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JP6029853B2 - 重心位置推定装置、車両、および重心位置推定方法、並びにプログラム - Google Patents
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重心位置推定装置、車両、および重心位置推定方法、並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、重心位置推定装置、車両、および重心位置推定方法、並びにプログラムに関する。
運転者が、運転操作に伴う車両の挙動を予測することは安全運転の上で重要である。車両の挙動に影響を与えるものとして、車両の重心位置がある。このとき乗用車では、運転者が一人で乗車しているときと、乗車定員の上限人数で乗車しているときとで重心位置は多少の変化はするものの運転操作に伴う車両の挙動に変化を生じさせるほどではない。一方、トラックなどの貨物車両では、積載貨物の状態に応じて車両の重心位置が大きく変化する。
特に、貨物がコンテナである場合、一般的に、コンテナは荷主が所有するものであり、通常、コンテナへの貨物の積載は、運送業者の監視下では行われない。さらに、コンテナは荷主によって封印が施される。このため運送業者が荷主の許可を得ずコンテナを開封することはできない。したがって、運送業者側では、目視によってコンテナ内の貨物の積載状況を確認することは困難である。
しかしながら、コンテナ内の積荷の偏りが運転に大きく影響する。たとえばコンテナ内の積荷がこのコンテナを積載した車両の進行方向に対して左右のいずれか一方に大きく偏っているような場合(以下では、単に「左右」といえば進行方向に対して「左右」であることとする。)、コンテナを積載した車両の重心位置も左右のいずれか一方に大きく偏ることになる。この場合、車両の運転者は、重心位置が偏っている側の反対側への旋回については左右方向の傾斜角度が大きくならないように注意深く配慮しながら運転を行う必要がある。
このような問題を解決するために、たとえば特許文献1では、車両が走行中におけるロール角度を検出して車両の重心位置の左右への偏りの大きさが判定される。そして、車両の積荷に左右の偏りが生じている場合、運転者に警告される。
特開2002−166745号公報
上述の特許文献1では、車両の走行中のロール角度を検出して重心位置の推定を行うが、重心位置の情報は、運転者が車両の走行開始以前に把握していることが必要となる。したがって、たとえば車両にコンテナが積載された直後に重心位置の推定が行われるとよい。しかしながら車両にコンテナが積載された直後では、車両に揺れや振動が発生しているため、精度の高い重心位置推定が困難である。このため車両にコンテナが積載された後に、車両の揺れや振動が収まってから重心位置の推定を実行することになると少なからず時間を要する。
ここで実際の車両の運行状況を鑑みた場合、たとえばコンテナヤードなどにおいて、多数の順番待ちをしている車両の列に対して次々にクレーンなどを用いてコンテナを素早く積載する作業中に、多数の車両がそれぞれ重心位置推定のために時間を費やすことは好ましくない。
また、その一方で、コンテナの積載を完了した車両がコンテナヤードから公道へ出て行く際には、積載したコンテナの確認や輸送ルートの確認の処理など、運転者が車両を停車させて行う処理がある。このような処理のためには、車両は数分間から十数分間停車することになる。もし車両の重心位置の推定を、このような停車時間を利用して実施できれば好ましい。
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、車両の重心位置の推定を車両の停車中に運転者の都合に合わせて行うことができる重心位置推定装置、車両、および重心位置推定方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一つの観点は、重心位置推定装置としての観点である。本発明の重心位置推定装置は、エアベローズ内の空気圧を制御して車高を所定の高さに保つように調整される車両の重心位置を推定する重心位置推定装置において、エアベローズ内の空気圧を解放する圧力解放手段と、圧力解放手段により空気圧が解放された後にエアベローズ内の空気圧が制御されて車高を所定の高さに保つように調整される際に、車高の変化の割合が所定の大きさより小さくなったときの左右の車高の差から左右の貨物の偏りを推定する偏り荷重推定手段と、を有するものである。
