている。メンテナンス領域A2は、記録領域A1の走査方向一方側に設定される。
インクジェットプリンタ1を適正に設置すると、法線方向が鉛直となり、ノズル面6が被記録媒体Mの上方に位置し、ノズル面6、走査方向および搬送方向が水平となる。以下、説明便宜上、法線方向を上下方向(被記録媒体Mを基準としてノズル面6が位置する側を上)、走査方向を左右方向(平面視で、記録領域A1を基準としてメンテナンス領域A2が位置する側を右)という場合もある。
このインクジェットプリンタ1では、被記録媒体Mを搬送方向に搬送してインクジェットヘッド3を記録領域A1内で走査方向に往復移動させながら、ヘッドアクチュエータ7(図3参照)を適時に作動させることにより、インクがノズル5より下方の被記録媒体Mに向けて適時に吐出される。それにより、所望の画像が被記録媒体Mに印刷される。
図2Aに示すように、インクジェットプリンタ1は、気泡貯留室11、排出路21、排気キャップ22、開閉機構12、インクパージ機構13およびキャップ移動機構14を備える。気泡貯留室11は、インク流路4に介在し、インク流路4内の気泡を溜める。気泡貯留室11は、キャリッジ9に搭載されたバッファタンクによって形成される。気泡貯留室11は、インク流路4B,4C,4M,4Yそれぞれに対応して互いに独立した複数の気液貯留室11B,11C,11M,11Yを含む。
排出路21は気泡貯留室11と連通する。排出路21は、キャリッジ9に搭載された排出路形成部材23によって形成され、上下方向に向けられる。排出路形成部材23の下面は排出路21の開口が形成される排気開口面24を成し、排気開口面24はノズル面6と平行である。キャップ22,31はメンテナンス領域A2に設けられ、キャリッジ9よりも下方に配置される。インクパージ機構13はノズルキャップ31を有する。排気開口面24はノズル面6の右側に隣接し、排気キャップ22はノズルキャップ31の右側に隣接する。
本実施形態では、キャップ移動機構14が、排気キャップ22を排気開口面24に対して密着離間可能に相対的に移動させる排気キャップ移動機構と、ノズルキャップ31をノズル面6に対して密着離間可能に相対的に移動させるノズルキャップ移動機構とを一体に有する。キャップ移動機構14は、キャップ22,31を保持するキャップホルダ41を有する。キャップホルダ41は、インクジェットプリンタ1の筐体(図示せず)に対し退避位置とそれより上方の密着位置との間で移動可能に支持され、また、ばね等の付勢部材(図示せず)によって退避位置に付勢されている。
本実施形態では、密着位置が退避位置よりも右方に位置付けられ、キャリッジ9がキャップ移動機構14を操作し、キャリッジアクチュエータ10(図3参照)がキャップ移動機構14の駆動源に利用される。キャリッジ9が記録領域A1からメンテナンス領域A2に進入すると、キャリッジ9が、キャップホルダ41の右端壁に左から当接し、キャップホルダ41を右方へ押す。それにより、キャップホルダ41が、キャリッジ9の右移動と連動し、退避位置から右上方へ付勢部材の付勢力に抗して移動する。キャリッジ9がメンテナンス領域A2内で所定位置に達すれば、キャップホルダ41が密着位置に達する。このとき、排気キャップ22が下から排気開口面24に密着し、ノズルキャップ31が下からノズル面6と密着する。キャリッジ9が当該所定位置から左方へ移動すると、キャップホルダ41が付勢力で退避位置に戻り、キャップ22,31が、排気開口面24およびノズル面6から下方へ離間する。
排気キャップ22は、略水平の底壁22a、および底壁22aから上方に立設した周側壁22bを有し、上方に開放された凹状に形成される。排気キャップ22が排気開口面24に密着する状態では、周側壁22bの無端状の上縁リップが排気開口面24に密着する。排気キャップ22は、排気開口面24のうち上縁リップで囲まれた部位とともに排出路21の開口を覆う排気キャップ内空間25を形成する。
ノズルキャップ31も、略水平の底壁31a、および底壁31aから上方に立設する周側壁32bを有し、上方に開放された凹状に形成される。ノズルキャップ31がノズル面6に密着する状態では、周側壁31bの無端状の上縁リップがノズル面6に密着し、ノズルキャップ31は、ノズル面6のうち当該上縁リップで囲まれた部位とともにノズル5を覆うノズルキャップ内空間32を形成する。ノズルキャップ31は、ノズルキャップ内空間32をブラック空間32Bとカラー空間32CLとに仕切る仕切り壁31cを有する。仕切り壁31cは、底壁31aから上方に立設し、搬送方向に延び、周側壁31bの搬送方向両側内面に接続される。キャップホルダ41が密着位置に位置すると、仕切り壁31cの上縁リップが、周側壁31bとともにノズル面6に下から密着する。ブラック空間32Bとカラー空間32CLとは、仕切り壁31cにより隔絶された状態で走査方向に並ぶ。
図1Bでは、排気開口面24に密着した排気キャップ22、およびノズル面6に密着したノズルキャップ31を投影している(二点鎖線参照)。排出路21は、気液貯留室11B,11C,11M,11Yそれぞれに対応して互いに独立した複数の排出路21B,21C,21M,21Yを含む(図1Aおよび2Bも参照)。排出路21B,21C,21M,21Yは同一の排気開口面24に開放され、それら開口が、単一の排気キャップ22により形成される同一の排気キャップ内空間25に繋がる。
ノズル面6上では、複数のブラックノズル5Bが集合配置され、カラーノズル5CLと走査方向に離れている。ブラックノズル5Bがブラック空間32Bに覆われる。カラーノズル5CLの全てが同一のカラー空間32CLに覆われ、カラー空間32CLは、複数種のインクを纏めて受容する。このように、ノズルキャップ31は、吐出するインクの種類が異なる複数のノズル5(ここでは、カラーノズル5CL)を1つのノズルキャップ内空間32(ここでは、カラー空間32CL)に連通させることができるように構成されている。
