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JP6015683B2 - ワークの加工装置およびワークの加工方法 - Google Patents
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Description

本発明は、キャリアの保持孔にワークを保持し、そのワークの両面を同時に加工するワークの加工において、加工前にワークがキャリアの保持孔に正しく収まっていないことを検出してワークの割れを防止する方法および装置に関する。
従来より、例えばシリコンウェーハ等の薄板状のワークを平面加工する場合、両面研磨装置や両面ラップ装置が使用されている。例えば、両面研磨装置は、発泡ウレタンや不織布からなる研磨布を貼り付けた上下定盤の間に、外周部に遊星ギアを有する円盤状のキャリアを配置する。ワークをこのキャリアの保持孔内に保持し、遊星ギアにかみ合うサンギアとインターナルギアとを相互に回転させることにより、キャリアの自転や、公転運動を発生させる。この自転、公転、及び上下定盤の回転とワークとの摺動によってワークの上下面を同時に研磨するものである。研磨中には、研磨を効率的に行うため、上定盤に設けられた複数の穴から、研磨スラリーを供給する。
上定盤には上下動機構が備えられ、上昇位置でキャリアを配置したり、キャリアにワークを保持したりする。ワークの保持は、作業者が手作業で行う場合と、自動のハンドリング装置を使用して行う場合がある(例えば、特許文献1参照)。ワークが保持された後、上定盤が下降することで、上下定盤でワークとキャリアを挟み込む。
研磨速度を制御するには、上下定盤、サンギア、インターナルギアの回転速度を変えることにより、ワークと上下定盤との摺動速度を変える方法と、研磨荷重を制御する方法がある。
上定盤の保持部には通常上定盤の重量を測定する計器が備えられている。例えば、上定盤が上昇位置にあるときは、この計器は上定盤の全重量を計測する。上定盤が完全に下降した位置では、上定盤の全重量がワークとキャリアに加わるので、この計器が測定する上定盤の重量はゼロになる。この完全に下降した位置から、少しずつ上定盤を上昇させると、ワークとキャリアのみに加わっていた上定盤の重量が、少しずつ上定盤保持部でも支持されることになる。すなわち、上定盤の高さ位置を適切に制御することで、所望する研磨荷重をワークとキャリアに加えることができる。
特開2005―243996号公報 特開2013―78826号公報
キャリアに保持したワークがキャリアの保持孔内に正しく収まっていない状態、すなわちワークの保持異常がある状態でワークの研磨を行うと、ワークは保持孔から大きく飛び出し、ワークが破損してしまう。この場合、キャリアから飛び出したワークが破損するだけでなく、連鎖的に他のワークやキャリアの破損も引き起こす可能性が高い。さらには装置のギア、研磨布、定盤が破損する場合もある。
結果としてワーク破損による歩留まりの低下、加工装置復旧作業による生産性の低下、さらには破損した装置部品や研磨布の交換によるコストアップを招いてしまう。
ワークの保持異常の原因には、ワークが初めから保持孔内に正しく挿入されていない場合や、ワークは正しく保持孔内に挿入されたが、研磨開始前に、例えば定盤の回転によって保持孔からはみ出してしまう場合がある。このような保持異常は、ワークの保持を作業者の手作業で行う場合には、単純な作業ミスによって生じ、また、自動ハンドリング装置を使用して行う場合には、故障などで装置が十分機能しないことによって生じると考えられる。
正しく保持孔内に挿入されたワークが、研磨開始前に保持孔からはみ出してしまうのは、以下のような理由が考えられる。
下定盤に置かれたキャリアの保持孔に溜まっている水やスラリーにより、ワークが浮力を得てはみ出しやすくなる。より具体的には、一般的な両面研磨装置や両面ラップ装置では、1つのキャリアでワークを1枚、もしくは複数枚保持でき、複数のキャリア、例え5枚のキャリアが等間隔、すなわち72°間隔で装置に設けられている場合が多い。ワークをキャリアに保持する際には、複数のキャリアのうち、対象のキャリアを特定のワークの仕込み位置にインターナルギアとサンギアを回転させることで移動させる。この特定の仕込み位置に配置されたキャリアに対し、作業者が手作業でワークを保持させたり、あるいは自動ハンドリング装置がワークを保持させたりする。この特定仕込み位置にあるキャリアのウェーハ保持が終了した後、インターナルギアとサンギアを72°同じ方向に回転させることで、今度はすぐ隣のキャリアをワークの仕込み位置に移動させる(この動作をキャリアのインデックスと呼ぶことがある)。これらワークの保持とインデックスを5回繰り返すことで、5枚全てのキャリアにワークを保持させる。上記したような、ワークが浮力を得てはみ出しやすい条件下では、インデックスのようにキャリアを移動させたり、回転させるときに、ワークがキャリアからはみ出してしまう可能性がある。