または、偏り荷重推定手段は、空気圧が解放された後にエアベローズ内の空気圧が制御されて車高を所定の高さに保つように調整される際に、左右の車高が閾値を超えるときの時間差から左右の貨物の偏りを推定するようにしてもよい。
さらに、圧力解放手段は、車両の運転室に設けられ、車両の運転者が圧力解放手段に対してエアベローズ内の空気圧をいったん解放する指示を入力するスイッチ手段を有することが好ましい。
さらに、偏り荷重推定手段の推定結果を通知する通知手段を有することが好ましい。
本発明の他の観点は、車両としての観点である。本発明の車両は、本発明の重心位置推定装置を有するものである。
本発明のさらに他の観点は、重心位置推定方法としての観点である。本発明の受信位置推定方法は、エアベローズ内の空気圧を制御して車高を所定の高さに保つように調整される車両の重心位置を推定する重心位置推定方法において、エアベローズ内の空気圧を解放する圧力解放ステップと、圧力解放ステップの処理により空気圧が解放された後に前記エアベローズ内の空気圧が制御されて車高を所定の高さに保つように調整される際に、車高の変化の割合が所定の大きさより小さくなったときの左右の車高の差から左右の貨物の偏りを推定する偏り荷重推定ステップと、を有するものである。
本発明のさらに他の観点は、プログラムとしての観点である。本発明のプログラムは、情報処理装置に、本発明の重心位置推定装置の機能を実現させるものである。
本発明によれば、車両の重心位置の推定を車両の停車中に運転者の都合に合わせて行うことができる。
本発明の実施の形態の連結車の全体構成図である。 図1の牽引車に搭載される重心位置推定装置のブロック構成図である。 図1の牽引車の要部構成を示す図である。 図3の牽引車のエアベローズの空気圧を解放した状態を示す図である。 図2の重心位置推定装置の重心位置推定処理を示すフローチャートである。 図2の表示部の表示例(テキスト表示)を示す図である。 図2の表示部の表示例(図形表示)を示す図である。 図2の表示部の表示例(テキスト表示+図形表示)を示す図である。 図2の表示部の表示例(警報表示の例その1)を示す図である。 図2の表示部の表示例(警報表示の例その2)を示す図である。 その他の実施の形態に係る重心位置推定装置の重心位置推定処理を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態に係る連結車1を図1に示す。連結車1は、図1に示すように、牽引車2と被牽引車3とがカプラ4を介して連結された車両である。牽引車2は、不図示のエンジンを運転室下部に搭載し、非駆動輪である前輪5を有し、駆動輪である後輪6を牽引車シャーシ7に有する。被牽引車3は、2軸の車輪8,9を荷台としての被牽引車シャーシ10の後方に有し、被牽引車3の前方は、カプラ4を介して牽引車シャーシ7に脱着自在に接続されている。図1の例では、荷台としての被牽引車シャーシ10に、コンテナ13が積載されている。
本発明の実施の形態に係る重心位置推定装置11は、運転室に取り付けられており、少なくとも表示部(後述)は運転者が視認できる位置に取り付けられ、圧力解放スイッチ(後述)は運転者が操作できる位置に取り付けられている。牽引車2の後輪6の付近には、エアサスペンション(以下では、エアサスと略して称する。)を構成するエアベローズ12が設けられている。エアベローズ12には、不図示のエアタンクから空気が供給される。なお、牽引車2では前輪5についてはリーフ式(板バネ式)のサスペンションである。図1に示した被牽引車3は、2軸(2組の被牽引車輪8,9を有する。)であるが3軸のものもある。なお、被牽引車3は、牽引車2に連結されていないときには、不図示のランディングギヤによって水平を保ち自立することができる。
以下の説明では、連結車1の左右に一対設けられている部材の符号(たとえばエアベローズ12など)については、進行方向の右側であればR(たとえばエアベローズ12R)、左側であればL(たとえばエアベローズ12L)をそれぞれ付与して説明する場合もある。
