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JP5986705B2 - 耐点錆性に優れたブライト鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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本発明は、耐点錆性に優れたブライト鋼板およびその製造方法に関するものである。
従来から、低炭素鋼からなるブライト鋼板は次のような工程で製造されている。即ち、圧延ロールの他に各種の小径非圧延ロールを使用した冷間圧延装置を通して、鋼板を冷間圧延する。そして、この鋼板を電解清浄装置で圧延時の油脂を除去し、次に焼鈍装置で焼鈍処理する。その後に、ブライトロールを使用した調質圧延装置で調質圧延処理する。
特開平7−258733号 特開平8−333654号 特開平9−262603号
しかしながら、圧延時に鋼板に接する非圧延ロールの粗度により、圧延後の鋼板表面、特に張力のかかるエッジ部に微小のピンホール疵が発生する。その後、電解清浄ラインで鋼板表面に付着している圧延油を清浄する。その際、エッジのピンホール疵部に付着した圧延油等の汚れ分が、十分に清浄されないまま次工程の焼鈍工程に送られる。
焼鈍工程は、生産性の観点から連続焼鈍設備を用いることが一般的であるが、ブライト製品の場合、その美麗な光沢を発揮するためには、多数のロールに接する連続焼鈍工程への通板は適切とは言えず、バッチ焼鈍を用いることになる。しかし、バッチ焼鈍に帯鋼製品を適用した場合、次工程の調圧工程に通板可能な温度まで冷却するためには、焼鈍完了後に数日程度の冷却時間を必要とする。その間、ずっと焼鈍用のレトルトに格納し続ければ、バッチ焼鈍設備の能力を著しく阻害するため、100℃前後の温度まで冷却した後に、焼鈍用のレトルトから払い出す。
そして、防錆室等に載置して調圧工程に通板可能な温度まで冷却されるのを待つのが一般的である。防錆室には密閉タイプのものもあるが、多数の製品を順次製造する場合は、密閉タイプのものは適さない。このため、簡易式防錆室が適用されることになるが、その場合、防錆力は限定されたものとなり、冷却の間に鋼板のエッジ部に錆を生じることがある。特に、ブライト製品の場合は、自動車のヘッドランプの反射板等に適用するため、目視では判然としないような微小な錆もその品質を大幅に損なう。しかも、その微小な錆は冷間圧延されたままの表面肌では検知できず、調圧工程を経て、製品検査の段階に至ってから検知されるため、歩留まりのロスはもちろん、作業効率の点からもそのロスは多大なものとなる。ここで、防錆室の雰囲気は、乾燥大気で、湿度70%以下、より好ましくは60%以下である。
本発明が解決しようとする課題は、冷間圧延鋼板のピンホール状錆の発生を可及的に防止できるような、耐点錆性に優れたブライト鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1課題解決手段であるブライト鋼板は、光沢度(Gs)が350〜500,中心線平均粗さ(Ra)が0.01〜0.09μmの表面を有する低炭素鋼からなる耐点錆性に優れたブライト鋼板である。
本発明の第2課題解決手段である低炭素鋼からなる耐点錆性に優れたブライト鋼板の製造方法は、中心線平均粗さ(Ra)が0.20〜0.40μm,表面最大高さ(Rmax)が5.0μm以下の表面を有する低炭素鋼からなる冷間圧延鋼板に対し、焼鈍処理してから、中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm以下のブライトロールを使用して調質圧延処理するものである
本発明の第3課題解決手段である低炭素鋼からなる耐点錆性に優れたブライト鋼板の製造方法は、複数段の圧延ロールスタンドの、最終段とその手前の段の出口に設けられた非圧延ロールとして、粗さ曲線の高さ方向の偏りの指標(Rsk)が−0.5以下,表面の中心線平均粗さ(Ra)が2.5〜3.0μm,表面最大高さ(Rmax)が25μm以下に仕上げ研磨されてなるものを使用し、前記装置を通して低炭素鋼からなる鋼板を冷間圧延し、次いで、前記鋼板を焼鈍処理し、次いで、前記鋼板を中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm以下のブライトロールを使用して、調質圧延処理するものである

ここで、本発明の前記の数値限定をする理由は、次の通りである。