ワークの保持異常を検出するために、ワークをキャリアに保持した後に作業者による触手確認を行う場合があるが、このような触手確認を作業者が直接行うのは時間がかかるので効率的ではない。
また、レーザー変位計で検出した上定盤の高さ位置と基準位置との差が閾値を超えた場合にワークの保持異常と判定する方法が知られている(特許文献2参照)。しかし、この方法では、レーザー変位計を導入するためのコストが増加してしまう。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、ワークの加工前にワークの保持異常を短時間で精度良く、低コストで検出し、ワークや加工装置の破損を防止可能な加工装置および加工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、キャリアの保持孔にワークを挿入して保持し、上定盤を固定位置まで下降させて前記ワークを保持した前記キャリアを前記上定盤と下定盤で挟み込み、前記ワークの両面を同時に加工するワークの加工装置であって、前記ワークが前記キャリアの保持孔に正常に保持された状態で前記上定盤を前記固定位置まで下降させた時の研磨荷重を予め記録しておく記憶媒体を有し、前記ワークが前記キャリアの保持孔に保持された状態で前記上定盤を前記固定位置まで下降させた時の研磨荷重と前記記憶媒体に記録した研磨荷重の差を算出し、該算出した差が閾値を超えた場合に、前記ワークの保持異常と判定する制御装置を有することを特徴とするワークの加工装置が提供される。
このような加工装置であれば、ワークの加工前にワークの保持異常を短時間で精度良く、低コストで検出できるものとなる。そのため、ワークや加工装置の破損を効率的に防止でき、生産性を向上できるものとなる。
前記ワークの加工装置は、両面研磨装置または両面ラップ装置とすることができる。
この場合、前記制御装置は、前記記憶媒体に予め記録した研磨荷重を前記両面研磨装置の研磨布または両面ラップ装置のラップ定盤の経時変化に応じて更新することが可能なものであることが好ましい。
このようなものであれば、研磨布またはラップ定盤の厚さが経時的に減少していくことによるワークの保持異常の誤判定を防止でき、長時間に亘ってワークや加工装置の破損を防止できるものとなる。
また、本発明によれば、キャリアの保持孔にワークを挿入して保持し、上定盤を固定位置まで下降させて前記ワークを保持した前記キャリアを前記上定盤と下定盤で挟み込み、前記ワークの両面を同時に加工するワークの加工方法であって、前記ワークが前記キャリアの保持孔に正常に保持された状態で前記上定盤を前記固定位置まで下降させた時の研磨荷重を予め記録しておく工程と、前記ワークが前記キャリアの保持孔に保持された状態で前記上定盤を前記固定位置まで下降させた時の研磨荷重と前記記録した研磨荷重の差を算出する工程と、前記算出した差が閾値を超えた場合には、前記ワークの保持異常と判定して前記ワークの保持をやり直してから前記ワークを加工し、前記算出した差が閾値を超えない場合には、そのまま前記ワークを加工する工程を含むことを特徴とするワークの加工方法が提供される。
このような加工方法であれば、ワークの加工前にワークの保持異常を短時間で精度良く、低コストで検出できる。そのため、ワークや加工装置の破損を効率的に防止でき、生産性を向上できる。
前記ワークの加工は、両面研磨加工または両面ラップ加工とすることができる。
この場合、前記予め記録した研磨荷重を前記両面研磨加工で用いる研磨布または前記両面ラップ加工で用いるラップ定盤の経時変化に応じて更新する工程を有することが好ましい。
このようにすれば、研磨布またはラップ定盤の厚さが経時的に減少していくことによるワークの保持異常の誤判定を防止でき、長時間に亘ってワークや加工装置の破損を防止できる。