また、重心位置推定装置11は、運送業者側で、予め積み荷の状態を目視確認できない場合に有効である。よって、以下の説明では、運送業者が荷主の許可無しに積荷の状態を目視確認できないコンテナ13を積載することを主な業務とする連結車1を例示して説明する。しかしながら本発明の重心位置推定装置11は、連結車1以外の貨物車両においても適用することができ、本発明の適用範囲を連結車1に限定するものではない。
重心位置推定装置11は、図2に示すように、圧力解放スイッチ20、車高センサ21R,21L、圧力センサ22R,22L、重心位置推定部23、および表示部24により構成される。さらに、重心位置推定部23は、偏り荷重値計算部25および偏り荷重値記憶部26を有する。重心位置推定部23は、車高センサ21R,21Lおよび圧力センサ22R,22Lの検出結果を入力として被牽引車3の左右の重心位置を推定する。
圧力解放スイッチ20は、運転者が操作することにより、エアベローズ12の空気圧を解放するためのスイッチである。重心位置推定部23は、重心位置の推定処理に先立ってエアベローズ12の空気圧を解放するので、圧力解放スイッチ20は、重心位置推定部23に対して重心位置の推定処理の実行開始を指示するためのスイッチであるともいえる。なお、圧力解放スイッチ20の形態については、押しボタンスイッチ、スナップスイッチまたはその他のいかなる形態のスイッチであってもよい。また、圧力解放スイッチ20の設置位置は、運転室内の運転者が操作し易い位置がよい。たとえばエアサスの車高を調整するための操作パネルやリモコンなど、エアサス関連スイッチのひとつとして圧力解放スイッチ20を組み込むようにしてもよい。
車高センサ21R,21Lは、連結車1の左右の車高をそれぞれ検出するセンサである。なお、車高センサ21R,21Lが実際に測定する部分は、たとえば牽引車2の後輪6の車軸(後述する図3の符号30)と被牽引車シャーシ7を構成するフレーム(後述する図3の符号31)との間の距離である。
圧力センサ22R,22Lは、牽引車2のエアベローズ12R,12Lの空気圧を検出する。
表示部24は、詳細には、表示制御部と表示画面とを有するが、以下の説明では、表示制御部と表示画面とをまとめて表示部24ということにする。表示部24は、偏り荷重値記憶部26に記憶された重心位置の推定結果を表示画面上に表示する。なお、表示部24の表示画面は、牽引車2の運転席の計器パネルなどに設置される。
偏り荷重値計算部25は、後述する図4または図10のフローチャートの処理を行うことにより被牽引車3の左右の重心位置を計算する。
偏り荷重値記憶部26は、車高センサ21R,21Lの検出結果に基づいて計算される偏り荷重値を記憶する。偏り荷重値記憶部26に記憶された値に基づき、表示部24は、被牽引車3の重心位置の推定結果を表示する。
図3は、連結車1の牽引車2の要部構成を示す図である。図3は、運転室やエンジンなどの部材の図示は省略し、参考までに、被牽引車3の被牽引車シャーシ10およびコンテナ13内の貨物50の状態を破線で示してある。また、図3は、牽引車2を後方から見た状態であり、後輪6R,6Lのみが図示されており、前輪5は、後輪6R,6Lに隠れて見えない状態である。また、図3に図示するエアベローズ12R,12L、車軸30、シャーシ支持部32R,32Lについても後輪6R,6Lに係わるものが図示されており、前輪5に係わる部材については図示を省略してある。さらに牽引車2は、図3に示すように、カプラ4、牽引車シャーシ7、フレーム31、およびダンパ33L,33Rを有している。このように、図3では、後輪6R,6Lの周辺の部材を図示したが、以下の説明は、前輪5または後輪6のいずれの周辺の同様の部材ついても適用できる。また、符号40は重心位置を示すマークである。なお、このマークは説明のために図示したもので、車両そのものに付されているものではない。また、図3では、車軸30の上に、直接的に、エアベローズ12R,12L、車高センサ21R,21L、およびダンパ33R,33Lが描かれているが、実際には不図示の車軸30の支持部材等の構造物の上にエアベローズ12R,12L、車高センサ21R,21L、およびダンパ33R,33Lが設置されている。