図2Bに示すように、開閉機構12は、排出路21の開口を開放する状態と閉鎖する状態で切り替える。開閉機構12は、開閉弁26および弁操作部材27を有する。開閉弁26は、排出路形成部材23に取り付けられ、排出路21を開閉する。開閉弁26の弁体26aは、下方に付勢され、排出路21を常閉する。弁操作部材27は、上下方向に延びるシャフト部28を有し、弁操作部材27のシャフト部28が排気キャップ22の底壁22aに挿通されている。弁操作部材27は、没入位置とそれよりも上方の突出位置との間で上下方向に移動可能である。排気キャップ22が排気開口面24に密着する状態でも、弁操作部材27が没入位置に位置すると、排出路21は開閉弁26で閉鎖される。排気キャップ22が排気開口面24に密着する状態で弁操作部材27が没入位置から上動すると、弁体26aがシャフト部28により上方に押し上げられる。それにより、排出路21が開放され、排気キャップ内空間25が気泡貯留室11と連通する。
開閉弁26は、排出路21B,21C,21M,21Yにそれぞれ介設された複数の開閉弁26B,26C,26M,26Yを含み、弁操作部材27は、開閉弁26B,26C,26M,26Yそれぞれに対応する複数本のシャフト部28B,28C,28M,28Yを有する。ブラックインクに対応するシャフト部28Bのみ他とは独立して上下動可能であってもよく、全シャフト部28B,28C,28M,28Yが同期して一斉に上下動してもよい。複数の排出路21B,21C,21M,21Yは搬送方向に間隔をおいて並べられ、呼応して複数本のシャフト部28B,28C,28M,28Yも搬送方向に並べられる。排気キャップ22は搬送方向に長尺で走査方向に短尺に形成される(図1Bも参照)。
図2Aに示すように、インクジェットプリンタ1は、切換え機構15および負圧印加機構16を備える。切換え機構15は、排気ポート52、パージポート53、大気ポート54および負圧ポート55を有する。切換え機構15は、排気ポート52、大気ポート54および負圧ポート55の接続可否のように、ポート52−55の接続状態を切り換える。例えば、切換え機構15は、ポート52−55が形成された外殻部材51a、および外殻部材51aに収納される内蔵部材51bを有した方向切換えバルブで構成される。内蔵部材51bは外殻部材51a内で回転可能であり、内蔵部材51bの回転位置が切り換わることでポート52−55の接続状態が切り換わる。なお、切換え機構15は、キャップ22,31よりも下方に配置される。
排気ポート52は、排気チューブ62を介して排気キャップ22に設けられた排気吸引口29と接続される。排気吸引口29は、排気キャップ22の底壁22aに形成され、搬送方向端部に配置される。パージポート53は、パージチューブ63を介してノズルキャップ31に設けられたパージ口33と接続される。パージ口33は、底壁31aのうちブラック空間32Bを区画する部分に形成されたブラックパージ口33Bと、底壁31aのうちカラー空間32CLを区画する部分に形成されたカラーパージ口33CLとを含む。パージポート53は、ブラックパージ口33Bと対応するブラックポート53Bと、カラーパージ口33CLと対応するカラーポート53CLとを含む。パージチューブ63は、ブラックポート53Bをブラックパージ口33Bに接続するブラックパージチューブ63Bと、カラーポート53CLをカラーパージ口33CLに接続するカラーパージチューブ63CLとを含む。大気ポート54は大気チューブ64の一端と接続され、大気チューブ64の他端は大気に開放される。負圧ポート55は、負圧チューブ65を介して負圧印加機構16の吸込口と接続される。
負圧印加機構16は、一例としてチューブポンプで構成される。負圧印加機構16は、切換え機構15を介して排気キャップ内空間25と繋がることができ、その際には排気キャップ内空間25に負圧を印加できる。また、負圧印加機構16は、切換え機構15を介してノズルキャップ内空間32と繋がることができ、その際にはノズルキャップ内空間32に負圧を印加できる。負圧印加機構16の吐出口は、廃インクチューブ66の一端と接続され、廃インクチューブ66の他端は廃インクタンク67内で開放される。廃インクタンク67は、キャップ22,31から負圧印加機構16によって吸引されたインクを貯留する。
図3に示すように、インクジェットプリンタ1は、インク吐出性能の維持または回復のため、一連のメンテナンス処理S1(図4参照)を実行する制御部70を備える。一連のメンテナンス処理S1は定期的に実行される。制御部70は、メンテナンス処理S1において、ヘッドアクチュエータ7、キャリッジアクチュエータ10および給紙モータ17を駆動し、インクジェットヘッド3、ヘッド走査装置8、開閉機構12、インクパージ機構13、キャップ移動機構14、切換え機構15および負圧印加機構16を制御する。
ヘッドアクチュエータ7は一例としてピエゾ式であるが、これには限られず、サーマル式でもよい。キャリッジアクチュエータ10は、DCモータであり、キャップ移動機構14の駆動源に利用され、キャップホルダ41およびこれに保持されたキャップ22,31を移動させるキャップ移動アクチュエータを兼ねている。
