JP6004824B2 - 帯電部材、電子写真装置および帯電部材の製造方法 - Google Patents
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Description
Cセットが生じた帯電ローラを接触帯電に用いた場合、帯電ローラの圧縮永久歪みの発生部位が、感光ドラムとのニップ部を通過する際に、帯電ローラ表面と感光ドラム表面との間隙に生じる放電が不安定となる。その結果、感光ドラムに帯電ムラが生じ、電子写真画像にスジ等の欠陥が生じることがある。
特許文献1には、弾性層表面にフッ素系ブロック共重合体又はシリコン系ブロック共重合体からなる添加剤をバインダーに添加することにより、高硬度で低摩擦の表面層を形成する手法が開示されている。
そこで、本発明は、Cセット画像の発生をより確実に抑制することのできる帯電部材を提供することを目的とする。
また、本発明は、高品位な電子写真画像を安定して形成することのできる電子写真装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、Cセット画像の発生をより確実に抑制することのできる帯電部材の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明によれば、上記の帯電部材と、電子写真感光体とを具備している電子写真装置が提供される。
さらに、本発明によれば、導電性の弾性層を有する帯電部材の製造方法であって、該弾性層の形成工程が、(1)未加硫のアクリロニトリルブタジエンゴムと、N,N´−メチレンビス(1,4−フェニレン)ジマレイミドと、を含む未加硫のゴム組成物の層を加硫する工程と、(2)加硫された該ゴム組成物の層の表面に電子線を照射する工程と、を有する帯電部材の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、長期間の使用によっても、高品位な電子写真画像を安定的に形成可能な電子写真装置を得られる。
<弾性層>
弾性層12は加硫ゴムを含んでいる。該加硫ゴムは未加硫のアクリロニトリルブタジエンゴムと、下記構造式(1)で示されるN,N´−メチレンビス(1,4−フェニレン)ジマレイミドとを含む組成物を加硫させて形成される。
ところが、表面層の形成過程においては、バインダーポリマーの架橋と、架橋時の熱等によるバインダーポリマーの分子切断とが競争的に生じていると考えられており、表面層の架橋密度を十分に高めることができない場合がある。
導電性の支持体(芯金)上に、前述したゴム組成物を積層した未加硫ゴムローラを成形する。ゴムローラの成形方法としては、弾性体層ゴム組成物を押出機によりチューブ状に押出成形し、これに芯金を挿入する方法がある。また、未加硫ゴム組成物を、クロスヘッドを装着した押出機により、芯金を中心に円筒形に共押出し、所望の外径の成形体を得る方法がある。あるいは、未加硫ゴム組成物を射出成形機により所望の外径の金型内部に注入して成形体を得る方法を挙げることができる。中でも、クロスヘッド押出機を使用した押出成形法は連続生産が容易で、工程数が少なく、低コストでの製造に適している為、最も好ましい。
その後さらにその表面を研削処理することもできる。ローラの表面を研削する方法としては、例えば、砥石またはローラをローラのスラスト方向に移動して研削するトラバースの研削方式が挙げられる。また、芯金軸を中心にローラを回転させながらローラ長さより幅広の研削砥石を往復させずに切り込むプランジカットの研削方式が挙げられる。プランジカットの円筒研削方式は弾性体ローラの全幅を一度に研削できる利点があり、トラバースの円筒研削方式より加工時間が短くすることができるため、より好ましい。
帯電部材の表面へのトナーや紙粉等の汚れの付着抑制するために、弾性層の表面に紫外線照射や電子線照射等を行って表面改質してもよく、また、弾性層の周面を被覆するように表面層を形成してもよい。
図2には電子線照射装置の概略図を示す。
本発明に用いた電子線照射装置はローラを回転させながらローラ表面に電子線を照射するものであり、図2に示すように、電子線発生部21と照射室22と照射口23とを備えるものである。
D=(K・I)/V ・・・・・・ (1)
ここで、Dは線量(kGy)、Kは装置定数、Iは電子電流(mA)、Vは処理スピード(m/min)である。装置定数Kは、装置個々の効率を表す定数であって、装置の性能の指標である。装置定数Kは一定の加速電圧の条件で、電子電流と処理スピードを変えて線量を測定することによって求めることができる。電子線の線量測定は、線量測定用フィルムをローラ表面に貼り付け、これを実際に電子線照射装置で処理し、ローラ表面の測定用フィルムをフィルム線量計により測定することができる。なお、本発明において使用した線量測定用フィルムは「FWT−60U」(商品名、FarWestTechnology社製)、フィルム線量計は「FWT−92D型」(商品名、FarWestTechnology社製)である。