エアベローズ12R,12Lは、牽引車2のエアサスペンションを構成し、牽引車2のカプラ4に被牽引車3が接続され、エアベローズ12R,12Lがその重さによって沈み込み、牽引車2の車高が下がったことを車高センサ21R,21Lが検出したときには、不図示のエアサスペンション制御機能によって、エアベローズ12R,12L内の空気圧が調整され、所定の車高を保つように制御される。
なお、エアベローズ12R,12Lは互いに連通しており、個々のエアベローズ12R,12Lの空気圧が個別に制御されるようにはなっていない。すなわち、いずれか一方のエアベローズ12Rまたは12Lに荷重が偏って沈み込むと他方のエアベローズ12Lまたは12Rに空気が移動して浮き上がる。これにより荷重の偏りの状態が牽引車2の車体の傾きに反映される。
図4は、図2に示す圧力解放スイッチ20が操作されてエアベローズ12R,12Lの空気圧が解放され、その結果、エアベローズ12R,12L内の空気圧が大気圧と等しい1気圧になった状態を示している。図4に示すように、エアベローズ12R,12L内の空気圧が解放されると、牽引車シャーシ7は、牽引車シャーシ7に設けられている不図示のダンパ当接部がダンパ33R,33Lの上部に突き当たるまで下降する。なお、ダンパ33R,33Lは、牽引車シャーシ7およびカプラ4に接続されている被牽引車3の重量を十分支えられる強度を有しており、ダンパ33R,33Lの上部の高さが、車高センサ21R,21Lが検出し得る牽引車シャーシ7の下限の高さになる。また、このときには、コンテナ13の重心位置が偏っていても牽引車シャーシ7は、フレーム31と平行な状態になり、車高センサ21R,21Lは、ほぼ同じ値を示す。
次に、重心位置推定装置11の偏り荷重値計算部25の処理について図5のフローチャートを参照して説明する。
STARTにおいて、運転者が連結車1のキーを操作するなどにより、連結車1の電気系統が作動を開始し、これにより重心位置推定装置11が起動されると、偏り荷重値計算部25は、ステップS1のフローに進む。
ステップS1において、偏り荷重値計算部25は、運転者による圧力解放スイッチ20の操作の有無を判定する。ステップS1において、運転者による圧力解放スイッチ20の操作が有ると判定されると、フローは、ステップS2に進む。一方、ステップS1において、運転者による圧力解放スイッチ20の操作が無いと判定されると、フローは、ステップS1を繰り返す。
ステップS2において、偏り荷重値計算部25は、エアサス制御部(不図示)に対してエアベローズ12内の空気を排気するようにエア排気指示を送出し、フローは、ステップS3に進む。
ステップS3において、偏り荷重値計算部25は、圧力センサ22の検出結果を監視し、エアベローズ12内の空気圧がゼロになったか否かを判定する。なお、ここでいう空気圧がゼロとは、圧力センサ22が大気圧と同じ気圧(1気圧)を検出している状態をいう。ステップS3において、空気圧がゼロになったと判定されると、フローは、ステップS4に進む。一方、ステップS3において、空気圧が未だゼロになっていないと判定されると、フローは、ステップS2に戻る。
ステップS4において、偏り荷重値計算部25は、車高センサ21の検出結果の現在値をゼロ点として計測し、フローは、ステップS5に進む。ステップS3において、圧力センサ22の検出結果がゼロになったときには牽引車シャーシ7は、図4に示すような下限の高さに達した状態になっている。すなわち、牽引車シャーシ7は、フレーム31と平行な状態になり、車高センサ21R,21Lは、ほぼ同じ値を示しているので、このときの車高センサ21R,21Lの値が、以降の測定のための原点となるように双方共にゼロ点として設定される。
ステップS5において、偏り荷重値計算部25は、エアサス制御部に対してエアベローズ12内に空気を注入するようにエア注入指示を送出し、フローは、ステップS6に進む。