給紙モータ17は、給紙トレイ(図示せず)内の被記録媒体M(図1AおよびB参照)を1つずつ搬送経路に送り出す給紙ローラ75を回転駆動するDCモータである。本実施形態では、給紙モータ17が、開閉機構12、切換え機構15および負圧印加機構16の駆動源に利用され、開閉機構12を駆動する開閉アクチュエータ、切換え機構15を駆動する切換えアクチュエータおよび負圧印加機構16を駆動する負圧印加アクチュエータを兼ねている。なお、給紙モータ17の出力回転に基づいて弁操作部材27を並進運動させるため、カム等の運動変換機構(図示せず)が給紙モータ17と弁操作部材27との間に介在する。ただし、キャップ移動アクチュエータがキャリッジアクチュエータ10と別個でもよく、開閉アクチュエータ、切換えアクチュエータまたは負圧印加アクチュエータが給紙モータ17と別個でもよい。
図4に示すように、メンテナンス処理S1では、まず、制御部70が、キャップ移動機構14により排気キャップ22を排気開口面24に密着させるキャッピング処理S2を実行する。キャッピング処理S2において、制御部70は、キャリッジ9がメンテナンス領域A2に進入するようにキャリッジアクチュエータ10を駆動する。前述のとおりキャリッジ9がメンテナンス領域A2内の所定位置で停止すると、排気キャップ22が下から排気開口面24と密着する。このとき、排気キャップ22とともにノズルキャップ31も下からノズル面6と密着する。
次に、制御部70は、今回のメンテナンス処理S1で待機処理S22(図5参照)を実行するか否かを判断する待機要否判断処理S3を実行する。待機処理S22については後述する。待機処理S22は、メンテナンス処理S1が所定回数行われるたびに実行されてもよく、前回の待機処理S22から所定期間以上経過した場合に実行されてもよい。
制御部70が今回のメンテナンス処理S1で待機処理S22を実行しないと判断した場合(S3:NO)、制御部70は、排気処理S11、空吸引処理S12、インクパージ処理S13、インク廃棄処理S14およびフラッシング処理S15を順次実行する。なお、インクパージ処理S13は、ブラックインクパージ処理S13Bおよびカラーインクパージ処理S13CLを含む。インク廃棄処理S14は、ブラックインク廃棄処理S14Bおよびカラーインク廃棄処理S14CLを含む。なお、表1は、第1実施形態に係る各処理実行時におけるポート接続状態を示す。
Figure 0006497178
排気処理S11において、制御部70は、排出路21が開放されるように給紙モータ17を駆動して弁操作部材27および開閉弁26を操作する。弁操作部材27のシャフト部28B,28C,28M,28Yが没入位置から突出位置へと上動し、それにより開閉弁26B,26C,26M,26Yが開弁し、排出路21B,21C,21M,21Yが開放される。また、表1に示すように、制御部70は、排気ポート52が負圧ポート55と接続されるように給紙モータ17を駆動して切換え機構15を操作する。このとき、パージポート53(53B,53CL)は大気ポート54からも負圧ポート55からも遮断される。次に、制御部70は負圧印加機構16を駆動する。これにより、排気キャップ内空間25に負圧が印加され、気泡が、気液貯留室11B,11C,11M,11Yから排出路21B,21C,21M,21Y、排気キャップ内空間25、排気吸引口29、排気チューブ62、切換え機構15、負圧チューブ65、負圧印加機構16および廃インクチューブ66を介して廃インクタンク67に排出される。気泡貯留室11はインク流路4に介在しているので、排気処理S11中に、インクが気泡とともに排出路21を介して排気キャップ内空間25内に引き込まれる。インクの一部は排気吸引口29を通過して排気キャップ内空間25から排出されうるが、インクの一部は排気キャップ内空間25内に溜められる。
ブラックインクパージ処理S13Bにおいて、制御部70は、表1に示すように、ブラックポート53Bが負圧ポート55と接続されるように給紙モータ17を駆動して切換え機構15を操作する。このとき、排気ポート52およびカラーポート53CLは、大気ポート54からも負圧ポート55からも遮断される。次に、制御部70は負圧印加機構16を駆動する。これにより、ブラック空間32Bに負圧が印加され、ブラックインクがブラックノズル5Bより強制的に排出され、ノズルキャップ31のブラック空間32B内に受容される。
カラーインクパージ処理S13CLにおいて、制御部70は、表1に示すように、カラーポート53CLが負圧ポート55と接続されるように給紙モータ17を駆動して切換え機構15を操作する。このとき、排気ポート52およびブラックポート53Bは、大気ポート54からも負圧ポート55からも遮断される。次に、制御部70は負圧印加機構16を駆動する。これにより、カラー空間32CLに負圧が印加され、カラーインクがカラーノズル5CLより強制的に排出され、ノズルキャップ31のカラー空間32CL内に受容される。このとき、複数種のカラーインクがカラー空間32CL内で混合される。以下、ノズルキャップ内空間32内で混合された複数種のインクを「混合インク」という。
ブラックインク廃棄処理S14Bにおいて、制御部70は、表1に示すように、ブラックポート53Bが負圧ポート55と接続されるように給紙モータ17を駆動して切換え機構15を操作する。このとき、排気ポート52およびカラーポート53CLは大気ポート54と接続される。次に、制御部70は負圧印加機構16を駆動する。これにより、ブラック空間32Bに受容されたブラックインクが、ブラックパージ口33B、ブラックパージチューブ63B、切換え機構15、負圧チューブ65、負圧印加機構16および廃インクチューブ66を介して廃インクタンク67に排出される。