本発明の導電性ゴム弾性体層は、帯電ローラの弾性層以外に、現像部材、転写部材、除電部材や、給紙ローラなどの搬送部材としても使用可能である。
図3に本発明に係る帯電部材を備えた電子写真装置の断面図を示す。電子写真感光体31は、アルミニウムなどの導電性を有する導電性支持体31bと、導電性支持体31b上に形成した感光層31aを基本構成層とするドラム形状の電子写真感光体である。軸31cを中心に図上時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
静電潜像は、現像部材35によりトナー画像として順次に可視像化されていく。このトナー画像は、次いで、転写ローラ36により不図示の給紙手段部から電子写真感光体31の回転と同期取りされて適正なタイミングをもって電子写真感光体31と転写ローラ36との間の転写部へ搬送された転写材37に順次転写されていく。
除電された電子写真感光体31の周面は、クリーニング部材39で転写残りトナーなどの付着汚染物の除去を受けて洗浄面化されて、繰り返して画像形成に供される。
また、露光は、電子写真装置を複写機として使用する場合には、原稿からの反射光や透過光により原稿を読み取り、信号化し、この信号に基づいてレーザービームを走査したり、LEDアレイを駆動したりすることなどにより行われる。本発明の導電性ゴム弾性体を使用しうる電子写真装置としては、複写機、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ、あるいは電子写真製版システムなどの電子写真応用装置などが挙げられる。
<実施例1>
(弾性層用ゴム材料の調製)
表1に記載の材料を、6リットル加圧ニーダー(製品名:TD6−15MDX、トーシン社製)を用いて、充填率70vol%、ブレード回転数30rpmで12分間混合してA練りゴム組成物を得た。
直径6mm、長さ252mmの円柱形の導電性支持体(鋼製、表面はニッケルメッキ)の円柱面の軸方向中央部228mmに導電性加硫接着剤(メタロックU−20;東洋化学研究所製)を塗布し、温度80℃で30分間乾燥した。次に、上記で得られた未加硫ゴム組成物を、クロスヘッドを用いた押出成形によって、導電性支持体を中心として同軸状に円筒形に押出し、導電性支持体の外周に未加硫ゴム組成物がコーティングされた未加硫ゴムローラを作製した。押出機は、シリンダー径(直径)45mm、L/D=20の押出機を使用し、押出時の温調はヘッド温度90℃、シリンダー温度90℃、スクリュー温度90℃とした。成形した未加硫ゴムローラの両端を切断し、弾性層部分の軸方向幅を228mmとした後、電気炉にて温度160℃で40分の加熱処理を行い、加硫ゴムローラを得た。
得られたゴムローラの表面に紫外線照射による表面改質処理を実施した。表面処理は254nmの波長の紫外線を積算光量が8500mJ/cm2になるように照射することによって行い、紫外線の照射には、ハリソン東芝ライティング(株)製の低圧水銀ランプを用いた。上記のようにして帯電ローラ1を作製した。
帯電ローラ1の表面硬度の測定は、マイクロ硬度計(商品名:MD−1高分子計器株式会社製)を用い、温度23℃、相対湿度55%RHの環境下でピークホールドモードにより測定した。
より詳しくは帯電部材を金属製の板の上に置き、金属製のブロックを置いて帯電部材が転がらないように簡単に固定し、金属板に対して垂直方向から帯電部材の中心に正確に測定端子を押し当て5秒後の値を読み取った。これを帯電部材のゴム端部から30〜40mmの位置の両端部及び中央部のそれぞれ周方向に3箇所ずつ、計9箇所を測定し、得られた測定値の平均値を弾性層の硬度とした。
帯電ローラ1の表面硬度を、ユニバーサル硬度計(商品名:超微小硬度計H−100VFischer社製)を用いて測定した。測定用の圧子としては、四角錘型ダイヤモンドを用いた。押し込み速度は下記式(2)の条件である。
dF/dt=1000mN/240s ・・・・(2)
(Fは力、tは時間を表す。)
圧子の押し込み深さが0から10μmまでの最大硬さを帯電ローラ1の表面硬度とした。
また、弾性層内部の硬度を、押し込み深さ100μmにおける硬さとした。
導電性弾性層の膨潤度を以下に述べる方法で測定した。結果を表6に示す。測定方法としては、JIS
K6258に基づき、室温23℃の環境下でトルエンに24時間浸漬静置し、静置前の体積(前)と静置後の体積(後)の値から、式3により膨潤度を算出した。
サンプルは、導電性弾性層からゴム部分をスライスし、長さ20mm、厚さ2mmの円弧形状に加工した。
膨潤度(%)=((後)/(前)−1)×100・・・・(3)
結果を表6に示す。
帯電ローラ1をプロセスカートリッジ(ローラ両端5N荷重で直径(φ)30mmの感光体に圧接)に装着し、当該プロセスカートリッジを、温度40℃、相対湿度95%の環境下に30日間静置した。その後、当該プロセスカートリッジを、電子写真装置(商品名:LBP5050、キヤノン製)に装填し、ハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描くような画像)を出力した。そして、得られたハーフトーン画像を目視で観察し、表3の基準にて評価した。