本発明では、ワークの加工において、ワークがキャリアの保持孔に保持された状態で上定盤を固定位置まで下降させた時の研磨荷重が、正常時の研磨荷重から閾値以上の差を有する場合に、ワークの保持異常と判定するので、ワークの加工前にワークの保持異常を短時間で精度良く、低コストで検出できる。この検出結果に応じてワークの保持をやり直すことで、ワーク、およびキャリア、周辺部品などの加工装置の破損、故障を効率的に防止できる。これにより、ワークの破損による歩留まりの低下や、加工装置の復旧による生産性の低下、破損した部品や研磨布の交換によるコストアップを防ぐことができる。
本発明の加工装置の一例としての両面研磨装置を示す概略図である。 図1の両面研磨装置において、ワークが正常に保持されたキャリアを上下定盤で挟み込んだときの状態を示す概略図である。 図1の両面研磨装置において、ワークが正常に保持されていないキャリアを上下定盤で挟み込んだときの状態を示す概略図である。 本発明の加工装置の一例としての両面ラップ装置を示す概略図である。 実施例1における研磨荷重の結果を示した図である。 実施例2における研磨荷重の経時変化の結果を示した図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記したような、ワークの保持異常を低コストで効率的に検出するという課題を解決するため、本発明者等は検討を行った。その結果、ワークの保持異常がある時のワークに加わる研磨荷重は、正常時に比べ大きくなり、これら研磨荷重の差分を評価することにより、ワークの保持異常を短時間で検出できることを見出し、本発明を完成させた。
まず、本発明のワークの加工装置について説明する。この加工装置は、キャリアの保持孔に、例えばシリコンウェーハなどの薄板状のワークを挿入して保持し、上定盤を固定位置まで下降させてワークを保持したキャリアを上定盤と下定盤で挟み込み、ワークの両面を同時に加工するもので、例えば、両面研磨装置、両面ラップ装置が挙げられる。ここでは、両面研磨装置を例として図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明の両面研磨装置1は、上下に相対向して設けられた上定盤2と下定盤3を備えており、各定盤2、3には、それぞれ研磨布4が貼付されている。上定盤2と下定盤3の間の中心部にはサンギア6が、周縁部にはインターナルギア7が設けられている。キャリア5には、ワークWを保持するための保持孔8が形成されている。両面研磨時には、キャリア5はワークWを保持孔8内に保持した状態で上定盤2と下定盤3の間に配設される。
サンギア6及びインターナルギア7の各歯部にはキャリア5の外周歯が噛合しており、上定盤2及び下定盤3が不図示の駆動源によって回転されるのに伴い、キャリア5は自転しつつサンギア6の周りを公転する。このとき、キャリア5の保持孔8に保持されたワークWは、上下の研磨布4により両面が同時に研磨される。ワークの研磨時には、不図示のノズルから、上定盤2に設けられた複数の貫通孔を介して研磨スラリーがワークの研磨面に供給される。
上定盤2はサーボモータ9とサーボモータシリンダー10により上下動でき、その高さ位置を正確に制御できる。上定盤2を吊しているサーボモータシリンダー10のシャフトの下端には、上定盤2と連結し、下方向の荷重を測定するロードセル11が設けられている。ロードセル11で測定される荷重は、図1に示すように、上定盤2が上昇し、上側の研磨布4がワークWと接触していないときには、上定盤2の全重量を示す。図2に示すように、上定盤2が下降し、上側の研磨布4がワークWと接触しているときには、上定盤2の全重量の一部が下定盤3上のワークWに支えられる。この一部ワークWに支えられる重量が、ワークWに加わる研磨荷重である。従って、このときのロードセル11で測定される荷重は、上定盤2の全重量とワークWに加わる研磨荷重の差を示す。
このように、ロードセル11で測定される荷重と上定盤2の全重量の差からワークWに加わる研磨荷重を算出できる。この研磨荷重は、上定盤2の高さ位置を調整することで、制御することができる。所望の研磨荷重が得られる上定盤2の高さ位置を固定位置とし、研磨時には、毎回常に同じ固定位置まで上定盤2を下降させるようにする。
作業者の手作業によりワークWをキャリア5に保持させることもできるが、ワークWをキャリア5の保持孔8まで搬送して保持孔8に挿入するロボットアームを設けても良い。
さらに、両面研磨装置1は、記憶媒体13を具備した制御装置12を有している。この記憶媒体13には、ワークWがキャリア5の保持孔8に正常に保持された状態で上定盤2を固定位置まで下降させた時の研磨荷重(以降、正常時の研磨荷重と呼ぶことがある)を予め記録しておく。例えば、記憶媒体13を制御装置12に接続された電子媒体とし、制御装置12に、上記研磨荷重を記憶媒体13に記録する機能、および記憶媒体13から読み出す機能を設けることができる。