ブライト鋼板に関し、用途として車のヘッドライトの反射板やストーブの反射板に使用されるが、それらの製品において所定の機能を充足するためのものである。
冷間圧延鋼板に関し、最終のブライト製品とする際に、ある程度の加工性と前記ブライト鋼板のスペック(仕様・数値)を満足するためである。原板粗度が粗すぎると、所定の光沢を出すためには圧延率(伸率)を大きくする必要があるが、その場合、鋼板が硬質化してしまい、所定の加工性が得られないという問題がある。
非圧延ロールに仕上げ研磨加工を施すに際し、粗さ曲線の高さ方向の偏りの指標(Rsk)が−0.5以下,表面の中心線平均粗さ(Ra)が2.5〜3.0μm,表面最大高さ(Rmax)が25μm以下となるようにする理由は、ある一定の粗度(Ra)を保ちながら、指標(Rsk)が−0.5以下とすることで、ロールの凸面を少なくし、板への押し込み疵(ピンホール疵)を防止するためである。Raを限定するのは、低すぎるとロールが滑り、高すぎるとRmax値が入らなくなる(ピンホール疵が出る)ためである。
ここで、前記指標(Rsk)については、関連するJIS B 0601:2001
(平成13年1月20日改正)のもので、(4.2.3 輪郭曲線のスキューネス)に定義された次のものである。
Figure 0005986705
本発明により、冷間圧延鋼板のピンホール状錆の発生を可及的に防止できるようになった。
本発明の鋼板の製造に係わる工程の説明図で、冷間圧延設備の非圧延ロール使用箇所の説明図である。 本発明の鋼板の製造に係わる工程の説明図で、図1aの工程後の工程の説明図である。 ピンホール疵発生ありの非圧延ロール(第4段出口)粗度のプロファイの線図である。 ピンホール疵発生なしの非圧延ロール(第4段出口)粗度のプロファイリングの線図である。 ピンホール状錆の発生重量と発生率の推移を示すグラフである。
以下に本発明の一実施例を図面に基づき説明する。図1aに示すように、ブライト鋼板の製造に使用する冷間圧延設備10において、鋼板Aは4段の圧延ロールスタンドS1,S2,S3,S4(ワークロールWR1,WR2,WR3,WR4を持つ)を経て圧延され、ブライドルロール8を経て巻取ロール9に巻き取られる。そして、各スタンドの出口に板押さえロール1,テンションメーターロール2,ビリーロール3(最終第4段スタンドS4)が設けられている。
また、最終第4段スタンドS4とブライドルロール8との間に、形状検出ロール(テンションメーター機能を含む)4,ブライドル前ピンチロール(上下)5,連単切替ロール6が設けられ、ブライドルロール8と巻取ロール9との間に、連単切替ロール6,シャー前ピンチロール(上下)7が設けられている。
ここで、このように冷間圧延工程では、ワークロール(圧延ロール)WRが板厚を薄くする。しかしそのほか、板押さえロール1,テンションメーターロール2,ビリーロール3,形状検出ロール4,ブライドル前ピンチロール(上下)5,連単切替ロール6,シャー前ピンチロール(上下)7等、種々のロール(以下非圧延ロールという)が板と接している。本発明はこのような非圧延ロールに着目して原板を調査した。
即ち、図2において、ダル目のピークが見られ、これがピンホール疵を発生させていた。また、図3において、ピンホール疵が発生していないときの非圧延ロールはピークが少なく、先も尖っていない。その結果、原板のピンホール疵を見つけ、これが冷間圧延時の 非圧延ロールのダル目ピークによる疵であることが判明した。
この理由として考えられることは、非圧延ロールのダル目がエッジ(張力が一番かかるところ)に集中し、極微小な押し込み疵(以下、ピンホール疵)を発生させることである。そして、その後の工程で、このピンホール疵を起因とした極微小な点錆(以下、ピンホール状錆)を発生させており、同じ仕掛りでも錆の発生するものとしないものがある。
このことから、前記対策として本発明は非圧延ロールの仕様を見直し、造り込み工程の変更を行うことで、ピンホール疵を防止しようとするものである。
従来の加工方法では、非圧延ロールに対し、表面の中心線平均粗さ(Ra)が3.2±0.2μmとなるように第1研磨およびショット加工を施し、次に前記非圧延ロールに対して硬質クロムメッキを施し、その後、表面の中心線平均粗さ(Ra)が2.5〜3.0μm,表面最大高さ(Rmax)が25μm以下になるように仕上げていた。
そこで、本発明においては、非圧延ロールに対し、粗さ曲線の高さ方向の偏りの指標(Rsk)が−0.5以下,表面の中心線平均粗さ(Ra)が2.5〜3.0μm,表面最大高さ(Rmax)が25μm以下になるように仕上げ研磨加工を施す。