上記画像評価に用いたプロセスカートリッジから帯電ローラ1を取り出し、当該帯電ローラの電子写真感光体との圧接部位に生じたCセットの量を測定した。ここで、Cセットの量とは、圧接部位と非圧接部位の外形差を歪み量と定義した。なお、測定には、レーザー形状測定機(商品名:LS−5500、キーエンス(株)製)を用いた。
アクリロニトリルブタジエンゴムをN250SL( アクリロニトリル含有量20% JSR製)に変更した以外は、実施例1と同様にして弾性層用ゴム材料を調製し、得られた未加硫ゴムから実施例1と同様の方法で帯電ローラ2を成形した。
アクリロニトリルブタジエンゴムを表4に記載の配合にした以外は、実施例1と同様にして弾性層用ゴム材料を調製し、得られた未加硫ゴムから実施例1と同様の方法で帯電ローラ3を成形した。
アクリロニトリルブタジエンゴムを表5に記載の配合にした以外は、実施例1と同様にして弾性層用ゴム材料を調製し、得られた未加硫ゴムから実施例1と同様の方法で帯電ローラ4を成形した。
N,N´−メチレンビス(1,4−フェニレン)ジマレイミドの配合量をアクリロニトリルブタジエンゴム100質量部に対して5質量部配合した。それ以外は、実施例1と同様にして弾性層用ゴム材料を調製し、得られた未加硫ゴムから実施例1と同様の方法で帯電ローラ5を成形した。
研磨後の帯電ローラを紫外線照射から電子線照射に変更した以外は、実施例1と同様にして弾性層用ゴム材料を調製し、得られた未加硫ゴムから実施例1と同様の方法で帯電ローラ6を成形した。電子線の照射には、最大加速電圧150kV、最大電子電流40mAの電子線照射装置(岩崎電気製)を用い、照射時に窒素ガスパージを行った。処理条件は、加速電圧150kV、電子電流2.5mA、処理速度1m/min、酸素濃度100ppm、装置定数Kは40とした。このようにして帯電ローラ6を得た。
研磨後の帯電ローラを実施例6の条件と同様に電子線照射した以外は、実施例3と同様の方法で帯電ローラ7を得た。
<実施例8>
研磨後の帯電ローラを実施例6の条件と同様に電子線照射した以外は、実施例4と同様の方法で帯電ローラ8を得た。
<実施例9>
研磨後の帯電ローラを紫外線照射から熱風炉加熱に変更した以外は、実施例1と同様の方法で帯電ローラ9を得た。熱風炉加熱は温度210℃雰囲気下で15分間乾燥とした。
<実施例10>
未加硫ゴム組成物を、クロスヘッドを用いた押出成形時に、芯金送り速度の調速を実施し、端部直径8.4mm、中央部直径8.5mmのクラウン形状の弾性体層を有する未加硫ゴムローラを成形し、未研磨とした以外は、実施例1と同様に帯電ローラ10を得た。
<実施例11>
紫外線照射しなかった以外は、実施例10と同様に帯電ローラ11を得た。
N,N´−メチレンビス(1,4−フェニレン)ジマレイミドを非添加とした以外は、実施例1と同様に帯電ローラ12を得た。
<比較例2>
N,N´−メチレンビス(1,4−フェニレン)ジマレイミドを非添加とした以外は、実施例6と同様に帯電ローラ13を得た。
<比較例3>
N,N´−メチレンビス(1,4−フェニレン)ジマレイミドを非添加とした以外は、実施例9と同様に帯電ローラ14を得た。
実施例1〜11および比較例1〜3に係る帯電ローラの評価結果を表6−1〜表6−2に示す。
実施例1〜11は本発明の範囲であり、トルエン膨潤度が小さく、圧縮永久ひずみ量が小さく、Cセット画像評価ランクは全ての実施例でC以上であり、実用上問題無い良好な画像が得られている。
11 芯金
12 弾性層
13 表面層
Claims (6)
- 導電性の弾性層を有する帯電部材であって、
該弾性層は、
未加硫のアクリロニトリルブタジエンゴムと、
N,N´−メチレンビス(1,4−フェニレン)ジマレイミドと、
電子導電性フィラーと、を含む未加硫のゴム組成物の加硫物からなることを特徴とする帯電部材。 - 前記弾性層が、さらに、前記ゴム組成物の層の表面に電子線を照射することにより形成されたものである請求項1に記載の帯電部材。
- 前記未加硫のゴム組成物が硫黄を含む請求項1または2に記載の帯電部材。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の帯電部材と、電子写真感光体とを具備していることを特徴とする電子写真装置。
- 導電性の弾性層を有する帯電部材の製造方法であって、
該弾性層の形成工程が、
(1)未加硫のアクリロニトリルブタジエンゴムと、N,N´−メチレンビス(1,4−フェニレン)ジマレイミドと、を含む未加硫のゴム組成物の層を加硫する工程と、 (2)加硫された該ゴム組成物の層の表面に電子線を照射する工程と、を有することを特徴とする帯電部材の製造方法。 - 前記未加硫のゴム組成物が硫黄を含む請求項5に記載の帯電部材の製造方法。
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