カラーインク廃棄処理S14CLにおいて、制御部70は、表1に示すように、カラーポート53CLが負圧ポート55と接続されるように切換え機構15を操作する。このとき、排気ポート52およびブラックポート53Bは大気ポート54と接続される。次に、制御部70は負圧印加機構16を駆動する。これにより、カラー空間32CL内の混合インクが、カラーパージ口33CL、カラーパージチューブ63CL、切換え機構15、負圧チューブ65、負圧印加機構16および廃インクチューブ66を介して廃インクタンク67に排出される。
フラッシング処理S15において、制御部70は、ヘッドアクチュエータ7を駆動し、インク流路4内のインクをノズル5より吐出する。フラッシング処理S15でノズル5より吐出されたインクは、ノズルキャップ31で受けてもよいし、ノズルキャップ31とは別個のフラッシング受け(図示せず)で受けてもよい。ノズルキャップ31で受けた場合は、フラッシング処理S15の後にインクを廃棄するための処理を別途追加する。別個のフラッシング受けで受ける場合は、ヘッドアクチュエータ7の駆動に先立ってキャリッジアクチュエータ10を駆動し、キャリッジ9をフラッシング受けの上方まで移動させかつノズルキャップ31をノズル面6から離す。以上で、待機処理S22を実行しない場合におけるメンテナンス処理S1が終了する。
空吸引処理S12が実行されても排気キャップ22内のインクが完全に除去されるとは限らない。メンテナンス処理S1の終了後に排気キャップ22内に残ったインクが、次回のメンテナンス処理S1の前までに固化する可能性がある。ここで、排気キャップ内空間25の密閉性を確保するため、弁操作部材27は、底壁22aとの間に隙間を存在させないように挿通され、底壁22aに対して摺動する。排気キャップ22は、弁操作部材27の円滑摺動実現のために高い摺動性を有することを要求される。かかる要求を満たすため、排気キャップ22は、例えばシリコンゴムで製作される。一方で、ノズルキャップ31は、摺動性を要求されないため、例えばブチルゴムで製作される。このように排気キャップ22は、ノズルキャップ31の材料と比べてガスバリア性が多少劣ってでも摺動性のよい材料で製造されることを求められる。このため、排気キャップ22内のインクは、ノズルキャップ31内のインクよりも固化しやすい。また、例えばインクジェットプリンタ1で扱われる全インクが顔料インクである等、乾燥しやすいインクを扱う場合には、排気キャップ22内でインクの固化が進みやすい。
図5に示すように、制御部70が今回のメンテナンス処理S1で待機処理S22を実行すると判断した場合には(S3:YES)、制御部70は、排気処理S21の後に待機処理S22を実行し、待機処理S22の後に空吸引処理S24を実行する。制御部70は、インクパージ処理S23(ブラックインクパージ処理S23Bおよびカラーインクパージ処理S23CL)を待機処理S22と並行して実行する。
本実施形態では、制御部70は、待機処理S22の後に、インク廃棄処理S25(ブラックインク廃棄処理S25Bおよびカラーインク廃棄処理S25CL)を実行する。これらの処理が終了した後、制御部70は、フラッシング処理S26を実行する。概略的に、排気処理S21、空吸引処理S24、インクパージ処理S23、インク廃棄処理S25およびフラッシング処理S26は、前述の処理S11−S15と同様に実行される。そのため、これら処理S21,S23−S26については、前述とは相違する内容を中心に説明する。
待機処理S22においては、直前の排気処理S21中に排気キャップ22内に引き込まれたインクを、排気キャップ22内に溜められた状態で維持する。これにより、排気キャップ22内で固化したインクを排気キャップ22内に溜められているインクの溶剤に再分散させることができる。待機処理S22は、再分散に必要とされる所定の実行期間t1(例えば、数分間)実行される。
待機処理S22が終了すると、空吸引処理S24が行われ、排気キャップ22内のインクが吸引される。このため、固化したインクが排気キャップ22から除去される。インクジェットプリンタ1の実用期間が長くなり、メンテナンス処理S1が繰返し行われても、定期的に排気キャップ内で固化したインクの再分散が行われるので、固化したインクが排気キャップ22内で蓄積するのを抑制できる。したがって、固化したインクの蓄積を懸念することなく、排気キャップ22の材料に摺動性のよいものを選択でき、インクジェットプリンタ1で乾燥しやすいインクを扱える。
待機処理S22において、制御部70は、弁操作部材27が作動(上下往復動)するように給紙モータ17を駆動する。これにより、排気キャップ22内のインクが撹拌されるので、再分散を促進でき、待機処理S22の短縮も可能となる。弁操作部材27は開閉弁26の弁体26aに当接しない範囲内で往復移動する。これにより、弁体26aに固化したインクが付着するのを抑制でき、開閉弁26の動作を安定させ続けることができる。インク撹拌のための部材が、既存部材(弁操作部材27)で実現されるので、装置の大型化および複雑化を避けることができる。
制御部70は、待機処理S22が実行される場合における排気処理S21でのインク吸引量を、待機処理S22が実行されない場合における排気処理S11でのインク吸引量よりも多くしてもよい。これにより、待機処理S22中に排気キャップ22に溜められるインクの溶剤の体積が増え、固化したインクの再分散を促進できる。インク吸引量は負圧印加機構16の仕事と正相関し、仕事[J]は、圧力[N/m2]、流量[m3/s]および時間[s]の積と等価である。そのため、一例として、制御部70が、排気処理S21での負圧印加機構16の作動時間を排気処理S11での負圧印加機構16の作動時間よりも長くすることで、排気処理S21でのインク吸引量を多くすることができる。