このような非圧延ロールを使用した前記冷間圧延装置10を通して、鋼板を冷間圧延する。そして、図1bに示すように、この鋼板を電解清浄装置20で圧延時の油脂を除去し、次にタイトコイル焼鈍装置30で焼鈍処理する。その後に、中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm以下のブライトロールを使用した調質圧延装置40で調質圧延処理する。このように前記工程を経て、低炭素鋼からなる耐点錆性に優れたブライト鋼板が得られたのである。
(1) 板押さえロール1
・直径 230〜223mm
・表面粗さ(μm)
第3段 Rsk−1.148,Ra2.782,Rmax23.85
第4段 Rsk−1.008,Ra2.725 Rmax18.90
(2) テンションロール2
・直径 230〜223mm
・表面粗さ(μm)
Rsk−0.548,Ra2.656,Rmax16.25
(3)ビリーロール3
・直径 230〜223mm
・表面粗さ(μm)
Rsk−1.587,Ra2.579,Rmax18.50
(4)ブライトロール
・直径 530〜560mm
・表面粗さ(μm) Ra 0.06μm以下
(5)冷間圧延鋼板の表面粗さ(μm)
WS CN DS
Ra 0.24 0.20 0.23
Rmax 1.81 1.73 2.50
ここで、WS:鋼板の圧延機に対する作業側端より10mmの位置
CN:鋼板のコイル幅の中心部の位置
DS:鋼板の圧延機に対する駆動側端より10mmの位置
(6)ブライト鋼板の表面粗さ(μm)
WS CN DS
Ra 0.028 0.025 0.040
(7)ブライト鋼板の表面粗さRa(μm)と光沢度(Gs)の平均値
試料No.1〜24に係るコイルのブライト鋼板の最大値(MAX),最小値(MIN),平均値(AVE)を表1に示す。ここで、光沢度(Gs)は、日本電色工業株式会社製のハンディ型光沢計PG−1Mを用いて、投受光角60°にて測定した。
Figure 0005986705
(8)ストリップのピンホール状錆の発生状況(図4に示す)。
図4はピンホール状錆の発生状況として、横軸にロット数,縦軸の左側にピンホール状錆の発生したロットの重量,右側にピンホール状錆の発生率(各ロットの通板重量に対する錆発生重量の割合)をとり、グラフに表したものである。このグラフから解かるように、ロット7から本発明に係る非圧延ロールを使用した結果、ロット数の増加に従って、錆の発生が減少し、ロット11〜17で発生率がほぼ0%となっていることがわかる。
本発明は前記した実施例や実施態様に限定されず、特許請求の範囲を逸脱せず種々の変形を含む。
本発明は、ブライト鋼板に利用される。
A 鋼板
10 冷間圧延設備
20 電解清浄装置
30 タイトコイル焼鈍装置
40 調質圧延装置
S1,S2,S3,S4 圧延ロールスタンド
WR1,WR2,WR3,WR4 ワークロール
1 押さえロール
2 テンションメーターロール
3 ビリーロール
4 形状検出ロール
5 ブライドル前ピンチロール
6 連単切替ロール
7 シャー前ピンチロール
8 ブライドルロール
9 巻取ロール

Claims (3)

  1. 光沢度(Gs)が350〜500,中心線平均粗さ(Ra)が、0.01〜0.09μmの表面を有する低炭素鋼からなる耐点錆性に優れたブライト鋼板。
  2. 中心線平均粗さ(Ra)が0.20〜0.40μm,表面最大高さ(Rmax)が5.0μm以下の表面を有する低炭素鋼からなる冷間圧延鋼板に対し、焼鈍処理してから、中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm以下のブライトロールを使用して調質圧延処理する低炭素鋼からなる耐点錆性に優れたブライト鋼板の製造方法
  3. 複数段の圧延ロールスタンドの、最終段とその手前の段の出口に設けられた非圧延ロールとして、粗さ曲線の高さ方向の偏りの指標(Rsk)が−0.5以下,表面の中心線平均粗さ(Ra)が2.5〜3.0μm,表面最大高さ(Rmax)が25μm以下に仕上げ研磨されてなるものを使用し、前記装置を通して低炭素鋼からなる鋼板を冷間圧延し、次いで、前記鋼板を焼鈍処理し、次いで、前記鋼板を中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm以下のブライトロールを使用して、調質圧延処理する低炭素鋼からなる耐点錆性に優れたブライト鋼板の製造方法
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