制御装置12はロードセル11と接続しており、ロードセル11で測定した荷重を受信し、上定盤2の全重量との差からこの研磨荷重を算出できる。また、制御装置12は、ワークWがキャリア5の保持孔8に保持された状態で上定盤2を固定位置まで下降させた時の研磨荷重と上記した正常時の研磨荷重との差を算出し、該算出した差が閾値を超えた場合に、ワークWの保持異常と判定する制御プログラムを有している。
ここで、ワークの保持異常の判定についてより詳細に説明する。
図3に示すように、ワークWの保持異常がある場合、すなわちワークWが保持孔8から部分的に、あるいは全てはみ出している場合、上側の研磨布4がワークWと接触するときの上定盤2の高さ位置は、正常時に比べて高くなる。このとき、上定盤2を固定位置まで下降させるようにしても、実際には上定盤2の高さ位置は固定位置よりもワークWが保持孔からはみ出している分高くなる。そのため、上下定盤間の隙間d(図3参照)は、正常時の上下定盤間の隙間d(図2参照)より大きくなる。
従って、上記のように、上定盤2は常に同じ固定位置まで下降されるようにしているので、異常時のワークに加わる研磨荷重は、正常時に比べ大きくなる。そこで、制御プログラムは、算出した研磨荷重と正常時の研磨荷重との差が閾値を超えた場合に、ワークWの保持異常があると判定する。ここで、閾値は特に限定されず、加工装置の種類、ワークや上下定盤のサイズ、ワークの保持異常がある場合の研磨荷重のばらつきなどによって適宜決定できる。ここで言う研磨荷重のばらつきは、例えばワークが保持孔からどの程度はみ出ているか、何枚の保持異常があるか、あるいはワークが保持孔に対しどの方向にはみ出しているかなどの保持異常の状態の違いによって生じる。
このような本発明の加工装置であれば、ワークWの加工前にワークWの保持異常を精度良く短時間で検出できる。そのため、ワークや加工装置の破損を効率的に防止でき、生産性を向上できる。また、制御装置を設けるだけで良く、例えばレーザー変位計などの新たな計器を導入する必要がないのでコストの増加を抑制できる。
両面研磨装置1で使用される研磨布4は、研磨中での摩耗や定期的なドレッシングにより、その厚さが少しずつ減少していく。また、キャリアの厚さも使用時間に応じて穏やかに減少していく。従って、ワークの保持が正常の場合における、上定盤2が上記固定位置まで下降したときの上下定盤間の隙間は、研磨布4やキャリア5の厚さの減少に応じて少しずつ広がっていく。この隙間の広がりは、ワークWに加わる研磨荷重を低下させるため、正常時の研磨荷重が経時的に低下していくことになる。
そこで、制御装置12は、記憶媒体13に予め記録した正常時の研磨荷重を両面研磨装置1の研磨布4の経時変化に応じて更新する機能を有するのが好ましい。本発明の加工装置が後述する両面ラップ装置の場合では、正常時の研磨荷重を両面ラップ装置のラップ定盤の経時変化に応じて更新する。ここで言う経時変化は、上記のように、例えば厚さの変化である。
更新する正常時の研磨荷重は、予め研磨布4の経時変化に応じて正常時の研磨荷重がどのように変化するかを記憶媒体13に記録しておき、この記録した研磨荷重の変化を基に更新することができる。あるいは、直前数回のワークの加工における研磨荷重の平均値に更新するようにしても良い。この制御装置12による正常時の研磨荷重の更新機能は自動化することができる。
正常時の研磨荷重を、上記研磨布4の経時変化に加え、キャリア5の経時変化に応じて更新しても良い。
こうすることで正常時の研磨荷重の経時的なばらつきに対応できるようになる。研磨布4の厚さの減少速度は非常に小さく、正常時の研磨荷重を自動的に更新することで、研磨布やラップ定盤の経時変化があっても信頼性を損なうことなく、異常をより精度良く検出することができる。
上記では、本発明の加工装置について、両面研磨装置を例として説明したが、両面ラップ装置に適応することもでき、上記と同様の効果を奏するものとすることができる。
図4に本発明の両面ラップ装置を示す。図4に示すように、両面ラップ装置21は上下方向に相対向して設けられた上下定盤22、23(ラップ定盤)を有している。下定盤23はその中心部上面にサンギア25を有し、その周縁部には環状のインターナルギア26が設けられている。また、ワークWを保持するキャリア24の外周面には上記サンギア25及びインターナルギア26と噛合するギア部が形成され、全体として歯車構造をなしている。