図6Aは、待機処理S22を実行しない場合における処理S11−S15の工程表の一例、図6Bは、比較例の工程表、図6C−Dは、待機処理S22を実行する場合における処理S21−S26の工程表の一例である。比較例では、本実施形態と同様に待機処理が実行されているので固化したインクの分散を期待できるものの、待機処理とインクパージ処理とが並行せず別時間に実行される。
図6C−Dを図6Aと比べると、待機処理S22を実行すれば、排気処理S21の開始から空吸引処理S24の終了までの期間t2がその分長くなる。しかし、待機処理S22を実行する場合、インクパージ処理S23が前倒しされ、待機処理S22と並行して実行される。このため、図6C−Dを図6Bと比べるとわかるように、本実施形態では、待機処理S22を導入しても、一連のメンテナンス処理S1を短期間で終了できる。
なお、インクパージ処理S23の実行中には、排気ポート52が大気ポート54からも負圧ポート55からも遮断されるので(表1参照)、インクは排気キャップ22内で留まり続けることができる。したがって、インクパージ処理S23が待機処理S22と並行して実行されても、固化したインクの再分散を実現できる。
図6C−Dに示すように、待機処理S22の実行期間t1は、インクパージ処理S23の実行期間t3(例えば、数十秒)と比べて長い。このため、インクパージ処理S23は待機処理S22と並行して実行されるものの、待機処理S22の実行期間t1内には、インクパージ処理S23が実行されない期間も存在する。そのような期間において、制御部70は、排気ポート52が大気ポート54と接続されない状態となるように給紙モータ17を駆動して切換え機構15を操作する。一例として、表1に示すように、全ポート52−55が遮断される。切換え機構15が排気キャップ22よりも下方に配置されても、排気キャップ22内のインクが水頭圧で排気チューブ62を介して切換え機構15および大気チューブ64に達するのを防止できる。
インクパージ処理S23でノズルキャップ31内に受容されたインクは、待機処理S22および空吸引処理S24が終了した後に排出される。空吸引処理S24中、パージポート53(ブラックポート53Bおよびカラーポート53CL)は大気ポート54と連通するが、空吸引処理S24は比較的速やかに終了する(例えば、数十秒)。よって、切換え機構15がノズルキャップ31よりも下方に配置され、ノズルキャップ31内のインクが水頭圧でパージチューブ63に流出するおそれはあっても、切換え機構15および大気チューブ64に達してこれらを大きく汚すおそれは低い。ただし、空吸引処理S24の後、後述する回復処理(第2実施形態を参照)が実行されてもよい。
図6Cに示すように、制御部70は、待機処理S22とインクパージ処理S23とを同時に開始してもよい。インク廃棄処理S25が待機処理S22の後(更にいえば空吸引処理S24の後)に行われているので、インクパージ処理S23の終了からインク廃棄処理S25の開始までの期間t4Cが、待機処理S22を実行しない場合と比べ、待機処理S22の実行期間t1分だけ長くなる。すると、ノズルキャップ31内でも、排気キャップ22と同じ期間を使って固化したインクを再分散させることができる。したがって、ノズルキャップ31内で固化したインクが蓄積していくのを抑制できる。
図6Dに示すように、制御部70は、待機処理S22の開始から遅れてインクパージ処理S23を開始してもよい。開始の遅延により、インクパージ処理S23の終了からインク廃棄処理S25の開始までの期間t4Dが短くなる。この場合も、ノズルキャップ31内の固化したインクの蓄積抑制を期待できる。ただし、インクパージ処理S23の終了時点は、待機処理S22の終了時点と同じまたはそれよりも早い。換言すれば、待機処理S22の開始時点からインクパージ処理S23の開始時点までの開始遅延期間t5は、待機処理S22の実行期間t1とインクパージ処理S23の実行期間t3の差と同値またはそれよりも短い。これにより、待機処理S22の実行期間t1内にインクパージ処理S23が完了し、一連のメンテナンス処理S1を短期間で終了できる。
インクパージ処理S23の終了からインク廃棄処理S25の開始までの期間t4Dにおいて、「混合インク」がカラー空間32CL内に溜められる。期間t4Dが長くなれば、混合インクがノズル5に浸入してノズル5を汚すおそれがある。図6Dの例示では、インクパージ処理S23の開始を遅らせて期間t4Dの短縮が図られているので、ノズル5が混合インクで汚れるおそれを低減できる。なお、ブラックノズル5Bでは混色が生じにくい。そのため、カラーインクパージ処理S23CLをブラックインクパージ処理S23Bよりも後に実行するのが好ましい。
図7に示すように、制御部70は、待機処理S22が実行される場合におけるフラッシング処理S26でのインク吐出量を、待機処理S22が実行されない場合におけるフラッシング処理S15でのインク吐出量よりも多くする(棒AおよびC、棒BおよびEを参照)。これにより、インク廃棄処理S25を待機処理S22の後に実行することでノズル5CLに汚れが生じても、これを解消できる。一方、待機処理S22が実行されない場合には、インクパージ処理S13の終了直後にインク廃棄処理S14を開始しているので、混色のおそれは低い。この場合にインク吐出量を相対的に少なくすることで、インクの浪費を防止できる。なお、ブラックノズル5Bでは混色が生じにくい。そのため、待機処理S22を実行する場合としない場合とでブラックノズル5Bのインク吐出量を同じとし(棒AおよびDを参照)、待機処理S22が実行される場合においてブラックノズル5Bのインク吐出量をカラーノズル5CLのインク吐出量よりも少なくしてもよい(棒DおよびEを参照)。