ステップS6において、偏り荷重値計算部25は、車高センサ21の検出結果を監視し、エアサスによる車高の変化率が所定の値(dδ/dt)以下になったか否かを判定する。ステップS6において、車高の変化率が所定の値以下になったと判定されると、フローはステップS7に進む。一方、ステップS6において、車高の変化率が所定の値よりも大きいと判定されると、フローは、ステップS6を繰り返す。エアサスによる車高の変化率が所定の値(dδ/dt)以下になる状態とは、エアサスによる車高の調整の工程が最終段階に近付いていることを示している。
ステップS7において、偏り荷重値計算部25は、左右のエアサスの高さの差から牽引車シャーシ7の傾きの角度を計算して処理を終了する(END)。すなわち、左右のエアサスの高さの差がゼロならば荷重の偏りは無く、この差が大きければ大きいほど荷重の偏りも大きくなる。また、この差の値の正負によって、偏りの方向が判別可能である。
偏り荷重値計算部25は、ステップS7において計算した値を偏り荷重値記憶部26に記憶する。偏り荷重値記憶部26に記憶された値は、表示部24に表示される。
次に、表示部24,24A,24Bの表示例を図6〜図10に示す。図6の表示部24は、表示部24の表示画面上に重心位置の偏りを数値として表示(たとえばL+400mm)している。すなわち図4の表示部24は、重心位置が中心から左側に40cmズレていることを表している。また、図7の表示部24A例では、表示部24Aの表示画面上に重心位置の偏りを図形として表示している。すなわち図7の表示部24Aでは、重心位置が中心から左側に少しズレていることを視覚的に表している。また、図8の表示部24Bでは、表示部24Bの表示画面上に重心位置の偏りを数値および図形の双方で表示している。また、図9の表示例は、警報部60を表示部24Bに併設した例である。図9の例では、警報部60に「重心偏り大」とテキスト情報が表示されると共に、そのテキスト情報の背景の照明が点滅するようになっている。さらに、スピーカを設け、合成音声によって「重心偏りが大きいです。ご注意ください。」などとアナウンスを行う構成としてもよい。なお、表示部24Bに代えて表示部24または表示部24Aと警報部60とを併設してもよい。また、図10の表示例は、警報部60を有する表示部24Cの例である。図10の例では、警報部60に「重心偏り大」とテキスト情報が表示されると共に、そのテキスト情報の背景の照明が点滅するようになっている。さらに、スピーカを設け、合成音声によって「重心偏りが大きいです。ご注意ください。」などとアナウンスを行う構成としてもよい。なお、表示部24Cは、表示部24Aに警報部60を追加した構成であるが、表示部24Aに代えて、表示部24または表示部24Bに警報部60を追加した構成としてもよい。
以上説明したように、エアベローズ12内の空気圧を解放し、空気圧が解放された後にエアベローズ12内の空気圧が制御されて車高を所定の高さに保つように調整される際に、車高の変化の割合が所定の大きさより小さくなったときの左右の車高の差から偏り荷重を計算するようにしたので、運転者が都合の良いタイミングで圧力解放スイッチ20を押すようにすれば、連結車1の重心位置の推定を運転者の都合に合わせて行うことができる。そして、その重心位置推定結果を、図6〜図10に示したように、運転者に対して分かり易く通知することにより運転者の安全運転に寄与することができる。また、運転者が書類の確認や手続きなどで連結車1を停車させて行う事務処理中に重心位置の推定を実施することができるので、重心位置の推定のためだけに運転者が時間を要することを無くすことができる。その結果、連結車1の運行業務の安全性の向上と共に効率化を図ることができる。なお、車高の変化の割合が所定の大きさより小さくなったときの左右の車高の差から偏り荷重を計算するのは、エアベローズ12内の空気圧の調整が完全に完了するまで待つことなく、それ以前に計算を開始するためであり、これにより処理時間の短縮を図ることができる。すなわち上述の車高の変化の割合がほぼゼロならばエアベローズ12内の空気圧の調整が完了した状態であるが、それ以前であっても車高の変化の割合が小さくなった時点で、エアベローズ12内の空気圧が高くなり間も無く空気圧の調整が完了することを察知できるので、その時点から計算を開始することで処理時間を短縮できる。