キャリア24には複数個の保持孔27が設けられている。ラップされるワークWはこの保持孔27内に挿入されて保持される。キャリア24は上下定盤22、23の間に挟み込まれ、下定盤23が回転することで遊星歯車運動、すなわち、自転及び公転する。この際、ノズルから上定盤22に設けられた貫通孔29を介してワークWと上下定盤22、23の間にスラリーを供給し、ワークWの両面がラッピングされる。
上記両面研磨装置の説明と同様に、上定盤22の上方に上定盤22方向の荷重を測定するロードセル28と、このロードセル28と接続している制御装置12を有している。なお、図4では省略されているが、ロードセル28と上定盤22は連結されている。ロードセル28で測定した荷重からワークWに加わる研磨(ラップ)荷重を算出できる。また、制御装置12によって、ワークWがキャリア24の保持孔27に保持された状態で上定盤22を固定位置まで下降させた時の研磨荷重と、記憶媒体13に記録された正常時の研磨荷重との差を算出し、該算出した差が閾値を超えた場合に、ワークWの保持異常と判定することができる。
次に、本発明のワークの加工方法について説明する。ここでは、図1に示す本発明の両面研磨装置1を用いてワークを両面研磨する場合を例として説明する。
上記両面研磨装置で説明したのと同様に、ワークWがキャリア5の保持孔8に正常に保持された状態で上定盤2を固定位置まで下降させた時の研磨荷重(正常時の研磨荷重)を予め記録しておく。
その後、研磨するワークWを、作業者の手作業またはロボットアームによって、キャリア5の保持孔8に挿入して保持し、上定盤2を固定位置まで下降させてワークWを保持したキャリア5を上定盤2と下定盤3で挟み込む。
この状態で、ワークWにかかる研磨荷重をロードセル11で測定した荷重から算出し、算出した研磨荷重と記録した正常時の研磨荷重の差を算出する。この算出した差が閾値を超えない場合には、そのままワークWを研磨するが、閾値を超えた場合には、ワークWの保持異常と判定してワークWの保持をやり直す。
ワークWの保持をやり直した後、ワークの保持が正常に行われているか確認する。この確認は、上記のようにして算出した研磨荷重の差が閾値を超えていないことを再度判定することで行っても良いし、特に保持し直したワークの数が少ない場合には作業者によって確認しても良い。
その後、ワークの研磨面に研磨スラリーを供給しながら、上定盤2及び下定盤3を回転させることで、上下の研磨布4によりワークWの両面を同時に研磨する。
このような本発明の加工方法であれば、ワークの加工前にワークの保持異常を短時間で精度良く、低コストで検出できる。そのため、ワークや加工装置の破損を効率的に防止でき、生産性を向上できる。
上記両面研磨装置で説明したのと同様に、予め記録した研磨荷重を両面研磨加工で用いる研磨布(両面ラップ加工の場合にはラップ定盤)の経時変化に応じて更新することが好ましい。
このようにすれば、研磨布またはラップ定盤の厚さが経時的に減少していくことによるワークの保持異常の誤判定を防止でき、長時間に亘ってワークや加工装置の破損を防止できる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す本発明のワークの加工装置(両面研磨装置)を用い、本発明のワークの加工方法に従って、直径300mmのシリコンウェーハの両面研磨を行った。なお、両面研磨装置は、1つの保持孔を有するキャリアを合計5枚有しているものとした。
まず、正常時の研磨荷重を測定し、記憶媒体に記録しておいた。記録した正常時の研磨荷重は、複数回測定した研磨荷重の平均値とした。
次に、閾値を決定するために、意図的にウェーハの保持異常を発生させ、このときの研磨荷重を測定した。具体的には、ウェーハを小さくずらす、大きくずらす、サンギア側へずらす、インターナルギア側へずらす、定盤の回転中心に対し左方向(CW方向)へずらす、定盤の回転中心に対し右方向(CCW方向)へずらす、1枚だけずらす、2枚ずらすなどウェーハの保持異常の状態を変化させ、研磨荷重のばらつきを測定した。
図5に測定した研磨荷重の結果を示す。図5は、正常時、異常時共に、研磨荷重分布を示しているが、正常時の研磨荷重分布Bは、異常時の研磨荷重分布Aには含まれておらず、明らかに低い値を示している。
両者研磨荷重の差分(図5のΔP)に基づいて閾値(図5のθ)を決定した。