(第2実施形態)
以下、図8および9を参照して第2実施形態について説明する。本実施形態では、図5に示す処理フローに代えて図8に示す処理フローが実行される。インクジェットプリンタの装置構成(図1A−C、2A−Bおよび3参照)、メンテナンス処理S1の開始から待機要否判断処理S3までの処理および待機処理S32を実行しない場合の処理S11−S15(図4参照)、ならびに排気処理S31、インクパージ処理S33、インク廃棄処理S34および空吸引処理S35実行時のポート接続状態(表1参照)については、第1実施形態と同様である。
図8に示すように、今回のメンテナンス処理S1で待機処理S32を実行すると判断した場合(S3:YES)、制御部70は、第1実施形態と同様、排気処理S31の後かつ空吸引処理S35の前に、待機処理S32を実行する。
本実施形態では、制御部70が、インクパージ処理S33(ブラックインクパージ処理S33Bおよびカラーインクパージ処理S33CL)およびインク廃棄処理S34(ブラックインク廃棄処理S34Bおよびカラーインク廃棄処理S34CL)を、待機処理S32と並行して実行する。制御部70は、インク廃棄処理S34の終了後に回復処理S36を実行する。これら処理の終了後、制御部70は、フラッシング処理S37を実行する。なお、表2は、第2実施形態に係る待機処理S32および回復処理S36の実行時におけるポート接続状態を示す。
Figure 0006497178
図9に示すように、本実施形態では、インクパージ処理S33だけでなくインク廃棄処理S34も、前倒しされて待機処理S32と並行して実行される。これにより、図6Cに示した第1実施形態と比べ、一連のメンテナンス処理S1を更に短期間で終了できる。待機処理S32が実行されない場合(図6A参照)と同様、インクパージ処理S33の終了直後にインク廃棄処理S34を開始できる。そのため、第1実施形態と比べ、混合インクでノズル5が汚れるおそれを低減できる。そこで、制御部70は、待機処理S32が実行される場合におけるフラッシング処理S37でのインク吐出量を、待機処理S32が実行されない場合におけるフラッシング処理S15でのインク吐出量と同じとしてもよい。これにより、インクの消費を節約できる。
なお、待機処理S32の実行期間t1は、インクパージ処理S33の実行期間t3とインク廃棄処理S34の実行期間t6との和と比べて長い。インクパージ処理S33の開始時点は、待機処理S32の開始時点と同じまたはそれよりも遅く、インク廃棄処理S34の終了時点は、待機処理S32の終了時点と同じまたはそれより早い。つまり、待機処理S32の実行期間t1内に、インクパージ処理S33およびインク廃棄処理S34が完了する。これにより、一連のメンテナンス処理S1を短期間で終了できる。
待機処理S32の実行期間t1にはインクパージ処理S33もインク廃棄処理S34も実行されない期間が存在する。制御部70は、このような期間において、排気ポート52が大気ポート54と接続されない状態となるように給紙モータ17を駆動して切換え機構15を操作する。一例として、表2に示すように、全ポート52−55が遮断されてもよい。
一方、インク廃棄処理S34の実行中には、排気ポート52が大気ポート54と接続される。切換え機構15が排気キャップ22よりも下方に配置されると、排気キャップ22内のインクが水頭圧で排気チューブ62に流出し、大気ポート54および大気チューブ64がインクで汚れる可能性がある。インクが残ると、大気ポート54または大気チューブ64が閉塞され、排気ポート52およびパージポート53が大気と連通できなくなる可能性がある。
そこで、回復処理S36を実行することで、大気ポート54および大気チューブ64のインクの汚れを解消する。一例として、回復処理S36において、制御部70は、大気ポート54が負圧ポート55と接続されるように給紙モータ17を駆動して切換え機構15を操作する(表2参照)。このとき、排気ポート52およびパージポート53は大気ポート54からも負圧ポート55からも遮断される。次いで、制御部70は負圧印加機構16を駆動する。これにより、大気チューブ64および大気ポート54内のインクは、負圧チューブ65、負圧印加機構16および廃インクチューブ66を介して廃インクタンク67に排出され、大気ポート54および大気チューブ64は回復する。大気ポート54からインクを吸引する機構は、排気処理S31およびインクパージ処理S33でキャップ22,31に負圧を印加する機構と共用されているので、装置の大型化および複雑化を避けることができる。
回復処理S36は、インク廃棄処理S34の終了後に実行されればよい。例えば、回復処理S36は待機処理S32と並行して実行されてもよい。この場合、回復処理S36を導入しても一連のメンテナンス処理S1を短期間で終了できる。また、回復処理S36の実行中、排気ポート52は大気ポート54からも負圧ポート55からも遮断されるので、排気キャップ22内でインクを留めておくことができる。回復処理S36は、待機処理S32の後かつ空吸引処理S35の前に行われてもよいし、空吸引処理S35の後に行われてもよい。
回復処理は、第1実施形態において、待機処理S22を実行する場合に実行されてもよい(処理S21−S26に付加されてもよい)。待機処理S22,S32を実行しない場合、空吸引処理S12の実行時にノズルキャップ31内にはインクが溜まっておらず、また、インク廃棄処理S14の実行時に排気キャップ22内にはインクが溜まっていないので、大気ポート54および大気チューブ64が廃インクで汚れにくいと考えられる。そのため、回復処理の省略が許容される。