上述した本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り様々に変更が可能である。たとえば、図5のフローチャートの処理に代えて、図11のフローチャートの処理を行ってもよい。図11のフローチャートの処理は、いったん空気圧が解放された後にエアベローズ12内の空気圧が制御されて車高を所定の高さに保つように調整される際に、左右の車高が閾値を超えた時刻をそれぞれ計時してその時刻差から左右の貨物の偏りを推定するものである。すなわち図11のフローチャートは、図5のフローチャートのステップS1〜S5までは同じであるが、ステップS10〜S15が図5とは異なる。以下では、図11のフローチャートにおける図5のフローチャートとは異なるステップについて説明する。
ステップS10において、偏り荷重値計算部25は、右車高が閾値δ1よりも高くなったか否かを判定する。ステップS10において、右車高が閾値δ1よりも高くなったと判定されると、フローは、ステップS11に進む。一方、ステップS10において、右車高が閾値δ1より未だ高くなっていないと判定されると、フローは、ステップS5に戻る。
ステップS11において、偏り荷重値計算部25は、ステップS10において、最初にδ1を超えた時刻を計時し、フローは、ステップS14に進む。なお、「最初にδ1を超えた時刻」とは、車体の揺れや振動などにより、車高の値がδ1を跨いで行ったり来たりするような場合があるので、そのような場合には最初にδ1を超えた時刻を計時するようにするために設けた条件である。
ステップS12において、偏り荷重値計算部25は、左車高が閾値δ2よりも高くなったか否かを判定する。ステップS12において、左車高が閾値δ2よりも高くなったと判定されると、フローは、ステップS13に進む。一方、ステップS12において、右車高が閾値δ2より未だ高くなっていないと判定されると、フローは、ステップS5に戻る。
ステップS13において、偏り荷重値計算部25は、ステップS13において、最初にδ2を超えた時刻を計時し、フローは、ステップS14に進む。なお、ステップS12,S13のフローは、ステップS10,S11のフローと、並列的に処理される。
ステップS14において、偏り荷重値計算部25は、ステップS11,S13において計時された時刻T1およびT2の時刻差を計算し、フローは、ステップS15に進む。
ステップS15において、偏り荷重値計算部25は、ステップS14の計算結果に基づいて偏り荷重を推定して処理を終了する(END)。たとえば偏り荷重値計算部25は、時刻T2から時刻T1を減算した結果、正値であれば右方が左方よりも高いので、荷重は左に偏っており、負値であればその反対に右に偏っていると判定し、その上で時刻差の大小によって、偏りの大きさを判定する。
図11のフローチャートの処理によれば、閾値δ1,δ2を比較的小さな値にすれば、ステップS5からステップS10,S12でYesに達するまでの時間を短くすることができるので、荷重偏りの推定時間を短くすることができる。
また、重心位置推定装置11の重心位置推定部23(偏り荷重値計算部25、偏り荷重値記憶部26)は、所定のプログラムにより動作する汎用の情報処理装置によって構成されてもよい。例えば、汎用の情報処理装置は、メモリ、CPU(Central Processing Unit)、入出力ポートなどを有する。汎用の情報処理装置のCPUは、メモリなどから所定のプログラムとして制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、汎用の情報処理装置には、重心位置推定装置11の重心位置推定部23(偏り荷重値計算部25、偏り荷重値記憶部26)の機能が実現される。また、表示部24の表示制御機能など、その他の機能についてもソフトウェアにより実現可能な機能については汎用の情報処理装置とプログラムとによって実現することができる。なお、上述したCPUの代わりにASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSP(Digital Signal Processor)などを用いてもよい。