その後、合計5枚のウェーハのそれぞれを5枚のキャリアで保持し、上定盤を固定位置まで下降させた。この時の研磨荷重を計測し、この研磨荷重と上記記録した正常時の研磨荷重との差を算出した。算出した差が上記決定した閾値を超えた場合を保持異常と判定し、ウェーハの保持をし直してから研磨を行った。このようなウェーハの研磨を繰り返し行い、保持異常の判定精度を評価したところ、100%の確率で保持異常を正しく判定できた。そのため、ウェーハの破損は全く生じなかった。
この保持異常の判定処理は非常に短時間で行うことができたので、作業者の触手による従来の確認方法と比べ、生産性を向上できた。
(実施例2)
正常時の研磨荷重を研磨布の経時変化に応じて更新した以外、実施例1と同様にしてシリコンウェーハの両面研磨を行った。
図6に研磨布の使用時間に伴い推移する正常時および異常時における研磨荷重の結果を示す。図6に示すように、研磨荷重は、正常時、異常時ともに研磨布の使用時間に伴いほぼ同じ傾きで減少していることが分かる。これは、上定盤の固定位置が常に同じ位置となるようにしているのに対し、研磨布の厚さが使用時間とともに薄くなるためである。
このように、研磨荷重は、正常時、異常時ともにほぼ同じ傾きで減少するので、閾値を変化させる必要はなかった。
ウェーハの両面研磨を繰り返す間、正常時の研磨荷重を以下のようにして更新した。ウェーハが正常に保持されている時の研磨荷重を、毎回研磨終了時に正常時の研磨荷重として更新した。すなわち、保持異常の判定時に参照する正常時の研磨荷重は、直前の研磨時に更新した正常時の研磨荷重となるようにした。
上記のように正常時の研磨荷重を更新することで、研磨布の経時変化によってウェーハの保持異常の誤判定を回避することができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…両面研磨装置、21…両面ラップ装置、
2、22…上定盤、 3、23…下定盤、 4…研磨布、
5、24…キャリア、 6、25…サンギア、
7、26…インターナルギア、 8、27…保持孔、 9…サーボモータ、
10…サーボモータシリンダー、 11、28…ロードセル、
12…制御装置、 13…記憶媒体、29…貫通孔。

Claims (6)

  1. キャリアの保持孔にワークを挿入して保持し、上定盤を固定位置まで下降させて前記ワークを保持した前記キャリアを前記上定盤と下定盤で挟み込み、前記ワークの両面を同時に加工するワークの加工装置であって、
    前記ワークが前記キャリアの保持孔に正常に保持された状態で前記上定盤を前記固定位置まで下降させた時の研磨荷重を予め記録しておく記憶媒体を有し、前記ワークが前記キャリアの保持孔に保持された状態で前記上定盤を前記固定位置まで下降させた時の研磨荷重と前記記憶媒体に記録した研磨荷重の差を算出し、該算出した差が閾値を超えた場合に、前記ワークの保持異常と判定する制御装置を有することを特徴とするワークの加工装置。
  2. 前記ワークの加工装置は、両面研磨装置または両面ラップ装置であることを特徴とする請求項1に記載のワークの加工装置。
  3. 前記制御装置は、前記記憶媒体に予め記録した研磨荷重を前記両面研磨装置の研磨布または両面ラップ装置のラップ定盤の経時変化に応じて更新することが可能なものであることを特徴とする請求項2に記載のワークの加工装置。
  4. キャリアの保持孔にワークを挿入して保持し、上定盤を固定位置まで下降させて前記ワークを保持した前記キャリアを前記上定盤と下定盤で挟み込み、前記ワークの両面を同時に加工するワークの加工方法であって、
    前記ワークが前記キャリアの保持孔に正常に保持された状態で前記上定盤を前記固定位置まで下降させた時の研磨荷重を予め記録しておく工程と、
    前記ワークが前記キャリアの保持孔に保持された状態で前記上定盤を前記固定位置まで下降させた時の研磨荷重と前記記録した研磨荷重の差を算出する工程と、
    前記算出した差が閾値を超えた場合には、前記ワークの保持異常と判定して前記ワークの保持をやり直してから前記ワークを加工し、前記算出した差が閾値を超えない場合には、そのまま前記ワークを加工する工程を含むことを特徴とするワークの加工方法。
  5. 前記ワークの加工は、両面研磨加工または両面ラップ加工であることを特徴とする請求項4に記載のワークの加工方法。
  6. 前記予め記録した研磨荷重を前記両面研磨加工で用いる研磨布または前記両面ラップ加工で用いるラップ定盤の経時変化に応じて更新する工程を有することを特徴とする請求項5に記載のワークの加工方法。
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