(変形例)
これまで実施形態について説明したが、上記構成は本発明の趣旨の範囲内で適宜変更、追加または削除可能である。
第1実施形態の処理フロー(図5および6C−D参照)は、図10A−Cに示されるように変更されてもよい。図10Aでは、ブラックインクパージ処理を終了してからカラーインクパージ処理を開始するまでの間に待機期間t7を設けている。これにより、ブラック空間32Bでは固化インクの再分散を促し、カラー空間32CLでは混色を抑制することができる。図10Bでは、カラーインク廃棄処理がブラックインク廃棄処理の前に実行されている。この場合、第1実施形態と比べ、混合インクの滞留時間の短縮が図られる。図10Cでは、インク廃棄処理が待機処理の後かつ空吸引処理の前に実行されている。この場合も、第1実施形態と比べ、混合インクの滞留時間の短縮が図られる。図10Cに示すように、インク廃棄処理を前倒ししたときには、インク廃棄処理の後(更にいえば空吸引処理の後)に回復処理を実行してもよい。
詳細図示を省略するが、第2実施形態において、インクパージ処理S33とインク廃棄処理S34との間に待機時間を設けてもよい。回復処理が空吸引処理およびインク廃棄処理の後に実行されかつフラッシング処理でインクがフラッシング受けに受容される場合において、回復処理はフラッシング処理と並行して実行されてもよく、それによりメンテナンス処理を短期間で終了できる。一連のメンテナンス処理から、待機要否判断処理S3および処理S11−S15を省略してもよい。つまり、メンテナンス処理S1を実行する際に待機処理を必ず実行してもよい。インクパージ処理と待機処理との並行実施に関し、インクパージ処理の実行期間t3が待機処理の実行期間t1内に完全に収まっていなくてもよく、インクパージ処理の実行期間t3が待機処理の終了時点から後ろに部分的に食み出てもよい。インク廃棄処理と待機処理との並行実施においても同様である。
表1および2に示したポート接続状態は一例であり、変更可能である。例えば、インク廃棄処理中において、排気ポート52を大気ポート54からも負圧ポート55からも遮断してもよく、空吸引処理中において、パージポート53を大気ポート54からも負圧ポート55からも遮断してもよい。ブラックパージ処理においてカラーポート53CLが大気ポート54と接続され、カラーパージ処理においてブラックポート53Bが大気ポート54と接続されてもよい。
インクパージ機構13は、上記実施形態のように吸引方式に限定されず、インク流路4内を加圧する加圧方式でもよい。排気キャップ移動機構は、排気キャップ22が排気開口面24に対して相対的に移動できればよい。排気開口面24が筐体に対して移動することで排気キャップ22が排気開口面24に密着または離間してもよい。ノズルキャップ移動機構についても同様であり、ノズル面6が筐体に対して移動することでノズルキャップ31がノズル面6に密着または離間してもよい。インクジェットプリンタ1はライン式でもよい。インクジェットプリンタ1は、インクの種類に対応した複数のインクジェットヘッド3を備えてもよい。タンク装着部2は、1つのインクタンクTのみを装着可能でもよい。
1:インクジェットプリンタ、3:インクジェットヘッド、4:インク流路、5:ノズル、5CL:カラーノズル、6:ノズル面、11:気泡貯留室、12:開閉機構、13:インクパージ機構、14:キャップ移動機構(排気キャップ移動機構、ノズルキャップ移動機構)、15:切換え機構、16:負圧印加機構、21:排出路、22:排気キャップ、24:排気開口面、25:排気キャップ内空間、26:開閉弁、27:弁操作部材、31:ノズルキャップ、32:ノズルキャップ内空間、32CL:カラー空間、52:排気ポート、54:大気ポート、55:負圧ポート、70:制御部、T:インクタンク、S2:キャッピング処理、S3:待機要否判断処理、S11,S21,S31:排気処理、S12,S24,S35:空吸引処理、S13,S23,S33:インクパージ処理、S14,S25,S34:インク廃棄処理、S15,S26,S37:フラッシング処理、S22,S32:待機処理、S36:回復処理

Claims (7)

  1. インクを吐出する複数のノズルを有するインクジェットヘッドと、
    インクタンクを前記複数のノズルと連通させるインク流路と、
    前記インク流路内の気泡を溜めるための気泡貯留室と、
    前記気泡貯留室と連通する排出路と、
    前記排出路の開口を開放する状態と閉鎖する状態で切り替える開閉機構と、
    前記排出路の前記開口が形成された排気開口面に密着する状態で前記排気開口面とともに前記開口を覆う排気キャップ内空間を形成する排気キャップを有する排気機構と、
    前記排気キャップを前記排気開口面に対して密着離間可能に相対的に移動させるための排気キャップ移動機構と、
    前記排気キャップ内空間に繋がり、前記排気キャップ内空間に負圧を印加する負圧印加機構と、
    前記ノズルよりインクを強制的に排出させるインクパージ機構と、
    前記開閉機構、前記排気キャップ移動機構、前記負圧印加機構及び前記インクパージ機構を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記排気キャップ移動機構により前記排気キャップを前記排気開口面に密着させるキャッピング処理と、
    前記負圧印加機構により前記排気キャップ内空間に負圧を印加させて、前記気泡を前記気泡貯留室から前記排出路および前記排気キャップ内空間を介して排出させる排気処理と、
    前記排気処理の後に、前記排気処理中に前記気泡とともに吸引されたインクを前記排気キャップ内空間内に溜めた状態で待機する待機処理と、