なお、汎用の情報処理装置が実行する制御プログラムは、重心位置推定装置11の出荷前に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであっても、重心位置推定装置11の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、重心位置推定装置11の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。重心位置推定装置11の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶される制御プログラムは、例えば、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。
また、制御プログラムは、汎用の情報処理装置によって直接実行可能なものだけでなく、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものも含む。また、圧縮されたり、暗号化されたりしたものも含む。
このように、汎用の情報処理装置とプログラムによって重心位置推定装置11の機能を実現することにより、大量生産や仕様変更(または設計変更)に対して柔軟に対応可能となる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
1…連結車、2…牽引車、3…被牽引車、7…牽引車シャーシ、10…被牽引車シャーシ(荷台)、11…重心位置推定装置(偏り荷重推定手段)、12…エアベローズ、20…圧力解放スイッチ(圧力解放手段)、23…重心位置推定部(偏り荷重推定手段の一部)、24,24A,24B,24C…表示部(通知手段)、25…偏り荷重値記憶部(偏り荷重推定手段の一部)、26…偏り荷重値計算部(偏り荷重推定手段の一部)、60…警報部(通知手段)

Claims (7)

  1. エアベローズ内の空気圧を制御して車高を所定の高さに保つように調整される車両の重心位置を推定する重心位置推定装置において、
    前記エアベローズ内の空気圧を解放する圧力解放手段と、
    前記圧力解放手段により空気圧が解放された後に前記エアベローズ内の空気圧が制御されて車高を所定の高さに保つように調整される際に、車高の変化の割合が所定の大きさより小さくなったときの左右の車高の差から左右の貨物の偏りを推定する偏り荷重推定手段と、
    を有する、
    ことを特徴とする重心位置推定装置。
  2. 請求項1記載の重心位置推定装置であって、
    前記偏り荷重推定手段は、空気圧が解放された後に前記エアベローズ内の空気圧が制御されて車高を所定の高さに保つように調整される際に、左右の車高が閾値を超えるときの時間差から左右の貨物の偏りを推定する、
    ことを特徴とする重心位置推定装置。
  3. 請求項1または2記載の重心位置推定装置であって、
    前記圧力解放手段は、前記車両の運転室に設けられ、前記車両の運転者が前記圧力解放手段に対して前記エアベローズ内の空気圧を解放する指示を入力するスイッチ手段を有する、
    ことを特徴とする重心位置推定装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の重心位置推定装置であって、
    前記偏り荷重推定手段の推定結果を通知する通知手段を有する、
    ことを特徴とする重心位置推定装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載の重心位置推定装置を有することを特徴とする車両。
  6. エアベローズ内の空気圧を制御して車高を所定の高さに保つように調整される車両の重心位置を推定する重心位置推定方法において、
    前記エアベローズ内の空気圧を解放する圧力解放ステップと、
    前記圧力解放ステップの処理により空気圧が解放された後に前記エアベローズ内の空気圧が制御されて車高を所定の高さに保つように調整される際に、車高の変化の割合が所定の大きさより小さくなったときの左右の車高の差から左右の貨物の偏りを推定する偏り荷重推定ステップと、
    を有する、
    ことを特徴とする重心位置推定方法。
  7. 情報処理装置に、請求項1から4のいずれか1項記載の重心位置推定装置の機能を実現させることを特徴とするプログラム。
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