    前記待機処理の後に、前記負圧印加機構により前記排気キャップ内空間内に溜めたインクを吸引させる空吸引処理と、
    前記待機処理と並行して、前記インクパージ機構によりインクを前記ノズルより強制的に排出させるインクパージ処理と、
    を実行する、インクジェットプリンタ。
  2. 前記インクジェットヘッドは、前記複数のノズルが開口するノズル面を有し、
    前記インクパージ機構は、前記ノズル面と密着する状態で前記ノズル面とともに前記ノズルを覆うノズルキャップ内空間を形成するノズルキャップを有し、
    前記ノズルキャップを前記ノズル面に対して密着離間可能に相対的に移動させるノズルキャップ移動機構を更に備え、
    前記制御部は、前記キャッピング処理において、前記インクパージ処理中に前記ノズルより排出されるインクが前記ノズルキャップ内空間に受容されるように前記ノズルキャップ移動機構により前記ノズルキャップを前記ノズル面に密着させ、
    前記制御部は、前記待機処理の後に、前記インクパージ処理中に前記ノズルキャップ内空間に受容されたインクを廃棄するインク廃棄処理を実行する、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記複数のノズルは、ノズルごとに吐出するインクの種類が定められており、
    前記ノズルキャップは、インクの種類が異なる複数のノズルを1つの前記ノズルキャップ内空間に連通させることができるように構成され、
    前記制御部は、前記インクパージ処理において、前記負圧印加機構により前記複数のノズルより複数種のインクを前記ノズルキャップ内空間に排出させ、
    前記制御部は、前記待機処理の開始から遅れて前記インクパージ処理を開始する、請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記複数のノズルは、ノズルごとに吐出するインクの種類が定められており、
    前記ノズルキャップは、インクの種類が異なる複数のノズルを1つの前記ノズルキャップ内空間に連通させることができるように構成され、
    前記制御部は、前記インクジェットヘッドを制御可能に構成され、
    前記制御部は、前記インクパージ処理において、前記負圧印加機構により前記複数のノズルより複数種のインクを前記ノズルキャップ内空間に排出させ、
    前記制御部は、
    前記待機処理を実行するか否かを判断する待機要否判断処理と、
    前記インク廃棄処理の後に、前記インクジェットヘッドを作動させ、前記複数のノズルよりインクを吐出させるフラッシング処理と、を実行し、
    前記制御部は、前記待機要否判断処理で前記待機処理を実行しないと判断した場合、前記排気処理、前記空吸引処理、前記インクパージ処理および前記インク廃棄処理を順次実行し、
    前記制御部は、前記フラッシング処理において、前記待機処理が実行された場合におけるインク吐出量を、前記待機処理が実行されなかった場合におけるインク吐出量よりも多くする、請求項2または3に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記インクジェットヘッドは、前記複数のノズルが開口するノズル面を有し、
    前記インクパージ機構は、前記ノズル面と密着する状態で前記ノズル面とともに前記ノズルを覆うノズルキャップ内空間を形成するノズルキャップを有し、
    前記ノズルキャップを前記ノズル面に対して密着離間可能に相対的に移動させるノズルキャップ移動機構を更に備え、
    前記制御部は、前記キャッピング処理において、前記インクパージ処理中に前記ノズルより排出されるインクが前記ノズルキャップ内空間に受容されるように前記ノズルキャップ移動機構により前記ノズルキャップを前記ノズル面に密着させ、
    前記制御部は、前記インクパージ処理の後に前記待機処理と並行して、前記インクパージ処理中に前記ノズルキャップ内空間に受容されたインクを廃棄するインク廃棄処理を更に含む、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記排気キャップと接続される排気ポート、前記負圧印加機構と接続される負圧ポート、および大気に開放される大気ポートを有し、前記排気ポート、前記負圧ポート及び前記大気ポートの接続可否を切り換える切換え機構を備え、
    前記制御部は、前記インク廃棄処理において、前記切換え機構を操作して前記排気ポートを前記大気ポートと接続し、
    前記制御部は、前記インク廃棄処理の後に、前記負圧ポートと前記大気ポートを接続し、前記負圧印加機構により前記大気ポートに負圧を印加して前記大気ポートを回復する回復処理を実行する、請求項2ないし5のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記開閉機構は、前記排出路を開閉する開閉弁と、前記開閉弁を操作する弁操作部材とを有し、前記弁操作部材が、前記排気キャップに挿通されかつ前記排気キャップに対して摺動可能であり、
    前記制御部は、前記待機処理において、前記弁操作部材を作動させる、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
JP2015074647A 2015-03-31 2015-03-31 インクジェットプリンタ Active JP6497178B2 (ja)

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